JP2000132252A - 無効電力補償装置 - Google Patents

無効電力補償装置

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JP2000132252A JP10301135A JP30113598A JP2000132252A JP 2000132252 A JP2000132252 A JP 2000132252A JP 10301135 A JP10301135 A JP 10301135A JP 30113598 A JP30113598 A JP 30113598A JP 2000132252 A JP2000132252 A JP 2000132252A
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秀樹 吉武
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用
変圧器を必要とせず、低コスト化を図りながら設置時の
高電圧配線という危険な作業工数を低減できる無効電力
補償装置を提供する。 【解決手段】電力系統3の無効電力発生回路2と、電力
系統3の電圧検出部11と、実効値演算部15と、設定
電圧記憶部12と、実効値演算部15の出力を入力し電
力系統3の電圧が設定電圧になるように無効電力発生回
路2を制御する電圧一定制御部13とを備え、電圧検出
部11は3巻線トランス4を用い、その1次巻線を電力
系統3に接続し、2次巻線を無効電力発生回路2に接続
し、3次巻線から電力系統3の電圧を変圧して出力す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、電力系統に接続
する無効電力補償装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】大容量モータ等が接続されている電力系
統においては、大容量モータの起動時等に大きな電圧変
動が生じる。
【0003】このような大容量で急変な負荷変動による
電圧変動を抑制するのに有効な装置の一つが静止形無効
電力補償装置であり、系統電圧が低下している場合には
進み無効電力負荷として動作し、また、系統電圧が上昇
している場合には遅れ無効電力負荷として動作して系統
の電圧変動を補償するものである。
【0004】以下に従来の静止形無効電力補償装置(S
VC)について説明する。図12は従来の静止形無効電
力補償装置を示すものである。2は無効電力制御回路で
ある無効電力発生回路、3は電力系統、1は制御装置、
5は電圧計測用変圧器、6は無効電力発生回路用トラン
ス、22は第1のリアクトル、23は第2のリアクト
ル、24は位相制御スイッチ手段、25はコンデンサ、
11は電圧検出部、15は実効値演算部、12は設定電
圧記憶部、13は電圧一定制御部である。
【0005】以上のように構成された従来の静止形無効
電力補償装置について、以下その動作について説明す
る。まず、無効電力負荷として動作する無効電力発生回
路2は電力系統3と無効電力発生回路用トランス6を介
して低圧側に接続されている。電圧計測用変圧器5に印
加された電力系統3の系統電圧に対応した電圧実効値を
電圧検出部11及び実効値演算部15で検出し、系統電
圧が低下した場合は、電圧一定制御部13により無効電
力発生回路2の位相制御スイッチ手段24を制御して、
進み無効電力負荷として動作し、逆に電圧が上昇した場
合には、遅れ無効電力負荷として動作して系統電圧が設
定電圧記憶部12の設定電圧を維持するように電圧一定
制御を行う。具体的には、電圧計測用変圧器5の出力は
電圧検出部11を通して電圧時間波形に変換後、実効値
演算部15に入力され系統電圧値に変換され、その出力
は電圧一定制御部13に入力し電力系統3の電圧が設定
電圧になるように無効電力発生回路2を制御する。具体
的には実効値演算部15の出力が設定電圧記憶部12の
電圧設定値と比較され、その差分が電圧一定制御部13
に入力される。電圧一定制御部13では電圧差分値が0
になるように位相制御スイッチ手段24を制御して無効
電力制御を行う。
【0006】このようにして無効電力を電力系統に供給
することにより、電力系統3の系統電圧の変動を抑制す
ることができる。
【0007】以上のように、静止形無効電力補償装置に
よって電力系統3の電圧を一定にするためには電力系統
3の電圧を検出することが不可欠であり、高電圧対応の
電圧計測用変圧器5をトランス6の一次側に接続する必
要があった。通常この電圧計測用変圧器自身が高価であ
るとともに高電圧のかかる一次側に絶縁設計が必要なた
め無効電力補償装置のコスト低減のネックとなってい
た。また、電圧計測用変圧器5を外付けの場合、無効電
力補償装置を電力系統3に設置するときに電圧計測用変
圧器5を高電圧線に接続する作業が発生し危険を伴って
いた。
【0008】以上、静止形無効電力補償装置について述
べたが、他の自励式無効電力補償装置(SVG)や段階
的な電圧制御を行う機器、たとえば単体或いは複数のコ
ンデンサとスイッチ素子で電圧制御を行う装置や、単体
或いは複数のリアクトルとスイッチ素子で電圧制御を行
う装置などでも同様な問題が発生する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】従来の技術で説明した
ように、無効電力補償装置によって電力系統の電圧を一
定にするためには電力系統の電圧を検出することが不可
欠であり、高電圧対応の電圧計測用変圧器を電力系統に
接続する必要がある。通常この電圧計測用変圧器自身が
高価であるとともに高電圧のかかる一次側に絶縁設計が
必要なため無効電力補償装置のコスト低減及び小型化の
課題となっていた。また、電圧計測用変圧器を外付けの
場合、無効電力補償装置を電力系統に設置するときには
電圧計測用変圧器を高電圧線に接続する作業が発生し危
険を伴う問題点があった。
【0010】この発明は、上記従来の問題点を解決する
もので、電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用
変圧器を必要としない無効電力補償装置を提供し、低コ
スト化を図りながら設置時の高電圧配線という危険な作
業工数を低減できる無効電力補償装置を提供することを
目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の無効電力
補償装置は、電力系統に接続されて無効電力発生量を制
御する無効電力制御回路と、前記電力系統の電圧を検出
する電圧検出部と、前記電圧検出部の出力より前記電力
系統の電圧実効値を演算する実効値演算部と、設定電圧
を記憶し前記設定電圧を変更可能な設定電圧記憶部と、
前記実効値演算部の出力を入力し前記電力系統の電圧が
前記設定電圧になるように前記無効電力制御回路を制御
する電圧一定制御部とを備え、前記電圧検出部は3巻線
トランスを用い、その1次巻線を電力系統に接続し、2
次巻線を前記無効電力制御回路に接続し、3次巻線から
前記電力系統の電圧を変圧して出力するものである。
【0012】請求項1記載の無効電力補償装置によれ
ば、3巻線トランスを用いることにより、電力系統上の
設置点電圧を計測する電圧計測用変圧器を使用せずに電
力系統の電圧を制御することができ、低コスト化をはか
りながら設置時の高電圧配線という危険な作業工数を低
減できる無効電力補償装置を提供することができる。
【0013】請求項2記載の無効電力補償装置は、電力
系統に接続されて無効電力発生量を制御する無効電力制
御回路と、電力系統の電圧を検出する電圧検出部と、無
効電力制御回路の無効電流を検出する電流検出部と、設
定電圧を記憶し設定電圧を変更可能な設定電圧記憶部
と、電圧検出部の出力および電流検出部の出力より電力
系統の電圧予測値を演算する検出電圧予測部と、この検
出電圧予測部の出力する電圧予測値を入力し電力系統の
電圧が設定電圧になるように無効電力制御回路を制御す
る電圧一定制御部とを備え、電圧検出部は、電力系統に
接続した1次巻線と、無効電力制御回路に接続した2次
巻線と、電力系統の電圧を変圧して出力する3次巻線か
らなる3巻線トランスを用いたものである。
【0014】請求項2記載の無効電力補償装置によれ
ば、電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用変圧
器を使用せずに電力系統の電圧を制御することができ、
低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線という危
険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供する
ことができる。
【0015】また、その際に問題となる電力系統の電圧
を計測するための3巻線トランスの3次側出力電圧がト
ランスの通過電流に依存して変動する場合にもその電圧
変動分を補正することで正確な電力系統上の電圧を予測
することができる。すなわち、無効電力補償装置の無効
電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で
正確に制御することができる。
【0016】請求項3記載の無効電力補償装置は、請求
項2において、検出電圧予測部が、電圧検出部の出力に
より電圧実効値を演算する電圧実効値演算部と、電流検
出部の出力より電流実効値を演算する電流実効値演算部
と、電流検出部の出力および電圧検出部の出力の電圧電
流位相差を演算する電圧電流位相差演算部の少なくとも
1つ以上からなる第1の演算手段と、電圧実効値演算部
の出力と電流実効値演算部の出力と電圧電流位相差演算
部の出力を補正して電力系統の電圧予測値を出力する補
正手段を備えたものである。
【0017】請求項3記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項2と同様な効果のほか、請求項2における検
出電圧予測部の演算処理過程を第1の演算手段と補正手
段に独立分離化できるため、システム構成の目標に合わ
せて検出電圧の補正方式を演算処理部単位で入れ替えが
容易となる。例えば、検出電圧予測部をハードウェアで
実現する場合に第1の演算手段と補正手段間の信号線仕
様を定めて補正手段を単純に入替えるだけで、補正手段
を目標の処理速度や処理精度に変更することが自由にで
きる。
【0018】すなわち、無効電力補償装置の無効電力出
力量に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で正確に
制御することができると同時に、制御処理の高速化や高
精度化への変更を低コストで実現できる無効電力補償装
置を提供することができる。
【0019】請求項4記載の無効電力補償装置は、請求
項3において、第1の演算手段が、電圧検出部の出力よ
り検出電圧実効値を演算する検出電圧実効値演算部と、
電流検出部の出力及び電圧検出部の出力より有効電流値
を演算する有効電流演算手段と、電流検出部の出力及び
電圧検出部の出力より遅れ無効電流であるか進み無効電
流であるかを考慮した無効電流値を演算する無効電流演
算手段を備えたものである。
【0020】請求項4記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、請求項2に記載の3
巻線トランス3次側出力電圧のトランスの通過電流に依
存した電圧変動分を補正することができ、無効電力補償
装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の
設定電圧で正確に制御することができる。またその際に
通過電流中の有効電流成分も考慮した高精度な補正演算
をすることができる。また、無効電力補償装置以外の発
電装置など電力供給装置にも一般的に適用することがで
きる。
【0021】請求項5記載の無効電力補償装置は、請求
項3において、第1の演算手段が、電圧検出部の出力を
入力し検出電圧実効値を出力する検出電圧実効値演算部
と、電流検出部の出力を入力し検出電流実効値を出力す
る検出電流実効値演算手段と、電流検出部の出力及び電
圧検出部の出力を入力し無効電力発生回路が発生してい
る無効電流が進みまたは遅れのどちらであるかという進
み遅れ判定結果を出力する電流位相判定手段を備えたも
のである。
【0022】請求項5記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、通常の無効電力補償
装置のように3巻線トランスの通過電流中の有効電流成
分が少ない場合、演算処理を飛躍的に軽減しながら、請
求項2に記載の3巻線トランス3次側出力電圧のトラン
スの通過電流に依存した電圧変動分を補正することがで
き、無効電力補償装置の無効電力出力量に関係なく常に
電力系統を目標の設定電圧で正確に制御することができ
る。
【0023】請求項6記載の無効電力補償装置は、請求
項3において、第1の演算手段が、電圧検出部の出力を
入力し検出電圧実効値を出力する検出電圧実効値演算部
と、電流検出部の出力を入力し検出電流実効値を出力す
る検出電流実効値演算手段と、電流検出部の出力及び電
圧検出部の出力を入力し、その電圧電流位相差を出力す
る電圧電流位相差演算手段を備えたものである。
【0024】請求項6記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、第1の演算手段にお
いて、有効電流及び無効電流を演算せずに請求項2に記
載の3巻線トランス3次側出力電圧のトランスの通過電
流に依存した電圧変動分を補正することができ、無効電
力補償装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を
目標の設定電圧で正確に制御することができる。また、
特定の条件下、例えば3巻線トランスを通過する電流の
力率がほぼ一定である場合や、電流中の有効電流成分が
少ない場合において第1の演算手段での演算負担を大幅
に軽減することができる。
【0025】請求項7記載の無効電力補償装置は、請求
項3において、第1の演算手段が、電圧検出部の出力を
入力し検出電圧実効値を出力する検出電圧実効値演算部
と、電流検出部の出力を入力し検出電流実効値を出力す
る検出電流実効値演算手段と、電流検出部の出力及び電
圧検出部の出力を入力し、その無効電力値に遅れ無効電
力であるか進み無効電力であるの情報を符号として加え
た符号付無効電力値を出力する符号付無効電力演算手段
と、3巻線トランスを通過する有効電流値を記憶する有
効電流記憶部と、検出電流実効値、符号付無効電力値、
及び有効電流値を入力し無効電流値に遅れ無効電流であ
るか進み無効電流であるかの情報を符号として加えた符
号付無効電流値を出力する符号付無効電流演算部を備え
たものである。
【0026】請求項7記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、請求項4における有
効電流及び無効電流を演算する一般的な演算手段に比べ
て特定の条件下例えば3巻線トランスを通過する有効電
流がほぼ一定である場合や、特に電流中の有効電流成分
が少ない場合において、検出電圧補正部での演算負担を
大幅に軽減することができる。また、無効電力計測装置
などの一般的な機器類を処理過程に利用することができ
る。
【0027】請求項8記載の無効電力補償装置は、請求
項3において、補正手段が、3巻線トランスの通過電流
により発生する3巻線トランスの3次側検出電圧の変化
値をモデル化した際に電力系統の予測電圧演算式中に定
数として現れる定数パラメータを設定保持する第1の電
圧補正データ記憶部と、第1の演算手段より出力される
変数値の組合せ及び定数パラメータを入力し、予測電圧
演算式にあてはめることで電力系統の電圧予測値を出力
する第1の電圧補正手段を備えたものである。
【0028】請求項8記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、3巻線トランスの通
過電流により発生する3巻線トランスの3次側検出電圧
の変化値をモデル化した際の電力系統の予測電圧演算式
と3巻線トランスのインピーダンス設計値から電力系統
の直接的な電圧予測が可能となる。また、特定の条件下
での予測電圧演算式の近似式を作成し適用することで目
的とする精度に合わせた電圧予測を理論的に無駄無く高
速に演算可能である。また、3巻トランスを他の特性を
持つものに変更した場合にも、インピーダンス設計値を
設定し直すだけで対処可能となる。
【0029】請求項9記載の無効電力補償装置は、請求
項3において、補正手段が、第1の演算手段より出力さ
れる変数値の組合せを変数とした3巻線トランス3次側
の出力電圧変化値を出力電圧変化値テーブルとして保持
する第2の電圧補正データ記憶部と、第1の演算手段よ
り出力される変数値の組合せ及び出力電圧変化値テーブ
ルを入力し3巻線トランスの通過電流により発生する3
巻線トランス3次側の出力電圧変化分を補正し電力系統
の電圧予測値を出力する第4の電圧補正手段を備えたも
のである。
【0030】請求項9記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、第1の演算手段より
出力される3巻線トランスを通過する電圧電流情報であ
る変数値の組合せ値を変数とする3巻線トランス3次側
の出力電圧変化値テーブルを保持するだけで、3巻線ト
ランスの通過電流が大きくなった場合など、トランスの
インピーダンス降下に線形性が失われてそのインピーダ
ンス降下を簡単な数式では表現できない場合、高速かつ
容易に、請求項2に記載の3巻線トランス3次側出力電
圧のトランスの通過電流に依存した電圧変動分を補正す
ることができ、無効電力補償装置の無効電力出力量に関
係なく常に電力系統を目標の設定電圧で正確に制御する
ことができる。また、実測値をテーブルとして保持した
場合には上記に加えて3巻線トランスの設計値からのず
れを容易に吸収できる。
【0031】請求項10記載の無効電力補償装置は、請
求項3において、補正手段が、補正手段は、第1の演算
手段より出力される変数値の組合せに対する3巻線トラ
ンスの3次側出力電圧及び電力系統の電圧を実測して決
定した、第1の演算手段より出力される1組の変数値か
ら電力系統の予測電圧を算出する多項式関数の係数群を
保持する第3の電圧補正データ記憶部と、第1の演算手
段より出力される変数値の組合せ及び多項式関数の係数
群とを入力し多項式関数にあてはめることで電力系統の
電圧予測値を出力する第5の電圧補正手段を備えたもの
である。
【0032】請求項10記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、3巻線トランスの通
過電流が存在する時の3巻線トランスの3次側出力電圧
から電力系統の電圧を予測する予測電圧演算式が理論的
に導き出せない場合や、理論モデルより導き出された予
測電圧演算式が実際と合わない場合や、実機の設計値か
らのずれが発生している場合などに、必要な精度に合わ
せて電力系統の電圧予測が可能となり、無効電力補償装
置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の設
定電圧で正確に制御することができる。また、テーブル
方式などで必要な補間処理を行わなくても連続的に電力
系統の電圧予測が可能となる。
【0033】請求項11記載の無効電力補償装置は、無
効電力発生量を制御できる無効電力制御回路と、1次巻
線を電力系統に接続し、2次巻線を無効電力制御回路に
接続し、3次巻線で電力系統の電圧を変圧出力する3巻
線トランスと、この3巻線トランスの1次側または2次
側に設置された変流器と、3巻線トランスのインピーダ
ンス特性を模擬する等価抵抗及び等価リアクタンスで構
成され変流器の出力を入力することで回路両端間にイン
ピーダンス降下電圧を発生するインピーダンス降下検出
回路と、インピーダンス降下電圧を入力し3巻線トラン
スのインピーダンス降下電圧を出力する検出部と、3巻
線トランスの3次側出力電圧とインピーダンス降下電圧
とを入力してベクトル合成電圧を出力する電圧加算部
と、ベクトル合成電圧を入力する電圧検出部と、電圧検
出部の出力を入力し電力系統の電圧実効値を出力する実
効値演算部と、設定電圧を記憶し設定電圧を変更可能な
設定電圧記憶部と、実効値演算部の出力を入力し電力系
統の電圧が設定電圧になるように無効電力制御回路を制
御する電圧一定制御部とを備えたものである。
【0034】請求項11記載の無効電力補償装置によれ
ば、電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用変圧
器を使用せずに電力系統の電圧を制御することができ、
低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線という危
険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供する
ことができる。
【0035】また、その際に問題となる電力系統の電圧
を計測するための3巻線トランスの3次側出力電圧がト
ランスの通過電流に依存して変動する場合にもその電圧
変動分を補正することで正確な電力系統上の電圧を予測
することができる。すなわち、無効電力補償装置の無効
電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で
正確に制御することができる。
【0036】また、3巻線トランスの通過電流によるイ
ンピーダンス降下をアナログ回路的に模擬し、3巻線ト
ランスの3次側計測電圧をベクトル的に補正している
為、請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、請求項
7、請求項9、請求項10で不可欠な検出電圧補正部で
の数値演算処理を不要としながら、3巻線トランスの通
過電流中に有効電流成分及び無効電流成分が任意に含ま
れていても高速かつ正確に計測電圧の補正処理を行うこ
とができる。
【0037】さらに、本請求項の方式は、従来の制御装
置にインピーダンス降下検出回路と、検出部と、電圧加
算部のみを追加するだけでその他の変更無しに電圧計測
用変圧器を無くすことができる。
【0038】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)この発明の
第1の実施の形態を図1に基づいて説明する。図1はこ
の発明の第1の実施の形態を示し、これは請求項1から
請求項10に対応するものである。
【0039】図1において、1は制御装置、2は無効電
力制御回路である無効電力発生回路、3は電力系統、1
1は電圧検出部、15は実効値演算部、12は設定電圧
記憶部、13は電圧一定制御部であり、以上は従来の構
成と同様なものである。また無効電力発生回路2の構成
も従来例と同じであり、同じ要素に同一符号を付してい
る。従来の構成と異なるのは、無効電力発生回路用2巻
線トランス6の代わりに3巻線トランス4を使用し、従
来の電圧計測用変圧器5を無くしたことである。
【0040】すなわち、3巻線トランス4は電力系統3
と無効電力発生回路2とを接続するとともに電力系統3
の電圧を変圧して電圧検出部11に出力している。この
実施の形態では、3巻線トランス4の1次側を電力系統
に、2次側を無効電力発生回路2に、3次側を電圧検出
部11にそれぞれ接続しているが、2次側と3次側は呼
び方の違いにより入れ替え可能である。無効電力発生回
路2は、3巻線トランス4の2次側に接続されて無効電
力発生量を制御するもので、実施の形態ではコンデンサ
25とリアクトル22,23と半導体スイッチ手段であ
る位相制御スイッチ手段24とからなる。電圧検出部1
1は、電力系統3の電圧を検出するもので、電力系統3
の電圧を変圧する3巻線トランス4の3次側出力を入力
している。設定電圧記憶部12は設定電圧を記憶し設定
電圧を変更可能なものである。実効値演算部15は、電
圧検出部11が出力する電圧時間波形を入力し、その実
効値を出力する。電圧一定制御部13は、実効値演算部
15の出力を入力し電力系統3の電圧が設定電圧になる
ように位相制御スイッチ手段24を制御する。
【0041】上記のように構成された第1の実施の形態
では、静止形無効電力補償装置(SVC)は、3巻線ト
ランス4の3次側に変圧出力される電力系統電圧を電圧
検出部11及び実効値演算部15で実効値検出し、設定
電圧記憶部12の設定電圧を基準値として電圧一定制御
部13で電圧一定制御を行う。これにより、従来でも必
要であった無効電力発生回路用トランスを3巻線トラン
ス6に置き換えるだけで、従来では不可欠であった電力
系統3の電圧計測用の変圧器が不要となる。すなわち、
低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線という危
険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供する
ことができる。
【0042】(第2の実施の形態)この発明の第2の実
施の形態を図2、図3、図4、及び図5に基づいて説明
する。図2及び図3はこの発明の第2の実施の形態を示
し、これは請求項2、請求項3、請求項4、及び請求項
8に対応するものである。図2において、7は制御装
置、2は無効電力発生回路、3は電力系統、11は電圧
検出部、12は設定電圧記憶部、13は電圧一定制御
部、以上は従来の構成と同様なものである。また無効電
力発生回路2の構成は従来例と同じであり、同じ要素に
同一符号を付している。従来の構成と異なるのは、無効
電力発生回路用の2巻線トランス6の代わりに3巻線ト
ランス4を使用し、従来の電圧計測用変圧器5を無くし
たこと、並びに変流器8と、電流検出部14と、検出電
圧予測部である検出電圧補正部75とを追加したことで
ある。また、図3において、75は検出電圧補正部、9
0は第1の演算手段、91は補正手段、76は電流検出
部14の出力に含まれる電流実効値情報および電流検出
部14と電圧検出部11の両出力から演算される電圧電
流位相差情報をもとに有効電流値を演算する有効電流演
算手段、77は検出電圧実効値演算部、78は第1の電
圧補正データ記憶部、80は電流検出部14の出力に含
まれる電流実効値情報および電流検出部14と電圧検出
部11の両出力から演算される電圧電流位相差情報をも
とに進みまたは遅れの符号情報を付加した無効電流値を
演算する符号付無効電流演算手段、79は第1の電圧補
正手段である。
【0043】すなわち、3巻線トランス4は電力系統3
と無効電力発生回路2とを接続するとともに電力系統3
の電圧を変圧して電圧検出部11に出力している。この
実施の形態では、3巻線トランス4の1次側を電力系統
3に、2次側を無効電力発生回路2に、3次側を電圧検
出部11にそれぞれ接続しているが2次側と3次側は呼
び方の違いにより入れ替え可能である。無効電力発生回
路2は、3巻線トランス4の2次側に接続されて無効電
力発生量を制御するもので、実施の形態ではコンデンサ
25とリアクトル22,23と半導体スイッチ手段であ
る位相制御スイッチ手段24とからなる。電圧検出部1
1は、電力系統3の電圧を検出するもので、電力系統3
の電圧を変圧する3巻線トランス4の3次側出力を入力
している。電流検出部14は無効電力発生回路2の入力
電流を検出するもので変流器8の出力を入力している。
検出電圧補正部75は3巻線トランス4を通過する電流
による3巻線トランス4の3次側出力の電圧変化を補正
するもので、電流検出部14の出力及び電圧検出部11
の出力を入力し、電力系統3の正確な予測電圧値を出力
している。検出電圧実効値演算部77は、電圧検出部1
1が出力する電圧時間波形を入力し、その実効値V1
出力する。有効電流演算手段76は、電圧検出部11が
出力する電圧時間波形及び電流検出部14が出力する電
流時間波形を入力して両時間波形より有効電流値Ipを
出力する。符号付無効電流演算手段80は、電圧検出部
11が出力する電圧時間波形及び電流検出部14が出力
する電流時間波形を入力して両時間波形よりその無効電
流値に遅れ無効電流であるか進み無効電流であるかの情
報を符号として加えた符号付無効電流値Iqを出力す
る。第1の電圧補正データ記憶部78は、3巻線トラン
ス4の通過電流により発生する3巻線トランス4の3次
側検出電圧の変化値をモデル化した際に電力系統3の予
測電圧演算式中に定数として現れる定数パラメータを設
定保持する。第1の電圧補正手段79は、第1の演算手
段90より出力される変数値(Ip,Iq,V1 )の組
合せ及び第1の電圧補正データ記憶部78に保持された
定数パラメータを入力し、電力系統3の予測電圧値を出
力する。設定電圧記憶部12は設定電圧を記憶し設定電
圧を変更可能なものである。電圧一定制御部13は、検
出電圧補正部75の出力を入力し電力系統3の電圧が設
定電圧になるように位相制御スイッチ手段24を制御す
る。
【0044】すなわち、無効電力発生回路2に入力され
る電流が3巻線トランス4に流れることにより発生する
電圧検出部11での電圧計測誤差を検出電圧補正部75
で補正することで、電力系統3の正確な電圧値を予測
し、電力系統3を常に設定電圧記憶部12に設定された
電圧に制御する。
【0045】図4に検出電圧補正部75の処理原理を示
す。図4は、3巻線トランス4の1次側に電力系統3を
接続し、同様に無効電力発生回路2を2次側に、同様に
電圧検出部11を3次側に接続した場合を示す。また、
3巻線トランス4は理想トランス要素41及び等価イン
ピーダンス42で表現している。等価インピーダンス4
2は等価抵抗R(43)と等価リアクタンスX(44)
とから構成される。3巻線トランス4の1次側に電圧V
T (47)が加えられ、無効電力発生回路2への入力電
流I2 (46)が発生している時、3巻線トランス4の
1次側の通過電流がI(3巻線トランス4を通過する皮
相電流:45)であり、理想トランス41の1次側電圧
をV1 (49)とする。この時、1次側電圧V1 (4
9)のトランス3次側出力電圧V3 (48)を電圧検出
部11に入力している。3巻線トランス4の3次側電流
は電圧検出部11で消費されるだけなのでほぼ0であ
り、V 1 =aV3 で表されるので(aは3巻線トランス
1次側/3次側巻線比)、V3(48)でV1 (49)
を正確に測定可能である。この場合、電力系統3の電圧
T (47)を3巻線トランス3次側での計測電圧V1
で表現すると、予測電圧演算式すなわち電圧補正式は、
式又は式となる。
【0046】 VT ={(V1 cosφ+RI)2+( −V1 sinφ+XI)21/2 … VT ={V1 2 +(R2 +X2)(Ip2 +Iq2)+2V1 (IpR−IqX)}1/2 … VT ≒ V1 +RIp −XIq … φは理想トランス41の1次側電圧V1(49)と1次
側通過電流I(45)との力率角度(符号は進み側を正
とする)、IpはIの有効電流、IqはIの符号(進み
を正とする)付無効電流とする。また、電力系統3の電
圧が十分大きい場合は、式のように近似できる。すな
わち、3巻線トランス4の等価インピーダンス値42を
定数とし、3巻線トランス4の1次側通過電流I(4
5)、電圧検出部11により計測した3巻線トランス4
の1次側電圧V1 (49)及びI(45)とV1 (4
9)との位相角を変数として、電力系統3の電圧V
T (47)を正確に演算することができる。図5は3巻
線トランス出力電圧降下の通過電流特性(出力電圧降下
率(%))、すなわち3巻線トランス4の通過電流が変
動した場合の3巻線トランス4の1次側電圧V1(4
9)と電力系統3との電圧差グラフを示す(通過電流の
力率はほぼ0の状態とする)。
【0047】上記のように構成された静止形無効電力補
償装置について、以下その動作を説明する。すなわち、
この第2の実施の形態でも従来例と同じように設定電圧
記憶部12の設定電圧を基準値として、電圧一定制御部
13で電圧一定制御を常時行う。それに加えて第2の実
施の形態では、無効電力発生回路用2巻線トランス6の
代わりに3巻線トランス4を使用し、その3次側出力電
圧を電圧検出部11にてレベル変換し、電圧時間波形を
計測すると同時に電流検出部14にて変流器8により検
出した3巻線トランス4の1次側通過電流を電圧変換し
た電流時間波形を検出する。そして、検出電圧補正部7
5の有効電流演算手段76で上記の電圧時間波形及び電
流時間波形からその有効電流成分Ipを演算し、同様に
符号付無効電流演算手段80で電圧時間波形及び電流時
間波形から、無効電流成分Iqを演算すると同時にその
無効電流が遅れ無効電流であるか進み無効電流であるか
を判定し、進みであれば正符号の無効電流値を出力し、
反対に遅れであれば負符号の無効電流値を出力する。ま
た、検出電圧補正部75の検出電圧実効値演算部77で
上記の電圧時間波形から3巻線トランス4の1次側電圧
1 (49)を演算する。そして、3巻線トランス4の
3次側検出電圧の降下をモデル化した際に電圧補正式
(式、式、式など)中に定数として現れる定数パ
ラメータ(図4の例では3巻線トランス4の等価インピ
ーダンスの抵抗成分R及びリアクタンス成分X)を第1
の電圧補正データ記憶部78に予め設定保持しておき、
第1の電圧補正手段79において、上記の定数パラメー
タと、電圧補正式(式、式、式など)に含まれる
変数(図3の例では有効電流成分Ip、無効電流成分I
q及び3巻線トランス4の1次側電圧V1 )からモデル
の電圧補正式(図3の例では式)に基づいて電力系統
3の電圧VT (47)を演算するという特徴がある。
【0048】これにより、電力系統3の電圧を計測する
ための3巻線トランス4の3次側出力電圧がトランス4
の通過電流に依存して変動する場合にもその電圧変動分
を補正することで正確な電力系統3上の電圧を予測する
ことができる。
【0049】またその際に、請求項4のように有効電流
値を検出することにより、通過電流中の有効電流成分も
考慮した高精度な補正演算をすることができる。すなわ
ち、無効電力補償装置の無効電力出力量に関係なく常に
電力系統3を目標の設定電圧で正確に制御することがで
きる。また、無効電力補償装置以外の発電装置などの電
力供給装置にも一般的に適用することができる。
【0050】また、請求項8のように、3巻線トランス
4の3次側検出電圧の変化値をモデル化し電力系統電圧
の予測演算式中に現れる定数をパラメータ保持する方式
にすることで、3次側電圧変動値を実測せずとも、3巻
線トランス4のインピーダンス設計値のみから電力系統
3の直接的な電圧予測が可能となる。また、3巻トラン
ス4を他の特性を持つものに変更した場合にも、インピ
ーダンス設計値を設定し直すだけで対処可能となる。ま
た電力系統3の電圧が通常の配電系統の定格電圧(66
00V程度)以上の場合では電力系統3の電圧VT (4
7)を演算する際に式の1次近似式を用いることがで
きるように、特定の条件下での予測電圧演算式の近似式
を作成し適用することで:目的とする精度に合わせた電
圧予測を理論的に無駄無く高速に演算可能である。すな
わち、演算処理の負担を大幅に軽減することができる。
【0051】また、請求項3のように、検出電圧補正部
75を第1の演算手段90と補正手段91に演算処理過
程を独立分離するため、システム構成の目標に合わせて
検出電圧の補正方式(請求項8、請求項9、請求項10
など)を演算処理部単位で入れ替えが容易となる。例え
ば、検出電圧補正部75をハードウェアで実現する場合
に第1の演算手段90と補正手段91間の信号線仕様を
定めて補正手段91を単純に入替えるだけで、補正手段
91を目標の処理速度や処理精度に変更することが自由
にできる。すなわち、制御処理の高速化や高精度化への
変更を低コストで実現できる無効電力補償装置を提供す
ることができる。
【0052】また、通常の無効電力補償装置のように3
巻線トランス4の通過電流に有効電流成分が極端に少な
い場合や、無効電力補償装置以外の電力供給装置で有効
電力または無効電力の何れかが一定の場合などは図5の
3巻線トランス出力電圧降下の通過電流特性は単純な線
形関数のグラフになる。すなわち、3巻線トランス出力
電圧を2点以上実測することにより、容易に電圧補正用
定数パラメータを決定できると共に、3巻線トランス4
の設計値を用いる場合よりも、製造誤差を含まないより
正確な電力系統3の電圧予測も可能となる。
【0053】以上のように、第2の実施の形態によれ
ば、電力系統3上の設置点電圧を計測する電圧計測用変
圧器を使用せずに電力系統の電圧を制御することがで
き、低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線とい
う危険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供
することができる。また、その際に問題となる電力系統
の電圧を計測するための3巻線トランス4の3次側出力
電圧がトランス4の通過電流に依存して変動する場合に
もその電圧変動分を補正することで正確な電力系統上の
電圧を予測することができる。すなわち、無効電力補償
装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統3を目標
の設定電圧で正確に制御することができる。
【0054】(第3の実施の形態)この発明の第3の実
施の形態を図2及び図6に基づいて説明する。図6はこ
の発明の第3の実施の形態を示し、これは請求項5に対
応するものである。
【0055】図2及び図6において、各構成は検出電圧
補正部75の一部を除いて第2の実施の形態と同じであ
り、検出電圧補正部75での有効電流演算手段76、符
号付無効電流演算手段80、及び、第1の電圧補正手段
79の機能を検出電流実効値演算手段61、電流位相判
定手段62、及び第2の電圧補正手段791で実現して
いることを特徴としている。
【0056】この第3の実施の形態における検出電圧補
正部75は通常の無効電力補償装置のように3巻線トラ
ンス4を通過する電流の有効電流成分が少ない場合、3
巻線トランス4の3次側出力の電圧変化を効率的に補正
するもので、検出電流実効値演算手段61は電流検出部
14の出力する電流時間波形を入力し検出電流の実効値
Iを出力する。電流位相判定手段62は電流検出部14
の出力する電流時間波形と電圧検出部11の出力する電
圧時間波形を入力して電流時間波形が電圧時間波形に対
して進みまたは遅れのどちらであるかという進み遅れ判
定結果を出力する。検出電圧実効値演算部77は電圧検
出部が出力した電圧時間波形の実効値を出力する。第1
の電圧補正データ記憶部78は3巻線トランス4のイン
ピーダンス特性パラメータを設定保持する。第2の電圧
補正手段791は第1の演算手段90から出力される検
出電圧実効値、検出電流実効値、進み遅れ判定結果及び
3巻線トランス4のインピーダンス特性パラメータを入
力し、通過電流により発生する3巻線トランス3次側の
出力電圧変化分を補正する。
【0057】第3の実施の形態によれば、通常の無効電
力補償装置、すなわち3巻線トランス4を通過する電流
の有効電流成分が少ない場合において、第2の電圧補正
手段79に入力する変数、すなわち検出電流実効値、検
出電圧実効値及び進み遅れ判定結果)を以下のように演
算する。
【0058】まず、検出電流実効値演算手段61では、
入力した電流時間波形から電圧時間波形との位相は考慮
せずに独立に検出電流実効値を算出する。同様に検出電
圧実効値演算部77では、入力した電圧時間波形から電
流時間波形との位相は考慮せずに独立に検出電圧実効値
を算出する。また、電流位相判定手段では、電流時間波
形が電圧時間波形に対して進みまたは遅れのどちらであ
るかという進み遅れ判定結果を演算する。その際、検出
電圧時間波形及び検出電流時間波形の特定のタイミン
グ、例えば電圧時間波形の位相角度0の時での電流時間
波形値の正負判定を行い、判定が正の場合には進み無効
電流とみなし、逆に負の場合には遅れ無効電流とみな
す。次に、第2の電圧補正手段791では、検出電流実
効値、検出電圧実効値、進み遅れ判定結果及び3巻線ト
ランス4のインピーダンス特性パラメータ値を式また
は式または式の何れかの補正式に代入して電力系統
の予測電圧を求める。但し、の補正式を用いる場合に
はcosφの項は0となるため省略し、進み遅れ判定結
果が進みの場合は力率角φがπ/2よりsinφ=1と
し、進み遅れ判定結果が遅れの場合は力率角φが−π/
2よりsinφ=−1とした補正式を使用する。同様に
式または式の補正式を用いる場合にはIpの項は0
となるため省略し、進み遅れ判定結果が進みの場合は符
号付無効電流Iq=Iとし、進み遅れ判定結果が遅れの
場合は符号付無効電流Iq=−Iとした補正式を使用す
る。
【0059】以上のことから、電流実効値、電圧実効
値、電流位相差判定及び電圧補正という検出電圧補正部
75すべての演算処理を飛躍的に軽減しながら電力系統
の正確な電圧を予測することができる。更に、検出する
電流時間波形や電圧時間波形に歪みが少ない場合、もし
くは検出部で歪みをカットした場合では検出電流実効値
や検出電圧実効値を演算する際、各時間波形のピーク値
から実効値を求めればさらにトータル演算負担が軽減さ
れる。
【0060】以上のように、第3の実施の形態によれ
ば、通常の無効電力補償装置、すなわち3巻線トランス
4を通過する電流の有効電流成分が少ない場合におい
て、電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用変圧
器を使用せずに電力系統の電圧を制御することができ、
低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線という危
険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供する
ことができる。また、その際に問題となる電力系統の電
圧を計測するための3巻線トランス4の3次側出力電圧
がトランスの通過電流に依存して変動する場合にもその
電圧変動分を補正することで正確な電力系統上の電圧を
演算処理を飛躍的に軽減しながら予測することができ
る。
【0061】(第4の実施の形態)この発明の第4の実
施の形態を図2及び図7に基づいて説明する。図7はこ
の発明の第4の実施の形態を示し、これは請求項6に対
応するものである。
【0062】図7において、各構成は検出電圧補正部7
5の一部を除いて第2の実施の形態と同じであり、検出
電圧補正部75を構成する第1の演算手段90の有効電
流演算手段76及び符号付無効電流演算手段80を、検
出電流実効値演算手段61及び電圧電流位相差演算手段
63で実現し、また、補正手段91における第1の電圧
補正手段79を第3の電圧補正手段792で実現してい
ることを特徴としている。
【0063】この第4の実施の形態における検出電圧補
正部75は第2の実施の形態と同様に3巻線トランス4
を通過する電流による3巻線トランス4の3次側出力の
電圧変化を補正するもので、検出電流実効値演算手段6
1は電流検出部14の出力する電流時間波形を入力し検
出電流の実効値Iを出力する。電圧電流位相差演算手段
63は電流検出部14の出力する電流時間波形と電圧検
出部11の出力する電圧時間波形を入力して電流時間波
形の電圧時間波形に対する位相差φを出力する。第3の
電圧補正手段792は第1の演算手段90から出力され
る検出電流の実効値I、位相差φ、電圧実効値V1及び
第1の電圧補正データ記憶部78に保持された定数パラ
メータを入力し、式、式、または式により演算し
て、電力系統3の電圧予測値を出力する。
【0064】第4の実施の形態によれば、第2の実施の
形態の第1の演算手段90のように検出電圧及び検出電
流よりその有効電流及び無効電流を演算すること無く電
圧補正をすることができる。また、(a)特定の条件
下、例えば3巻線トランス4を通過する電流の力率がほ
ぼ一定である場合において、検出電圧と検出電流の位相
差φは固定となり、演算処理負担を軽減できる。特に電
流歪みが少ない場合では検出電流の時間波形のピーク値
から実効値を求めればさらにトータル演算負担が削減で
きる。また、(b)特定の条件下、例えば3巻線トラン
ス4を通過する電流中の有効電流成分が無視できる場合
(多くの無効電力補償装置)において、検出電圧時間波
形及び検出電流時間波形の特定のタイミングでの波形値
の簡単な比較処理で電圧及び電流の位相差φがπ/2、
または−π/2のどちらであるかを判定するだけで良
い。このため、第1の演算手段90における演算負担が
飛躍的に軽減できる。
【0065】すなわち、請求項2のような有効電流及び
無効電流を演算すること無く電圧補正することができる
とともに、特定の条件下(3巻線トランスを通過する電
流の力率がほぼ一定である場合や、電流中の有効電流成
分が少ない場合)において、第1の演算手段90での演
算負担を飛躍的に軽減することができる。
【0066】(第5の実施の形態)この発明の第5の実
施の形態を図2及び図8に基づいて説明する。図8はこ
の発明の第5の実施の形態を示し、これは請求項7に対
応するものである。
【0067】図8において、各構成は検出電圧補正部7
5の一部を除いて第2の実施の形態と同じであり、検出
電圧補正部75を構成する第1の演算手段90の有効電
流演算手段76及び符号付無効電流演算手段80を、検
出電流実効値演算手段61、符号付無効電力演算手段8
1、有効電流記憶部83及び符号付無効電流演算部82
で実現していることを特徴としている。
【0068】この第5の実施の形態における検出電圧補
正部75は第2の実施の形態と同様に3巻線トランス4
を通過する電流による3巻線トランス4の3次側出力の
電圧変化を補正するもので、検出電流実効値演算手段6
1は電流検出部14の出力する電流時間波形を入力し検
出電流の実効値Iを出力する。符号付無効電力演算手段
81は、電圧検出部11が出力する電圧時間波形及び電
流検出部14が出力する電流時間波形を入力して両時間
波形よりその無効電流値に遅れ無効電流であるか進み無
効電流であるかの情報を符号として加えた符号付無効電
力値Qを出力する。有効電流記憶部83は3巻線トラン
ス4の通過電流の有効電流Ipを設定保持して出力す
る。符号付無効電流演算部82は、入力した検出電流の
実効値I、符号付無効電力Q、有効電流Ipを入力して
検出電流の無効電流Iqを出力する。検出電圧実効値演
算部77は電圧検出部11が出力した電圧時間波形の実
効値V1を出力する。第1の電圧補正手段79は、有効
電流Ip、符号付無効電流Iq、検出電圧の実効値V1
及び第1の電圧補正データ記憶部78に保持された定数
パラメータを入力して電力系統3の正確な予測電圧を出
力する。
【0069】この第5の実施の形態では第2の実施の形
態において、3巻線トランス4の通過電流の有効電流I
pがほぼ一定の場合に適用され、符号付無効電流演算部
82において符号付無効電流Iqの絶対値は入力する検
出電流の実効値IとIpから簡単に求まる。
【0070】 Iq*Iq = I*I − Ip*Ip …式 Iqの符号は入力する符号付無効電力Qと同じにする。
【0071】以上のように、第5の実施の形態によれ
ば、(a)特定の条件下、例えば3巻線トランス4を通
過する電流の有効電流成分がほぼ一定である場合におい
て、無効電流Iqを演算する場合、電流検出部11から
出力される電流時間波形から電圧との位相を考慮せずに
独立に電流実効値Iを算出し、式により無効電流Iq
を演算できるので演算処理負担を軽減できる。特に電流
歪みが少ない場合では検出電流の時間波形のピーク値か
ら実効値を求めればさらにトータル演算負担が削減でき
る。また、(b)特定の条件下、例えば3巻線トランス
4を通過する電流中の有効電流成分がほぼ0の場合(多
くの無効電力補償装置)においては、(a)で演算のI
とQの符号判定とよりIqを簡単に求めることができ
る。
【0072】すなわち、第5の実施の形態によれば、第
2の実施の形態における有効電流演算手段76や符号付
無効電流演算手段80による演算に比べて特定の条件下
(3巻線トランスを通過する有効電流がほぼ一定ある場
合や、特に電流中の有効電流成分がほぼ0の場合)にお
いて有効電流値及び無効電流値の演算負担を飛躍的に軽
減することができる。また、無効電力計測装置などの一
般的な機器類を符号付無効電力演算部81の処理過程に
活用することができ、無効電力補償装置開発の省力化が
可能である。
【0073】(第6の実施の形態)この発明の第6の実
施の形態を図9及び図2に基づいて説明する。図9はこ
の発明の第4の実施の形態を示し、これは請求項9に対
応するものである。図9において、各構成は検出電圧補
正部75の補正手段91を除いて第2の実施の形態と同
じであり、補正手段91での第1の電圧補正データ記憶
部78及び第1の電圧補正手段79を、第2の電圧補正
データ記憶部781及び第4の電圧補正手段793で実
現していることを特徴としている。
【0074】この実施の形態では第2の実施の形態と同
様に、第1の演算手段90は検出電流時間波形と検出電
圧時間波形を入力して有効電流成分Ip、符号付無効電
流Iq及び3巻線トランス4の1次側電圧V1 を出力す
る。第2の電圧補正データ記憶部781は、第1の演算
手段90から出力されるパラメータを変数とする3巻線
トランス4の3次側検出電圧の電圧降下量ΔVの特性テ
ーブルを予め設定保持しておく。第4の電圧補正手段7
93は、第1の演算手段90から出力されるパラメータ
(有効電流成分Ip、符号付無効電流Iq及び3巻線ト
ランス4の1次側電圧V1)及び3次側検出電圧の電圧
降下量ΔVの特性テーブルを入力して3巻線トランス4
の電圧降下量ΔVを離散的なテーブル値より補完演算し
て決定する。そして、3巻線トランス4の1次側電圧V
1 に上記のΔVを加えることにより電力系統3の電圧V
T (47)を決定する。
【0075】すなわち、この発明の第4の実施の形態に
よれば、図5に示すグラフデータのような3巻線トラン
ス4を通過する有効電流値及び符号付無効電流値に対応
する3巻線トランス3次側の出力電圧変化値テーブルを
保持するだけで3巻線トランス4の通過電流が大きくな
った場合などトランスのインピーダンス降下量に線形性
が失われて3巻線トランス4の通過電流の簡単な数式で
は表現できない場合、高速かつ容易に、請求項2に記載
の3巻線トランス3次側出力電圧のトランスの通過電流
に依存した電圧変動分を補正することができ、無効電力
補償装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を目
標の設定電圧で正確に制御することができる。
【0076】なお、実測値をテーブルとして保持した場
合には上記に加えて3巻線トランス4の設計値からのず
れを容易に吸収できる。また、請求項8に記載のモデル
から決定される電力系統の予測電圧演算式からテーブル
を作成することもできる。
【0077】(第7の実施の形態)この発明の第7の実
施の形態を図10及び図2に基づいて説明する。図10
はこの発明の第7の実施の形態を示し、これは請求項1
0に対応するものである。
【0078】図10において、各構成は検出電圧補正部
75の補正手段91を除いて第2の実施の形態と同じで
あり、補正手段91での第1の電圧補正データ記憶部7
8及び第1の電圧補正手段79を、第3の電圧補正デー
タ記憶部782及び第5の電圧補正手段794で実現し
ていることを特徴としている。
【0079】この実施の形態では第2の実施の形態と同
様に、第1の演算手段90は検出電流時間波形と検出電
圧時間波形を入力して有効電流成分Ip、符号付無効電
流Iq及び3巻線トランス4の1次側電圧V1 を出力す
る。第3の電圧補正データ記憶部782は、第1の演算
手段90より出力される複数のパラメータ値から電力系
統の電圧を予測補正する多項式関数の係数を設定保持す
る。第5の電圧補正手段794は、第1の演算手段90
から出力されるパラメータ値(有効電流成分Ip、符号
付無効電流Iq及び3巻線トランス4の1次側電圧
1 )及び多項式関数の係数を入力して電力系統電圧を
算出する多項式に入力パラメータ値を代入して電力系統
3の電圧VT (47)を決定する。
【0080】この実施の形態では、第1の演算手段90
から出力されるパラメータ値(この例では有効電流成分
Ip、符号付無効電流Iq及び3巻線トランス4の1次
側電圧V1 を選択しているが、最低限、3巻線トランス
通過電流の皮相電流値及びその電流の電圧との位相関係
を含む情報であれば良い)を変化させた時の3巻線トラ
ンス4の1次側電圧V1 と実際の電力系統3の電圧を同
時に計測し、選定した入力パラメータから電力系統3の
電圧が必要な精度で求まるように適切な次数で多項式近
似式を想定し、最小二乗法などによりその係数を決定
後、第3の電圧補正データ記憶部782に設定保持す
る。一例として、設計値通りのインピーダンスを持つ3
巻線トランス4の場合、入力パラメータを有効電流成分
Ip、符号付無効電流Iq及び3巻線トランス4の1次
側電圧V1 として選定し一次近似式を想定すると、式
と等価な補正式として多項式係数が決定される。そし
て、第5の電圧補正手段794では、入力した有効電流
成分Ip、符号付無効電流Iq及び3巻線トランス4の
1次側電圧V1 のパラメータ値を、電力系統電圧を算出
する多項式関数に代入して電力系統3の電圧VT (4
7)を決定する。
【0081】例えば、多項式関数をf(V1 ,Ip,I
q)と置いた場合、 VT =f(V1 ,Ip,Iq) =a0 +a111 +a12Ip+a13Iq +a211 2 +a22Ip2 +a23Iq2 +a241 Ip+a251 Iq+a26IpIq … において、上記の一次近似式例の場合、二次以上の係数
を0と置き、その他の係数はつぎの通り計算され、a0
=0、a11=1、a12=R、a13=−Xであるから、V
T =V1 +R・Ip−X・Iqとなる。
【0082】すなわち、この発明の第7の実施の形態に
よれば、3巻トランス4の3次側出力電圧から電力系統
3の電圧を補正する補正式が理論的に導き出せない場合
や、電圧補正モデルより導き出された補正式が実際と異
なる場合や、実機の設計値からのずれが発生している場
合などに、必要な電圧補正精度に合わせて電力系統の電
圧予測が可能となる。また、テーブル方式などで必要な
補間処理を行わなくても連続的に電力系統の電圧予測が
可能となる。
【0083】(第8の実施の形態)この発明の第8の実
施の形態を図11及び図4に基づいて説明する。図11
はこの発明の第8の実施の形態を示し、これは請求項1
1に対応するものである。
【0084】図11において、2は無効電力発生回路、
3は電力系統、11は電圧検出部、15は実効値演算
部、12は設定電圧記憶部、13は電圧一定制御部、以
上は従来の構成と同様なものである。また無効電力発生
回路2の構成は従来例と同じであり、同じ要素に同一符
号を付している。従来の構成と異なるのは、無効電力発
生回路用2巻線トランス6の代わりに3巻線トランス4
を使用し、従来の電圧計測用変圧器5を無くしたこと及
び、変流器8と、インピーダンス降下検出回路94と、
検出部97と、電圧加算部98とを追加したことであ
る。
【0085】すなわち、3巻線トランス4は電力系統3
と無効電力発生回路2とを接続するとともに電力系統の
電圧を変圧して電圧加算部98に出力している。この実
施の形態では、3巻線トランス4の1次側を電力系統
に、2次側を無効電力発生回路に、3次側を電圧検出部
にそれぞれ接続しているが2次側と3次側は呼び方の違
いにより入れ替え可能である。無効電力発生回路2は、
3巻線トランス4の2次側に接続されて無効電力発生量
を制御するもので、実施の形態ではコンデンサ25とリ
アクトル22,23と半導体スイッチ手段である位相制
御スイッチ手段24とからなる。インピーダンス降下検
出回路94は無効電力発生回路2の入力電流が3巻線ト
ランス4を通過する時に発生するインピーダンス降下を
模擬出力するもので変流器8の出力を入力しており、検
出部97ではそのインピーダンス降下量を検出し出力す
る。電圧加算部98は電力系統3の電圧を検出するもの
で、電力系統3の電圧を変圧する3巻線トランス4の3
次側出力と検出部97から出力されるインピーダンス降
下量を入力してそれらをベクトル加算し、電力系統3の
正確な予測電圧を電圧検出部11に出力している。電圧
検出部11は、電力系統3の電圧を検出するもので、電
力系統3の電圧を変圧する3巻線トランス4の3次側出
力を入力している。設定電圧記憶部12は設定電圧を記
憶し設定電圧を変更可能なものである。実効値演算部1
5は、電圧検出部が出力する電圧時間波形を入力し、そ
の実効値を出力する。電圧一定制御部13は、実効値演
算部15の出力を入力し電力系統3の電圧が設定電圧に
なるように位相制御スイッチ手段24を制御する。
【0086】すなわち、無効電力発生回路2に入力され
る電流が3巻線トランス4に流れることにより発生する
3巻線トランス4のインピーダンス降下分をインピーダ
ンス降下検出回路94及び検出部97で模擬的に検出
し、3巻線トランス4の3次側電圧にベクトル加算補正
することで電力系統3の正確な電圧を予測し、電力系統
3を常に設定電圧記憶部12に設定された電圧に制御す
る。
【0087】上記のように構成された静止形無効電力補
償装置について、以下その動作を説明する。すなわち、
この第8の実施の形態でも従来例と同じように設定電圧
記憶部12の設定電圧を基準値として電圧一定制御部1
3で電圧一定制御を常時行う。それに加えて第8の実施
の形態では、無効電力発生回路用2巻線トランス6の代
わりに3巻線トランス4を使用し、その3次側出力電圧
を電圧加算部98に出力する。また、第2の実施の形態
で説明の3巻線トランス4の等価抵抗R43と等価リア
クタンスX44とから構成される等価インピーダンス4
2と、3巻線トランス4の1次側の通過電流I(45)
により発生するインピーダンス降下を、3巻線トランス
4の1次側通過電流を変流器8により変流出力して、イ
ンピーダンス降下回路94に流すことで模擬する。そし
て、インピーダンス降下回路94の両端間に発生するイ
ンピーダンス降下分(ベクトル量)を検出部97により
検出する。この際、インピーダンス降下回路94の両端
間に発生するインピーダンス降下分が3巻線トランス4
の3次側電圧レベルで模擬出力できるように、変流器8
の変流比及びインピーダンス降下回路94の等価抵抗9
5の値と等価リアクタンス96の値を設定しておく。電
圧加算部98で3巻線トランス4の3次側出力電圧と3
巻線トランス4によるインピーダンス降下電圧とをベク
トル加算したものを電力系統3の電圧として電圧検出部
11に出力し、電圧検出部11は入力した電圧を検出し
て電圧時間波形を実効値演算部15に出力する。実効値
演算部15は入力した電圧時間波形より電力系統3の電
圧実効値VT (47)を演算出力する。
【0088】これにより、電力系統の電圧を計測するた
めの3巻線トランス4の3次側出力電圧がトランスの通
過電流に依存して変動する場合にもその電圧変動分を補
正することで正確な電力系統上の電圧を予測することが
できる。すなわち、無効電力補償装置の無効電力出力量
に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で正確に制御
することができる。
【0089】以上のことより、電力系統上の設置点電圧
を計測する電圧計測用変圧器を使用せずに電力系統の電
圧を制御することができる。また、その際に問題となる
電力系統の電圧を計測するための3巻線トランス4の3
次側出力電圧がトランスの通過電流に依存して変動する
場合にもその電圧変動分を補正することで正確な電力系
統上の電圧を予測することができる。すなわち、無効電
力補償装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を
目標の設定電圧で正確に制御することができる。
【0090】また、3巻線トランス4の通過電流による
インピーダンス降下をアナログ回路的に模擬し、3巻線
トランス4の3次側計測電圧をベクトル的に補正してい
る為、請求項2、請求項4、請求項9、請求項6、請求
項7で不可欠な電圧補正のための演算処理を不要としな
がら、3巻線トランス4の通過電流中に有効電流成分及
び無効電流成分が任意に含まれていても高速かつ正確に
計測電圧の補正処理を行うことができる。
【0091】また、本請求項(第4の実施の形態)の方
式は、従来の制御装置にインピーダンス降下検出回路9
4と、検出部97と、電圧加算部98のみを追加するだ
けでその他の変更無しに電圧計測用変圧器無くすことが
できる。
【0092】なお、本実施の形態ではインピーダンス降
下をアナログ回路的に模擬しているが、変流器8からの
出力を電流検出回路を通してマイクロコンピュータなど
に取り込み、あらかじめ設定した等価抵抗値及び等価リ
アクタンス値からソフトウェア的にインピーダンス降下
量を演算することで電力系統3の電圧を予測することも
可能である。
【0093】なお、本発明の各実施の形態では無効電力
発生回路2をTCR方式の回路例で説明して来たが、他
の回路構成においても本発明は適用可能である。例え
ば、22、23のリアクトルとトランス間にさらにリア
クトルを追加した回路や、コンデンサやリアクトルを入
り切りすることによる無効電力発生回路や、さらに、イ
ンバータ制御の無効電力発生回路等である。また、発電
機や負荷等の系統連系点の電圧計測にも活用できる。
【0094】
【発明の効果】請求項1記載の無効電力補償装置によれ
ば、3巻線トランスを用いることにより、電力系統上の
設置点電圧を計測する電圧計測用変圧器を使用せずに電
力系統の電圧を制御することができ、低コスト化をはか
りながら設置時の高電圧配線という危険な作業工数を低
減できる無効電力補償装置を提供することができる。
【0095】請求項2記載の無効電力補償装置によれ
ば、電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用変圧
器を使用せずに電力系統の電圧を制御することができ、
低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線という危
険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供する
ことができる。
【0096】また、その際に問題となる電力系統の電圧
を計測するための3巻線トランスの3次側出力電圧がト
ランスの通過電流に依存して変動する場合にもその電圧
変動分を補正することで正確な電力系統上の電圧を予測
することができる。すなわち、無効電力補償装置の無効
電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で
正確に制御することができる。
【0097】請求項3記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項2と同様な効果のほか、請求項2における検
出電圧予測部の演算処理過程を第1の演算手段と補正手
段に独立分離化できるため、システム構成の目標に合わ
せて検出電圧の補正方式を演算処理部単位で入れ替えが
容易となる。例えば、検出電圧予測部をハードウェアで
実現する場合に第1の演算手段と補正手段間の信号線仕
様を定めて補正手段を単純に入替えるだけで、補正手段
を目標の処理速度や処理精度に変更することが自由にで
きる。
【0098】すなわち、無効電力補償装置の無効電力出
力量に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で正確に
制御することができると同時に、制御処理の高速化や高
精度化への変更を低コストで実現できる無効電力補償装
置を提供することができる。
【0099】請求項4記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、請求項2に記載の3
巻線トランス3次側出力電圧のトランスの通過電流に依
存した電圧変動分を補正することができ、無効電力補償
装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の
設定電圧で正確に制御することができる。またその際に
通過電流中の有効電流成分も考慮した高精度な補正演算
をすることができる。また、無効電力補償装置以外の発
電装置など電力供給装置にも一般的に適用することがで
きる。
【0100】請求項5記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、通常の無効電力補償
装置のように3巻線トランスの通過電流中の有効電流成
分が少ない場合、演算処理を飛躍的に軽減しながら、請
求項2に記載の3巻線トランス3次側出力電圧のトラン
スの通過電流に依存した電圧変動分を補正することがで
き、無効電力補償装置の無効電力出力量に関係なく常に
電力系統を目標の設定電圧で正確に制御することができ
る。
【0101】請求項6記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、第1の演算手段にお
いて、有効電流及び無効電流を演算せずに請求項2に記
載の3巻線トランス3次側出力電圧のトランスの通過電
流に依存した電圧変動分を補正することができ、無効電
力補償装置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を
目標の設定電圧で正確に制御することができる。また、
特定の条件下、例えば3巻線トランスを通過する電流の
力率がほぼ一定である場合や、電流中の有効電流成分が
少ない場合において第1の演算手段での演算負担を大幅
に軽減することができる。
【0102】請求項7記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、請求項4における有
効電流及び無効電流を演算する一般的な演算手段に比べ
て特定の条件下例えば3巻線トランスを通過する有効電
流がほぼ一定である場合や、特に電流中の有効電流成分
が少ない場合において、検出電圧補正部での演算負担を
大幅に軽減することができる。また、無効電力計測装置
などの一般的な機器類を処理過程に利用することができ
る。
【0103】請求項8記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、3巻線トランスの通
過電流により発生する3巻線トランスの3次側検出電圧
の変化値をモデル化した際の電力系統の予測電圧演算式
と3巻線トランスのインピーダンス設計値から電力系統
の直接的な電圧予測が可能となる。また、特定の条件下
での予測電圧演算式の近似式を作成し適用することで目
的とする精度に合わせた電圧予測を理論的に無駄無く高
速に演算可能である。また、3巻トランスを他の特性を
持つものに変更した場合にも、インピーダンス設計値を
設定し直すだけで対処可能となる。
【0104】請求項9記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、第1の演算手段より
出力される3巻線トランスを通過する電圧電流情報であ
る変数値の組合せ値を変数とする3巻線トランス3次側
の出力電圧変化値テーブルを保持するだけで、3巻線ト
ランスの通過電流が大きくなった場合など、トランスの
インピーダンス降下に線形性が失われてそのインピーダ
ンス降下を簡単な数式では表現できない場合、高速かつ
容易に、請求項2に記載の3巻線トランス3次側出力電
圧のトランスの通過電流に依存した電圧変動分を補正す
ることができ、無効電力補償装置の無効電力出力量に関
係なく常に電力系統を目標の設定電圧で正確に制御する
ことができる。また、実測値をテーブルとして保持した
場合には上記に加えて3巻線トランスの設計値からのず
れを容易に吸収できる。
【0105】請求項10記載の無効電力補償装置によれ
ば、請求項3と同様な効果のほか、3巻線トランスの通
過電流が存在する時の3巻線トランスの3次側出力電圧
から電力系統の電圧を予測する予測電圧演算式が理論的
に導き出せない場合や、理論モデルより導き出された予
測電圧演算式が実際と合わない場合や、実機の設計値か
らのずれが発生している場合などに、必要な精度に合わ
せて電力系統の電圧予測が可能となり、無効電力補償装
置の無効電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の設
定電圧で正確に制御することができる。また、テーブル
方式などで必要な補間処理を行わなくても連続的に電力
系統の電圧予測が可能となる。
【0106】請求項11記載の無効電力補償装置によれ
ば、電力系統上の設置点電圧を計測する電圧計測用変圧
器を使用せずに電力系統の電圧を制御することができ、
低コスト化をはかりながら設置時の高電圧配線という危
険な作業工数を低減できる無効電力補償装置を提供する
ことができる。
【0107】また、その際に問題となる電力系統の電圧
を計測するための3巻線トランスの3次側出力電圧がト
ランスの通過電流に依存して変動する場合にもその電圧
変動分を補正することで正確な電力系統上の電圧を予測
することができる。すなわち、無効電力補償装置の無効
電力出力量に関係なく常に電力系統を目標の設定電圧で
正確に制御することができる。
【0108】また、3巻線トランスの通過電流によるイ
ンピーダンス降下をアナログ回路的に模擬し、3巻線ト
ランスの3次側計測電圧をベクトル的に補正している
為、請求項2、請求項4、請求項5、請求項6、請求項
7、請求項9、請求項10で不可欠な検出電圧補正部で
の数値演算処理を不要としながら、3巻線トランスの通
過電流中に有効電流成分及び無効電流成分が任意に含ま
れていても高速かつ正確に計測電圧の補正処理を行うこ
とができる。
【0109】さらに、本請求項の方式は、従来の制御装
置にインピーダンス降下検出回路と、検出部と、電圧加
算部のみを追加するだけでその他の変更無しに電圧計測
用変圧器を無くすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施の形態の無効電力補償装
置の構成図である。
【図2】この発明の第2の実施の形態の無効電力補償装
置の構成図である。
【図3】その検出電圧補正部の構成図である。
【図4】その3巻線トランスの通過電流により発生する
3次側検出電圧の変化値をモデル化した説明図である。
【図5】3巻線トランス出力電圧降下の通過電流特性、
すなわち3巻線トランスの通過電流により発生する3次
側検出電圧の出力電圧降下率(%)のグラフ例である。
【図6】この発明の第3の実施の形態の無効電力補償装
置の検出電圧補正部の構成図である。
【図7】この発明の第4の実施の形態の無効電力補償装
置の検出電圧補正部の構成図である。
【図8】この発明の第5の実施の形態の無効電力補償装
置の検出電圧補正部の構成図である。
【図9】この発明の第6の実施の形態の無効電力補償装
置の検出電圧補正部の構成図である。
【図10】この発明の第7の実施の形態の無効電力補償
装置の検出電圧補正部の構成図である。
【図11】この発明の第8の実施の形態の無効電力補償
装置の構成図である。
【図12】従来の無効電力補償装置の構成図である。
【符号の説明】
1 制御装置 2 無効電力発生回路 3 電力系統 4 3巻線トランス 7 制御装置 8 変流器 11 電圧検出部 12 設定電圧記憶部 13 電圧一定制御部 14 電流検出部 15 実効値演算部 22 第1のリアクトル 23 第2のリアクトル 24 位相制御スイッチ 25 コンデンサ 75 検出電圧補正部 90 第1の演算手段 91 補正手段 94 インピーダンス降下検出回路 95 等価抵抗 96 等価リアクタンス 97 検出部 98 電圧加算部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 吉武 秀樹 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 山形 知之 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5G066 FA01 FB09 FC12 5H420 BB02 BB03 BB12 BB16 CC04 DD03 DD06 EA03 EA27 EA44 EB05 EB38 FF03 FF04 FF22

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電力系統に接続されて無効電力発生量を
    制御する無効電力制御回路と、前記電力系統の電圧を検
    出する電圧検出部と、この電圧検出部の出力より前記電
    力系統の電圧実効値を演算する実効値演算部と、設定電
    圧を記憶し前記設定電圧を変更可能な設定電圧記憶部
    と、前記実効値演算部の出力を入力し前記電力系統の電
    圧が前記設定電圧になるように前記無効電力制御回路を
    制御する電圧一定制御部とを備え、前記電圧検出部は3
    巻線トランスを用い、その1次巻線を電力系統に接続
    し、2次巻線を前記無効電力制御回路に接続し、3次巻
    線から前記電力系統の電圧を変圧して出力する無効電力
    補償装置。
  2. 【請求項2】 電力系統に接続されて無効電力発生量を
    制御する無効電力制御回路と、前記電力系統の電圧を検
    出する電圧検出部と、前記無効電力制御回路の無効電流
    を検出する電流検出部と、設定電圧を記憶し前記設定電
    圧を変更可能な設定電圧記憶部と、前記電圧検出部の出
    力および前記電流検出部の出力より前記電力系統の電圧
    予測値を演算する検出電圧予測部と、この検出電圧予測
    部の出力する電圧予測値を入力し前記電力系統の電圧が
    前記設定電圧になるように前記無効電力制御回路を制御
    する電圧一定制御部とを備え、前記電圧検出部は、前記
    電力系統に接続した1次巻線と、前記無効電力制御回路
    に接続した2次巻線と、前記電力系統の電圧を変圧して
    出力する3次巻線からなる3巻線トランスを用いた無効
    電力補償装置。
  3. 【請求項3】 検出電圧予測部は、電圧検出部の出力に
    より電圧実効値を演算する電圧実効値演算部と、電流検
    出部の出力より電流実効値を演算する電流実効値演算部
    と、前記電流検出部の出力および前記電圧検出部の出力
    の電圧電流位相差を演算する電圧電流位相差演算部の少
    なくとも1つ以上からなる第1の演算手段と、 前記電圧実効値演算部の出力と前記電流実効値演算部の
    出力と前記電圧電流位相差演算部の出力を補正して電力
    系統の電圧予測値を出力する補正手段を備えた請求項2
    記載の無効電力補償装置。
  4. 【請求項4】 第1の演算手段は、電圧検出部の出力よ
    り検出電圧実効値を演算する検出電圧実効値演算部と、
    電流検出部の出力及び前記電圧検出部の出力より有効電
    流値を演算する有効電流演算手段と、前記電流検出部の
    出力及び前記電圧検出部の出力より遅れ無効電流である
    か進み無効電流であるかを考慮した無効電流値を演算す
    る無効電流演算手段を備えた請求項3記載の無効電力補
    償装置。
  5. 【請求項5】 第1の演算手段は、電圧検出部の出力よ
    り検出電圧実効値を演算する検出電圧実効値演算部と、
    電流検出部の出力より検出電流実効値を演算する検出電
    流実効値演算手段と、前記電流検出部の出力及び前記電
    圧検出部の出力より無効電力制御回路が制御している無
    効電流が進みまたは遅れのどちらであるかを判定する電
    流位相判定手段を備えた請求項3記載の無効電力補償装
    置。
  6. 【請求項6】 第1の演算手段は、前記電圧検出部の出
    力を入力し検出電圧実効値を出力する検出電圧実効値演
    算部と、前記電流検出部の出力を入力し検出電流実効値
    を出力する検出電流実効値演算手段と、前記電流検出部
    の出力及び前記電圧検出部の出力を入力し、その電圧電
    流位相差を出力する電圧電流位相差演算手段を備えた請
    求項3記載の無効電力補償装置。
  7. 【請求項7】 第1の演算手段は、前記電圧検出部の出
    力を入力し検出電圧実効値を出力する検出電圧実効値演
    算部と、前記電流検出部の出力を入力し検出電流実効値
    を出力する検出電流実効値演算手段と、前記電流検出部
    の出力及び前記電圧検出部の出力を入力し、その無効電
    力値に遅れ無効電力であるか進み無効電力であるの情報
    を符号として加えた符号付無効電力値を出力する符号付
    無効電力演算手段と、前記3巻線トランスを通過する有
    効電流値を記憶する有効電流記憶部と、前記検出電流実
    効値、前記符号付無効電力値、及び前記有効電流値を入
    力し無効電流値に遅れ無効電流であるか進み無効電流で
    あるかの情報を符号として加えた符号付無効電流値を出
    力する符号付無効電流演算部を備えた請求項3記載の無
    効電力補償装置。
  8. 【請求項8】 補正手段は、3巻線トランスの通過電流
    により発生する前記3巻線トランスの3次側検出電圧の
    変化値をモデル化した際に電力系統の予測電圧演算式中
    に定数として現れる定数パラメータを設定保持する第1
    の電圧補正データ記憶部と、第1の演算手段より出力さ
    れる変数値の組合せ及び前記定数パラメータを入力し、
    前記予測電圧演算式にあてはめることで前記電力系統の
    電圧予測値を出力する第1の電圧補正手段を備えた請求
    項3記載の無効電力補償装置。
  9. 【請求項9】 補正手段は、第1の演算手段より出力さ
    れる変数値の組合せを変数とした前記3巻線トランス3
    次側の出力電圧変化値を出力電圧変化値テーブルとして
    保持する第2の電圧補正データ記憶部と、第1の演算手
    段より出力される変数値の組合せ及び前記出力電圧変化
    値テーブルを入力し前記3巻線トランスの通過電流によ
    り発生する前記3巻線トランス3次側の出力電圧変化分
    を補正し前記電力系統の電圧予測値を出力する第4の電
    圧補正手段を備えた請求項3記載の無効電力補償装置。
  10. 【請求項10】 補正手段は、第1の演算手段より出力
    される変数値の組合せに対する前記3巻線トランスの3
    次側出力電圧及び電力系統の電圧を実測して決定した、
    第1の演算手段より出力される1組の変数値から前記電
    力系統の予測電圧を算出する多項式関数の係数群を保持
    する第3の電圧補正データ記憶部と、第1の演算手段よ
    り出力される変数値の組合せ及び前記多項式関数の係数
    群とを入力し前記多項式関数にあてはめることで前記電
    力系統の電圧予測値を出力する第5の電圧補正手段を備
    えた請求項3記載の無効電力補償装置。
  11. 【請求項11】 無効電力発生量を制御できる無効電力
    発生回路と、1次巻線を電力系統に接続し、2次巻線を
    前記無効電力発生回路に接続し、3次巻線で前記電力系
    統の電圧を変圧出力する3巻線トランスと、前記3巻線
    トランスの1次側または2次側に設置された変流器と、
    前記3巻線トランスのインピーダンス特性を模擬する等
    価抵抗及び等価リアクタンスで構成され前記3巻線トラ
    ンスの1次側または2次側に設置された前記変流器の出
    力を入力することで回路両端間にインピーダンス降下電
    圧を発生するインピーダンス降下検出回路と、前記イン
    ピーダンス降下電圧を入力し前記3巻線トランスのイン
    ピーダンス降下電圧を出力する検出部と、前記3巻線ト
    ランスの3次側出力電圧と前記インピーダンス降下電圧
    とを入力してベクトル合成電圧を出力する電圧加算部
    と、前記ベクトル合成電圧を入力する電圧検出部と、前
    記電圧検出部の出力を入力し前記電力系統の電圧実効値
    を出力する実効値演算部と、設定電圧を記憶し前記設定
    電圧を変更可能な設定電圧記憶部と、前記実効値演算部
    の出力を入力し前記電力系統の電圧が前記設定電圧にな
    るように前記無効電力発生回路を制御する電圧一定制御
    部とを備えた無効電力補償装置。
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