JP2000130885A - 排熱回収システム、風呂用排熱利用方法および蓄熱槽 - Google Patents

排熱回収システム、風呂用排熱利用方法および蓄熱槽

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JP2000130885A
JP2000130885A JP30493598A JP30493598A JP2000130885A JP 2000130885 A JP2000130885 A JP 2000130885A JP 30493598 A JP30493598 A JP 30493598A JP 30493598 A JP30493598 A JP 30493598A JP 2000130885 A JP2000130885 A JP 2000130885A
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heat storage
water
storage tank
fluid
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JP30493598A
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Koji Yamashita
浩司 山下
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Mitsubishi Electric Corp
Original Assignee
Mitsubishi Electric Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 利用後の浴槽水からの温排熱を回収して蓄熱
し、利用前の浴槽水の加温に再利用でき、衛生的な浴槽
水が随時得られ、さらに、既存の装置に対して大幅な変
更なく設置できる排熱回収システムを得る。 【解決手段】 温熱を有する流体を貯溜して利用する温
熱利用槽3の流体からの温排熱を、温熱輸送手段10に
よって蓄熱材15を有する蓄熱槽14に蓄熱する蓄熱運
転を行ない、流体排出手段4によって温熱利用槽3に貯
溜されている排熱回収後の流体を排出する。蓄熱利用時
には、流体加温手段で蓄熱材15に蓄熱した温熱によっ
て温熱利用槽3に貯溜する流体を加温し、流体導入手段
で温熱利用槽3に貯溜する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば浴槽などの
無駄に捨てられている排水の温熱を回収し、再び浴槽な
どに用いる水の加温を行うことで、熱の再利用を行う排
熱回収システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図15は従来のガスを熱源とした一般的
な浴槽を示す構成図である。図に示すように、従来の一
般的な浴槽ユニットは、浴槽水を循環させて、例えば都
市ガスをエネルギー源として40℃程度の温水にする浴
槽ユニットであり、入浴した後のまだ温かい浴槽水は排
水されるか放置されるというように無駄に捨ててしまっ
ている。
【0003】ところが、近年、エネルギー源の有効利用
の要求が高まり、浴槽などの温排水からの熱回収が検討
されている。その一例として例えば特開昭57−553
32号公報に掲載されている温排水利用の給湯装置があ
り、図16は従来の給湯装置を示す構成図である。図に
おいて、81はヒートポンプ式の冷凍機で、冷媒圧縮機
81a、給湯コイル81b、キャピラリチューブ等の減
圧装置81c、加熱コイル81dを配管81eで接続し
冷媒を循環させている。また、82は中水タンク、83
は蓄熱上水タンクである。そして、冷凍機81に接続さ
れる吸熱コイル81bを中水タンク82中に浸漬し、加
熱コイル81dを蓄熱上水タンク83の外周下部に熱伝
的に巻装してある。この装置によって、風呂、シャワー
等で使用した約40℃の温排水は、約35℃で中水タン
ク82に貯溜され、この温排水にて冷凍機81の吸熱コ
イル81bが加熱され冷媒が蒸発し加熱コイル81dで
凝縮熱を蓄熱上水タンク83に伝えて上水を加熱するも
のである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】従来の排熱回収システ
ムは以上のように構成されているので、中水タンク82
を設ける必要がある。この中水タンク82は例えば40
0リットルと記載されており、実際の家庭でこのシステ
ムを導入しようとすると、設備投資に対しコストが大幅
にかかってしまうという問題点があった。即ち、従来の
家屋では浴槽の排水は家屋の下に流れる構成であり、こ
の排水を貯溜する中水タンク82は例えば地下に設ける
ことになり、排水管の加工なども必要で実際に適用する
のは困難であった。
【0005】また、最近では24時間風呂が一般的にな
りつつあったが、四六時中浴槽水を40℃程度の入浴に
適した温度に保持する構成で、水そのものを入れ替えな
いため、雑菌が繁殖しやすい状況となって、衛生上問題
であった。
【0006】本発明は上記のような問題点を解決するた
めになされたもので、浴槽水などの通常捨てられている
温排熱を回収して、浴槽などの温熱利用槽で使う温水の
加温に再利用ができ、省エネルギーとなり、既設の温水
利用槽に対して大幅な変更なく設置できる排熱回収シス
テムを得ることを目的とするものである。さらに、水自
体は交換して、衛生的な温水を供給することができる排
熱回収システムを得ることを目的とするものである。ま
た、この排熱回収システムを風呂に利用したときの風呂
用排熱利用方法を得ることを目的とするものである。ま
た、この排熱回収システムに最適な蓄熱槽を得ることを
目的とするものであるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明に係わる排熱回収
システムは、温熱を蓄熱する蓄熱材を有する蓄熱槽と、
温熱を有する流体を貯溜して利用する温熱利用槽と、前
記温熱利用槽の流体からの排熱を前記蓄熱槽の前記蓄熱
材に伝える温熱輸送手段と、前記蓄熱材に蓄熱した温熱
で利用前の流体を加温する流体加温手段と、前記温熱利
用槽に前記加温した流体を導入する流体導入手段と、前
記温熱利用槽の流体を排出する流体排出手段と、を備
え、前記温熱利用槽で利用した流体からの排熱を前記温
熱輸送手段によって前記蓄熱槽に蓄熱し、前記流体排出
手段によって前記温熱利用槽の排熱回収後の流体を排出
し、前記流体加温手段で前記蓄熱材に蓄熱した温熱によ
って前記温熱利用槽に貯溜する流体を加温し、この加温
した流体を前記流体導入手段で前記温熱利用槽に貯溜す
ることを特徴とするものである。
【0008】また、本発明に係わる排熱回収システムの
温熱輸送手段は、第1熱交換部と第2熱交換部とを有
し、内部に熱媒体を循環させ、前記第1熱交換部で前記
熱媒体と温熱利用槽の流体とを熱交換してその温熱を前
記熱媒体に吸熱させ、前記第2熱交換部で前記熱媒体と
蓄熱槽の蓄熱材とを直接または間接的に熱交換して吸熱
した温熱を前記蓄熱材に伝える熱媒体循環路であること
を特徴とするものである。
【0009】また、本発明に係わる排熱回収システムの
温熱輸送手段は、圧縮機と絞り手段と第1熱交換部と第
2熱交換部とを接続して冷媒を循環させ、第1熱交換部
と第2熱交換部のいずれか一方を凝縮器として動作さ
せ、他方を蒸発器として動作させる冷凍サイクルを備え
たことを特徴とするものである。
【0010】また、本発明に係わる排熱回収システムの
温熱輸送手段は、第2熱交換部と蓄熱槽との間を循環す
る熱媒体循環路を有することを特徴とするものである。
【0011】また、本発明に係わる排熱回収システム
は、温熱利用槽内の流体または熱媒体循環路の熱媒体を
加熱する加熱手段を備えたものである。
【0012】また、本発明に係わる排熱回収システムの
加熱手段は、温熱利用槽または熱媒体循環路または蓄熱
槽に設けたヒータであることを特徴とするものである。
【0013】また、本発明に係わる排熱回収システムの
加熱手段は、第2熱交換部で熱媒体と蓄熱槽の蓄熱材と
を直接または間接的に熱交換して前記蓄熱材に蓄熱した
温熱を熱媒体に伝達し、第1熱交換部で前記熱媒体と温
熱利用槽内の流体とを熱交換してその温熱を前記流体に
伝達するように構成されたことを特徴とするものであ
る。
【0014】また、本発明に係わる排熱回収システム
は、第1熱交換部を温熱利用槽外に設けると共に前記温
熱利用槽と第1熱交換部とを循環させる流体循環路を備
えたことを特徴とするものである。
【0015】また、本発明に係わる排熱回収システム
は,第1熱交換部を温熱利用槽内に設け、貯溜している
流体と熱媒体循環路の熱媒体とを熱交換するようにした
ことを特徴とするものである。
【0016】また、本発明に係わる排熱回収システムの
蓄熱材は、潜熱蓄熱材であることを特徴とするものであ
る。
【0017】また、本発明に係わる風呂用排熱利用方法
は、浴槽水からの排熱を蓄熱槽の蓄熱材に蓄熱する蓄熱
ステップと、前記蓄熱ステップの後に排熱回収済の浴槽
水を浴槽から排水する排水ステップと、前記蓄熱ステッ
プで前記蓄熱材に蓄熱した温熱によって利用前の水を加
温して前記浴槽に貯溜する温水供給ステップと、を備え
たものである。
【0018】また、本発明に係わる蓄熱槽は、容器と、
この容器内に封入された蓄熱材と、前記容器の周囲で蛇
行させた第1の熱媒体用の配管と、前記容器の周囲に滞
留または流通する第2の熱媒体と、前記第2の熱媒体を
流入する流入口と、前記第2の熱媒体を流出する流出口
とを備え、蓄熱および放熱のどちらか一方の時には前記
配管に温熱または冷熱を有する第1の熱媒体を流通させ
て滞留する前記第2の熱媒体を介して前記蓄熱材と熱交
換し、蓄熱および放熱のどちらか他方の時には前記流入
口から前記容器の周囲に第2の熱媒体を流通させて前記
蓄熱材に蓄熱した温熱または冷熱を放熱させ前記流出口
から流出させることを特徴とするものである。
【0019】また、本発明に係わる蓄熱槽は、第1の熱
媒体用の配管の入口と出口を共に蓄熱槽の上方に設け、
前記入口から出口までの配管が容器の周囲を蛇行するよ
うに構成したことを特徴とするものである。
【0020】また、本発明に係わる蓄熱槽の蓄熱材は、
潜熱蓄熱材であることを特徴とするものである。
【0021】
【発明の実施の形態】実施の形態1.以下、本発明の実
施の形態1による排熱回収システムについて説明する。
図1は本実施の形態による排熱回収システムを示す回路
構成図である。図において、1は流体を循環させる流体
循環路で、ここでは浴槽水を循環させる水循環路、2は
水循環路1に設けたポンプ、3は内部に温熱を有する流
体を貯溜して利用する温熱利用槽で、ここでは浴槽であ
る。浴槽3の内部に例えば40℃程度の浴槽水を貯溜し
て入浴に利用する。4は温熱利用槽の流体、この場合に
は浴槽3の浴槽水を排出する流体排出手段で、例えば浴
槽水の排水部であり、排熱回収後の浴槽水は排水部4か
ら排水される。5はバルブなどの開閉手段であり、浴槽
3へ導入する温水の開閉を行う。3a,3bは浴槽3か
ら水循環路1への浴槽水の流出口,流入口である。バル
ブ5を開いて浴槽3へ導入され貯溜された温水は、入浴
で利用された後に夜間などの入浴を行わない時間帯に、
ポンプ2により流出口3aと流入口3bを通って水循環
路1内を流動し、その温熱が後で記述する熱交換器12
で蓄熱ユニット側に熱回収される。6は浴槽3内に貯溜
している水を補助的に加熱する加熱手段で、例えばヒー
タである。バルブ5を開いて浴槽3内に温水が貯溜され
排水部4から排水することにより、浴槽3内の流体であ
る水は交換される。
【0022】また、10は水循環路、11は水循環路1
0に設けたポンプ、12は第1熱交換部で、例えば水−
水熱交換器、13は水道管と直結している市水流入口、
14は内部に温熱を蓄熱する蓄熱材15を有する蓄熱槽
で例えば蓄熱タンク、15は蓄熱タンク14内に充填し
た蓄熱材で例えば潜熱蓄熱材、16は温熱供給路であ
り、例えばバルブ5などの開閉手段を介し、蓄熱タンク
14で加温された温水を浴槽3に導入する流体導入手段
を構成している。水循環路10には熱媒体として例えば
水を循環させる。
【0023】第1熱交換部である熱交換器12の内部で
は水循環路1を循環する浴槽水と水循環路10を循環す
る熱媒体である水とが別々の流路で流通し、互いに熱交
換可能である。ポンプ11によって水循環路10を循環
する水が、熱交換器12で浴槽水の温熱を吸熱し、蓄熱
タンク14内を流通する際に蓄熱材用容器内に充填され
ている潜熱蓄熱材15に熱を伝える。この場合、蓄熱タ
ンク14内で水循環路10を循環する熱媒体である水と
潜熱蓄熱材15との熱交換が行われており、第2熱交換
部として動作している。即ち、水循環路10によって、
浴槽3の流体である浴槽水からの排熱を蓄熱タンク14
の潜熱蓄熱材15に伝える温熱輸送手段を構成してい
る。この構成では第2熱交換部と潜熱蓄熱材15との間
には、別の熱交換部を有する循環路が介在しておらず、
直接的に水と潜熱蓄熱材15との間で熱交換される。
【0024】蓄熱タンク14内には、複数の蓄熱材用容
器が充填され、蓄熱材用容器の中には例えば酢酸ナトリ
ウムやアルミニウムミョウバンなどの潜熱蓄熱材15が
封入されている。この蓄熱材用容器の周囲を水や温水が
流通できる構造になっている。なお、蓄熱材用容器は、
例えばポリプロピレンやポリエチレンなどある程度耐熱
性を有する材料で形成されている。潜熱蓄熱材15は液
体と固体の相変化を行うことにより熱を蓄熱・放熱する
材料でその凝固温度によって蓄熱タンク14内に蓄えて
いる熱の温度、即ち温熱供給路16に供給する温熱の温
度が異なる。例えば、ネオペンチルグリコールでは40
℃程度、酢酸ナトリウムでは50℃程度、ポリエチレン
グリコールでは60℃程度、アルミニウムミョウバンで
は90℃程度の温度で蓄熱できる。ただし、本実施の形
態の構成では水−水熱交換器12で熱回収した温熱を蓄
熱タンク14に蓄熱する構成であるため、浴槽水の温度
が40℃程度だとすると、熱交換器12で熱交換した後
の水循環路10内の水の温度も40℃以上にはならな
い。従って、潜熱蓄熱材15としてはネオペンチルグリ
コールが適していることになる。
【0025】以下、例えば、潜熱蓄熱材15はネオペン
チルグリコールであり、40℃程度の温熱が蓄熱されて
いるとし、風呂用の排熱を利用する動作について説明す
る。ここで、浴槽などで用いる程度の25℃程度以上の
水で、水道水などを加熱して得られる温度の水を温水と
称し、水道水などを加熱しないで得られる20℃程度以
下の水を冷水と称している。図2は、本実施の形態に係
わる排熱回収システムの一例として浴槽水の排熱を回収
して利用する動作を示すフローチャートである。ここで
図2に基づいて浴槽水の排熱利用方法について説明す
る。ST1では利用後の浴槽水を蓄熱ユニット20に回
収する。即ち、水循環路1を循環する浴槽水の温熱を、
水循環路10で構成された温熱輸送手段によって、蓄熱
タンク14の潜熱蓄熱材15に伝達して蓄熱する。通常
の大きさの浴槽からの排熱は、排熱回収運転の運転条件
にもよるが、ほぼ2時間くらいで蓄熱タンク14に輸送
される。次に、ST2では浴槽3に貯溜している排熱回
収後の浴槽水を排水部4より排水する。
【0026】蓄熱タンク14には排熱が蓄熱された状態
であり、この状態で、ST3の判断で給湯要求がされる
まで待機する。蓄熱タンク14の断熱が十分になされて
いれば、半日〜1日程度は蓄熱タンク14内の蓄熱材1
5に蓄えられた熱量はほとんど外部に放熱して損失する
ことのないようにすることができる。そこで、次の日な
どに入浴する際に給湯要求がなされると、ST4とST
5で温水供給を行なう。即ち、ST4で蓄熱タンク14
の温熱で浴槽3に導入する水を加熱する。これは、市水
流入口13から10℃〜20℃程度の温度の利用前の新
たな冷水を蓄熱タンク14に流入して、潜熱蓄熱材15
が封入された蓄熱材用容器の周囲を流通させる。この冷
水が潜熱蓄熱材15の周囲を流れる間に、潜熱蓄熱材1
5と流入した冷水とが熱交換して蓄熱されている温熱が
冷水に伝えられる。この時、熱交換効率が100%より
も低いため、冷水は35℃程度まで加温され、ST5d
e、この温水が流体導入手段である温熱供給路16によ
ってバルブ5を介して浴槽3に貯溜される。蓄熱タンク
14内では、浴槽3で利用される流体である水を市水流
入口13から流入し、蓄熱されている温熱をその水に伝
えて水が加温されるという、流体加温手段の動作を行な
っている。
【0027】上記のように蓄熱タンク14の蓄熱温度を
40℃程度に設定すると、得られる浴槽水の温度は35
℃程度となる。さらに、加熱手段6によって補助的に加
熱することにより、入浴に適した温度である40℃程度
の浴槽水を得ることができる。また、家族が入浴を終了
しない前に浴槽水の温度が下がってしまった時などに
は、加熱手段6で浴槽水を加熱して追い焚きすれば、常
に入浴に適した温度に保つことができる。また、入浴し
ている人が加熱手段6のON/OFFを行うことで、個
人個人の好みに合った温度で入浴することができる。こ
の加熱手段6は、浴槽3内に設けられていてもよいし、
水循環路1のどこかに設けられていてもよい。水循環路
1に設けた場合には、水循環路1を循環する浴槽水を加
熱して追い焚きすることになるので、ポンプ2を動作さ
せる必要があるが、蓄熱ユニット20内に組み込むこと
ができるので、浴室内をすっきりとしたものにできる。
【0028】また、ヒータなどの加熱手段を補助的に水
循環路10に設けたり、蓄熱タンク14内に設けてもよ
い。この場合には蓄熱タンク14の蓄熱温度を高く設定
することができるので、高い温度の温水を温熱供給路1
6から得ることができる。このため、蓄熱した温熱が利
用している途中で不充分になったりすることなく、安定
して温熱利用できる。蓄熱タンク14に加熱手段を設け
て高い蓄熱温度にすると、浴槽水の加熱や追い焚きもで
きる。浴槽水を加熱や追い焚きしようとすれば、蓄熱タ
ンク14の蓄熱温度が浴槽水の温度よりも高い状態のと
きに、ポンプ2,11を動作させて、蓄熱タンク14に
蓄熱されている温熱を水循環路10と水循環路1を介し
て浴槽水へ伝達することができる。この時、蓄熱タンク
14の上部と下部では温度差があるので、温熱を放熱す
る場合には蓄熱タンク14の下部から上部へ水を循環さ
せるのが望ましい。このため、水循環路10の循環方向
を蓄熱時とは逆になるように切り替えるのが望ましい。
これはポンプ11として逆に動作し得るポンプを用いる
か、水循環路10の流れ方向が逆になるように循環路を
構成すればよい。
【0029】図3は、排熱回収システムを浴室内に設置
した時の斜視図である。熱交換器12,ポンプ2,水循
環路10,蓄熱タンク14などを一つの容器に収納して
蓄熱ユニット20を構成する。そして、浴槽3に設けら
れた浴槽水の流出口3aを蓄熱ユニット20内のポンプ
2への入口部に接続し、浴槽3に設けられた浴槽水の流
入口3bを蓄熱ユニット20内の熱交換器12の出口に
接続する。このように浴槽3の周辺に蓄熱ユニット20
を設置すれば、実用的でコンパクトな構成にできる。ま
た、蓄熱ユニット20が大きくなり、浴室内に設置する
と入浴の邪魔になったりする場合には、蓄熱ユニット2
0を浴室外に設置してもよい。
【0030】以上のように、従来の排熱回収システムを
備えていない浴槽の場合には、10℃程度の市水を40
℃程度にまで加熱する必要があったが、本実施の形態に
よる排熱回収システムを用いることにより、浴槽水の温
熱を蓄熱して再び浴槽水の温熱として利用するので、3
5℃程度の温水を40℃程度に加熱するだけでよい。即
ち、浴槽水の温熱を連続的に置きかえて過去の熱を有効
に利用し、浴槽水の加熱に用いるエネルギーを大幅に削
減できる。さらに、本実施の形態では、浴槽3の水は入
れ替えて常にきれいな水を保ちながら、温熱だけを回収
して再利用するので、衛生的な風呂用排熱回収システム
が実現できる。また、蓄熱タンク14の潜熱蓄熱材15
に蓄熱した状態で待機し、必要なときに随時給湯するこ
とにより、いつでも入浴要求をして温熱が得られ、加熱
に必要な時間も短いので、入浴希望にすばやく対応でき
る快適な風呂が得られる。
【0031】また特に、従来の浴槽水を回収するシステ
ムのように、地下に貯溜タンクを設ける必要がなく、一
般家庭に容易に適用することができる。さらに、図1の
構成では、従来の浴槽ユニットとして、風呂釜を備え浴
槽水を循環させて熱源で加熱するような水循環路が既存
である場合、その風呂釜に備わっている浴槽水循環用穴
を利用して浴槽水を循環させればよいので、その水循環
路をそのまま利用して温熱回収の水循環路1とすること
ができる。このため、従来の浴槽ユニットの構成をそれ
ほど変更しないで実現でき、新たに家庭などに導入しや
すい構成となっている。また、流出口3aと流入口3b
として、浴槽3から蓄熱ユニット20に浴槽水を流出、
流入させるパイプなどの配管を、蓄熱ユニット20と浴
槽3との間に設ければ、既存の浴槽ユニットが浴槽水を
循環する構成ではない場合などにも、簡単に導入でき
る。
【0032】図4は、本実施の形態に係わる排熱運転制
御である排熱回収運転の動作手順の更に詳しい例を示す
フローチャートである。例えば家族の入浴後に浴槽水か
らの排熱回収運転を開始する。以下、図4のフローチャ
ートに基づいて排熱回収運転の動作手順について説明す
る。ST11で浴槽水の温度を検知する。これは、例え
ば浴槽3内または水循環路1内に温度センサを設けてお
き、この温度センサで浴槽水の温度を測定すれば検知で
きる。ST12では、外気温度センサで外気温度を検知
して基準温度とする。この基準温度は浴槽水からの排熱
回収運転を行うかどうかの浴槽水の温度の閾値とするも
のであり、浴槽水の温度が基準温度以上の時に排熱回収
運転を行うものとする。なお、基準温度は必ずしも外気
温度でなくてもよく、特に外気温度センサを設けずに、
手動で使用者が適切な温度を設定したり、また、季節で
市水の温度が大幅に異なることから、季節に応じて異な
る固定値を記憶しておき、自動的に設定してもよい。
【0033】ST13で蓄熱タンク14の蓄熱量は満蓄
かどうかを判断する。蓄熱タンク14内の水の温度は、
まず上部が上昇し、蓄熱されるにつれて下部へと上昇し
ていく。このため例えば、蓄熱タンク14内の下部の水
の温度や水循環路10で蓄熱タンク14からの出口部の
水の温度を検知し、この水温が蓄熱タンク14の蓄熱温
度+数℃(例えば40℃+3℃程度)以上の時に満蓄で
あると判断できる。この判断の結果、蓄熱タンク14が
満蓄の場合にはこれ以上蓄熱できないので、排熱回収運
転を行わずに処理を終了(END)する。次に、ST1
4で時刻が排熱回収運転に都合の良い時間かどうか判断
する。本実施の形態では夜中の1時から6時を排熱回収
運転に都合の良い時間として固定で設定している。これ
は、家族が全員入浴した後で、かつ電気料金の安価な深
夜電力料金時間帯である。深夜電力料金時間帯に設定す
ることにより、水循環路1のポンプ2と循環路10のポ
ンプ11で使用される電力の料金を、なるべく安価にす
ることができる。また、この時間帯は、発電所のCO2
排出量が最も少ない時間帯でもあり、環境にもやさしい
システムにできる。時刻がこの排熱回収時間外の場合に
は排熱回収運転は行わず処理を終了(END)する。S
T15で、浴槽水の温度がST12で設定した基準温度
以上かどうかを判断する。浴槽水の温度が基準温度より
も低い場合には、浴槽水の温熱が回収するほど十分でな
く、排熱回収運転は行わずに処理を終了(END)す
る。
【0034】ST13,ST14,ST15のそれぞれ
の判断から、蓄熱タンク14が満蓄ではなく、かつ時刻
が排熱回収運転に都合の良い時間帯であり、かつ浴槽水
の温度が温熱を回収できるほど高い温度の時に、ST1
6の排熱回収運転を行う。これはポンプ2,熱交換器1
2,ポンプ11を動作させ、浴槽水の温熱を蓄熱タンク
14の蓄熱材15に蓄熱する動作である。この動作に関
しては、上記に詳しく説明したのでここでは省略する。
【0035】排熱回収運転の開始、終了に関しては、そ
の開始時間と終了時間を予め固定で設定しておき、この
時間にしたがって一定時間行うようにしてもよいし、運
転継続時間のみを固定で設定しておいて、使用者の排熱
回収運転開始の指示によって排熱回収運転動作を開始
し、運転継続時間、運転を行うようにしてもよい。例え
ば、浴槽3の大きさなどに対して温熱が回収される時間
を予め把握しておき、所定時間例えば2時間程度、ポン
プ2,11を運転する。このように排熱回収運転を所定
の一定時間行なう他、別の手段で排熱回収の終了を検知
してもよい。例えば、浴槽水の温度を検知する検知手段
を浴槽3内や水循環路1内に設けておき、検知した浴槽
水の温度が温熱回収可能温度以下、例えば上記の制御で
用いた基準温度以下や市水の温度以下になったらこれ以
上は温熱を回収できないので、終了するように構成して
もよい。また、排熱回収運転の開始および終了をともに
使用者の指示によって行うようにしてもよい。
【0036】排熱回収運転終了後、浴槽水を排水口4よ
り排水する。なお、ST14で1時から6時の範囲でな
い場合には終了しているが、1時前の場合には1時にな
るまで待機してもよい。
【0037】図4に示したような動作手順で排熱回収運
転を行えば、浴槽水の温熱を連続的有効に利用すること
によるエネルギーの削減に加え、排熱回収運転も夜間の
電力料金を使用して安価にできる。また、本実施の形態
による構成では、圧縮機などの騒音上問題のある機器を
備えていないので、ポンプから発生する音のみであり、
比較的静かな装置で実現できる。このため、夜間に動作
させても問題はない。
【0038】また、本実施の形態では、蓄熱タンク14
内に潜熱蓄熱材15を充填し、潜熱蓄熱材15の潜熱に
よって温熱を蓄えており、例えば水の顕熱で温熱を蓄え
る場合と比べて、蓄熱タンク14を小型にできる。この
ため、図3で示したようにコンパクトな蓄熱ユニット2
0を構成できる。また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材1
5によって潜熱を利用して蓄熱する代わりに、温水を貯
溜することで水の顕熱を利用して蓄熱してもよい。この
場合には多くの温熱を蓄熱しようとすれば、それだけ蓄
熱タンク14を大きくする必要があるが、潜熱蓄熱材1
5を用いる場合に比べて、水だけで構成でき、安価で単
純な装置でエネルギーを有効に利用することができる。
また、上記では潜熱蓄熱材15はネオペンチルグリコー
ルとし、40℃程度の温熱を蓄熱するとしたが、これに
限るものではなく、他の潜熱蓄熱材を蓄熱材用容器に封
入してもよい。例えば、酢酸ナトリウムやアルミニウム
ミョウバンを潜熱蓄熱材15とするには、図1の構成
で、水循環路10または蓄熱タンク14に加熱手段を設
け、水循環路10内または蓄熱タンク14内の水を50
℃や90℃に上昇させればよい。
【0039】また、家庭で生活パターンが確実に定まっ
ている場合や、銭湯や旅館など確実に給湯時間が決まっ
ている場合には、タイマーなどを設けておき、図2の処
理手順を一日の所定の時間に自動的に給湯するようにし
てもよい。具体的には、図示していないが例えばマイク
ロコンピュータなどの制御装置を格納した電子箱をシス
テム内に設け、タイマーで時間を計測して時間制御を行
なったり、各種計測手段、例えば温度センサなどの計測
結果を入力してその値に応じて、ポンプ2,11やバル
ブ5や加熱手段6のなどのオン/オフ、市水流入口13
や排水部4の開/閉、などを行ない、浴槽給湯システム
を構成してもよい。利用する家庭の生活パターンが定ま
らない場合には、利用者が入浴しようとする時に例えば
スイッチを押すなどして蓄熱開始や給湯要求を行なうよ
うに、外部入力でも開始できるように構成すればよい。
また、自動制御する際、浴槽3の蓋の開閉を制御すれ
ば、蓋を閉めることによって貯溜した温水からの放熱を
防ぐことができる。さらに、浴槽3に給湯後、浴槽水の
温度を検知して、低すぎる場合には加熱手段6を動作さ
せて、貯溜した浴槽水を加熱してもよい。この場合、予
め入浴に快適と感じる温度を利用者が設定しておき、こ
の温度になるまで、加熱手段6で加熱する。また、浴槽
水が設定温度となって入浴準備完了の状態で、これを知
らせるブザーを鳴らしてもよい。
【0040】なお、図1の蓄熱タンク14に水を導入す
る市水流入口13や水を導出する温熱供給路16を設け
ずに、10℃〜20℃の市水を浴槽3に貯溜し、蓄熱タ
ンク14から水循環路10と水循環路1を介して温熱を
伝達し、浴槽水を加温するようにしてもよい。この場合
には、熱媒体が水であるため、蓄熱温度>水循環路10
の循環水の温度>浴槽水即ち水循環路1の循環水の温度
という関係を満たすことが必要となる。ただし、蓄熱タ
ンク14内には水が流通しない構成とすることができ、
循環路10を循環する熱媒体は水でなくてもよく、例え
ばブラインを循環させてもよい。
【0041】実施の形態2.以下、本発明の実施の形態
2による排熱回収システムについて説明する。図5は本
実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図で
ある。この特長とするところは、浴槽水からの排熱を蓄
熱タンクに蓄熱する温熱輸送手段として冷凍サイクルと
水循環路を備えていることである。図において、30は
熱媒体循環路で例えば冷媒循環路、31は圧縮機、32
は冷媒−水熱交換器、33は絞り手段、34は冷媒−水
熱交換器である。圧縮機31,熱交換器32,絞り手段
33,熱交換器34を順に接続して冷媒循環路30を構
成し、冷媒循環路30の内部に熱媒体としてフロン系の
単一冷媒や混合冷媒、炭化水素冷媒、炭化水素を含む混
合冷媒などを流通させて冷凍サイクルを構成している。
図中、図1と同一符号は同一、または相当部分を示して
いる。
【0042】第1熱交換器である熱交換器34は浴槽水
から吸熱して冷媒に伝えるための冷媒−水熱交換器であ
り、第2熱交換器である熱交換器32は冷媒から水循環
路10を循環する水に熱を放熱するための冷媒−水熱交
換器である。これらの冷媒−水熱交換器は、どちらも例
えばプレート式熱交換器や二重管熱交換器などを用いる
ことができる。図5に示したように、第2熱交換部であ
る熱交換器32と蓄熱材15との間には、熱交換器32
と蓄熱タンク14との間を循環する水循環路10を設け
ており、これを循環する水と蓄熱材15とが蓄熱タンク
14内で熱交換して蓄熱する構成である。このように、
熱交換器32は、冷媒と蓄熱タンク14の蓄熱材15と
を間接的に熱交換して、熱交換器34で吸熱した温熱を
蓄熱材15に伝えるように動作する。
【0043】本実施の形態も、利用後の浴槽水からの排
熱を蓄熱して、再び利用前の浴槽水の加温に用いてお
り、その全体の動作は図2に示したものと同様である。
以下、浴槽3の排熱を冷媒循環路30による冷凍サイク
ルを介して蓄熱タンク14に蓄熱する動作について説明
する。圧縮機31を動作させると共にポンプ2,11を
動作させる。圧縮機31によって冷媒が冷媒循環路30
を循環し、圧縮機31で高温高圧となった冷媒は、熱交
換器32で凝縮して放熱し冷却液化される。さらに絞り
手段33で減圧されて二相状態の湿り蒸気となり、熱交
換器34で吸熱し蒸発して冷媒ガスとなって圧縮機31
へ循環する。これが冷凍サイクルの動作である。この冷
凍サイクルの動作において、熱交換器34で水循環路1
の浴槽水と冷媒循環路30の冷媒とが熱交換して、浴槽
水から冷媒に温熱を与える。そして温熱を与えられて蒸
発した冷媒は、圧縮機31を通って熱交換器32で水循
環路10を循環する水と熱交換し、これに温熱を与え
る。この場合、熱交換器34は蒸発器として動作し、熱
交換器32は凝縮器として動作している。蓄熱タンク1
4内は実施の形態1と同様、潜熱蓄熱材15を有する構
成であり、水循環路10を循環する水に与えられた温熱
は、その水が蓄熱タンク14内を流通する際に潜熱蓄熱
材15に伝達される。このように、冷媒循環路30と水
循環路10とで、浴槽水からの排熱を蓄熱材15に伝え
る温熱輸送手段を構成している。
【0044】本実施の形態では、水循環路1を循環する
水の温熱を回収して水循環路10を循環する水を介して
蓄熱タンク14に蓄熱する際、圧縮機31を備えた冷凍
サイクルを介在させている。潜熱蓄熱材15の周囲を流
通する熱媒体は温熱供給路16の流体、この場合は水と
同一であるのが蓄熱タンク14の構成上望ましいので、
冷凍サイクルの冷媒−水熱交換器32では、水循環路1
0を介して、冷媒と潜熱蓄熱材15とを間接的に熱交換
して蓄熱している。
【0045】実施の形態1のように、水循環路1と水循
環路10とを水−水熱交換器で熱交換させる構成では、
例えば加熱手段で加熱する構成にしないと、水循環路1
を流通する温度以上の温度で蓄熱タンク14に蓄熱する
ことはできない。ところが、本実施の形態のように冷媒
による冷凍サイクルを介在させて蓄熱した場合には、水
循環路1を流通する浴槽水の温度以上の温度を蓄熱温度
とすることができる。例えば、水循環路1を流通する浴
槽水の温度が40℃程度の場合でも、60℃程度の温熱
を蓄熱タンク14に蓄熱することが可能となる。ただ
し、この蓄熱温度付近で相変化を生じるような潜熱蓄熱
材を用いる必要があり、例えばポリエチレングリコール
のような60℃程度の温熱を潜熱として蓄熱し得る潜熱
蓄熱材15を用いる必要がある。蓄熱タンク14の蓄熱
温度を回収する温熱の温度以上、即ち40℃程度以上に
するには、浴槽水や蓄熱タンク14内の熱媒体を加熱す
る加熱手段を備える構成と、冷凍サイクルを用いる構成
のどちらでも可能であるが、冷凍サイクルを用いる構成
の方が加熱手段を用いる構成よりも効率がよい。
【0046】なお、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱によ
って浴槽3で浴槽水として利用される水を加温するとき
の動作は、実施の形態1と同様である。蓄熱タンク14
に60℃程度の温熱を蓄熱すると、温熱供給路16では
熱損失を考慮しても60℃に近い温熱が得られることに
なり、浴槽水としては十分に高温であるため、加熱手段
6は必ずしも必要ない。
【0047】上記のように本実施の形態でも実施の形態
1と同様、浴槽水の加熱に用いるエネルギー消費量を大
幅に削減でき、かつ衛生的な風呂用の排熱回収システム
が実現できる。また、通常の風呂釜に備わっている浴槽
水循環用穴を利用して、浴槽水を循環させればよいの
で、既存の浴槽ユニットに対して大幅な変更がなく設置
でき、一般家庭に容易に適用することができる。また、
本実施の形態でも、実施の形態1と同様、水循環路10
や蓄熱タンク14、圧縮機31や熱交換器32,34な
どの冷凍サイクルを蓄熱ユニット20として、図3に示
したような浴槽3の周辺に設置可能に構成すると使いや
すい。
【0048】また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を
充填しており、温熱供給路16から常に一定の温度の温
水を得ることができ、安定した排熱回収システムが得ら
れる。また、蓄熱タンク14内の蓄熱材を水として顕熱
によって蓄熱してもよいが、潜熱蓄熱材15の潜熱を利
用して蓄熱する方が効率よく蓄熱でき、給湯タンク14
の大きさを例えば半分の容量程度に小さくできる。従っ
て、蓄熱ユニットに占める蓄熱タンク14のスペースを
大幅に低減でき、浴室に設ける場合でも置き場所の制限
が少なくなり容易に適用できる。
【0049】また、本実施の形態による構成では、冷凍
サイクルを利用しているため、実施の形態1と比較し
て、騒音は多少高くなるが、蓄熱温度を高くできるので
蓄熱タンク14を小さくでき、蓄熱ユニット20をさら
にコンパクトに構成できる。なお、この構成において、
例えば、圧縮機31に対して防音材などによる防音手段
を施すことによって、騒音をあまり問題のないレベルに
することができる。また、排熱回収運転の制御に関して
は、実施の形態1と同様、家族の入浴が終了した後でか
つ夜間の電力料金が低い時間帯を利用すると、冷凍サイ
クルやポンプの運転コストを低減できる。
【0050】実施の形態3.以下、本発明の実施の形態
3による排熱回収システムについて説明する。図6は本
実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図で
ある。図において、冷媒循環路30は、水と冷媒との熱
交換を行なう熱交換器34,圧縮機31,蓄熱タンク1
4内の熱交換部35,絞り手段33を接続し、内部に熱
媒体としてフロン系の単一冷媒や混合冷媒、炭化水素冷
媒、炭化水素を含む混合冷媒などを流通させて冷凍サイ
クルを構成している。図中、図1と同一符号は同一、ま
たは相当部分を示す。
【0051】本実施の形態も、利用後の浴槽水からの排
熱を蓄熱して、再び利用前の浴槽水の加温に用いてお
り、その全体の動作は図2に示したものと同様である。
以下、浴槽3からの排熱を冷媒循環路30による冷凍サ
イクルを介して蓄熱タンク14に蓄熱する動作について
説明する。本実施の形態による排熱回収システムでは、
浴槽水からの排熱を蓄熱タンクに蓄熱する温熱輸送手段
として冷凍サイクルを備え、この冷凍サイクルを構成す
る熱交換部を、蓄熱タンク14内に設けていることであ
る。蓄熱タンク14内には、酢酸ナトリウムなどの潜熱
蓄熱材15が封入された蓄熱材用容器を格納し、その周
囲に冷媒循環路30を構成する配管を蛇行して配設す
る。そして、この蓄熱タンク14内の配管35および潜
熱蓄熱材15の周囲には熱媒体として水を貯溜する。こ
の水は市水流入口13から供給される。
【0052】排熱蓄熱時には、熱交換器34で水循環路
1を循環する40℃程度の浴槽水と冷媒循環路30を循
環する冷媒とが熱交換し、冷媒循環路30内の冷媒は浴
槽水の温熱を吸熱して蒸発し冷媒ガスとなる。そして圧
縮機31によって高温高圧となって冷媒循環路30を循
環し、蓄熱タンク14内の熱交換部35で凝縮して放熱
し冷却液化される。ここで蓄熱タンク14内に貯溜され
た水を介して潜熱蓄熱材15に例えば60℃程度の温熱
を蓄熱する。熱交換部35で冷却液化された冷媒は絞り
手段33で減圧されて二相状態の絞り蒸気となって、熱
交換器34へ循環する。このように、冷媒循環路30は
浴槽水からの排熱を潜熱蓄熱材15に伝える温熱輸送手
段を構成しており、冷凍サイクルであるため、蓄熱温度
を浴槽水からの排熱よりも高い温度に設定できる。
【0053】なお、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱を浴
槽3で利用する時の動作は、実施の形態1と同様であ
る。蓄熱タンク14に60℃程度の温熱を蓄熱すると、
温熱供給路16では熱損失を考慮しても60℃に近い程
度の温熱が得られることになり、浴槽水としては十分に
高温であるため、加熱手段6は必ずしも必要ない。
【0054】また、本実施の形態では熱交換部35に特
長があり、熱媒体である冷媒が循環する配管を蓄熱タン
ク14内に設け、この配管を流通する冷媒と蓄熱タンク
14に貯溜している水とが熱交換し、さらに蓄熱タンク
14に貯溜している水から蓄熱材15に温熱が伝えられ
る。この場合、蓄熱タンク14内で冷媒循環路30を循
環する熱媒体である冷媒と蓄熱材15との熱交換が行わ
れており、第2熱交換部として動作している。この構成
では第2熱交換部と蓄熱材15との間には、別の熱交換
部を有する循環路が介在しておらず、直接的に冷媒と潜
熱蓄熱材15との間で熱交換される。
【0055】また、蓄熱タンク14内の冷媒配管は、蓄
熱タンク14内でなるべく長く格納されるように、例え
ば横方向に蛇行した配管とし、潜熱蓄熱材15の周囲を
巡るように配設されている。図5に示した蓄熱タンク1
4の構成では、蓄熱するときの温熱を有する水を流入し
て蓄熱後の水を流出すると共に、放熱するときの市水を
流入して吸熱後の温水を流出している。この時、蓄熱タ
ンク14内の水と冷媒循環路30内の冷媒を熱交換を行
なう熱交換器32が、蓄熱タンク14の外部にあるた
め、ポンプ11で水を循環する必要があった。ところ
が、本実施の形態では、蓄熱タンク14内の水と冷媒循
環路30内の熱媒体とを、蓄熱タンク14内を蛇行する
配管を設けることで熱交換させているため、ポンプ11
が不必要になってポンプの数を減らすことができる。こ
のことから、低騒音化、低価格化を図ることができると
共に、構成が簡単で冷凍サイクルを利用して蓄熱温度を
高くできる排熱回収システムを得ることができる。
【0056】ここで、浴槽水の温熱を回収する回収運転
の時間的な制御は、実施の形態1で記載したのと同様で
ある。なお、ここでは蓄熱タンク14内の熱交換部35
を構成する蛇行した配管は、横方向に蛇行するように構
成したが、このような形状に限るものではない。例えば
縦方向に蛇行させてもよいし、螺旋状の配管としてもよ
い。但し、この配管内を流通する冷媒の温熱をその周囲
の水を介して潜熱蓄熱材15に伝えるので、温熱が効率
よく伝わるような構成にするのが望ましい。蓄熱タンク
14内に、熱媒体が流通する蛇行した配管と潜熱蓄熱材
15を封入した蓄熱材用容器とを備え、市水を貯溜した
ことにより、蓄熱時には貯溜された水を介して配管内の
熱媒体から潜熱蓄熱材15に温熱を伝え、利用時には潜
熱蓄熱材15から貯溜している水へ温熱を伝えて温水を
流出する。このように蓄熱タンク14を構成して動作さ
せることにより、温熱を冷媒で輸送して蓄熱し、この蓄
熱した温熱を風呂で用いる温水として即座に取り出すこ
とができる。
【0057】上記のように本実施の形態でも実施の形態
1と同様、浴槽水の加熱に用いるエネルギー消費量を大
幅に削減でき、かつ衛生的な風呂用の排熱回収システム
が実現できる。また、通常の風呂釜に備わっている浴槽
水循環用穴を利用して、浴槽水を循環させればよいの
で、既存の浴槽ユニットに対して大幅な変更がなく設置
でき、一般家庭に容易に適用することができる。また、
本実施の形態でも、蓄熱タンク14、圧縮機31や熱交
換器32,34などの冷凍サイクルを蓄熱ユニット20
として、図3に示したような浴槽3の周辺に設置可能に
構成すると使いやすい。
【0058】また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を
充填しており、温熱供給路16から常に一定の温度の温
水を得ることができ、安定した排熱回収システムが得ら
れる。また、蓄熱タンク14内の蓄熱材15を水として
顕熱によって蓄熱してもよいが、潜熱蓄熱材15の潜熱
を利用して蓄熱する方が効率よく蓄熱でき、給湯タンク
14の大きさを例えば半分の容量程度に小さくできる。
従って、蓄熱ユニットに占める蓄熱タンク14のスペー
スを大幅に低減でき、浴室に設ける場合でも置き場所の
制限が少なくなり容易に適用できる。
【0059】また、本実施の形態による構成では、冷凍
サイクルを利用することによって、実施の形態1と比較
して、騒音は多少高くなるが、蓄熱温度を高くできるこ
とによって蓄熱タンク14を小さくでき、蓄熱ユニット
20をコンパクトに構成できる。さらに浴槽水から蓄熱
材15への熱輸送手段を冷媒循環路30だけの単純な構
成にすることで、小型化を図っている。なお、この構成
において、例えば、防音材などによる防音手段を施すこ
とによって、騒音をあまり問題のないレベルにすること
ができる。また、排熱回収運転の制御に関しては、実施
の形態1と同様、家族の入浴が終了した後でかつ夜間の
電力料金が低い時間帯を利用すると、冷凍サイクルやポ
ンプ2の運転コストを低減できる。
【0060】なお、本実施の形態における蓄熱タンク1
4の構成は、蓄熱材用容器と、この容器内に封入された
蓄熱材と、蓄熱材用容器の周囲で蛇行させた第1の熱媒
体である例えば冷媒用の配管と、蓄熱材用容器の周囲に
滞留または流通する第2の熱媒体である例えば水と、水
を流入する流入口と、水を流出する流出口とを備えてい
る。そして、蓄熱時には蛇行した配管に温熱を有する冷
媒を流通させて、滞留する水を介して潜熱蓄熱材15と
熱交換している。また、放熱時には、流入口から蓄熱材
用容器の周囲に水を流通させて潜熱蓄熱材15に蓄熱し
た温熱を放熱させ流出口から流出させている。このよう
に、蓄熱時と放熱時に異なる熱媒体を用いることがで
き、容器に封入した潜熱蓄熱材に温熱を蓄熱して、大き
さを小型にできる蓄熱タンクを実現している。なお、蓄
熱タンクに構成から言えば、冷熱の蓄熱も可能であり、
また、放熱と蓄熱で動作させる熱媒体を逆にすることも
できる。
【0061】実施の形態4.以下、本発明の実施の形態
4による排熱回収システムについて説明する。図7は本
実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図で
ある。この特長とするところは、浴槽水からの排熱を蓄
熱タンク14に伝える温熱輸送手段の熱媒体として浴槽
水をそのまま用いていることである。図において、35
は循環路を構成する熱交換部であり、蓄熱タンク14内
に格納されている蛇行した配管である。図中、図1と同
一符号は同一、または相当部分を示す。
【0062】浴槽水の排熱を蓄熱タンク14に蓄熱する
動作において、循環路1にはポンプ2によって浴槽水を
循環させる。そして、蓄熱タンク14内の熱交換部35
で蓄熱タンク14内に貯溜されている水に温熱を伝え、
さらに潜熱蓄熱材15に熱を伝えて蓄熱する。この時、
循環路1を循環する浴槽水の温度は40℃程度であり、
蓄熱タンク14内の熱交換部35で放熱して潜熱蓄熱材
15に37℃程度の温熱を蓄熱する。ただし、循環路1
を循環する水を加熱したり、蓄熱タンク14内の水を加
熱する加熱手段を備えた場合には、さらに高い温度の温
熱を潜熱蓄熱材15に蓄熱することも可能である。蓄熱
された温熱を浴槽水として使用する動作は実施の形態1
と同様である。
【0063】本実施の形態では、循環路の一部を、蓄熱
タンク14内で例えば縦方向に蛇行した配管とし、潜熱
蓄熱材15の周囲を巡るように配設して熱交換部35を
構成している。このため、循環路1を循環する熱媒体と
蓄熱タンク14内の水とが混ざることがないのでこの熱
媒体は清潔である必要はなく、浴槽水をそのまま循環さ
せている。
【0064】上記のように本実施の形態でも実施の形態
1と同様、浴槽水の加熱に用いるエネルギー消費量を大
幅に削減でき、かつ衛生的な風呂用の排熱回収システム
が実現できる。また、通常の風呂釜に備わっている浴槽
水循環用穴を利用して、浴槽水を循環させればよいの
で、既存の浴槽ユニットに対して大幅な変更がなく設置
でき、一般家庭に容易に適用することができる。また、
本実施の形態でも、実施の形態1と同様、循環路1や蓄
熱タンク14を蓄熱ユニット20として、図3に示した
ような浴槽3の周辺に設置可能に構成すると使いやす
い。
【0065】また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を
充填しており、温熱供給路16から常に一定の温度の温
水を得ることができ、安定した排熱回収システムが得ら
れる。また、蓄熱タンク14内の蓄熱材を水として顕熱
によって蓄熱してもよいが、潜熱蓄熱材15の潜熱を利
用して蓄熱する方が効率よく蓄熱でき、給湯タンク14
の大きさを例えば半分の容量程度に小さくできる。従っ
て、蓄熱ユニットに占める蓄熱タンク14のスペースを
大幅に低減でき、浴室に設ける場合でも置き場所の制限
が少なくなり容易に適用できる。
【0066】また、排熱回収運転の制御に関しては、実
施の形態1と同様、家族の入浴が終了した後でかつ夜間
の電力料金が低い時間帯を利用すると、冷凍サイクルや
ポンプの運転コストを低減できる。さらに、実施の形態
1〜実施の形態3では、蓄熱するための循環路として、
水循環路1と水循環路10,また冷媒循環路30など、
2つ以上の循環路を備えていたが、本実施の形態では1
つの循環路1で実現したので、回路構成が簡単で、ポン
プの数を減らすことができ、低振動,低騒音な排熱回収
システムが得られる。
【0067】なおここでも、実施の形態1と同様、浴槽
水の温熱を回収する回収運転はポンプ11の動作開始で
開始されるのであるが、一日のうちで、浴槽水の排熱の
回収は、家族の入浴が終了した後の午前1時頃〜午前6
時頃に動作させるのが望ましく、夜間の電力料金が低い
時間帯を利用すると、ポンプ2の運転コストを低減でき
る。
【0068】実施の形態5.以下、本発明の実施の形態
5による排熱回収システムについて説明する。実施の形
態1〜実施の形態4では浴槽水を浴槽外に循環させる構
成であったが、本実施の形態では、既存の浴槽システム
が浴槽水の循環路を有しないタイプのもの、即ちガスな
どの熱源によって浴槽水を沸かすものではなく、温水を
単に溜めるだけの構成の浴槽システムにおいて、浴槽水
の温熱を回収する排熱回収システムを適用したものであ
る。図8は本実施の形態による排熱回収システムを示す
回路構成図である。図において、36は浴槽3内の浴槽
水内に浸漬された熱交換器である。この熱交換器36は
浴槽水から水循環路10を循環する水に熱を吸収するた
めの水−水熱交換器で、例えば配管を蛇行させて構成し
た熱交換器や、プレートフィン熱交換器である。
【0069】以下、浴槽水の排熱を蓄熱タンク14に蓄
熱する動作について説明する。熱交換器36は浴槽3内
に浸漬され、浴槽水と水循環路10内の水とが熱交換し
得る構成となっている。例えば家族全員の入浴後にポン
プ11を動作させて水循環路10に水を循環させると、
熱交換器36で浴槽水から水循環路10を流通する水に
温熱が伝えられる。そして、この温熱は、熱媒体である
水が蓄熱タンク14内を流通する際に潜熱蓄熱材15に
伝えられる。このように、水循環路10は、浴槽水から
の排熱を潜熱蓄熱材15に伝える温熱輸送手段を構成し
ている。蓄熱された温熱を浴槽水として使用する動作は
実施の形態1と同様、温熱供給路16と開閉手段5によ
り新たな温水が浴槽3に貯溜される。
【0070】このように本実施の形態でも実施の形態1
と同様、浴槽水の加熱に用いるエネルギー消費量を大幅
に削減でき、かつ衛生的な風呂用の排熱回収システムが
実現できる。また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を
充填することにより、小型で安定した排熱回収システム
が得られる。また、排熱回収運転の制御に関しては、実
施の形態1と同様、家族の入浴が終了した後でかつ夜間
の電力料金が低い時間帯を利用すると、冷凍サイクルや
ポンプの運転コストを低減できる。
【0071】特に本実施の形態では、熱交換器36を浴
槽水内に設置して浴槽3内で浴槽水と水循環路10を循
環する水とが熱交換する構成なので、1つのポンプ11
だけで実現でき、回路構成が簡単で、低振動,低騒音な
排熱回収システムが得られる。さらに、既存の浴槽シス
テムが浴槽水の循環路を有しないタイプのものであって
も、浴槽水の通常捨てられている温熱を回収できる。こ
のため、一般家庭に容易に適用することができる。
【0072】また、図9に示すように、水循環路10の
代わりに、圧縮機31,熱交換部35,絞り手段33,
熱交換器36を備えた冷媒循環路30としてもよい。冷
媒循環路30の内部にフロン系の単一冷媒や混合冷媒、
炭化水素冷媒、炭化水素を含む混合冷媒などを流通させ
て冷凍サイクルを構成している。圧縮機31を動作させ
ると、冷媒が冷媒循環路30を循環し、圧縮機31で高
温高圧となった冷媒は、熱交換部35で凝縮して放熱し
冷却液化される。さらに絞り手段33で減圧されて二相
状態の湿り蒸気となり、熱交換器36で吸熱して蒸発し
て冷媒ガスとなって圧縮機31へ循環する。この冷凍サ
イクルの動作によって、熱交換器36で浴槽水から冷媒
循環路30を流通する冷媒に温熱が伝えられる。そして
熱を与えられて蒸発した冷媒は、圧縮機31を通って熱
交換部35で蓄熱タンク14内に貯溜している水を介し
て潜熱蓄熱材15に温熱を与える。この場合、熱交換器
36は蒸発器として動作し、熱交換部35は凝縮器とし
て動作している。
【0073】図9の構成では、実施の形態3と同様、冷
凍サイクルを介在させて蓄熱する構成であり、蓄熱タン
ク14での蓄熱温度を、排熱回収するときの浴槽水の温
度よりも高くすることができる。例えば、浴槽水の温度
が40℃程度の場合でも、60℃程度の温熱を蓄熱タン
ク14に蓄熱することが可能となる。ただし、この蓄熱
温度付近で相変化を生じるような潜熱蓄熱材15を用い
る必要があり、例えばポリエチレングリコールのような
60℃程度の温熱を潜熱として蓄熱し得る潜熱蓄熱材1
5を用いる必要がある。蓄熱タンク14の蓄熱温度を、
排熱回収する温熱の温度以上、即ち40℃程度以上にす
るには、浴槽水や蓄熱タンク14内の熱媒体を加熱する
加熱手段を備える構成と、冷凍サイクルを用いる構成の
どちらでも可能であるが、冷凍サイクルを用いる構成の
方が加熱手段を用いる構成よりも効率がよい。
【0074】なお、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱を浴
槽3で利用するときの動作は、実施の形態1と同様であ
り、市水流入口13より利用前の新たな水を流入し、潜
熱蓄熱材15に蓄熱している温熱を吸熱し、加温された
温水を温熱供給路16と開閉手段5で浴槽3に導入する
ことにより、新たな温水が浴槽3に貯溜される。蓄熱タ
ンク14に60℃程度の温熱を蓄熱すると、温熱供給路
16では熱損失を考慮しても60℃に近い温熱が得られ
ることになり、浴槽水としては十分に高温であるため、
加熱手段6は必ずしも必要ない。また、蓄熱タンク14
内で蛇行した配管によって熱交換部35を構成する際、
配管の蛇行の方向は縦方向としたが、図6に示したよう
に横方向でもよく、流入、流出する方向も上からでも下
からでもよい。ただし、内部に液体を貯溜するため、シ
ールなどの点から蛇行する配管の入口および出口は、蓄
熱タンク14の上方にあるのが好ましい。また、上方に
配管が出ている構成で横方向には何もないので、適用さ
れる装置に取り付けやすく、蓄熱タンク4内で効率よく
熱交換できる。
【0075】また、図10に示すように、実施の形態2
と同様、温熱輸送手段として冷媒循環路30と水循環路
10とを有する構成としてもよい。この場合にも冷凍サ
イクルを動作させることによって蓄熱温度を浴槽水の温
度より高くでき、さらに、蓄熱タンク14内には水と潜
熱蓄熱材15を格納する構成なので、蛇行した配管も共
に格納するよりも製造が簡単であり、蓄熱タンク14内
の上下方向には温度勾配ができ、効率よく温熱を蓄熱,
放熱できる。
【0076】また、本実施の形態でも、実施の形態1と
同様、水循環路10や蓄熱タンク14、圧縮機31や熱
交換器32,34などの冷凍サイクルを蓄熱ユニット2
0として、図3に示したような浴槽3の周辺に設置可能
に構成すると使いやすい。また、従来の浴槽水を回収す
るシステムのように、地下に貯溜タンクを設ける必要が
ないので、既存の浴槽ユニットに対して大幅な変更がな
く設置でき、一般家庭に容易に適用することができる。
【0077】実施の形態6.以下、本発明の実施の形態
6による排熱回収システムについて説明する。図11は
本実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図
である。図において、50は冷媒循環路、51は圧縮
機、52は冷媒−水熱交換器、53は絞り手段、54は
冷媒−水熱交換器、55a,55b、56a,56bは
開閉手段で、例えばそれぞれ電磁的に開閉を行う電磁弁
である。図中、図1と同一符号は同一、または相当部分
を示している。また、本実施の形態では、蓄熱運転と放
熱運転との2つの運転モードがあり、蓄熱時の流体の流
れを実線矢印、放熱時の流体の流れを点線矢印で示して
いる。
【0078】まず、浴槽3の温熱を蓄熱タンク14に蓄
熱する蓄熱運転について説明する。電磁弁55a,56
aを開、電磁弁55b,56bを閉として、圧縮機51
→電磁弁55a→熱交換器52→絞り手段53→熱交換
器54→電磁弁56a→圧縮機51の順に冷媒を循環さ
せる。この時の冷媒は、フロン系の単一冷媒や混合冷
媒、炭化水素冷媒、炭化水素を含む混合冷媒などを用い
ることができる。熱交換器54は浴槽水と冷媒循環路5
0を循環する冷媒とを熱交換する冷媒−水熱交換器、熱
交換器52は冷媒循環路50を循環する冷媒と水循環路
10を循環する水とを熱交換する冷媒−水熱交換器であ
り、例えば配管を蛇行させて構成した熱交換器や、プレ
ートフィン熱交換器である。
【0079】熱交換器54は浴槽3内の浴槽水中に浸漬
され、浴槽水と冷媒循環路50内の冷媒とが熱交換し得
る構成となっている。圧縮機51を動作させると、冷媒
が冷媒循環路50を循環し、圧縮機51で高温高圧とな
った冷媒は、熱交換器52で凝縮して放熱し冷却液化さ
れる。さらに絞り手段53で減圧されて二相状態の湿り
蒸気となり、熱交換器54で吸熱して蒸発して冷媒ガス
となって圧縮機51へ循環する。これが冷凍サイクルの
動作であり、熱交換器54は蒸発器として動作し、熱交
換器52は凝縮器として動作している。この冷凍サイク
ルの動作において、熱交換器54で浴槽水から冷媒循環
路50を流通する冷媒に温熱が伝えられる。そして熱を
与えられて蒸発した冷媒は、圧縮機51を通って熱交換
器52で水循環路10を循環する熱媒体である水と熱交
換し、これに温熱を与える。
【0080】水循環路10を循環する水に与えられた温
熱は、蓄熱タンク14内を流通する際に潜熱蓄熱材15
に熱を与える。この時、蓄熱タンク14内では水循環路
10を流通する水は上方から流入し、下方から流出する
ように構成している。蓄熱タンク14の上方に流入した
温水は、ポンプ11の働きによって蓄熱タンク14の上
方から下方へ流れる間に潜熱蓄熱材15に温熱を与え、
潜熱蓄熱材15が相変化することによって蓄熱される。
このように蓄熱タンク14では、その上方から温熱が蓄
熱されていく。冷凍サイクルを用いた場合、浴槽水の排
熱は40℃程度であっても、冷凍サイクルの作用によっ
て60℃程度の温熱を蓄熱タンク14に蓄熱することが
できる。蓄熱運転終了後、浴槽水を排水口4より排水す
る。
【0081】なお、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱を、
例えば翌日の浴槽3で利用するときの動作は、実施の形
態1と同様であり、市水流入口13より利用前の新たな
10℃〜20℃程度の市水を流入し、この市水が蓄熱タ
ンク14を下部から上部へ移動する間に潜熱蓄熱材15
に蓄熱している温熱を吸熱し、加温された温水を温熱供
給路16と開閉手段5で浴槽3に導入することにより、
新たな温水が浴槽3に貯溜される。蓄熱タンク14に6
0℃程度の温熱を蓄熱すると、温熱供給路16では熱損
失を考慮しても入浴に十分な温度の温水が得られること
になり、浴槽水としては十分に高温であるため、加熱手
段6は必ずしも必要ない。
【0082】このように本実施の形態でも実施の形態1
と同様、浴槽水の加熱に用いるエネルギー消費量を大幅
に削減でき、かつ衛生的な風呂用の排熱回収システムが
実現できる。また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を
充填することにより、小型で安定した排熱回収システム
が得られる。また、排熱回収運転の制御に関しては、実
施の形態1と同様、家族の入浴が終了した後でかつ夜間
の電力料金が低い時間帯を利用すると、冷凍サイクルや
ポンプの運転コストを低減できる。
【0083】浴槽水を貯溜して時間が経過したりして、
入浴時に浴槽水の温度が低くなってしまった時には、例
えばヒータなどの加熱手段6を設けて貯溜した浴槽水を
補助的に加熱すればよい。また、本実施の形態では加熱
手段6を設けなくても、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱
を使って浴槽水の温度を高くすることができる。以下、
この浴槽水の蓄熱タンク14を利用した加熱動作を放熱
運転と称し、この運転について説明する。電磁弁55
b,56bを開、電磁弁55a,56aを閉として、圧
縮機51→電磁弁56b→熱交換器54→絞り手段53
→熱交換器52→電磁弁55b→圧縮機51の順に冷媒
を循環する。そして、冷凍サイクルを運転すると共に、
水循環路10のポンプ11を動作させる。この時、水循
環路10内の蓄熱運転時とは逆方向に水を循環させる。
即ち、蓄熱タンク14内の下部から流入させ、上部から
流出させる。水循環路10の水をこのように循環させる
と、下部から冷たい水が流入し、蓄熱タンク14を下部
から上部へ移動する間に潜熱蓄熱材15の温熱を吸熱し
て温水となって上方から流出する。
【0084】圧縮機51を動作させると、冷媒が冷媒循
環路50を循環し、圧縮機51で高温高圧となった冷媒
は、熱交換器54で凝縮して放熱し冷却液化される。さ
らに絞り手段53で減圧されて二相状態の湿り蒸気とな
り、熱交換器52で吸熱して蒸発して冷媒ガスとなって
圧縮機51へ循環する。この冷凍サイクルの動作におい
て、熱交換器54で浴槽水に冷媒循環路50を流通する
冷媒から温熱が伝えられる。そして熱を与えられて蒸発
した冷媒は、圧縮機51を通って熱交換器52で水循環
路10を循環する熱媒体である水と熱交換し、これから
温熱を吸熱する。この場合、熱交換器54は凝縮器とし
て動作し、熱交換器52は蒸発器として動作している。
【0085】このように、放熱運転モードを備え、蓄熱
運転モードとは逆に蓄熱タンク14に蓄熱されている温
熱を浴槽3に貯溜されている浴槽水に伝えることによ
り、浴槽3の水量はそのままで、浴槽水を加熱すること
ができる。このため、浴槽水の追い焚き機能が実現で
き、例えば家族がばらばらに入浴したり、個人個人の最
適入浴温度が異なっていても、常に快適な浴槽水温度に
調節することができる。さらに、この浴槽水の加熱は浴
槽水からの排熱を利用しており、加熱するためのエネル
ギー消費量を削減できる。ただし、放熱運転モードは、
蓄熱タンク14に温熱がまだ蓄熱されている時に有効で
ある。蓄熱タンク14内に温熱がまだ蓄熱されているか
どうかは、蓄熱タンク14内にサーミスタや白金測温抵
抗体や保護管付きの熱電対などの温度センサを設けて、
温度を計測してもよいし、蓄熱時に蓄熱量を計算するな
どして検知して記憶しておき、使用時に使用量を計算し
て常時温熱の蓄熱量を把握しておいてもよい。
【0086】また、放熱運転モードは浴槽3に貯溜して
いる流体を加熱することができるので、追い焚きを行う
だけでなく、浴槽3への給湯自体を行ってもよい。この
場合には温熱供給路16は必要なく、市水流入口13を
直接バルブ5に接続して、浴槽3に10〜20℃程度の
利用前の新たな市水を貯溜する。貯溜完了後、放熱運転
を行って、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱を利用して熱
交換器54で浴槽水の加熱を行う。また、冷媒循環路5
0において、電磁弁56a,56bや電磁弁55a,5
5bを1つの三方弁や四方弁で構成すると、冷媒回路の
構成を簡単にすることができ、低価格になる。また、従
来の浴槽水を回収するシステムのように、地下に貯溜タ
ンクを設ける必要がないので、既存の浴槽ユニットに対
して大幅な変更がなく設置でき、一般家庭に容易に適用
することができる。
【0087】図12は、本実施の形態に係わる排熱回収
システムを示す回路構成図である。この構成でも図11
の構成と同様、電磁弁55a,55b、56a,56b
を備え、電磁弁55a,56aを開、電磁弁55b,5
6bを閉としたときには浴槽水から温熱を回収して、蓄
熱タンク14の潜熱蓄熱材15に蓄熱する。また電磁弁
55a,56aを閉、電磁弁55b,56bを開とした
ときには蓄熱タンク14に蓄熱している温熱を浴槽水に
伝えて加温するという、追い焚きが可能な構成である。
図11の構成と異なるのは、熱交換器52を蓄熱タンク
14の中を蛇行する配管としている。そして、水循環路
10を設けずに、熱交換部52では冷媒循環路50を流
通する冷媒から蓄熱タンク14内の水に温熱を伝達し、
さらに温水によって潜熱蓄熱材15が相変化を起こすこ
とにより温熱を蓄熱する。
【0088】図12の構成の場合には、水循環路10の
ポンプ11を省略でき、熱交換器52として二重管熱交
換器やプレート式熱交換器を使わずに配管だけで構成で
きるので、小型で安価な排熱回収システムが得られる。
また、図11,図12では熱交換器54を浴槽水中に浸
漬する構成によって浴槽水と冷媒とを熱交換するものを
示したが、図1で示したように浴槽水の循環路1を設
け、循環路1を循環する浴槽水と冷媒とを熱交換するも
のとしてもよい。
【0089】実施の形態7.以下、本発明の実施の形態
7による排熱回収システムについて説明する。図13は
本実施の形態による排熱回収システムを示す回路構成図
である。図において、60は熱媒体循環路で例えば冷媒
循環路、61は圧縮機、62は冷媒−水熱交換器、63
は絞り手段、64は冷媒−水熱交換器である。さらに、
65は冷媒−空気熱交換器、66a〜66hは配管を開
閉する開閉手段で例えば電磁弁、67は絞り手段であ
る。図中、図1と同一符号は同一、または相当部分を示
している。
【0090】圧縮機61,熱交換器62,絞り手段6
3,熱交換器64,熱交換器65,電磁弁66a〜66
h,絞り手段67を図の様に接続して冷媒循環路60を
構成し、冷媒循環路60の内部に熱媒体としてフロン系
の単一冷媒や混合冷媒、炭化水素冷媒、炭化水素を含む
混合冷媒などを流通させて冷凍サイクルを構成してい
る。電磁弁66a〜66hを電磁的に開閉することによ
って、冷凍サイクル内の冷媒の流路を切換える。
【0091】熱交換器64は浴槽水と冷凍サイクルを循
環する冷媒とを熱交換する冷媒−水熱交換器、熱交換器
62は水循環路10を循環する水と冷凍サイクルを循環
する冷媒とを熱交換する冷媒−水熱交換器、熱交換器6
5は外気と冷凍サイクルを循環する冷媒とを熱交換する
外気−冷媒熱交換器である。本実施の形態では、熱交換
器62,64,熱交換器65はそれぞれ冷凍サイクル内
の冷媒流路によっては蒸発器として動作したり、凝縮器
として動作するものである。熱交換器62,64は、そ
れぞれ例えばプレート式熱交換器や二重管熱交換器を使
用している。また、熱交換器65は例えばプレートフィ
ンチューブ熱交換器で冷媒配管と放熱用フィンにファン
によって外部空気を吹き付ける構造のものを用いる。
【0092】以下、浴槽水からの排熱を冷媒循環路60
による冷凍サイクルを介して蓄熱タンク14に蓄熱する
動作について説明する。電磁弁66a,66b,66d
を開とし、電磁弁66c,66e,66f,66g,6
6hを閉として、圧縮機61を動作させると、冷媒循環
路60の冷媒は、圧縮機61→電磁弁66a→熱交換器
62→電磁弁66b→絞り手段63→熱交換器64→電
磁弁66d→圧縮機61のように循環する。これと同時
にポンプ2,11も動作させる。熱交換器64におい
て、ポンプ2によって水循環路1を循環する浴槽水か
ら、冷媒循環路60を流通する冷媒に温熱が伝えられ
る。そして熱を与えられて蒸発した冷媒は、圧縮機61
を通って熱交換器62で水循環路10を循環する水と熱
交換し、これに温熱を与える。この場合、熱交換器64
は蒸発器として動作し、熱交換器62は凝縮器として動
作している。水循環路10を循環する水に与えられた温
熱は、蓄熱タンク14内を流通する際に潜熱蓄熱材15
に伝えられて蓄熱される。
【0093】さらに、本実施の形態では、外気−冷媒熱
交換器65を備えたことに特長がある。上記のように浴
槽水の排熱を回収していると、浴槽水の温度が徐々に低
くなってくる。浴槽水の温度が、熱交換器65が置かれ
ている周囲の空気例えば外気の温度よりも低くなったら
熱回収する必要が無くなる。このまま更に熱回収しよう
とすると、冷凍サイクル60の運転効率が悪くなるた
め、熱交換器を熱交換器65に切換えて、外気より熱を
吸熱し、蓄熱タンク14に蓄熱する。具体的な方法とし
ては、電磁弁66b,66c,66f,66hを閉、電
磁弁66a,66e,66gを開とし、熱交換器64と
ポンプ2を停止して熱交換器65を動作状態とする。冷
媒循環路60の冷媒は、圧縮機61→電磁弁66a→熱
交換器62→電磁弁66e→絞り手段67→熱交換器6
5→電磁弁66g→圧縮機61のように循環する。熱交
換器65に取り付けられた送風機により、熱交換器65
が設置されている付近の空気を取り込んで風を循環さ
せ、冷媒と熱交換させている。冷媒は空気と熱交換する
ことにより熱を与えられ、圧縮機61を通って凝縮器6
2で前に述べたように水循環路10を循環する水と熱交
換する。このとき、熱交換器62は凝縮器、熱交換器6
5は蒸発器として動作している。
【0094】上記のように本実施の形態では、水循環路
1を循環する水の温熱を回収して蓄熱タンク14に蓄熱
する際、圧縮機61を備えた冷凍サイクルを介在させて
いる。このため実施の形態2と同様に、水循環路1を流
通する温度以上の温度で蓄熱することもできる。例え
ば、水循環路1を流通する水の温度が40℃程度の場合
でも、60℃程度で蓄熱タンク14に蓄熱することが可
能となる。さらに、浴槽水の排熱を充分に回収して浴槽
水の温度が外気よりも下がった場合など、外気の温熱を
蓄熱に利用するように切換えるので、冷凍サイクルの運
転効率を維持でき、長寿命で信頼性の高い排熱回収シス
テムが得られる。なお、蓄熱タンク14に蓄熱した温熱
を浴槽3で利用するときの動作は、実施の形態1と同様
であり、市水流入口13より利用前の新たな水を流入
し、潜熱蓄熱材15に蓄熱している温熱を吸熱し、加温
された温水を温熱供給路16と開閉手段5で浴槽3に導
入することにより、新たな温水が浴槽3に貯溜される。
【0095】なお、上記の排熱回収運転では、熱交換器
64と熱交換器65の切換を浴槽水と外気との温度に応
じて切換えるように構成したが、熱交換器64の運転開
始時間、熱交換器64の運転終了時間、熱交換器65の
運転開始時間、熱交換器65の運転終了時間は、それぞ
れ設定可能に構成し、適用される場所の使用状況に合わ
せて設定できるようにすると、様々な状況の場所に適し
た運転を行うことができる。また、熱交換器64,65
は常にどちらか一方が運転するように限るわけではな
く、両方とも運転するようにしてもよい。
【0096】さらに本実施の形態では、浴槽水が熱すぎ
る時に、浴槽水の量を増やさないで温度を下げることが
可能である。これは再び浴槽水の温熱を蓄熱タンク14
に蓄熱するか、または浴槽水の温熱を外気に放熱するか
の2通りの動作がある。蓄熱タンク14への蓄熱運転に
ついてはすでに述べたので、以下、熱交換器65を用い
た冷媒循環路60による冷凍サイクルを介して浴槽水の
温熱を外気に放熱する動作について説明する。電磁弁6
6f,66e,66b,66dを開とし、電磁弁66
a,66c,66g,66hを閉として、圧縮機61を
動作させると、冷媒循環路60の冷媒は、圧縮機61→
電磁弁66f→熱交換器65→絞り手段67→電磁弁6
6e→電磁弁66b→絞り手段63→熱交換器64→電
磁弁66d→圧縮機61のように循環する。これと同時
にポンプ2も動作させる。熱交換器64において、水循
環路1を循環する浴槽水から冷媒循環路60を流通する
冷媒に温熱が伝えられる。そして熱を与えられて蒸発し
た冷媒は、圧縮機61を通って熱交換器65で外気と熱
交換し、放熱する。この場合、熱交換器64は蒸発器と
して動作し、熱交換器65は凝縮器として動作してい
る。このように動作させることにより、浴槽水の温度
を、浴槽水を増やさずに下げることができ、例えば蓄熱
タンク14が満蓄になっている場合などに有効である。
【0097】さらに本実施の形態では、浴槽水の温度が
低すぎる時に、浴槽水の量を増やさないで温度を上げ
る、即ち追い焚きすることが可能である。蓄熱タンク1
4に温熱がまだ蓄熱されている場合にこの温熱によって
浴槽水を加熱するか、または浴槽水を外気によって加熱
するかの2通りの動作がある。ここでは、蓄熱タンク1
4の温熱を利用して蓄熱タンク14から浴槽水への放熱
運転を行なう動作について説明する。冷媒循環路60に
おいて、電磁弁66c,66b,66hを開とし、電磁
弁66a,66d,66e,66f,66gを閉とし
て、圧縮機61→電磁弁66c→熱交換器64→絞り手
段63→電磁弁66b→熱交換器62→電磁弁66h→
圧縮機61のように循環する。これと同時にポンプ2,
11も動作させる。潜熱蓄熱材15の温熱を水循環路1
1に伝え、熱交換器62において、冷媒循環路60を流
通する冷媒に温熱が伝えられる。そして熱を与えられて
蒸発した冷媒は、圧縮機61を通って熱交換器64で水
循環路1を循環する浴槽水と熱交換し、放熱する。この
場合には熱交換器62は蒸発器として動作し、熱交換器
64は凝縮器として動作している。
【0098】以下、熱交換器65を用いた冷媒循環路6
0による冷凍サイクルを介して浴槽水を外気を利用して
追い焚きする動作について説明する。電磁弁66c,6
6b,66e,66gを開とし、電磁弁66a,66
d,66fを閉として、圧縮機61を動作させると、冷
媒循環路60の冷媒は、圧縮機61→電磁弁66c→熱
交換器64→絞り手段63→電磁弁66b→電磁弁66
e→絞り手段67→熱交換器65→電磁弁66g→圧縮
機61のように循環する。これと同時にポンプ2も動作
させる。熱交換器65において、外気から冷媒循環路6
0を流通する冷媒に温熱が伝えられる。そして熱を与え
られて蒸発した冷媒は、圧縮機61を通って熱交換器6
4で水循環路1を循環する浴槽水と熱交換し、放熱す
る。このように、温熱が蓄熱タンク14にまだ蓄熱され
ているときには熱交換器62を動作させ、また蓄熱タン
ク14に温熱が蓄熱されていないときには熱交換器65
を動作させることにより、浴槽水の温度を浴槽水を増や
さずに加熱することができる。このため、加熱手段6は
必ずしも設ける必要はない。
【0099】図13の構成では、水循環路1を構成して
いるため、通常の風呂釜に備わっている浴槽水循環用穴
を利用して、浴槽水を循環させればよいので、一般家庭
に容易に適用することができる。また、浴槽3が水循環
路を有する構成でない時には、図14のような熱交換器
64を浴槽内に配設して熱交換するような構成にすれば
よい。排熱回収の動作は図13と同様であり、ここでは
省略する。また、図13,図14において、蓄熱タンク
14は水循環路10を有する構成としたが、図12のよ
うに、冷媒配管を蓄熱タンク14内に蛇行した構成とし
てもよい。熱交換器62の代わりに蓄熱タンク14内の
蛇行した配管にすると、水循環路10を備える必要がな
く、ポンプ11を省略できる。
【0100】このように本実施の形態でも実施の形態1
と同様、浴槽水の加熱に用いるエネルギー消費量を大幅
に削減でき、かつ衛生的な風呂用の排熱回収システムが
実現できる。また、蓄熱タンク14に潜熱蓄熱材15を
充填することにより、小型で安定した排熱回収システム
が得られる。また、排熱回収運転の制御に関しては、実
施の形態1と同様、家族の入浴が終了した後でかつ夜間
の電力料金が低い時間帯を利用すると、冷凍サイクルや
ポンプの運転コストを低減できる。また、従来の浴槽水
を回収するシステムのように、地下に貯溜タンクを設け
る必要がないので、既存の浴槽ユニットに対して大幅な
変更がなく設置でき、一般家庭に容易に適用することが
できる。
【0101】さらに、外気−冷媒熱交換器65を備えた
構成のため、熱交換器65を浴室外に設置する必要があ
るが、多様な運転を行うことができるようになり、汎用
性の高い排熱回収システムが得られる効果を奏する。実
際の構成としては蓄熱ユニット20をすべて浴室外に設
置してもよいし、蓄熱ユニット20を浴室外と浴室内に
分割して設置してもよい。
【0102】なお、実施の形態1〜実施の形態3におい
て、水循環路1の配管に配管内を洗浄する洗浄手段、例
えば噴流洗浄装置を設け、水を配管内に流入し逆方向に
噴流させて配管内を洗浄すると、水循環路1の配管を常
に清潔に保つことができる。水循環路1を構成する配管
は浴槽水が循環するため、髪の毛などのごみや浴槽剤な
どが混入して流動する可能性がある。このため、洗浄手
段で配管内を洗浄すれば、常に浴槽水が循環する水循環
路1の配管内を清潔に保つことができる。この洗浄は常
時行なう必要はなく随時または月に1回など定期的に行
なうことにしてもよい。また、配管内が洗浄するほど汚
れることがない場合には、配管内にフィルタを設けるだ
けでもよい。このフィルタはポンプ2の上流側に設ける
のが好ましく、ポンプ2にごみなどが混入して動作不良
になるのを防止できる。
【0103】また、実施の形態1〜実施の形態7におい
て、蓄熱タンク14に充填した蓄熱材15は、蓄熱材用
容器に格納した潜熱蓄熱材でなく、煉瓦や鉄球など、温
熱を蓄熱し得る物体でもよい。また、蓄熱材15の形状
は、図に示したような球状に限るものではなく、球状で
表面積を増すために凹凸をつけたり、棒状のものとして
もよい。また、図1に示した蓄熱材15の側面は上下が
重なるように並べているが、細密充填方式では、上下が
ずれた状態で充填されることになる。
【0104】また、実施の形態1〜実施の形態7による
排熱回収システムは、排水と給水に時間のずれがある場
合に効果を発揮するものであるが、浴槽3に限らず別の
使い方として、排水と給水に時間のずれが無い場合、例
えば温水プール、熱帯魚や養殖用の温水槽など、常に温
度を一定に保ちかつ衛生的に清潔に保持するために水の
入れ替えを必要とするものにも適用できる。また、温水
に限るものではなく、例えば気体などの流体でも、流体
そのものは入れ替えて利用し、温熱は蓄熱ユニット20
によって蓄熱・放熱することにより、温熱を継続して再
利用することができる。
【0105】また、実施の形態1〜実施の形態7におい
て、蓄熱ユニット20には加熱手段6を含めていない
が、これを含めて蓄熱ユニット20を構成してもよい。
【0106】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、温熱を
蓄熱する蓄熱材を有する蓄熱槽と、温熱を有する流体を
貯溜して利用する温熱利用槽と、前記温熱利用槽の流体
からの排熱を前記蓄熱槽の前記蓄熱材に伝える温熱輸送
手段と、前記蓄熱材に蓄熱した温熱で利用前の流体を加
温する流体加温手段と、前記温熱利用槽に前記加温した
流体を導入する流体導入手段と、前記温熱利用槽の流体
を排出する流体排出手段と、を備え、前記温熱利用槽で
利用した流体からの排熱を前記温熱輸送手段によって前
記蓄熱槽に蓄熱し、前記流体排出手段によって前記温熱
利用槽の排熱回収後の流体を排出し、前記流体加温手段
で前記蓄熱材に蓄熱した温熱によって前記温熱利用槽に
貯溜する流体を加温し、この加温した流体を前記流体導
入手段で前記温熱利用槽に貯溜することにより、通常捨
てられている温熱利用槽からの温排熱を回収して温熱利
用槽の流体を加温するために再び利用でき、省エネルギ
ー化を図ることができ、流体自体は交換して、衛生的な
流体とすることができる排熱回収システムが得られる。
【0107】また、本発明によれば、温熱輸送手段を、
第1熱交換部と第2熱交換部とを有し、内部に熱媒体を
循環させ、前記第1熱交換部で前記熱媒体と温熱利用槽
の流体とを熱交換してその温熱を前記熱媒体に吸熱さ
せ、前記第2熱交換部で前記熱媒体と蓄熱槽の蓄熱材と
を直接または間接的に熱交換して吸熱した温熱を前記蓄
熱材に伝える熱媒体循環路としたので、省エネルギー化
を図ることができ、衛生的な温熱を有する流体を利用で
きる排熱回収システムが得られる。
【0108】また、本発明によれば、温熱輸送手段を、
圧縮機と絞り手段と第1熱交換部と第2熱交換部とを接
続して冷媒を循環させ、第1熱交換部と第2熱交換部の
いずれか一方を凝縮器として動作させ、他方を蒸発器と
して動作させる冷凍サイクルを備えたことにより、蓄熱
温度を高くして安定した排熱回収システムを得ることが
できる。
【0109】また、本発明によれば、温熱輸送手段は、
第2熱交換部と蓄熱槽との間を循環する熱媒体循環路を
有するようにしたことにより、安価で安定した排熱回収
システムを得ることができる。
【0110】また、本発明によれば、温熱利用槽内の流
体または熱媒体循環路の熱媒体を加熱する加熱手段を備
えたことにより、利用流体の温度を高くできる排熱回収
システムを得ることができる。
【0111】また、本発明によれば、加熱手段を、温熱
利用槽または熱媒体循環路または蓄熱槽に設けたヒータ
で構成したことにより、利用流体の温度を高くできる排
熱回収システムを得ることができる。
【0112】また、本発明によれば、加熱手段を、第2
熱交換部で熱媒体と蓄熱槽の蓄熱材とを直接または間接
的に熱交換して前記蓄熱材に蓄熱した温熱を熱媒体に伝
達し、第1熱交換部で前記熱媒体と温熱利用槽内の流体
とを熱交換してその温熱を前記流体に伝達するように構
成したことにより、利用流体の温度を高くできる排熱回
収システムを得ることができる。
【0113】また、本発明によれば、第1熱交換部を温
熱利用槽外に設けると共に前記温熱利用槽と第1熱交換
部とを循環させる流体循環路を備えたことにより、既存
の装置構成を極力変更せずに導入できる排熱回収システ
ムを得ることができる。
【0114】また、本発明によれば、第1熱交換部を温
熱利用槽内に設け、貯溜している流体と熱媒体循環路の
熱媒体とを熱交換するようにしたことにより、既存の装
置構成を極力変更せずに導入できる排熱回収システムを
得ることができる。
【0115】また、本発明によれば、蓄熱槽の蓄熱材を
潜熱蓄熱材としたことにより、温熱の蓄熱量を多くでき
るので、小型にできる蓄熱槽を得ることができる。
【0116】また、本発明によれば、浴槽水からの排熱
を蓄熱槽の蓄熱材に蓄熱する蓄熱ステップと、前記蓄熱
ステップの後に排熱回収済の浴槽水を浴槽から排水する
排水ステップと、前記蓄熱ステップで前記蓄熱材に蓄熱
した温熱によって利用前の水を加温して前記浴槽に貯溜
する温水供給ステップと、を備えたことにより、省エネ
ルギー化を図ることができ、衛生的な浴槽水が得られる
風呂用排熱利用方法を得ることができる。
【0117】また、本発明によれば、容器と、この容器
内に封入された蓄熱材と、前記容器の周囲で蛇行させた
第1の熱媒体用の配管と、前記容器の周囲に滞留または
流通する第2の熱媒体と、前記第2の熱媒体を流入する
流入口と、前記第2の熱媒体を流出する流出口とを備
え、蓄熱および放熱のどちらか一方の時には前記配管に
温熱または冷熱を有する第1の熱媒体を流通させて滞留
する前記第2の熱媒体を介して前記蓄熱材と熱交換し、
蓄熱および放熱のどちらか他方の時には前記流入口から
前記容器の周囲に第2の熱媒体を流通させて前記蓄熱材
に蓄熱した温熱または冷熱を放熱させ前記流出口から流
出させることにより、蓄熱時の熱媒体と放熱時の熱媒体
と蓄熱材とをそれぞれ互いに異なるものにでき、多様に
利用できる蓄熱槽が得られる。
【0118】また、本発明によれば、熱媒体用配管の入
口と出口を共に蓄熱槽の上方に設け、前記入口から出口
までの配管が蓄熱材の周囲を蛇行するように構成したこ
とにより、適用される装置に取り付けやすく、蓄熱槽内
で効率よく熱交換できる蓄熱槽が得られる。
【0119】また、本発明によれば、蓄熱槽の蓄熱材を
潜熱蓄熱材としたことにより、温熱の蓄熱量を多くでき
るので、小型にできる蓄熱槽を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1による排熱回収システ
ムを示す回路構成図である。
【図2】 実施の形態1に係わる排熱回収システムの動
作手順を示すフローチャートである。
【図3】 実施の形態1による排熱回収システムを示す
斜視図である。
【図4】 実施の形態1に係わる排熱回収運転の動作手
順を示すフローチャートである。
【図5】 本発明の実施の形態2による排熱回収システ
ムを示す回路構成図である。
【図6】 本発明の実施の形態3による排熱回収システ
ムを示す回路構成図である。
【図7】 本発明の実施の形態4による排熱回収システ
ムを示す回路構成図である。
【図8】 本発明の実施の形態5による排熱回収システ
ムを示す回路構成図である。
【図9】 実施の形態5の他の例による排熱回収システ
ムを示す回路構成図である。
【図10】 実施の形態5のさらに他の例による排熱回
収システムを示す回路構成図である。
【図11】 本発明の実施の形態6による排熱回収シス
テムを示す回路構成図である。
【図12】 実施の形態6の他の例による排熱回収シス
テムを示す回路構成図である。
【図13】 本発明の実施の形態7による排熱回収シス
テムを示す回路構成図である。
【図14】 実施の形態7の他の例による排熱回収シス
テムを示す回路構成図である。
【図15】 従来の一般家庭で用いられている浴槽シス
テムを示す構成図である。
【図16】 従来の温排水を回収する給湯装置を示す概
略構成図である。
【符号の説明】 1 熱媒体循環路、2 ポンプ、3 温熱利用槽、4
流体排出手段、5 開閉手段、6 加熱手段、10 熱
媒体循環路、11 ポンプ、12 熱交換器、13 市
水流入口、14 蓄熱槽、15 蓄熱材、16 給湯
口、20 蓄熱ユニット、30 冷凍サイクル、31
圧縮機、32 熱交換器、33 絞り手段、34 熱交
換器、35 熱交換器、36 熱交換部、50 熱媒体
循環路、51 圧縮機、52 熱交換器、53 絞り手
段、54 熱交換器、55a,55b 開閉手段、56
a,56b 開閉手段、60 熱媒体循環路、61 圧
縮機、62 熱交換器、63 絞り手段、64 熱交換
器、65 熱交換器、66開閉手段。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 温熱を蓄熱する蓄熱材を有する蓄熱槽
    と、温熱を有する流体を貯溜して利用する温熱利用槽
    と、前記温熱利用槽の流体からの排熱を前記蓄熱槽の前
    記蓄熱材に伝える温熱輸送手段と、前記蓄熱材に蓄熱し
    た温熱で利用前の流体を加温する流体加温手段と、前記
    温熱利用槽に前記加温した流体を導入する流体導入手段
    と、前記温熱利用槽の流体を排出する流体排出手段と、
    を備え、前記温熱利用槽で利用した流体からの排熱を前
    記温熱輸送手段によって前記蓄熱槽に蓄熱し、前記流体
    排出手段によって前記温熱利用槽の排熱回収後の流体を
    排出し、前記流体加温手段で前記蓄熱材に蓄熱した温熱
    によって前記温熱利用槽に貯溜する流体を加温し、この
    加温した流体を前記流体導入手段で前記温熱利用槽に貯
    溜することを特徴とする排熱回収システム。
  2. 【請求項2】 温熱輸送手段は、第1熱交換部と第2熱
    交換部とを有し、内部に熱媒体を循環させ、前記第1熱
    交換部で前記熱媒体と温熱利用槽の流体とを熱交換して
    その温熱を前記熱媒体に吸熱させ、前記第2熱交換部で
    前記熱媒体と蓄熱槽の蓄熱材とを直接または間接的に熱
    交換して吸熱した温熱を前記蓄熱材に伝える熱媒体循環
    路であることを特徴とする請求項1記載の排熱回収シス
    テム。
  3. 【請求項3】 温熱輸送手段は、圧縮機と絞り手段と第
    1熱交換部と第2熱交換部とを接続して冷媒を循環さ
    せ、第1熱交換部と第2熱交換部のいずれか一方を凝縮
    器として動作させ、他方を蒸発器として動作させる冷凍
    サイクルを備えたことを特徴とする請求項2記載の排熱
    回収システム。
  4. 【請求項4】 温熱輸送手段は、第2熱交換部と蓄熱槽
    との間を循環する熱媒体循環路を有することを特徴とす
    る請求項3記載の排熱回収システム。
  5. 【請求項5】 温熱利用槽内の流体または熱媒体循環路
    の熱媒体を加熱する加熱手段を備えた請求項1ないし請
    求項4のいずれか1項に記載の排熱回収システム。
  6. 【請求項6】 加熱手段は、温熱利用槽または熱媒体循
    環路または蓄熱槽に設けたヒータであることを特徴とす
    る請求項5記載の排熱回収システム。
  7. 【請求項7】 加熱手段は、第2熱交換部で熱媒体と蓄
    熱槽の蓄熱材とを直接または間接的に熱交換して前記蓄
    熱材に蓄熱した温熱を熱媒体に伝達し、第1熱交換部で
    前記熱媒体と温熱利用槽内の流体とを熱交換してその温
    熱を前記流体に伝達するように構成されたことを特徴と
    する請求項5記載の排熱回収システム。
  8. 【請求項8】 第1熱交換部を温熱利用槽外に設けると
    共に前記温熱利用槽と第1熱交換部とを循環させる流体
    循環路を備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項
    7のいずれか1項に記載の排熱回収システム。
  9. 【請求項9】 第1熱交換部を温熱利用槽内に設け、貯
    溜している流体と熱媒体循環路の熱媒体とを熱交換する
    ようにしたことを特徴とする請求項1ないし請求項7の
    いずれか1項に記載の排熱回収システム。
  10. 【請求項10】 蓄熱材は潜熱蓄熱材であることを特徴
    とする請求項1ないし請求項9のいずれか1項に記載の
    排熱回収システム。
  11. 【請求項11】 浴槽水からの排熱を蓄熱槽の蓄熱材に
    蓄熱する蓄熱ステップと、前記蓄熱ステップの後に排熱
    回収済の浴槽水を浴槽から排水する排水ステップと、前
    記蓄熱ステップで前記蓄熱材に蓄熱した温熱によって利
    用前の水を加温して前記浴槽に貯溜する温水供給ステッ
    プと、を備えたことを特徴とする風呂用排熱利用方法。
  12. 【請求項12】 容器と、この容器内に封入された蓄熱
    材と、前記容器の周囲で蛇行させた第1の熱媒体用の配
    管と、前記容器の周囲に滞留または流通する第2の熱媒
    体と、前記第2の熱媒体を流入する流入口と、前記第2
    の熱媒体を流出する流出口とを備え、蓄熱および放熱の
    どちらか一方の時には前記配管に温熱または冷熱を有す
    る第1の熱媒体を流通させて滞留する前記第2の熱媒体
    を介して前記蓄熱材と熱交換し、蓄熱および放熱のどち
    らか他方の時には前記流入口から前記容器の周囲に第2
    の熱媒体を流通させて前記蓄熱材に蓄熱した温熱または
    冷熱を放熱させ前記流出口から流出させることを特徴と
    する蓄熱槽。
  13. 【請求項13】 第1の熱媒体用の配管の入口と出口を
    共に蓄熱槽の上方に設け、前記入口から出口までの配管
    が容器の周囲を蛇行するように構成したことを特徴とす
    る請求項12記載の蓄熱槽。
  14. 【請求項14】 蓄熱材は潜熱蓄熱材であることを特徴
    とする請求項12または請求項13記載の蓄熱槽。
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