JP2000136186A - 2−オキサゾリドン誘導体の製造方法 - Google Patents

2−オキサゾリドン誘導体の製造方法

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JP2000136186A
JP2000136186A JP10309077A JP30907798A JP2000136186A JP 2000136186 A JP2000136186 A JP 2000136186A JP 10309077 A JP10309077 A JP 10309077A JP 30907798 A JP30907798 A JP 30907798A JP 2000136186 A JP2000136186 A JP 2000136186A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エポキシ化合物とN−無置換もしくはN−一
置換カルバミン酸エステル類との反応に、活性の高い触
媒を見出し、その触媒を用いて高い収率で2−オキサゾ
リドン誘導体を製造する効果的な方法を提供する。 【解決手段】 式(1)(式中、Rは同種または異種
の、炭素数1ないし10個の炭化水素基である。)で表
されるホスフィンオキシド化合物または式(2)(式
中、Rは式(1)中のRと同一である。Z-はハロゲン
アニオン、ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオン、
アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオンであ
る。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下に、
エポキシ化合物とN−無置換もしくはN−一置換カルバ
ミン酸エステル類とを反応させる。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、エポキシ化合物と
N−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸エステル類
とを反応させて2−オキサゾリドン誘導体を製造する効
果的な方法に関する。これらの2−オキサゾリドン誘導
体は、農医薬品の合成中間体や高分子材料等として極め
て重要な化合物である。
【0002】
【従来の技術】エポキシ化合物とN−無置換カルバミン
酸エステル類とを反応させて2−オキサゾリドン誘導体
を得ようとする際に、3級アミン、4級アンモニウム塩
およびスズ化合物等がその反応を促進するということが
特開平5−59022号(文献1)に開示されている。
生成する2−オキサゾリドン誘導体の収率は比較的高い
ものの、これらの触媒活性は未だ充分ではない。またエ
ポキシ化合物とN−一置換カルバミン酸エステル類とを
反応される場合には、3級アミン及び4級アンモニウム
塩がその反応を促進するということが、ヨシオ イワク
ラら;ジャーナルオブ オーガニック ケミストリー、
29巻、頁379、1964年(文献2)に開示されて
いる。該文献2には、エポキシ化合物、N−一置換カル
バミン酸エステル類及び触媒として、それぞれフェニル
グリシジルエーテル、N−フェニルカルバミン酸メチル
及びトリエチルアミンを用い、これらを90℃で15分
間反応させて2−オキサゾリドン誘導体であるN−フェ
ニル−5−フェノキシメチル−2−オキサゾリドンが収
率91%で得られるということが同文献頁382の右カ
ラムの10〜23行の実験項に記載されている。一方、
同文献の頁380の表1の脚注には90℃で1時間反応
させてN−フェニル−5−フェノキシメチル−2−オキ
サゾリドンが定量的に得られるということが記載されて
おり、いずれの反応時間が正しいか不明である。比較例
1に示すように該実験項の記載どうりに90℃、15分
で追試したところ、N−フェニル−5−フェノキシメチ
ル−2−オキサゾリドンの収率は僅か51%でしかな
く、また90℃、1時間で反応を行っても収率は64%
程度でしかなかった。仮に、脚註通りに90℃、1時間
の反応で収率が定量的であったとしても、その反応速度
は、本発明の式(1)または式(2)の化合物を等モル
量存在させて反応させた場合の反応速度の約1/4程度
でしかない。また比較例2または3に示すように触媒と
してトリエチルアミンを用いて、反応条件または反応基
質を変えても目的の2−オキサゾリドン誘導体の収率は
低く、その反応速度も低いものであった。このように、
文献1または2に記載の公知触媒はその触媒活性が未だ
充分ではない。その上、これらの触媒の量や濃度を高め
たり、あるいは過酷な条件下で反応を実施し反応を充分
に進行させようとしても、そのことによって副反応が起
きたり、反応基質あるいは生成物等の分解が生じる場合
があり、高活性な触媒が要求されていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、エポ
キシ化合物とN−無置換もしくはN−一置換カルバミン
酸エステル類との反応で、高活性かつ高収率で2−オキ
サゾリドン誘導体を与える触媒を開発し、効果的な2−
オキサゾリドン誘導体の製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するために鋭意検討を続けてきたところ、式(1)
で表されるホスフィンオキシド化合物及び式(2)で表
されるホスファゼニウム化合物が、エポキシ化合物とN
−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸エステル類と
の反応に極めて高い触媒活性を示し、高い収率で目的の
2−オキサゾリドン誘導体が得られることを見い出し、
本発明を完成した。即ち、本発明は、式(1)〔化3〕
【0005】
【化3】 (式中、Rは同種または異種の、炭素数1ないし10個
の炭化水素基である。)で表されるホスフィンオキシド
化合物または式(2)〔化4〕
【0006】
【化4】 (式中、Rは式(1)中のRと同一である。Z-はハロ
ゲンアニオン、ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオ
ン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオン
である。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下
に、エポキシ化合物とN−無置換もしくはN−一置換カ
ルバミン酸エステル類とを反応させることを特徴とする
2−オキサゾリドン誘導体の製造方法である。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の方法における式(1)で
表されるホスフィンオキシド化合物は、一つの極限構造
式である。りん原子と酸素原子の間を二重結合で表現し
ているが、酸素原子上に電子が偏ってアニオンとなり、
りん原子上にカチオンが生じた(P+−O-)形の極限構
造式もとり得る。またりん原子上のカチオンは共役系を
通して全体に非局在化している。本発明の方法における
式(1)で表されるホスフィンオキシド化合物は、これ
らすべてを含んだ共鳴混成体として理解されるべきであ
る。
【0008】式(1)で表されるホスフィンオキシド化
合物が水を含む場合に、その水と該ホスフィンオキシド
との相互作用は、該化合物の特性を失わず本発明の方法
を阻害しない限り如何なるものでも構わない。式(1)
で表されるホスフィンオキシド化合物中のRは、同種ま
たは異種の、炭素数1ないし10個の炭化水素基であ
り、具体的には、このRは、例えばメチル、エチル、n
−プロピル、イソプロピル、アリル、n−ブチル、se
c−ブチル、tert−ブチル、2−ブテニル、1−ペ
ンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1
−ブチル、イソペンチル、tert−ペンチル、3−メ
チル−2−ブチル、ネオペンチル、n−ヘキシル、4−
メチル−2−ペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、1−ヘプチル、3−ヘプチル、1−オクチル、2−
オクチル、2−エチル−1−ヘキシル、1,1−ジメチ
ル−3,3−ジメチルブチル(通称、tert−オクチ
ル)、ノニル、デシル、フェニル、4−トリル、ベンジ
ル、1−フェニルエチルまたは2−フェニルエチル等の
脂肪族または芳香族の炭化水素基から選ばれる。これら
のうち、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピ
ル、tert−ブチル、tert−ペンチルまたは1,
1−ジメチル−3,3−ジメチルブチル等の炭素数1な
いし8個の脂肪族炭化水素基が好ましく、メチル基また
はエチル基がより好ましい。
【0009】式(1)で表されるこれらのホスフィンオ
キシド化合物は、ジー.エヌ.コイダン(G.N.Ko
idan)ら、 ジャーナル オブ ジェネラル ケミ
ストリー オブ ザ ユーエスエスアール(USS
R)、55巻、頁1453、1985年に記載の方法で
合成することができる。これらのホスフィンオキシド化
合物は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよ
い。
【0010】また本発明の方法における式(2)で表さ
れるホスファゼニウム化合物中のカチオンはその電荷が
中心のりん原子上に局在する極限構造式で代表している
が、これ以外に無数の極限構造式が描かれ実際にはその
正電荷は全体に非局在化している。式(2)で表される
ホスファゼニウム化合物中のRは、式(1)で表される
ホスフィンオキシド化合物のRと同一である。式(2)
で表されるホスファゼニウム化合物中のZ-は、ハロゲ
ンアニオン、ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオ
ン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオン
である。
【0011】これらのZ-を具体的に例示すれば、例え
ばフッ素アニオン、塩素アニオン、臭素アニオンまたは
ヨウ素アニオン等のハロゲンアニオンが挙げられ、ヒド
ロキシアニオンが挙げられ、例えばメタノール、エタノ
ール、n−プロパノール、イソプロパノール、アリルア
ルコール、n−ブタノール、sec−ブタノール、te
rt−ブタノール、シクロヘキサノール、2−ヘプタノ
ール、1−オクタノール、1−デカノールまたはオクタ
ヒドロナフトール等のアルコール類から導かれるアルコ
キシアニオンが挙げられ、例えばフェノール、クレゾー
ル、キシレノール、ナフトール、2−メチル−1−ナフ
トールまたは9−フェナンスロール等の芳香族ヒドロキ
シ化合物から導かれるアリールオキシアニオンが挙げら
れ、例えば蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪
酸、カプロン酸、デカンカルボン酸またはオレイン酸等
のカルボン酸から導かれるカルボキシアニオンが挙げら
れる。
【0012】これらのうち好ましくは、ヒドロキシアニ
オンであり、例えばメタノール、エタノール、n−プロ
パノール、イソプロパノール、アリルアルコール、n−
ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタノー
ル、シクロヘキサノール、2−ヘプタノール、1−オク
タノール、1−デカノールまたはオクタヒドロナフトー
ル等のアルコール類から導かれるアルコキシアニオンで
あり、例えばフェノール、クレゾール、キシレノール、
ナフトール、2−メチル−1−ナフトールまたは9−フ
ェナンスロール等の芳香族ヒドロキシ化合物から導かれ
るアリールオキシアニオンである。
【0013】これらのうちより好ましくは、ヒドロキシ
アニオン、例えばメタノール、エタノール、n−プロパ
ノール、イソプロパノール、n−ブタノール、sec−
ブタノールまたはtert−ブタノールなどの炭素数1
ないし4個の飽和のアルキルアルコールから導かれるア
ルコキシアニオン、例えばフェノールまたはクレゾール
などの炭素数6ないし8の芳香族ヒドロキシ化合物から
導かれるアリールオキシアニオンである。更に好ましく
は、ヒドロキシアニオン、メトキシアニオンまたはフェ
ノキシアニオンである。
【0014】またこれらのホスファゼニウム化合物は、
EP0791600の12頁から13頁に記載の方法ま
たは類似の方法で合成することができる。これらのホス
ファゼニウム化合物は、単独で用いても2種以上を混合
して用いてもよい。更に、式(1)で表されるホスフィ
ンオキシド化合物と式(2)で表されるホスファゼニウ
ム化合物を混合して用いてもよい。
【0015】本発明の方法は、上述の式(1)で表され
るホスフィンオキシド化合物または式(2)で表される
ホスファゼニウム化合物の存在下に、エポキシ化合物と
N−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸エステル類
とを反応させて、2−オキサゾリドン誘導体を製造する
ことである。そのようなエポキシ化合物とは3員環のエ
ポキシ基を有する有機化合物であり、炭素原子、水素原
子およびエポキシ基の酸素原子のみから成るエポキシ化
合物、ハロゲン原子を有するエポキシ化合物、ケト基を
有するエポキシ化合物、エーテル結合を有するエポキシ
化合物、エステル結合を有するエポキシ化合物、三置換
アミノ基を有するエポキシ化合物またはシアノ基を有す
るエポキシ化合物等である。
【0016】これらを具体的に例示すれば、例えばエチ
レンオキシド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシ
ブタン、2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘ
キサン、1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシ
デカン、1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシ
テトラデカン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2
−エポキシオクタデカン、7,8−エポキシ−2−メチ
ルオクタデカン、2−ビニルオキシラン、2−メチル−
2−ビニルオキシラン、1,2−エポキシ−5−ヘキセ
ン、1,2−エポキシ−7−オクテン、1−フェニル−
2,3−エポキシプロパン、1−(1−ナフチル)−
2,3−エポキシプロパン、1−シクロヘキシル−3,
4−エポキシブタン、1,3−ブタジエンジオキシドま
たは1,2,7,8−ジエポキシオクタン等の炭素原
子、水素原子およびエポキシ基の酸素原子のみから成る
脂肪族エポキシ化合物が挙げられ、例えばシクロペンテ
ンオキシド、3−メチル−1,2−シクロペンテンオキ
シド、シクロヘキセンオキシド、シクロオクテンオキシ
ド、α−ピネンオキシド、2,3−エポキシノルボルナ
ン、リモネンオキシド、シクロドデカンエポキシドまた
は2,3,5,6−ジエポキシノルボルナン等の炭素原
子、水素原子およびエポキシ基の酸素原子のみから成る
脂環式エポキシ化合物が挙げられ、例えばスチレンオキ
シド、3−メチルスチレンオキシド、1,2−エポキシ
ブチルベンゼン、1,2−エポキシオクチルベンゼン、
スチルベンオキシド、3−ビニルスチレンオキシド、1
−(1−メチル−1,2−エポキシエチル)−3−(1
−メチルビニル)ベンゼン、1,4−ジ(1,2−エポ
キシプロピル)ベンゼン、1,3−ジ(1,2−エポキ
シ−1メチルエチル)ベンゼンまたは1,4−ジ(1,
2−エポキシ−1メチルエチル)ベンゼン等の炭素原
子、水素原子およびエポキシ基の酸素原子のみから成る
芳香族エポキシ化合物が挙げられ、例えばエピフルオロ
ヒドリン、エピクロロヒドリン、エピブロモヒドリン、
ヘキサフルオロプロピレンオキシド、1,2−エポキシ
−4−フルオロブタン、1−(2,3−エポキシプロピ
ル)−4−フルオロベンゼン、1−(3,4−エポキシ
ブチル)−2−フルオロベンゼン、1−(2,3−エポ
キシプロピル)−4−クロロベンゼンまたは1−(3,
4−エポキシブチル)−3−クロロベンゼン等のハロゲ
ン原子を有する脂肪族エポキシ化合物が挙げられ、例え
ば4−フルオロ−1,2−シクロヘキセンオキシドまた
は6−クロロ−2,3−エポキシビシクロ[2.2.
1]ヘプタン等のハロゲン原子を有する脂環式エポキシ
化合物が挙げられ、例えば4−フルオロスチレンオキシ
ドまたは1−(1,2−エポキシプロピル)−3−トリ
フルオロベンゼン等のハロゲン原子を有する芳香族エポ
キシ化合物が挙げられ、例えば3−アセチル−1,2−
エポキシプロパン、4−ベンゾイル−1,2ーエポキシ
ブタン、4−(4−ベンゾイル)フェニル−1,2−エ
ポキシブタンまたは4,4’−ジ(3,4−エポキシブ
チル)ベンゾフェノン等のケト基を有する脂肪族エポキ
シ化合物が挙げられ、例えば3,4−エポキシ−1−シ
クロヘキサノンまたは2,3−エポキシ−5−オキソビ
シクロ[2.2.1]ヘプタン等のケト基を有する脂環
式エポキシ化合物が挙げられ、例えば3−アセチルスチ
レンオキシドまたは4−(1,2−エポキシプロピル)
ベンゾフェノン等のケト基を有する芳香族エポキシ化合
物が挙げられ、例えばグリシジルメチルエーテル、ブチ
ルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジル
エーテル、アリルグリシジルエーテル、エチル3,4−
エポキシブチルエーテル、グリシジルフェニルエーテ
ル、グリシジル4−tert−ブチルフェニルエーテ
ル、グリシジル4−クロロフェニルエーテル、グリシジ
ル4−メトキシフェニルエーテル、グリシジル2−フェ
ニルフェニルエーテル、グリシジル1−ナフチルエーテ
ル、グリシジル4−インドリルエーテル、グリシジルN
−メチル−α−キノロン−4−イルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル、1,2−ジグリシジルオキ
シベンゼン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェ
ニル)プロパン、トリス(4−グリシジルオキシフェニ
ル)メタン、ポリ(オキシプロピレン)トリオールトリ
グリシジルエーテルまたはフェノールノボラックのグリ
シジルエーテル等のエーテル結合を有する脂肪族エポキ
シ化合物が挙げられ、例えば1,2−エポキシ−4−メ
トキシシクロヘキサンまたは2,3−エポキシ−5,6
−ジメトキシビシクロ[2.2.1]ヘプタン等のエー
テル結合を有する脂環式エポキシ化合物が挙げられ、例
えば4−メトキシスチレンオキシドまたは1−(1,2
−エポキシブチル)2−フェノキシベンゼン等のエーテ
ル結合を有する芳香族エポキシ化合物が挙げられ、例え
ば蟻酸グリシジル、酢酸グリシジル、酢酸2,3−エポ
キシブチル、酪酸グリシジル、安息香酸グリシジル、テ
レフタル酸ジグリシジル、ポリ(アクリル酸グリシジ
ル)、ポリ(メタクリル酸グリシジル)、アクリル酸グ
リシジルと他のモノマー類の共重合体またはメタクリル
酸グリシジルと他のモノマー類の共重合体等のエステル
結合を有する脂肪族エポキシ化合物が挙げられ、例えば
1,2−エポキシ−4−メトキシカルボニルシクロヘキ
サンまたは2,3−エポキシ−5−ブトキシカルボニル
ビシクロ[2.2.1]ヘプタン等のエステル結合を有
する脂環式エポキシ化合物が挙げられ、例えば4−
(1,2−エポキシエチル)安息香酸エチル、3−
(1,2−エポキシブチル)安息香酸メチルまたは3−
(1,2−エポキシブチル)−5−フェニル安息香酸メ
チル等のエステル結合を有する芳香族エポキシ化合物が
挙げられ、例えばN,N−グリシジルメチルアセトアミ
ド、N,N−エチルグリシジルプロピオンアミド、N,
N−グリシジルメチルベンズアミド、N−(4,5−エ
ポキシペンチル)−N−メチルベンズアミド、N,N−
ジグリシジルアニリン、ビス(4−ジグリシジルアミノ
フェニル)メタンまたはポリ(N,N−グリシジルメチ
ルアクリルアミド)等の三置換アミノ基を有する脂肪族
エポキシ化合物が挙げられ、例えば1,2−エポキシ−
3−(ジフェニルカルバモイル)シクロヘキサンまたは
2,3−エポキシ−6−(ジメチルカルバモイル)ビシ
クロ[2.2.1]ヘプタン等の三置換アミノ基を有す
る脂環式エポキシ化合物が挙げられ、例えば2−(ジメ
チルカルバモイル)スチレンオキシドまたは4−(1,
2−エポキシブチル)−4’−(ジメチルカルバモイ
ル)ビフェニル等の三置換アミノ基を有する芳香族エポ
キシ化合物が挙げられ、例えば4−シアノ−1,2−エ
ポキシブタンまたは1−(3−シアノフェニル)−2,
3−エポキシブタン等のシアノ基を有する脂肪族エポキ
シ化合物が挙げられ、例えば2−シアノスチレンオキシ
ドまたは6−シアノ−1−(1,2−エポキシ−2−フ
ェニルエチル)ナフタレン等のシアノ基を有する芳香族
エポキシ化合物等が挙げらる。更には、本発明の方法を
阻害しない限りこれらが上記以外の如何なる結合や置換
基またはヘテロ原子を有していてもよい。
【0017】これらのうち好ましくは、上述の炭素原
子、水素原子およびエポキシ基の酸素原子のみから成る
脂肪族または芳香族エポキシ化合物であり、上述のエー
テル結合を有する脂肪族または芳香族エポキシ化合物で
あり、上述のエステル結合を有する脂肪族または芳香族
エポキシ化合物である。
【0018】より好ましくは、例えばエチレンオキシ
ド、プロピレンオキシド、1,2−エポキシブタン、
2,3−エポキシブタン、1,2−エポキシヘキサン、
1,2−エポキシオクタン、1,2−エポキシデカン、
1,2−エポキシドデカン、1,2−エポキシテトラデ
カン、1,2−エポキシヘキサデカン、1,2−エポキ
シオクタデカン、7,8−エポキシ−2−メチルオクタ
デカン、2−ビニルオキシラン、2−メチル−2−ビニ
ルオキシラン、1,2−エポキシ−5−ヘキセン、1,
2−エポキシ−7−オクテン、1−フェニル−2,3−
エポキシプロパン、1−(1−ナフチル)−2,3−エ
ポキシプロパン、1−シクロヘキシル−3,4−エポキ
シブタン、1,3−ブタジエンジオキシドまたは1,
2,7,8−ジエポキシオクタン等の炭素原子、水素原
子およびエポキシ基の酸素原子のみから成る脂肪族エポ
キシ化合物であり、例えばグリシジルメチルエーテル、
ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシ
ジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、エチル3,
4−エポキシブチルエーテル、グリシジルフェニルエー
テル、グリシジル4−tert−ブチルフェニルエーテ
ル、グリシジル4−クロロフェニルエーテル、グリシジ
ル4−メトキシフェニルエーテル、グリシジル2−フェ
ニルフェニルエーテル、グリシジル1−ナフチルエーテ
ル、グリシジル4−インドリルエーテル、グリシジルN
−メチル−α−キノロン−4−イルエーテル、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、1,4−ブタンジオ
ールジグリシジルエーテル、1,2−ジグリシジルオキ
シベンゼン、2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェ
ニル)プロパン、トリス(4−グリシジルオキシフェニ
ル)メタン、ポリ(オキシプロピレン)トリオールトリ
グリシジルエーテルまたはフェノールノボラックのグリ
シジルエーテル等のエーテル結合を有する脂肪族エポキ
シ化合物であり、例えば蟻酸グリシジル、酢酸グリシジ
ル、酢酸2,3−エポキシブチル、酪酸グリシジル、安
息香酸グリシジル、テレフタル酸ジグリシジル、ポリ
(アクリル酸グリシジル)、ポリ(メタクリル酸グリシ
ジル)、アクリル酸グリシジルと他のモノマー類の共重
合体またはメタクリル酸グリシジルと他のモノマー類の
共重合体等のエステル結合を有する脂肪族エポキシ化合
物である。
【0019】本発明の方法におけるN−無置換もしくは
N−一置換カルバミン酸エステル類とは、N−無置換も
しくはN−一置換カルバミン酸と炭素数1ないし10個
の有機ヒドロキシ化合物とから形成される形のエステル
である。これらの有機ヒドロキシ化合物を具体的に例示
すれば、例えばメタノール、エタノール、n−プロパノ
ール、イソプロパノール、アリルアルコール、n−ブタ
ノール、sec−ブタノール、tert−ブタノール、
1−ヘキサノール、2−ヘプタノール、1−オクタノー
ル、1−デカノール、エチレングリコール、プロピレン
グリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタ
ンジオール、1,6−ヘキサンジオール、グリセリン、
トリメチロールプロパン、シクロプロパノール、シクロ
ブタノール、シクロヘキサノール、オクタヒドロナフト
ール、1,4−シクロヘキサンジオール、フェノール、
クレゾール、キシレノール、ナフトール、レゾルシンま
たはジヒドロキシナフタレン等の炭素数1ないし10個
の有機ヒドロキシ化合物挙げられる。
【0020】更には本発明の方法を阻害しない限り如何
なる置換基や結合またはヘテロ原子を有する炭素数1な
いし10個の有機ヒドロキシ化合物でもよい。これらの
うち好ましくは、例えばメタノール、エタノール、n−
プロパノール、イソプロパノール、アリルアルコール、
n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−ブタ
ノール、1−ヘキサノール、シクロプロパノール、シク
ロブタノール、シクロヘキサノールまたはフェノール等
の1個の水酸基を有する炭素数1ないし6個の有機ヒド
ロキシ化合物である。より好ましくは、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、アリルアルコール、n−ブタノール、sec−ブタ
ノール、tert−ブタノール、シクロプロパノールま
たはシクロブタノール等の1個の水酸基を有する炭素数
1ないし4個のアルコール類である。
【0021】本発明の方法におけるN−無置換カルバミ
ン酸エステル類としては、N−無置換カルバミン酸と上
述の炭素数1ないし10個の有機ヒドロキシ化合物とか
ら形成される形であるN−無置換カルバミン酸エステル
類が挙げられる。
【0022】これらのうち好ましいものを具体的に例示
すれば、例えばカルバミン酸メチル、カルバミン酸エチ
ル、カルバミン酸n−プロピル、カルバミン酸イソプロ
ピル、カルバミン酸アリル、カルバミン酸n−ブチル、
カルバミン酸sec−ブチル、カルバミン酸tert−
ブチル、カルバミン酸1−ヘキシル、カルバミン酸シク
ロプロピル、カルバミン酸シクロブチル、カルバミン酸
シクロヘキシルまたはカルバミン酸フェニル等のN−無
置換カルバミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1ない
し6個の有機ヒドロキシ化合物とから形成される形であ
るN−無置換カルバミン酸エステル類である。
【0023】より好ましくは、例えばカルバミン酸メチ
ル、カルバミン酸エチル、カルバミン酸n−プロピル、
カルバミン酸イソプロピル、カルバミン酸アリル、カル
バミン酸n−ブチル、カルバミン酸sec−ブチル、カ
ルバミン酸tert−ブチル、カルバミン酸シクロプロ
ピルまたはカルバミン酸シクロブチル等のN−無置換カ
ルバミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1ないし4個
のアルコール類とから形成される形であるN−無置換カ
ルバミン酸エステル類である。
【0024】本発明の方法におけるN−一置換カルバミ
ン酸エステル類としては、そのN−一置換基が脂肪族炭
化水素基、脂環族炭化水素基、芳香族炭化水素基または
含ヘテロ芳香族炭化水素基であるN−一置換カルバミン
酸類と上述の炭素数1ないし10個の有機ヒドロキシ化
合物とから形成される形であるN−一置換カルバミン酸
エステル類等が挙げられる。
【0025】更には、本発明の方法を阻害しない限りこ
れらが如何なる結合や置換基またはヘテロ原子を有して
いてもよい。これらのうち好ましくは、例えばN−メチ
ルカルバミン酸メチル、N−エチルカルバミン酸エチ
ル、N−プロピルカルバミン酸プロピル、N−ブチルカ
ルバミン酸イソプロピル、N−ヘキシルカルバミン酸ア
リル、N−オクチルカルバミン酸ブチル、N−エチルカ
ルバミン酸ヘキシル、N−プロピルカルバミン酸シクロ
プロピル、N−ブチルカルバミン酸シクロブチル、N−
ヘキシルカルバミン酸シクロヘキシル、N−アリルカル
バミン酸フェニル、N,N’−エチレンビスカルバミン
酸ジメチル、N,N’−トリメチレンビスカルバミン酸
ジメチル、N,N’−テトラメチレンビスカルバミン酸
ジメチル、N,N’−ヘキサメチレンビスカルバミン酸
ジメチル、N,N’−オクタメチレンビスカルバミン酸
ジメチル、N,N’,N”−1,2,3−プロパントリ
イルトリスカルバミン酸トリメチル、N,N’−m−キ
シリレンビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−1,3
−ジイソプロピルベンゼン−1’(1),1”(3)−
ジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−1,4−
ジイソプロピルベンゼン−1’(1),1”(4)−ジ
イルビスカルバミン酸ジメチルまたはN,N’−3−オ
キシ−1,5−ペンタンジイルビスカルバミン酸ジメチ
ル等のN−一置換基が炭素数1ないし12個の脂肪族炭
化水素基であるN−一置換カルバミン酸と1個の水酸基
を有する炭素数1ないし6個の有機ヒドロキシ化合物と
から形成される形であるN−脂肪族置換カルバミン酸エ
ステル類であり、例えばN−シクロプロピルカルバミン
酸メチル、N−シクロブチルカルバミン酸エチル、N−
シクロヘキシルカルバミン酸プロピル、N−シクロヘプ
チルカルバミン酸アリル、N−シクロオクチルカルバミ
ン酸ブチル、N−4−メチルシクロプロピルカルバミン
酸ヘキシル、N−シクロヘキシルカルバミン酸シクロヘ
キシル、N−シクロヘキシルカルバミン酸フェニル、
N,N’−1,2−シクロヘキサンジイルビスカルバミ
ン酸ジメチル、N,N’−1,3−ジメチルシクロヘキ
サン−1’(1),1”(3)−ジイルビスカルバミン
酸ジメチル、N,N’−3,5−ジメチルノルボルナン
−1’(3),1”(5)−ジイルビスカルバミン酸ジ
メチル、N,N’−1−イソプロピル−4−メチルシク
ロヘキサン−1’(1),4−ジイルビスカルバミン酸
ジメチル、N,N’−1,1,3,3−テトラメチルシ
クロヘキサン−1’(1),5−ジイルビスカルバミン
酸ジメチル、N,N’−ジシクロヘキシルメタン−4,
4’−ジイルビスカルバミン酸ジメチルまたはN,N’
−3,3’−ジメチルビスシクロヘキシルメタン−4,
4’−ジイルビスカルバミン酸ジメチル等のN−一置換
基が炭素数3ないし15個の脂環族炭化水素基であるN
−一置換カルバミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1
ないし6個の有機ヒドロキシ化合物とから形成される形
であるN−脂環族置換カルバミン酸エステル類であり、
例えばN−フェニルカルバミン酸メチル、N−トリルカ
ルバミン酸エチル、N−ナフチルカルバミン酸イソプロ
ピル、N−4−クロロフェニルカルバミン酸ヘキシル、
N−トリルカルバミン酸シクロヘキシル、N−ナフチル
カルバミン酸フェニル、N,N’−m−フェニレンビス
カルバミン酸ジメチル、N,N’−p−フェニレンビス
カルバミン酸ジメチル、N,N’−トリレンビスカルバ
ミン酸ジメチル、N,N’−ジフェニルメタン−4,
4’−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−
3,3’−ジエチルビスフェニルメタン−4,4’−ジ
イルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−ジフェニル
スルフォン−4,4’−ジイルビスカルバミン酸ジメチ
ル、N,N’−2,6−ナフタレンジイルビスカルバミ
ン酸ジメチル、N,N’,N”−1,3,5−ベンゼン
トリイルトリスカルバミン酸トリメチル、N,N’−
1,3−ジ(4−メチルフェニル)ウレチジンジオン−
3’,3”−ジイルビスカルバミン酸ジメチルまたは
N,N’,N”−1,3,5−トリ(4−メチルフェニ
ル)イソシアヌレート−3’,3”,3”’−トリイル
トリスカルバミン酸トリメチル等のN−一置換基が炭素
数6ないし24個の芳香族炭化水素基であるN−一置換
カルバミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1ないし6
個の有機ヒドロキシ化合物とから形成される形であるN
−芳香族置換カルバミン酸エステル類であり、例えばN
−3−フリルカルバミン酸メチル、N−4−ピリジルカ
ルバミン酸エチル、N−4−メチル−3−フリルカルバ
ミン酸ブチル、N−2−メトキシ−4−ピリジルカルバ
ミン酸シクロヘキシル、N−2−ブチル−4−ピリジル
カルバミン酸フェニルまたはN,N’,N”−1,3,
5−トリアジン−2,4,6−トリイルトリスカルバミ
ン酸トリメチル等のN−一置換基が炭素数3ないし9個
の含ヘテロ芳香族炭化水素基であるN−一置換カルバミ
ン酸と1個の水酸基を有する炭素数1ないし6個の有機
ヒドロキシ化合物とから形成される形であるN−含ヘテ
ロ芳香族置換カルバミン酸エステル類である。
【0026】より好ましくは、例えばN−シクロプロピ
ルカルバミン酸メチル、N−シクロブチルカルバミン酸
エチル、N−シクロヘキシルカルバミン酸プロピル、N
−シクロヘプチルカルバミン酸アリル、N−シクロオク
チルカルバミン酸ブチル、N,N’−1,2−シクロヘ
キサンジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−
1,3−ジメチルシクロヘキサン−1’(1),1”
(3)−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−
3,5−ジメチルノルボルナン−1’(3),1”
(5)−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−
1−イソプロピル−4−メチルシクロヘキサン−1’
(1),4−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,
N’−1,1,3,3−テトラメチルシクロヘキサン−
1’(1),5−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、
N,N’−ジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイル
ビスカルバミン酸ジメチルまたはN,N’−3,3’−
ジメチルビスシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイル
ビスカルバミン酸ジメチル等のN−一置換基が炭素数3
ないし15個の脂環族炭化水素基であるN−一置換カル
バミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1ないし4個の
アルコール類とから形成される形であるN−脂環族置換
カルバミン酸エステル類であり、例えばN−フェニルカ
ルバミン酸メチル、N−トリルカルバミン酸エチル、N
−ナフチルカルバミン酸イソプロピル、N,N’−m−
フェニレンビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−p−
フェニレンビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−トリ
レンビスカルバミン酸ジメチル、N,N’−ジフェニル
メタン−4,4’−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、
N,N’−3,3’−ジエチルビスフェニルメタン−
4,4’−ジイルビスカルバミン酸ジメチル、N,N’
−ジフェニルスルフォン−4,4’−ジイルビスカルバ
ミン酸ジメチル、N,N’−2,6−ナフタレンジイル
ビスカルバミン酸ジメチル、N,N’,N”−1,3,
5−ベンゼントリイルトリスカルバミン酸トリメチル、
N,N’−1,3−ジ(4−メチルフェニル)ウレチジ
ンジオン−3’,3”−ジイルビスカルバミン酸ジメチ
ルまたはN,N’,N”−1,3,5−トリ(4−メチ
ルフェニル)イソシアヌレート−3’,3”,3”’−
トリイルトリスカルバミン酸トリメチル等のN−一置換
基が炭素数6ないし24個の芳香族炭化水素基であるN
−一置換カルバミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1
ないし4個のアルコール類とから形成される形であるN
−芳香族置換カルバミン酸エステル類である。
【0027】本発明の方法における反応に際しては、式
(1)で表されるホスフィンオキシド化合物または式
(2)で表されるホスファゼニウム化合物、エポキシ化
合物およびN−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸
エステル類とを有効に接触させる方法であれば如何なる
方法でもよい。反応は連続式、回分式または半回分式の
いずれの方法でも構わない。通常、式(1)で表される
ホスフィンオキシド化合物または式(2)で表されるホ
スファゼニウム化合物、エポキシ化合物およびN−無置
換もしくはN−一置換カルバミン酸エステル類とを一括
して接触させる方法、式(1)で表されるホスフィンオ
キシド化合物または式(2)で表されるホスファゼニウ
ム化合物とN−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸
エステル類を含む混合物にエポキシ化合物を加える方
法、エポキシ化合物とN−無置換もしくはN−一置換カ
ルバミン酸エステル類を含む混合物に式(1)で表され
るホスフィンオキシド化合物または式(2)で表される
ホスファゼニウム化合物を加える方法、更には式(1)
で表されるホスフィンオキシド化合物または式(2)で
表されるホスファゼニウム化合物とエポキシ化合物を含
む混合物にN−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸
エステル類を加える方法がとり得る。加える方法は一括
でも、間欠的または連続的であっても構わない。
【0028】N−無置換もしくはN−一置換カルバミン
酸エステル類の使用量は、目的に応じて変わるが、通常
これらの化合物中のカルバモイル基がエポキシ化合物中
のエポキシ基1モルに対して、0.5ないし1.5モル
となる範囲であり、好ましくは0.7ないし1.3モル
となる範囲である。式(1)で表されるホスフィンオキ
シド化合物または式(2)で表されるホスファゼニウム
化合物の使用量は特に制限はないが、エポキシ化合物中
のエポキシ基1モルに対して、通常0.2モル以下であ
り、好ましくは1×10-5ないし0.1モルであり、よ
り好ましくは1×10-4ないし5×10-2モルである。
【0029】反応温度は、使用する原料および式(1)
で表されるホスフィンオキシド化合物または式(2)で
表されるホスファゼニウム化合物の種類により一様では
ないが、通常、250℃以下であり、好ましくは30な
いし200℃である。反応時の圧力は、いずれの場合も
用いる原料の種類により一様ではないが、通常3.0M
Pa(絶対圧、以下同様)以下であり、好ましくは0.
01ないし1.5MPa、より好ましくは0.1ないし
1.0MPaの範囲である。反応時間は、通常、48時
間以内であり、好ましくは0.1分ないし24時間であ
り、より好ましくは0.6分ないし10時間である。反
応は、必要であれば窒素またはアルゴン等の不活性ガス
の存在下に実施することもできる。
【0030】本発明の方法においては必要であれば溶媒
を用いることもできる。その際用いる溶媒としては、例
えばn−ペンタン、n−ヘキサンまたはシクロヘキサン
等の脂肪族または脂環式炭化水素類であり、例えばジメ
チルエーテル、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエー
テル、ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,4
−ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテル、
ジエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、
o−ジメトキシベンゼン、エチルフェニルエーテル、ブ
チルフェニルエーテルまたはo−ジエトキシベンゼン等
のエーテル類であり、例えばベンゼン、トルエン、キシ
レン、エチルベンゼン、クメン、メシチレン、テトラリ
ン、ブチルベンゼン、p−シメン、ジエチルベンゼン、
ジイソプロピルベンゼン、トリエチルベンゼン、シクロ
ヘキシルベンゼン、ジペンチルベンゼンまたはドデシル
ベンゼン等の芳香族炭化水素類であり、例えばクロルベ
ンゼン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼ
ン、1,2,4−トリクロロベンゼン、ブロモベンゼ
ン、o−ジブロモベンゼン、ブロモクロロベンゼン、o
−クロロトルエン、p−クロロトルエン、p−クロロエ
チルベンゼンまたは1−クロロナフタレン等のハロゲン
化芳香族炭化水素類であり、例えばジメチルスルホキシ
ド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホス
ホルアミドまたはN,N’−ジメチルイミダゾリジノン
等の非プロトン性極性溶媒が挙げられる。その他、本発
明の方法の目的を阻害しなければ如何なる溶媒でも構わ
ない。これらの溶媒は単独で用いても、複数個を併用し
ても構わない。
【0031】この反応液から目的の2−オキサゾリドン
誘導体を単離する方法は、使用した原料の種類、目的の
2−オキサゾリドン誘導体の種類または用いた場合の溶
媒の種類や量などにより一様でないが、通常、反応液か
ら、または溶媒を使用した場合にはその溶媒を留去した
液から、蒸留、再結晶またはカラムクロマトグラフィー
等の分離法により目的の2−オキサゾリドン誘導体を得
ることができる。
【0032】このようにして式(1)で表されるホスフ
ィンオキシド化合物または式(2)で表されるホスファ
ゼニウム化合物の存在下に、エポキシ化合物とN−無置
換もしくはN−一置換カルバミン酸エステル類とを反応
させて、2−オキサゾリドン誘導体を高い触媒活性と高
い収率で製造することができる。
【0033】
【実施例】次に実施例により本発明を更に詳しく説明す
るが、これらは限定的でなく単に説明のためと解される
べきである。
【0034】実施例1 還流冷却器を装備した100mlのフラスコにフェニル
グリシジルエーテル(東京化成社品の蒸留品:沸点12
5.0ないし126.0℃(15mmHg)の留分、以
下同様)15.0g(100mmol)、N−フェニル
カルバミン酸メチル(東京化成社品の再結晶品:融点4
7.0ないし47.5℃、以下同様)15.1g(10
0mmol)およびトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシド:
[(Me2N)3P=N]3P=O(Meはメチル基を表
す。以下同様)0.579g(1.00mmol)を精
秤した。これら仕込みモル量は前述の文献2の実験項に
示されるものと全く同じであり、触媒の種類のみが異な
っている。これを加熱し、内温を90℃に保ちながら1
5分間攪拌した。その後、このフラスコを急冷し、約1
分後に室温に戻した。この反応混合物の一部を採取して
1,3,5−トリクロロベンゼンを内部標準とし、ガス
クロマトグラフィーで定量分析を行ったところ、原料の
フェニルグリシジルエーテルは88%消費されていた。
またビフェニルを内部標準とし、液体クロマトグラフィ
ーで定量分析を行ったところ、目的とするN−フェニル
−5−フェノキシメチル−2−オキサゾリドンのフェニ
ルグリシジルエーテルを基準とした生成収率は85%で
あった。反応速度を表す指標となる該ホスフィンオキシ
ドの触媒活性(単位時間あたりの触媒の作用回数、TO
N/hで表す。以下同様)は340TON/hであっ
た。この反応混合物を直接カラムクロマトグラフィーに
供し、N−フェニル−5−フェノキシメチル−2−オキ
サゾリドンを21.5g得た。このものの元素分析、1
H−NMRおよび赤外吸収スペクトル等の分析データは
標品のものと同一であった。
【0035】比較例1 実施例1で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モル(1.00mmol)のトリエチルアミン
(東京化成社品の蒸留品:沸点89.0ないし89.5
℃(常圧)の留分、以下同様)を用いた以外は実施例1
と全く同様に行った。即ち文献2の実験項に記載された
実験の追試である。原料のフェニルグリシジルエーテル
の消費率は61%であり、目的とするN−フェニル−5
−フェノキシメチル−2−オキサゾリドンのフェニルグ
リシジルエーテルを基準とした生成収率は僅か51%で
あった。触媒活性は200TON/hであった。これは
該ホスフィンオキシドの触媒活性の約1/2である。
【0036】また上記の反応時間を1時間に変えた。即
ち文献2の表1の脚註の反応時間で行ったところ、原料
のフェニルグリシジルエーテルの消費率は72%であ
り、目的とするN−フェニル−5−フェノキシメチル−
2−オキサゾリドンの生成収率は僅か64%であった。
触媒活性は僅か65TON/hであった。これは該ホス
フィンオキシドの触媒活性の約1/6である。いずれの
反応においても文献記載の収率を再現することはできな
かった。
【0037】実施例2 実施例1で使用した100mlのフラスコを200ml
のフラスコに変え、ジグリム50.0gを反応溶媒とし
て新たに使用し、反応温度および反応時間をそれぞれ1
00℃および5時間に変えた以外は実施例1と全く同様
に行った。フェニルグリシジルエーテルの消費率は98
%であり、目的のN−フェニル−5−フェノキシメチル
−2−オキサゾリドンの生成収率は95%であった。触
媒活性は19TON/hであった。
【0038】比較例2 実施例2で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルのトリエチルアミンを用いた以外は実施例2
と全く同様に行った。フェニルグリシジルエーテルの消
費率は18%であり、目的のN−フェニル−5−フェノ
キシメチル−2−オキサゾリドンの生成収率は11%で
あった。触媒活性は2.2TON/hであった。これは
実施例2に示した該ホスフィンオキシドの触媒活性の約
1/9である。
【0039】実施例3 実施例1で使用したN−フェニルカルバミン酸メチルの
代わりに等モルのN−(4−クロロフェニル)カルバミ
ン酸メチルを用いた以外は実施例1と全く同様に行っ
た。フェニルグリシジルエーテルの消費率93%であ
り、目的のN−(4−クロロフェニル)−5−フェノキ
シメチル−2−オキサゾリドンの生成収率は89%であ
った。触媒活性は360TON/hであった。
【0040】比較例3 実施例3で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルのトリエチルアミンを用いた以外は実施例3
と全く同様に行った。フェニルグリシジルエーテルの消
費率は66%であり、目的のN−(4−クロロフェニ
ル)−5−フェノキシメチル−2−オキサゾリドンの生
成収率は僅か53%であった。触媒活性は僅か210T
ON/hであった。これは実施例3に示した該ホスフィ
ンオキシドの触媒活性の約1/2である。
【0041】実施例4 実施例1で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルの式(2)で表される水酸化テトラキス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフォニウム:[(Me2N)3P=N]4+,OH-
用いた以外は実施例1と全く同様に行った。原料のフェ
ニルグリシジルエーテルの消費率は99%であり、目的
とするN−フェニル−5−フェノキシメチル−2−オキ
サゾリドンのフェニルグリシジルエーテルを基準とした
生成収率は極めて高く95%であった。触媒活性は38
0TON/hであり、トリス[トリス(ジメチルアミ
ノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの
触媒活性とほぼ同等であった。式(2)で表される該ホ
スファゼニウムの場合においても、トリエチルアミンの
触媒活性は該ホスファゼニウム化合物の触媒活性に比べ
約1/2または約1/6程度でしかなかった。
【0042】実施例5 還流冷却器を装備した100mlのフラスコにエポキシ
化合物であるフェニルグリシジルエーテル15.0g
(100mmol)、N−無置換カルバミン酸エステル
類であるカルバミン酸メチル7.51g(100mmo
l)および式(1)で表されるホスフィンオキシド化合
物であるトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフィンオキシド0.579g
(1.00mmol)を精秤した。これを加熱し、内温
を150℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、約1
0分かけて室温に戻した。この反応液の一部を採取して
1,3,5−トリクロロベンゼンを内部標準とし、ガス
クロマトグラフィーで定量分析を行ったところ、原料の
フェニルグリシジルエーテルはほぼ完全に消費されてい
た。またビフェニルを内部標準とし、液体クロマトグラ
フィーで定量分析を行ったところ、目的とする5−フェ
ノキシメチル−2−オキサゾリドンのフェニルグリシジ
ルエーテルを基準とした生成収率は94%であった。反
応はほとんど定量的に進行していた。この反応液を直接
カラムクロマトグラフィーに供し、5−フェノキシメチ
ル−2−オキサゾリドンを17.1g得た。このものの
各種の分析データは標品のものと同一であった。トリス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフィンオキシドの触媒活性は、94TON/h
であった。N−一置換カルバミン酸エステル類のみなら
ずN−無置換カルバミン酸エステル類においても該ホス
フィンオキシドの触媒活性は、比較4、5または6に例
示したトリエチルアミン、塩化テトラブチルアンモニウ
ムまたはスズ等の触媒活性に対して、それぞれ約4倍、
3倍または3倍高いものであった。
【0043】実施例6 実施例5で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルの式(2)で表されるホスファゼニウム化合
物である水酸化テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウムを用いた以
外は実施例5と全く同様に行った。目的の5−フェノキ
シメチル−2−オキサゾリドンの生成収率は極めて高く
98%であった。触媒活性は98TON/hであり、実
施例5で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)ホ
スフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの触媒活
性とほぼ同等であった。
【0044】比較例4 実施例5で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルのトリエチルアミンを用いた以外は実施例5
と全く同様に行った。目的の5−フェノキシメチル−2
−オキサゾリドンの生成収率は僅か25%であった。触
媒活性は僅か25TON/hであった。
【0045】比較例5 実施例5で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルの塩化テトラブチルアンモニウムを用いた以
外は実施例5と全く同様に行った。目的の5−フェノキ
シメチル−2−オキサゾリドンの生成収率は僅か37%
であった。触媒活性は僅か37TON/hであった。
【0046】比較例6 実施例5で使用したトリス[トリス(ジメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わ
りに等モルのジラウリン酸ジ−n−ブチルスズとN,N
−ジメチルベンジルアミンを用いた以外は実施例5と全
く同様に行った。目的の5−フェノキシメチル−2−オ
キサゾリドンの生成収率は僅か32%であった。触媒活
性は僅か32TON/hであった。
【0047】実施例7 実施例5で使用したフェニルグリシジルエーテルの代わ
りに等モルのスチレンオキシドを用い、カルバミン酸メ
チルの代わりに等モルのカルバミン酸n−ヘキシルを用
い、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフィンオキシドの代わりに等モルのビ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ][トリス(n−オクチルメチルアミノ)ホスフォラ
ニリデンアミノ]ホスフィンオキシド:[(Me2N)3
P=N]2[(n−Oct(Me)N)3P=N]P=O
(n−Octはn−オクチル基を表す。以下同様)を用
いた以外は実施例5と全く同様に行った。目的の5−フ
ェニル−2−オキサゾリドンの生成収率は87%であっ
た。
【0048】実施例8 実施例5で使用したフェニルグリシジルエーテルの代わ
りに等モルの酢酸グリシジルを用い、カルバミン酸メチ
ルの代わりに等モルのN−メチルカルバミン酸エチルを
用い、トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノ]ホスフィンオキシドの代わりに等モルの
テトラキス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリ
デンアミノ]ホスフォニウムメトキシド:[(Me
2N)3P=N]4+-OMeを用いた以外は実施例5
と全く同様に行った。目的のN−メチル−5−アセトキ
シメチル−2−オキサゾリドンの生成収率は82%であ
った。
【0049】実施例9 実施例5で使用したフェニルグリシジルエーテルの代わ
りに等モルの4−フェノキシスチレンオキシドを用い、
カルバミン酸メチルの代わりに等モルのN−(4−メト
キシブチル)カルバミン酸シクロヘキシルを用い、トリ
ス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフィンオキシドの代わりに等モルのテトラキス
[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミ
ノ]ホスフォニウムt−ブトキシド:[(Me2N)3
=N]4+-O-t-C49を用いた以外は実施例5と全
く同様に行った。目的のN−(4−メトキシブチル)−
5−(4−フェノキシフェニル)−2−オキサゾリドン
の生成収率は89%であった。
【0050】実施例10 実施例5で使用したフェニルグリシジルエーテルの代わ
りに等モルの4−メトキシカルボニルスチレンオキシド
を用い、カルバミン酸メチルの代わりに等モルのN−シ
クロヘキシルカルバミン酸フェニルを用い、トリス[ト
リス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホ
スフィンオキシドの代わりに等モルのテトラキス[トリ
ス(ジメチルアミノ)ホスフォラニリデンアミノ]ホス
フォニウムフェノキシド:[(Me2N)3P=N]
4+-OC65を用いた以外は実施例5と全く同様に
行った。目的のN−シクロヘキシル−5−(4−メトキ
シカルボニルフェニル)−2−オキサゾリドンの生成収
率は78%であった。
【0051】実施例11 実施例1で使用したフェニルグリシジルエーテルの代わ
りに等モルの2,2−ビス(4−グリシジルオキシフェ
ニル)プロパンを用い、N−フェニルカルバミン酸メチ
ルの代わりに2倍モルのN−(4−クロロフェニル)カ
ルバミン酸プロピルを用い、反応時間を1時間に変えた
以外は実施例1と全く同様に行った。目的の2,2−ビ
ス{4−[N−(4−クロロフェニル)−2−オキサゾ
リドン−5−イルメチル]フェニル}プロパンの生成収
率は98%であった。
【0052】実施例12 実施例1で使用したN−フェニルカルバミン酸メチルの
代わりに等モルのN−4−ピリジルカルバミン酸プロピ
ルを用い、反応時間を1時間に変えた以外は実施例1と
全く同様に行った。目的のN−(4−ピリジル)−5−
フェノキシメチル−2−オキサゾリドンの生成収率は9
8%であった。
【0053】実施例13 トリメチレンビスカルバミン酸ジメチル41.8g(2
20mmol)と0.855g(1.00mmol)の
水酸化トリス[トリス(ジメチルアミノ)ホスフォラニ
リデンアミノ][トリス(n−オクチルメチルアミノ)
ホスフォラニリデンアミノ]ホスフォニウム:[(Me
2N)3P=N]3[(n−Oct(Me)N)3P=N]
+,OH-を精秤し、200mlのオートクレーブに仕
込んだ。内容物の温度を130℃に昇温した後、プロピ
レンオキシド27.9g(480mmol)を反応時圧
力が0.5MPa(絶対圧)を保つように間欠的に供給
しながら、同温度で6時間反応させた。約30分かけ
て、内容物を室温まで冷却した。この一部を採取して、
ガスクロマトグラフィーで定量分析を行ったところ、目
的のN−(5−メチル−2−オキサゾリドン−3−イ
ル)プロピル−5−メチル−2−オキサゾリドンの生成
収率は90%であった。この反応液から目的物を蒸留し
て、N−(5−メチル−2−オキサゾリドン−3−イ
ル)プロピル−5−メチル−2−オキサゾリドンを4
2.2g得た。
【0054】
【発明の効果】本発明の方法によれば、エポキシ化合物
とN−無置換もしくはN−一置換カルバミン酸エステル
類との反応を、従来の方法に比べて温和な条件下で実施
でき、しかも高い収率で目的の2−オキサゾリドン誘導
体を製造することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原 烈 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 柴原 敦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 船木 克彦 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 水谷 一美 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 (72)発明者 高木 夘三治 神奈川県横浜市栄区笠間町1190番地 三井 化学株式会社内 Fターム(参考) 4C056 AA01 AB01 AC02 AD01 AE02 AF01 BA08 BB04 BC02 4G069 AA08 BA21A BA21B BD01A BD01B BD02A BD02B BD06A BD06B BD07A BD07B BD11A BD11B BE01A BE01B CB01 4H039 CA42 CH10

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式(1)〔化1〕 【化1】 (式中、Rは同種または異種の、炭素数1ないし10個
    の炭化水素基である。)で表されるホスフィンオキシド
    化合物または式(2)〔化2〕 【化2】 (式中、Rは式(1)中のRと同一である。Z-はハロ
    ゲンアニオン、ヒドロキシアニオン、アルコキシアニオ
    ン、アリールオキシアニオンまたはカルボキシアニオン
    である。)で表されるホスファゼニウム化合物の存在下
    に、エポキシ化合物とN−無置換もしくはN−一置換カ
    ルバミン酸エステル類とを反応させることを特徴とする
    2−オキサゾリドン誘導体の製造方法。
  2. 【請求項2】 式(1)で表されるホスフィンオキシド
    化合物または式(2)で表されるホスファゼニウム化合
    物中のRが同種または異種の、炭素数1ないし8個の脂
    肪族炭化水素基である請求項1記載の方法。
  3. 【請求項3】 式(1)で表されるホスフィンオキシド
    化合物または式(2)で表されるホスファゼニウム化合
    物中のRが同種または異種の、メチル基またはエチル基
    である請求項1記載の方法。
  4. 【請求項4】 式(2)で表されるホスファゼニウム化
    合物中のZ-が、ヒドロキシアニオン、炭素数1ないし
    4個のアルコール類から導かれるアルコキシアニオンま
    たは炭素数6ないし8個の芳香族ヒドロキシ化合物から
    導かれるアリールオキシアニオンである請求項1ないし
    3のいずれかに記載の方法。
  5. 【請求項5】 エポキシ化合物が炭素原子、水素原子お
    よびエポキシ基の酸素原子のみから成る脂肪族もしくは
    芳香族エポキシ化合物、エーテル結合を有する脂肪族も
    しくは芳香族エポキシ化合物またはエステル結合を有す
    る脂肪族もしくは芳香族エポキシ化合物である請求項1
    ないし4のいずれかに記載の方法。
  6. 【請求項6】 N−無置換カルバミン酸エステル類がN
    −無置換カルバミン酸と1個の水酸基を有する炭素数1
    ないし6個の有機ヒドロキシ化合物から形成される形の
    N−無置換カルバミン酸エステル類である請求項1ない
    し5のいずれかに記載の方法。
  7. 【請求項7】 N−一置換カルバミン酸エステル類が、
    そのN−一置換基が炭素数1ないし12個の脂肪族炭化
    水素基、炭素数3ないし15個の脂環族炭化水素基、炭
    素数6ないし24個の芳香族炭化水素基または炭素数3
    ないし9個の含ヘテロ芳香族炭化水素基であるN−一置
    換カルバミン酸類と1個の水酸基を有する炭素数1ない
    し6個の有機ヒドロキシ化合物とから形成される形であ
    るN−一置換カルバミン酸エステル類である請求項1な
    いし5のいずれかに記載の方法。
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