JP2000132906A - 回転体駆動装置及びその製造方法、並びに回転体装着方法 - Google Patents

回転体駆動装置及びその製造方法、並びに回転体装着方法

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JP2000132906A
JP2000132906A JP30355298A JP30355298A JP2000132906A JP 2000132906 A JP2000132906 A JP 2000132906A JP 30355298 A JP30355298 A JP 30355298A JP 30355298 A JP30355298 A JP 30355298A JP 2000132906 A JP2000132906 A JP 2000132906A
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Japan
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rotating body
rotated
rotating
rotator
support base
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JP30355298A
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English (en)
Inventor
Tamotsu Nose
保 能勢
Hideki Kanebako
秀樹 金箱
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Nidec Instruments Corp
Original Assignee
Sankyo Seiki Manufacturing Co Ltd
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  • Rotational Drive Of Disk (AREA)
  • Brushless Motors (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 簡易な構成で、被回転体の自動調心を極めて
円滑かつ容易に実行させることを可能とする。 【解決手段】 被回転体12,Mを半径方向に移動可能
に載置させる回転体支持基台11と、この回転体支持基
台11上の被回転体12,Mが該被回転体12,Mの重
心を中心にして回転し始めた後に被回転体12,Mを回
転体支持基台11側に押さえ込んで固定させる回転体押
圧部材14とを備えることによって、被回転体12,M
の重心が回転中心に一致するまで被回転体12,Mの自
らの作用で位置移動させた後に、回転体押圧部材14に
よって被回転体12,Mを不動状態に強固に固定し、被
回転体12,Mのバランスを高精度にとった状態での回
転駆動を継続させるように構成したもの。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、モータ部の回転力
によって被回転体を回転駆動させるようにした回転体駆
動装置及びその製造方法並びに回転体装着方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、フライホイールや記録媒体ディ
スク等のような各種回転体をモータ部の出力部に連結し
て高速回転させるようにした回転駆動装置が、多種多様
な装置において広く用いられている。このような高速回
転駆動装置では、回転中心に対して被回転体の重心が偏
った位置にあると、その被回転体の偏重心に基づく被回
転体の僅かな不釣り合いによっても大きな振動を生じる
こととなってしまう。その不釣り合い振動は、遠心力に
よって引き起こされているために回転数が高くなればな
るほど大きな振幅となっていき、共振点に相当する回転
数(1次危険速度)に達した場合には機械的破壊が起こ
るほどの振動になる場合もある。
【0003】このような事情から各種高速回転駆動装置
には、被回転体の不釣り合いをmg・cm程度の微少単
位で高精度に修正する手段を採用したものがある。例え
ば、研削盤の砥石主軸では、発生した振動を振動センサ
ーを用いてモニターしながら、円周状に配置されたポケ
ットの中に流体を打ち込み、それによって不釣り合いを
能動的に修正している。また、高速回転を要するCD−
ROMやDVD等のリムーバブルメディアディスクを含
めた回転系には、後述する理由から必ずといって良いほ
ど偏重心が存在するため、これらの高速回転ディスクを
取り扱う回転駆動装置のスピンドルモータには、特に高
速回転域における偏重心振動をキャンセルするために、
例えばボール等を用いた比較的安価な振動修正装置を採
用したものもある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前者のよう
な振動センサーを用いた能動的な振動修正装置では、装
置が非常に高価となってしまい、民生用の多種多様な装
置に採用することは実際上、不可能である場合が多い。
また、後者のCD−ROMやDVD等のリムーバブルメ
ディア用回転駆動装置の振動修正装置は、低コストで構
成されてはいるが、最近の高速回転化に対して追随する
ことができくなる傾向がある。すなわち、リムーバブル
メディアディスクの偏重心は、ラベル面のインクむら、
成型時の厚さむら、張り合せずれ、或いは機械構成上の
誤差、又はドライブ装着時における取付誤差などのさま
ざまな要因によって生じるが、その僅かな偏重心によっ
ても、最近の高速環境下では以下のような問題を発生す
るおそれがある。
【0005】(1)記録されているデータを光学ピック
アップが拾えない。 (2)不快な音響ノイズの原因となる。 (3)装置に小型化に伴い、限られたスペース内で十分
な防振構造を設けることが困難となる。 (4)不釣り合い振動を抑制する機構を設けた場合であ
っても、上述したような高速回転状況では再生信号を確
実に拾うことができない。 (5)偏心がないか小さい場合には、却って偏心を助長
してしまい、それが偏心振動の原因となってしまう。
【0006】そこで本発明は、簡易な構成で、極めて良
好な振動修正機能を備えることができるようにした回転
体駆動装置及びその製造方法並びに回転体装着方法を提
供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1記載の発明では、モータ部と、このモータ
部によって回転駆動される回転体支持部材と、該回転体
支持部材により保持される被回転体と、を備えた回転体
駆動装置において、上記回転体支持部材は、前記被回転
体を半径方向に移動可能に載置させる回転体支持基台
と、この回転体支持基台上の被回転体が該被回転体の重
心を中心にして回転し始めた後に上記被回転体を前記回
転体支持基台側に押さえ込んで固定させる回転体押圧部
材と、を備えている。
【0008】また、請求項2記載の発明では、前記請求
項1記載の回転体支持基台における被回転体の載置面に
は、上記被回転体の振動を低減する柔軟性物質からなる
吸振部材が設けられている。
【0009】さらに、請求項3記載の発明では、前記請
求項1記載の回転体押圧部材は、モータ部の軸体に対し
て軸方向及び回転方向に摺動可能に装着されている。
【0010】さらにまた、請求項4記載の発明では、前
記請求項1記載の回転体押圧部材を回転体支持基台側に
吸着し、これら量部材を一体的に回転するように固定す
る磁気的吸引手段が設けられている。
【0011】一方、請求項5記載の発明では、前記請求
項2記載の吸振部材を構成する柔軟性物質は、前記被回
転体の共振周波数ωnに対応する応答振幅Mnを、装置
の許容限界振幅M0より低減させる高粘性係数C及び低
バネ係数Kを備えている。
【0012】また、請求項6記載の発明では、前記請求
項5記載の柔軟性物質が備える高粘性係数C及び低バネ
係数Kは、被回転体の質量をmとしたとき、装置の許容
限界振幅M0に対して、
【数2】 を満足する範囲に設定されている。
【0013】さらに、請求項7記載の発明では、前記請
求項5記載の柔軟性物質が備える高粘性係数C及び低バ
ネ係数Kは、加振側と応答側との相対位相角θを低回転
領域で反転させるように、前記請求項5記載の条件を満
たす範囲内において最小値に設定されている。
【0014】さらにまた、請求項8記載の発明では、前
記請求項2記載の柔軟性物質のバネ係数Kは、被回転体
の共振点における回転数Rnを、該被回転体の使用回転
数領域のうちの最低の回転数R0より低減させる(Rn
<R0)範囲に設定されている。
【0015】一方、請求項9記載の発明では、前記請求
項1記載の回転体押圧部材を、回転体支持基台に対して
進退させる嵌着作動機構と、前記被回転体の回転数又は
振動振幅が予め設定された基準値に達したときに、前記
回転体支持基台上の被回転体に回転体押圧部材を当接さ
せる作動信号を上記嵌着作動機構に対して出力する検出
手段と、が付設されている。
【0016】また、請求項10記載の発明では、被回転
体を回転体支持部材により軸方向両側から挟み込むよう
にして保持し、モータ部により前記被回転体を回転体支
持部材とともに回転駆動させるようにした回転体駆動装
置の製造方法において、上記前記回転体支持部材として
設けられた回転体支持基台上に、前記被回転体を半径方
向に移動可能に載置させる工程と、その回転体支持基台
上の被回転体を、該被回転体の重心を中心にして回転し
始めるまで回転数を上昇させる工程と、その後に、上記
被回転体を回転体押圧部材によって回転体支持基台側に
押さえ込んで固定させる工程と、を含む。
【0017】さらに、請求項11記載の発明では、被回
転体を回転体支持部材により軸方向両側から挟み込むよ
うにして保持し、モータ部により前記被回転体を回転体
支持部材とともに回転駆動させるようにした回転体装着
方法において、上記回転体支持部材として設けられた回
転体支持基台上に、前記被回転体を半径方向に移動可能
に載置させる工程と、その回転体支持基台上の被回転体
を、該被回転体の重心を中心にして回転し始めるまで回
転数を上昇させる工程と、その後に、上記被回転体を回
転体押圧部材によって回転体支持基台側に押さえ込んで
固定させる工程と、を含む。
【0018】このような請求項1記載の発明では、回転
体支持基台上に被回転体を半径方向に移動自由の状態で
載置しておき、その被回転体が自由移動可能な状態で回
転を開始して回転数を上昇させていくと、被回転体の固
有振動数以上の回転数となったときから、回転数に応じ
て発生する加振力の変化に被回転体が追従できなくなっ
ていき、被回転体が自らの重心位置を中心として回転し
ようとする力が顕著となってくる。このとき、上記被回
転体は、上述したように半径方向に自由移動することが
できるため、被回転体の重心が回転軸の回転中心と略一
致する位置まで被回転体の位置が変化する。これは、い
わゆる皿回しの原理と等価といえるものである。そし
て、その被回転体の重心が回転中心に一致した時点で、
回転体押圧部材によって被回転体を不動状態に強固に固
定することとすれば、以後、被回転体のバランスを高精
度にとった状態での回転駆動が継続されることとなる。
【0019】このとき、請求項2記載の発明のように、
柔軟性物質からなる吸振部材を介して被回転体を支持し
ておけば、回転を開始して共振点に至るまでの加振作用
が、吸振部材を構成している柔軟性物質によって緩和さ
れることとなり、被回転体に大きな自励現象を生じさせ
ることなく、安全かつ安定した回転駆動が行われるよう
になっている。
【0020】また、請求項3記載の発明のように、回転
体押圧部材を軸方向に摺動させるように構成しておけ
ば、回転体押圧部材による被回転体の固定が容易かつ確
実に行われる。
【0021】さらに、請求項4記載の発明のような磁気
的吸引手段を用いることとすれば、簡易な構成によって
回転体押圧部材を確実に保持することが可能となり、装
置の簡素化及び操作性の向上が図られる。
【0022】特に、吸振部材を構成する柔軟性物質が、
請求項5記載の発明のような高粘性係数Cを有していれ
ば、回転数が共振点となった場合であっても、被回転体
の振動振幅は、装置の許容限界振幅M0よりも低く抑え
られることとなり、装置の破壊が回避される。
【0023】また、請求項5又は6又は7記載の発明の
ような低バネ係数Kとなっていれば、被回転体の回転数
が共振周波数を早期に越えていくこととなって、安定し
た回転駆動状態へ迅速に移行される。
【0024】さらに、請求項8記載の発明のように、被
回転体の使用回転数領域が共振を生じる回転数より高い
領域に設定されていれば、安定した回転領域での駆動が
可能となり、常に良好な回転状態が得られる。
【0025】一方、請求項9記載の発明のように、回転
数又は振動数を検知することによって回転体押圧部材を
作動させるようにすれば、被回転体の固定が容易かつ確
実に行われる。
【0026】また、請求項10又は11記載の発明で
は、回転体支持基台上に被回転体を半径方向に移動自由
の状態で載置しておき、その被回転体が自由移動可能な
状態で回転を開始して回転数を上昇させていくと、被回
転体の固有振動数以上の回転数となったときから、回転
数に応じて発生する加振力の変化に被回転体が追従でき
なくなっていき、被回転体が自らの重心位置を中心とし
て回転しようとする力が顕著となってくる。このとき、
上記被回転体は、上述したように半径方向に自由移動す
ることができるため、被回転体の重心が回転軸の回転中
心と略一致する位置まで被回転体の位置が変化する。こ
れは、いわゆる皿回しの原理と等価といえるものであ
る。そして、その被回転体の重心が回転中心に一致した
時点で、回転体押圧部材によって被回転体を不動状態に
強固に固定することとすれば、被回転体のバランスを高
精度にとった状態で被回転体の組付け又は装着が行われ
ることとなる。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、CD−ROMやDVD等の
リムーバブルメディアディスク(以下、単にディスクと
いう。)を取り扱うメディア回転駆動装置に対して本発
明を適用した一実施形態について説明する。
【0028】まず、図1の下側に示されているモータ部
では、ベース1に対してネジ止め固定された中空円筒状
の軸受スリーブ2内に、数μm〜十数μmの隙間を隔て
て回転軸3が挿入されており、当該回転軸3の外周面に
形成された動圧面と、上記軸受スリーブ2の内周面側に
形成された動圧面とによりラジアル動圧軸受部R,Rが
構成されているとともに、上記回転軸3の図示下端面に
形成された動圧面と、前記軸受スリーブ2の図示下端開
口部を覆うように取り付けられたスラスト板4の動圧面
とによってスラスト動圧軸受部Sが構成されている。上
記ラジアル動圧軸受部R,R及びスラスト動圧軸受部S
には、図示を省略したスパイラル形状等の動圧発生用溝
が凹設されている。
【0029】さらに、上記軸受スリーブ2の外周部に
は、放射状突極を有するステータコア5が固着されてお
り、当該ステータコア5の各放射状突極に対して駆動コ
イル6が巻回されている。
【0030】一方、上記回転軸3の途中部分には、略カ
ップ状のロータ7に設けられた中心穴7aが嵌合固定さ
れており、回転軸3とともにロータ7が一体回転する構
成になされている。上記ロータ7の外周部に設けられた
環状フランジ部7bの内周壁面には、環状永久磁石8が
全周にわたって固定されており、この環状永久磁石8の
内周壁面が、上述したステータコア5の放射状突極の外
周壁面と半径方向に近接対向する配置関係になされてい
る。
【0031】さらに、上記モータ部における回転軸3の
図示上側先端部分には、ディスクMの保持装置10が配
置されている。このディスク保持装置10は、上述した
ロータ7の直上部分において前記回転軸3に嵌合固定さ
れた第1回転テーブル11と、この第1回転テーブル1
1上に半径方向に移動自在に装着された第2回転テーブ
ル12と、からなる回転体支持部材を備えている。これ
ら第1回転テーブル11及び第2回転テーブル12は、
回転体支持基台を構成するように円盤状部材から形成さ
れているが、そのうち第1回転テーブル11は、当該第
1回転テーブル11の中心ボス部11aが、上記回転軸
3に対して圧入、焼嵌又は接着等によって固着されてお
り、その第1回転テーブル11の図示上面側に、上記第
2回転テーブル12が半径方向に移動自在に載置されて
いる。なお、この第2回転テーブル12は、後述するよ
うに、回転駆動時においてはディスクMとともに被回転
体を構成する。
【0032】より具体的には、上記第1回転テーブル1
1の図示上面外周縁部に、環状溝部が全周に亘って凹設
されており、その環状溝内に、柔軟性物質からなる環状
吸振部材13が図示上方側に向かって所定量突出するよ
うに全周に取り付けられている。そして、その環状吸振
部材13の突出面(図示上面)上に上記第2回転テーブ
ル12が、所定以上の作用力で半径方向に自由移動可能
な保持状態で載置されている。上記環状吸振部材13の
柔軟性物質としては、各種振動低減材料を採用すること
が可能であるが、その柔軟性物質としては、後述するよ
うな特性を有するシリコンゴムその他の天然又は合成ゴ
ム、各種樹脂材等が採用される。
【0033】さらに、上記第2回転テーブル12の中心
部分には、比較的大径の穴部12aが貫通形成されてお
り、その穴部12a内に、上述した第1回転テーブル1
1の中心ボス部11aが所定の隙間をもって遊嵌状態で
挿入されている。そして、その隙間分にわたって上記第
2回転テーブル12は、第1回転テーブル11に対して
位置移動することができることとなる。なお、上記第1
回転テーブル11の中心ボス部11a内には、後述する
ディスク押え14を吸着固定させるための磁気的吸引手
段としての永久磁石15が、上記中心ボス部11aの上
端面に露出するように埋設されている。
【0034】上記第2回転テーブル12は、第1回転テ
ーブル11よりも大径を有する円盤状部材からなり、そ
の第2回転テーブル12の図示上面側に、ディスクMが
載置されるようになっている。この第2回転テーブル1
2の中心部分には、ディスクMの中心穴Maに嵌合する
取付台12aが軸方向に所定量突出するように形成され
ており、その取付台12aの外周面に形成されたテーパ
面に沿ってディスクMの中心穴Maが装着され、当該中
心穴Maに相当する位置で係止されることによって、デ
ィスクMが、上記第2回転テーブル12に対して半径方
向に不動状態に嵌合される。すなわち、これらディスク
Mと第2回転テーブル12とは、一体的に回転駆動され
ることから、回転時における被回転体を構成するもので
ある。
【0035】また、上記ディスクMの図示上方側には、
回転体押圧部材を構成するディスク押え14が、電磁石
からなるディスク押え嵌着作動機構16に対して吸着・
分離可能に配置されている。上記ディスク押え14は、
上記第2回転テーブル12と略同径の円盤状部材からな
り、前記回転軸3の図示上端部分に軸方向に摺動自在か
つ回転自在に装着されている。このディスク押え14の
図示下面外周縁部分には、環状溝部が全周に亘って凹設
されており、その環状溝内に、ゴム等の柔軟性物質から
なる環状吸振部材17が図示下方側に向かって所定量突
出するように全周に取り付けられている。そして、その
環状吸振部材17の突出面(図示下面)にディスクMが
当接可能となるように配置されている。
【0036】このとき、上記ディスク押え14が、図1
に示されているように、ディスク押え嵌着作動機構16
側に吸着されて上方位置に引き上げられた状態では、環
状吸振部材17がディスクM上に当接していても、その
環状吸振部材17を構成する柔軟性物質によってディス
クMは、半径方向に作用する所定の力で自由移動可能な
保持状態になされている。この環状吸振部材17の柔軟
性物質は、上述した環状吸振部材13と同様に、各種振
動低減材を採用可能であるが、その柔軟性物質としては
以下述べるような特性を有するシリコンゴムその他の天
然又は合成ゴム、各種樹脂材等が採用される。
【0037】すなわち、上述した吸振部材13,17を
構成している柔軟性物質は、以下のような条件を備えた
高粘性係数C、及び低バネ係数Kに設定されており、第
2回転テーブル12及びディスクMからなる被回転体P
の共振周波数ωn、及びその共振周波数ωnに対応する
振動振幅を安全領域まで低減させる機能を有している。
まず、上記被回転体Pの質量をmとしたとき、被回転体
Pの共振周波数ωnは、
【数3】 で表されるが、図2に示されているように、その共振周
波数ωnに対応して最大応答振幅Mnが生じることとな
る。
【0038】すなわち、図2は、上記被回転体Pの回転
数R(横軸)と振幅M(縦軸)との関係を、上記吸振部
材12を構成している柔軟性物質の粘性係数C及びバネ
係数Kをパラメータとして表したものであるが、本図中
の例えば曲線aで示されているように、共振点における
回転数Rnで発生する被回転体Pの共振周波数ωnに対
応して装置の最大応答振幅Mnが生じる。なお、このと
きの最大応答振幅Mnは、加振幅に対する比で表されて
いる。
【0039】一方、上記被回転体Pにおける加振側の振
幅に対する応答側の振幅Mは、
【数4】 と表される。ここで、
【数5】 である。
【0040】そして本発明では、上述した被回転体Pの
応答振幅Mが、装置に許容される限界振幅M0を越えな
いように設定している。すなわち、M≦M0の条件に対
して上式を導入すると、
【数6】 となるが、これを満足するように、上記吸振部材12を
構成している柔軟性物質は、高い粘性係数C、及び低い
バネ係数Kを備えるように選択されている。これによっ
て、例えば図2中の曲線bで示されているような特性曲
線に設定されることとなり、被回転体Pの共振周波数ω
nに対応する最大応答振幅Mnが、許容限界振幅M0を
下回るようになっている。なお、このときの許容限界振
幅M0も、加振幅に対する比である。
【0041】さらに、上述した被回転体Pの共振周波数
ωnを表す式から明らかなように、被回転体Pの共振周
波数ωnは、吸振部材12を構成する柔軟性物質のバネ
係数Kに比例して変動するものであるが、本実施形態に
おける吸振部材12の柔軟性物質のバネ係数Kは、共振
周波数ωnを低減させるようにできるだけ小さく設定さ
れている。例えば、上記被回転体Pの使用回転数領域
を、図2中のR0〜R1で示される範囲としたとき、本
実施形態における吸振部材12の柔軟性物質のバネ係数
Kは、共振点に対応する回転数Rnが、上記使用回転領
域のうちの最低使用回転数R0を下回るように設定され
ている。
【0042】また、図3は、粘性係数C及びバネ係数K
をパラメータとして、加振側と応答側との相対位相角θ
(縦軸)を、被回転体Pの回転数R(横軸)に対する関
係で表したものであるが、本図のように上記相対位相角
θは、前述した吸振部材12を構成する柔軟性物質の粘
性係数C及びバネ係数Kに対応して変動する。そして、
本実施形態では、これら粘性係数C及びバネ係数Kを、
前述した条件の範囲内においてできるだけ小さく設定す
ることによって、例えば図3中の曲線a又はbで示され
ているように、上記相対位相角θが共振点の近傍におい
て急激に反転するように設定されている。
【0043】再び図1に戻って、上記ディスク押え14
の中心部分には、所定の磁性材料かなる吸着部18が、
ディスク押え14の図示下面側に露出するように埋設さ
れており、この吸着部18が、前述した第1回転テーブ
ル11側の磁気的吸引手段としての永久磁石15に軸方
向に吸引されることによって、ディスク押え14と第1
回転テーブル11とが強固に固定される構成になされて
いる。
【0044】一方、上述したディスク押え嵌着作動機構
16は、装置本体枠19に取り付けられており、上記デ
ィスク押え14を回転自由の状態で軸方向に拘束する電
磁石連結機構を備えている。上述したように、本実施形
態における連結機構としては電磁石が用いられている
が、その他、公知の電気的又は機械的嵌合機構を種々採
用することも可能である。
【0045】そして、本実施形態では、上記ディスク押
え嵌着作動機構16への作動入力をオン側又はオフ側に
切り替えることによって、前記ディスク押え14を軸方
向に移動させ、前述したように当該ディスク押え嵌着作
動機構16に対して吸着・分離させ構成になされてい
る。
【0046】より具体的には、上記ディスク押え嵌着作
動機構16には、前記ベース1上に配置された回転数検
出器又は振動数検出器からなる検出手段Dからの出力信
号が印加されており、上記第2回転テーブル12及びデ
ィスクMからなる被回転体Pの回転数及び振動振幅が、
共振周波数に相当する所定の基準値を下回っているとき
には、上記ディスク押え嵌着作動機構16に対してオン
信号(吸着信号)が与えられて、当該ディスク押え嵌着
作動機構16が上記ディスク押え14を吸着するととも
に(図1参照)、上記第2回転テーブル12及びディス
クMからなる被被回転体Pの回転数又は振動振幅が、共
振周波数に相当する所定の基準値を越えた回転数となっ
たとき、または振幅が小さくなったときには、上述した
ディスク押え嵌着作動機構16に対してオフ信号(分離
信号)が与えられ、当該ディスク押え嵌着作動機構16
からディスク押え14が分離されてディスクMを押さえ
込むようになっている(図4参照)。
【0047】このような本実施形態にかかるメディア回
転駆動装置にディスクMをセットするには、まず、回転
体支持部材を構成する第1回転テーブル11に設けられ
た柔軟性物質からなる環状吸振部材13上に、第2回転
テーブル12を介してディスクMを載置するとともに、
上記ディスクMの図示上側表面に、回転体押圧部材を構
成するディスク押え14の環状吸振部材17を軽く当接
させる。
【0048】このとき、この回転停止時においては、上
記ディスク押え嵌着作動機構16に対して検出手段Dか
らオン信号(吸着信号)が与えられていることから、デ
ィスク押え14は、そのディスク押え嵌着作動機構16
に吸着され連結状態となっており、当該ディスク押え1
4の吸着部18は、第1回転テーブル11側の永久磁石
15から離間した状態に維持されている。そのため、デ
ィスク押え14は、ディスクMに対して当該ディスクM
が半径方向に自由移動可能な程度に軽い軸方向力で当接
しており、その軽い軸方向力によって第1回転テーブル
11とディスク押え14との間でディスクMが自由移動
可能に保持される。すなわち、このときのディスクM
は、直接的には柔軟性物質からなる環状吸振部材13,
17により支持されているのみであるので、上述した軽
い保持力とすることによって、半径方向に所定以上の力
が作用した際には、その作用方向に移動することができ
るようになっている。
【0049】一方、前述したように上記ディスクMに
は、さまざまな要因によって重心位置の偏心を生じる
が、その偏重心状態にかかわらず、上述したディスクM
が移動可能な軽保持状態でモータの回転を開始し、回転
軸3の回転数を徐々に上昇させていく。そのとき、ディ
スクMには、偏重心に基づく遠心力が作用することとな
るが、その遠心力に対して、環状吸振部材13,17の
柔軟性物質が備えた高粘性係数及び低バネ係数に基づく
抗力が釣り合う位置までディスクMを含む被回転体Pは
移動し、その移動が繰り返されることによる振動状態で
回転が継続することとなる。
【0050】この場合、仮に環状吸振部材13,17を
介在させていないか、又はその環状吸振部材13,17
の柔軟性物質が備える粘性係数が小さく設定されている
と、回転軸3の回転数上昇時にディスクMを含む被回転
体Pに自励現象を生じ、例えば図2中の符号a線のよう
な大きな振幅の共振を招来することとなる。
【0051】これに対して、上述した本発明の実施形態
においては、環状吸振部材13,17を構成している柔
軟性物質を、例えば図2中の符号b線を得る程度の高粘
性係数Cに設定しているため、回転を開始して回転軸3
の回転数を徐々に上昇させていった場合の加振作用が、
吸振部材12を構成している柔軟性物質の振動低減作用
によって緩和され、例えば図2中の曲線bのように、大
きな自励現象を生じることなく安全かつ安定した回転駆
動が行われるようになっている。しかも、その柔軟性物
質からなる吸振部材12によって共振点が低回転領域に
移行されているため、共振周波数を越えた低振幅の回転
領域に容易に至ることとなって、なく安全かつ安定した
回転駆動が行われる。
【0052】具体的には、本実施形態では、環状吸振部
材13,17を構成する柔軟性物質が高粘性係数Cを備
えていることによって、回転数が共振点に達した場合で
あっても被回転体Pの振動振幅Mが、常に装置の許容限
界振幅M0よりも低く抑えられるようにしているので、
装置の破壊を生じることが確実に回避される。
【0053】また本実施形態では、環状吸振部材13,
17を構成する柔軟性物質のバネ係数Kが低く設定され
ていることから、被回転体Pの回転数が共振周波数を早
期に越えていくこととなり、安定した回転駆動状態へ迅
速に移行されるようになっている。特に本実施形態で
は、環状吸振部材13,17を構成する柔軟性物質の粘
性係数Cをできるだけ小さく設定することによって、図
3中の曲線a又はbで示されているように相対位相角θ
を急反転するように設定していることから、より一層早
期に安定した回転駆動状態移行されるようになってい
る。
【0054】同様に、環状吸振部材13,17を構成す
る柔軟性物質のバネ係数Kが低く設定されていることに
よって、本実施形態における被回転体Pの使用回転数領
域R0〜R1が、共振を生じる回転数Rnより常に高く
設定されることから、常に安定した回転領域での駆動が
可能となり、一層良好な回転状態が得られるようになっ
ている。
【0055】そして、回転軸3の回転数が、ディスクM
及び第2回転テーブル12からなる被回転体Pの固有振
動数以上になると、その回転数に応じて発生する加振力
の変化に被回転体Pの振動が次第に追従できなくなって
いき、被回転体Pが、自らの重心位置を中心として回転
しようとする力が顕著となってくる。その結果、被回転
体Pの重心が回転軸3の回転中心と略一致する位置まで
ディスクMを含む被回転体Pが位置変化し、自動調心が
行われた状態で回転を継続する。これは、いわゆる皿回
しの原理と等価といえるものである。
【0056】このようにしてディスクMを含む被回転体
Pの重心が回転中心に一致した時点で、すなわち、上記
第2回転テーブル12及びディスクMからなる被回転体
Pの回転数又は振動振幅が、共振周波数に相当する基準
値を越えたとき、つまり回転数がそれ以上の目標回転数
となったとき、またはその時の振幅が所定値以下となっ
たときには、上記ディスク押え嵌着作動機構16に対し
てオフ信号(分離信号)が与えられて、図4に示されて
いるように、当該ディスク押え嵌着作動機構16からデ
ィスク押え14が切り離され、ディスク押え14の吸着
部18が第1回転テーブル11側の永久磁石15側に吸
着される。これによって、ディスクMは、第2回転テー
ブル12とともに第1回転テーブル11とディスク押え
14との間に強固に固定され不動状態になされる。これ
以後は、ディスクMのバランスを高精度にとった状態で
ディスクMの回転駆動が継続されることとなる。
【0057】このとき、上述したように回転体押圧部材
としてのディスク押え14は、ディスクMの重心が回転
中心に一致した時点で第1回転テーブル11側に移動さ
せて強固に押し付けるものであるから、本実施形態のよ
うに、ディスク押え14を回転軸3に対して移動自在に
設けておけば、ディスクセット時の操作性が向上される
こととなる。特に、本実施形態のように、ディスクMの
回転数又は振動数を検出手段Dにより検知することによ
って、ディスク押え14を作動させるようにすれば、デ
ィスクMの固定が容易かつ確実に行われる。
【0058】また、本実施形態のような磁気的吸引手段
としての永久磁石15を用いてディスクMの最終固定を
行わせるようにすれば、簡易な構成によってディスク押
え14を確実に保持することが可能となり、装置の簡素
化及び操作性の向上が図られる。
【0059】一方、図5及び図6に示されている実施形
態では、上述した図1にかかる実施形態に対応する構成
物に対しては同一の符号を付しているが、被回転体Cと
して、フライホイールやレーザービームプリンタのポリ
ゴンミラーを採用して回転体駆動装置を組み立てる製造
方法の実施形態を表している。すなわち、上述した図1
にかかる回転体駆動装置が、被回転体としてのディスク
Mを常に交換しつつ使用するものであるのに対して、図
5及び図6に示されている回転体駆動装置は、被回転体
Cを当初セットした状態で基本的には交換することなく
長期にわたって使用するものである点で相違している。
ただし、その製造工程では、既に説明した手順とほぼ同
様な手順を含む工程によって被回転体Cを組み付けるよ
うにしており、簡易な構成によって被回転体Cを高精度
に組み付けることができる。
【0060】より具体的には、上述した実施形態におけ
るディスク押え嵌着作動機構16を、本実施形態では組
立治具として構成しており、まず、図5に示されている
ように、回転体支持部材を構成する回転テーブル11及
びディスク押え14に設けられた柔軟性物質からなる環
状吸振部材13,17どうしの間に、被回転体Cを半径
方向に移動可能な程度の軽い力で挟むようにして支持す
る。次いで、偏重心状態のままに保持された被回転体C
を、モータによって回転させ、回転軸3の回転数を徐々
に上昇させていく。そのとき、被回転体Cには、偏重心
に基づく遠心力が作用することとなるが、その遠心力に
対して、環状吸振部材13,17の柔軟性物質が備えた
高粘性係数及び低バネ係数に基づく抗力が釣り合う位置
まで被回転体Cは移動し、その移動が繰り返されること
による振動状態で回転が継続することとなる。
【0061】この場合、仮に環状吸振部材13,17を
介在させていないか、又はその環状吸振部材13,17
の柔軟性物質が備える粘性係数が小さく又はバネ係数が
大きく設定されていると、図2及び図3に示されている
ように、回転軸3の回転数上昇時に被回転体Cに自励現
象を生じ、例えば図2中の符号a線のような大きな振幅
の共振を招来することとなる。
【0062】これに対して、上述した本発明の実施形態
においては、環状吸振部材13,17を構成している柔
軟性物質を、例えば図2中の符号b線を得る程度の高粘
性係数に設定しているため、回転を開始して回転軸3の
回転数を徐々に上昇させていった場合の加振作用が、吸
振部材12を構成している柔軟性物質の振動低減作用に
よって緩和され、例えば図2中の曲線bのように、大き
な自励現象を生じることなく安全かつ安定した回転駆動
が行われるようになっている。しかも、その柔軟性物質
からなる吸振部材12によって共振点が低回転領域に移
行されているため、共振周波数を越えた低振幅の回転領
域に容易に至ることとなって、なく安全かつ安定した回
転駆動が行われる。
【0063】そして、回転軸3の回転数が、被回転体C
の固有振動数以上になると、その回転数に応じて発生す
る加振力の変化に被回転体Cの振動が追従できなくなっ
ていき、被回転体Cが自らの重心位置を中心として回転
しようとする力が顕著となってくる。その結果、被回転
体Cの重心が回転軸3の回転中心と略一致する位置まで
被回転体Cは位置変化する。これは、いわゆる皿回しの
原理と等価といえるものである。
【0064】このようにして被回転体Cの重心が回転中
心に一致した時点で、すなわち、上記被回転体Cの回転
数又は振動数が、共振周波数に相当する基準値を越えた
ときには、上記ディスク押え嵌着作動機構16に対して
オフ信号(分離信号)が与えられて、図6に示されてい
るように、当該ディスク押え嵌着作動機構16からディ
スク押え14が切り離され、ディスク押え14の吸着部
18が回転テーブル11側の永久磁石15側に吸着され
る。これによって、被回転体Cは、回転テーブル11と
ディスク押え14との間に強固に固定され不動状態にな
され、接着剤やその他の機械的接合手段によって永久固
定される。これ以後は、ディスクMのバランスを高精度
にとった状態でディスクMの回転駆動が継続されること
となる。
【0065】このように、被回転体Cの回転数又は振動
数を検出手段Dにより検知することによって、ディスク
押え14を作動させるようにすれば、被回転体Cの組立
又は装着が容易かつ確実に行われる。
【0066】以上、本発明者によってなされた発明の実
施形態を具体的に説明したが、本発明は上記実施形態に
限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で
種々変形可能であるというのはいうまでもない。例え
ば、本発明を適用することができる被回転体は、上述し
た実施形態のようなメディアディスクやポリゴンミラー
等に限定されるものではなく、フライホイール等の他の
多種多様な被回転体を用いる場合であっても本発明は同
様に適用することができる。
【0067】また、本発明は、上述した実施形態のよう
な軸回転型の装置に限定されることはなく、軸固定型の
装置に対しても同様に適用することができるものであ
る。
【0068】
【発明の効果】以上述べたように請求項1記載の発明
は、被回転体を半径方向に移動可能に載置させる回転体
支持基台と、この回転体支持基台上の被回転体が該被回
転体の重心を中心にして回転し始めた後に被回転体を回
転体支持基台側に押さえ込んで固定させる回転体押圧部
材とを備えることによって、被回転体の重心が回転中心
に一致するまで被回転体を自らの作用で位置移動させた
後に、回転体押圧部材によって被回転体を不動状態に強
固に固定し、被回転体のバランスを高精度にとった状態
での回転駆動を継続させるように構成したものであるか
ら、簡易な構成で、極めて良好な振動修正機能を備える
ことができ、回転体駆動装置の信頼性を高めることがで
きる。
【0069】このとき、請求項2記載の発明は、柔軟性
物質からなる吸振部材を介して被回転体を支持すること
によって加振作用を緩和させ、被回転体に大きな自励現
象を生じさせることなく、安全かつ安定した回転駆動を
行わせるようにしたものであるから、上述した発明の効
果を更に向上させることができる。
【0070】また、請求項3記載の発明は、回転体押圧
部材を軸方向に摺動させるように構成することによっ
て、回転体押圧部材による被回転体の固定を容易かつ確
実に行わせるようにしたものであるから、上述した発明
の効果を更に向上させることができる。
【0071】さらに、請求項4記載の発明は、磁気的吸
引手段を用いることにより、簡易な構成によって回転体
押圧部材を確実に保持させるように構成したものである
から、上記効果に加えて、装置の簡素化及び操作性の向
上が図られる。
【0072】さらに、請求項5記載の発明は、吸振部材
を構成する柔軟性物質を高粘性係数Cに選定することに
よって、回転数が共振点となった場合であっても、被回
転体の振動振幅を許容限界振幅M0よりも低く抑えらる
ように構成したものであるから、装置の破壊を確実に回
避することができ、上述した発明の効果を一層確実にす
ることがができる。
【0073】また、請求項5又は6又は7記載の発明
は、吸振部材を構成する柔軟性物質を低バネ係数Kに選
定することによって、被回転体の回転数が共振周波数を
早期に越えていくようにしたものであるから、安定した
回転駆動状態へ迅速に移行させるこどか可能となり、上
述した発明の効果を一層確実にすることがができる。
【0074】さらに、請求項8記載の発明は、被回転体
の使用回転数領域を共振を生じる回転数より高い領域に
設定することによって、安定した回転領域での駆動を可
能としたものであるから、常に良好な回転状態を得るこ
とができ、上述した発明の効果を更に向上させることが
できる。
【0075】一方、請求項9記載の発明は、回転数又は
振動数を検知することによって回転体押圧部材を作動さ
せることによって、被回転体の固定を容易かつ確実に行
わせるように構成したものであるから、上述した発明の
効果を更に向上させることができる。
【0076】また、請求項10又は11記載の発明は、
回転体支持基台上に被回転体を半径方向に移動自由の状
態で載置しておき、回転開始後に回転数を上昇させて被
回転体の固有振動数以上の回転数となったときに、回転
体押圧部材によって被回転体を不動状態に強固に固定す
ることにより、被回転体のバランスを高精度にとった状
態で回転駆動装置を組み立てるように構成したものであ
るから、簡易な構成で、被回転体の組立時又は装着時に
おいて自動調心を極めて良好に行うことがで、回転体駆
動装置の組立又は被回転体の装着を容易かつ高精度に行
うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態にかかるメディアディスク
駆動装置の構造を表した横断面説明図である。
【図2】被回転体の回転数(横軸)と振動の振幅(縦
軸)との関係を吸振部材の粘性係数及びバネ係数をパラ
メータとして表した線図である。
【図3】被回転体の回転数(横軸)と振動の位相角(縦
軸)との関係を吸振部材の粘性係数及びバネ係数をパラ
メータとして表した線図である。
【図4】図1に表したメディアディスク駆動装置にディ
スクを固定した状態を示した横断面説明図である。
【図5】本発明の一実施形態にかかる回転体駆動装置の
一製造工程を表した横断面説明図である。
【図6】図5に表した回転体駆動装置に被回転体を固定
した工程を示した横断面説明図である。
【符号の説明】
M メディアディスク(被回転体) 11 第1回転テーブル(回転体支持基台) 12 第2回転テーブル(回転体支持基台、兼被回転
体) 13 環状吸振部材 14 ディスク押え(回転体押圧部材) 15 永久磁石(磁気的吸着手段) 16 ディスク押え支持機構 17 環状吸振部材 C 被回転体
フロントページの続き Fターム(参考) 5D109 DA05 DA14 5H019 AA00 CC00 CC04 CC09 DD01 EE01 EE14 FF01 FF03 5H621 BB07 GA01 GA04 HH01 JK08 JK13 JK19

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 モータ部と、このモータ部によって回転
    駆動される回転体支持部材と、該回転体支持部材により
    保持される被回転体と、を備えた回転体駆動装置におい
    て、 上記回転体支持部材は、前記被回転体を半径方向に移動
    可能に載置させる回転体支持基台と、この回転体支持基
    台上の被回転体が該被回転体の重心を中心にして回転し
    始めた後に上記被回転体を前記回転体支持基台側に押さ
    え込んで固定させる回転体押圧部材と、を備えているこ
    とを特徴とする回転体駆動装置。
  2. 【請求項2】 前記回転体支持基台における被回転体の
    載置面には、上記被回転体の振動を低減する柔軟性物質
    からなる吸振部材が設けられていることを特徴とする請
    求項1記載の回転体駆動装置。
  3. 【請求項3】 前記回転体押圧部材は、モータ部の軸体
    に対して軸方向及び回転方向に摺動可能に装着されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の回転体駆動装置。
  4. 【請求項4】 前記回転体押圧部材を回転体支持基台側
    に吸着し、これら量部材を一体的に回転するように固定
    する磁気的吸引手段が設けられていることを特徴とする
    請求項1記載の回転体駆動装置。
  5. 【請求項5】 前記吸振部材を構成する柔軟性物質は、
    前記被回転体の共振周波数ωnに対応する応答振幅Mn
    を、装置の許容限界振幅M0より低減させる高粘性係数
    C及び低バネ係数Kを備えていることを特徴とする請求
    項2記載の回転体駆動装置。
  6. 【請求項6】 前記柔軟性物質が備える高粘性係数C及
    び低バネ係数Kは、被回転体の質量をmとしたとき、装
    置の許容限界振幅M0に対して、 【数1】 を満足する範囲に設定されていることを特徴とする請求
    項5記載の回転体駆動装置。
  7. 【請求項7】 前記柔軟性物質が備える高粘性係数C及
    び低バネ係数Kは、加振側と応答側との相対位相角θを
    低回転領域で反転させるように、前記請求項5記載の条
    件を満たす範囲内において最小値に設定されていること
    を特徴とする請求項5記載の回転体駆動装置。
  8. 【請求項8】 前記柔軟性物質のバネ係数Kは、被回転
    体の共振点における回転数Rnを、該被回転体の使用回
    転数領域のうちの最低の回転数R0より低減させる(R
    n<R0)範囲に設定されていることを特徴とする請求
    項2記載の回転体駆動装置。
  9. 【請求項9】 前記回転体押圧部材を、回転体支持基台
    に対して進退させる嵌着作動機構と、 前記被被回転体の回転数又は振動振幅が予め設定された
    基準値に達したときに、前記回転体支持基台上の被回転
    体に回転体押圧部材を当接させる作動信号を上記嵌着作
    動機構に対して出力する検出手段と、が付設されている
    ことを特徴とする請求項1記載の回転体駆動装置。
  10. 【請求項10】 被回転体を回転体支持部材により軸方
    向両側から挟み込むようにして保持し、モータ部により
    前記被回転体を回転体支持部材とともに回転駆動させる
    ようにした回転体駆動装置の製造方法において、 上記前記回転体支持部材として設けられた回転体支持基
    台上に、前記被回転体を半径方向に移動可能に載置させ
    る工程と、 その回転体支持基台上の被回転体を、該被回転体の重心
    を中心にして回転し始めるまで回転数を上昇させる工程
    と、 その後に、上記被回転体を回転体押圧部材によって回転
    体支持基台側に押さえ込んで固定させる工程と、を含む
    ことを特徴とする回転体駆動装置の製造方法。
  11. 【請求項11】 被回転体を回転体支持部材により軸方
    向両側から挟み込むようにして保持し、モータ部によっ
    て前記被回転体を回転体支持部材とともに回転駆動させ
    るようにした回転体装着方法において、 上記回転体支持部材として設けられた回転体支持基台上
    に、前記被回転体を半径方向に移動可能に載置させる工
    程と、 その回転体支持基台上の被回転体を、該被回転体の重心
    を中心にして回転し始めるまで回転数を上昇させる工程
    と、 その後に、上記被回転体を回転体押圧部材によって回転
    体支持基台側に押さえ込んで固定させる工程と、を含む
    ことを特徴とする回転体装着方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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