JP2000133907A - 容量素子付き回路基板 - Google Patents

容量素子付き回路基板

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JP2000133907A
JP2000133907A JP10307455A JP30745598A JP2000133907A JP 2000133907 A JP2000133907 A JP 2000133907A JP 10307455 A JP10307455 A JP 10307455A JP 30745598 A JP30745598 A JP 30745598A JP 2000133907 A JP2000133907 A JP 2000133907A
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JP
Japan
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electrode layer
thin film
layer
insulator
lower electrode
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JP10307455A
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English (en)
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Takeshi Oyamada
毅 小山田
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Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】絶縁基板上に所定の静電容量値の容量素子を確
実に形成することができない。 【解決手段】絶縁基板1上に薄膜回路配線2と薄膜容量
素子3a、3bとを形成してなる容量素子付き回路基板
であって、前記薄膜容量素子3a、3bは、一側面側に
前記薄膜回路配線2が接続され、他側面側に絶縁体9が
配されている下部電極層5と、前記下部電極層5及び絶
縁体9上に形成されている誘電体層6と、前記誘電体層
6の上面から該誘電体層6及び絶縁体9の側面を介し絶
縁基板1上面にかけて形成されている上部電極層7とか
ら成る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は携帯電話や衛星通信
等の通信機器に搭載される容量素子付き回路基板に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、携帯電話や衛星通信等の通信機器
には電気信号の送受信回路を構成する部品の一部に容量
素子付き回路基板が使用されている。
【0003】かかる容量素子付き回路基板は一般に上面
に所定パターンの回路配線を有する絶縁基板を準備し、
該絶縁基板上にチップ容量素子を載置するとともにその
端子を回路配線に半田等を介し電気的に接続させること
によって形成されている。
【0004】しかしながら、近時、携帯電話や衛星通信
等の通信機器は小型、軽量化が急激に進み、従来の容量
素子付き回路基板では回路配線がMo−Mn法等の厚膜
形成技術により形成されており、各回路配線の幅及び隣
接する回路配線間の間隙が広いこと、チップ容量素子の
形状が大きく全体が大型となっていること等から使用す
ることができず、小型で軽量な新規の容量素子付き回路
基板が要求されるようになってきた。
【0005】そこで新たに絶縁基体上に薄膜形成技術に
より回路配線と容量素子を被着し、該容量素子を回路配
線に電気的に接続することによって容量素子付き回路基
板を形成することが提案されている。
【0006】かかる容量素子付き回路基板は回路配線及
び容量素子を薄膜形成技術により形成することから回路
配線の線幅及び隣接間隔を狭くし、かつ容量素子の形状
を小さく、全体を小型として小型、軽量化が急激に進む
携帯電話や衛星通信等の通信機器に使用が可能となる。
【0007】なお、前記容量素子付き回路基板は、その
回路配線が酸化アルミニウム質焼結体等の電気絶縁材料
から成る基板上にスパッタリング法や蒸着法等の薄膜形
成技術を採用することによってアルミニウム、タンタ
ル、タングステン、チタン、クロム等の金属材料を所定
厚みに被着し、次にこれをフォトリソグラフィー技術に
より所定パターンに加工することによって形成され、ま
た薄膜容量素子はまず電気絶縁材料から成る基板上にス
パッタリング法等の薄膜形成技術によりα−タンタル
(窒化タンタル)を所定厚みに被着させて下部電極層を
形成し、次に前記下部電極層の上面及び一側面に酸窒化
タンタル等から成る誘電物と、チタン−金やニクロム−
金等の金属材料をスパッタリング法や蒸着法等の薄膜形
成技術により順次、被着させ、最後にこれらをエッチン
グ法により所定パターンに加工し、誘電体層及び上部電
極層とすることによって形成されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、この従
来の容量素子付き回路基板においては、下部電極層の上
面及び一側面に誘電物をスパッタリング法等の薄膜形成
技術により被着させ、誘電体層を形成する際、下部電極
層の上面と一側面との角部が角張っているためがい角部
に誘電物を所定厚みに被着させることができず、その結
果、下部電極層の上面と一側面との角部における誘電体
層の厚みが極端に薄くなって上部電極層と下部電極層と
が電気的に短絡し、容量素子としての機能を発揮させる
ことができないと言う欠点を誘発した。
【0009】本発明は上記欠点に鑑み案出されたもの
で、その目的は所定の静電容量値の容量素子を有する小
型、軽量の容量素子付き回路基板を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁基板上に
薄膜回路配線と薄膜容量素子とを形成してなる容量素子
付き回路基板であって、前記薄膜容量素子は、一側面側
に前記薄膜回路配線が接続され、他側面側に絶縁体が配
されている下部電極層と、前記下部電極層及び絶縁体上
に形成されている誘電体層と、前記誘電体層の上面から
該誘電体層及び絶縁体の側面を介し絶縁基板上面にかけ
て形成されている上部電極層とから成ることを特徴とす
るものである。
【0011】また本発明は、前記絶縁体がポリイミド、
ベンゾシクロブテン、フッ素樹脂から成ることを特徴と
するものである。
【0012】更に本発明は、前記絶縁体の幅が1000
オングストローム乃至20000オングストロームであ
ることを特徴とするものである。
【0013】本発明の容量素子付き回路基板によれば、
絶縁基板上に薄膜形成技術を採用することによって回路
配線及び容量素子を形成したことから回路配線の線幅及
び隣接間隔を狭くし、かつ容量素子の形状を小さく、全
体を小型として小型、軽量化が急激に進む携帯電話等の
通信機器に搭載が可能となる。
【0014】また本発明の容量素子付き回路基板によれ
ば、下部電極層と該下部電極層の側面に配されたポリイ
ミドやベンゾシクロブテン、フッ素樹脂等から成る絶縁
体の上面に誘電体層を形成するとともに誘電体層の上面
から該誘電体層及び絶縁体の側面を介し絶縁基板上面に
かけて上部電極層を形成したことから、上部電極層と下
部電極層とはその間に配されている絶縁体によって絶縁
性が確実に確保されて両電極層に短絡が発生することは
なく、その結果、薄膜容量素子に容量素子としての所定
の機能を発揮させることが可能となる。
【0015】更に本発明の容量素子付き回路基板によれ
ば、前記絶縁体をポリイミド、ベンゾシクロブテン、フ
ッ素樹脂で形成すると該ポリイミド、ベンゾシクロブテ
ン、フッ素樹脂は比誘電率が3.5以下と低く薄膜容量
素子の静電容量に殆ど影響を与えないことから、薄膜容
量素子の静電容量値を所定の正確な値となすことができ
る。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1乃至図3は、本発明の容量素子付
き回路基板の一実施例を示し、1は絶縁基板、2は薄膜
回路配線、3a、3bは薄膜容量素子である。
【0017】前記絶縁基板1は酸化アルミニウム質焼結
体、ムライト質焼結体、炭化珪素質焼結体、窒化アルミ
ニウム質焼結体、ガラスセラミックス焼結体等の電気絶
縁材料から成り、例えば、酸化アルミニウム質焼結体か
ら成る場合には、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マ
グネシウム、酸化カルシウム等の原料粉末に適当な有機
溶剤、溶媒を添加混合して泥漿状と成すとともにこれを
従来周知のドクターブレード法やカレンダーロール法等
によりシート状に成形してセラミックグリーンシート
(セラミック生シート)を得、しかる後、前記セラミッ
クグリーンシートに適当な打ち抜き加工を施し所定形状
と成すとともにこれを約1600℃で焼成することによ
って製作される。
【0018】前記絶縁基板1は薄膜回路配線2及び薄膜
容量素子3a、3b等を支持する支持部材として作用
し、その上面に所定パターンの薄膜回路配線2と所定静
電容量値の2つの薄膜容量素子3a、3bが被着されて
いる。
【0019】前記絶縁基板1の上面に被着形成されてい
る薄膜回路配線2は薄膜容量素子3a、3bを絶縁基板
1の上面に実装されている他の電子部品、例えば、半導
体素子4等に接続する、或いは薄膜容量素子3a、3b
や半導体素子4を外部の電気回路に電気的に接続する作
用をなす。
【0020】前記薄膜回路配線2は、例えば、図2に示
すようにチタン、クロム、ニッケル・クロム合金等から
成る密着層2aと、ニッケル、パラジウム、白金等から
成るバリア層2bと、金、銅等から成る主導体層2cの
3層構造を有しており、絶縁基板1の上面に上記各金属
を順次、イオンプレーティング法やスパッタリング法、
メッキ法、蒸着法等の薄膜形成技術により被着させて絶
縁基板1上に密着層2a、バリア層2b、主導体層2c
を順次形成し、次に前記密着層2a、バリア層2b、主
導体層2cの各層をフォトリソグラフィー技術により所
定パターンに加工することによって絶縁基板1上に所定
パターンに被着形成される。
【0021】前記薄膜回路配線2は絶縁基板1上に薄膜
形成技術を採用することによって形成されることから薄
膜回路配線2の線幅及び隣接間隔を極めて狭いものとし
て絶縁基板1に高密度に被着形成することが可能とな
り、その結果、薄膜回路配線2が被着形成される絶縁基
板1を小型化させることができる。
【0022】なお、前記チタン、クロム、ニッケル・ク
ロム合金等から成る密着層2aと、ニッケル、パラジウ
ム、白金等から成るバリア層2bと、金、銅等から成る
主導体層2cの3層構造を有する薄膜回路配線2は、密
着層2aが薄膜回路配線2を絶縁基板1に強固に接合さ
せる作用をなし、その厚みが100オングストローム未
満であると薄膜回路配線2を絶縁基板1に強固に接合さ
せることが困難となり、また10000オングストロー
ムを超えると密着層2aを薄膜形成技術により形成する
際に応力が発生するとともにこれが内部に内在し、該内
在応力によって絶縁基板1と薄膜回路配線2との接合強
度が低下してしまう傾向にある。従って、前記密着層2
aはその厚みを100オングストローム乃至10000
オングストロームの範囲としておくことが好ましい。
【0023】また前記薄膜回路配線2のバリア層2b
は、密着層2aと主導体層2cとを強固に接合させると
ともに密着層2aと主導体層2cとの間の相互拡散を有
効に防止する作用をなし、その厚みが500オングスト
ローム未満であると密着層2aと主導体層2cとを強固
に接合させることが困難となり、また10000オング
ストロームを超えるとバリア層2bを薄膜形成技術によ
り形成する際に応力が発生するとともにこれが内部に内
在し、該内在応力によって絶縁基板1と薄膜回路配線2
との接合強度が低下してしまう傾向にある。従って、前
記バリア層2bはその厚みを500オングストローム乃
至10000オングストロームの範囲としておくことが
好ましい。
【0024】更に前記薄膜回路配線2の主導体層2c
は、主として電気信号を伝搬させる通路として作用し、
その厚みが1000オングストローム未満となると薄膜
回路配線2の導通抵抗が高くなって回路配線には不向き
となってしまう。従って、前記主導体層2cはその厚み
を1000オングストローム以上としておくことが好ま
しい。
【0025】前記薄膜回路配線2が形成されている絶縁
基板1の上面には更に2つの薄膜容量素子3a、3bが
被着形成されている。
【0026】前記2つの薄膜容量素子3a、3bは図3
に示すように、例えば、α−タンタル(窒化タンタル)
等から成り、一側面側に絶縁体9が配されている下部電
極層5と、該下部電極層5及び絶縁体9の上面に被着形
成されている酸窒化タンタル等から成る誘電体層6と、
該誘電体層6の上面から誘電体層6の側面及び絶縁体9
の側面を介し絶縁基板1の上面にかけて被着形成されて
いる上部電極層7とから成り、下部電極層5と上部電極
層7との間に誘電体層6の比誘電率によって決定される
一定の静電容量が形成されるようになっている。
【0027】前記2つの薄膜容量素子3a、3bはその
下部電極層5の一側面側が薄膜回路配線2に接続され、
上部電極層7が半導体素子の電極や他の薄膜回路配線2
に、直接、或いはボンディングワイヤ8を介して接続さ
れ、これによって所定の電気回路に接続されるようにな
っている。
【0028】前記2つの薄膜容量素子3a、3bの絶縁
基板1上面への被着形成は、まず絶縁基板1上に下部電
極層5を被着形成する。この下部電極層5は、例えば、
α−タンタル(窒化タンタル)等から成り、該α−タン
タル等を絶縁基板1上にスパッタリング法やイオンプレ
ーティング法等の薄膜形成技術を採用することによって
所定厚み(250オングストローム乃至10000オン
グストローム)に被着させ、しかる後、これをフォトリ
ソグラフィー技術により所定パターンに加工することに
よって絶縁基板1上に形成される。
【0029】なお、前記α−タンタル等から成る下部電
極層5はその厚みが250オングストローム未満である
と下部電極層5を絶縁基板1に強固に接合させることが
困難となり、また10000オングストロームを超える
と下部電極層5を絶縁基板1上に被着させる際に下部電
極層5内部に大きな応力が発生内在し、該内在応力によ
って下部電極層5が絶縁基板1より剥離し易くなる傾向
にある。従って、前記α−タンタル等から成る下部電極
層5はその厚みを250オングストローム乃至1000
0オングストロームの範囲としておくことが望ましい。
【0030】次に、前記下部電極層5の上面に及び後述
する下部電極層5の一側面に配した絶縁体9の上面に誘
電体層6を形成する。
【0031】前記誘電体層6は例えば、酸窒化タンタル
等から成り、該酸窒化タンタル等をスパッタリングやイ
オンプレーティング法等の薄膜形成技術を採用すること
によって所定厚みに被着させ、しかる後、これをフォト
リソグラフィー技術により所定パターンに加工すること
によって下部電極層5及び下部電極層5の一側面に配し
た絶縁体9上に形成される。この誘電体層6は下部電極
層5と上部電極層7との間に所定の静電容量を形成する
作用をなし、下部電極層5の上面に2000オングスト
ローム乃至10000オングストロームの厚みに被着さ
れる。
【0032】また前記誘電体層6の下面側で下部電極層
5の一側面には絶縁体9が配されており、該絶縁体9は
下部電極層5と上部電極層7との絶縁性を確保する作用
をなし、絶縁体9によって下部電極層5と上部電極層7
とは短絡が発生することはなく、薄膜容量素子2に容量
素子としての所定の機能を発揮させることが可能とな
る。
【0033】前記絶縁体9はポリイミド、ベンゾシクロ
ブテン、フッ素樹脂等からなり、下部電極層5の上面に
誘電体層6を被着させた後、下部電極層5の一部を側面
側からエッチングし、除去して空隙を形成するとともに
該空隙内にポリイミド、ベンゾシクロブテン、フッ素樹
脂等の樹脂前駆体を注入し、これを加熱硬化させること
によって誘電体層6の下面側で下部電極層5の一側面側
に形成される。
【0034】なお、前記絶縁体9はそれをポリイミドや
ベンゾシクロブテン、フッ素樹脂で形成しておくと下部
電極層5と上部電極層7との電気的絶縁を確実に確保す
ることができるとともにポリイミド、ベンゾシクロブテ
ン、フッ素樹脂は比誘電率が3.5以下と低くいため薄
膜容量素子2の静電容量に殆ど影響を与えず、薄膜容量
素子2の静電容量値を所定の正確な値となすことができ
る。従って、前記絶縁体9はポリイミドやベンゾシクロ
ブテン、フッ素樹脂で形成しておくことが好ましい。
【0035】また前記ポリイミドやベンゾシクロブテ
ン、フッ素樹脂等からなる絶縁体9はその幅が1000
オングストローム未満となると下部電極層5と上部電極
層7との電気的絶縁性が不充分なものとなり、また20
000オングストロームを超えると誘電体層6の下面に
絶縁体9を配するための空隙を形成するのが困難となる
ことから前記絶縁体9はその幅を1000オングストロ
ーム乃至20000オングストロームの範囲としておく
ことが好ましい。
【0036】そして最後に、前記誘電体層6の上面から
該誘電体層6及び絶縁体9の側面を介し絶縁基板1上面
にかけて上部電極層7を被着させ、上部電極層7と前述
の下部電極層5との間に誘電体層6を位置させることに
よって所定の静電容量値を有する薄膜容量素子3a、3
bが絶縁基板1上の所定位置に被着形成されることとな
る。
【0037】前記上部電極層7としては、例えば、チタ
ン層と金層、ニクロム層と金層等の金属材料を2層に積
層したもので形成され、従来周知のスパッタリング法や
蒸着法等の薄膜形成技術及びフォトリソグラフィー技術
を採用することによって誘電体層6の上面から該誘電体
層6及び絶縁体9の側面を介し絶縁基板1上面にかけて
被着される。
【0038】なお、前記上部電極層7は、例えば、チタ
ン層と金層の2層で形成する場合、チタン層は上部電極
層7を誘電体層6等に強固に被着させる作用をなし、そ
の厚みが250オングストローム未満であると上部電極
層7を誘電体層6等に強固に接着させることが困難とな
り、また10000オングストロームを超えると誘電体
層6及び絶縁体9上にチタン層を被着させる際、チタン
層の内部に大きな応力が発生内在し、該内在応力によっ
て薄膜容量素子3a、3bの絶縁性、耐電圧特性が劣化
する傾向にある。従って、前記上部電極層7のチタン層
はその厚みを250オングストローム乃至10000オ
ングストロームの範囲としておくことが好ましい。
【0039】また前記上部電極層7の金層は、上部電極
層7の主導体層として作用し、その厚みが0.3μm未
満であると上部電極層7と薄膜回路配線2とをボンディ
ングワイヤ8を介して接続する際、上部電極層7とボン
ディングワイヤ8との電気的接続の信頼性が低くなる傾
向にあり、また5μmを超えると金層を形成する際に内
部に大きな応力が発生内在し、該内在応力によって薄膜
容量素子3a、3bの絶縁特性、耐電圧特性が劣化する
傾向にある。従って、前記上部電極層7の金層はその厚
みを0.3μm乃至5μmの範囲としておくことが好ま
しい。
【0040】前記薄膜容量素子3a、3bはそれを構成
する下部電極層5、誘電体層6及び上部電極層7のいず
れもが薄膜形成技術により形成されていることから全体
の形状が小さく、小型、軽量化が急激に進む携帯電話等
の通信機器に搭載が可能となる。
【0041】かくして本発明の容量素子付き回路基板に
よれば、絶縁基板1上に設けた薄膜回路配線2に半導体
素子4やその他の抵抗器等の電子部品を搭載接続すると
ともに薄膜容量素子3a、3bの下部電極層5及び上部
電極層7を所定の薄膜回路配線2や半導体素子4の電極
に、直接、或いはボンディングワイヤ8を介して接続す
れば、携帯電話や衛星通信等の通信機器に実装される電
気回路基板となる。
【0042】尚、本発明は上述の実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲であれば種
々の変更は可能であり、例えば、上述の実施例では絶縁
基板1の上面に2つの薄膜容量素子3a、3bを形成し
たが、これを3個以上設けてもよく、また各薄膜容量素
子3a、3bの下部電極層5、誘電体層6及び上部電極
層7を他の材料で形成してもよく、更に各薄膜容量素子
3a、3bの下部電極層5を薄膜回路配線2と同じ材料
で形成してもよい。
【0043】
【発明の効果】本発明の容量素子付き回路基板によれ
ば、絶縁基板上に薄膜形成技術を採用することによって
回路配線及び容量素子を形成したことから回路配線の線
幅及び隣接間隔を狭くし、かつ容量素子の形状を小さ
く、全体を小型として小型、軽量化が急激に進む携帯電
話等の通信機器に搭載が可能となる。
【0044】また本発明の容量素子付き回路基板によれ
ば、下部電極層と該下部電極層の側面に配されたポリイ
ミドやベンゾシクロブテン、フッ素樹脂等から成る絶縁
体の上面に誘電体層を形成するとともに誘電体層の上面
から該誘電体層及び絶縁体の側面を介し絶縁基板上面に
かけて上部電極層を形成したことから、上部電極層と下
部電極層とはその間に配されている絶縁体によって絶縁
性が確実に確保されて両電極層に短絡が発生することは
なく、その結果、薄膜容量素子に容量素子としての所定
の機能を発揮させることが可能となる。
【0045】更に本発明の容量素子付き回路基板によれ
ば、前記絶縁体をポリイミド、ベンゾシクロブテン、フ
ッ素樹脂で形成すると該ポリイミド、ベンゾシクロブテ
ン、フッ素樹脂は比誘電率が3.5以下と低く薄膜容量
素子の静電容量に殆ど影響を与えないことから、薄膜容
量素子の静電容量値を所定の正確な値となすことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の容量素子付き回路基板の一実施例を示
す断面図である。
【図2】図1に示す薄膜回路配線を説明するための拡大
断面図である。
【図3】図1に示す薄膜容量素子を説明するための拡大
断面図である。
【符号の説明】
1・・・・・・絶縁基板 2・・・・・・薄膜回路配線 2a・・・・・接着層 2b・・・・・バリア層 2c・・・・・主導体層 3a、3b・・薄膜容量素子 5・・・・・・下部電極層 6・・・・・・誘電体層 7・・・・・・上部電極層 9・・・・・・絶縁体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4E351 AA07 AA09 AA11 BB01 BB03 BB32 BB36 BB38 CC02 CC03 CC06 DD04 DD06 DD41 DD48 GG06 5E082 AB03 BB10 BC36 BC39 EE05 EE23 EE37 EE41 FG03 FG22 FG42 KK01 PP09 5E338 AA01 AA18 BB63 BB75 CC01 CD02 EE11 EE27

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】絶縁基板上に薄膜回路配線と薄膜容量素子
    とを形成してなる容量素子付き回路基板であって、前記
    薄膜容量素子は、一側面側に前記薄膜回路配線が接続さ
    れ、他側面側に絶縁体が配されている下部電極層と、前
    記下部電極層及び絶縁体上に形成されている誘電体層
    と、前記誘電体層の上面から該誘電体層及び絶縁体の側
    面を介し絶縁基板上面にかけて形成されている上部電極
    層とから成ることを特徴とする容量素子付き回路基板。
  2. 【請求項2】前記絶縁体がポリイミド、ベンゾシクロブ
    テン、フッ素樹脂から成ることを特徴とする請求項1に
    記載の容量素子付き回路基板。
  3. 【請求項3】前記絶縁体の幅が1000オングストロー
    ム乃至20000オングストロームであることを特徴と
    する請求項1に記載の容量素子付き回路基板。
JP10307455A 1998-10-28 1998-10-28 容量素子付き回路基板 Pending JP2000133907A (ja)

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