JP2000136346A - 水生生物誘引塗料及び塗装物 - Google Patents
水生生物誘引塗料及び塗装物Info
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- JP2000136346A JP2000136346A JP10313428A JP31342898A JP2000136346A JP 2000136346 A JP2000136346 A JP 2000136346A JP 10313428 A JP10313428 A JP 10313428A JP 31342898 A JP31342898 A JP 31342898A JP 2000136346 A JP2000136346 A JP 2000136346A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】長期にわたり水生生物誘引物質を溶出し、海洋
環境など水中環境に負荷を与えない水生生物誘引塗料及
び塗装物を提供する。 【解決手段】水生生物誘引塗料に、特定の生分解性共重
合ポリエステルと天然物系の水生生物誘引物質を使用す
る。
環境など水中環境に負荷を与えない水生生物誘引塗料及
び塗装物を提供する。 【解決手段】水生生物誘引塗料に、特定の生分解性共重
合ポリエステルと天然物系の水生生物誘引物質を使用す
る。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、人工漁礁や護岸用
テトラポット等に塗装することにより、水生生物を誘引
し、藻類の付着・繁殖の促進、または海洋環境など水中
環境の浄化に有用な水生生物誘引塗料に関するものであ
る。
テトラポット等に塗装することにより、水生生物を誘引
し、藻類の付着・繁殖の促進、または海洋環境など水中
環境の浄化に有用な水生生物誘引塗料に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】日本は古くから海産資源を豊富に得てき
たが、近年人口増加、海洋汚染等の原因で安定した海産
資源の供給が危ぶまれている。海産資源を効率よく確保
するには人工漁礁等の敷設が効果的であるが、コンクリ
ート、プラスチック等の敷設物のみでは実際に漁礁とし
ての機能を発揮するまでに数年規模の時間を要する。
たが、近年人口増加、海洋汚染等の原因で安定した海産
資源の供給が危ぶまれている。海産資源を効率よく確保
するには人工漁礁等の敷設が効果的であるが、コンクリ
ート、プラスチック等の敷設物のみでは実際に漁礁とし
ての機能を発揮するまでに数年規模の時間を要する。
【0003】このため、敷設物に藻類など水生生物の付
着、繁殖を促進する物質(水生生物誘引物質)を表面に
塗布して、より短期間で漁礁を完成させる試みがなされ
ている。また、護岸用テトラポットにおいても水生生物
誘引物質を表面に塗布する試みが行われている。これら
の目的で、合成樹脂と水生生物誘引物質からなる塗料が
多く開発されている。これらには、樹脂成分が塗膜中に
留まり、水生生物誘引物質のみが水中に溶出するタイ
プ、樹脂成分が徐々に水中に溶出することで水生生物誘
引物質も一定量ずつ溶出するタイプなどがある。
着、繁殖を促進する物質(水生生物誘引物質)を表面に
塗布して、より短期間で漁礁を完成させる試みがなされ
ている。また、護岸用テトラポットにおいても水生生物
誘引物質を表面に塗布する試みが行われている。これら
の目的で、合成樹脂と水生生物誘引物質からなる塗料が
多く開発されている。これらには、樹脂成分が塗膜中に
留まり、水生生物誘引物質のみが水中に溶出するタイ
プ、樹脂成分が徐々に水中に溶出することで水生生物誘
引物質も一定量ずつ溶出するタイプなどがある。
【0004】樹脂成分が塗膜中に留まるタイプでは、初
期に表面からの水生生物誘引物質の溶出が進んだ後、内
部に含まれる水生生物誘引物質は溶出しにくい為、長期
にわたって持続的に溶出させることができず、性能の長
期維持が困難である。
期に表面からの水生生物誘引物質の溶出が進んだ後、内
部に含まれる水生生物誘引物質は溶出しにくい為、長期
にわたって持続的に溶出させることができず、性能の長
期維持が困難である。
【0005】水生生物誘引物質が一定量ずつ溶出するタ
イプは、誘引効果の長期維持が可能であり効果的である
が、樹脂成分も分解性を持たないと海洋環境など水中環
境に負荷を与える。
イプは、誘引効果の長期維持が可能であり効果的である
が、樹脂成分も分解性を持たないと海洋環境など水中環
境に負荷を与える。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、これ
ら従来の水生生物誘引塗料の問題点を解決し、長期にわ
たり水生生物誘引物質を溶出し、海洋環境など水中環境
に負荷を与えない水生生物誘引塗料を提供することにあ
る。
ら従来の水生生物誘引塗料の問題点を解決し、長期にわ
たり水生生物誘引物質を溶出し、海洋環境など水中環境
に負荷を与えない水生生物誘引塗料を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究した結果、特定の生分解性共重合
ポリエステルと天然物系の水生生物誘引物質とからなる
塗料が、長期間にわたり水生生物誘引効果を維持し、か
つ海洋環境等など水中環境に負荷を与えないことを見出
し、本発明に到達した。すなわち本発明は、生分解性共
重合ポリエステルと天然物系水生生物誘引物質を含む水
生生物誘引塗料を提供するものである。好ましい生分解
性共重合ポリエステルの態様としては、乳酸残基を60モ
ル%以上含み、L乳酸とD乳酸のモル比L/Dが1〜9
の範囲内である。また、本発明は、生分解性共重合ポリ
エステル及び天然系水生生物誘引物質を含む塗料成分を
基体に含有させてなる水生生物誘引塗装物を提供するも
のである。好ましい生分解性共重合ポリエステルの態様
としては、乳酸残基を60モル%以上含み、L乳酸とD乳
酸のモル比L/Dが1〜9の範囲内である。
を解決すべく鋭意研究した結果、特定の生分解性共重合
ポリエステルと天然物系の水生生物誘引物質とからなる
塗料が、長期間にわたり水生生物誘引効果を維持し、か
つ海洋環境等など水中環境に負荷を与えないことを見出
し、本発明に到達した。すなわち本発明は、生分解性共
重合ポリエステルと天然物系水生生物誘引物質を含む水
生生物誘引塗料を提供するものである。好ましい生分解
性共重合ポリエステルの態様としては、乳酸残基を60モ
ル%以上含み、L乳酸とD乳酸のモル比L/Dが1〜9
の範囲内である。また、本発明は、生分解性共重合ポリ
エステル及び天然系水生生物誘引物質を含む塗料成分を
基体に含有させてなる水生生物誘引塗装物を提供するも
のである。好ましい生分解性共重合ポリエステルの態様
としては、乳酸残基を60モル%以上含み、L乳酸とD乳
酸のモル比L/Dが1〜9の範囲内である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明で使用する生分解性共重合
ポリエステルは、塗料用樹脂としての塗膜形成性と適当
な加水分解速度を持たせる為に、乳酸残基は60モル%以
上であることが好ましい。またL乳酸とD乳酸のモル比
L/D は、好ましくは1〜9の範囲内である。L/D は、コ
ストと物性の点から1以上が好ましく、汎用溶剤への溶
解性から9以下が好ましい。なお、乳酸残基量はNMR
で、L乳酸とD乳酸のモル比L/Dは旋光光度計で測定さ
れる。また、本発明で使用する生分解性共重合ポリエス
テルは、水中で使用に耐えうる塗膜を形成し、かつ塗装
が可能であるために、還元粘度(共重合ポリエステル0.
125gをクロロホルム25mlに溶解し、25℃において三本
組粘度管(ウベローデ)により測定した値)は0.3〜1.0
の範囲内であることが好ましい。
ポリエステルは、塗料用樹脂としての塗膜形成性と適当
な加水分解速度を持たせる為に、乳酸残基は60モル%以
上であることが好ましい。またL乳酸とD乳酸のモル比
L/D は、好ましくは1〜9の範囲内である。L/D は、コ
ストと物性の点から1以上が好ましく、汎用溶剤への溶
解性から9以下が好ましい。なお、乳酸残基量はNMR
で、L乳酸とD乳酸のモル比L/Dは旋光光度計で測定さ
れる。また、本発明で使用する生分解性共重合ポリエス
テルは、水中で使用に耐えうる塗膜を形成し、かつ塗装
が可能であるために、還元粘度(共重合ポリエステル0.
125gをクロロホルム25mlに溶解し、25℃において三本
組粘度管(ウベローデ)により測定した値)は0.3〜1.0
の範囲内であることが好ましい。
【0009】本発明で使用する生分解性共重合ポリエス
テルにおいて、乳酸の他にグリコール酸、カプロラクト
ン等のオキシ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸
等のジカルボン酸、ミリスチルアルコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール
類、さらには乳酸カルシウム等を共重合することが可能
であり、これによって加水分解性等の制御が可能であ
る。
テルにおいて、乳酸の他にグリコール酸、カプロラクト
ン等のオキシ酸、コハク酸、アジピン酸、アゼライン酸
等のジカルボン酸、ミリスチルアルコール、プロピレン
グリコール、ポリエチレングリコール等のアルコール
類、さらには乳酸カルシウム等を共重合することが可能
であり、これによって加水分解性等の制御が可能であ
る。
【0010】本発明で使用する生分解性共重合ポリエス
テルを得るには、グリコリド、ラクチド、カプロラクト
ン等の環状モノマーを、公知の開環重合触媒を使用して
重合させる方法や、直接脱水縮重合により重合させる方
法等が挙げられ、特に限定はない。
テルを得るには、グリコリド、ラクチド、カプロラクト
ン等の環状モノマーを、公知の開環重合触媒を使用して
重合させる方法や、直接脱水縮重合により重合させる方
法等が挙げられ、特に限定はない。
【0011】本願で言う水生生物誘引塗料は、海洋生物
を含む水生生物を誘引する塗料であり、使用される環境
は海洋を含み、河川、湖沼なども含む。本発明でしよう
する天然物系の水生生物誘引物質としては、藻類の付着
を誘引するとされている物質である肥料(溶性リン肥、
硫安など)、フジツボの付着をを誘引するとされている
アミノ酸(トリプトファン、セロトニンなど)、他にグ
ルコース、金属単体、植物ホルモン、ステロイド、高級
アルコール、有機酸およびその誘導体、等が挙げられ
る。
を含む水生生物を誘引する塗料であり、使用される環境
は海洋を含み、河川、湖沼なども含む。本発明でしよう
する天然物系の水生生物誘引物質としては、藻類の付着
を誘引するとされている物質である肥料(溶性リン肥、
硫安など)、フジツボの付着をを誘引するとされている
アミノ酸(トリプトファン、セロトニンなど)、他にグ
ルコース、金属単体、植物ホルモン、ステロイド、高級
アルコール、有機酸およびその誘導体、等が挙げられ
る。
【0012】また、藻食生物による摂食を防ぐ物質であ
る、テルペン類、多価フェノール等も本発明で使用する
天然物系の水生生物誘引物質として挙げられる。
る、テルペン類、多価フェノール等も本発明で使用する
天然物系の水生生物誘引物質として挙げられる。
【0013】さらに、式 (1)で表されるようなケトン化
合物も本発明で使用する天然物系の水生生物誘引物質と
してあげられる。
合物も本発明で使用する天然物系の水生生物誘引物質と
してあげられる。
【化1】 (ただしXはカルボニル基またはCH(OH)基を示し、R1及
びR2は、それぞれ独立に炭素数8〜25のアルキル基、炭
素数8〜25のヒドロキシアルキル基または炭素数8〜25
のアルキルカルボニルアルキル基を示す。)
びR2は、それぞれ独立に炭素数8〜25のアルキル基、炭
素数8〜25のヒドロキシアルキル基または炭素数8〜25
のアルキルカルボニルアルキル基を示す。)
【0014】式(1)で表されるケトン化合物のR1、R2
である炭素数8〜25のアルキル基は直鎖、分岐に関わら
ず、誘引効果を持ち、例えば、CH3(CH2)7 、CH3(C
H2)8 、CH 3(CH2)9 、(CH3)2CH(CH2)7、(CH3)2CH(CH2)
12 、(CH3)2CH(CH2)22 、(CH3)3C(CH 2)4 、(CH3)3C(C
H2)6 、(CH3)(C2H5)CH(CH2)7 、CH3(CH2)3CH(CH3)(CH2)
7、などが挙げられる。
である炭素数8〜25のアルキル基は直鎖、分岐に関わら
ず、誘引効果を持ち、例えば、CH3(CH2)7 、CH3(C
H2)8 、CH 3(CH2)9 、(CH3)2CH(CH2)7、(CH3)2CH(CH2)
12 、(CH3)2CH(CH2)22 、(CH3)3C(CH 2)4 、(CH3)3C(C
H2)6 、(CH3)(C2H5)CH(CH2)7 、CH3(CH2)3CH(CH3)(CH2)
7、などが挙げられる。
【0015】また、炭素数8〜25のヒドロキシアルキル
基は、直鎖、分岐に関わらず、誘引効果を持ち、水酸基
はアルキル基のどの炭素原子上に位置しても良く、例え
ば、HOCH2(CH2)7 、CH3CH2CH(OH)(CH2)6、CH3CH2CH(OH)
(CH2)7、CH3(CH2)2CH(OH)(CH 2)7 、CH3CH(OH)(CH2)10、
CH3CH(OH)(CH2)11、CH3CH2CH(OH)(CH2)11 、CH3(CH2) 2C
H(OH)(CH2)11、CH3(CH2)3CH(OH)(CH2)11、等が挙げられ
る。
基は、直鎖、分岐に関わらず、誘引効果を持ち、水酸基
はアルキル基のどの炭素原子上に位置しても良く、例え
ば、HOCH2(CH2)7 、CH3CH2CH(OH)(CH2)6、CH3CH2CH(OH)
(CH2)7、CH3(CH2)2CH(OH)(CH 2)7 、CH3CH(OH)(CH2)10、
CH3CH(OH)(CH2)11、CH3CH2CH(OH)(CH2)11 、CH3(CH2) 2C
H(OH)(CH2)11、CH3(CH2)3CH(OH)(CH2)11、等が挙げられ
る。
【0016】さらに、炭素数8〜25のアルキルカルボニ
ルアルキル基においても直鎖、分岐に関わらず誘引効果
を持ち、カルボニル基は、アルデヒド基(ホルミル基)
を形成する場合を除いてどの位置に位置しても良く、例
えば、CH3CO(CH2)6 、CH3CH2CO (CH2)6 、CH3CH2CO (CH
2)7 、CH3(CH2)2 CO (CH2)7 、CH3 CO(CH2)10 、CH3CH2
CO(CH2)11、CH3(CH2)2CO(CH2)11、CH3(CH2)3CO(C
H2)11、(CH3)3CCO(CH2)10、(CH3)3C(CH2)2CO(CH2)18、
等が挙げられる。
ルアルキル基においても直鎖、分岐に関わらず誘引効果
を持ち、カルボニル基は、アルデヒド基(ホルミル基)
を形成する場合を除いてどの位置に位置しても良く、例
えば、CH3CO(CH2)6 、CH3CH2CO (CH2)6 、CH3CH2CO (CH
2)7 、CH3(CH2)2 CO (CH2)7 、CH3 CO(CH2)10 、CH3CH2
CO(CH2)11、CH3(CH2)2CO(CH2)11、CH3(CH2)3CO(C
H2)11、(CH3)3CCO(CH2)10、(CH3)3C(CH2)2CO(CH2)18、
等が挙げられる。
【0017】なお、式(1)において、R1およびR2の炭
素数が7以下のアルキル基、ヒドロキシアルキル基また
はアルキルカルボニルアルキル基の場合、ケトン化合物
が水中に容易に溶出し、人工漁礁を形成するために必要
な数ヵ月単位の性能維持が困難である。また、R1および
R2の炭素数が26以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基またはアルキルカルボニルアルキル基の場合、誘引剤
としての性能を発揮する為には多量の添加が必要とな
り、好ましくない。
素数が7以下のアルキル基、ヒドロキシアルキル基また
はアルキルカルボニルアルキル基の場合、ケトン化合物
が水中に容易に溶出し、人工漁礁を形成するために必要
な数ヵ月単位の性能維持が困難である。また、R1および
R2の炭素数が26以上のアルキル基、ヒドロキシアルキル
基またはアルキルカルボニルアルキル基の場合、誘引剤
としての性能を発揮する為には多量の添加が必要とな
り、好ましくない。
【0018】また、ユーカリ属植物のリーフワックス
も、天然物系の海洋生物誘引物質である。リーフワック
スは、ユーカリ属植物の葉をクロロホルム、ジクロロメ
タン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロルベンゼン、
ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素で洗浄
すること、等により容易に得られる。本発明の水生生物
誘引塗料には、通常の塗料に用いる添加剤を加えること
も可能である。
も、天然物系の海洋生物誘引物質である。リーフワック
スは、ユーカリ属植物の葉をクロロホルム、ジクロロメ
タン等の脂肪族ハロゲン化炭化水素、クロルベンゼン、
ジクロロベンゼン等の芳香族ハロゲン化炭化水素で洗浄
すること、等により容易に得られる。本発明の水生生物
誘引塗料には、通常の塗料に用いる添加剤を加えること
も可能である。
【0019】本発明でいう基体とは、漁礁やテトラポッ
トなどに使用されるコンクリート、プラスチック等であ
る。また、含有とは、基体の内部、表面に関わらず存在
することをいう。
トなどに使用されるコンクリート、プラスチック等であ
る。また、含有とは、基体の内部、表面に関わらず存在
することをいう。
【0020】本発明の海洋付着生物誘引塗料において、
生分解性共重合ポリエステルは加水分解反応を起こすこ
とによって配合されている天然物系の水生生物誘引物質
を徐放する。生分解性共重合ポリエステル、天然物系の
水生生物誘引物質はともに海水中の微生物によって短期
間に代謝されるため、環境に蓄積するといった問題が起
らず安全性が高い。
生分解性共重合ポリエステルは加水分解反応を起こすこ
とによって配合されている天然物系の水生生物誘引物質
を徐放する。生分解性共重合ポリエステル、天然物系の
水生生物誘引物質はともに海水中の微生物によって短期
間に代謝されるため、環境に蓄積するといった問題が起
らず安全性が高い。
【0021】本発明の好ましい態様は、塗料成分に溶剤
を使用する。好ましい溶剤は、トルエン、キシレン、エ
ステル、アルコール類等の汎用溶剤である。
を使用する。好ましい溶剤は、トルエン、キシレン、エ
ステル、アルコール類等の汎用溶剤である。
【0022】実施例1 重合:生分解性共重合ポリエステル(1) L-ラクチド100g、DL- ラクチド100g、ポリエチレングリ
コール(分子量4000)22g 、開環重合触媒アルミニウム
アセチルアセトナート0.1gを4つ口フラスコに仕込み、
窒素雰囲気下、 190℃に加熱開環重合させることにより
生分解性共重合ポリエステル(1)を得た。得られた共
重合ポリエステルの物性測定値を表1に示す。なお、還
元粘度はクロロホルムを溶媒に三本組粘度管で測定し、
ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC)により測定した。
コール(分子量4000)22g 、開環重合触媒アルミニウム
アセチルアセトナート0.1gを4つ口フラスコに仕込み、
窒素雰囲気下、 190℃に加熱開環重合させることにより
生分解性共重合ポリエステル(1)を得た。得られた共
重合ポリエステルの物性測定値を表1に示す。なお、還
元粘度はクロロホルムを溶媒に三本組粘度管で測定し、
ガラス転移点は示差走査熱量計(DSC)により測定した。
【0023】共重合ポリエステル(1)に、天然物系の
水生生物誘引物質として、式(2)で表されるトリトリ
アコンタン−16,18 −ジオンを配合し、樹脂組成物
(1)を得た。組成を表2に示す。
水生生物誘引物質として、式(2)で表されるトリトリ
アコンタン−16,18 −ジオンを配合し、樹脂組成物
(1)を得た。組成を表2に示す。
【化2】
【0024】樹脂組成物(1)100gをトルエン100gに溶
解させ、水生生物誘引塗料(塗料1)を得た。
解させ、水生生物誘引塗料(塗料1)を得た。
【0025】塗料1を護岸用のコンクリート製テトラポ
ットに膜厚 300μmでコーティングし、十分に風乾した
後、海水中に沈めたまま6ヶ月間放置した。引き上げた
テトラポット表面の水生生物付着状況を目視で観察し
た。結果を表3に示す。
ットに膜厚 300μmでコーティングし、十分に風乾した
後、海水中に沈めたまま6ヶ月間放置した。引き上げた
テトラポット表面の水生生物付着状況を目視で観察し
た。結果を表3に示す。
【0026】実施例2 重合:生分解性共重合ポリエステル(2) DL-ラクチド200g、乳酸カルシウム1.2g、開環重合触媒
アルミニウムアセチルアセトナート0.1gを4つ口フラス
コに仕込み、窒素雰囲気下、190 ℃に加熱開環重合させ
ることにより生分解性共重合ポリエステル(2)を得
た。得られた共重合ポリエステルの物性測定値を表1に
示す。
アルミニウムアセチルアセトナート0.1gを4つ口フラス
コに仕込み、窒素雰囲気下、190 ℃に加熱開環重合させ
ることにより生分解性共重合ポリエステル(2)を得
た。得られた共重合ポリエステルの物性測定値を表1に
示す。
【0027】共重合ポリエステル(2)に、天然物系の
水生生物誘引物質として、式(2)で表されるトリトリ
アコンタン−16,18 −ジオンを配合し、樹脂組成物
(2)を得た。組成を表2に示す。実施例1と同様に、
樹脂組成物(2)で塗料を調製(水生生物誘引塗料(塗
料2))し、評価を行った。結果を表3に示す。
水生生物誘引物質として、式(2)で表されるトリトリ
アコンタン−16,18 −ジオンを配合し、樹脂組成物
(2)を得た。組成を表2に示す。実施例1と同様に、
樹脂組成物(2)で塗料を調製(水生生物誘引塗料(塗
料2))し、評価を行った。結果を表3に示す。
【0028】比較例1 VYHH(市販のビニル系合成樹脂)に、水生生物誘引物質
として、式(2) で表されるトリトリアコンタン−16,1
8 −ジオンを配合し、樹脂組成物(3)を得た。
として、式(2) で表されるトリトリアコンタン−16,1
8 −ジオンを配合し、樹脂組成物(3)を得た。
【0029】樹脂組成物(3)100gをキシレン100gに溶
解させ水生生物誘引塗料(塗料3)を得た。
解させ水生生物誘引塗料(塗料3)を得た。
【0030】実施例1と全く同様の評価を行った。結果
を表3に示す。
を表3に示す。
【0031】比較例2 護岸用のコンクリート製テトラポットに何もコーティン
グせず、海水中に沈めたまま6ヶ月間放置した。引き上
げたテトラポット表面の水生生物付着状況を目視で観察
した。結果を表3に示す。
グせず、海水中に沈めたまま6ヶ月間放置した。引き上
げたテトラポット表面の水生生物付着状況を目視で観察
した。結果を表3に示す。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】
【表3】 ◎…非常に良く付着している ○…よく付着してい
る △…付着が悪い ×…ほとんど付着がない
る △…付着が悪い ×…ほとんど付着がない
【0035】
【発明の効果】本発明の水生生物誘引塗料は、水中でポ
リエステルが加水分解して溶出すると同時に水生生物誘
引物質が溶出し、溶出したポリエステルは海中の微生物
によって短期間で代謝されるため、長期にわたって水性
生物誘引効果が得られ、かつ安全性が高い。
リエステルが加水分解して溶出すると同時に水生生物誘
引物質が溶出し、溶出したポリエステルは海中の微生物
によって短期間で代謝されるため、長期にわたって水性
生物誘引効果が得られ、かつ安全性が高い。
Claims (4)
- 【請求項1】 生分解性共重合ポリエステル及び天然系
水生生物誘引物質を含有する水生生物誘引塗料。 - 【請求項2】 前記生分解性共重合ポリエステルが、乳
酸残基を60モル%以上含み、且つL乳酸とD乳酸のモル
比L/ Dが1〜9の範囲内であることを特徴とする請求
項1に記載の水生生物誘引塗料。 - 【請求項3】 生分解性共重合ポリエステル及び天然系
水生生物誘引物質を含む塗料成分を基体に含有させてな
ることを特徴とする水生生物誘引塗装物。 - 【請求項4】 前記生分解性共重合ポリエステルが、乳
酸残基を60モル%以上含み、且つL乳酸とD乳酸のモル
比L/Dが1〜9の範囲内であることを特徴とする請求
項3に記載の水生生物誘引塗装物。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10313428A JP2000136346A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 水生生物誘引塗料及び塗装物 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10313428A JP2000136346A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 水生生物誘引塗料及び塗装物 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000136346A true JP2000136346A (ja) | 2000-05-16 |
Family
ID=18041188
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10313428A Pending JP2000136346A (ja) | 1998-11-04 | 1998-11-04 | 水生生物誘引塗料及び塗装物 |
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Country | Link |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100946568B1 (ko) | 2007-11-23 | 2010-03-11 | 순천향대학교 산학협력단 | 락테이트 염을 포함하는 해양 구조물 도포용 해양생물 착생촉진제 조성물 |
KR100946557B1 (ko) * | 2007-11-23 | 2010-03-11 | 순천향대학교 산학협력단 | 알킬 락테이트를 포함하는 해양 구조물 도포용 해양생물착생 촉진제 조성물 |
-
1998
- 1998-11-04 JP JP10313428A patent/JP2000136346A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100946568B1 (ko) | 2007-11-23 | 2010-03-11 | 순천향대학교 산학협력단 | 락테이트 염을 포함하는 해양 구조물 도포용 해양생물 착생촉진제 조성물 |
KR100946557B1 (ko) * | 2007-11-23 | 2010-03-11 | 순천향대학교 산학협력단 | 알킬 락테이트를 포함하는 해양 구조물 도포용 해양생물착생 촉진제 조성물 |
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