JP2000131161A - トルク検出装置及びこれを備えた電動アシスト自転車 - Google Patents

トルク検出装置及びこれを備えた電動アシスト自転車

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JP2000131161A JP10302730A JP30273098A JP2000131161A JP 2000131161 A JP2000131161 A JP 2000131161A JP 10302730 A JP10302730 A JP 10302730A JP 30273098 A JP30273098 A JP 30273098A JP 2000131161 A JP2000131161 A JP 2000131161A
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torque
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torque detecting
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Kyosuke Kokatsu
京介 小勝
Akihito Yoshiie
彰人 吉家
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Sunstar Engineering Inc
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    • B62LAND VEHICLES FOR TRAVELLING OTHERWISE THAN ON RAILS
    • B62MRIDER PROPULSION OF WHEELED VEHICLES OR SLEDGES; POWERED PROPULSION OF SLEDGES OR SINGLE-TRACK CYCLES; TRANSMISSIONS SPECIALLY ADAPTED FOR SUCH VEHICLES
    • B62M6/00Rider propulsion of wheeled vehicles with additional source of power, e.g. combustion engine or electric motor
    • B62M6/40Rider propelled cycles with auxiliary electric motor
    • B62M6/45Control or actuating devices therefor
    • B62M6/50Control or actuating devices therefor characterised by detectors or sensors, or arrangement thereof

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トルク検出装置のスペース及び重量の削減を
図り、機構を簡単化する。 【解決手段】 スプロケット2は、ドライブシャフト4
が貫通する剛性の中央部29と、複数の隆起部27及び
複数の孔部28とが周方向に交互に形成された弾性を有
する応力変形部26と、スプロケット2の最外周部に形
成された複数の歯24を含む剛性の歯部26と、を有す
る。ドライブシャフト4を介して伝達された踏み込みト
ルクとこれに抗するチェーン12の作用によりスプロケ
ットの応力変形部26それ自体に応力変形が生じる。こ
れに伴って隆起部27の高さがトルクに応じて低下す
る。この隆起部27に位置検出用円板32を当接し、該
円板の検出面の変位量を検出センサー34により検出す
る。検出された軸方向変位量に基づいて踏み込みトルク
を検出する。弾性体を追加する必要が無いので、省スペ
ース及び軽量化を実現させた簡素なトルク検出装置を提
供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スプロケットに作
用するトルクを検出するトルク検出装置及びこれを備え
た電動アシスト自転車に係り、より詳しくは、トルクの
作用によりスプロケットそれ自体に生じた応力変形量か
らトルクを検出するトルク検出装置及びこれを備えた電
動アシスト自転車に関する。
【0002】
【従来技術】従来より、人力で駆動する自転車に電気駆
動系を並列に付加し、人力による踏力の変化に基づいて
電気駆動系の出力を制御し、これによって人力をアシス
トする電動アシスト自転車が製造・販売されている。
【0003】このような電動アシスト自転車では、電気
駆動系の出力を決定するため、ペダル踏力に応じて回転
機構に作用する踏み込みトルクを検出するトルク検出機
構を備えたものが一般的である。このようなトルク検出
機構として、従来では、以下のような手段が講じられて
いた。
【0004】(1) クランクシャフト内又は後輪車軸
上にペダル踏力に応じてねじれ変形するトーションバー
を備え、該トーションバーのねじれ変形をトーションバ
ーに連結されたカム等により直線運動に変換し、この直
線運動に連動したポテンショメータの抵抗の変化を入力
トルクとして検出する。或いはトーションバーのねじれ
回転角度を直接検出する(特開平9−207868
号)。
【0005】(2) 後輪のギヤホルダの一端にコイル
スプリングを接続し、チェーンを介して後輪のフリーギ
ヤに伝達されたペダル踏力がコイルスプリングを介して
後輪と一体のプーリーに伝達されるように構成し、該コ
イルスプリングのたわみ量を入力トルクとして検出す
る。
【0006】(3) ペダルへの入力をクランク軸側か
ら受けて他の機構に伝達する円板部材をクランク軸と同
軸をなした状態で回転可能かつ軸方向に移動可能にフレ
ームに支持し、クランク軸を内側に挿通させた状態で一
端部がクランク軸に固定され他端部が上記円板部材に固
定されたコイルスプリングを設け、円板部材のフレーム
に対する距離変化を駆動トルクとして検出する(特開平
8−230756号)。
【0007】(4) 車軸支持部を前後に長く形成した
長孔で構成し、該長孔に車軸を支持し、車軸と一体の可
動コアとメインフレームとの間に配設した圧縮コイルバ
ネによって車軸及びスプロケットを後方に弾性付勢する
ことにより長孔の後端位置に車軸及びスプロケットを保
持し、スプロケットのメインフレームに対する前後方向
での変位即ち無端回動チェーンの巻き掛け張力を駆動ト
ルクとして検出する(特開平9−301263号)。
【0008】(5) クランク軸に連結され、該軸と共
に回転する入力プレートと、該入力プレートとその回転
方向に付勢するスプリングを介して連結された出力プレ
ートと、該出力プレートに外軸を介して固定連結された
スプロケットと、を有し、ロータリーエンコーダ等を用
いて前記スプリングの圧縮変形量即ち入力プレートと出
力プレートとの相対回転量をペダルへの踏み込みトルク
として検出する(特開平8−169385号)。
【0009】(6) ペダルが取り付けられるクランク
の回転中心部に取り付けられ、且つ、多数の第1のスリ
ットが円形状に形成された第1のスリット板と、該第1
のスリットと同じ形状、同一ピッチに形成された同一数
の第2のスリットを有し、且つ、該第2のスリットが前
記第1のスリットと所定の位相差で対向するように前記
第1のスリット板と略平行にチェーンスプロケットに固
定された第2のスリット板と、前記クランクの回転中心
部と前記チェーンスプロケットとの間に配設された弾性
部材と、第1のスリットと第2のスリットとを光が通過
する時間を検出することによりクランク回転中心部とチ
ェーンスプロケットとの間の位相差を求め、該位相差を
ペダル踏み込みにより生じたトルクとして演算する検出
手段と、を有する(特開平6−211179号)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術はいずれも、ペダルから後輪スプロケットまで踏
力が伝達される経路にある動力伝達機構内に、ペダル踏
力に応じて変形する弾性部材を、スプロケット等などの
構成要件とは別体に新たに追加している。かかる弾性部
材は、これに直接加えられるペダル踏力に抗するべく高
い剛性及び大きな弾性率をもたされている。このため、
かかる弾性部材の新規追加に起因して動力伝達機構が占
めるスペース及び重量が増加するのみならず、該弾性部
材を踏力に応じて変形させるための他の伝達機構が更に
必要となって、トルク検出機構がよりいっそう複雑化・
大型化するという問題が生じる。
【0011】本発明は、上記事実に鑑みなされたもの
で、トルク検出機構が占めるスペース及び重量を大幅に
軽減した簡易な構成のトルク検出装置及びこれを備える
ことにより軽快な運転を実現した電動アシスト自転車を
提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、請求項1の発明は、スプロケットに作用するトルク
を検出するトルク検出装置において、前記トルクの作用
により前記スプロケットそれ自体に生じた応力変形に伴
ってスプロケット面が変位したときの変位量に基づい
て、前記スプロケットに作用したトルク又は該トルクに
関連する物理量を検出することを特徴とする。
【0013】スプロケットにトルクが作用すると、弾性
を有するスプロケットの部分が応力変形し、これに伴っ
て、スプロケット面の位置が変位する。この変位量は、
作用したトルクが大きいほど大きくなる。請求項1の発
明は、この点に着眼し、トルクの作用によりスプロケッ
トそれ自体に生じたスプロケット面の変位量に基づいて
トルクを検出する。このように本発明では、スプロケッ
ト等などの構成要件とは別体に大きな弾性体を付加する
必要が無いので、検出機構をきわめて単純に構成できる
のみならず、この機構が占めるスペース及び重量を大幅
に軽減することができる。
【0014】応力変形に伴う変位量を大きくしてトルク
の検出精度を向上するためには、スプロケットの変位量
を検出する部分に弾性を備える必要がある。そこで、請
求項2の発明では、請求項1のスプロケットが、チェー
ンと嵌合するため前記スプロケットの外周に形成された
剛性の歯部と、前記スプロケットに前記トルクを伝達す
るドライブ軸を固定支持するための剛性の軸部と、前記
歯部と前記軸部との間に形成された弾性を有する応力変
形部と、から構成されている。
【0015】請求項2の発明では、軸部にドライブ軸か
らのトルクが伝達されると、スプロケット全体がこのト
ルクにより回転しようとする。このとき、加えられたト
ルクは、応力変形部を介して歯部に伝達されるが、歯部
にチェーンが嵌合していると、チェーンの引張力が該ト
ルクに対抗する負荷として作用する。従って、軸部と歯
部との間に形成された応力変形部は、弾力を有している
ため拮抗する応力によって弾性変形し、これに伴ってス
プロケット面が大きく変位する。よって、検出精度を向
上できる。このとき、軸部と歯部とが剛性を有している
ため、スプロケットに軸部を介して加えられたトルクは
確実にチェーンに伝達される。
【0016】応力による変位量をさらに大きくするた
め、請求項3の発明は、請求項2の応力変形部のスプロ
ケット面が、前記トルクの作用による応力変形が主とし
て予め定められた検出方向の変位量として現れるような
特定形状に成形されていることを特徴とする。この場
合、請求項4の発明のように、請求項3の予め定められ
た検出方向が、スプロケットの軸方向であるのが、変位
量を大きくするために好ましい。
【0017】このような特定形状として、例えば請求項
5の発明のように、請求項3又は請求項4の応力変形部
の前記特定形状が、その周囲のスプロケット面に対して
隆起するように形成された複数の隆起部と、前記スプロ
ケットを貫通する複数の孔部と、が周方向に沿って交互
に形成された形状であるのが好ましい。
【0018】請求項5の発明では、応力変形部内に発生
した拮抗する応力によって隆起部がその裾部分の両側か
ら引っ張られると、隆起部の高さが低下するので、この
低下量を軸方向の変位量としてきわめて効率的に検出す
ることができる。また、隣接した箇所に孔部が形成され
ているため、隆起部の自由度が増して弾性が大幅に向上
し応力変形量が大きくなる。また、孔部があると、隆起
部を成形しやすくなる。
【0019】隆起部の形状としてより具体的には、請求
項6の発明のように、請求項5の隆起部が、隆起した側
の反対側のスプロケット面で凹んでおり、隣接する前記
孔部に面する両側部には面部分を有しないのがさらに好
ましい。このように本発明では、応力を受けにくい方向
に面部分を有さず、また隆起部の反対側が凹んでいるの
で、拮抗する応力による隆起部の低下がより顕著に現れ
る。
【0020】この隆起部の形状として、例えば、請求項
7の発明のように、請求項6の隆起部が、隆起部分の断
面形状が凸状であるように形成されてもよい。また、請
求項8の発明のように請求項6の隆起部が、隆起部分の
断面形状が、傾斜部と平坦な頂上部とを有する形状であ
ってもよい。
【0021】ところで、応力変形部内に生じる応力は、
軸部から伝達されたトルクとチェーンの引張力との拮抗
によるため、径方向に対し斜めの方向が最大の応力方向
となる。即ち、応力分布は渦を巻くような形状となる。
従って、隆起部が応力により引き伸ばされる方向もこの
最大応力方向に沿った方が変位量を大きくするためには
好ましくなる。
【0022】そこで、請求項9の発明は、請求項5乃至
請求項8のいずれか1項の前記隆起部及び前記孔部が、
前記スプロケットの軸方向から見た形状が前記スプロケ
ットの回転方向に渦を巻くような形状に形成されている
ことを特徴とする。即ち、請求項10の発明のように、
請求項9の隆起部は、前記スプロケット面内で前記スプ
ロケットの径方向に対し斜めに交わるように延在してい
る。
【0023】請求項9及び請求項10の発明では、複数
の隆起部が、応力により引き伸ばされる方向に沿って渦
巻き形状に延在しているため、トルクの作用による応力
変形をスプロケット面の変位量として効率的に引き出す
ことができ、検出精度の向上が図れる。
【0024】請求項11の発明は、請求項2乃至請求項
10のいずれか1項に記載の発明において、前記歯部
と、前記応力変形部と、前記軸部とは、それぞれ別体の
構成部品として形成され、前記スプロケットは、これら
の構成部品を連結してなることを特徴とする。
【0025】請求項11の発明では、スプロケットがそ
れぞれ別体の構成部品から構成されるため、応力変形部
に弾性を持たせるように成形することがきわめて容易と
なる。換言すれば、応力変形部の弾性を大きくするよう
に容易に成形できる。例えば、応力変形部を弾性率の大
きい材料から構成したり、歯部や軸部と比較して剛性を
減少させるため、板厚の薄い同一の金属材料から成形す
る。或いは弾性率が大きくなるような形状に成形しても
よい。
【0026】請求項11の発明の場合、例えば、請求項
12の発明のように、前記歯部には、その中央部に形成
された中央孔に前記軸部がはめ込まれており、前記応力
変形部は、前記中央軸部と前記歯部とをスプロケットの
片面から連結しているように各構成部品を成形するのが
好ましい。これによって、歯部と軸部とからくる応力の
拮抗を効率的に応力変形部に反映することができる。
【0027】請求項12の前記応力変形部は、請求項1
3の発明のように、前記ドライブ軸を貫通するための中
央孔を備えた環状部材であるようにしてもよい。
【0028】より好ましくは、請求項14の発明のよう
に、請求項12又は請求項13に記載の発明において、
前記軸部は円盤に形成され、前記歯部の中央孔にはめ込
まれた状態で回転が可能であると共に、前記軸部及び前
記歯部には、一定範囲内の角度を越えた回転を係止させ
る係止手段が、それぞれ設けられているのがよい。
【0029】請求項14の発明では、ドライブ軸から軸
部にトルクが伝達されると、軸部は、歯部の中央孔には
め込まれた状態でこのトルクの大きさに応じた回転角度
まで回転する。一定以上の限界トルクが作用すると、係
止手段が軸部の回転を係止させる。この係止によって、
応力変形部がその弾性限界を越えて変形することを防止
することができる。
【0030】また、スプロケットを複数の部品から構成
する他の態様として、請求項15の発明のように、請求
項11の発明において、前記応力変形部は更に複数の弾
性部材からなり、前記スプケットは、前記複数の弾性部
材を用いて前記歯部と前記軸部とを連結させてなるよう
にしてもよい。
【0031】以上のようにスプロケットを複数の構成部
品から構成するのが好ましいが、応力変形部のみを弾性
を有するように成形できる場合には、請求項16の発明
のように、請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記
載の発明において、前記スプロケットを一体成形で成形
してもよいことは勿論である。
【0032】ところで、応力変形部の軸方向変位を検出
する際には、回転によって特定の検出位置まで回ってき
た隆起部の軸方向の位置を順次検出していき、検出され
た軸方向位置からこの隆起部の軸方向変位を求めること
が好ましい。このとき、複数の隆起部は離散的に配置さ
れ、隣接する各隆起部の間には孔部しか存在しないた
め、ある隆起部が回転によって上記検出位置を離れ、次
の隆起部がこの検出位置までくる間にある一定の時間が
経過する。このため、この一定時間、軸方向変位の検出
ができないこととなり、連続的で滑らかな検出が困難と
なる。
【0033】そこで、請求項17の発明は、請求項5乃
至請求項16のいずれか1項に記載の発明において、略
平坦な検出面を備え、且つ、前記軸方向に弾力的に変位
可能な被検出部材を更に有し、該被検出部材を前記複数
の隆起部に当接して配置したことを特徴とする。
【0034】請求項17の発明では、略平坦な検出面を
備えた被検出部材を複数の隆起部に当接して配置したた
め、隣接する隆起部の間の間隙にも検出面が延在する。
しかも、この被検出部材は、軸方向に弾力的に変位可能
なたため、各隆起部の軸方向変位に応じてその検出面が
軸方向に変位し、隣接する隆起部の間の検出面でも、信
頼性の高い軸方向位置を示すことができる。これによっ
て、各隆起部の離散的な変位は検出面上の連続量に変換
され、高精度の検出をきわめて容易に行うことが可能と
なる。
【0035】例えば、請求項18の発明のように、請求
項17の前記被検出部材が、周方向に沿って配列された
複数の略平坦な検出面部と、隣接する検出面部の間に各
々形成された幅の狭い伸縮自在の複数のひだ部と、を有
し、前記検出面部が前記隆起部に当接した状態で配置さ
れるようにしてもよい。
【0036】また、請求項19の発明は、請求項17の
前記被検出部材が、前記複数の隆起部が当接された略平
坦な検出面を備えた円板部と、前記検出面とは反対側の
前記円板部の面に当接するように配置された軸方向に伸
縮可能な弾性部材と、該弾性部材を他端部で固定支持す
る支持部材と、を有するようにしてもよい。
【0037】請求項19に係る被検出部材は、請求項1
8の部材と比べて簡単に成形することができる。この場
合、請求項19の前記弾性部材は、請求項20の発明の
ように、周方向に波状となるように湾曲された波状円
板、又は、コイルばねであるようにすることができる。
【0038】検出面の特定位置を検出する手段の一態様
として、請求項21の発明は、固定位置から前記被検出
部材の検出面までの距離を検出する検出センサーを備え
たことを特徴とする。
【0039】ここで、固定位置とは、スプロケットの外
部において、該スプロケットに対して静止している位置
をいう。例えば電動アシスト自転車にこのトルク検出装
置を適用した場合、車体フレームに取り付けられた位置
などである。
【0040】請求項21の発明では、検出センサーが、
この固定位置から、トルク作用による応力変形に伴う各
隆起部の変位に応じて軸方向に変位する検出面までの距
離を検出する。検出された距離は、トルク作用を受けて
いない場合の距離との差分をとることによって、作用し
たトルクの大きさを反映する軸方向変位量に変換するこ
とができる。
【0041】好ましくは、請求項22の発明のように、
請求項21の前記検出センサーが、前記スプロケットの
応力変形に伴う軸方向変位量が最大となる検出面内の特
定位置までの距離を検出できるように取り付けられるの
がよい。
【0042】このように請求項22の発明では、検出セ
ンサーが軸方向変位量が最大となる特定位置までの距離
を検出できるため、検出精度を向上することができる。
ここで、この特定位置は、自転車の場合、スプロケット
の歯がチェーンの張り側まで回ってきたところにある
(後述する最大応力変形位置M)。
【0043】請求項23の発明は、電動アシスト自転車
において、請求項1乃至請求項22のいずれか1項に記
載のトルク検出装置と、指令信号に応じて回転する電動
モータと、前記電動モータの電動トルクを前記電動アシ
スト自転車の動力機構に付加するように設けられた動力
付加手段と、前記トルク検出装置により検出された前記
スプロケットに作用したトルク又は該トルクに関連する
物理量に基づき、所定の制御方法に従って前記電動モー
タを制御するための指令信号を出力する制御手段と、を
有することを特徴とする。
【0044】請求項23の発明では、制御手段が、請求
項1乃至請求項22のいずれか1項に記載のトルク検出
装置により検出された踏み込みトルク等に基づき、所定
の制御方法に従って電動モータを制御するための指令信
号を出力する。電動モータは、指令信号に応じて回転
し、動力付加手段を介して電動トルクを自転車の動力機
構に付加する。例えば、検出された踏み込みトルクが一
定以上の場合に電動モータをオン、そうでない場合には
オフとなるように指令する。
【0045】このように本発明では、従来と同様の電動
アシスト制御によりペダル踏み込みが楽に行えると共
に、省スペース及び軽量を図った簡素なトルク検出装置
を搭載してるため、きわめて軽快に運転することができ
る。
【0046】請求項24の発明は、請求項23の前記動
力付加手段が、前記スプロケットに取り付けられた被駆
動側プーリーと、前記電動モータの回転軸に取り付けら
れた駆動側プーリーと、前記被駆動側プーリーと前記駆
動側プーリーとの間に架けられたベルトと、を含んで構
成したものである。
【0047】請求項24の発明では、電動モータの電動
トルクが駆動側プーリー、ベルト及び被駆動側プーリー
を介して、スプロケットに、直接、加えられる。
【0048】請求項25の発明は、請求項24の前記被
駆動側プーリーが、前記スプロケットの剛性を有する歯
部の内周側近傍を介して前記スプロケットに取り付けら
れたホルダーに装着されており、さらに、前記スプロケ
ットのドライブ軸をベアリング受けしていることを特徴
とする。
【0049】請求項25の発明では、被駆動側プーリー
がドライブ軸をベアリング受けし、さらに、ホルダーを
介して剛性を有するスプロケット部分に電動トルクを伝
達するため、回転中心を揺らがせることなく、より効率
的に電動トルクをスプロケットに伝達することができ
る。また、ベアリングによって、スプロケットの逆方向
の回転が電動モータに伝達されないので、ペダル回転の
負荷が増大することを防止できる。さらに、歯部の内周
側近傍を介して電動トルクをスプロケットに作用するた
め、トルク検出装置は、踏み込みトルクを高精度で検出
することができる。
【0050】
【発明の実施の形態】以下、電動モータによって入力駆
動の補助を行ういわゆる「電動アシスト自転車」に本発
明の各実施形態に係るトルク検出装置を適用した例につ
いて図面を参照して説明する。
【0051】(第1実施形態)図1には、本発明の第1
実施形態に係るトルク検出装置が適用された電動アシス
ト自転車の概略が示されている。同図に示すように、こ
の電動アシスト自転車1の主要な骨格部分は、金属管製
の車体フレーム3から構成されており、該車体フレーム
3には、前輪20、該前輪を操舵するためのハンドル1
6、後輪22及びサドル18などが周知の態様で取り付
けられている。
【0052】また、車体フレーム3の中央下部には、ス
プロケット2が回転自在に軸支されており、該スプロケ
ット2はこれと同軸を有するドライブシャフト4を介し
て左右両側にスプロケット2と一体に回転するクランク
棒6L、6Rが各々取り付けられ、これらのクランク棒
の先端にはペダル8L、8Rが各々設けられている。更
に、後輪22の中央部には、該後輪に動力を与えるため
後輪動力機構10が設けられており、該後輪動力機構の
内部に設けられた図示しないフリーホイールとスプロケ
ット2との間には無端回動のチェーン12が張設されて
いる。即ち、周知のように、ペダル8に与えられた前進
方向の踏力は、クランク棒6を介して図のR方向の踏み
込みトルクとしてスプロケット2に作用し、該踏み込み
トルクはチェーン12を介して後輪動力機構10に伝達
され、その結果、後輪22を回転させて自転車1を前方
に走らせる。
【0053】図2には、電動アシスト自転車1に適用さ
れた第1実施形態のトルク検出装置及び電動アシスト手
段の概略構成が示されている。なお、同図は、ドライブ
シャフト4の中心軸線5を通って取られた水平断面の上
図として示されたものであり、簡単化のため、左側のク
ランク棒6L及びペダル8Lのみが示されている。
【0054】まず、図2を参照して本実施形態のトルク
検出装置を説明する。同図に示すように、このトルク検
出装置は、スプロケット2それ自体の応力変形による軸
方向(軸線5と平行な方向)の変位量を検出できるよう
に構成されており、この軸方向変位量を検出しやすくす
るためにスプロケット2の一方の表面側(図では左側)
に当接された位置検出用円板32と、この軸方向変位量
を検出するために用いられる検出センサー34と、をさ
らに含んで構成されている。
【0055】このうちスプロケット2は、所定の金属材
料から一体成形されており、図3(上面図及び概念的な
側面図)に示すように、ドライブシャフト4を貫通させ
るための中心孔30を備えた中央部29と、複数の隆起
部27及び複数の孔部28とが周方向に沿って交互に形
成された応力変形部26と、スプロケット2の最外周部
に形成された複数の歯24及び隣接する歯の間に形成さ
れた凹部25からなる歯部23と、を有するように形成
されている。
【0056】ここに応力変形部26の隆起部27を、線
B−B’(図3の上面図)を視線方向として眺めたとき
の側面図を図7(a)に示す。同図に示すように、隆起
部27は、応力による変形を軸方向の変位量に変換する
ため、スプロケット2の一方の表面側に隆起し、他方の
表面側で凹んでいる。図の例では、スプロケット2の平
坦な表面に対して傾斜した傾斜部27aと、平坦な頂上
部27bと、を有する。また、この隆起部27には、隣
接する孔部28に面した側面に面部分が存在していない
ことがわかる。
【0057】また、この隆起部27を線A−A’を視線
方向として眺めたときの正面図を図7(b)に示す。同
図に示すように、傾斜部27aは、傾斜した平坦な面部
分であることがわかる。
【0058】なお、図7(c)に示すように、隆起部2
7’を、頂上部27bが形成されていない完全な凸状又
は半円状に構成してもよい。この隆起部27’の線A−
A’から見た外観は、図7(b)と類似であるので、図
示を省略する。
【0059】このように形成された隆起部27は、図6
に示すように、チェーン引張力と踏み込みトルクとの拮
抗から生じた応力F、−Fによってその両側から(即
ち、歯部23の側及び中央部29の側から:図6参照)
引っ張られたとき、傾斜部27aの傾斜が緩やかとなっ
て頂上部の高さが低下する。この高さの低下量が軸方向
変位量ΔLであり、チェーン引張力の源である踏み込み
トルクを反映している。
【0060】また、孔部28は、応力変形部26の剛性
を低下させて隆起部27の応力変形量を増大させるよう
に、スプロケット2の厚さを貫通して開けられている。
なお、中央部29及び歯部26は、充分な剛性を持つよ
うに成形されるが、応力変形部26の応力変形量を更に
増大させて検出精度を高めるために、応力変形部26を
中央部29等に比べて薄く成形した方が好ましい。
【0061】更に、応力変形部26は、応力による変形
を軸方向の変位量に、より効率的に変換するため、図3
(上面図)に示すように、隆起部27及び孔部28が自
転車1を前方に走らせる順回転方向Rに渦巻き形状を呈
するようにそれぞれ形成されている。これにより、単に
隆起部27を径方向(円中心から放射状に延びる方向)
に放射状に形成した場合と比べて、隆起部27の両側か
ら引っ張る力の向きは、最大応力の向きに近くなり、よ
り大きく隆起部を変形させることができる。
【0062】なお、図3の上面図において、スプロケッ
ト2の中心Oを原点とし、自転車1の進行方向をX軸の
正方向、このX軸に対し鉛直上方向をY軸の正方向とす
ると、スプロケット2は、X軸及びY軸によって4つの
区画即ち第I象限、第II象限、第III象限及び第IV象限に
便宜上分類することができる。このとき、チェーン12
が巻架けられた区画のうち、チェーン12の張り側にあ
る第I象限が最も大きな引張力を受けて、これにより生
じる応力変形量が最大となる。また、第I象限の中で
も、最大の応力変形を被るところ(最大応力変形位置
M)が、Y軸の正方向との交点よりR方向に2、3歯程
度進んだところといわれている。ただし、この最大応力
変形位置Mは、様々な条件によって変動する。
【0063】また、位置検出用円板32は、図4(a)
に示すように、中央部に形成された中心孔40と、該中
心孔40の外周部全体に亘って形成された、非伸縮性の
複数の平坦部38と、隣接する平坦部38の間に各々形
成された複数の伸縮ひだ部39と、を有する。
【0064】このうち伸縮ひだ部39は、図4(b)に
示すように、例えば板金を少なくとも三角状に折り曲げ
て溝を作ることによって形成することができる。従っ
て、この伸縮ひだ部39は、弾力を有し、且つ、P方向
及びQ方向に伸縮することができる。これによって、各
々の平坦部38は、隣接する平坦部に対してU方向に上
下することができるのみならず、伸縮ひだ部39の弾力
によって元の位置に戻る作用を受ける。
【0065】位置検出用円板32は、図2に示すよう
に、各々の平坦部38がスプロケット2の各隆起部27
にそれぞれ当接した状態でドライブシャフト4に固定支
持され、スプロケット2と共に回転する。各隆起部27
が応力変形により軸方向に上下するのに応じて位置検出
用円板32の各平坦部38も隆起部に当接した状態でそ
れぞれ上下に変位する。この位置検出用円板32をスプ
ロケット2に当接しておくことによって、離散的に配置
された各平坦部38の変位量を連続的な変位量として検
出することが可能となる。
【0066】この位置検出円板32に向かって配置され
た検出センサー34は、応力変形に伴うスプロケット2
の軸方向変位量が比較的大きくなるような位置検出円板
32上の検出点までの距離を検出できるように車体フレ
ーム3に対し固定されている。この検出センサー34
は、車体フレーム3(図1)に取り付けられたその固定
位置から位置検出用円板32までの軸方向の距離を検出
し、該距離を示す検出信号を出力する。好ましくは、図
3の最大応力変形点Mまでの軸方向距離L1を検出でき
るように検出センサー34を取り付ける。
【0067】なお、この検出センサー34は、例えば、
位置検出用円板32の軸方向変位に応じて軸方向に移動
するように取り付けられたフェライト等の磁性材料から
なる検出体と、該検出体の近傍に配置されたコイルと、
該コイルのインダクタンスの変化を電気信号に変換して
検出することが可能な検出回路と、によって実現でき
る。この構成の場合、スプロケット2の軸方向変位量に
応じて検出体がコイルに接近したり或いは遠ざかるが、
検出体とコイルとの距離によりコイルのインダクタンス
が変化するので、コイルのインダクタンスの変化を検出
回路により検出することによってスプロケット2までの
軸方向距離L1を演算することができる。勿論、軸方向
距離L1を検出できる限り、これ以外の型式の任意の検
出センサーを用いることができる。
【0068】検出センサー34の出力端には、センサー
からの検出信号を受信するコントローラ14が接続され
ている。このコントローラ14は、いわゆるマイクロコ
ンピュータなどで実現することができ、受信した検出信
号に基づいてスプロケット2に作用したトルクを演算す
る演算機能などを有する。
【0069】次に、本実施形態の電動アシスト手段を説
明する。この電動アシスト手段は、図2に示すように、
スプロケット2の隆起部27が凹んでいる側(図では右
側)に剛性の高い歯部の近傍から連結されたホルダー3
3と、ドライブシャフト4を受け入れるようにホルダー
33に形成された被駆動側プーリー35と、ドライブシ
ャフト4の軸線5にその回転軸37aが略平行となるよ
うに配置された電動モータ37と、回転軸37aの先端
に取り付けられた駆動側プーリー37bと、この駆動側
プーリー37bと被駆動側プーリー35との間に架けら
れたベルトと、検出センサー34からの検出信号に基づ
いて電動モータ37の回転を制御する上記のコントロー
ラ14と、を含んで構成される。
【0070】このように本実施形態では、電動モータ3
7の駆動力を、駆動側プーリー37b、ベルト36、被
駆動側プーリー35及びホルダー33を介して、直接、
スプロケット2に伝達させる電動アシスト方法を一例と
して採用している。
【0071】図5には、ホルダー33についてより詳細
な上面図及び側断面図が示されている。同図に示すよう
に、ホルダー33は、ドライブシャフト4が貫通される
中心孔45と、該中心孔45の周囲に形成されてドライ
ブシャフト4を受け入れる被駆動側プーリー35と、ホ
ルダーをスプロケット2に連結するための最外周部42
と、被駆動側プーリー35を最外周部42に固定支持す
るための梁部44と、該梁部と交互に形成された孔部4
3と、を有する。このホルダー33はスプロケット2の
剛性の高い歯部近傍から連結されるため、電動モータ3
7から電動トルクが伝達されても撓むことなくこの電動
トルクをスプロケット2に伝達することができる。
【0072】また、被駆動側プーリー35は、図5の側
断面図に示すように、図2のベルト36が巻き架けら
れ、且つ該ベルトが外れないようにリップ部分が形成さ
れた外周部35aを有する。この外周部35aは、ベア
リング受けとしても機能するように形成され、該外周部
の内側にはドライブシャフト4を受け入れ該シャフトに
対して回転自在のベアリング35bが組み込まれてい
る。これにより、被駆動側プーリー35は、ドライブシ
ャフト5と同心を保った状態で電動モータ37からの電
動トルクをホルダー33を介してスプロケット2に、直
接、伝達することができる。また、ペダルの逆方向の回
転に対してもシャフトからの回転がモータに伝達してペ
ダル負荷が増大するのを回避することができる。スプロ
ケット2には、直接、踏み込みトルク及び電動トルクの
両方が作用する。
【0073】次に、本発明の第1実施形態の作用を説明
する。
【0074】搭乗者がペダル8R、8Lを踏んで自転車
1を前方に走らせるとき、スプロケット2はR方向に回
転する。このとき、スプロケット2はこれに嵌合したチ
ェーン12に駆動力を伝達すると同時に、その負荷であ
るチェーン12からの引張力よりスプロケットの各点に
は、該これらの力の拮抗に応じた応力が分布する。この
応力によって、スプロケット2は、その応力変形部26
において最も大きな応力変形を受ける。この応力は、チ
ェーン12の張り側にある図3の第I象限を通過してい
る間の応力変形部26の区画において最も強く作用し、
図6に示すように、隆起部27の両側からこれを引っ張
るように応力F及び−Fが作用する。この応力Fの大き
さに応じて、隆起部27の軸方向高さは応力を受けてい
ない場合と比べて低下する。この低下量はペダル踏み込
みトルクが大きくなって応力Fが増加すればするほど増
大する。
【0075】スプロケット2の回転に伴い、各隆起部2
7がその回転位置及び踏み込みトルクに応じて発生する
応力の作用によって軸方向にそれぞれ上下運動すると、
これに当接している弾性を有する位置検出用円板32の
各平坦部38も各隆起部27の変動にそれぞれ完全に追
従して上下運動する。
【0076】検出センサー34は、車体フレーム3に対
して固定された取り付け位置から第I象限内の特定の検
出位置(例えば最大応力変形位置M)を通過中のスプロ
ケット部分までの距離を、常時、計測しており、この計
測結果を検出信号としてコントローラ14に出力する。
なお、検出センサー34は、上記検出位置までの距離
を、位置検出用円板32を介して検出するため、その検
出信号は連続的に変動する信号となり、コントローラ1
4によるトルク演算やトルクによるアシスト判定をきわ
めて容易に行うことができる。
【0077】検出信号を受信したコントローラ14は、
予めメモりに記憶された、応力を受けていないときの軸
方向距離L0と、この検出信号が示す軸方向距離L1
と、の差分としてスプロケット2の軸方向変位量ΔL
(L0−L1;図6)を演算し、さらにこの軸方向変位
量ΔLから所定の変換に従ってスプロケット2に作用し
たトルクTを演算する。
【0078】更に、コントローラ14は、演算されたト
ルクTに基づき所定の制御方法に従ってアシスト用の電
動トルクTeを演算し、該電動トルクで回転駆動するよ
うに電動モータ37を指令する制御信号を演算出力す
る。
【0079】最も簡単な電動アシスト制御の場合、例え
ば、演算されたトルクTが所定値以上となったとき、踏
み込みトルクが一定以上となってとみなして、電動モー
タ37をオンにする制御信号を出力し、それ以外では電
動モータをオフにする制御信号を出力する。この場合、
検出センサー34により検出された軸方向距離L1が一
定値以上となったときのみに電動モータ37をオンにす
るようにしてもよい。
【0080】電動モータ37がオンとなって回転する
と、この回転は、駆動側プーリー37b、ベルト36、
被駆動側プーリー35及びホルダー33を介して、回転
中心が揺れ動くことなくスプロケット2の剛性の高い歯
部の近傍に伝達され、スプロケット2にアシスト用電動
トルクを加える。このように踏み込みトルクが一定以上
とみなされるような条件下で、アシスト用電動トルクが
加わるので、ペダル運転を楽に行うことができる。
【0081】以上のように本実施形態では、剛性が高く
体積及び重量が大きい弾性部材や伝達機構などを、既存
の電動アシスト自転車に別途、追加することなく、スプ
ロケットそれ自体の応力変形量に基づいてトルクを演算
するようにしたので、上記従来技術(1)〜(6)と比
べてトルク検出機構のスペース及び重量を削減すると共
にその機構を大幅に簡素化することができ、よりスマー
トで軽快な運転が可能な電動アシスト自転車を提供する
ことができる。
【0082】(第2実施形態)次に、第2実施形態に係
るトルク検出装置を説明する。このトルク検出装置は、
第1の実施形態のようにスプロケットを一体成形したも
のではなく、複数の部品から構成した点に特徴がある。
なお、第1の実施形態と同様の構成要件については同一
の符号を附して詳細な説明を省略する。
【0083】図8には、第2実施形態に係るトルク検出
装置の検出対象となるスプロケットの各構成部品(上面
図及び概念的な側面図)が示されている。同図に示すよ
うに、本実施形態のスプロケットは、スプロケット歯部
50Aと、弾性変形部50Bと、円盤部50Cと、の3
つの構成部品からなる。
【0084】このうちスプロケット歯部50Aは、その
最外周に亘って歯51と凹部52とが交互に複数形成さ
れた外周部53と、中央部で開口する穿孔56と、外周
部53から穿孔56に向かって径方向に突出し、周方向
に等角度毎に各々形成された3つの突起部54と、を備
えている。このスプロケット歯部50Aは、チェーン1
2との嵌合を確実にするため剛性を有するように金属材
料から一体成形される。
【0085】また、弾性変形部50Bは、応力変形量を
大きくするため弾性体から一体成形されており、環状の
外周部58と、これと同一中心でドライブシャフト4を
貫通させる中央孔64を備えた中央内円部62と、外周
部58と中央内円部62とを所定角度毎に連結する細長
い複数(図では6個)の連結部61と、を有し、各連結
部61の中央部には隆起部60がそれぞれ形成され、隣
接する連結部61の間には孔部65がそれぞれ形成され
ている。なお、弾性変形部50Bは、弾性率の大きい材
料又はスプロケット歯部50Aよりも厚さが小さい同一
金属材料から作ることができる。
【0086】連結部61は、径方向に対し傾けられた状
態で外周部58と中央内円部62とを橋渡ししている。
これによって、チェーン12の引張力と踏み込みトルク
との拮抗により生じる応力Gが連結部61の方向に沿っ
て効率的に作用し、隆起部60の軸方向変位量を大きく
することができる。なお、この隆起部60は、図7
(c)の隆起部27’と同様の形状である。
【0087】また、円盤部50Cは、剛性を有するよう
に金属材料から一体成形されており、外周円盤部66
と、ドライブシャフト4を受け入れる中央孔74を備え
た円筒状の円筒部70と、を有し、外周円盤部66の外
周には、径方向に凹んだ切り欠き部68が等角度毎に複
数(図では3個)形成され、円筒部70の中心孔74の
内壁には、ドライブシャフト4と嵌合して固定するため
の内歯72が形成されている。
【0088】スプロケット歯部50Aの穿孔56に円盤
部50Cをはめ込むことができるように、円盤部50C
の外径は、スプロケット歯部50Aの穿孔56の内径に
ほぼ等しく、また、切り欠き部68は、突起部54と比
べて、その径方向の長さがほぼ等しく、その周方向の長
さがより長く形成される。このため、円盤部50Cが、
スプロケット歯部50Aにはめ込まれた状態では、突起
部54が切り欠き部68の一方の内壁から他方の内壁ま
で係合する範囲内で円盤部50Cを回転することができ
る。
【0089】図9(a)に、図8の構成部品を組み合わ
せて完成させたスプロケット77を示す。同図に示すよ
うに、各突起部54がスプロケット77の回転方向R’
に対して先方側にある各切り欠き部68の内壁68aに
それぞれ当接した状態で円盤部50Cがスプロケット歯
部50Aにはめ込まれている。そして、更に、弾性変形
部50Bの中央孔64に円盤部50Cの円筒部70が挿
入された状態で、弾性変形部50Bがスプロケット歯部
50A及び円盤部50Cを互いに連結している。これら
の構成部品は、当業者に周知なように、溶接又はリペッ
ト締め等で連結することができる。
【0090】また、図9(a)(側面図)に示すよう
に、スプロケット77には、弾性変形部50Bの各隆起
部60に当接するように円板80が接しており、この円
板80には、波状ワッシャ84が当接されている。さら
にこの波状ワッシャ84は、ドライブシャフト4(図
2)に固定されたばね押さえ板90により他端部から押
圧されている。
【0091】円板80は、図10(a)に示すように、
剛性を有する外周円板部81と、中央部に形成されたド
ライブシャフト4を貫通させるための中央孔82と、を
有し、検出センサーのための位置検出面として機能す
る。また、波状ワッシャ84は、軸方向に弾力的に伸縮
可能な波状円板部88と、中央部に形成されたドライブ
シャフト4を貫通させるための中央孔82と、を有す
る。この波状円板部88は、周方向に周期的に波状部分
が形成されるように板金を湾曲させて簡単に成形された
もので、これにより、波状ワッシャ88は、軸方向に印
可された力に応じて弾力的に伸縮することが可能とな
る。
【0092】図9(a)のスプロケット77は、図2に
示すように、第1の実施形態のスプロット2の代わりに
ドライブシャフト4に嵌合される。このとき、図9
(a)に示すように、径方向に対し斜めに延在する連結
部61は、スプロケット77の回転方向R’に対し斜め
に倒れるように取り付ける。これにより、連結部61及
び孔部65が回転方向R’に渦巻き形状となるので、第
1実施形態と同様に、応力変形量を軸方向に効率的に反
映することができる。また、電動アシスト装置のホルダ
ー33は、剛性を有するスプロケット歯部50Aに溶接
等で取り付けられる。
【0093】また、円板80、波状ワッシャ84及びば
ね押さえ板90は、全体として可撓性の位置検出用円板
を構成しており、第1の実施形態の位置検出用円板32
の代わりに、スプロケット77に当接した状態で取り付
けられる。このとき、検出センサー34は、その固定位
置から円板80までの距離を検出できるように車体フレ
ーム3に取り付けられる。これによって、スプロケット
77の各隆起部60の離散的な軸方向変位が連続量とし
て検出することができる。
【0094】次に、第2の実施形態の作用を説明する。
【0095】前方走行のための踏み込みトルクが円盤部
50Cに伝達されたスプロケット77は、全体として図
9(a)に示すように、R’方向に回転しようとする。
このとき、弾性変形部50Bを介して円盤部50Cに連
結されたスプロケット歯部50Aには踏み込みトルクに
抗するチェーン12からの引張力が作用するので、スプ
ロケット歯部50Aは円盤部50Cに対し相対的にR’
方向とは反対のR”方向に回転しようとし、これと共に
その突起部54は切り欠き部68の内壁68aから離れ
て切り欠き部68の内部をR”方向に移動する。
【0096】従って、上記のように互いに拮抗するスプ
ロケット歯部50A及び円盤部50Cを仲介している弾
性変形部50Bには、図8に示すように、主として連結
部61に応力Gが作用するので、各隆起部60は、応力
Gの方向にその大きさに応じて伸長し、弾性変形部50
Bの弾力と応力Gとが釣り合ったところでその伸長が停
止する。この伸長と共に、各隆起部60は、その軸方向
高さが低くなり、釣り合ったところでその高さを維持す
る。逆に踏み込みトルクが小さくなれば、弾性変形部5
0Bの弾力によって隆起部60が収縮し、その高さが高
くなる。
【0097】ただし、一定以上の踏み込みトルクが作用
した場合、R”方向に回転する突起部54は、図9
(b)の上面図に示すように、切り欠き部68の他方側
の内壁68bに接して係止されるので、これ以上のトル
クが印可されても弾性変形部50Bのさらなる伸長が停
止され、弾性変形部50Bの劣化を防止することができ
る。
【0098】かくして、隆起部60は、図9(b)の側
面図に示すように、踏み込みトルクに応じた高さとなる
ように軸方向Hに所定範囲内で上下する。これと共に、
隆起部60及び波状ワッシャ84の狭間に配置された円
板80は、各隆起部60の高さに応じた配位をとる。そ
して、第1の実施形態と同様に、検出センサー34は、
固定位置から円板80までの軸方向距離を検出し、コン
トローラ14は検出された軸方向距離に基づいて踏み込
みトルクの演算及び電動アシスト制御を行う。
【0099】以上のように第2の実施形態では、3つの
構成部品を組み合わせたスプロケット77を一体成形の
スプロケットとほぼ同じ体積及び重量にし、このスプロ
ケット77それ自体の弾性変形量により踏み込みトルク
を演算することを可能としたので、第1の実施形態と同
様、スプロケット外部に弾性体を設ける従来技術と比べ
て省スペース、軽量及び簡素な機構という優れた効果を
奏することができる。
【0100】さらに、スプロケット77では、剛性を有
するスプロケット歯部50A及び円盤部50Cと、弾性
力を有する弾性変形部50Bとを、それぞれ別部品とし
たので、一体成形で弾性を有する部分を形成する場合と
比較して、弾性変形部の成形がきわめて容易となる。換
言すれば、弾性率の大きい弾性変形部50Bを容易に成
形することができるので、軸方向の変位量をより大きな
振幅とすることが可能となり、よって踏み込みトルクの
検出精度をさらに高めることができる。
【0101】さらに、ドライブシャフト4に固定された
円盤部50Cと、チェーン12に嵌合するスプロケット
歯部50Aとが弾性変形部50Bを介して連結されてい
るので、チェーン12に大きな力が急激に加わった場合
でも、弾性変形部50Aがショックアブソーバー的な役
割を果たす。これによって、歯部50Aのみならずドラ
イブシャフト4の回りに配置された例えば図示しないラ
チェットギヤなどを保護し、これらのギヤの寿命を延ば
すことができる。
【0102】また、第2の実施形態では、スプロケット
歯部50Aの外周のみが成形された金属材料から円盤部
50Cを切断によって切り抜くことができるので、成形
工程において、コスト及び労力の削減を図れる。
【0103】以上が本発明のトルク検出装置の各実施形
態であるが、本発明は上記例にのみ限定されるものでは
ない。
【0104】例えば、上記各実施形態では、本発明のト
ルク検出装置を、電動モータ等の駆動手段を備えて入力
駆動の補助を行う二輪自転車に適用する例を示したが、
本発明はこれのみに限定されず、三輪車、車椅子、手漕
ぎボート等の装置、又はトルクを検出することによって
種々の制御を行う装置、例えば締め付け具合を調節する
ネジ締め機等のトルクを検出する手段として適用するこ
とができる。
【0105】また、第2の実施形態では、図8に示す3
つの構成部品からスプロケット77を構成したが、本発
明は、これに限定されず、例えば、図11に示すよう
に、ドライブシャフト4を貫通させてこれに固定される
ボス部91と、スプロケットギヤ92との間を、隆起部
93を有する複数のばね部材94で溶接等により連結さ
せることによって、スプロケット89を構成してもよ
い。
【0106】また、位置検出用円板についても、第1実
施形態(図4(a),(b))、第2実施形態(図10
(a),(b))以外の態様が考えられる。例えば、図
12に示すように、円板95をスプロケット89のばね
部材94の上に当接し、この円板94の上からこれを押
圧する伸縮ばね96をドライブシャフト4を通して配置
する。そして、この伸縮ばね96の他端部をドライブシ
ャフト4に固定されたばね押さえ板97で押さえること
によって、円板95を隆起部93の軸方向変位に応じて
上下する位置検出面として使用することができる。な
お、これらの位置検出用円板(図4、図10、図11)
は、各実施形態のスプロケット(図3、図9(a)、図
11)のスプロケットのいずれにも任意に適用すること
ができる。
【0107】また、各実施形態では、検出センサー34
を1個だけ取り付ける例を示したが、複数箇所にそれぞ
れ検出センサーを設け、これら検出センサーにより検出
された複数の検出信号に基づいてトルクを演算すること
も可能である。また、検出センサー34の取り付け位置
に関しても、スプロケットの軸方向変位量が検出できれ
ば、車体フレーム3ではなくスプロケット上に取り付け
てもよい。
【0108】また、各実施形態では、スプロケット面に
対し垂直な軸方向変位量を検出するようにしたが、軸方
向に対して斜めの方向のスプロケット面の変位量を検出
するように構成することもできる。
【0109】さらに、本発明の電動アシスト自転車は、
電動モータによる電動トルクをスプロケットに直接作用
する例のみならず、例えば、電動トルクをチェーンに、
直接、加えたり、リニアモータ等の原理によって自転車
の車輪に加えたりする態様も含まれる。また、検出され
たトルクに基づく制御アルゴリズムも任意好適に変更可
能である。
【0110】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1乃
至請求項22の発明によれば、トルクの作用によりスプ
ロケットそれ自体に生じた応力変形に伴うスプロケット
面の変位量に基づいてトルクを検出するようにしたの
で、従来技術にみられるようにスプロケット等などの構
成要件とは別の箇所に他の弾性体を付加する必要が無く
なり、検出機構をきわめて簡素に構成できると共に、こ
の機構が占めるスペース及び重量を大幅に軽減すること
ができる、という優れた効果が得られる。
【0111】また、請求項23乃至請求項25の発明に
よれば、上記のような省スペース及び軽量化を図った簡
素なトルク検出装置を電動アシスト自転車に適用したの
で、従来のように急な坂道などでも楽なペダル踏み込み
運転が行えるという効果を享受しつつ、きわめて軽快に
運転することができる、という効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るトルク検出装置が適用された電動
アシスト自転車の概略図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係るトルク検出装置及
び電動アシスト手段の概略構成を示す断面図である。
【図3】第1実施形態に係るトルク検出装置が適用され
た電動アシスト自転車のスプロケットの上面図及び側面
図である。
【図4】図3のスプロケットに当接してスプロケットの
変形量の測定を容易にすることを可能とする位置検出用
円板の概略図であって、(a)は位置検出用円板の上面
図、(b)は該位置検出用円板の伸縮ひだ部の形状を示
す斜視図である。
【図5】電動トルクを伝達する被駆動側プーリーをスプ
ロケットに取り付けるためのホルダーの上面図及び断側
面図である。
【図6】スプロケットに形成された隆起部が応力を受け
た場合と受けていない場合とで、いかに応力変形して軸
方向変位を生じさせるかを説明する図である。
【図7】スプロケットに形成された隆起部の概略的な外
観図であって、(a)は、図3のB−B’線を視線方向
として見たときの側面図、(b)はA−A’線を視線方
向として見た場合の隆起部の正面図、(c)は他の形態
例に係る隆起部の側面図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係るスプロケットの
各構成部品に関する各々の上面図及び側面図である。
【図9】図8に示す第2の実施形態に係るスプロケット
構成部品を組み立てたときのスプロケットの上面図及び
このスプロケットをドライブシャフトに取り付けたとき
の側面図であって、(a)は、踏み込みトルクが加えら
れていない場合、(b)は踏み込みトルクが最大限加わ
った場合におけるスプロケットをそれぞれ示す。
【図10】第2実施形態に係る位置検出用円板の構成部
品の上面図及び側面図であって、(a)は、位置検出面
として機能する円板、(b)はこの円板に弾性を付与す
るための波状ワッシャを示す。
【図11】スプロケットを複数の部品から構成する第2
実施形態以外の他実施形態のスプロケットであって、こ
の弾性変形部を複数のばね部材から構成するスプロケッ
トの斜視図である。
【図12】第1及び第2実施形態以外の他実施形態に係
る位置検出用円板を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 電動アシスト自転車 2 スプロケット 3 車体フレーム 4 ドライブシャフト 5 軸線 12 チェーン 14 コントローラ 23 歯部 26 応力変形部 27 隆起部 27a 傾斜部 27b 頂上部 28 孔部 29 中央部 32 位置検出用円板 33 ホルダー 34 検出センサー 35 被駆動側プーリー 36 ベルト 37 電動モータ 38 平坦部 39 伸縮ひだ部 50A スプロケット歯部 50B 弾性変形部 50C 円盤部 54 突起部 60 隆起部 61 連結部 64 切り欠き部 65 孔部 80 円板(位置検出面) 84 波状ワッシャ 93 ばね部材

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 スプロケットに作用するトルクを検出す
    るトルク検出装置であって、 前記トルクの作用により前記スプロケットそれ自体に生
    じた応力変形に伴ってスプロケット面が変位したときの
    変位量に基づいて、前記スプロケットに作用したトルク
    又は該トルクに関連する物理量を検出することを特徴と
    する、トルク検出装置。
  2. 【請求項2】 前記スプロケットは、チェーンと嵌合す
    るため前記スプロケットの外周に形成された剛性の歯部
    と、前記スプロケットに前記トルクを伝達するドライブ
    軸を固定支持するための剛性の軸部と、前記歯部と前記
    軸部との間に形成された弾性を有する応力変形部と、か
    ら構成され、該応力変形部のスプロケット面の変位量に
    基づいて前記トルク又は該トルクに関連した物理量を検
    出することを特徴とする、請求項1に記載のトルク検出
    装置。
  3. 【請求項3】 前記応力変形部のスプロケット面は、前
    記トルクの作用による応力変形が主として予め定められ
    た検出方向の変位量として現れるような特定形状に成形
    されていることを特徴とする、請求項2に記載のトルク
    検出装置。
  4. 【請求項4】 前記予め定められた検出方向は、前記ス
    プロケットの軸方向であることを特徴とする、請求項3
    に記載のトルク検出装置。
  5. 【請求項5】 前記応力変形部の前記特定形状は、その
    周囲のスプロケット面に対して隆起するように形成され
    た複数の隆起部と、前記スプロケットを貫通する複数の
    孔部と、が周方向に沿って交互に形成された形状である
    ことを特徴とする、請求項3又は請求項4に記載のトル
    ク検出装置。
  6. 【請求項6】 前記隆起部は、隆起した側の反対側のス
    プロケット面で凹んでおり、隣接する前記孔部に面する
    両側部には面部分を有しないことを特徴とする、請求項
    5に記載のトルク検出装置。
  7. 【請求項7】 前記隆起部は、隆起部分の断面形状が凸
    状であることを特徴とする、請求項6に記載のトルク検
    出装置。
  8. 【請求項8】 前記隆起部は、隆起部分の断面形状が、
    傾斜部と平坦な頂上部とを有する形状であることを特徴
    とする、請求項6に記載のトルク検出装置。
  9. 【請求項9】 前記隆起部及び前記孔部は、前記スプロ
    ケットの軸方向から見た形状が、前記スプロケットの回
    転方向に渦を巻くような形状に形成されていることを特
    徴とする、請求項5乃至請求項8のいずれか1項に記載
    のトルク検出装置。
  10. 【請求項10】 前記隆起部は、前記スプロケット面内
    で前記スプロケットの径方向に対し斜めに交わるように
    延在している、請求項9に記載のトルク検出装置。
  11. 【請求項11】 前記歯部と、前記応力変形部と、前記
    軸部とは、それぞれ別体の構成部品として形成され、前
    記スプロケットは、これらの構成部品を連結してなるこ
    とを特徴とする、請求項2乃至請求項10のいずれか1
    項に記載のトルク検出装置。
  12. 【請求項12】 前記歯部には、その中央部に形成され
    た中央孔に前記軸部がはめ込まれており、前記応力変形
    部は、前記中央軸部と前記歯部とをスプロケットの片面
    から連結していることを特徴とする、請求項11に記載
    のトルク検出装置。
  13. 【請求項13】 前記応力変形部は、前記ドライブ軸を
    貫通するための中央孔を備えた環状部材であることを特
    徴とする、請求項12に記載のトルク検出装置。
  14. 【請求項14】 前記軸部は円盤に形成され、前記歯部
    の中央孔にはめ込まれた状態で回転が可能であると共
    に、前記軸部及び前記歯部には、一定範囲内の角度を越
    えた回転を係止させる係止手段が、それぞれ設けられて
    いることを特徴とする、請求項12又は請求項13に記
    載のトルク検出装置。
  15. 【請求項15】 前記応力変形部は更に複数の弾性部材
    からなり、前記スプロケットは、前記複数の弾性部材を
    用いて前記歯部と前記軸部とを連結させてなることを特
    徴とする、請求項11に記載のトルク検出装置
  16. 【請求項16】 前記スプロケットは一体成形されてな
    ることを特徴とする、請求項1乃至請求項10のいずれ
    か1項に記載のトルク検出装置。
  17. 【請求項17】 略平坦な検出面を備え、且つ、前記軸
    方向に弾力的に変位可能な被検出部材を更に有し、該被
    検出部材を前記複数の隆起部に当接して配置したことを
    特徴とする、請求項5乃至請求項16のいずれか1項に
    記載のトルク検出装置。
  18. 【請求項18】 前記被検出部材は、周方向に沿って配
    列された複数の略平坦な検出面部と、隣接する検出面部
    の間に各々形成された幅の狭い伸縮自在の複数のひだ部
    と、を有し、前記検出面部が前記隆起部に当接した状態
    で配置されたことを特徴とする、請求項17に記載のト
    ルク検出装置。
  19. 【請求項19】 前記被検出部材は、前記複数の隆起部
    が当接された略平坦な検出面を備えた円板部と、前記検
    出面とは反対側の前記円板部の面に当接するように配置
    された軸方向に伸縮可能な弾性部材と、該弾性部材を他
    端部で固定支持する支持部材と、を有することを特徴と
    する、請求項17に記載のトルク検出装置。
  20. 【請求項20】 前記弾性部材は、周方向に波状となる
    ように湾曲された波状円板、又は、コイルばねであるこ
    とを特徴とする、請求項19に記載のトルク検出装置。
  21. 【請求項21】 固定位置から前記被検出部材の検出面
    までの距離を検出する検出センサーを備えたことを特徴
    とする、請求項17乃至請求項20のいずれか1項に記
    載のトルク検出装置。
  22. 【請求項22】 前記検出センサーは、前記スプロケッ
    トの応力変形に伴う軸方向変位量が最大となる検出面内
    の特定位置までの距離を検出できるように取り付けられ
    たことを特徴とする、請求項21に記載のトルク検出装
    置。
  23. 【請求項23】 電動アシスト自転車であって、 請求項1乃至請求項22のいずれか1項に記載のトルク
    検出装置と、 指令信号に応じて回転する電動モータと、 前記電動モータの電動トルクを前記電動アシスト自転車
    の動力機構に付加するように設けられた動力付加手段
    と、 前記トルク検出装置により検出された前記スプロケット
    に作用したトルク又は該トルクに関連する物理量に基づ
    き、所定の制御方法に従って前記電動モータを制御する
    ための指令信号を出力する制御手段と、 を有することを特徴とする電動アシスト自転車。
  24. 【請求項24】 前記動力付加手段は、 前記スプロケットに取り付けられた被駆動側プーリー
    と、 前記電動モータの回転軸に取り付けられた駆動側プーリ
    ーと、 前記被駆動側プーリーと前記駆動側プーリーとの間に架
    けられたベルトと、 を含むことを特徴とする、請求項23に記載の電動アシ
    スト自転車。
  25. 【請求項25】 前記被駆動側プーリーは、 前記スプロケットの剛性を有する歯部の内周側近傍を介
    して前記スプロケットに取り付けられたホルダーに装着
    されており、 さらに、前記スプロケットのドライブ軸をベアリング受
    けしていることを特徴とする、請求項24に記載の電動
    アシスト自転車。
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Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002101346A1 (en) * 2001-06-12 2002-12-19 Fast Technology Ag (disc) magnetic torque sensing with segments
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GB2463135A (en) * 2008-09-04 2010-03-10 Saris Cycling Group Inc Cassette based power meter
NL2005645A (en) * 2010-04-09 2011-10-11 Ebm Solutions Pty Ltd Elastic sprocket.
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DE102013011504B4 (de) 2012-07-12 2022-11-17 Shimano Inc. Fahrradantriebseinheit

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