JP2000133119A - 画像表示装置の製造方法 - Google Patents

画像表示装置の製造方法

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JP2000133119A
JP2000133119A JP29966598A JP29966598A JP2000133119A JP 2000133119 A JP2000133119 A JP 2000133119A JP 29966598 A JP29966598 A JP 29966598A JP 29966598 A JP29966598 A JP 29966598A JP 2000133119 A JP2000133119 A JP 2000133119A
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electron
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Yoshiki Uda
芳己 宇田
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  • Manufacture Of Electron Tubes, Discharge Lamp Vessels, Lead-In Wires, And The Like (AREA)
  • Cold Cathode And The Manufacture (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板(リアプレート)上に複数の素子電極を
形成し製造する画像表示装置の製造方法において、リア
プレートを持つ画像表示装置の製造方法を提供する。 【解決手段】 電子放出素子となる電極部材の1部を除
去することにより分離して対向させた素子電極を複数備
える基板を具備する画像表示装置の製造方法において、
前記電極部材を前記基板に形成し、前記電極部材をレー
ザーを照射することにより分離してなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像表示装置の製
造方法に関するものであり、特に、画像表示装置のリア
プレートの電極の形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、液晶表示等の平板型画像表示装置
は、フェースプレート上に複数設けられた画像表示部
と、リアプレート上の配線電極が互いに位置合わせされ
て製造されている。
【0003】また近年、自発光型の電子放出素子をリア
プレート上にマトリックス状に配置した画像表示装置が
提案されている。従来より電子放出素子には大別して熱
電子放出素子と冷陰極電子放出素子を用いた2種類のも
のが知られている。冷陰極電子放出素子には電界放出型
(以下、「FE型」という。)、金属/絶縁層/金属型
(以下、「MIM型」という。)や表面伝導型電子放出
素子等がある。
【0004】FE型の例としてはW.P.Dyke & W.W.Dola
n,"Field emission",Advanced in Electoron Physics,
8,89(1956),あるいは、C.A.Spindt,"Physical Properti
es ofThin-Film Field Emission Cathodes with Molybd
enum Cones",J.Appl.Phys.,47,5248(1976)等に開示され
たものが知られている。
【0005】MIM型ではC.A.Mead,"Operation of Tun
nnel-Emission Devices",J.Appl.Phys.,32646(1961)等
に開示されたものが知られている。表面伝導型電子放出
素子型の例としては、M.I.Elinson,Redio Eng.Electoro
n Pys.,10,1290(1965)等に開示されたものがある。
【0006】表面伝導型電子放出素子は、基板上に形成
された小面積の薄膜に膜面に平行に電流を流すことによ
り、電子放出が生ずる。この表面伝導型電子放出素子と
しては、前記Elinson等によるSnO2 薄膜を用いたも
の、Au薄膜によるもの[G.Dittmer,"thin solid film
s",9,317(1972)]、In2 3 /SnO2 薄膜によるも
の[M.Hartwell and C.G.Finstad,"IEEE Trans.ED Cin
f."519(1975)]、カーボン薄膜によるもの[荒木久
他:真空、第26巻、第1号、22頁(1983)]等
が報告されている。
【0007】これらの表面伝導型電子放出素子の典型的
な例として前述のM,Hartwellの素子構成を図19に模式
的に示す。同図において8001は基板である。800
2及び8003は素子電極、8004は導電性薄膜で、
H型形状のパターンにスパッタで形成された金属酸化物
薄膜等からなり、後述の通電フォーミングと呼ばれる通
電処理により電子放出部8005が形成される。尚、図
中の素子電極8002と素子電極8003との間隔Lは
0.5〜1[mm]、W′は0.1[mm]で設定され
ている。
【0008】従来、これらの表面伝導型電子放出素子に
おいては、電子放出を行う前に導電性薄膜8004を予
め通電フォーミングと呼ばれる通電処理によって電子放
出部8005を形成するのが一般的であった。ここで、
通電フォーミングとは前記導電性薄膜8004両端に直
流電圧あるいは非常にゆっくりとした昇電圧を印加通電
し、導電性薄膜を局所的に破壊、変形もしくは変質せし
め、電気的に高抵抗な状態にした電子放出部8005を
形成することである。
【0009】尚、電子放出部8005は導電性薄膜80
04の一部に亀裂が発生しその亀裂付近から電子放出が
行われる。前記通電フォーミング処理をした表面伝導型
電子放出素子は、上述導電性薄膜8004に電圧を印加
し、素子に電流を流すことにより上述の電子放出部80
05より電子を放出させるものである。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述の表面伝導型放出
素子は、構造が単純で製造も容易であることから、大面
積にわたって多数の素子を配列形成できる利点がある。
そこで、この特徴を活かした荷電ビーム源、表面装置等
の応用研究がなされている。
【0011】多数の表面伝導型放出素子を配列形成した
例としては、梯型配置と呼ぶ並列に表面伝導型電子放出
素子を配列し、個々の素子の両端を配線(共通配線とも
呼ぶ)で、それぞれ結線した行を多数行配列した電子源
があげられる(例えば、特開昭64−031332号公
報、特開平1−283749号公報、2−257552
号公報等)。
【0012】また、特に画像表示装置等の画像形成装置
においては、近年、液晶を用いた平板型表示装置がCR
Tに替わって普及してきたが、自発光型でないためバッ
クライトを持たなければならない等の問題点があり、自
発光型の表示装置の開発が望まれてきた。自発光型表示
装置としては表面伝導型放出素子を多数配置した電子源
と電子源より放出された電子によって、可視光を発光せ
しめる発光体とを組み合わせた画像表示装置等の画像形
成装置があげられる(例えば、米国特許第506688
3号)。
【0013】しかしながら、以上説明したような表面伝
導型電子放出素子を用いた画像表示装置を大面積化して
作製するには、以下のような課題がある。
【0014】表面伝導型電子放出素子の製造工程におい
て電極や配線パターンを加工する場合には、基板上に電
極及び配線材料の金属薄膜を成膜し、フォトリソグラフ
ィー、エッチング技術などを用いてパターン加工を行
い、電極や配線パターンを形成する。
【0015】しかし、基板を大面積化することで電極数
の増加、配線数の増加などにより、製造工程数が増え、
配線の断線や短絡等の欠陥やパターン精度不良が発生し
やすくなり、画像表示装置の歩留まりが低下する場合が
あり問題があった。
【0016】また、電子放出部に電流を供給する導電性
薄膜(以下、「素子電極」または、電子放出素子である
ところの「電極」と称す)を印刷法で作製しようとした
場合に、一対の素子電極において、双方の電極の間隔を
狭く作製しなければならない場合がある。具体的には、
数十マイクロメートルの場合もある。そして、フェース
プレートのそれぞれの画像表示部分とそれぞれの素子電
極を含む電子放出部とをアライメントをするために、素
子電極を配するときにリアプレート全体にわたっての位
置精度が要求される。
【0017】しかしながら、印刷装置によっては、大面
積のリアプレート全体にわたって、電極間隔の精度と位
置精度とを満たす印刷を行えない場合があった。すなわ
ち、インクのつまりやごみのつまりといった装置の付随
的な問題による歩留まりの低下要因によるものである。
【0018】さらに、例えば40cm角以上の大型基板
上にフォトリソグラフィー、エッチング技術などのパタ
ーン加工工程を行うと、蒸着装置をはじめ、露光装置、
エッチング装置等を含む大型設備が必要となり、そのた
め莫大な費用がかかる。また、基板を大型化した場合、
製造装置自体も大型化してしまい、製造方法上あるいは
コスト上の問題があった。
【0019】(発明の目的)本発明は、基板(リアプレ
ート)上に複数の素子電極を形成し製造する画像表示装
置の製造方法において、リアプレートを持つ画像表示装
置の製造方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】本発明の画像表示装置の
製造方法は、電子放出素子となる電極部材の1部を除去
することにより分離して対向させた素子電極を複数備え
る基板を具備する画像表示装置の製造方法において、前
記電極部材を前記基板に形成し、前記電極部材をレーザ
ーを照射することにより分離してなることを特徴とす
る。
【0021】また、電子放出素子となる電極部材の1部
を除去することにより分離して対向させた素子電極を複
数備えるリアプレートと、前記電子放出素子から出力さ
れる電子を受けて発光する蛍光体を備えるフェースプレ
ートとを具備する画像表示装置の製造方法において、前
記電極部材を前記リアプレートに形成し、さらに該リア
プレートにアライメントマークを形成し、前記電極部材
をレーザーに分離し、前記蛍光体を前記フェースプレー
トに形成し、さらに該フェースプレートにアライメント
マークを形成し、各々の前記アライメントマークによっ
て前記電子放出部と前記蛍光体との位置をアライメント
すること特徴とする。
【0022】(作用)すなわち、本発明の画像表示装置
の製造方法、詳しくは素子電極の形成方法によれば、少
なくとも、それぞれの画素との相対的な位置精度とギャ
ップ幅の精度が必要な素子電極のギャップ部分の形成に
ついては、レーザなどの物理的な加工法により電極部材
の形成後に加工するようにしたことにより、素子電極の
電子放出部近傍の画素に対する位置精度と電極間のギャ
ップ幅を、精度よく作製することが可能となった。
【0023】また、裏面からレーザを照射するために、
レーザの出力部である対物レンズに、加工物の蒸発物が
堆積することなく出力変調をきたすことがなくなった。
【0024】すなわち、本発明の画像表示装置の製造方
法、詳しくは素子電極の形成方法によれば、少なくと
も、それぞれの画素との相対的な位置精度とギャップ幅
の精度が必要な、素子電極のギャップ部分の形成につい
ては、レーザなどの物理的な加工法により電極部材の形
成後に加工するようにしたことにより、素子電極の電子
放出部近傍の画素に対する位置精度と電極間のギャップ
幅を、精度よく作製することが可能となった。
【0025】
【発明の実施の形態】(実施形態1)本実施形態に用い
る電子放出素子としては、表面伝導型放出素子を用いた
画像表示装置に使用することができる。本発明で用いる
冷陰極電子源は、単純な構成であり、製法が容易な表面
伝導型電子放出素子が好適である。具体的には、本発明
に用いることのできる表面伝導型電子放出素子は、基本
的に平面型表面伝導型電子放出素子及び垂直型表面伝導
型電子放出素子の2種類があげられる。
【0026】まず、平面型表面伝導型電子放出素子につ
いて図9を用いて説明する。図9は基本的な表面伝導型
電子放出素子の構成を示す模式的平面図及び断面図であ
る。
【0027】図9において8001は基板、8002,
8003は素子電極、8004は導電性薄膜、8005
は電子放出部である。基板8001としては、石英ガラ
ス、Na等の不純物含有量を低減させたガラス、青板ガ
ラス、スパッタ法等によりSiO2 を表面に堆積させた
ガラス基板及びアルミナ等のセラミックス基板等を用い
ることができる。
【0028】対向する素子電極8002,8003の材
料としては一般的な導電材料を用いることができ、例え
ばNi、Cr、Au、Mo、W、Pt、Ti、Al、C
u、Pd等の金属或は合金及びPd、As、Ag、A
u、RuO2 、Pd−Ag等の金属或は金属酸化物とガ
ラス等から構成される印刷導体、In2 3 −SnO2
等の透明導電体及びポリシリコン等の半導体材料等から
選択することができる。
【0029】さらに、素子電極8002と素子電極80
03との間隔L1、素子電極8002、8003の長さ
W1、導電性薄膜8004の形状等は、表面伝導型電子
放出素子が応用されるものの形態等を考慮して設計され
る。素子電極間隔L1は好ましくは数千オングストロー
ムから数百マイクロメートルの範囲であり、より好まし
くは素子電極間に印加する電圧等を考慮して1マイクロ
メートルから100マイクロメートルの範囲である。
【0030】素子電極長さW1は、電極の抵抗値、電子
放出特性を考慮して、数マイクロメートルから数百マイ
クロメートルの範囲である。素子電極8002,800
3の膜厚dは、100オングストロームから1マイクロ
メートルの範囲である。尚、表面電動型電子放出素子の
構成は、図9に示した構成だけでなく、基板8001上
に、導電性薄膜8004、対向する素子電極8002,
8003の順に積層した構成とすることもできる。
【0031】導電性薄膜8004には良好な電子放出特
性を得るために、微粒子で構成された微粒子膜を用いる
のが特に好ましい。導電性薄膜8004は素子電極80
02,8003へのステップカバレージ、素子電極80
02,8003間の抵抗値及び後述する通電フォーミン
グ条件等を考慮して適宜設定されるが、通常は数オング
ストロームから数千オングストロームの範囲とするのが
好ましく、より好ましくは10オングストロームより5
00オングストロームの範囲とするのがよい。その抵抗
値は、Rsが102から107Ωの値である。
【0032】なお、Rsは、厚さがt、幅がwで長さが
1の薄膜の抵抗Rを、R=R(1/w)とおいたときに
現れる値で、薄膜材料の抵抗率をρとするとR=ρ/t
で表される。
【0033】本願明細書において、フォーミング処理に
ついて通電処理を例に挙げて説明するが、フォーミング
処理はこれに限られるものではなく、膜に亀裂を生じさ
せて高抵抗状態を形成する方法であればいかなる方法で
も良い。
【0034】導電性薄膜8004を構成する材料はP
d、Pt、Ru、Ag、Au、Ti、In、Cu、C
r、Fe、Zn、Sn、Ta、W、Pb等の金属、Pd
O、SnO2 、In2 3 、PbO、Sb2 3 等の酸
化物、HfB2 、ZrB2 、LaB6 、CeB6 、YB
4 、GdB4 等の硼化物、TiC、ZrC、HfC、T
aC、SiC、WC等の炭化物、TiN、ZrN、Hf
N等の窒化物、Si、Ge等の半導体、カーボン等の中
から適宜選択される。
【0035】ここで述べる微粒子膜とは複数の微粒子が
集合した膜であり、その微細構造は、微粒子が個々に分
散配置した状態あるいは微粒子が互いに隣接、あるいは
重なり合った状態(いくつかの微粒子が集合し、全体と
して島状構造を形成している場合も含む)をとってい
る。微粒子の粒径は、数オングストロームから1μmの
範囲、好ましくは10オングストロームから200オン
グストロームの範囲である。
【0036】電子放出部8005は、導電性薄膜800
4の一部に形成された高抵抗の亀裂により構成され、導
電性薄膜8004の膜厚、膜質、材料及び後述する通電
フォーミング等の手法等に依存したものとなる。電子放
出部8005の内部には、1000オングストローム以
下の粒径の導電性微粒子を含む場合もある。この導電性
微粒子は、導電性薄膜8004を構成する材料の元素の
一部、あるいは全ての元素を含有するものとなる。電子
放出部8005及びその近傍の導電性薄膜8004に
は、炭素及び炭素化合物を含む場合もある。
【0037】次に、垂直型表面伝導型電子放出素子につ
いて図10を用いて説明する。図10は、基本的な垂直
型表面伝導型電子放出素子の構成を示す模式図である。
図10において、図9に示した部位と同じ部位には図9
に付した符号と同一の符号を付している。8021は段
差形成部である。基板8001、素子電極8002及び
8003、導電性薄膜8004、電子放出部8005
は、前述した平面型表面伝導型電子放出素子と同様の材
料で構成することができる。
【0038】段差形成部8021は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等で形成されたSiO2 等の絶縁性材料
で構成することができる。段差形成部8021の膜厚
は、先に述べた平面型表面伝導型電子放出素子の素子電
極間隔L1に対応し、数千オングストロームから数十マ
イクロメートルの範囲とすることができる。この膜厚
は、段差形成部の製法及び素子電極間に印加する電圧を
考慮して設定されるが、数百オングストロームから数マ
イクロメートルの範囲が好ましい。
【0039】導電性薄膜8004は、素子電極8002
及び8003と段差形成部8021作成後に、該素子電
極8002,8003の上に積層される。電子放出部8
005は、図10においては、段差形成部8021に形
成されているが、作成条件、フォーミング条件等に依存
し、形状、位置ともこれに限るものではない。
【0040】上述の表面伝導型電子放出素子の製造方法
としては様々な方法があるが、その一例を図11に模式
的に示す。以下、図9及び図11を参照しながら製造方
法の一例について説明する。図11においても、図9に
示した部位と同じ部位には図9に示した符号と同一の符
号を付している。
【0041】(1)基板8001を洗剤、純水および有
機溶剤等を用いて十分に洗浄し、真空蒸着法、スパッタ
法等により素子電極材料を堆積後、例えばフォトリソグ
ラフィー技術を用いてパターニングして基板8001上
に素子電極8002,8003を形成する(図11
(a))。
【0042】(2)素子電極8002,8003を設け
た基板8001に、有機金属溶液を塗布して有機金属薄
膜を形成する。有機金属溶液には、前述の導電性膜80
04の材料の金属を主元素とする有機金属化合物の溶液
を用いることができる。有機金属薄膜を加熱焼成処理
し、リフトオフ、エッチング等によりパターニングし、
導電性薄膜8004を形成する(図11(b))。
【0043】ここでは、有機金属溶液の塗布法を挙げて
説明したが、導電性薄膜8004の形成法はこれに限ら
れるものでなく、真空蒸着法、スパッタ法、化学的気相
堆積法、分散塗布法、ディッピング法、スピンナー法等
を用いることもできる。
【0044】(3)続いて、フォーミング処理を施す。
このフォーミング処理方法の一例として通電処理による
フォーミング方法を説明する。素子電極8002,80
03間に不図示の電源を用いて、通電を行うと、導電性
薄膜8004の部位に、構造の変化した電子放出部80
05が形成する(図11(c))。このフォーミング方
法は、電子ビームによる熱エネルギーを用いて導電性薄
膜に電子放出部を形成するものである。
【0045】すなわち、電子ビーム照射により導電性薄
膜8004に局所的に破壊、変形もしくは変質等の構造
変化した部位が形成される。該部位が電子放出部800
5となる。通電フォーミングの電圧波形の例を図12に
示す。
【0046】電圧波形は、パルス波形が好ましい。これ
にはパルス波高値を定電圧としたパルスを連続的に印加
する図12(a)に示した手法とパルス波高値を増加さ
せながら、電圧パルスを印加する図12(b)に示した
手法とがある。
【0047】図12(a)におけるT1及びT2は電圧
波形のパルス幅とパルス間隔である。通常T1は1マイ
クロ秒〜10ミリ秒、T2は10マイクロ秒〜100ミ
リ秒の範囲で設定される。三角波の波高値(通電フォー
ミング時のピーク電圧)は、表面伝導型電子放出素子の
形態に応じて適宜選択される。このような条件のもと、
例えば、数秒から数十分間電圧を印加する。パルス波形
は三角波に限定されるものではなく、矩形波など所望の
波形を採用することができる。
【0048】図12(b)におけるT1及びT2は、図
12aに示したのと同様とすることができる。三角波の
波高値(通電フォーミング時のピーク電圧)は、例えば
0.1Vステップ程度づつ増加させることができる。
【0049】通電フォーミング処理の終了は、パルス間
隔T2中に、導電性薄膜8004を局所的に破壊、変形
しない程度の電圧を印加し、電流を測定して検知するこ
とができる。例えば0.1V程度の電圧印加により流れ
る素子電流を測定し、抵抗値を求めて、1Mオーム以上
の抵抗を示した時、通電フォーミング終了させる。
【0050】(4)フォーミングを終えた素子には活性
化処理を施すのが好ましい。活性化処理を施すことによ
り、素子電流If、放出電流Ieが著しく変化する。活
性化処理は、例えば有機物質のガスを含有する雰囲気下
で、通電フォーミングと同様に、パルスの印加を繰り返
す事で行うことができる。
【0051】この雰囲気は、例えば油拡散ポンプやロー
タリーポンプなどを用いて真空容器を排気した場合に雰
囲気内に残留する有機ガスを利用して形成することがで
きる他、イオンポンプなどにより一端十分に排気した真
空中に適当な有機物質のガスを導入することによっても
得られる。
【0052】この時の好ましい有機物質のガス圧は、前
述の応用の形態、真空容器の形状や、有機物質の種類な
どにより異なるため場合に応じ適宜設定される。適当な
有機物質としては、アルカン、アルケン、アルキンの脂
肪族炭化水素類、芳香族炭化水素類、アルコール類、ア
ルデヒド類、ケトン類、アミン類、フェノール、カルボ
ン酸、スルホン酸等の有機酸類等を挙げることができ
る。
【0053】具体的には、メタン、エタン、プロパンな
どCn2n+2で表される飽和炭化水素、エチレン、プロ
ピレンなどCn2n等の組成式で表される不飽和炭化水
素、ベンゼン、トルエン、メタノール、エタノール、ホ
ルムアルデヒド、アセトアルデヒド、アセトン、メチル
エチルケトン、メチルアミン、フェノール、蟻酸、酢
酸、プロピオン酸等が使用できる。
【0054】この処理により雰囲気中に存在する有機物
質から炭素あるいは炭素化合物が素子上に堆積し、素子
電流If、放出電流Ieが、著しく変化する。活性化工
程の終了判定は、素子電流Ifと放出電流Ieを測定し
ながら行う。なおパルス幅、パルス間隔、パルス波高値
などは適宜設定される。
【0055】炭素及び炭素化合物とは、HOPG(Highly Or
iented Pyrilytic Graphite)、PG(Pyrolytic Graphite)
、GC(Glassy Carbon) などのグラファイト(HOPGはほ
ぼ完全な結晶構造をもつグラファイト、PGは結晶粒が2
00オングストローム程度で結晶構造がやや乱れたグラ
ファイト、GCは結晶粒が20オングストローム程度で結
晶構造の乱れがさらに大きくなったものをさす。)、非
晶質カーボン(アモルファスカーボン及びアモルファス
カーボンと前記グラファイトの微結晶の混合物を含むカ
ーボン)であり、その膜厚は500オングストローム以
下にするのが好ましく、300オングストローム以下で
あればより好ましい。
【0056】(5)活性化工程を経て得られた電子放出
素子は、安定化処理を行うことが好ましい。この処理は
真空容器内の有機物質の分圧が、1×10-8Torr以
下、望ましくは1×10-10Torr以下で行うのがよ
い。真空容器内の圧力は、10-6.5〜10-7Torrが
好ましく、特に1×10-8Torr以下が好ましい。真
空容器を排気する真空排気装置は、装置から発生するオ
イルが素子の特性に影響を与えないように、オイルを使
用しないものを用いるのが好ましい。
【0057】具体的には、ソープションオイル、イオン
ポンプ等の真空排気装置を挙げることができる。さらに
真空容器内を排気する時には、真空容器全体を加熱して
真空容器内壁や電子放出素子に吸着した有機物質分子を
排気しやすくするのが好ましい。この時の加熱した状態
での真空排気条件は、80〜200℃で5時間以上が望
ましいが、特にこの条件に限るものではなく、真空容器
の大きさや形状、電子放出素子の構成などの諸条件によ
り変化する。
【0058】なお、上記有機物質の分圧測定は質量分析
装置により質量数が10〜200の炭素と水素を主成分
とする有機分子の分圧を測定し、それらの分圧を積算す
ることにより求める。
【0059】安定化工程を経た後の駆動時の雰囲気は、
上記安定化処理終了時の雰囲気を維持するのが好ましい
が、これに限るものではなく、有機物質が十分除去され
ていれば、真空度自体は多少低下しても十分安定な特性
を維持することができる。このような真空雰囲気を採用
することにより、新たな炭素あるいは炭素化合物の堆積
を抑制でき、結果として素子電流If、放出電流Ieが
安定する。電子放出素子の配列については種々のものが
採用できる。
【0060】一例として、並列に配置した多数の電子放
出素子の個々を両端で接続し、電子放出素子の行を多数
個配し(行方向と呼ぶ)、この配線と直交する方向(列
方向と呼ぶ)で該電子放出素子の上方に配した制御電極
(グリッドとも呼ぶ)により、電子放出素子からの電子
を制御駆動するはしご状配置のものがある。これとは別
に、電子放出素子をX方向及びY方向に行列状に複数個
配し、同じ行に配された複数の電子放出素子の電極の一
方を、X方向の配線に共通に接続し、同じ列に配列され
た複数の電子放出素子の電極の他方を、Y方向の配線に
共通に接続するものが挙げられる。このようなものは所
謂単純マトリックス配置である。
【0061】まず単純マトリクス配置について以下に詳
述する。表面伝導型電子放出素子を複数個マトリックス
状に配して得られる電子源基板について、図13を用い
て説明する。図13において、8071は電子源基板、
8072はX方向配線、8073はY方向配線である。
8074は表面伝導型電子放出素子、8075は結線で
ある。尚、表面伝導型電子放出素子8074は、前述し
た平面型あるいは垂直型のどちらであってもよい。
【0062】m本のX方向配線8072は、DX1
X2、…DXmからなり、真空蒸着法、印刷法、スパッタ
法等を用いて形成された導電性金属等で構成することが
できる。配線の材料、膜厚、幅は、適宜設計される。Y
方向配線8073は、DY1、DY2、…DYnのn本の配線
よりなり、X方向配線と同様に形成される。これらm本
のX方向配線8072とn本のY方向配線8073との
間には、不図示の層間絶縁層が設けられており、両者を
電気的に分離している(m、nは共に正の整数)。
【0063】不図示の層間絶縁層は、真空蒸着法、印刷
法、スパッタ法等を用いて形成されたSiO2 等で構成
される。X方向配線8072を形成した基板8071の
全面或は一部に所望の形状で形成され、特にX方向配線
8072とY方向配線8073の交差部の電位差に耐え
得るように膜厚、材料、製法が設定される。X方向配線
8072とY方向配線8073は、それぞれ外部端子と
して引き出されている。
【0064】表面伝導型放出素子8074を混する一対
の電極(不図示)は、m本のX方向配線8072とn本
のY方向配線8073と導電性金属等からなる結線80
75によって電気的に接続されている。
【0065】X方向配線8072とY方向配線8073
を構成する材料、結線8075を構成する材料および一
対の素子電極を構成する材料は、その構成元素の一部あ
るいは全部が同一であっても、またそれぞれ異なっても
よい。これら材料は、たとえば前述の素子電極の材料よ
り適宜選択される。素子電極を構成する材料と配線材料
が同一である場合には、素子電極に接続した配線は素子
電極ということもできる。
【0066】X方向配線8072には、X方向に配列し
た表面伝導型放出素子8074の行を、選択するための
走査信号を印加する不図示の走査信号印加手段が接続さ
れる。一方、Y方向配線8073にはY方向に配列した
表面伝導型放出素子8074の各列を入力信号に応じ
て、変調するための不図示の変調信号発生手段が電気的
に接続される。
【0067】各電子放出素子8074に印加される駆動
電圧は、当該素子に印加される走査信号と変調信号の差
電圧として供給される。上記構成においては、単純なマ
トリクス配線を用いて、個別の素子を選択し、独立に駆
動可能とすることができる。
【0068】このような単純マトリクス配置の電子源を
用いて構成した画像表示装置について、図14、図15
及び図16を用いて説明する。図14は画像表示装置の
表示パネルの一例を示す模式図であり、図15は、図1
4の画像表示装置に使用される蛍光膜の模式図である。
図16はNTSC方式のテレビ信号に応じて表示を行う
ための駆動回路の一例を示すブロック図である。
【0069】図14において、8071は電子放出素子
を複数配した電子源基板、8081は電子源基板807
1を固定したリアプレート、8086はガラス基板80
83の内面に蛍光膜8084とメタルバック8085等
が形成されたフェースプレートである。8082は支持
枠であり該支持枠8082には、リアプレート808
1、フェースプレート8086がフリットガラス等を用
いて接続されている。8088は外囲器であり、例えば
大気中あるいは窒素中で400〜500℃の温度範囲で
10分以上焼成され、封着される。
【0070】図中、8074は、図9における電子放出
部に相当する。8072,8073は、表面伝導型電子
放出素子の一対の素子電極と接続されたX方向配線及び
Y方向配線である。外囲器8088は、上述の如く、フ
ェースプレート8086、支持枠8082、リアプレー
ト8081で構成される。
【0071】リアプレート8081は主に電子源基板8
071の強度を補強する目的で設けられるため、電子源
基板8071自体で十分な強度を持つ場合は別体のリア
プレート8081は不要とすることができる。即ち、基
板8071に直接支持枠8082を封着し、フェースプ
レート8086、支持枠8082及び基板8071で外
囲器8088を構成しても良い。
【0072】一方、フェースプレート8086、リアプ
レート8081間に、スペーサー(耐大気圧支持部材)
とよばれる不図示の支持体を設置することにより、大気
圧に対して十分な強度をもつ外囲器8088を構成する
こともできる。
【0073】図15は、図14のフェースプレートに形
成された蛍光膜を示す模式図である。蛍光膜8084は
モノクロームの場合は蛍光体のみから構成することがで
きる。カラーの蛍光膜の場合は、蛍光体8084の配列
により、ブラックストライプあるいはブラックマトリク
スなどと呼ばれる黒色部材8091と蛍光体8092と
から構成することができる。
【0074】ブラックストライプ、ブラックマトリクス
を設ける目的は、カラー表示の場合、必要となる、三原
色蛍光体の各蛍光体8092間の塗り分け部を黒くする
ことで混色等を目立たなくすることと蛍光膜8092に
おける外光反射によるコントラストの低下を抑制するこ
と、電子ビームによる蛍光膜のチャージアップを防止す
ることなどにある。
【0075】ブラックストライプの材料としては、通常
用いられている黒鉛を主成分とする材料の他、光の透過
及び反射が少ない材料であれば、これを用いることがで
きる。
【0076】図14に示したガラス基板8083に蛍光
体を塗布する方法は、モノクローム、カラーによらず、
沈澱法や印刷法が採用できる。蛍光膜8084の内面側
には、通常メタルバック8085が設けられる。メタル
バックを設ける目的は、蛍光体8092の発光のうち、
内面側への光をフェースプレート8086側へ鏡面反射
させることにより輝度を向上させること、電子ビーム加
速電圧を印加するための電極として作用させること、外
囲器内で発生した負イオンの衝突によるダメージからの
蛍光体8092を保護すること等である。
【0077】メタルバックは蛍光膜作製後、蛍光膜の内
面側表面の平滑化処理(通常、「フィルミング」と呼ば
れる。)を行い、その後Alを真空蒸着等を用いて堆積
させることで作製できる。フェースプレート8086に
は、更に蛍光膜8084の導電性を高めるため、蛍光膜
8084の外面側(ガラス基板8083側)に透明電極
(不図示)を設けてもよい。
【0078】前述の封着を行う際には、カラーの場合は
各色蛍光体と電子放出素子とを対応させる必要があり、
十分な位置合わせが不可欠となる。
【0079】図14に示した画像表示装置は、例えば以
下のようにして製造する。
【0080】外囲器8088は、前述の安定化工程と同
様に、適宜加熱しながら、イオンポンプ、ソープション
ポンプなどのオイルを使用しない排気装置により、排気
管4を通じて排気し、107Torr程度の真空度の有
機物質の十分少ない雰囲気にした後、封止される。外囲
器8088の封止後の真空度を維持するために、ゲッタ
ー処理を行うこともできる。
【0081】これは、外囲器8088の封止を行う直前
あるいは封止後に、抵抗加熱あるいは高周波加熱等を用
いた加熱により、外囲器8088内の所定の位置(不図
示)に配置されたゲッターを加熱し、蒸着膜を形成する
処理である。ゲッターは通常Ba等が主成分であり、該
蒸着膜の吸着作用により、例えば1×10-5Torr乃
至は1×10-7Torrの真空度を維持するものであ
る。
【0082】次に、単純マトリクス配置型基板を有する
電子源を用いて構成した表示パネルに、NTSC方式の
テレビ信号に基づいたテレビジョン表示を行う為の駆動
回路の構成例について、図16を用いて説明する。図1
6において、8101は画像表示パネルであり、前述し
た表示パネルに相当するものである。8102は走査回
路であり、表示ラインを操作するものである。8103
は制御回路であり、走査回路8102へ入力する信号な
どを生成する。8104はシフトレジスタであり、1ラ
インごとにデータをシフトする。8105はラインメモ
リであり、シフトレジスタ8104からの1ライン分の
データを変調信号機発生器8107に入力する。810
6は同期信号分離回路は、NTSC信号から同期信号を
分離する。VxおよびVaは直流電圧源である。
【0083】表示パネル8101は、端子Dox1ない
しDoxm、端子Doy1ないしDoyn、および高圧
端子Hvを介して外部の電気回路と接続されている。こ
のうち端子Dox1ないしDoxmには、表示パネル内
に設けられている電子源、すなわち、M行N列の行列状
にマトリクス配線された表面伝導型電子放出素子群を一
行(N素子)ずつ順次駆動する為の走査信号が印加され
る。
【0084】端子Dyo1ないしDyonには、前記走
査信号により選択された一行の表面伝導型電子放出素子
の各素子の出力電子ビームを制御する為の変調信号が印
加される。また高圧端子Hvには直流電圧源Vaより、
例えば、10K[V]の直流電圧が供給されるが、これ
は表面伝導型電子放出素子から放出される電子ビームに
蛍光体を励起するのに十分なエネルギーを付与する為の
加速電圧である。
【0085】走査回路8102について説明する。同回
路は、内部にm個のスイッチング素子を備えたもので
(図中、S1〜Smで模式的に示している)ある。各ス
イッチング素子は、直流電圧源Vxの出力電圧もしくは
0[V](グランドレベル)のいずれか一方を選択し、
表示パネル8101の端子Dxo1ないしDxomと電
気的に接続される。
【0086】S1〜Smの各スイッチング素子は、制御
回路8103が出力する制御信号Tscanに基づいて動作
するものであり、例えばFETのようなスイッチング素
子を組み合わせる事により構成する事ができる。なお、
直流電圧源Vxは、本実施形態の場合には、表面伝導型
電子放出素子の特性(電子放出しきい値電圧)に基づき
走査されていない素子に印加される駆動電圧が電子放出
しきい値電圧以下となるような一定電圧を出力するよう
設定されている。
【0087】制御回路8103は、外部より入力する画
像信号に基づいて適切な表示が行われるように各部の動
作を整合させる機能を有する。制御回路8103は、同
期信号分離回路8106より送られる同期信号Tsyncに
基づいて、各部に対してTscanおよびTsft およびTmr
y の各制御信号を発生する。
【0088】同期信号分離回路8106は、外部から入
力されるNTSC方式のテレビ信号から同期信号成分と
輝度信号成分とを分離する為の回路で、周波数分離(フ
ィルター)回路等を用いて構成できる。同期信号分離回
路8106により分離された同期信号は、垂直同期信号
と水平同期信号より成るが、ここでは説明の便宜上Tsy
nc信号として図示した。前記テレビ信号から分離された
画像の輝度信号成分を便宜上DATA信号と表した。D
ATA信号はシフトレジスタ8104に入力される。
【0089】シフトレジスタ8104は、時系列的にシ
リアルに入力される前記DATA信号を、画像の1ライ
ン毎にシリアル/パラレル変換するためのもので、前記
制御回路8103より送られる制御信号Tsft に基づい
て動作する(すなわち、制御信号Tsft は、シフトレジ
スタ8104のシフトクロックであるということもでき
る。)。シリアル/パラレル変換された画像1ライン分
(電子放出素子N素子分の駆動データに相当)のデータ
は、Id1〜Idnのn個の並列信号として前記シフト
レジスタ8104より出力される。
【0090】ラインメモリ8105は、画像1ライン分
のデータを必要時間の間だけ記憶する為の記憶装置であ
り、制御回路8103より送られる制御信号Tmry にし
たがって適宜Id1〜Idnの内容を記憶する。記憶さ
れた内容はId′1〜Id′nとして出力され、変調信
号発生器8107に入力される。
【0091】変調信号発生器8107は、前記画像デー
タId′1〜Id′nの各々に応じて表面伝導型電子放
出素子の各々を適切に駆動変調する為の信号源であり、
その出力信号は端子Doy1ないしDoynを通じて表
示パネル8101内の表面伝導型電子放出素子に印加さ
れる。
【0092】本実施形態にかかわる電子放出素子は放出
電流Ieに対して以下の基本特性を有している。すなわ
ち、電子放出には明確なしきい値電圧Vthがあり、V
th以上の電圧を印加された時のみ電子放出が生じる。
電子放出しきい値以上の電圧に対しては、素子への印加
電圧の変化に応じて放出電流も変化する。このことか
ら、本素子にパルス状の電圧を印加する場合、例えば、
電子放出しきい値以下の電圧を印加しても電子放出は生
じないが、電子放出しきい値以上の電圧を印加する場合
には電子ビームが出力される。
【0093】その際、パルスの波高値Vmを変化させる
事により、出力電子ビームの強度を制御する事が可能で
ある。また、パルスの幅Pwを変化させる事により出力
される電子ビームの電荷の総量を制御する事もできる。
【0094】したがって、入力信号に応じて電子放出素
子を変調する方式としては、電圧変調方式、パルス幅変
調方式等を採用できる。電圧変調方式を採用するに際し
ては、変調信号発生器8107として、一定の長さの電
圧パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜パル
スの波高値を変調するような電圧変調方式の回路を用い
ることができる。
【0095】パルス幅変調方式を実施するに際しては、
変調信号発生器8107としては、一定の波高値の電圧
パルスを発生し、入力されるデータに応じて適宜電圧パ
ルスの幅を変調するようなパルス幅変調方式の回路を用
いることができる。
【0096】シフトレジスタ8104やラインメモリ8
105は、デジタル信号式のものをもアナログ信号式の
ものをも採用できる。画像信号のシリアル/パラレル変
換や記憶が所定の速度で行われればよいからである。
【0097】デジタル信号式を用いる場合には、同期信
号分離回路8106の出力信号DATAをデジタル信号
化する必要があるが、これは8106の出力部にA/D
変換器を設ければよい。これに関連してラインメモリ8
105の出力信号がデジタル信号かアナログ信号かによ
り、変調信号発生器8107に用いられる回路が、若干
異なったものとなる。即ち、デジタル信号を用いた電圧
変調方式の場合、変調信号発生器8107には、例え
ば、D/A変換回路を用い、必要に応じて増幅回路など
を付加する。
【0098】パルス幅変調方式の場合、変調信号発生器
8107には、例えば高速の発振器および発振器の出力
する波数を計数する計数器(カウンタ)および計数器の
出力値と前記メモリの出力値を比較する比較器(コンパ
レータ)を組み合わせた回路を用いる。必要に応じて、
比較的の出力するパルス幅変調された変調信号を表面伝
導型電子放出素子の駆動電圧にまで電圧増幅するための
増幅器を付加することもできる。
【0099】アナログ信号を用いた電圧変調方式の場
合、変調信号発生器8107には、例えばオペアンプな
どを用いた増幅回路を採用でき、必要に応じてレベルシ
フト回路などを付加することもできる。パルス幅変調方
式の場合には、例えば、電圧制御型発振回路(VCO)
を採用でき、必要に応じて表面伝導型電子放出素子の駆
動電圧まで電圧増幅するための増幅器を付加することも
できる。
【0100】このような構成をとり得る本発明に関連し
た画像表示装置においては、各電子放出素子に、容器外
端子Dox1〜Doxm、Doy1〜Doynを介して
電圧を印加することにより、電子放出が生ずる。高圧端
子Hvを介してメタルバック8085、あるいは透明電
極(不図示)に高圧を印加し、電子ビームを加速する。
加速された電子は、蛍光膜8084に衝突し、発光が生
じて画像が形成される。
【0101】次に、はしご型配置の電子源及び画像表示
装置について図17、図18を用いて説明する。
【0102】図17は、はしご型配置の電子源の一例を
示す模式図である。図17において、8110は電子源
基板、8111は電子放出素子である。8112,Dx
1〜Dx10、は電子放出素子8111を接続するため
の共通配線である。電子放出素子8111は、基板81
10上に、X方向に並列に複数個配置されている(これ
を素子行と呼ぶ)。この素子行が複数個配されて、電子
源を構成している。
【0103】各素子行の共通配線間に駆動電圧を印加す
ることで、各素子行を独立に駆動することが可能にな
る。すなわち、電子ビームを放出させたい素子行には、
電子放出しきい値以上の電圧を、電子ビームを放出しな
い素子行には、電子放出しきい値以下の電圧を印加す
る。各素子行間の共通配線Dx2〜Dx9は、例えばD
x2、Dx3を同一配線とすることもできる。
【0104】図18は、はしご型配置の電子源を備えた
画像表示装置におけるパネル構造の一例を示す模式図で
ある。8120はグリッド電極、8121は電子が通過
するための開孔、8122は、Dox1、Dox2、…
Doxmよりなる容器外端子である。8123は、グリ
ッド電極8120と接続されたG1、G2、…Gnから
なる容器外端子、8110は各素子行間の共通配線を同
一配線とした電子源基板である。
【0105】図18においては、図14、図17に示し
た部位と同じ部位には、これらの図に示したのと同一の
符号を付している。ここに示した画像表示装置と、図1
4に示した単純マトリクス配置の画像表示装置との大き
な違いは、電子源基板8110とフェースプレート80
86の間にグリッド電極8120を備えているか否かで
ある。
【0106】図18においては、基板8110とフェー
スプレート8086の間には、グリッド電極8120が
設けられている。グリッド電極8120は、表面伝導型
放出素子から放出された電子ビームを変調するためのも
のであり、はしご型配置の素子行と直交して設けられた
ストライプ状の電極に電子ビームを通過させるため、各
素子に対応して1個ずつ円形の開孔8121が設けられ
ている。
【0107】グリッドの形状や設置位置は図18に示し
たものに限定されるものではない。例えば、開口として
メッシュ状に多数の通過口をもうけることもでき、グリ
ッドを表面伝導型放出素子の周囲や近傍に設けることも
できる。
【0108】容器外端子8122およびグリッド容器外
端子8123は、不図示の制御回路と電気的に接続され
ている。
【0109】本実施形態の画像表示装置では、素子行を
1列ずつ順次駆動(走査)していくのと同期してグリッ
ド電極列に画像1ライン分の変調信号を同時に印加す
る。これにより、各電子ビームの蛍光体への照射を制御
し、画像を1ラインずつ表示することができる。
【0110】ここで述べた画像表示装置の構成は、本発
明を適用できる画像表示装置の一例であり、本発明の技
術思想に基づいて種々の変形が可能である。入力信号に
ついては、NTSC方式を挙げたが入力信号はこれに限
られるものではなく、PAL,SECAM方式など他、
これよりも、多数の走査線からなるTV信号(たとえ
ば、高品位TV信号)方式をも採用できる。
【0111】本発明の画像表示装置は、テレビジョン放
送の表示装置、テレビ会議システムやコンピューター等
の表示装置の他、感光性ドラム等を用いて構成された光
プリンターとしての画像表示装置等としても用いること
ができる。
【0112】(実施形態2)本実施形態のリアプレート
上に形成する素子電極を作製する工程について図1を用
いて詳しく説明する。図1(a)は電極部材の拡大図で
電極部材加工前の状態を示している。また、図1(b)
は電極部材の拡大図で電極部材加工後の状態を示してい
る。図中、1はリアプレート、2は素子電極エリア、3
は電極部材、4は素子電極(右)、5は素子電極
(左)、6は素子電極の間隔部である。
【0113】つぎに、電極部材3を形成する工程につい
て説明する。まず、ガラス等の材質でできている平板状
のリアプレート1を用い、その表面部に後工程で位置合
わせされる画像表示部の複数の画素に対してほぼ同様な
位置に対応するように、印刷法や真空蒸着法を用いて、
電極部材3として導電性の薄膜パターンを形成する。
【0114】この時、形成する電極部材3は、一対の素
子電極として機能する前の状態、すなわち電極として2
つに別れていない一体の電極を形成する。別な表現をす
れば電極部材3は、リアプレート1上に画素にほぼ対応
した位置に「島状」に形成した状態のものを用いる。
【0115】次に、電極部材3を物理的に分離する工程
として、レーザを用いて島状の電極部材3を2つに分離
し、一対の素子電極4、5を作製する。そして、この2
つに分離した電極間隔部6に後から導電性薄膜として微
粒子膜等を用い、電子放出部を作成する(この表面伝導
型電子放出素子の作成方法等については後で詳述す
る)。
【0116】このとき、リアプレート1を電極面を下に
して図示しないXYテーブルに乗せる。そして、X,Y
どちらか一方の方向にリアプレート1を動かした時にレ
ーザを電極部材3に照射する。もう一方の方向はレーザ
のスポットサイズに応じて、スポット光のピントを合わ
せるために移動する。
【0117】また、図示しないXYテーブルによりリア
プレート1を動かす方法以外に、門型のフレームにレー
ザをマウントし、レーザヘッドがXYに移動してリアプ
レート1を加工する方法によって電極部材3を分離して
もよい。
【0118】その後、複数配置された一対の電極4、5
の双方に電圧を供給するために配線パターンを作製す
る。作製方法は印刷法やフォトリソ法が適用できるが、
たとえば、マトリックス配線により作製する場合、一対
の電極の片方に接するように縦側配線を作製し、もう一
方の電極の一部が露出するようにした状態で層間絶縁層
を配し、さらにその上層に露出した電極とコンタクトす
るように横側配線を平面状のリアプレートを上方から見
て縦側配線とほぼ直交する方向に作製する。
【0119】このことにより、前工程でリアプレート1
上に複数配置された島状の電極部材3を、物理的に分離
して作製した一対の素子電極4、5に対して電力を供給
可能な配線パターンを作製し、リアプレート1上に素子
電極4、5と配線を作製する。
【0120】(実施形態3)また、本実施形態のリアプ
レート上に形成する素子電極を作製する工程について図
2を用いて説明する。図2(a)は、電極部材3の拡大
図で電極部材3を加工する前の状態を示す図である。ま
た、図2(b)は、電極部材3の拡大図で電極部材3を
加工した後の状態を示す図である。図中、1はリアプレ
ート、2は素子電極エリア、3は電極部材、4は素子電
極(右)、5は素子電極(左)、6は素子電極の間隔
部、7は左右の隣接素子間隔である。
【0121】本実施形態では、上記実施形態2において
説明した電極部材を形成する工程において、島状の電極
部材にかえ、画素に対応する位置に形成される電極部材
3が、画素一列分に対応するリアプレート1上の部分に
帯状に連続した状態で形成されたものを用いる場合につ
いて説明する。
【0122】リアプレート1上に形成される電極部材3
は、それぞれの画素一列分と並列に複数形成される。こ
れも、印刷法や真空蒸着法を用いて形成する。次に、電
極部材3を物理的に分離する工程としては、実施形態2
と同様にレーザを用いて、帯状電極の電子放出部分と、
隣接する電極との間にある不要な電極部材3を分離し除
去する。そして、一対の素子電極4、5として電子放出
部分を作成する。
【0123】このとき、リアプレート1を電極面を下に
して図示しないXYテーブルに乗せる。そして、X,Y
どちらか一方の方向にリアプレート1を動かした時にレ
ーザを電極部材3に照射する。もう一方の方向はレーザ
のスポットサイズに応じて、スポット光のピントを合わ
せるために移動する。
【0124】また、図示しないXYテーブルによりリア
プレート1を動かす方法以外に、レーザヘッドがXYに
移動してリアプレート1上の電極部材3を加工する方法
でも同様に作製できる。その後、上記実施形態2と同様
に配線パターンを作製する。
【0125】これにより、リアプレート1上に帯状に並
列に複数配置された電極部材3を、物理的に分離し、配
線パターンを作製し、リアプレート1上に各素子電極
4、5と配線を作製することができる。
【0126】(実施形態4)さらに、リアプレート上に
形成する素子電極を作製する工程について図3を用いて
説明する。図3(a)は、電極部材の拡大図で電極部材
を加工する前の状態を示す図であり、図3(b)は、電
極部材の拡大図で電極部材を加工した後の状態を示す図
である。図中、1はリアプレート、2は素子電極エリ
ア、3は電極部材、4は素子電極(右)、5は素子電極
(左)、6は素子電極の間隔部、7は左右の隣接素子間
隔部、8は上下の隣接素子間隔部である。
【0127】電極部材3を形成する工程において、上記
実施形態3において説明した帯状の電極部材にかえ、画
素に対応する位置の全面に電極部材3を形成したものを
用いる場合について説明する。
【0128】リアプレート1上に形成される電極部材3
は、フェースプレートの全画素が配置された画像表示部
分とほぼ同等な部分全面に形成される。これも、上記実
施形態2などと同様に印刷法や真空蒸着法を用いて形成
する。
【0129】次に、電極部材3を物理的に分離する工程
としては、上記実施形態2などと同様にレーザを用い
て、素子電極の電子放出部分と、左右と上下に隣接する
ことになる素子電極との間にある不要な電極部材を分離
して除去し、それぞれ一対の素子電極4、5として電子
放出部分を作成する。この時照射するレーザは、X,Y
それぞれの方向にリアプレート1を動かしながらレーザ
を照射し電極部材3を分離する。
【0130】また、レーザヘッドがXYに移動してリア
プレート1上の電極部材3を加工する方法でも同様に作
製できる。その後、上記実施形態2などと同様に配線パ
ターンを作製する。これにより、リアプレート1上に面
状に配置された電極部材3を、物理的に分離し、配線パ
ターンを作製し、リアプレート1上に素子電極4、5と
配線を作製することができる。
【0131】また、これまで説明した島状の電極部材
(実施形態2における電極部材3)、あるいは帯状の電
極部材(実施形態3における電極部材3)、面状の電極
部材3を物理的に加工する際に、(特に電子放出部とな
る部分のそれぞれ一対の電極4、5の間のギャップ部分
を加工する際)加工対象のリアプレート1と後の工程で
アライメントする予定のフェースプレートとのそれぞれ
の画素の位置情報を予め測定しておき、その位置情報を
もとに、リアプレート1とフェースプレートをアライメ
ントして画像表示装置を作製する。
【0132】そのときに、個々の画素に対抗した位置の
予定の素子電極のギャップ部分が、最適な位置になるよ
うに、物理的な加工方法として実施形態2などと同様に
レーザ加工することもできる。
【0133】上記のような加工方法によって、それぞれ
の作製工程の熱的な影響による収縮や作成方法による画
素や素子電極の位置ずれに影響されず、最適な位置に電
極のギャップ部分が配されるように加工することができ
る。
【0134】(実施形態5)さらにまた、リアプレート
上に形成する素子電極を作製する工程について図4を用
いて説明する。図4はリアプレートを表から見た状態を
示す図であり、図4(a)はリアプレート1を裏面から
見た状態の拡大図で電極部材3を加工する前の状態を示
す。また、図4(b)はリアプレート1を裏面から見た
状態の拡大図で電極部材3を加工した後の状態である。
【0135】図4において、1はリアプレート、2は素
子電極エリア、3は電極部材、4は素子電極(右)、5
は素子電極(左)、6は素子電極の間隔部、9は配線
(縦)、10は配線(横)、11は絶縁層、12はコン
タクト部である。
【0136】本実施形態における素子電極の製造工程に
ついて説明する。まず、電極部材3を、上記実施形態2
から4において説明したように、島状、あるいは帯状、
あるいは面状に作製した後、配線パターンを先に作製す
る。作製方法についても上記実施形態2などと同様の方
法により配線をマトリックス状に作製する。
【0137】その後、リアプレート1の裏面より、島状
電極部材の電極間隔部、あるいは帯状電極部材や面状電
極部材の電極間隔部および隣接する電極の不要部分を物
理的な加工方法としてレーザにて分離して除去する。こ
の場合、裏面から加工するのは、縦側配線9や横側配線
10により、電極部材3の分離すべき点や加工すべき部
分が部分的に隠れてレーザを照射できないためでもあ
る。
【0138】また、裏面からレーザを照射するために
は、ガラス質等で構成された透明なリアプレート1をレ
ーザが透過して所望の電極部材3のみを加工するため
に、ガラスなどを透過するYAGレーザを使用する。ま
た、YAGレーザの第二高調波を使用するのが適してい
る。YAG第二高調波の波長は、532nm近傍で有
り、レーザはグリーンの光を発するように、人間の目で
見て光学的に透明なものは透過する性質を持っているた
めこのような加工には好ましい。
【0139】また、電極部材3として使用することがで
きる導電性薄膜としては、たとえば貴金属類の金、白金
などや電極材料として一般的な銅、ニッケル、チタン、
タングステン、アルミニウム、タンタルなど、あるいは
これらの合金や積層構造を用いる事ができる。これら
は、各種成膜・フォトリソ方法や印刷方法、特にオフセ
ット印刷方法や真空蒸着法やスパッタ法によって薄膜と
して作製することができる。
【0140】また、マトリックス配線としては、素子電
極に供給する電流密度を得るためには厚膜化が必要であ
るため、印刷方法が適している。中でもスクリーン印刷
方法によれば、銀やこれらの合金材料を中心に、厚さ2
0μm以上の厚膜印刷が可能であり、これを配線として
使用することができる。
【0141】このようにして作製された、電極部材3と
厚膜配線は、前記レーザにおいて照射エネルギーに準じ
て、薄膜の電極部材3のみ選択的に加工できる特性があ
るため、電極部材3のみリアプレート1の裏面から選択
的に除去することが可能である。そして、この方法によ
り電極部材3を配線作製後に加工する工程を実現した。
【0142】上記の全ての実施形態において述べたよう
に、素子電極の加工方法を用いた画像表示装置の製造方
法が適用できる平板状画像表示装置は、その表示方法に
電子を加速して蛍光体を発光させる構造のもの、すなわ
ち、少なくとも電子放出素子と蛍光体とが画像表示装置
内に配置されているもので電子を空間に放出させるため
に真空を要する画像表示装置に使用することができる。
【0143】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0144】〔実施例1〕図1は、画像表示装置の素子
電極の形成方法を示す図である。図1(a)は電極部材
の拡大図で電極部材加工前の状態を示すものであり、同
図(b)は電極部材の拡大図で電極部材加工後の状態を
示すものである。図中、1はリアプレート、2は素子電
極エリア、3は電極部材、4は素子電極(右)、5は素
子電極(左)、6は素子電極の間隔部である。
【0145】本実施例において、リアプレート1はソー
ダ石灰ガラスを使用し、このリアプレートの上に、印刷
法の一つであるオフセット印刷法により島状の電極部材
3を形成した。
【0146】島状の電極部材3は、図1(a)に示すよ
うに、リアプレート1とアライメントされるフェースプ
レートの画像表示領域とほぼ同等の素子電極エリア2
に、それぞれの画素と一対で対応する場所に作製した。
電極部材3は、オフセット印刷用の版を事前に作製した
ものを用い、これに白金を主成分とする有機金属ペース
トを配し、スキージングし、受理、転移工程を行い、さ
らにリアプレート1上に島状に形成した。そして、乾燥
させ焼成した。
【0147】この時、基板は約350mm×約300m
mのものを使用した。また島状パターンの大きさは、画
素のピッチサイズであるところの290μm×650μ
mより小さい大きさのものを作製した。
【0148】つぎに、図1(b)に示すように、リアプ
レート1上に形成した島状の電極部材3が、素子電極と
して機能するように、島状の電極部材の中央部近傍にレ
ーザを照射して一部分を除去した。すなわち、素子電極
4と素子電極5との間に電極間隔部6を形成した。
【0149】レーザ加工は、まず、リアプレート1をレ
ーザ加工機のXYテーブルに置き、XYアライメントを
行った。レーザには、たとえばYAGレーザを使用しス
ポットサイズを約20μm×20μmにしたものを用い
て、リアプレート1の左上側の電極部材3の中央部近傍
から左下側の電極部材の中央部近傍に向かってレーザを
照射し、電極部材の一部を除去し幅約20μmの電極間
隔部6を作製した。
【0150】このような方法によって、リアプレート1
上に一対の電極4、5を、素子電極エリア2すべてにわ
たって作製することができた。このようにして作製した
各素子電極4、5は、印刷工程の後から電極間隔部6の
み加工するため、印刷工程で電極間隔部6を作製した場
合より電極間隔部6の仕上がり精度が優れている。
【0151】さらに、各素子電極4、5の絶対精度は、
印刷時の位置精度のばらつきに依存することなくレーザ
加工機のXYテーブルの精度に依存するため、XYテー
ブルの絶対位置精度が10μm以下の物を使用し、良好
な位置精度を得ることができた。
【0152】また、別の素子電極の作製方法として、リ
アプレート1上に形成した島状の電極部材3を80℃程
度で乾燥した後、焼成前にレーザによって、電極間隔部
6を作製し、最後に焼成を行った。この場合も、上記同
様に、電極間隔の仕上がり精度ならびに位置精度とも良
好な加工精度を得ることができたとともに、乾燥時点で
レーザ加工したためにより低いレーザパワーで加工する
事ができた。
【0153】〔実施例2〕図2は、本発明の素子電極の
別の形成方法を示す図である。図2(a)は、電極部材
3の拡大図で電極部材3を加工する前の状態を示す図で
ある。また、図2(b)は、電極部材3の拡大図で電極
部材3を加工した後の状態を示す図である。図中、1は
リアプレート、2は素子電極エリア、3は電極部材、4
は素子電極(右)、5は素子電極(左)、6は素子電極
の間隔部、7は左右の隣接素子間隔である。
【0154】本実施例において、リアプレート1はソー
ダ石灰ガラスを使用し、このリアプレート1の上に、印
刷法の一つであるオフセット印刷法により帯状の電極部
材3を形成した。
【0155】帯状の電極部材3は、後工程にてリアプレ
ート1とアライメントされるフェースプレートの画像表
示領域とほぼ同等の素子電極エリア2に、それぞれの画
素の横方向には素子電極エリアの幅一杯の長さで、縦方
向には画素1個分の領域に対応する場所になるようにオ
フセット印刷用の版を帯状に事前に作製したものを用
い、これに白金を主成分とする有機金属ペーストを配
し、スキージングし、受理、転移工程を行い、さらにリ
アプレート1上に形成された電極パターンを乾燥させ焼
成した。
【0156】この時、基板は約350mm×約300m
mのものを使用した。帯状パターンの大きさは、横方向
は素子電極エリア2一杯で、縦方向は画素の縦方向サイ
ズであるところの650μmより一回り小さいくらいの
大きさのものを作製した。
【0157】つぎに、リアプレート1上に形成した帯状
の電極部材3に対して、素子電極として機能するよう
に、帯状の電極部材3の中央部近傍であるところの電極
間隔部6と、左右に隣接することになるそれぞれの一対
の素子電極4、5の間の部分であるところの隣接素子間
隔7にレーザを照射し、図2(b)のように除去した。
【0158】レーザ加工は、まず、リアプレート1をレ
ーザ加工機のXYテーブルに置き、XYアライメントを
行った。レーザはYAGレーザを使用し、電極間隔部6
を加工する時はスポットサイズを約20μm×20μm
にしたものを用い、隣接素子間隔部7を加工する時はス
ポットサイズを約50μm×50μmにしたものを用い
た。
【0159】リアプレート1の左上側の電極部材の電極
間隔部6や隣接素子間隔部7から左上側の電極部材の電
極間隔部6や隣接素子間隔部7に向かってレーザを照射
し、電極部材の一部を除去し、幅約20μmの電極間隔
部6と幅約90μmの隣接素子間隔部7を作製した。
【0160】この時、隣接素子間隔部7においては、ビ
ームスポットサイズが小さいため、それぞれの隣接素子
加工部において40μmほどピッチ送りをしてトータル
90μmの幅を加工した。このような方法によって、リ
アプレート1上に一対の素子電極4、5を、素子電極エ
リア2のすべてにわたって作製することができた。
【0161】このようにして作製した各素子電極4、5
は、印刷工程の後から電極間隔部6を加工するため、印
刷工程で電極間隔部6を作製した場合より、電極間隔の
仕上がり精度が優れている。
【0162】さらに、各素子電極4、5の絶対精度は、
印刷時の位置精度のばらつきに依存することなく、レー
ザ加工機のXYテーブルの精度に依存するため、XYテ
ーブルの絶対位置精度が10μm以下の物を使用し、良
好な位置精度を得ることができた。また、帯状に電極部
材3を印刷することによって、印刷時に要求される印刷
精度は、平行に作製される帯状パターンの間隔精度を隣
接するそれぞれの帯状パターンが接しない程度の精度
(実施例の場合、間隔は約200μm程度)で作製すれ
ばよいため、かなり容易に印刷することができた。
【0163】また、別の素子電極の作製方法として、リ
アプレート1上に形成した帯状の電極部材3を80℃程
度で乾燥した後、焼成する前にレーザによって、電極間
隔部6ならびに隣接素子間隔部7を加工し、最後に焼成
を行った。この場合も、上記同様に、電極間隔部6の仕
上がり精度ならびに位置精度とも良好な加工精度を得る
ことができたとともに、乾燥時点でレーザ加工したため
により低いレーザパワーで加工する事ができた。
【0164】〔実施例3〕図3は、本発明の素子電極の
別の形成方法を示す図である。図3(a)は、電極部材
の拡大図で電極部材を加工する前の状態を示す図であ
り、図3(b)は、電極部材の拡大図で電極部材を加工
した後の状態を示す図である。図中、1はリアプレー
ト、2は素子電極エリア、3は電極部材、4は素子電極
(右)、5は素子電極(左)、6は素子電極の間隔部、
7は左右の隣接素子間隔部、8は上下の隣接素子間隔部
である。
【0165】本実施例において、リアプレート1はソー
ダ石灰ガラスを使用し、このリアプレート1の上に、印
刷法の一つであるオフセット印刷法により面状の電極部
材3を素子電極エリア2とほぼ同等の大きさで形成し
た。オフセット印刷用の版を面状に事前に作製したもの
を用い、これに白金を主成分とする有機金属ペーストを
配し、スキージングし、受理、転移工程を行い、さらに
リアプレート上に形成された電極パターンを乾燥させ焼
成した。この時、基板は約350mm×約300mmの
ものを使用した。
【0166】つぎに、リアプレート1上に形成した面状
の電極部材3に対して、素子電極として機能するよう
に、電極間隔部6と、左右の隣接素子間隔部7、および
上下の隣接素子間隔部8にレーザを順次照射した。そし
て、図3(b)に示すように除去した。
【0167】レーザ加工は、まず、リアプレート1をレ
ーザ加工機のXYテーブルに置き、XYアライメントを
行う。レーザはYAGレーザを使用し、電極間隔部6を
加工する時はスポットサイズを約20μm×20μmに
したものを用い、隣接素子間隔部7、8を加工する時は
スポットサイズを約50μm×50μmにしたものを用
いた。
【0168】リアプレート1の左上側の電極部材の電極
間隔部6や隣接素子間隔部7からそれぞれ、左下側の電
極部材の電極間隔部6や隣接素子間隔部7に向かってレ
ーザを照射し、また、左上側の上下の隣接素子間隔部8
からそれぞれ、右上側の電極部材の上下の隣接素子間隔
部8に向かってレーザを照射して、電極部材の一部を除
去し、幅約20μmの電極間隔部6と幅約90μmの左
右の隣接素子間隔部7および幅約200μmの上下の隣
接素子間隔部8を作製した。
【0169】この時、隣接素子間隔部7、8において
は、ビームスポットサイズが小さいため、それぞれの隣
接素子加工部においてテーブルのピッチ送りをしてトー
タル90μm幅と200μm幅に加工した。このような
方法によって、リアプレート1上に一対の素子電極4、
5を、素子電極エリア2のすべてにわたって作製するこ
とができた。
【0170】このようにして作製した各素子電極4、5
は、印刷工程の後から電極間隔部6を加工するため、印
刷工程で電極間隔部6を作製した場合より、電極間隔部
6の仕上がり精度が優れており、さらに、各素子電極
4、5の絶対精度は、陰湿時の位置精度のばらつきに依
存することなく、レーザ加工機のXYテーブルの精度に
依存するため、XYテーブルの絶対位置精度が10μm
以下の物を使用し、良好な位置精度を得ることができ
た。また、面状に電極部材3を印刷することによって、
印刷時に要求される印刷精度は、素子電極エリア2内に
ほぼ収まっていればよく、簡単に印刷することができ
た。
【0171】また、別の素子電極の作製方法として、リ
アプレート1上に形成した面状の電極部材3を80℃程
度で乾燥した後、焼成前にレーザによって、電極間隔部
6ならびに隣接素子間隔部7および8を加工し、最後に
焼成を行った。この場合も、上記同様に、電極間隔の仕
上がり精度ならびに位置精度とも良好な加工精度を得る
ことができたとともに、乾燥時点でレーザ加工したため
により低いレーザパワーで加工する事ができた。
【0172】〔実施例4〕図4は、本発明の素子電極の
別の形成方法を示す図である。図4はリアプレートを表
から見た状態を示す図であり、図4(a)はリアプレー
ト1を裏面から見た状態の拡大図で電極部材3を加工す
る前の状態を示す。また、図4(b)はリアプレート1
を裏面から見た状態の拡大図で電極部材3を加工した後
の状態である。図4において、1はリアプレート、2は
素子電極エリア、3は電極部材、4は素子電極(右)、
5は素子電極(左)、6は素子電極の間隔部、9は配線
(縦)、10は配線(横)、11は絶縁層、12はコン
タクト部である。
【0173】まず、リアプレート1上に電極部材3を作
製する。電極部材3の作成方法は、本実施例1と同様
に、リアプレートの上にオフセット印刷法により島状の
電極部材3を形成した。
【0174】その後、図4のように、素子電極に電圧を
供給する役割を果たすための、縦側の配線9、次に絶縁
層11、最後に横側の配線10を、それぞれの層をスク
リーン印刷法によって印刷および焼成を行いながら作製
した。縦側配線9および横側配線10を印刷するための
ペーストは、Agペーストを使用し、具体的にはノリタ
ケ製NP4035系のペーストを使用した。
【0175】また、絶縁層11は、ガラスペーストを使
用し、具体的にはノリタケ製NP7730系のペースト
を使用した。また、絶縁層11の印刷に際しては、電極
部材3の一部が、後から印刷される配線(横側)10と
電気的にコンタクトが可能なように、絶縁層11の一部
を切り欠いたようなパターンのコンタクト部12を設
け、配線(横側)10と電極部材3が電気的につながっ
た状態を作製した。
【0176】これまでの工程により、リアプレート1上
に電極部材3、配線(縦)9、絶縁層11、配線(横)
10を作製した。
【0177】次に、図4(a)に示すように、リアプレ
ート1の裏面を上側にしてXYテーブル上に置き、電極
部材3を一対の電極として機能するように、電極間隔部
6にレーザを順次照射した。そして、図4(b)のよう
に除去した。
【0178】さらに、電極部材3のレーザ加工について
詳しく説明する。まず、配線(横)10まで作製したリ
アプレート1に対し、レーザがリアプレート1の裏面か
ら照射されるように裏側を上にして、レーザ加工機のX
Yテーブルに置き、XYアライメントを行った。
【0179】レーザはYAGレーザを使用し、電極間隔
部6を加工する時はスポットサイズを約20μm×20
μmにしたものを用い、リアプレートの左上側の電極部
材の電極間隔部6から、左下側の電極部材の電極間隔部
6に向かってレーザを照射して、電極部材の一部を除去
し、幅約20μmの電極間隔部6を作製した。
【0180】本実施例では、YAG第二高調波レーザを
使用して裏面からレーザを照射することによって、ガラ
ス基板はレーザが透過するため、リアプレート1上で部
分的には重なり合っているパターンの中で最下層に位置
する電極部材3に、最初にレーザが照射される。さら
に、この時のレーザ出力は、Qスイッチ周波数5〜10
kHz(パルス幅92〜145nsec)で、ビームス
ポットサイズ約20μm×20μmのときには2〜15
×10-6J/パルス付近で加工し、ビームスポットサイ
ズ約50μm×50μmのときには10〜120×10
-6J/パルス付近で加工した。
【0181】この出力では、Agを主成分とした印刷の
配線(縦)9および配線(横)10、ガラス質の絶縁層
11を損傷することなく(中でもQスイッチ周波数10
kHz付近がよい)、電極部材3が選択的に加工した。
すなわち、製造プロセスを進める上で都合のよい条件で
実施した。このような方法によって、リアプレート1上
に一対の素子電極4、5を、素子電極エリア2のすべて
にわたって作製することができた。
【0182】このようにして作製した各素子電極4、5
は、電極間隔部6の仕上がり精度が優れており、さら
に、各素子電極4、5の絶対精度は、印刷時の位置精度
のばらつきに依存することなく、レーザ加工機のXYテ
ーブルの精度に依存するため、良好な位置精度を得るこ
とができた。
【0183】また、リアプレート1の表側から見た場合
に、加工すべき電極部材3の一部が、絶縁層11の部分
的なダレによる線幅の広がりや位置ずれにより覆われて
しまうこともあるが、このような場合においても、本実
施例では、リアプレート11の裏側よりレーザを照射し
て電極部材3を加工するため、絶縁層11や配線9、1
0に影響されずに加工することもできた。
【0184】〔実施例5〕図5は、本発明の素子電極の
別の形成方法を示す図である。図5において、3は電極
部材、4は素子電極(右)、5は素子電極(左)、6は
素子電極の間隔部、7は隣接素子間隔部、9は配線
(縦)、10は配線(横)、11は絶縁層である。
【0185】また、図5(a)は、リアプレートを裏面
から見た状態の拡大図で電極部材3を加工する前の状態
を示す。また、図5(b)は、リアプレートを裏面から
見た状態の拡大図で電極部材3を加工した後の状態を示
す。なお、リアプレートの全体の状態は、図4におい
て、電極部材3の形状が異なるのみであるため説明を省
略する。
【0186】まず、図示しないリアプレート上に電極部
材3を作製する。電極部材3の作成方法は、実施例2で
述べたとおり、図示しないリアプレートの上にオフセッ
ト印刷法により帯状の電極部材3を形成した。その後、
素子電極に電圧を供給する役割を果たすための、縦側の
配線9、次に絶縁層11、最後に横側の配線10を、そ
れぞれの層をスクリーン印刷法によって印刷および焼成
を行いながら作製した。
【0187】縦側の配線9および横側の配線10を印刷
するためのペーストは、Agペーストを使用し、具体的
にはノリタケ製NP4035系のペーストを使用した。
また、絶縁層11は、ガラスペーストを使用し、具体的
にはノリタケ製NP7730系のペーストを使用した。
【0188】また、絶縁層11の印刷に際しては、電極
部材3の一部が、後から印刷される配線(横側)10と
電気的にコンタクトが可能なように、絶縁層11の一部
を切り欠いたようなパターンにより、コンタクト部(不
図示、図4のコンタクト部12と同様なもの)を設け、
配線(横側)10と電極部材3が電気的につながった状
態を作製した。これまでの工程により、図示しないリア
プレート上に電極部材3、配線(縦)9、絶縁層11、
配線(横)10を作製した。
【0189】次に、図5(a)のように図示しないリア
プレートの裏面を上側にしてXYテーブル上に置き、電
極部材3を一対の電極として機能するように、電極間隔
部6と、左右の隣接素子間隔部7にレーザを順次照射し
た。そして、図5(b)のように除去した。
【0190】さらに、電極部材3のレーザ加工について
詳しく説明する。まず、横側の配線10まで作製した図
示しないリアプレートに対し、レーザがリアプレートの
裏面から照射されるように裏側を上にして、レーザ加工
機のXYテーブルに置き、XYアライメントを行った。
【0191】レーザはYAGレーザを使用し、電極間隔
部6を加工する時はスポットサイズを約20μm×20
μmにしたものを用い、隣接素子間隔部7を加工する時
はスポットサイズを約50μm×50μmにしたものを
用い、図示しないリアプレート左上側の電極部材3の電
極間隔部6や隣接素子間隔部7からそれぞれ、左下側の
電極部材3の電極間隔部6や隣接素子間隔部7に向かっ
てレーザを照射して、電極部材3の一部を除去し、幅約
20μmの電極間隔部6と幅約90μmの左右の隣接素
子間隔部7を作製した。
【0192】この時、隣接素子間隔部7においては、ビ
ームスポットサイズが小さいため、それぞれの隣接素子
加工部においてテーブルのピッチ送りをしてトータル9
0μm幅に加工した。
【0193】本実施例では、YAG第二高調波レーザを
使用し裏面からレーザを照射することによって、ガラス
基板はレーザが透過するため、図示しないリアプレート
上で部分的には重なり合っているパターンの中で最下層
に位置する電極部材3に、最初にレーザが照射される。
【0194】さらに、この時のレーザ出力は、Qスイッ
チ周波数5〜10kHz(パルス幅92〜145nse
c)で、ビームスポットサイズ約20μm×20μmの
ときには2〜15×10-6J/パルス付近で加工し、ビ
ームスポットサイズ約50μm×50μmのときには1
0〜120×10-6J/パルス付近で加工した。この出
力では、Agを主成分とした印刷の配線(縦)9および
配線(横)10、ガラス質の絶縁層11は、損傷するこ
となく(中でもQスイッチ周波数10kHz付近がよ
い)、電極部材3を選択的に加工した。
【0195】すなわち、製造プロセスを進める上で都合
のよい条件で実施した。このような方法によって、図示
しないリアプレート上に一対の素子電極4、5を、素子
電極エリア2のすべてにわたって作製することができ
た。
【0196】このようにして作製した各素子電極4、5
は、電極間隔3の仕上がり精度が優れており、さらに、
各素子電極4、5の絶対精度は、印刷時の位置精度のば
らつきに依存することなく、レーザ加工機のXYテーブ
ルの精度に依存するため、良好な位置精度を得ることが
できた。また、図示しないリアプレートの表側から見た
場合に、加工すべき電極部材3の一部は覆われている
が、このような場合においても、本実施例では、図示し
ないリアプレートの裏側よりレーザを照射して電極部材
3を加工するため、絶縁層11や配線9、10に影響さ
れずに加工することができた。
【0197】〔実施例6〕図6は、本発明の素子電極の
別の形成方法を示す図である。図6においては、3は電
極部材、4は素子電極(右)、5は素子電極(左)、6
は素子電極の間隔部、7は隣接素子間隔部(左右)、8
は隣接素子間隔部(上下)、9は配線(縦)、10は配
線(横)、11は絶縁層である。
【0198】図6(a)は、図示しないリアプレートを
裏面から見た状態の拡大図で電極部材3を加工する前の
状態を示すものである。また、図6(b)は、リアプレ
ートを裏面から見た状態の拡大図で電極部材3を加工し
た後の状態を示すものである。なお、リアプレート全体
の状態は、図4において説明したものと電極部材3の形
状が異なるのみであるため説明を省略する。
【0199】まず、図示しないリアプレート上に電極部
材3を作製する。電極部材3の作成方法は、実施例3で
述べたとおり、リアプレートの上にオフセット印刷法に
より面状の電極部材3を形成した。その後、素子電極に
電圧を供給する役割を果たすための、縦側の配線9、次
に絶縁層11、最後に横側の配線10のそれぞれの層を
スクリーン印刷法によって印刷および焼成を行いながら
作製した。
【0200】縦側の配線9および横側の配線10を印刷
するためのペーストは、Agペーストを使用し、具体的
にはノリタケ製NP4035系のペーストを使用した。
また、絶縁層11は、ガラスペーストを使用し、具体的
にはノリタケ製NP7730系のペーストを使用した。
【0201】また、絶縁層11の印刷に際しては、電極
部材3の一部が、後から印刷される配線(横側)10と
電気的にコンタクトが可能なように、絶縁層11の一部
を切り欠いたようなパターンにより、コンタクト部(不
図示、図4のコンタクト部12と同様なもの)を設け、
配線(横側)10と電極部材3とが電気的につながった
状態を作製した。これまでの工程により、図示しないリ
アプレート上に電極部材3、配線(縦)10、絶縁層1
1、配線(横)9を作製した。
【0202】次に、図6(a)に示すように、図示しな
いリアプレートの裏面を上側にしてXYテーブル上に置
き、電極部材3を一対の電極として機能するように、電
極間隔部6と、左右の隣接素子間隔部7、および上下の
隣接素子間隔部8にレーザを順次照射した。そして、図
6(b)のように除去した。
【0203】さらに、電極部材3のレーザ加工について
詳しく説明する。まず、横側の配線10まで作製した図
示しないリアプレートに対し、レーザがリアプレートの
裏面から照射されるように裏側を上にして、レーザ加工
機のXYテーブルに置き、XYアライメントを行った。
【0204】レーザはYAGレーザを使用し、電極間隔
部6を加工する時は、スポットサイズを約20μm×2
0μmにしたものを用い、隣接素子間隔部7および8を
加工する時はスポットサイズを約50μm×50μmに
したものを用い、リアプレートの左上側の電極部材の電
極間隔部6や隣接素子間隔部7からそれぞれ、左下側の
電極部材の電極間隔部6や隣接素子間隔部7に向かって
レーザを照射し、また、左上側の上下の隣接素子間隔部
8からそれぞれ、右上側の電極部材の上下の隣接素子間
隔部8に向かってレーザを照射して、電極部材の一部を
除去し、幅約20μmの電極間隔部6と幅約90μmの
左右の隣接素子間隔部7および幅約200μmの上下の
隣接素子間隔部8を作製した。
【0205】この時、隣接素子間隔部7および8におい
ては、ビームスポットサイズが小さいため、それぞれの
隣接素子加工部においてテーブルのピッチ送りをしてト
ータル90μm幅と200μm幅に加工した。
【0206】本実施例では、YAG第二高調波レーザを
使用し裏面からレーザを照射することによって、ガラス
基板はレーザが透過するため、リアプレート上で部分的
には重なり合っているパターンの中で最下層に位置する
電極部材3に、最初にレーザが照射される。
【0207】さらに、この時のレーザ出力は、Qスイッ
チ周波数5〜10kHz(パルス幅92〜145nse
c)で、ビームスポットサイズ約20μm×20μmの
ときには2〜15×10-6J/パルス付近で加工し、ビ
ームスポットサイズ約50μm×50μmのときには1
0〜120×10-6J/パルス付近で加工した。この出
力では、Agを主成分とした印刷の配線(縦)9および
配線(横)10や、ガラス質の絶縁層11を損傷させる
ことなく(中でもQスイッチ周波数10kHz付近がよ
い)、電極部材3が選択的に加工される。
【0208】すなわち、製造プロセスを進める上で都合
のよい条件で実施した。このような方法によって、図示
しないリアプレート上に一対の素子電極4、5を、素子
電極エリアすべてにわたって作製することができた。
【0209】このようにして作製した各素子電極4、5
は、電極間隔部6の仕上がり精度が優れており、さら
に、各素子電極4、5の絶対精度は、印刷時の位置精度
のばらつきに依存することなく、レーザ加工機のXYテ
ーブルの精度に依存するため、良好な位置精度を得るこ
とができた。
【0210】また、リアプレートの表側から見た場合
に、加工すべき電極部材の一部は覆われているが、この
ような場合においても、本発明では、図示しないリアプ
レートの裏側よりレーザを照射し電極部材3を加工する
ため、絶縁層11や配線9、10に影響されずに加工す
ることができた。
【0211】〔実施例7〕次に、これまでの実施例1〜
6のいずれかにより作製したリアプレートをフェースプ
レートと貼りあわせて画像表示装置を作成した例を示
す。図7は、リアプレート1とフェースプレート13と
の貼り合わせを説明するための画像表示装置の組立位置
の図である。
【0212】図中、1はリアプレート、13はリアプレ
ート1に対に設置したフェースプレート、14はリアプ
レート1に備えた枠、15は枠14の上面及び下面に備
えたフリット、16はリアプレート1側のアライメント
マーカー、17はフェースプレート13側のアライメン
トマーカー、18は下側加熱プレート、19は上側加熱
プレート、20はテーブル、21はZ方向移動機構、2
2は組立装置フレーム、23は画像認識カメラである。
【0213】まず、本実施例1〜6に示した方法によっ
て作製した素子電極4、5並びに配線パターンを有する
リアプレート1を、テーブル20上に設けた下側加熱プ
レート18上に置き、図示しないピンにより取り付け
た。また、組立装置フレーム22に設けたZ方向移動機
構21に取り付けてある上側加熱プレート19には、ブ
ラックストライプにより画素毎に区切り、各画素には蛍
光体を形成した画像表示部を有するフェースプレートを
図示しないピンにより取り付けた。
【0214】下側加熱プレート18および上側加熱プレ
ート19は、カートリッジヒーターを内蔵し独自に加熱
が可能なものである。リアプレート1とフェースプレー
ト13には、事前にアライメントマーク16、17が形
成して有り、このマークの形状は、島状の円形でも十字
型でもよい。
【0215】また、形成する工程は、リアプレート1に
おいては、電極部材印刷時でも縦側配線印刷時でも上側
配線印刷時でもよいが、本実施例においては、上側配線
印刷時に版に円形のアライメントマーク16を設けたも
のを使用し、フェースプレート13においてはブラック
ストライプの形成時に円形のアライメントマーク17を
設けたものを使用した。
【0216】さらに、リアプレート上1には、枠14を
配置し、枠14の上とリアプレート1の上には事前にフ
リットガラスペーストを仮焼成したフリット15を形成
したものを用いた。フリットガラスは、410℃付近が
作業温度(フリットガラスが溶解し封着作業が可能な温
度)である低融点封着ガラスを使用した。
【0217】この状態で、リアプレート1上の枠14と
フェースプレート13が突き当たらないように数mmの
間隔を保持した状態で、下側加熱プレート18および上
側加熱プレート19の加熱を開始する。この時、組立装
置フレーム22に固定された画像認識カメラ23によ
り、下側加熱プレート18の穴からリアプレート1側の
アライメントマーカー16とフェースプレート13側の
アライメントマーカー17を監視し、所望の位置にフェ
ースプレートとリアプレートがアライメントされるよう
に、テーブル20のXYΘを制御しアライメントを行
う。
【0218】各加熱プレート18、19の温度がフリッ
トガラスの作業温度付近になったら、Z方向移動機構2
1により、フェースプレート13を下降し、枠14上の
フリット15とともに、枠14やリアプレート1を押し
付ける。その後、各加熱プレート18、19の温度を下
げていく。
【0219】この時、アライメント作業は、フリットガ
ラスの粘度が高くなり、テーブル20をフリーにして
も、フェースプレート13とリアプレート1のアライメ
ントがずれないくらいの温度まで継続した後、テーブル
20をフリーにする。その後、常温付近になったら、貼
り合わされたフェースプレート13やリアプレート1、
すなわち画像表示装置を加熱プレート18、19から取
り出して画像表示装置の製造を行った。
【0220】このようにすることにより、リアプレート
1上に複数作製した一対の素子電極4、5を、フェース
プレート1の複数の画素に対応するように位置合わせす
ることができる。
【0221】〔実施例8〕つぎに、画像表示装置の別の
製造方法の実施例を述べる。実施例7では、実施例1〜
6のいずれかにより作製したリアプレート1をフェース
プレート13と貼り合わせて画像表示装置を作成した例
を示した。
【0222】これに対して、本実施例では、リアプレー
ト1とアライメントを行う予定のフェースプレート13
のそれぞれの画素の絶対位置を、事前に測長機により測
定し、この画素の位置情報をもとに、実施例1〜6いず
れかの実施例で説明したように、それぞれ画素に対応す
る部分の電極間隔部6を、対応する画素の位置と相対的
に同じになるように、レーザのテーブル20をコントロ
ールしながら、それぞれの電極間隔部6を加工した。
【0223】その後は、実施例7のように、リアプレー
ト1とフェースプレート13を貼り合わせて画像表示装
置を製造した。このようにして製造することにより、リ
アプレート1やフェースプレート13に設けたそれぞれ
のアライメントマーカー16、17に対して、内部のパ
ターンである素子電極4、5の電極間隔部6すなわち電
子放出部や画像表示部分であるところの画素のそれぞれ
が、ランダムに位置ずれしているような場合にも、リア
プレート1とフェースプレート13に設けられたアライ
メントマーカー16、17によって、アライメントを行
うことにより、個々の電極間隔部6であるところの電子
放出部と画素が位置ずれすることなく製造することが可
能になった。
【0224】〔実施例9〕つぎに、素子電極部材の別の
製造方法の実施例を述べる。実施例1〜6では電極部材
3の作製に印刷法による方法の例を述べたが、本実施例
では、真空蒸着法による成膜方法について図1を用いて
説明する。
【0225】まず、実施例1のようにリアプレート1に
サイズ350×300(mm)のソーダ石灰ガラスを用
い、電極部材3を島状パターンが画像表示部の画素に対
応した位置になるように配置したメタルマスクを準備
し、これをリアプレート1の素子電極エリア2上に密着
固定した。このとき使用したメタルマスクはSUS30
4製で厚さ100μmのものとした。
【0226】その後、リアプレート1を電子ビーム真空
蒸着装置に入れ、膜の密着性を確保するためにまずチタ
ンを50オングストローム蒸着し、次に、白金を500
オングストローム蒸着し、電極部材を作製した。
【0227】その後の工程は、実施例1あるいは4と同
様に、レーザにより電極間隔部6を加工し、素子電極
4、5を完成した。本実施例では、YAG第二高調波レ
ーザを使用しレーザを照射した。さらに、この時のレー
ザ出力は、Qスイッチ周波数5〜10kHz(パルス幅
92〜145nsec)で、ビームスポットサイズ約2
0μm×20μmのときには2〜15×10-6J/パル
ス付近で加工した。この出力は、オフセット印刷により
作製した出力と同じであるが、真空蒸着法による場合も
良好に加工することができた。
【0228】このような方法によって、リアプレート1
上に一対の素子電極4、5を、素子電極エリア2すべて
にわたって作製することができた。このようにして作製
した各素子電極4、5は、電極間隔部6の仕上がり精度
が優れており、さらに、各素子電極4、5の絶対精度
は、印刷時の位置精度のばらつきに依存することなく、
レーザ加工機のテーブルの精度に依存するため、良好な
位置精度を得ることができた。
【0229】また、リアプレート1の表側から見た場合
に、加工すべき電極部材3の一部は覆われているが、こ
のような場合においても、本発明では、リアプレート1
の裏側よりレーザを照射し電極部材3を加工するため、
絶縁層や配線に影響されずに加工することができた。さ
らに、蒸着法を使用したことにより蒸着工程とレーザ工
程の2工程で素子電極が作製できた。
【0230】〔実施例10〕つぎに、実施例9と同様な
作製方法による電極部材の作製方法について図2を用い
て説明する。まず、実施例2のようにリアプレート1に
サイズ350×300(mm)のソーダ石灰ガラスを用
い、これに、帯状パターンの素子電極3が画像表示部の
画素に対応した位置になるように配置したメタルマスク
を準備し、これをリアプレート1の素子電極エリア2上
に密着固定した。このとき使用したメタルマスクはSU
S304製で厚さ100μmのものとした。
【0231】その後、リアプレート1を電子ビーム真空
蒸着装置に入れ、チタンを50オングストローム蒸着
し、次に、白金を500オングストローム蒸着し、電極
部材3を作製した。その後の工程は、実施例2あるいは
5と同様に、レーザにより電極間隔部6および隣接素子
間隔部(左右)を加工し、素子電極4、5を完成した。
本実施例では、YAG第二高調波レーザを使用し裏面か
らレーザを照射した。
【0232】さらに、この時のレーザ出力は、Qスイッ
チ周波数5〜10kHz(パルス幅92〜145nse
c)で、ビームスポットサイズ約20μm×20μmの
ときには2〜15×10-6J/パルス付近で加工し、ビ
ームスポットサイズ約50μm×50μmのときには1
0〜120×10-6J/パルス付近で加工した。
【0233】このような方法によって、リアプレート1
上に一対の素子電極4、5を、素子電極エリア2すべて
にわたって作製することができた。このようにして作製
した各素子電極4、5は、電極間隔部6の仕上がり精度
が優れており、さらに、各素子電極4、5の絶対精度
は、印刷時の位置精度のばらつきに依存することなく、
レーザ加工機のXYテーブルの精度に依存するため、良
好な位置精度を得ることができた。
【0234】また、リアプレート1の表側から見た場合
に、加工すべき電極部材3の一部は覆われているが、こ
のような場合においても、本実施例では、リアプレート
1の裏側よりレーザを照射し電極部材3を加工するた
め、絶縁層や配線に影響されずに加工することができ
た。さらに、蒸着法を使用したことにより蒸着工程とレ
ーザ工程の2工程で素子電極が作製できた。
【0235】〔実施例11〕つぎに、実施例9と同様な
作製方法による電極部材の作製方法について図8を用い
て説明する。図8は、蒸着治具にリアプレートをセッテ
ィングした状態を示し、1はリアプレート、24は蒸着
治具、25は開口部を示す。
【0236】まず、実施例3のようにリアプレート1に
サイズ350×300(mm)のソーダ石灰ガラスを用
い、蒸着治具24にリアプレート1をセットする。蒸着
治具は、素子電極エリア2より少し大きめのサイズで開
口部25が設けてある。その後、リアプレート1を蒸着
治具24にセッティングした状態で電子ビーム真空蒸着
装置に入れ、チタンを50オングストローム蒸着し、次
に、白金を500オングストローム蒸着し、電極部材3
を作製した。
【0237】その後の工程は、実施例3あるいは6と同
様に、レーザにより電極間隔部6と隣接素子間隔部(左
右)および隣接素子間隔部(上下)を加工し、素子電極
4、5を完成した。本実施例では、YAG第二高調波レ
ーザを使用し裏面からレーザを照射した。
【0238】さらに、この時のレーザ出力は、Qスイッ
チ周波数5〜10kHz(パルス幅92〜145nse
c)で、ビームスポットサイズ約20μm×20μmの
ときには、2〜15×10-6J/パルス付近で加工し、
ビームスポットサイズ約50μm×50μmのときには
10〜120×10-6J/パルス付近で加工した。この
ような方法によって、リアプレート1上に一対の素子電
極4、5を、素子電極エリア2すべてにわたって作製す
ることができた。
【0239】このようにして作製した各素子電極4、5
は、電極間隔部6の仕上がり精度が優れており、さら
に、各素子電極4、5の絶対精度は、印刷時の位置精度
のばらつきに依存することなく、レーザ加工機のXYテ
ーブルの精度に依存するため、良好な位置精度を得るこ
とができた。
【0240】また、リアプレート1の表側から見た場合
に、加工すべき電極部材3の一部は覆われているが、こ
のような場合においても、本実施例では、リアプレート
1の裏側よりレーザを照射し電極部材3を加工するた
め、絶縁層や配線に影響されずに加工することができ
た。さらに、蒸着法を使用したことにより蒸着工程とレ
ーザ工程の2工程で素子電極が作製できた。
【0241】なお、本発明の画像形成装置は、以下のよ
うな形態を有するものであってもよい。
【0242】(1) 画像形成装置は、入力信号に応じ
て電子放出素子から放出された電子を画像形成部材に照
射して画像を形成するものである。特に、前記画像形成
部材が蛍光体である画像表示装置を構成することができ
る。
【0243】(2) 前記電子放出素子は、複数の行方
向配線と複数の列方向配線とでマトリクス配線された複
数の冷陰極素子を有する単純マトリクス状配置をとるこ
とができる。
【0244】(3) また、本発明の思想によれば、画
像表示装置に限るものでなく、感光性ドラムと発光ダイ
オード等で構成された光プリンタの発光ダイオード等の
代替の発光源として用いることもできる。またこの際、
上述のm本の行方向配線とn本の列方向配線を、適宜選
択することで、ライン状発光源だけでなく、2次元状の
発光源としても応用できる。この場合、画像形成部材と
しては、以下の実施例で用いる蛍光体のような直接発光
する物質に限るものではなく、電子の帯電による潜像画
像が形成されるような部材を用いることもできる。
【0245】また、本発明の思想によれば、例えば電子
顕微鏡のように、電子源からの放出電子の被照射部材
が、蛍光体等の画像形成部材以外のものである場合につ
いても、本発明は適用できる。従って、本発明は被照射
部材を特定しない一般的電子線装置としての形態もとり
うる。
【0246】
【発明の効果】以上説明したように、素子電極を加工す
ることにより以下に示す効果が得られた。
【0247】本発明の画像表示装置の製造方法は、電極
部材を基板に形成し、電極部材をレーザー照射によりに
分離するため、電極間隔の精度を向上させることができ
る。また、リアプレートとフェースプレートとアライメ
ントマークを形成し、電子放出素子と蛍光体との位置を
アライメントすることにより、電極間隔の位置精度を向
上させることができる。
【0248】また、電極部材は、基板乃至リアプレート
として断熱ガラスを用いるため、電子放出部を設けない
面からYAGレーザを照射することができる。そのた
め、配線等により、電子放出部を設けた面からレーザー
を電極に照射できない場合にも上記と同様に、電極部材
をレーザー照射によりに分離でき、電極間隔の精度を向
上させることができる。
【0249】さらに、上記実施形態及び実施例による
と、素子電極を製造する工程においては、印刷法による
製造工程を1回または蒸着法による製造方法を1回とレ
ーザ照射工程とのみ行えばよい。そのため、従来技術に
比し工程数が少なくなっているおり、配線が断線・短絡
・パターン精度不良となることが少ない。したがって、
本発明によると歩留まりの低下が少ない画像表示装置を
提供することができる。
【0250】また、印刷法または蒸着法などとレーザ加
工法とを併用することにより電極部材を分離するため、
印刷法のみによって電極部材を分離する場合に比し、印
刷装置に付随的に発生するゴミつまり等の欠陥が生ずる
ことを防止できる。そのため、素子電極の間隔を安定し
たものとすることができ、また、基板に対する素子電極
の位置精度を向上させることができる。
【0251】さらに、印刷法または蒸着法とレーザ加工
法とを併用して素子電極等を作製するため、フォトリソ
工程のみの工程により素子電極等を作製する場合よりも
画像表示装置を製造するための装置を安価にすることが
できる。
【0252】すなわち、表面伝導型の電子放出素子を有
し、大画面で平板型の画像表示装置を製造する場合に適
したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の素子電極の形成方法を示す図である。
【図2】本発明の素子電極の別の形成方法を示す図であ
る。
【図3】本発明の素子電極の別の形成方法を示す図であ
る。
【図4】本発明の素子電極の別の形成方法を示す図であ
る。
【図5】本発明の素子電極の別の形成方法を示す図であ
る。
【図6】本発明の素子電極の別の形成方法を示す図であ
る。
【図7】画像表示装置の組立装置の図である。
【図8】蒸着治具にリアプレートをセッティングした状
態を示す図である。
【図9】本発明に用いる平面型表面伝導型電子放出素子
の構成を示す模式的平面図及び断面図である。
【図10】本発明に用いる垂直型表面伝導型電子放出素
子の模式図である。
【図11】本発明に用いる表面伝導型電子放出素子の製
造方法を示す模式図である。
【図12】本発明に用いる表面伝導型電子放出素子の製
造に際して採用できる通電フォーミング処理における電
圧波形の一例を示す模式図である。
【図13】本発明に用いるマトリクス配置型の電子源基
板の一例を示す模式図である。
【図14】本発明に用いる画像形成装置の表示パネルの
一例を示す模式図である。
【図15】蛍光膜の一例を示す模式図。
【図16】画像形成装置にNTSC方式のテレビ信号に
応じて表示を行うための駆動回路の一例を示すブロック
図である。
【図17】本発明に用いる梯子配置型電子源基板の一例
を示す模式図である。
【図18】本発明に用いる画像形成装置の表示パネルの
一例を示す模式図である。
【図19】従来の表面伝導型電子放出素子の模式図であ
る。
【符号の説明】
1 リアプレート 2 素子電極エリア 3 電極部材 4 素子電極(右) 5 素子電極(左) 6 素子電極の間隔部 7 左右の隣接素子間隔 8 上下の隣接素子間隔部 9 配線(縦) 10 配線(横) 11 絶縁層 12 コンタクト部 13 フェースプレート 14 枠 15 フリット 16 リアプレート側のアライメントマーカー 17 フェースプレート側のアライメントマーカー 18 下側加熱プレート 19 上側加熱プレート 20 テーブル 21 Z方向移動機構 22 組立装置フレーム 23 画像認識カメラ 24 蒸着治具 25 開口部 8001 基板 8002,8003 素子電極 8004 導電性薄膜 8005 電子放出部 8021 段差形成部 8071 電子源基板 8072 X方向配線 8073 Y方向配線 8074 表面伝導型電子放出素子 8075 結線 8081 リアプレート 8082 支持枠 8083 ガラス基板 8084 蛍光膜 8085 メタルバック 8086 フェースプレート 8087 高圧端子 8088 外囲器 8091 黒色部材 8092 蛍光体 8101 表示パネル 8102 走査回路 8103 制御回路 8104 トフトレジスタ 8105 ラインメモリ 8106 同期信号分離回路 8107 変調信号発生器 Vx及びVa 直流電圧源 8110 電子源基板 8111 電子放出素子 8112 Dx1〜Dx10は前記電子放出素子を配線
するための共通配線 8120 グリッド電極 8121 電子が通過するため開孔 8122 Dox1、Dox2…Doxmよりなる容器
外端子 8123 グリッド容器外端子

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子放出素子となる電極部材の1部を除
    去することにより分離して対向させた素子電極を複数備
    える基板を具備する画像表示装置の製造方法において、 前記電極部材を前記基板に形成し、前記電極部材をレー
    ザーを照射することにより分離してなることを特徴とす
    る画像表示装置の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記電極部材を前記基板に形成した後、
    少なくとも該電極部材に電圧を供給する配線を形成し、
    その後に前記電極部材を物理的に分離してなることを特
    徴とする請求項1に記載の画像表示装置の製造方法。
  3. 【請求項3】 電子放出素子となる電極部材の1部を除
    去することにより分離して対向させた素子電極を複数備
    えるリアプレートと、前記電子放出素子から出力される
    電子を受けて発光する蛍光体を備えるフェースプレート
    とを具備する画像表示装置の製造方法において、 前記電極部材を前記リアプレートに形成し、さらに該リ
    アプレートにアライメントマークを形成し、前記電極部
    材をレーザーを照射することにより分離し、 前記蛍光体を前記フェースプレートに形成し、さらに該
    フェースプレートにアライメントマークを形成し、 各々の前記アライメントマークによって前記電子放出部
    と前記蛍光体との位置をアライメントすること特徴とす
    る画像表示装置の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記電極部材は、島状であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記電極部材は、帯状であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電極部材は、面状であることを特徴
    とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記電極部材は、前記基板または前記リ
    アプレートの前記電子放出部を設けない面から前記レー
    ザを照射することにより分離することを特徴とする請求
    項1〜6のうちいずれか1項に記載の画像表示装置の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記レーザは、YAGレーザであること
    を請求項7に記載の画像表示装置の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記YAGレーザの出力波は、第2高調
    波であることを特徴とする請求項8に記載の画像表示装
    置の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記電子放出素子は、表面伝導型放出
    素子であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1
    項に記載の画像表示装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記基板または前記リアプレートは、
    耐熱ガラスからなることを特徴とする請求項1〜3、7
    のいずれか1項に記載の画像表示装置の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記レーザはYAGレーザであり、前
    記基板または前記リアプレートは耐熱ガラスからなるこ
    とを特徴とする請求項1または3に記載の画像表示装置
    の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010154265A (ja) * 2008-12-25 2010-07-08 Asahi Glass Co Ltd 電波吸収体用の透明部材の製造方法

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