JP2000129435A - 反射防止膜の製造装置 - Google Patents

反射防止膜の製造装置

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JP2000129435A
JP2000129435A JP10298553A JP29855398A JP2000129435A JP 2000129435 A JP2000129435 A JP 2000129435A JP 10298553 A JP10298553 A JP 10298553A JP 29855398 A JP29855398 A JP 29855398A JP 2000129435 A JP2000129435 A JP 2000129435A
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Japan
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cathode
drum
substrate
film
vacuum chamber
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JP10298553A
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English (en)
Inventor
Takeshi Kawamata
健 川俣
Kiyoshi Takao
潔 高尾
Toshiaki Oimizu
利明 生水
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Olympus Corp
Original Assignee
Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 顆粒状の膜原料であっても、効率よく反射防
止膜を形成すると共に、大量生産を可能とする。 【解決手段】 水平方向の回転軸52に取り付けられて
回転軸52を中心に回転自在となっていると共に、周面
に基板15を装着するための基板配置部2を備える筒状
のドラム50と、ドラム50の内側及び/又は下方に位
置すると共に、上向きに配置されたカソード3,31
と、カソード3,31に高周波電力を印加する電源4、
41と、カソード4,41上に載置されたフッ化マグネ
シウムからなる膜原料5、基板配置部2にセットされた
基板15と膜原料5との間に配置され、これらの間を開
閉可能に遮断するシャッター11,11aと、少なくと
もドラム50、カソード3,31及びシャッター11,
11aを内部に収容する真空槽1と、真空槽1内にガス
を導入するガス導入手段13,13aとを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スパッタリング法
により反射防止膜を製造する装置に関する。
【0002】
【従来の技術】反射防止膜などの薄膜を形成する場合に
は、手法の容易さや成膜速度の速さなどの観点から真空
蒸着法が多く用いられていた。これに対し、スパッタリ
ングによってコーティングを行う手法は、光学薄膜やそ
の他の薄膜の成膜において、真空蒸着法に比較して自動
化や省力化などの点で有利なことから、近年、その要求
が高まってきている。このスパッタリング法では、光学
薄膜として代表的な低屈折率物質であるMgF2 等のフ
ッ化物をスパッタリングすると、Mg等とFとに解離し
て、膜中ではFが不足するために可視光の吸収が生じる
問題があり、スパッタリング法を光学薄膜に適用する上
での大きな障害となっていた。
【0003】本出願人はこの問題点を解決することので
きる発明を開発し、すでに出願している(特開平9−3
1638号公報)。この発明では、膜原料としてMgF
2 の顆粒を用い、この顆粒状の膜原料を石英製の皿に充
填し、この皿を真空槽内のマグネトロンカソード上に載
置している。そして、マグネトロンカソードに高周波電
圧を印加してプラズマを発生させ、このプラズマによっ
て膜原料の表面を加熱することにより、膜原料の一部分
を分子状態で跳び出させ、分子状態の膜原料によって基
板上に膜を形成するものである。
【0004】また、スパッタリング法を用いた場合に大
量生産に適する装置としては、特開平3−229870
号公報の装置が開示されている。この装置は、縦型の円
筒状キャリア(ドラム)の外周に基板を保持し、その外
側にスパッタリング用ターゲットを縦方向に配置し、キ
ャリアを回転しながら成膜する構造となっている。この
装置では、キャリアの回転軸方向に複数の基板を配置す
ることにより、多数の基板に対して同時に成膜すること
が可能となっている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
9−31638号公報の方法では、加熱を容易とするた
めに顆粒状の膜原料を用いており、この膜原料を石英製
の皿に充填している。これは膜原料が顆粒状であって、
スパッタリング用カソードに直接に固定できないためで
ある。従って、このような構造では、膜原料であるター
ゲットの上方に基板を配置して成膜する必要があり、ス
パッタアップ式の構造とならざるを得ない。このため、
この構造では、特開平3−229870号公報に開示さ
れているような回転式の装置を使用することができず、
生産性を高くすることができない問題を有している。
【0006】一方、特開平3−229870号公報の装
置だけでは、顆粒状の膜原料を使用することができず、
このため、特開平9−31638号公報に開示されてい
るように膜原料を容易に加熱することが困難となる問題
点がある。
【0007】また、スパッタアップ式構造で成膜する場
合には、基板の両面に同時に成膜することが非常に難し
く、この点でも生産性が低いという問題点を有してい
る。
【0008】本発明は、このような問題点に鑑みてなさ
れたものであり、顆粒状等の膜原料を使用しても、フッ
化マグネシウム膜を含む反射防止膜を効率良く大量生産
できる成膜装置を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明は、水平方向の回転軸に取り付けら
れて回転軸を中心に回転自在となっていると共に、周面
に基板を装着するための基板配置部を備える筒状のドラ
ムと、このドラムの内側及び/又は下方に位置すると共
に、上向きに配置されたカソードと、このカソードに高
周波電力を印加する電源と、前記カソード上に載置され
たフッ化マグネシウムからなる膜原料と、前記基板配置
部にセットされた基板と膜原料との間に配置され、これ
らの間を開閉可能に遮断するシャッターと、少なくとも
前記ドラム、カソード及びシャッターを内部に収容する
真空槽と、この真空槽内にガスを導入するガス導入手段
と、を備えていることを特徴とする。
【0010】この装置によって反射防止膜を形成するに
は、膜原料と基板をセットし、真空槽内を真空にする。
次に、ガス導入手段によって真空槽内に酸素、窒素、水
素等の単独又は混合のガスを導入する。そして、カソー
ドに電源から高周波電力を印加してカソードの上方にプ
ラズマを発生させる。カソードが負電位になり、膜原料
のフッ化マグネシウムは正イオンによりスパッタリング
される。膜原料の温度が上昇すると、膜原料が分子状に
なって跳び出し、光吸収の小さいフッ化マグネシウム薄
膜を形成することができる。
【0011】この発明では、スパッタリング用のカソー
ドを上向きに配置し、その上にフッ化マグネシウムから
なる膜原料を載置するようにしたために、顆粒状やペレ
ット状、棒状などの個々に分散可能な形状の膜原料であ
っても、カソードに固定することなく集合させてスパッ
タリングに供することができる。また、回転自在の筒状
のドラムの周面には、基板装着部を備えるため、複数の
基板をドラムに配置することができる。このため、多数
の基板に対して同時に反射防止膜を形成することが可能
であり、生産性が向上する。
【0012】請求項2の発明は、水平方向の回転軸に取
り付けられて回転軸を中心に回転自在となっていると共
に、周面に基板を装着するための基板配置部を備える筒
状のドラムと、このドラムの内側及び/又は下方に位置
すると共に、上向きに配置されたカソードと、このカソ
ードに高周波電力を印加する電源と、前記カソード上に
載置されたフッ化マグネシウムからなる膜原料と、前記
基板配置部にセットされた基板と膜原料との間に配置さ
れ、これらの間を開閉可能に遮断するシャッターと、少
なくとも前記ドラム、カソード及びシャッターを内部に
収容する真空槽と、この真空槽内にガスを導入するガス
導入手段と、前記カソード上方のプラズマからの発光強
度を測定する測定手段と、を備えていることを特徴とす
る。
【0013】この発明においても、請求項1の発明と同
様に、多数の基板に対して同時に反射防止膜を形成する
ことができる。これに加えて、この発明では、カソード
上方に発生するプラズマの発光強度を測定手段が測定す
るため、膜原料が分子状態で跳び出ているか否かを確認
できる。この確認の後、ドラムを回転軸を中心に回転さ
せながら、膜原料と基板との間に配置されたシャッター
を開けて、基板上に成膜する。そして、規定通りの厚さ
の膜が形成された時点でシャッターを閉じる。このよう
な発明では、所望の反射防止膜を確実に成膜することが
できる。
【0014】請求項3の発明は、水平方向の回転軸に取
り付けられて前記回転軸を中心に回転自在となっている
と共に、周面に基板を装着するための基板配置部を備え
る筒状のドラムと、このドラムの内側に上向きに配置さ
れた上カソードと、前記ドラムの外周面の下側に上向き
に配置された下カソードと、前記ドラムの内側に横向き
に配置された内側カソードと、前記ドラムの外側に横向
きに配置された外側カソードと、前記各カソードに電力
を供給する電源と、前記上カソード及び下カソード上に
載置されたフッ化マグネシウムからなる低屈折率の膜原
料と、前記内側カソード及び外側のカソード上に配置さ
れた高屈折率の膜原料と、前記基板配置部にセットされ
た基板と前記各膜原料との間に配置され、これらの間を
開閉可能に遮断するシャッターと、少なくとも前記ドラ
ム、各カソード及びシャッターを内部に収容する真空槽
と、この真空槽内にガスを導入するガス導入手段と、を
備えていることを特徴とする。
【0015】この発明では、回転するドラムの内側と、
外周面の下側とに上下のカソードを配置し、この上下の
カソードにフッ化マグネシウムからなる低屈折率の膜原
料を載置すると共に、ドラムの内側及び外側に内外のカ
ソードを配置し、この内外のカソードに高屈折率の膜原
料を載置するため、フッ化マグネシウム層と、高屈折率
膜とを組み合わせた反射防止膜を形成できる。このた
め、様々な特性を有した反射防止膜を形成することがで
きる。
【0016】以上の請求項の発明に加えて、本発明で
は、ドラムに備えた基板載置部をドラムに対して反転自
在(すなわち、ドラムの内側を向く方向とドラムの外側
を向く方向との間で反転する)にすることができる。こ
れにより基板載置部を180°回転させて、基板載置部
に装着された基板の両面に同時に成膜することが可能で
ある。
【0017】また、ドラムの回転角を変更することによ
り、基板が多面体であっても、その各面に対して膜分子
を成膜することも可能となる。さらには、筒状のドラム
としては、円筒形状のドラム、多面体筒形状等の形状で
あっても使用することができる。
【0018】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)図1及び図2
は、本発明の実施の形態1の成膜装置を側面から示す断
面図及び部分破断斜視図、図3は上部の断面図であり、
真空槽1内にドラム50が回転自在に配置されている。
【0019】ドラム50は円筒状の本体部50aと、本
体部50aの一方側の端面に一体的に設けられた支持板
部50bとを有し、全体が円筒状に成形されている。こ
のドラム50における支持板部50bと反対側の端面は
開放された開放端50cとなっている。本体部50aは
ドラム50の周面を構成するものであり、この本体部5
0aには、基板15を露呈状態で保持する基板配置部2
がドラム50の軸方向及び周方向に沿って複数形成され
ている。
【0020】ドラム50の内部には水平方向の回転軸5
2が挿通している。ドラム50はこの回転軸52に取り
付けられることにより、回転軸52と一体的に一方向又
は正逆方向に回転する。この回転を行うため、ドラム5
0の支持板部50bと回転軸52とがキーなどによって
回転止め状態で連結されている。回転軸52は真空槽1
の側壁に取り付けられた密閉構造の軸受53,53に回
転自在に支持されており、その一方の端部はベルト51
を介して回転駆動源(図示省略)に連結されている。こ
のような構造では、ドラム50は回転軸52の中心軸5
2a周りに回転自在となっている。中心軸52aは水平
方向を沿っており、回転軸52の中心線であると同時に
基板配置部2を備えるドラム50の中心線ともなってい
る。従って、基板配置部2の周方向での回転軌跡は円と
なる。
【0021】ドラム50の内側および下側(ドラム50
の外周面の下側)には、上向きに配置されたマグネトロ
ンカソードであるスパッタリング用の上カソード3およ
び下カソード31が配置されている。それぞれのカソー
ド3および31は真空槽1外方のマッチングボックス4
aおよび4bを介して13.56MHzの高周波電源
(RF電源)4、41に接続されている。この上下の各
カソード3、31は真空槽1の壁面に取り付けられたカ
ソード支持台33、33の上に固定されている。この場
合、カソード支持台33,33はドラム50の開放端5
0cに臨む真空槽1の壁面に取り付けられ、ドラム50
の開放端50cからドラム50の内部に挿入されてい
る。
【0022】上下のカソード3、31上には、石英製の
皿35がそれぞれ載置されており、それぞれの皿35に
は顆粒状のフッ化マグネシウムからなる低屈折率の膜原
料5が集積されるように充填されている。
【0023】上下のカソード3、31のやや上方には、
膜原料5から発生するプラズマからの発光を測定するた
めに光ファイバー6、61の一端が臨んでいる。光ファ
イバー6,61の他端は分光計7、71と接続されてい
る。これらの光ファイバー6,61および分光計7,7
1は膜原料から発生するプラズマの発光強度を測定する
測定手段を構成する。なお、上カソード3に対しては、
ドラム50の開放端50c側から光ファイバー6を導い
て、上カソード3に対向させている。下カソードに対し
ては、真空槽1の底部の壁面から直接に対向せさてい
る。
【0024】ドラム50の左内側および右外側には、水
平方向で左向きに配置されたスパッタリング用のカソー
ド8、8aが配置されている。カソード8はドラム50
の内側に横向きに配置されることにより内側カソードと
なっており、カソード8aはドラム50の外側に横向き
に配置されることにより外側カソードとなっている。こ
れらの内外のカソード8および8aは、真空槽1の外方
に設けられている直流電源9,91にそれぞれ接続され
て電力が供給される。また、内外のカソード8、8aに
は、高屈折率の膜原料10が固定されている。高屈折率
の膜原料10は、例えば、板状のTaなどが用いられる
ものである。
【0025】さらに、以上の4箇所に配置された低屈折
率の膜原料5および高屈折率の膜原料10と、ドラム5
0の基板配置部2に取り付けられる基板15との間に
は、シャッター11、11a、12、12aがそれぞれ
設けられている。各シャッター11,11a、の一端に
は、図2で示すように、シャッター軸38,38aが延
設されており、これらのシャッター軸38,38aがド
ラム50の開放端50cに臨む真空槽1の壁面を貫通し
た状態で保持されている。この壁面にはシャッター軸3
8,38aがスライド可能に挿通する横長のスライド溝
43が形成されており、シャッター軸38,38aがス
ライド溝43を往復スライドすることにより、シャッタ
ー11,11aが膜原料5と基板15との間を開閉する
ように作用する。この場合、シャッター軸38,38a
は密閉構造でスライド溝43をスライドするものであ
る。なお、図示を省略するが、高屈折率の膜原料10側
のシャッター12,12aも同様にシャッター軸が延設
されると共に、これらのシャッター軸をスライド自在に
支持するスライド溝が真空槽1の対応した壁面に形成さ
れている。
【0026】また、真空槽1内にガスを供給するため、
それぞれのカソード3,31,8,8aの周辺には、ガ
ス導入手段としてのパイプ13、13a、14、14a
が設けられている。各パイプは、図1および図2に示す
ように、カソード支持台33上のカソード3,31,
8,8aと平行で、且つドラム50の長手方向に沿って
長尺となっている。また、各パイプ13,13a、1
4,14aには、対応したカソード3,31,8,8a
側の壁面に直列的にガス導入口39が多数穿設されてい
る。
【0027】この実施の形態の装置を使用して、単層の
反射防止膜を基板15の両面に同時に成膜する場合を説
明する。基板配置部2に、例えばプラスチックレンズか
らなる基板15を多数セットし、8×10-4Paまで真
空槽1内を排気する。その後、O2 ガスをパイプ13、
13aのガス導入口39から真空槽1内に3×10-1
aまで導入する。
【0028】この状態で、高周波電源4、41から電力
を上下のカソード3、31に供給し、スパッタリングを
開始する。そして、光ファイバー6、61を通り分光計
7、71で検出されるプラズマの発光スペクトルの波長
からMg原子の他にMgF分子からの発光が認められ、
膜原料5の少なくとも一部が分子状態で跳んでいること
を確認する。この場合において、光ファイバーを用いな
いときは、真空槽1に一般的に設けられている内部観察
窓(図示省略)から発光を視認する。
【0029】この確認の後、ドラム50を介して基板配
置部2を中心線52aを中心に回転させ、シャッター1
1、11aを開放すると、基板15の両面に同時に反射
防止膜であるフッ化マグネシウム膜が形成される。即
ち、回転する基板15がドラム50の上方位置にあると
きには基板15の内側に膜がコーティングされ、下方位
置にあるときは基板15の外側に膜がコーティングされ
るため、基板15の回転に追随して基板15の両面にM
gF2 膜が積層されるものである。この膜の光学的膜厚
が130nmとなる時間の後、シャッター11、11a
を閉じる。これにより、プラスチックレンズからなる基
板15の両面に単層の反射防止膜を形成することができ
る。
【0030】一方、2層の反射防止膜を形成する場合に
おいては、基板15をセットし、真空に排気するまで上
述と同様である。その後、ArとO2 の混合ガスをガス
導入口14、14aから導入する。そして、直流電源
9、91から電力を内外のカソード8、8aに供給し、
スパッタリングを開始する。
【0031】そして、基板配置部2を回転させ、シャッ
ター12、12aを開放すると、基板15の両面に同時
にTa2 5 膜が形成される。この膜の光学的膜厚が2
60nmとなる時間の後、シャッター12、12aを閉
じる。
【0032】続いて、上述したと同様な操作によって、
基板15の両面に同時にフッ化マグネシウム膜を光学的
膜厚が130nmとなるよう形成する。これにより、基
板15の両面に2層の反射防止膜を形成することができ
る。3層以上の反射防止膜も、同様にして2種類の膜を
交互に積層し形成することが可能である。
【0033】(実施の形態2)図4は本発明の実施の形
態2を示し、実施の形態1と同一の要素は同一の符号を
付して対応させてある。
【0034】この実施の形態では、ドラム50が8面体
の筒形状に整形されている。ドラム50の各面61に
は、横長の開口部62が形成されており、この開口部6
2に直方体状の支持板63が遊嵌状態で嵌められてい
る。この支持板63には基板載置部2が長手方向に複数
固定されている。
【0035】各支持板63の両端には、ドラム50を回
転自在に貫通する支持軸64が延設されており、これに
より支持板63はドラム50に対して反転可能となって
いる。支持軸64の一端には、反転用のフラグ65がそ
れぞれ起立しており、このフラグ65に対して図示を省
略した反転機構から回転力を作用させることにより、支
持板63が反転することができる。
【0036】このような構造では、支持板63を反転さ
せることにより、基板15の両面に反射防止膜を形成す
ることができる。従って、ドラム50を回転させても、
回転させなくても基板15の両面への成膜を行うことが
できる。
【0037】(実施の形態3)図5は実施の形態3を示
す。この実施の形態では、操作箱70が真空槽1の内部
に配置されている。操作箱70は箱本体71と、箱本体
71の一側に開閉自在に設けられた蓋体72とによって
構成されている。
【0038】この操作箱70の内部には、シャッター1
1,11aの開閉を駆動制御するシャッター駆動機構7
3、パイプ13,13aに接続されることによりパイプ
13,13aにガスを供給するガス供給管74が設けら
れると共に、カソード3,31が載置されるカソード支
持板33の端部および回転軸52の端部が挿入されてい
る。そして、これらの部材に対して、蓋体72を開くこ
とにより、その組み立てや分解を行うことができる。
【0039】このような構造では、上述した各部材が真
空槽1内の操作箱70内に設けられるため、真空槽1の
外部に突出する部材がなくなり、真空槽1内の気密性を
向上させることができる。
【0040】(他の実施の形態)本発明は、以上の実施
の形態に限定されるものではなく、種々変形が可能であ
り、以下、この構造を説明する。図1〜図5の実施の形
態では、4つのカソード3、31、8、8aが基板15
の近傍に位置するように配置されているが、上カソード
3と内側カソード8は基板配置部2の内側であれば、ド
ラム50の中心部に配置し、下カソード31および外側
カソード8aはドラム50の半径程度で基板15から離
れた位置に配置しても良い。
【0041】また、内側カソード8と外側カソード8a
は水平方向の左向きに配置されているが、これらのカソ
ード8,8aの内側と外側の配置を逆にすれば、右向き
でも良い。要するに、カソード8、8aはドラム50の
内側と外側とに配置されていれば、水平方向で左右どち
らの方向を向いていても良い。或いは水平に限らず、ド
ラム50の中心軸52aの方向に向いていれば、斜め方
向でもよい。
【0042】図1〜図5の実施の形態では、カソードを
4つ配置して、2層以上の反射防止膜をも基板15の両
面に同時に形成できるようにしたが、下カソード31と
外側カソード8aのみを配置することにより、基板15
の片面だけに反射防止膜を形成しても良い。また、上カ
ソード3と、下カソード31だけを配置してフッ化マグ
ネシウムの単層膜を形成しても良く、さらには、上カソ
ード3または下カソード31のいずれか一つだけでも良
い。
【0043】また、カソードの数をドラム50の内側又
は/及び外側に増やして、3種以上の材質の膜を積層し
て形成できるようにしても良い。カソードの配置につい
ても、例えばドラム50の内側でカソード3およびカソ
ード8を接近させ、ドラム50の外側でカソード31お
よびカソード8a近接させて並べても良い。
【0044】低屈折率の膜原料5としては、顆粒状以外
にも、ペレット状や棒状の個々に分散する形状の原料を
使用し、この原料を石英製の皿35などの集積或いは集
合させても良い。高屈折率の膜原料10としては、Ta
以外のTi、Zr、W、ITO(Imdium−Tin
−Oxide)などの種々の原料を成膜する反射防止膜
に合わせて使用することができる。また、直流電源9、
91を高周波電源としても良く、この場合には高屈折率
の膜原料10として導電性のない酸化物を用いることも
可能である。
【0045】ドラム50としては、3面体や4面体など
の多面筒状とし、各面に対して基板載置部2を設けても
良く、基板載置部2は単一であっても良い。
【0046】シャッター11,11a、12,12aと
しては、スライドによって開閉する構造とすることな
く、回転する構造とすることにより膜原料に対して垂直
および平行となって開閉しても良い。さらに、カソード
3,31,8,8aは長尺とすることなく、小さいカソ
ードをドラム50の長手方向に並べても良い。
【0047】以上の実施の形態から、本発明は以下の発
明を包含している。
【0048】(1) 水平方向の回転軸に取り付けられ
て回転軸を中心に回転自在となっていると共に、周面に
基板を装着するための基板配置部を備える筒状のドラム
と、このドラムの内側及び/又は下方に位置すると共
に、上向きに配置されたカソードと、このカソードに高
周波電力を印加する電源と、個々に分散したフッ化マグ
ネシウムを集合させた状態で前記カソード上に載置され
た膜原料と、前記基板配置部にセットされた基板と膜原
料との間に配置され、これらの間を開閉可能に遮断する
シャッターと、少なくとも前記ドラム、カソード及びシ
ャッターを内部に収容する真空槽と、この真空槽内にガ
スを導入するガス導入手段と、を備えていることを特徴
とする反射防止膜の製造装置。
【0049】この発明では、膜原料が個々に分散してい
ても、スパッタアップ構造とすることなく、成膜を行う
ことができる。
【0050】(2) 水平方向の回転軸に取り付けられ
て前記回転軸を中心に回転自在となっていると共に、周
面に基板を装着するための基板配置部を備える筒状のド
ラムと、このドラムの内側に上向きに配置された上カソ
ードと、前記ドラムの外周面の下側に上向きに配置され
た下カソードと、前記ドラムの内側に横向きに配置され
た内側カソードと、前記ドラムの外側に横向きに配置さ
れた外側カソードと、前記各カソードに電力を供給する
電源と、前記上カソード及び下カソード上に載置された
低屈折率の膜原料と、前記内側カソード及び外側のカソ
ード上に配置された高屈折率の膜原料と、前記基板配置
部にセットされた基板と前記各膜原料との間に配置さ
れ、これらの間を開閉可能に遮断するシャッターと、少
なくとも前記ドラム、各カソード及びシャッターを内部
に収容する真空槽と、この真空槽内にガスを導入するガ
ス導入手段と、前記カソード上方のプラズマからの発光
強度を測定する測定手段と、を備えていることを特徴と
する反射防止膜の製造装置。
【0051】この発明では、低屈折率の膜と、高屈折率
の膜とを基板に成膜することができる。
【0052】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の発明で
は、スパッタリング用のカソードを上向きに配置し、そ
の上にフッ化マグネシウムからなる膜原料を載置するた
め、顆粒状やペレット状、棒状などの個々に分散可能な
形状の膜原料であっても、カソードに固定することなく
集合させてスパッタリングすることができる。また、回
転自在の筒状のドラムの周面に、基板装着部を備えるた
め、複数の基板をドラムに配置することができ、このた
め、多数の基板に対して同時に反射防止膜を形成するこ
とが可能であり、生産性が向上する。
【0053】請求項2の発明によれば、請求項1の発明
の効果に加えて、カソード上方に発生するプラズマの発
光強度を測定手段が測定するため、所望の反射防止膜を
確実に成膜することができる。
【0054】請求項3の発明では、フッ化マグネシウム
層と、高屈折率膜とを組み合わせた反射防止膜を形成で
きる。このため、様々な特性を有した反射防止膜を形成
することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1の製造装置の側面からの
断面図である。
【図2】実施の形態1の部分破断斜視図である。
【図3】実施の形態1の上部の正面からの断面図であ
る。
【図4】実施の形態2の部分破断斜視図である。
【図5】実施の形態3の上部の正面からの断面図であ
る。
【符号の説明】
1 真空槽 2 基板配置部 3 31 カソード 4 41 高周波電源 5 10 膜原料 8 8a カソード 15 基板 50 ドラム 52 回転軸
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 生水 利明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 Fターム(参考) 2K009 AA02 CC06 DD04 4K029 BA42 BC07 BD09 DA12 DC35 EA00 JA02

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水平方向の回転軸に取り付けられて回転
    軸を中心に回転自在となっていると共に、周面に基板を
    装着するための基板配置部を備える筒状のドラムと、 このドラムの内側及び/又は下方に位置すると共に、上
    向きに配置されたカソードと、 このカソードに高周波電力を印加する電源と、 前記カソード上に載置されたフッ化マグネシウムからな
    る膜原料と、 前記基板配置部にセットされた基板と膜原料との間に配
    置され、これらの間を開閉可能に遮断するシャッター
    と、 少なくとも前記ドラム、カソード及びシャッターを内部
    に収容する真空槽と、 この真空槽内にガスを導入するガス導入手段と、 を備えていることを特徴とする反射防止膜の製造装置。
  2. 【請求項2】 水平方向の回転軸に取り付けられて回転
    軸を中心に回転自在となっていると共に、周面に基板を
    装着するための基板配置部を備える筒状のドラムと、 このドラムの内側及び/又は下方に位置すると共に、上
    向きに配置されたカソードと、 このカソードに高周波電力を印加する電源と、 前記カソード上に載置されたフッ化マグネシウムからな
    る膜原料と、 前記基板配置部にセットされた基板と膜原料との間に配
    置され、これらの間を開閉可能に遮断するシャッター
    と、 少なくとも前記ドラム、カソード及びシャッターを内部
    に収容する真空槽と、この真空槽内にガスを導入するガ
    ス導入手段と、 前記カソード上方のプラズマからの発光強度を測定する
    測定手段と、を備えていることを特徴とする反射防止膜
    の製造装置。
  3. 【請求項3】 水平方向の回転軸に取り付けられて前記
    回転軸を中心に回転自在となっていると共に、周面に基
    板を装着するための基板配置部を備える筒状のドラム
    と、 このドラムの内側に上向きに配置された上カソードと、 前記ドラムの外周面の下側に上向きに配置された下カソ
    ードと、 前記ドラムの内側に横向きに配置された内側カソード
    と、 前記ドラムの外側に横向きに配置された外側カソード
    と、 前記各カソードに電力を供給する電源と、 前記上カソード及び下カソード上に載置されたフッ化マ
    グネシウムからなる低屈折率の膜原料と、 前記内側カソード及び外側のカソード上に配置された高
    屈折率の膜原料と、 前記基板配置部にセットされた基板と前記各膜原料との
    間に配置され、これらの間を開閉可能に遮断するシャッ
    ターと、 少なくとも前記ドラム、各カソード及びシャッターを内
    部に収容する真空槽と、 この真空槽内にガスを導入するガス導入手段と、を備え
    ていることを特徴とする反射防止膜の製造装置。
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