JP2000136488A - コードの供給方法とゴム被覆設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コードの切替えが短時間で行え生産効率を向
上させることができるコードの供給方法およびゴム被覆
設備を供する。 【解決手段】 複数本のコード２を供給する複数台のク
リールスタンド10と２個のワイヤガイド20，21と押出機
30の所定箇所に切替え装着可能な２式の押出ヘッド32，
33とを備え、１台のクリールスタンド10から供給された
複数本のコード２を１個のワイヤガイド20が整列させて
押出機30に装着された１式の押出ヘッド33に挿入して押
出機30により連続してゴム被覆してゴム被覆部材３を製
造中に、他のクリールスタンド10から複数本のコード２
を引出し、他方のワイヤガイド21に通して整列させ、他
方の押出ヘッド32に挿入して待機し、切替え時には待機
していたクリールスタンド10，ワイヤガイド21，押出ヘ
ッド32に一斉に切り替えるコードの供給方法およびゴム
被覆設備。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、複数本のコードに
ゴムを被覆する設備およびコードの供給方法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、コードにゴムを被覆する押出機に
は押出ヘッドが１式装着されており、クリールスタンド
から供給される複数本のコードを１個のワイヤガイドが
整列させて該押出ヘッドへ挿入してゴムが被覆される。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】１台のクリールスタン
ドから供給されるコードが尽きると、新たなクリールス
タンドから複数のコードを引出してワイヤガイドに通し
て押出ヘッドに挿入する作業を手作業で行わなければな
らないので、切替え作業に時間が要し、その間製造を中
断しなければならず生産効率を低下させていた。

【０００４】またサイズの切替えを行う場合も、切替え
前のコードを取り外し、押出ヘッドのダイ等を交換し、
新たなクリールスタンドから複数のコードを引出してワ
イヤガイドに通して押出ヘッドに挿入しなければなら
ず、益々切替えに時間がかかる。

【０００５】本発明は、かかる点に鑑みなされたもの
で、その目的とする処は、コードの切替えが短時間で行
え生産効率を向上させることができるコードの供給方法
およびゴム被覆設備を供する点にある。

【０００６】

【課題を解決するための手段および作用効果】上記目的
を達成するために、本発明は、複数本のコードを供給す
る複数台のクリールスタンドと２個のワイヤガイドと押
出機の所定箇所に切替え装着可能な２式の押出ヘッドと
を備え、１台のクリールスタンドから供給された複数本
のコードを１個のワイヤガイドが整列させて押出機に装
着された１式の押出ヘッドに挿入して押出機により連続
してゴム被覆してゴム被覆部材を製造中に、他のクリー
ルスタンドから複数本のコードを引出し、他方のワイヤ
ガイドに通して整列させ、他方の押出ヘッドに挿入して
待機し、切替え時には待機していたクリールスタンド，
ワイヤガイド，押出ヘッドに一斉に切り替えるコードの
供給方法とした。

【０００７】ゴム被覆部材を製造中に他方でコードのセ
ッティングを行い、同セッティングされたクリールスタ
ンド，ワイヤガイド，押出ヘッドを待機させておき、切
替え時に一斉に切り替えるので、切替え時間は短時間で
あり、生産効率を向上させることができる。

【０００８】請求項２記載の発明は、コードを巻きほぐ
して供給するクリールが複数回転自在に軸支された自走
式のクリールスタンドが複数台所定位置に順次設置可能
に配設され、前記クリールスタンドから供給される複数
本のコードを整列させるワイヤガイドが２個所定位置に
切替え設置可能に配設され、前記ワイヤガイドで整列さ
れた複数本のコードに連続してゴムを被覆していく押出
ヘッドが２式押出機の所定箇所に切替え装着可能に配設
されたコードのゴム被覆設備である。

【０００９】所定位置に設置された１台のクリールスタ
ンドから供給された複数本のコードを１個のワイヤガイ
ドが整列させて押出機に装着された１式の押出ヘッドに
挿入して押出機により連続してゴム被覆してゴム被覆部
材を製造している最中に、他のクリールスタンドから複
数本のコードを引出し、他方のワイヤガイドに通して整
列させ、他方の押出ヘッドに挿入して待機させておくこ
とができ、切替え時には、クリールスタンドを自走させ
待機していたクリールスタンドを所定位置に設置し、ワ
イヤガイドを待機していたワイヤガイドに切替え、押出
ヘッドを待機していた押出ヘッドに切替え押出機の所定
箇所に装着することを一斉に行うことで、切替え時間を
大幅に短縮することができ、生産効率を向上させること
ができる。

【００１０】請求項３記載の発明は、請求項２記載のコ
ードのゴム被覆設備において、前記押出ヘッドが、ゴム
被覆前に複数本のコードを最終的に整列し位置決めする
インサータと被覆するゴムの形状を決定するダイとをサ
イズの異なるインサータおよびダイと交換可能に備える
ことを特徴とする。

【００１１】所要のサイズに切替える場合は、現在ゴム
被覆部材を製造している間に、使用していない側の押出
ヘッドのインサータとダイの所要のものにしてコードの
セッティングを行って待機させておけば、サイズの切替
え時間も短時間ですむ。

【００１２】請求項４記載の発明は、請求項３記載のコ
ードのゴム被覆設備において、前記２個のワイヤガイド
は一体に往復動自在に支持され、エアシリンダ等駆動手
段により所定位置にワイヤガイドを交互に切替え設置で
きることを特徴とする。

【００１３】駆動手段により２個のワイヤガイドを交互
に所定位置に切替え設置できるので、コード切替え時に
は瞬時に所要のワイヤガイドに切替え使用することがで
きる。

【００１４】請求項５記載の発明は、請求項３または請
求項４記載のコードのゴム被覆設備において、前記２式
の押出ヘッドが一体に往復動自在に支持され、油圧シリ
ンダ等駆動手段により押出機の所定箇所に押出ヘッドを
交互に切替え装着できることを特徴とする。

【００１５】駆動手段により２式の押出ヘッドを交互に
押出機の所定箇所に切替え装着できるので、コード切替
え時には簡単かつ短時間に所要の押出ヘッドに切替え使
用することができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下本発明に係る一実施の形態に
ついて図１および図２に図示し説明する。図１は本実施
の形態に係るコードのゴム被覆設備１の概略平面図であ
り、図２はその側面図である。

【００１７】該ゴム被覆設備１は、多数本のスチールコ
ード２にゴムを被覆して帯状部材３を製造する設備であ
る。なおスチールコード２のほかテキスタイルコード等
のその他のコードにゴムを被覆することができる。

【００１８】図１および図２において右側に２条のレー
ル11が敷設され、同レール11上に車輪12を介してクリー
ルスタンド10が走行自在に載っている。クリールスタン
ド10は、レール幅方向に長尺の長方形状の基盤13上に複
数本の支柱14が規則的に立設されており、基盤13の短尺
方向に並んだ支柱14間にクリール15が同軸に２個並んで
上下４段に亘って架設されたものが基盤13の長尺方向に
複数配列されている。

【００１９】基盤13の長尺方向の一端にはスチールコー
ド２の横方向の動きを規制する規制支柱16が立設される
とともに同支柱16間にスチールコード２の上下方向の動
きを規制する水平棒17が上下に４本架設されている。各
クリール15に巻き付けられていたスチールコード２は、
巻きほぐされて各段の対応する水平棒17に向かって延び
る。

【００２０】なお基盤13の他端にはモータ18が搭載され
ていて、その駆動軸に嵌着されるスプロケット18ａと車
輪12の車軸12ａに嵌着されるスプロケット12ｂとの間に
チェ−ン18ｂが架渡されている。したがってモータ17の
駆動でチェーン18ｂを介して車輪12が回転してクリール
スタンド10がレール11上を走行する。

【００２１】レール11に沿った所定位置に光センサ19が
設置されており、クリールスタンド10が所定位置に移動
してきたときを検知することができ、同検知信号に基づ
いてモータ17が駆動制御され、クリールスタンド10は所
定位置に停止することができる。

【００２２】該クリールスタンド10からスチールコード
２が延びた下流側に２個のワイヤガイド20，21が左右に
並んで設けられている。ワイヤガイド20，21は、樹脂ま
たはセラミック製の板状部材であり、スチールコード２
を通す小孔が複数所定位置に穿設されており、クリール
スタンド10から延びた複数のスチールコード２を同小孔
に通すことによりおおまかにスチールコード２を所定位
置で整列させることができる。

【００２３】２個のワイヤガイド20，21は、共通の基盤
22上に同一鉛直平面に沿って左右に並んで立設されてお
り、基盤22は左右水平方向に摺動自在に支持されてお
り、側方に配置されたエアシリンダ23のシリンダロッド
23ａが基盤22に接続されて、エアシリンダ23のシリンダ
ロッド23ａの伸縮駆動により基盤22が２個のワイヤガイ
ド20，21とともに左右水平方向に往復動することができ
る。

【００２４】基盤22に沿って所定の左右２か所に光セン
サー25，26が配置され、同２つの光センサー25，26の検
出信号に基づきエアシリンダ23の駆動が制御され、２個
のワイヤガイド20，21を交互に所定位置に切替え設置す
ることができる。

【００２５】このワイヤガイド20，21のさらに下流側に
押出機30が配置されている。押出機30は、ゴム供給部31
が左右方向に長尺に配設され、その端部には押出ヘッド
が交換可能に設けられる。

【００２６】本押出機30の場合、上下に配置された２式
の押出ヘッド32，33が連結部材34により一体に連結さ
れ、鉛直に立設された４本のガイドレール35に案内され
て昇降自在に設けられ、所定高さ位置で２式の押出ヘッ
ド32，33のいずれか１式がゴム供給部31の端部にヘッド
クランプにより締着することができる。なおヘッドクラ
ンプは油圧自動クランプであり、作業者の手を煩わすこ
となく締着および解除をすることができる。

【００２７】押出ヘッド32，33の下方には油圧シリンダ
36がシリンダロッド36ａを上方に突出させて配設されて
おり、同シリンダロッド36ａの上端が下側の押出ヘッド
33に固着されている。

【００２８】したがって油圧シリンダ36の駆動でシリン
ダロッド36ａを伸縮することで、押出ヘッド32，33を一
体に昇降することができる。押出ヘッド32，33に沿って
所定の上下２か所に光センサー37，38が配置され、同２
つの光センサー37，38の検出信号に基づき油圧シリンダ
36の駆動が制御され、２式の押出ヘッド20，21を昇降し
て交互に所定位置に切替えゴム供給部31の端部に装着設
置することができる。

【００２９】各押出ヘッド32，33には、それぞれスチー
ルコード２を最終的に整列させることのできるインサー
タ32ａ，33ａと被覆するゴムの形状を決定するダイ32
ｂ，33ｂが組み込まれている。インサータ32ａ，33ａは
スチールコード２を通す小孔が所定の位置関係に整列穿
設されたものである。

【００３０】上記の押出機30の下流側には、押出ヘッド
32（または33）から押し出されてきた帯状部材３を冷却
する冷却ドラム40，41と帯状部材３を引っ張るプルロー
ル42，43が配設されている。

【００３１】帯状部材３は、押出ヘッド32（または33）
から冷却ドラム40，41に半周ずつ巻き付いて冷却された
後、プルロール42，43にやはり半周ずつ巻き付き、プル
ロール42，43の回転駆動により帯状部材３が引っ張られ
るとともにスチールコード２を引っ張り出すようにして
いる。

【００３２】クリールスタンド10はモータ18によりレー
ル11上を自走して所定位置で停止することができ、２個
のワイヤガイド20，21はエアシリンダ23の駆動により左
右に往復動して所定位置に交互に切替え設置することが
でき、２式の押出ヘッド32，33は油圧シリンダ36の駆動
により昇降して交互に所定位置に切替えゴム供給部31の
端部に装着設置することができる。

【００３３】そしてクリルスタンド10のモータ18、ワイ
ヤガイド20，21のエアシリンダ23、押出ヘッド32，33の
油圧シリンダ36、プルロール42，43等は、コンピュータ
により集中制御される。本ゴム被覆設備１は、以上のよ
うに構成されている。

【００３４】図１および図２に示す状態は、１台のクリ
ールスタンド10から引き出された複数のスチールコード
２が、一方のワイヤガイド20に集まり大まかに整列され
て押出機30側に延び、下側の押出ヘッド33のインサータ
33ａに挿入されて最終的に整列され、ゴムが被覆されダ
イ33ｂで所要の帯形状に形成されて帯状部材３として押
し出され、冷却ドラム40，41で冷却されて排出され、連
続的に帯状部材３を製造している。

【００３５】この帯状部材３を製造中に、別のクリール
スタンド10を使用中のクリールスタンド10に寄り添うよ
うに停止させ、作業者が同クリールスタンド10から複数
のスチールコード２を引き出して使用していない他方の
ワイヤガイド21の小孔に通し、大まかに整列させ、さら
に整列した状態で稼働中の押出ヘッド33の上側の押出ヘ
ッド32のインサータ32ａに最終的に整列させて挿入し、
こうしてスチールコード２をセッティングした状態で待
機させておく。

【００３６】このように他方でスチールコード２をセッ
ティングして待機させておくことにより、帯状部材３の
製造のため供給されているスチールコード２が尽きたと
きに、その帯状部材３の製造を終え、予めスチールコー
ド２をセッティングして待機していた押出ヘッド32，ワ
イヤガイド21，クリールスタンド10に一斉に切替える。

【００３７】すなわち今まで使用していた下側の押出ヘ
ッド33のヘッドクランプを解除し、油圧シリンダ36を駆
動して上側の押出ヘッド32に交換し、そのヘッドクラン
プを締着しゴム供給機31に装着して自動的に切り替え
る。

【００３８】同時にエアシリンダ23を駆動してワイヤガ
イド20に代わってワイヤガイド21を所定位置に移動設置
するとともに、今まで使用していたクリールスタンド10
を走行移動させた後、代わって待機していたクリールス
タンド10を所定位置に移動する。

【００３９】以上のように予めスチールコード２をセッ
ティングして待機していた押出ヘッド32，ワイヤガイド
21，クリールスタンド10に一斉に切替えるので、切替え
時間が短く生産効率を向上させることができる。切替え
作業は自動的に行われるので、作業者はスチールコード
２のセッティングを行えば、後は待機している必要はな
い。

【００４０】サイズの切替えを行う場合には、スチール
コード２をセッティングする際に、押出ヘッドのインサ
ータとダイを所要のものに交換しておけばよい。以上の
実施の形態では、複数のスチールコード２にゴムを被覆
して帯状部材３を製造したが、本発明はその他のコード
にゴムを被覆して棒状等のその他の形状の部材を製造す
ることにも適用できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態に係るコードのゴム被覆
設備の概略平面図である。

【図２】同側面図である。

【符号の説明】

１…ゴム被覆設備、２…スチールコード、３…帯状部
材、10…クリールスタンド、11…レール、12…車輪、13
…基盤、14…支柱、15…クリール、16…クリール支柱、
17…水平棒、18…モータ、19…光センサ、20，21…ワイ
ヤガイド、22…基盤、23…エアシリンダ、25，26…光セ
ンサー、30…押出機、31…ゴム供給部、32，33…押出ヘ
ッド、34…連結部材、35…ガイドレール、36…油圧シリ
ンダ、37，38…光センサー、40，41…冷却ドラム、42，
43…プルロール。

Claims (5)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 複数本のコードを供給する複数台のクリ
   ールスタンドと２個のワイヤガイドと押出機の所定箇所
   に切替え装着可能な２式の押出ヘッドとを備え、１台の
   クリールスタンドから供給された複数本のコードを１個
   のワイヤガイドが整列させて押出機に装着された１式の
   押出ヘッドに挿入して押出機により連続してゴム被覆し
   てゴム被覆部材を製造中に、他のクリールスタンドから
   複数本のコードを引出し、他方のワイヤガイドに通して
   整列させ、他方の押出ヘッドに挿入して待機し、切替え
   時には待機していたクリールスタンド，ワイヤガイド，
   押出ヘッドに一斉に切り替えることを特徴とするコード
   の供給方法。
2. 【請求項２】 コードを巻きほぐして供給するクリール
   が複数回転自在に軸支された自走式のクリールスタンド
   が複数台所定位置に順次設置可能に配設され、 前記クリールスタンドから供給される複数本のコードを
   整列させるワイヤガイドが２個所定位置に切替え設置可
   能に配設され、 前記ワイヤガイドで整列された複数本のコードに連続し
   てゴムを被覆していく押出ヘッドが２式押出機の所定箇
   所に切替え装着可能に配設されたことを特徴とするコー
   ドのゴム被覆設備。
3. 【請求項３】 前記押出ヘッドは、ゴム被覆前に複数本
   のコードを最終的に整列し位置決めするインサータと被
   覆するゴムの形状を決定するダイとをサイズの異なるイ
   ンサータおよびダイと交換可能に備えることを特徴とす
   る請求項２記載のコードのゴム被覆設備。
4. 【請求項４】 前記２個のワイヤガイドは一体に往復動
   自在に支持され、エアシリンダ等駆動手段により所定位
   置にワイヤガイドを交互に切替え設置できることを特徴
   とする請求項３記載のコードのゴム被覆設備。
5. 【請求項５】 前記２式の押出ヘッドは一体に往復動自
   在に支持され、油圧シリンダ等駆動手段により押出機の
   所定箇所に押出ヘッドを交互に切替え装着できることを
   特徴とする請求項３または請求項４記載のコードのゴム
   被覆設備。