JP2000130100A - アンカーボルト固着用カートリッジ及びその製造方法 - Google Patents

アンカーボルト固着用カートリッジ及びその製造方法

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JP2000130100A
JP2000130100A JP10307046A JP30704698A JP2000130100A JP 2000130100 A JP2000130100 A JP 2000130100A JP 10307046 A JP10307046 A JP 10307046A JP 30704698 A JP30704698 A JP 30704698A JP 2000130100 A JP2000130100 A JP 2000130100A
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JP
Japan
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liquid resin
viscous liquid
hardener
anchor bolt
glass container
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JP10307046A
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English (en)
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Masahiro Sakamoto
昌弘 坂本
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アンカーボルトを打設する際に作業者にかかる
負荷を軽減し、なおかつ打設作業時間を短縮する。 【解決手段】無機材で希釈された過酸化物若しくはアゾ
化合物からなる硬化剤を硬化性粘性液体樹脂に溶解しな
い水性バインダーで分散させた粒子状の硬化剤を、硬化
性粘性液体樹脂と骨材と共に破砕可能なガラス容器内に
実質的に均一に分散させたアンカーボルト固着用カート
リッジ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アンカーボルト固
着用カートリッジ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】コンクリート構造物や岩盤等に孔を開
け、主剤容器と硬化剤容器からなる接着剤カートリッジ
を孔に挿入し、次いでハンマードリルを使ってアンカー
ボルトを打設することにより、アンカーボルトに加えら
れた回転と打撃によって接着剤カートリッジが破砕され
て、アンカーボルトと穿設した孔壁面とが2液混合型接
着剤で固着されるアンカーボルトの打設作業方法が知ら
れている。
【0003】この打設作業方法に使用される接着剤カー
トリッジとしては、例えば図2に示されるような硬化剤
2が封入されたガラス容器4と、硬化性粘性液体樹脂1
と、骨材3とがガラス容器5内に封入されたアンカーボ
ルト固着用カートリッジが知られている(特開昭38−
12863号公報)。また、硬化反応を十分に起こさ
せ、かつ硬化後の粘性液体樹脂を骨材に十分に浸透させ
るために、例えば図4に示されるような硬化剤2を被覆
した骨材3を、図3に示されるようなガラス容器4に封
入し、硬化性粘性液体樹脂1と共にガラス容器5内に封
入した構造のアンカーボルト固着用カートリッジ(特開
昭54−139232号公報)や、図5に示されるよう
な硬化剤2と骨材3とが封入されたガラス容器4を硬化
性粘性液体樹脂1と共にガラス容器5内に封入した構造
のアンカーボルト固着用カートリッジも知られている
(特開平4−1160号公報)。
【0004】このように、接着剤カートリッジは内容器
と外容器とからなる2重構造のガラス容器であることが
一般的である。ところが、2重構造のガラス容器は、ア
ンカーボルトにより破砕されたガラス容器片の攪拌抵抗
が大きいため、作業者はアンカーボルトの打設作業時に
ハンマードリルが受ける反動を長時間おさえ込んでおか
ねばならず、特に手首に長時間大きな負荷(以下、打設
抵抗という)がかかるという問題点があった。
【0005】一方、従来よりアンカーボルト固着用カー
トリッジの製造方法において、ガラス容器内に硬化性粘
性液体樹脂を封入するために、熔封が行われている。と
ころが、硬化性粘性液体樹脂には引火性があり、熔封作
業時にバーナーの炎により引火、爆発に危険性があっ
た。そこで、例えば熔封作業の直前にガラス容器の上端
開口部の空気を窒素やヘリウムガスで置換してから熔封
する方法が知られている(特開平4−1160号公
報)。しかし、空気を不活性ガスで置換する作業は煩雑
で時間もかかり、置換作業のための特別な装置が必要で
あるという問題点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
従来の問題点を解決するため、作業者にかかる打設抵抗
を小さくし、打設作業時間を短縮できるアンカーボルト
固着用カートリッジを提供するとともに、熔封作業前に
時間のかかる煩雑な作業が必要ないアンカーボルト固着
用カートリッジの製造方法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明の
アンカーボルト固着用カートリッジ(以下、第1発明と
いう)は、硬化性粘性液体樹脂と、該硬化性粘性液体樹
脂に溶解しないバインダ樹脂と硬化剤との混合物からな
る硬化剤粒子と、骨材とが破砕可能な容器内に実質的に
均一に分散されていることを特徴とする。
【0008】第1発明において用いられる硬化性粘性液
体樹脂としては、特に限定されないが、例えば、不飽和
ポリエステル樹脂、エポキシアクリレート樹脂等が挙げ
られる。なお、これらの樹脂は、スチレン等の反応性単
量体で希釈されていてもよい。上記硬化性粘性液体樹脂
の粘度は、3000ポイズ(20℃)以下であることが
好ましく、3000ポイズを超えるとアンカーボルトに
よって硬化剤や骨材が攪拌されても十分に分散せず、硬
化性粘性液体樹脂が十分に硬化しない恐れがある。
【0009】上記硬化性粘性液体樹脂中には、金属石
鹸、キレート化合物、アミン類等の硬化促進剤が併用さ
れていてもよい。上記金属石鹸としては、ナフテン酸コ
バルト、オクテン酸コバルト、ナフテン酸スズ、オクテ
ン酸スズ等が挙げられ、上記キレート化合物としては、
バナジルアセチルアセトネートが挙げられ、上記アミン
類としては、ジメチルアニリン、ジエチルアニリン、ジ
メチルパラトルイジン等が挙げられる。
【0010】第1発明において用いられる硬化剤粒子
は、硬化性粘性液体樹脂に溶解しないバインダ樹脂と硬
化剤との混合物からなる。上記バインダ樹脂としては、
メチルセルロースやアラビアゴム等の水性バインダーが
用いられる。上記硬化剤としては、ベンゾイルパーオキ
サイド、メチルエチルケトンパーオキサイド、ラウリル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ターシャリ
ブチルパーオクトエート、キュメンハイドロパーオキサ
イド、シクロヘキサノンパーオキサイド等の過酸化物、
又は、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物から
なる硬化成分を炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、無水
珪酸カルシウム、アルミン酸カルシウム等の無機物で希
釈したものが用いられる。上記硬化剤粒子は、例えば、
上記硬化剤を上記バインダ樹脂と混和し、網目状のすの
こ等を通過させて含水粒状に造粒して乾燥させる方法に
より得られる。本発明の硬化剤粒子の粒径は、封入され
るカートリッジの口径により適宜設定されるが、0.1
mm〜6.0mmの範囲のものが性能、取り扱いがとも
に良好であり好ましい。
【0011】第1発明において用いられる骨材として
は、例えば石英砂、珪石、珪砂等の天然骨材や、硬質プ
ラスチック、陶磁器、ガラス等の人工骨材が挙げられる
が、打設作業時の打設抵抗を軽減できる石英砂が特に好
ましい。
【0012】第1発明のアンカーボルト固着用カートリ
ッジは、用途によって適宜配合比が決められるが、不飽
和ポリエステル樹脂を硬化性粘性液体樹脂とする場合
は、硬化性粘性液体樹脂100重量部に対して、硬化剤
0.1〜20重量部、骨材500重量部以下であること
が好ましい。
【0013】第1発明において用いられる破砕可能なガ
ラス容器内には、さらにフィラーが分散されていてもよ
く、フィラーの種類は特に限定されないが、例えば炭酸
カルシウム、硫酸カルシウム、無水珪酸カルシウム、ア
ルミン酸カルシウム等が好ましい。
【0014】第1発明において用いられる容器とは、打
撃により破砕可能な容器であり、その形状は特に限定さ
れないが、円形や多角形の柱状容器が好ましく、これら
の中でも取り扱いや製造の容易さから円柱形の容器が特
に好ましい。第1発明において用いられる硬化性粘性液
体樹脂、硬化剤、骨材及びガラス容器は、無色でもよい
し、着色されていてもよい。
【0015】請求項2に記載の発明のアンカーボルト固
着用カートリッジ(以下、第2発明という)は、請求項
1において破砕可能な容器が1重構造のガラス容器から
なることを特徴とする。第2発明において用いられるガ
ラス容器の材質としては、ホウ珪酸ガラス、鉛ガラス、
ソーダライムガラス等が挙げられ、これらの中でもホウ
珪酸ガラスが特に好ましい。
【0016】請求項3に記載の発明のアンカーボルト固
着用カートリッジの製造方法(以下、第3発明という)
は、硬化性粘性液体樹脂と、該硬化性粘性液体樹脂に対
して溶解しないバインダ樹脂と硬化剤との混合物からな
る硬化剤粒子と、骨材とを破砕可能なガラス容器内に実
質的に均一に分散させ、次いで熔封が行われる間、硬化
性粘性液体樹脂の液面全体に骨材を浮遊させて、一時的
に前記硬化性粘性液体樹脂をガラス容器上端の開口部か
ら遮断した状態で熔封することを特徴とする。
【0017】第3発明において、硬化性粘性液体樹脂の
液面全体に骨材を浮遊させるためには、硬化性粘性液体
樹脂の粘度は200〜3000ポイズであることが好ま
しく、骨材の粒径も1〜4mmであることが好ましい。
第3発明において、熔封が行われる間、硬化性粘性液体
樹脂の液面全体に骨材を浮遊させる方法としては、例え
ばガラス容器に硬化性粘性液体樹脂と硬化剤と骨材を順
次分散させていき、最後に骨材を熔封作業直前に投入す
る方法や、ガラス容器の熔封の直前に骨材を追加投入す
る方法が挙げられる。
【0018】(作用)第1発明及び第2発明のアンカー
ボルト固着用カートリッジは、無機材で硬化成分が希釈
された硬化剤と硬化性粘性液体樹脂に溶解しないバイン
ダ樹脂との混合物からなる硬化剤粒子が硬化性粘性液体
樹脂中に分散されている。ここで、硬化剤粒子は硬化剤
がバインダ樹脂に閉じ込められた構造となっており、粒
子表面に存在するわずかな硬化剤しか硬化性粘性液体樹
脂と触れられない。これにより、粒子表面に存在する硬
化剤が硬化性粘性液体樹脂と反応して粒子表面が反応硬
化物に覆われるが、それ以上硬化反応は進行しない。
【0019】本格的な硬化反応はカートリッジが破砕さ
れると同時に硬化剤粒子が粉砕され、粘性液体中に硬化
剤が分散されてはじめて進行する。したがって、硬化剤
粒子と硬化性粘性液体樹脂とをそれぞれ別の容器内に封
入して隔離しておく必要がない。
【0020】第3発明のアンカーボルト固着用カートリ
ッジの製造方法は、硬化性粘性液体樹脂の液面全体に浮
遊した骨材によって、硬化性粘性液体樹脂は熔封される
ガラス開口部と遮断されるので、熔封作業に使用される
バーナーの炎で引火することがない。
【0021】
【発明の実施の形態】アンカーボルト固着用カートリッ
ジの実施形態例を図1に示す。アンカーボルト固着用カ
ートリッジは、ガラス容器5内に硬化性粘性液体樹脂1
が充填されており、硬化性粘性液体樹脂中には硬化剤2
と骨材3が均一に分散されており、ガラス容器上端6が
熔封されている。
【0022】(実施例) (1)硬化剤粒子の調整 硫酸カルシウムを加えて50重量%に希釈したベンゾイ
ルパーオキサイド100重量部とSBラテックス1重量
部と、水20重量部とを混和してスラリーとした後、網
目状のすのこを通過させて粒径2.0mm〜4.0mm
の粒子を造粒して乾燥させた。 (2)アンカーボルト固着用カートリッジの作成 ホウ珪酸ガラスからなる褐色ガラス容器(外径16.5
mm、長さ150mm、厚さ0.5mm)に、ビスフェ
ノールA型を骨格とする不飽和ポリエステル樹脂10g
を充填し、硬化剤粒子2gと石英砂(粒径1mm〜2m
m)20gをブリッジが発生しないように振動を加えな
がらガラス容器に充填し、均一に分散させた。ここで、
最後に石英砂を充填して不飽和ポリエステル樹脂の液面
全体に石英砂を浮遊させて、ただちにガラス容器をバー
ナーの炎で熔封した。 (3)アンカーボルト固着用カートリッジの評価 (打設作業時間の測定)圧縮強度210kgf/cm2
のコンクリートに、穿孔径18mm又は19mm、穿孔
深さ130mmのアンカーボルト挿入孔を開け、よく孔
内をナイロンブラシと吸塵機により清掃した後アンカー
ボルト固着用カートリッジを装填した。次いで、先端を
45°にカットされた全ネジボルト(材質 SCM43
5、外径16mm、長さ180mm)をハンマードリル
(日立ハンマードリルDH−38YC、回転数1600
rpm/分、打撃数32000rpm/分)で回転と打
撃を同時に加えながらアンカーボルトが孔底に到達する
まで打設して打設作業を行った。この時の打設作業に要
した時間をストップウォッチで計測した。
【0023】(比較例) (1)硬化剤を封入した容器の作成 硫酸カルシウムで50重量%に希釈したベンゾイルパー
オキサイド1gをホウ珪酸ガラスからなる透明ガラス容
器(外径6mm、長さ120mm、厚さ0.5mm)に
充填し、ガラス容器上端から長さ20mmの開口部を設
け、上端の開口部をバーナーで瞬時に熔封して全長10
0mmの硬化剤を封入した容器を作成した。 (2)アンカーボルト固着用カートリッジの作成 ホウ珪酸ガラスからなる褐色ガラス容器(外径16.5
mm、長さ150mm、厚さ0.5mm)に、ビスフェ
ノールA型を骨格とする不飽和ポリエステル樹脂10g
を充填し、硬化剤が封入されたガラス容器を外管容器の
内壁に沿ってまっすぐ挿入し、石英砂(粒径1mm〜2
mm)20gをブリッジが発生しないように振動を加え
ながらガラス容器に充填した。ここで、充填された石英
砂で硬化剤が封入されたガラス容器を埋設しておき、最
後に充填した石英砂を不飽和ポリエステル樹脂の液面全
体に浮遊させて、ただちにガラス容器をバーナーの炎で
熔封した。 (3)アンカーボルト固着用カートリッジの評価 (打設作業時間の測定)実施例と同様の方法で測定し
た。実施例と比較例のアンカーボルト固着用カートリッ
ジを装填して打設作業を行った際の打設作業に要した時
間を表1に示す。
【0024】
【表1】
【0025】表1から明らかなように、比較例の2重構
造のガラス容器に比べて実施例の容器は打設作業時間が
短い。
【0026】(打設抵抗の官能評価)打設作業中、作業
者がハンマードリルから受ける負荷を手首にかかる負荷
をもとに官能評価した。その結果、実施例のアンカーボ
ルト固着用カートリッジを打設した方が比較例に比べて
手首にかかる負荷が小さかった。
【0027】
【発明の効果】請求項1及び請求項2に記載のアンカー
ボルト固着用カートリッジは、打設作業時の打設抵抗が
小さく、かつ打設作業時間を短縮できるので作業者の負
荷が軽減され作業性を向上させることができる。請求項
3に記載のアンカーボルト固着用カートリッジの製造方
法は、硬化性粘性液体樹脂の引火を防ぐことができる。
また、2重構造のガラス容器ではないので、骨材等に十
分に埋設されなかったガラス容器が、熔封時にバーナー
の炎に触れて破裂する危険性がない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例のアンカーボルト固着用カート
リッジの縦断面図。
【図2】従来のアンカーボルト固着用カートリッジの縦
断面図である。
【図3】従来のアンカーボルト固着用カートリッジの縦
断面図である。
【図4】硬化剤を被覆した骨材の断面図である。
【図5】従来のアンカーボルト固着用カートリッジの縦
断面図である。
【符号の説明】
1 硬化性粘性液体樹脂 2 硬化剤 3 骨材 4 ガラス容器 5 ガラス容器 6 ガラス容器上端

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 硬化性粘性液体樹脂と、該硬化性粘性液
    体樹脂に溶解しないバインダ樹脂と硬化剤との混合物か
    らなる硬化剤粒子と、骨材とが破砕可能な容器内に実質
    的に均一に分散されていることを特徴とするアンカーボ
    ルト固着用カートリッジ。
  2. 【請求項2】 破砕可能な容器が1重構造のガラス容器
    からなることを特徴とする請求項1に記載のアンカーボ
    ルト固着用カートリッジ。
  3. 【請求項3】 硬化性粘性液体樹脂と、該硬化性粘性液
    体樹脂に対して溶解しないバインダ樹脂と硬化剤との混
    合物からなる硬化剤粒子と、骨材とを破砕可能なガラス
    容器内に実質的に均一に分散させ、次いで熔封が行われ
    る間、硬化性粘性液体樹脂の液面全体に骨材を浮遊させ
    て、一時的に前記硬化性粘性液体樹脂をガラス容器上端
    の開口部から遮断した状態で熔封することを特徴とする
    アンカーボルト固着用カートリッジの製造方法。
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