JP2000131975A - 加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置 - Google Patents

加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置

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JP2000131975A
JP2000131975A JP10322893A JP32289398A JP2000131975A JP 2000131975 A JP2000131975 A JP 2000131975A JP 10322893 A JP10322893 A JP 10322893A JP 32289398 A JP32289398 A JP 32289398A JP 2000131975 A JP2000131975 A JP 2000131975A
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heating
image
belt
heating device
vibrating body
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Tokuyoshi Abe
篤義 阿部
Hideo Nanataki
秀夫 七瀧
Tetsuya Sano
哲也 佐野
Kenji Karashima
賢司 辛島
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ベルト方式の加熱装置に関して、ベルト内面
とベルト支持部材との摺動抵抗の低減を耐久劣化の少な
い形態で行うこと、ベルトの寄りを防止すること等。 【解決手段】 エンドレスベルト10と、前記エンドレ
スベルトを支持する支持部材16a・16bと、前記エ
ンドレスベルトと相互圧接してニップ部Nを形成する加
圧部材30を有し、エンドレスベルト内に発熱体を有
し、被加熱部材Pを加熱する加熱装置であり、エンドレ
スベルト内部の加圧部材との対向面に振動体40を有す
ることを特徴とする加熱装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱装置、像加熱
装置、及び画像形成装置に関する。
【0002】より詳しくは、ベルト方式(ベルト加熱方
式)加熱装置、すなわち回転するエンドレスベルトを有
しこのベルト側からの熱により被加熱部材を加熱する加
熱装置、像加熱装置、及び該加熱装置を像加熱装置とし
て備えた電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装
置に関する。
【0003】
【従来の技術】便宜上、複写機・プリンタ等の画像形成
装置に具備させる、トナー画像を被記録材に加熱定着さ
せる像加熱装置(定着装置、定着器)を例にして説明す
る。
【0004】画像形成装置において、電子写真プロセス
・静電記録プロセス・磁気記録プロセス等の適宜の画像
形成プロセス手段部で被記録材(転写材シート・エレク
トロファックスシート・静電記録紙・OHPシート・印
刷用紙・フォ一マット紙など)に転写方式あるいは直接
方式にて形成担持させた目的の画像情報の未定着画像
(トナー画像)を被記録材面に永久固着画像として加熱
定着させる定着装置としては熱ローラ方式の装置が広く
用いられていた。近時は、ベルト加熱方式の装置が実用
化されている。また電磁誘導加熱方式の装置も提案され
ている。
【0005】ベルト加熱方式の装置においては、特開平
5−27619号公報に提案されているように、ベルト
とベルト支持部材との間に潤滑剤(グリース)を介在さ
せることによりベルトとベルト支持部材との間の摺動性
を確保していた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、ベル
ト加熱方式の加熱装置に関して、ニップ部でベルト内面
とベルト支持部材が摺擦する部分が摺動するために、摺
動面に耐熱性グリースを塗布していたが、装置の立ち上
げ時など耐熱性グリース温度が低い状態の場合には、耐
熱性グリースの粘性が高いために十分な潤滑性が得られ
ず、ベルト支持部材に対するベルトの摺動抵抗が大きく
なって円滑に移動しなくなったベルトに対して非加熱材
や加圧回転体がスリップ(ベルトに対する被加熱材等の
スリップ)することがあった。また、耐熱性グリースは
耐久劣化を起こし、潤滑性を失うため、装置の耐久寿命
を制限する要因のひとつになっていた。
【0007】そこで本発明の目的は、ベルト方式の加熱
装置に関して、ベルト内面とベルト支持部材との摺動抵
抗の低減を耐久劣化の少ない形態で提供することと、ベ
ルトの寄りを防止することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の構成を特
徴とする、加熱装置、像加熱装置、及び画像形成装置で
ある。
【0009】(1)磁場発生手段と、前記磁場発生手段
の磁界の作用で電磁誘導発熱する電磁誘導発熱性部材
と、該電磁誘導発熱性部材と相互圧接して被加熱部材の
ニップ部を形成する加圧部材を有し、前記磁場発生手段
の発生磁界による電磁誘導発熱性部材の発熱で被加熱部
材を加熱する加熱装置であり、電磁誘導発熱性部材はエ
ンドレスベルトであり、前記エンドレスベルト内部の加
圧部材との対向面に振動体を有することを特徴とする加
熱装置。
【0010】(2)エンドレスベルトと、前記エンドレ
スベルトを支持する支持部材と、前記エンドレスベルト
と相互圧接してニップ部を形成する加圧部材を有し、エ
ンドレスベルト内に発熱体を有し、被加熱部材を加熱す
る加熱装置であり、エンドレスベルト内部の加圧部材と
の対向面に振動体を有することを特徴とする加熱装置。
【0011】(3)前記(1)または(2)に記載の加
熱装置において、前記振動体は少なくとも圧電部材と圧
電部材に設けた電極と、弾性層からなり、前記電極に2
0kHz以上の高周波電圧を印加することを特徴とする
加熱装置。
【0012】(4)前記(3)に記載の加熱装置におい
て、前記振動体はエンドレスベルトとの接触面に摺動層
を有することを特徴とする加熱装置。
【0013】(5)前記(3)または(4)に記載の加
熱装置において、前記電極は振動体の長手方向に複数に
分割されており、それぞれの電極に高周波電圧を印加す
ることを特徴とする加熱装置。
【0014】(6)前記(5)に記載の加熱装置におい
て、前記電極は振動体の長手方向に2分割されており、
それぞれの電極に高周波電圧を印加することを特徴とす
る加熱装置。
【0015】(7)前記(3)ないし(6)のいずれか
に記載の加熱装置において、エンドレスベルトの長手方
向の移動を検知する検知手段を有し、前記検知手段から
得たエンドレスベルトの移動量に応じて、前記高周波電
圧の振幅を変化させることを特徴とする加熱装置。
【0016】(8)前記(5)に記載の加熱装置におい
て、前記電極は振動体の長手方向に3分割されており、
それぞれの電極に高周波電圧を印加することを特徴とす
る加熱装置。
【0017】(9)前記(8)に記載の加熱装置におい
て、中央の分割電極に印加する電圧の振幅が両端部の分
割電極に印加する電圧の振幅よりも大きいことを特徴と
する加熱装置。
【0018】(10)被記録材上の像を加熱処理する像
加熱装置であり、像加熱手段が前記(1)ないし(9)
のいずれかに記載の加熱装置であることを特徴とする像
加熱装置。
【0019】(11)被記録材に画像を形成する画像形
成手段と、被記録材上に形成した画像を加熱処理する像
加熱手段を備え、該像加熱手段が(1)ないし(9)の
いずれかに記載の加熱装置であることを特徴とする画像
形成装置。
【0020】〈作 用〉エンドレスベルトとベルト保持
部材との間のニップ面に振動体を配設し、弾性表面波を
発生させることによりニップ面におけるベルトの接触面
積を減らすことができ、低温時であっても摺動摩擦抵抗
を大幅に低減させることができ、グリースのような耐久
劣化の問題もなく、このためベルトに対する被加熱材等
のスリップを防止できるほか、装置の耐久寿命を長くす
ることができる。
【0021】また、振動体の圧電部材に設けた電極を長
手方向に分割し、それぞれの電極に印加する高周波電圧
の振幅を調整することによりベルトの寄りを制御でき、
安定したエンドレスベルトの回転を得ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】〈第1の実施形態例〉(図1〜図
12) (1)画像形成装置例 図1は画像形成装置の一例の概略構成図である。本例の
画像形成装置は電子写真カラープリンタである。
【0023】101は有機感光体やアモルファスシリコ
ン感光体でできた感光体ドラム(像担持体)であり、矢
示の反時計方向に所定のプロセススピード(周速度)で
回転駆動される。
【0024】感光体ドラム101はその回転過程で帯電
ローラ等の帯電装置102で所定の極性・電位の一様な
帯電処理を受ける。
【0025】次いでその帯電処理面にレーザ光学箱(レ
ーザスキャナー)110から出力されるレーザ光103
による、目的の画像情報の走査露光処理を受ける。
【0026】レーザ光学箱110は不図示の画像読み取
り装置等の画像信号発生装置からの目的画像情報の時系
列電気デジタル画素信号に対応して変調(オン/オフ)
したレーザ光103を出力して回転感光体ドラム101
面を走査露光して、該ドラム101面に目的画像情報に
対応した静電潜像を形成する。
【0027】109はレーザ光学箱110からの出力レ
ーザ光103を感光体ドラム101の露光位置に偏向さ
せるミラーである。
【0028】フルカラー画像形成の場合は、目的のフル
カラー画像の第1の色分解成分画像、例えばイエロー成
分画像についての走査露光・潜像形成がなされ、その潜
像が4色カラー現像装置104のうちのイエロー現像器
104Yの作動でイエロートナー画像として現像され
る。
【0029】そのイエロートナー画像は感光体ドラム1
01と中間転写体ドラム105との接触部(或いは近接
部)である1次転写部T1において中間転写体ドラム1
05の面に転写される。
【0030】中間転写体ドラム105は、金属ドラム上
に中抵抗の弾性層と高抵抗の表層を有するもので、感光
体ドラム101に接触して或いは近接して感光体ドラム
101と略同じ周速度で矢示の時計方向に回転駆動さ
れ、バイアス電位を与えられて感光体ドラム101との
電位差で感光体ドラム101側のトナー画像を該中間転
写体ドラム105面側に転写させる。
【0031】中間転写体ドラム105面に対するトナー
画像転写後の回転感光体ドラム101面はクリーナ10
7により転写残りトナー等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。
【0032】上記のような帯電・走査露光・現像・一次
転写・清掃のプロセスサイクルが、目的のフルカラー画
像の第2の色分解成分画像(例えばマゼンタ成分画像、
マゼンタ現像器104Mが作動)、第3の色分解成分画
像(例えばシアン成分画像、シアン現像器104Cが作
動)、第4の色分解成分画像(例えば黒成分画像、黒現
像器104BKが作動)の各色分解成分画像について順
次実行され、中間転写体ドラム105面にイエロートナ
ー画像・マゼンタトナー画像・シアントナー画像・黒ト
ナー画像の都合4色のトナー画像が順次重ねて転写され
て、目的のフルカラー画像に対応したカラートナー画像
が合成形成される。
【0033】上記の回転中間転写体ドラム105面に合
成形成されたカラートナー画像は、該回転中間転写体ド
ラム105と転写ローラ106との接触ニップ部である
二次転写部T2において、該二次転写部T2に不図示の
給紙部から所定のタイミングで送り込まれた被記録材P
の面に転写されていく。転写ローラ106は被記録材P
の背面からトナーと逆極性の電荷を供給することで中間
転写体ドラム105面側から被記録材P側へ合成カラー
トナー画像を順次に一括転写する。
【0034】二次転写部T2を通過した被記録材Pは、
中間転写体ドラム105の面から分離されて像加熱装置
(定着装置)100へ導入され、未定着トナー画像の加
熱定着処理を受けてカラー画像形成物として機外の不図
示の排紙トレーに排出される。本例においては、トナー
は低軟化物質を含有させたものを用いている。
【0035】像加熱装置100については次の(2)項
で詳述する。
【0036】被記録材Pに対するカラートナー画像転写
後の回転中間転写体ドラム105はクリーナ108によ
り転写残りトナー・紙粉等の付着残留物の除去を受けて
清掃される。このクリ−ナ108は常時は中間転写体ド
ラム105に非接触状態に保持されており、中間転写体
ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画像
の二次転写実行過程においてトナー画像転写後の中間転
写体ドラム105面に接触状態に保持される。
【0037】また転写ローラ106も常時は中間転写体
ドラム105に非接触状態に保持されており、中間転写
体ドラム105から被記録材Pに対するカラートナー画
像の二次転写実行過程において中間転写体ドラム105
に被記録材Pを介して接触状態に保持される。
【0038】本例装置は、白黒画像などモノカラー画像
のプリントモードも実行できる。また両面画像プリント
モード、或いは多重画像プリントモードも実行できる。
【0039】両面画像プリントモードの場合は、像加熱
装置100を出た1面目画像プリント済みの被記録材P
が不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されて再び
二次転写部T2へ送り込まれて2面目に対するトナー画
像転写を受け、再度、像加熱装置100に導入されて2
面目に対するトナー画像の定着処理を受けることで両面
画像プリントが出力される。
【0040】多重画像プリントモードの場合は、像加熱
装置100を出た1回目画像プリント済みの被記録材P
が不図示の再循環搬送機構を介して表裏反転されずに再
び二次転写部T2へ送り込まれて1回目画像プリント済
みの面に2回目のトナー画像転写を受け、再度、像加熱
装置100に導入されて2回目のトナー画像の定着処理
を受けることで多重画像プリントが出力される。
【0041】(2)像加熱装置100 図2は本例の像加熱装置100の要部の横断面模型図、
図3は要部の正面模型図、図4は要部の縦断面模型図で
ある。
【0042】本例の像加熱装置100は、円筒状の電磁
誘導発熱性ベルト(以下、定着ベルトと記す)を用い
た、加圧ローラ駆動方式・電磁誘導加熱方式の装置であ
る。
【0043】磁場発生手段は磁性コア17a・17b・
17cと励磁コイル18からなる。
【0044】磁性コア17a・17b・17cは高透磁
率の部材であり、フェライトやパーマロイ等といったト
ランスのコアに用いられる材料がよく、より好ましくは
100kHz以上でも損失の少ないフェライトを用いる
のがよい。
【0045】励磁コイル18はコイル(線輪)を構成さ
せる導線(電線)として、一本ずつがそれぞれ絶縁被覆
された銅製の細線を複数本束ねたもの(束線)を用い、
これを複数回巻いて励磁コイルを形成している。本例で
は10ターン巻いて励磁コイル18を形成している。
【0046】絶縁被覆は定着ベルト10の発熱による熱
伝導を考慮して耐熱性を有する被覆を用いるのがよい。
本例においてはポリイミドによる被覆を用いており耐熱
温度は220℃である。また、励磁コイル18の外部か
ら圧力をかけて密集度を向上させてもよい。
【0047】16aと16bは絶縁性支持部材としての
横断面略半円弧状樋型の左右のベルトガイド部材であ
り、両者16a・16bのつき合わせで略円筒体のベル
トガイドアセンブリが構成される。
【0048】そのベルトガイドアセンブリ16a・16
bの外側に誘導発熱性部材としての円筒状の電磁誘導発
熱性の定着ベルト10をルーズに外嵌させてある。図3
においてLF は定着ベルト10の長さ寸法である。
【0049】ベルトガイドアセンブリ16a・16bの
一方側のベルトガイド部材16aの内側に上述した磁場
発生手段である磁性コア17a・17b・17cと励磁
コイル18を保持させてある。
【0050】ベルトガイド部材16a・16bの材質と
しては、定着フィルム10との絶縁を確保するために絶
縁性に優れ、耐熱性がよいものがよい。例えば、フェノ
ール樹脂・フッ素樹脂・ポリイミド樹脂・ポリアミド樹
脂・ポリアミドイミド樹脂・PEEK樹脂・PES樹脂
・PS樹脂・PFA樹脂・PTFE樹脂・FEP樹脂・
LCP樹脂などを選択するとよい。
【0051】22はベルトガイド部材16aのニップ部
Nに対応する内面平面部に当接させて配設した横長の加
圧用剛性ステイである。
【0052】19はベルトガイドアセンブリ16a・1
6bの内部の磁場発生手段としての磁性コア17a・1
7b・17c及び励磁コイル18と、加圧用剛性ステイ
22の間を絶縁するための絶縁性部材であり、ベルトガ
イド部材16a・16bと同様の材質材である。
【0053】40はベルトガイド部材16aのニップ部
Nに対応する下面平面部に長手に沿って配設した横長の
振動体である。
【0054】図3・図4において、23a・23bはベ
ルトガイドアセンブリ16a・16bの左右両端部に外
嵌させて位置固定して取り付けたフランジ部材であり、
ベルトガイドアセンブリ16a・16bに外嵌させた定
着ベルト10の端部を規制・保持する。
【0055】励磁コイル18には図5のようにその給電
部18a・18bに励磁回路27を接続してある。この
励磁回路27は20kHzから500kHzの高周波を
スイッチング電源で発生できるようになっている。励磁
コイル18は励磁回路27から供袷される交番電流(高
周波電流)によって交番磁束を発生する。
【0056】30は加圧ローラであり、芯金30aと、
該芯金周りに同心一体にローラ状に成形被覆させた、シ
リコーンゴム・フッ素ゴム・フッ素樹脂などの耐熱性・
弾性材層30bとで構成されており、芯金30aの両端
部を装置の不図示のシャーシ側板間に回転自由に軸受け
保持させて配設してある。図3において、LR は加圧ロ
ーラ30の長さ寸法である。
【0057】加圧用剛性ステイ22の両端部と装置シャ
ーシ側のバネ受け部材29a・29bとの間にそれぞれ
加圧バネ25a・25bを縮設することで加圧用剛性ス
テイ22に押し下げ力を作用させている。
【0058】これによりベルトガイド部材16aの下面
に配設した振動体40の下面と加圧ローラ30の上面と
が定着ベルト10を挟んで圧接して所定幅の定着ニップ
部Nが形成される。
【0059】加圧ローラ30は駆動手段Mにより矢示の
反時計方向に回転駆動される。この加圧ローラ30の回
転駆動による該加圧ローラ30と定着ベルト10の外面
との摩擦力で定着ベルト10に回転力が作用して、該定
着ベルト10が定着ニップ部Nにおいてその内面が振動
体40の下面に密着して摺動しながら矢示の時計方向に
加圧ローラ30の回転周速度にほぼ対応した周速度をも
ってベルトガイドアセンブリ16a・16bの外回りを
回転状態になる。ベルトガイドアセンブリ16a・16
bは定着ベルト10を支持し、該ベルト10の回転時の
搬送安定性を図る役目をする。
【0060】16e(図5)はベルトガイド部材16a
の側面にベルトガイド部材長手に沿って間隔をおいて形
成具備させた複数本のベルトガイド部材周方向の凸リブ
部である。この凸リブ部16eはベルトガイド部材16
aの側面と定着ベルト10の内面との接触摺動抵抗を低
減させて定着ベルト10の回転負荷を少なくする作用を
する。このような凸リブ部16eは他方のベルトガイド
部材16bの側面にも同様に形成具備させることもでき
る。
【0061】図6は磁場発生手段である励磁コイル18
と磁性コア17a・17b・17cからの交番磁束の発
生の様子を模式的に表したものである。磁束Cは発生し
た交番磁束の一部を表す。
【0062】磁性コア17a・17b・17cに導かれ
た交番磁束Cは、磁性コア17aと17bとの間、磁性
コア17aと17cとの間において、定着ベルト10の
電磁誘導発熱層1(図6〜8)に渦電流を発生させる。
この渦電流は電磁誘導発熱層1の固有抵抗によって電磁
誘導発熱層1にジュール熱(渦電流損)を発生させる。
【0063】ここでの発熱量Qは電磁誘導発熱層1を通
る磁束の密度によって決まり、図6のグラフのような分
布を示す。図6のグラフは、縦軸に磁性コア17aの中
心を0として、中心からの角度θにより定着ベルト10
の位置を表している。横軸は定着ベルト10の電磁誘導
発熱層1での発熱量を表す。ここで、発熱域Hは最大発
熱量をQとした場合、発熱量がQ/e以上の領域と定義
する。これは定着に必要な発熱量が得られる領域であ
る。
【0064】定着ニップ部Nの温度は温度センサ26
(図2)を含む不図示の温調系により励磁コイル18に
対する電流供給が制御されることで所定の温度が維持さ
れるように温調される。
【0065】本例装置においては、定着ベルト10の温
度を検知するサーミスタなどの温度センサ26を定着ベ
ルト10の内面側で定着ニップ部Nの直後部に対応する
位置の、ベルトガイド部材16bの外面部に配設し、定
着ニップ部Nの温度を制御するようにしている。
【0066】而して、加圧ローラ30が回転駆動され、
それに伴って円筒状の定着ベルト10がベルトガイドア
センブリ16a・16bの外回りを回転し、励磁回路2
7(図5)から励磁コイル18への給電により上記のよ
うに定着ベルト10の電磁誘導発熱がなされて定着ニッ
プ部Nが所定の温度に立ち上がって温調された状態にお
いて、不図示の画像形成手段部から搬送された未定着ト
ナー画像tが形成された被記録材Pが定着ニップ部Nの
定着ベルト10と加圧ローラ30との間に画像面を上向
き、すなわち定着ベルト面に対向させて導入され、定着
ニップ部Nにおいて画像面が定着ベルト10の外面に密
着して定着ベルト10と一緒に該定着ニップ部Nを挟持
搬送されていく。
【0067】この定着ニップ部Nを定着ベルト10と一
緒に被記録材Pが挟持搬送されていく過程において、定
着ベルト10の電磁誘導発熱で加熱されて被記録材P上
の未定着トナー画像tが加熱定着される。
【0068】この際、入口ガイド上で被記録材Pと未定
着トナーtが予備加熱される。被記録材Pは定着ニップ
部Nを通過すると回転定着ベルト10の外面から分離し
て排出搬送されていく。被記録材上の加熱定着トナー画
像は定着ニップ部通過後、冷却して永久固着像となる。
【0069】フランジ部材23a・23bは定着ベルト
10の回転時に該定着ベルト10の端部を受けて定着ベ
ルト10のベルトガイドアセンブリ16a・16bの長
手に沿う寄り移動を規制する役目をする。このフランジ
部材23a・23bは定着ベルト10に従動で回転する
構成にしてもよい。
【0070】本例では、トナーtに低軟化物質を含有さ
せたトナーを使用したため、定着装置にオフセット防止
のためのオイル塗布機構を設けていないが、低軟化物質
を含有させていないトナーを使用した場合にはオイル塗
布機構を設けてもよい。また、低軟化物質を含有させた
トナーを使用した場合にもオイル塗布や冷却分離を行っ
てもよい。
【0071】A)定着ベルト10 図7は本例における定着ベルト10の層構成模型図であ
る。本例の定着ベルト10は、電磁誘導発熱性定着ベル
トの基層となる、金属ベルト等でできた電磁誘導発熱性
層1と、その外面に積層した弾性層2と、さらにその外
面に積層した離型層3の複合構造のものである。電磁誘
導発熱性層1と弾性層2との間の接着、弾性層2と離型
層3との間の接着のため、各層間にプライマー層(不図
示)を設けてもよい。
【0072】円筒状の定着ベルト10において、電磁誘
導発熱性層1が内面側であり、離型層3が外面側として
いる。前述したように、電磁誘導発熱性層1に交番磁束
が作用することで該電磁誘導発熱性層1に渦電流が発生
して該電磁誘導発熱性層1が発熱する。その熱が弾性層
2・離型層3を介して定着ニップNに通紙される被加熱
材としての被記録材Pを加熱してトナー画像tの加熱定
着がなされる。
【0073】a.電磁誘導発熱性層1 電磁誘導発熱性層1は非磁性の金属でも良いが、ニッケ
ル、鉄、強磁性SUS、ニッケル−コバル卜合金といっ
た強磁性体の金属を用いるとよい。
【0074】その厚みは次の式で表される表皮深さより
厚くかつ200μm以下にすることが好ましい。表皮深
さσ[m]は、励磁回路の周波数f[Hz]と透磁率μ
と固有抵抗ρ[Ωm]で、 σ=503×(ρ/fμ)1/2 と表される。
【0075】これは電磁誘導で使われる電磁波の吸収の
深さを示しており、これより深いところでは電磁波の強
度は1/e以下になっており、逆にいうと殆どのエネル
ギーはこの深さまでで吸収されている(図8)。
【0076】そこで電磁誘導発熱性層1の厚さは好まし
くは1〜100μmがよい。電磁誘導発熱性層1の厚み
が1μmよりも小さいとほとんどの電磁エネルギーが吸
収しきれないため効率が悪くなる。また、電磁誘導発熱
性層1が100μmを超えると剛性が高くなりすぎ、ま
た屈曲性が悪くなり回転体として使用するには現実的で
はない。従って、電磁誘導発熱性層1の厚みは1〜10
0μmが好ましい。
【0077】b.弾性層2 弾性層2は、シリコーンゴム、フッ素ゴム、フルオロシ
リコーンゴム等で耐熱性がよく、熱伝導率がよい材質で
ある。
【0078】弾性層2の厚さは10〜1000μmが好
ましい。この弾性層2は定着画像品質を保証するために
必要な厚さである。
【0079】カラー画像を印刷する場合、特に写真画像
などでは被記録材P上で大きな面積に渡ってベタ画像が
形成される。この場合、被記録材の凹凸あるいはトナー
層の凹凸に加熱面(離型層3)が追従できないと加熱ム
ラが発生し、伝熱量が多い部分と少ない部分で画像に光
沢ムラが発生する。伝熱量が多い部分は、光沢度が高
く、伝熱量が少ない部分では光沢度が低い。弾性層2の
厚さとしては、10μm以下では被記録材あるいはトナ
ー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラが発生してしま
う。また、弾性層2が1000μm以上の場合には弾性
層の熱抵抗が大きくなりクイックスタートを実現するの
が難しくなる。より好ましくは弾性層2の厚みは50〜
500μmがよい。
【0080】また、弾性層2の硬度が高すぎても被記録
材あるいはトナー層の凹凸に追従しきれず画像光沢ムラ
が発生してしまう。そこで、弾性層2の硬度としては6
0°(JIS−K A型試験機)以下、より好ましくは
45°以下がよい。
【0081】弾性層2の熱伝導率λに関しては、 6×10-4〜2×10-3[cal/cm・sec・deg.] がよい。
【0082】熱伝導率λが6×10-4[cal/cm・sec・de
g.]よりも小さい場合には、熱抵抗が大きく、定着ベル
トの表層(離型層3)における温度上昇が遅くなる。
【0083】また、熱伝導率λが2×10-3[cal/cm・se
c・deg.]よりも大きい場合には、硬度が高くなりすぎた
り、圧縮永久歪みが悪化する。
【0084】よって熱伝導率λは6×10-4〜2×10
-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。より好ましくは8×10
-4〜1.5×10-3[cal/cm・sec・deg.]がよい。
【0085】c.離型層3 離型層3はフッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリ
コーンゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、P
TFE、FEP等の離型性かつ耐熱性のよい材料を選択
することができる。
【0086】離型層3の厚さは1〜100μmが好まし
い。離型層3の厚さが1μmよりも小さいと塗膜の塗ム
ラで離型性の悪い部分ができたり、耐久性が不足すると
いった問題が発生する。また、離型層が100μmを超
えると熱伝導が悪化するという問題が発生し、特に樹脂
系の離型層の場合は硬度が高くなりすぎ、弾性層2の効
果がなくなってしまう。
【0087】また、図9に示すように、定着ベルト10
の構成において、電磁誘導発熱性層1の自由面(弾性層
2側とは反対面側)に断熱層4を設けてもよい。
【0088】断熱層4としては、フッ素樹脂、ポリイミ
ド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PE
EK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂、PFA樹脂、PT
FE樹脂、FEP樹脂などの耐熱樹脂がよい。
【0089】また、断熱層4の厚さとしては10〜10
00μmが好ましい。断熱層4の厚さが10μmよりも
小さい場合には断熱効果が得られず、また、耐久性も不
足する。一方、1000μmを超えると、磁性コア17
及び励磁コイル18から電磁誘導発熱性層1までの距離
が大きくなり、磁束が十分に電磁誘導発熱性層1に吸収
されなくなる。
【0090】断熱層4は、電磁誘導発熱性層1に発生し
た熱が定着ベルト10の内側に向かわないように断熱で
きるので、断熱層4がない場合と比較して被記録材P側
への熱供給効率が良くなる。よって、消費電力を抑える
ことができる。
【0091】B)振動体40 図10は振動体40の構成を示すもので、(a)は振動
体40の層構成を示す横断面模型図、(b)は圧電部材
41面に形成した電極パターンを示す平面図である。
【0092】振動体40は、圧電部材41、電極42・
43、弾性層44、摺動層45からなる。積層順は
(a)に示すように構成することが可能である。
【0093】圧電部材41は、たとえばジルコニウム酸
チタン酸鉛、チタン酸バリウム、チタン酸鉛等といった
圧電材料からなる。この圧電部材41上に電極42・4
3をプリント印刷してある。
【0094】弾性層44は、たとえばシリコーンゴム、
フッ素ゴム、フルオロシリコーンゴム等の材質がよい。
【0095】摺動層45が定着ニップ部Nにおいて定着
ベルト10の内面に接する。この摺動層45としては、
フッ素樹脂、シリコーン樹脂、フルオロシリコーンゴ
ム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、PFA、PTFE、
FEP等の耐熱性のよい材料を選択することができる。
【0096】電極42に(−)の電圧、電極43に
(+)の電圧を印加した場合の圧電部材41の伸縮の様
子を図11の(a)に示す。即ち、圧電部材41を弾性
体44に貼り付けると、圧電部材41が伸びた側は谷と
なり、縮んだ側は山となる弾性体44のたわみが生じ
る。
【0097】振動体40の電極42・43に交流電圧を
印加した時の状態を図11の(b)に示す。即ち、交流
電圧の正負により、弾性体44にたわみ44aと反転す
るたわみ44bが生じ、弾性体44と摺動層45には印
加電圧とほぼ同じ形状の定在波が発生する。
【0098】この定在波は振動周波数が高いために、定
着ベルト10との接触面では、定着ベルト10は振動体
40の表面変化に従動しきれなくなる。このため、定着
ニツプ部面において振動体40と定着ベルト10の接触
面積が大幅に減少し、定着ニツプ部面での摺動抵抗が大
幅に減少する。
【0099】ベルトガイド部材16aと振動体40は耐
熱性接着剤で固定するとよい。この際、図12に示すよ
うに、ベルトガイド部材16aと振動体40との間に弾
性層46を間に挟んでもよい。また、接着剤でこの弾性
層46を代用することも可能である。
【0100】ベルトガイド部材16aと振動体40の間
に弾性層46を設けることで、振動体40で発生した振
動を吸収し、振動体40をベルトガイド部材16aに固
定することが可能である。
【0101】振動体40の構成は、ベルトガイド部材1
6a側から、弾性体44、電極42・43、圧電部材4
1の順に積層してもよい。圧電部材41の上には摺動層
45を設けることもできる。
【0102】印加する高周波は可聴域外の20kHz以
上がよい。本例では電極42に高周波駆動電源47(図
10)から20kHz〜数百MHzの高周波電圧を仰加
できるようにした。
【0103】また、20kHzから500kHzの間の
周波数でよければ電磁誘導加熱に用いる励磁回路27
(図5)と共用することができる。また、励磁コイル1
8から電磁誘導によって高周波電圧を得ることができ
る。この場合、専用の電源を必要としないために電源の
コストダウンに役立つ。
【0104】前述したように、従来は、定着ニツプ部面
に相互摺動摩擦力を低減させるために定着ベルト10の
内面に耐熱性グリースを潤滑剤として塗布していたが、
本例では耐熱性グリースがなくても、定着ベルト10の
寿命に影響を与えず定着ベルト10を回転させることが
できる。また、従来、装置の立ち上げ時など耐熱性グリ
ース温度が低い場合には、耐熱性グリースの粘性が高い
ために十分な潤滑性が得られず、定着ベルト10に対し
て被記録材Pや加圧ローラ30がスリップすることがあ
ったが、本例ではそのようなスリップを防ぐことができ
る。また、耐熱性グリースのように耐久劣化を起こさな
いため、装置寿命をさらに長くすることが可能となる。
【0105】〈第2の実施例〉(図13) 本実施例は振動体40について、第1の実施例の振動体
40において圧電部材41上に図10の(b)のように
プリントしてある電極42・43を、図13のように圧
電部材41の長手方向に対して第1と第2の2分割電極
部I(42a・43a)・II(42b・43b)した構
成であり、それ以外は第1の実施例と同様の構成であ
る。
【0106】第1の分割電極部Iの電極42a・43a
と、第2の分割電極部IIの電極42b・43bにはそれ
ぞれ別々の第1と第2の高周波駆動電源47a・47b
が接続されている。
【0107】本例では第1の高周波電源47aは振幅可
変であり、第2の高周波電源47bは振幅固定である。
【0108】本例では定着ベルト端部にベルト寄り検知
装置51を取り付けることによりベルトの寄りを検知す
る。ここで検知したベルト寄り量を信号に変換し制御部
52で寄り量に応じて第1の高周波電源47aから第1
の分割電極部Iの電極42a・43aに印加する印加電
圧の振幅Aaを制御する。
【0109】たとえば、定着ベルト10が図13におい
て下方Xに寄った場合は、第2の高周波電源47bの印
加電圧の振幅Abよりも第1の高周波電源47aの印加
電圧の振幅Aaを小さくすることで、定着ベルト10の
搬送速度について、該定着ベルトの第1の分割電極部I
に対応するベルト部分の方が第2の分割電極部IIに対応
するベルト部分よりも速くなり、定着ベルト10は図1
3において搬送速度の速いベルト部分側である上方Yへ
戻し移動される。
【0110】逆に、定着ベルト10が図13において上
方Yに寄った場合は、第2の高周波電源47bの印加電
圧の振幅Abよりも第1の高周波電源47aの印加電圧
の振幅Aaを大きくすることで、定着ベルト10の搬送
速度について、該定着ベルトの第2の分割電極部IIに対
応するベルト部分の方が第1の分割電極部Iに対応する
ベルト部分よりも速くなり、定着ベルト10は図13に
おいて搬送速度の速いベルト部分側である下方Xへ戻し
移動される。
【0111】このように、定着ベルト10の寄りを制御
することにより、定着ベルト端部に負荷をかけることな
く定着ベルト10を安定して回転させることができる。
【0112】また、定着ベルト10の寄りを制御できる
ので、ベルトガイドアセンブリ16a・16bの端部に
配設する、定着ベルト端部規制保持フランジ部材(保持
リング)23a・23bを省略することもできる。
【0113】〈第3の実施例〉(図14) 本実施例は振動体40について、第1の実施例の振動体
40において圧電部材41上に図10の(b)のように
プリントしてある電極42・43を、図14のように圧
電部材41の長手方向に対して第1・第2・第3の3分
割電極部I(42c・43c)・II(42d・43d)
・III (42e・43e)した構成であり、それ以外は
第1の実施例と同様の構成である。
【0114】圧電部材41の長手方向両端側の第1と第
3の分割電極部IとIII の電極42c・43c、電極4
2e・43eには共通の第1の高周波駆動電源47cが
接続されている。圧電部材41の長手方向中央部の第2
の割電極部IIの電極42d・43dには第2の高周波駆
動電源47dが接続されている。
【0115】高周波電源47cと47dの印加電圧の振
幅について、第1の高周波電源47cで発生する高周波
の振幅をAc、第2の高周波電源47dで発生する高周
波の振幅をAdとすると、Ac<Adの関係を満足す
る。
【0116】これにより、定着ベルト10と振動体40
の間での摺動抵抗は振動体40の長手方向両端端部に比
べ中央部の方が低くなるため、定着ベルト10は振動体
40の長手方向両端部と比較して中央部の方が回転速度
が早くなり、常に振動体40の長手方向中央部に向かう
寄り力が発生するので、定着ベルト10は安定した回転
を得ることができる。
【0117】本例のように、振動体40の長手方向両端
部側の第1と第3の分割電極部I・III の電極に対する
高周波の振幅Acよりも、振動体40の長手方向中央部
の第2の分割電極部IIの電極に対する高周波の振幅Ad
を大きくすることにより、定着ベルト10には常に振動
体40の長手方向中央部へ向かう力が発生するため、定
着ベルトの寄り制御を行う必要がなくなり、寄り制御機
構を省略したり、定着ベルト端部規制保持フランジ部材
23a・23bを省略することもできる。
【0118】〈その他の実施例〉 1)電磁誘導発熱性の定着ベルト10は、モノクロある
いは1パスマルチカラー画像などの加熱定着用の場合は
弾性層2を省略した形態のものとすることもできる。電
磁誘導発熱性層1は樹脂に金属フイラーを混入して構成
したものとすることもできる。電磁誘導発熱性層単層の
部材とすることもできる。
【0119】2)加熱装置としての定着装置100の装
置構成は実施例の駆動ローラ駆動方式に限られるもので
はない。
【0120】例えば、図15のように、ベルトガイド1
6と、駆動ローラ31と、テンションローラ32との間
に、電磁誘導発熱性のエンドレスベルト状の定着ベルト
10を懸回張設し、ベルトガイド16の下面部と加圧部
材としての加圧ローラ30とを定着ベルト10に挟んで
圧接させて定着ニツプ部Nを形成させ、定着ベルト10
を駆動ローラ31によって回転駆動させる装置構成にす
ることもできる。この場合、加圧ローラ30は従動回転
ローラである。
【0121】3)加圧部材30はローラ体に限らず、回
動ベルト型など他の形態の部材にすることもできる。
【0122】また加圧部材30側からも被記録材に熱エ
ネルギーを供給するために、加圧部材30側にも電磁誘
導加熱などの発熱手段を設けて所定の温度に加熱・温調
する装置構成にすることもできる。
【0123】4)本発明は電磁誘導発熱性のエンドレス
ベルトの搬送だけでなく、ライン状発熱体(セラミック
ヒータ等)を発熱源とするエンドレスベルトの摺動性ア
ップに使用することもできる。
【0124】5)本発明の加熱装置は実施例の画像加熱
定着装置としてに限らず、画像を担持した被記録材を加
熱してつや等の表面性を改質する像加熱装置、仮定着す
る像加熱装置、その他、被加熱材の加熱乾燥装置、加熱
ラミネート装置など、広く被加熱材を加熱処理する手段
・装置として使用できる。
【0125】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
回転するエンドレスベルトを有しこのベルト側からの熱
により被加熱部材を加熱するベルト加熱方式の加熱装
置、像加熱装置、及び該加熱装置を像加熱装置として備
えた電子写真装置・静電記録装置などの画像形成装置に
ついて、エンドレスベルトとベルト保持部材との間のニ
ップ面に振動体を配設し、弾性表面波を発生させること
によりニップ面におけるベルトの接触面積を減らすこと
ができ、低温時であっても摺動摩擦抵抗を大幅に低減さ
せることができ、グリースのような耐久劣化の問題もな
く、このため、ベルトに対する被加熱材等のスリップを
防止できるほか、装置の耐久寿命を長くすることができ
る。
【0126】また、振動体の圧電部材に設けた電極を長
手方向に分割し、それぞれの電極に印加する高周波電圧
の振幅を調整することによりベルトの寄りを制御でき、
安定したエンドレスベルトの回転を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1の実施例に用いた画像形成装置の概略構
成図
【図2】 像加熱装置としての定着装置の要部の横断側
面模型図
【図3】 同じく要部の正面模型図
【図4】 同じく要部の横断正面模型図
【図5】 内部に励磁コイルと磁性コアを配設支持させ
た右側のベルトガイド部材の斜視模型図
【図6】 磁場発生手段と発熱量Qの関係を示した図
【図7】 電磁誘導発熱性の定着ベルトの層構成模型図
(その1)
【図8】 発熱層深さと電磁波強度の関係を示したグラ
【図9】 電磁誘導発熱性の定着ベルトの層構成模型図
(その2)
【図10】 振動体の構成説明図
【図11】 振動体の振動の様子を示す模式図
【図12】 ベルトガイド部材と振動体の関係を示す模
式図
【図13】 第2の実施例における振動体の構成説明図
【図14】 第3の実施例における振動体の構成説明図
【図15】 その他の電磁誘導加熱方式の加熱装置の一
例の構成略図
【符号の説明】
1 発熱層 2 弾性層 3 離型層 4 断熱層 10 定着ベルト 16a・16b ベルトガイド部材 17 磁性コア 18 励磁コイル 19 絶縁部材 23a・23b 定着ベルト端部の規制・保持用フラン
ジ部材 26 温度検知素子(サーミスタ) 30 加圧部材としての加圧ローラ 31 駆動ローラ 32 テンションローラ 40 振動体 41 圧電部材 42、42a〜42e、43、43a〜43e 電極 44 弾性層 45 摺動層 46 弾性層 47、47a〜47d 高周波電源
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 佐野 哲也 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 辛島 賢司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H033 AA14 BA11 BE03 BE06

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】磁場発生手段と、前記磁場発生手段の磁界
    の作用で電磁誘導発熱する電磁誘導発熱性部材と、該電
    磁誘導発熱性部材と相互圧接して被加熱部材のニップ部
    を形成する加圧部材を有し、前記磁場発生手段の発生磁
    界による電磁誘導発熱性部材の発熱で被加熱部材を加熱
    する加熱装置であり、 電磁誘導発熱性部材はエンドレスベルトであり、前記エ
    ンドレスベルト内部の加圧部材との対向面に振動体を有
    することを特徴とする加熱装置。
  2. 【請求項2】エンドレスベルトと、前記エンドレスベル
    トを支持する支持部材と、前記エンドレスベルトと相互
    圧接してニップ部を形成する加圧部材を有し、エンドレ
    スベルト内に発熱体を有し、被加熱部材を加熱する加熱
    装置であり、 エンドレスベルト内部の加圧部材との対向面に振動体を
    有することを特徴とする加熱装置。
  3. 【請求項3】請求項1または2に記載の加熱装置におい
    て、前記振動体は少なくとも圧電部材と圧電部材に設け
    た電極と、弾性層からなり、前記電極に20kHz以上
    の高周波電圧を印加することを特徴とする加熱装置。
  4. 【請求項4】請求項3に記載の加熱装置において、前記
    振動体はエンドレスベルトとの接触面に摺動層を有する
    ことを特徴とする加熱装置。
  5. 【請求項5】請求項3または4に記載の加熱装置におい
    て、前記電極は振動体の長手方向に複数に分割されてお
    り、それぞれの電極に高周波電圧を印加することを特徴
    とする加熱装置。
  6. 【請求項6】請求項5に記載の加熱装置において、前記
    電極は振動体の長手方向に2分割されており、それぞれ
    の電極に高周波電圧を印加することを特徴とする加熱装
    置。
  7. 【請求項7】請求項3ないし6のいずれかに記載の加熱
    装置において、エンドレスベルトの長手方向の移動を検
    知する検知手段を有し、前記検知手段から得たエンドレ
    スベルトの移動量に応じて、前記高周波電圧の振幅を変
    化させることを特徴とする加熱装置。
  8. 【請求項8】請求項5に記載の加熱装置において、前記
    電極は振動体の長手方向に3分割されており、それぞれ
    の電極に高周波電圧を印加することを特徴とする加熱装
    置。
  9. 【請求項9】請求項8に記載の加熱装置において、中央
    の分割電極に印加する電圧の振幅が両端部の分割電極に
    印加する電圧の振幅よりも大きいことを特徴とする加熱
    装置。
  10. 【請求項10】 被記録材上の像を加熱処理する像加熱
    装置であり、像加熱手段が請求項1ないし9のいずれか
    に記載の加熱装置であることを特徴とする像加熱装置。
  11. 【請求項11】 被記録材に画像を形成する画像形成手
    段と、被記録材上に形成した画像を加熱処理する像加熱
    手段を備え、該像加熱手段が請求項1ないし9のいずれ
    かに記載の加熱装置であることを特徴とする画像形成装
    置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6631253B2 (en) 2000-12-20 2003-10-07 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus using the same
JP2017156716A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

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US6631253B2 (en) 2000-12-20 2003-10-07 Ricoh Company, Ltd. Fixing device and image forming apparatus using the same
JP2017156716A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置及び画像形成装置

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