JP2000129375A - 青銅合金 - Google Patents
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 鉛の置換材料としてSe,Bi等を含有した
銅合金に使用される原材料の質により鉛の含有量が多少
変動しても、所定の鉛溶出基準を満足する青銅鋳物を提
供すること。 【解決手段】 重量比で、Cu85〜88%,Pb1%
以下,Zn4〜6%,Bi0.5〜2.5%,Sn4〜6
%,P0.05%以下,Se0.35〜1.2%,Sb0.
25%以下,Mg0.1〜1.0%である耐食性に優れた
青銅合金である。
銅合金に使用される原材料の質により鉛の含有量が多少
変動しても、所定の鉛溶出基準を満足する青銅鋳物を提
供すること。 【解決手段】 重量比で、Cu85〜88%,Pb1%
以下,Zn4〜6%,Bi0.5〜2.5%,Sn4〜6
%,P0.05%以下,Se0.35〜1.2%,Sb0.
25%以下,Mg0.1〜1.0%である耐食性に優れた
青銅合金である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、青銅合金に関し、
この銅合金は、例えば一般配管器材用の接水金具、給水
設備装置、上水道用の水栓金具その他の器材や金具等に
用いられ、耐食性、被削性、耐圧性、健全性、耐焼付性
等の特性が良好で水質にも優しい青銅合金に関する。
この銅合金は、例えば一般配管器材用の接水金具、給水
設備装置、上水道用の水栓金具その他の器材や金具等に
用いられ、耐食性、被削性、耐圧性、健全性、耐焼付性
等の特性が良好で水質にも優しい青銅合金に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、青銅鋳物(CAC406(BC
6))は、鋳造性、耐食性、被削性、耐圧性に優れ、溶
融時の湯流れが良好であるから、ある程度複雑な形状の
鋳物部品に適しているため、従来より、バルブ、コッ
ク、継手等の一般配管器材などにも多く用いられてい
る。
6))は、鋳造性、耐食性、被削性、耐圧性に優れ、溶
融時の湯流れが良好であるから、ある程度複雑な形状の
鋳物部品に適しているため、従来より、バルブ、コッ
ク、継手等の一般配管器材などにも多く用いられてい
る。
【0003】このCAC406(BC6)は、いわゆる
85−5−5−5合金(85%Cu,5%Sn,5%P
b,5%Zn)と称され、健全な鋳物が得られやすく、
しかも、5%Pbを含有しているので、被削性が特に良
好であり、また、機械的性質も良好であるため、この種
の配管器材用の接水金具に多く使用されているのが現状
である。
85−5−5−5合金(85%Cu,5%Sn,5%P
b,5%Zn)と称され、健全な鋳物が得られやすく、
しかも、5%Pbを含有しているので、被削性が特に良
好であり、また、機械的性質も良好であるため、この種
の配管器材用の接水金具に多く使用されているのが現状
である。
【0004】この青銅合金をバルブ等の接水金具の材料
に使用したり、特に、この接水金具を高温水に接した状
態で用いた場合、青銅鋳物にほとんど固溶されることな
く含有されている鉛が水中に溶出して水質を悪化させ、
殊に、飲料水の配管器材、給排水管用機器にこの種の合
金を使用するのは、鉛を含有した水を飲用することにな
るため好ましくない。そのため、最近、環境保全上の配
慮から、配管器材から水への鉛が溶出する溶出基準値を
決める傾向にあり、更に、この基準値を厳格に決める方
向にある。
に使用したり、特に、この接水金具を高温水に接した状
態で用いた場合、青銅鋳物にほとんど固溶されることな
く含有されている鉛が水中に溶出して水質を悪化させ、
殊に、飲料水の配管器材、給排水管用機器にこの種の合
金を使用するのは、鉛を含有した水を飲用することにな
るため好ましくない。そのため、最近、環境保全上の配
慮から、配管器材から水への鉛が溶出する溶出基準値を
決める傾向にあり、更に、この基準値を厳格に決める方
向にある。
【0005】ところで、この種の鉛害を防止するため、
鉛をSeとBiで置換し、鉛の含有量を少なくした青銅
鋳物が提案されている。この青銅鋳物は、次に示すよう
なセビロイ〈1〉(SeBiLOY〈1〉)(商標)、
セビロイ〈2〉(SeBiLOY〈2〉)(商標)と称
されるもので、この銅合金は、所定の鉛溶出基準をクリ
アするものとしている(米国特許第5614038号公
報参照)。
鉛をSeとBiで置換し、鉛の含有量を少なくした青銅
鋳物が提案されている。この青銅鋳物は、次に示すよう
なセビロイ〈1〉(SeBiLOY〈1〉)(商標)、
セビロイ〈2〉(SeBiLOY〈2〉)(商標)と称
されるもので、この銅合金は、所定の鉛溶出基準をクリ
アするものとしている(米国特許第5614038号公
報参照)。
【0006】
【表1】
【0007】このセビロイ〈1〉、〈2〉は、表1に示
すように、鉛の含有量を0.25%以下に抑えると共
に、BiとSeを添加して、図2の組織形態の概略図に
示すように、Se(化合物)とBiが鉛(Pb)を取り
囲む状態にすることにより、鉛が溶出するのを防いで鉛
溶出基準を満たすようにしている。
すように、鉛の含有量を0.25%以下に抑えると共
に、BiとSeを添加して、図2の組織形態の概略図に
示すように、Se(化合物)とBiが鉛(Pb)を取り
囲む状態にすることにより、鉛が溶出するのを防いで鉛
溶出基準を満たすようにしている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この種の銅合金は、資
源の有効活用或は環境への配慮に基づいて、リサイクル
材を多用して製造することが望ましい。しかし、現在流
通しているリサイクル材のほとんどには、鉛が含有され
ているため、Cu−Zn−Sn−Bi−Se系青銅合金
であるセビロイ〈1〉、〈2〉をリサイクル材を用いて
製造した場合、セビロイの既定値に合うように鉛の含有
量を調整するのが極めて難しく、困難な作業を強いられ
ることになる。
源の有効活用或は環境への配慮に基づいて、リサイクル
材を多用して製造することが望ましい。しかし、現在流
通しているリサイクル材のほとんどには、鉛が含有され
ているため、Cu−Zn−Sn−Bi−Se系青銅合金
であるセビロイ〈1〉、〈2〉をリサイクル材を用いて
製造した場合、セビロイの既定値に合うように鉛の含有
量を調整するのが極めて難しく、困難な作業を強いられ
ることになる。
【0009】本発明は、従来の実情に鑑み、省資源化と
水質にも優しい銅合金を得るために鋭意研究の結果、開
発に至ったものであり、その目的とするところは、鉛の
置換材料としてSe,Bi等を含有した銅合金に使用さ
れる原材料の質により鉛の含有量が多少変動しても、所
定の鉛溶出基準を満足する青銅鋳物を提供することにあ
る。
水質にも優しい銅合金を得るために鋭意研究の結果、開
発に至ったものであり、その目的とするところは、鉛の
置換材料としてSe,Bi等を含有した銅合金に使用さ
れる原材料の質により鉛の含有量が多少変動しても、所
定の鉛溶出基準を満足する青銅鋳物を提供することにあ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1における発明
は、重量比で、Cu85〜88%,Pb1%以下,Zn
4〜6%,Bi0.5〜2.5%,Sn4〜6%,P0.
05%以下,Se0.35〜1.2%,Sb0.25%以
下,Mg0.1〜1.0%である青銅合金である。
は、重量比で、Cu85〜88%,Pb1%以下,Zn
4〜6%,Bi0.5〜2.5%,Sn4〜6%,P0.
05%以下,Se0.35〜1.2%,Sb0.25%以
下,Mg0.1〜1.0%である青銅合金である。
【0011】請求項2における発明は、重量比で、Cu
85〜88%,Pb1%以下,Zn4〜6%,Bi0.
5〜2.5%,Sn4〜6%,P0.05%以下,Se
0.35〜1.2%,Sb0.25%以下,Mg0.1〜
1.0%,ミッシュメタル0.05〜0.2%である青銅
合金である。
85〜88%,Pb1%以下,Zn4〜6%,Bi0.
5〜2.5%,Sn4〜6%,P0.05%以下,Se
0.35〜1.2%,Sb0.25%以下,Mg0.1〜
1.0%,ミッシュメタル0.05〜0.2%である青銅
合金である。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明における耐食性に優れた青
銅合金の実施形態を説明する。この青銅合金は、重量比
率で、Cuが85〜88%,Znが4〜6%,Snが4
〜6%を主成分とし、後述する成分元素を含有する形態
を採用している。
銅合金の実施形態を説明する。この青銅合金は、重量比
率で、Cuが85〜88%,Znが4〜6%,Snが4
〜6%を主成分とし、後述する成分元素を含有する形態
を採用している。
【0013】請求項1における発明のMgは、セビロイ
〈1〉、〈2〉に代表されるCu−Zn−Sn−Bi−
Se系青銅合金中に少量固溶するが、そのほとんどが結
晶粒界及び粒内に単独、或は化合物を形成して存在して
いる。一方、鉛はMgと若干の固溶度を有するため、化
学的により安定となることに加え、鉛を取り囲む形でM
g及びMg化合物が析出する(図1の組織形態の概略図
を参照のこと)。また、このMg及びMg化合物は、鉛
を取り囲んだSe(化合物)やBiを、更に取り囲む形
となるため、鉛を直接若しくは間接に包囲することによ
り、鉛の溶出を二重に防止することができる。従って、
本発明によると、鉛をある量まで増加させても、鉛の溶
出量を低く抑制することができる。Mgの上限を1重量
%としたのは、実際の合金における鋳造性を考慮したも
のである。
〈1〉、〈2〉に代表されるCu−Zn−Sn−Bi−
Se系青銅合金中に少量固溶するが、そのほとんどが結
晶粒界及び粒内に単独、或は化合物を形成して存在して
いる。一方、鉛はMgと若干の固溶度を有するため、化
学的により安定となることに加え、鉛を取り囲む形でM
g及びMg化合物が析出する(図1の組織形態の概略図
を参照のこと)。また、このMg及びMg化合物は、鉛
を取り囲んだSe(化合物)やBiを、更に取り囲む形
となるため、鉛を直接若しくは間接に包囲することによ
り、鉛の溶出を二重に防止することができる。従って、
本発明によると、鉛をある量まで増加させても、鉛の溶
出量を低く抑制することができる。Mgの上限を1重量
%としたのは、実際の合金における鋳造性を考慮したも
のである。
【0014】請求項2における発明のミッシュメタル
は、前記成分範囲において、Ce54%,La23.2
%,Nd16.8%,Pr6%,Sm0.03%,A1
0.05%,Fe0.44%等の希土類元素混合物を青銅
合金に添加することにより、鉛の分布均一化と微細化が
なされ、鉛の溶出を抑制できると共に、微細な金属間化
合物が形成されることにより、被削性も向上させること
が可能である。ミッシュメタルの含有量の上限値を0.
2重量%としたのは、ミッシュメタルを添加することに
よる鉛の分散効果が、それ以上の量を添加しても変化が
認められないためである。一方、下限値を0.05重量
%としたのは、それ以下の量では、鉛溶出防止に明瞭な
効果が認められないためである。
は、前記成分範囲において、Ce54%,La23.2
%,Nd16.8%,Pr6%,Sm0.03%,A1
0.05%,Fe0.44%等の希土類元素混合物を青銅
合金に添加することにより、鉛の分布均一化と微細化が
なされ、鉛の溶出を抑制できると共に、微細な金属間化
合物が形成されることにより、被削性も向上させること
が可能である。ミッシュメタルの含有量の上限値を0.
2重量%としたのは、ミッシュメタルを添加することに
よる鉛の分散効果が、それ以上の量を添加しても変化が
認められないためである。一方、下限値を0.05重量
%としたのは、それ以下の量では、鉛溶出防止に明瞭な
効果が認められないためである。
【0015】Snは、強度・硬さの増加及び耐摩耗性と
耐食性の向上のため4〜6重量%とし、Znは、4〜6
%とすることによって、鋳造性に優れた配管器材用の金
具に好適となる。
耐食性の向上のため4〜6重量%とし、Znは、4〜6
%とすることによって、鋳造性に優れた配管器材用の金
具に好適となる。
【0016】Pbを1.0重量%以下含有する。この成
分は、水中に鉛が溶出した場合であっても、その鉛の溶
出量を低く抑えることができる範囲であり、この成分範
囲中のPbを含有することによって、従来のセビロイ
〈1〉、〈2〉の青銅合金より被削性と耐焼付性、耐圧
性も向上させることを可能とした範囲である。特に、リ
サイクル材を多用して銅合金を製造する際に、現実的に
含有される範囲でもある。
分は、水中に鉛が溶出した場合であっても、その鉛の溶
出量を低く抑えることができる範囲であり、この成分範
囲中のPbを含有することによって、従来のセビロイ
〈1〉、〈2〉の青銅合金より被削性と耐焼付性、耐圧
性も向上させることを可能とした範囲である。特に、リ
サイクル材を多用して銅合金を製造する際に、現実的に
含有される範囲でもある。
【0017】また、Pを0.05重量%以下添加する。
Pは、鋳造時に脱酸剤として機能し、鋳造性を向上さ
せ、Cuと結びついてCu3Pの金属間化合物を形成す
ることによって、より耐摩耗性を高める働きがある。
Pは、鋳造時に脱酸剤として機能し、鋳造性を向上さ
せ、Cuと結びついてCu3Pの金属間化合物を形成す
ることによって、より耐摩耗性を高める働きがある。
【0018】Biを0.5〜2.5重量%添加する。Bi
は、青銅の主成分であるCu,Sn,Znにほとんど固
溶することなく、飲料水としても害がなく、被削性と耐
焼付性を向上させることができる成分元素である。Bi
をこの添加成分範囲にした理由は、0.5%未満である
と、Biの上記機能が発揮せず、2.5%を越えると、
Biの晶出量が増加して機械的強度が低下する。
は、青銅の主成分であるCu,Sn,Znにほとんど固
溶することなく、飲料水としても害がなく、被削性と耐
焼付性を向上させることができる成分元素である。Bi
をこの添加成分範囲にした理由は、0.5%未満である
と、Biの上記機能が発揮せず、2.5%を越えると、
Biの晶出量が増加して機械的強度が低下する。
【0019】Seを0.35〜1.2重量%添加する。こ
のSeは、合金中でZn、Cnと金属間化合物を形成
し、被削性を向上させる効果がある。また、ZnSe,
Cu2Se化合物は、水に不溶であるため、Seの溶出
を阻止している。
のSeは、合金中でZn、Cnと金属間化合物を形成
し、被削性を向上させる効果がある。また、ZnSe,
Cu2Se化合物は、水に不溶であるため、Seの溶出
を阻止している。
【0020】
【実施例】以下に、本発明における耐食性に優れた青銅
合金の実施例を詳述する。一例として、Cu−Zn−S
n−Bi−Se系青銅合金(セビロイ〈2〉)をベース
に、Mgを添加した合金、及びMgとミッシュメタルを
添加した合金について試験を行った。供試材とした合金
の組成を表2に示す。ここで、供試材Aの系列は、前記
Cu−Zn−Sn−Bi−Se系青銅合金に鉛を約0.
5重量%添加したものである。
合金の実施例を詳述する。一例として、Cu−Zn−S
n−Bi−Se系青銅合金(セビロイ〈2〉)をベース
に、Mgを添加した合金、及びMgとミッシュメタルを
添加した合金について試験を行った。供試材とした合金
の組成を表2に示す。ここで、供試材Aの系列は、前記
Cu−Zn−Sn−Bi−Se系青銅合金に鉛を約0.
5重量%添加したものである。
【0021】
【表2】
【0022】供試材A−0は、本発明に係わる他の供試
材と比較するための材料として、Mgやミッシュメタル
を含有させていないものである。供試験材A−1及びA
−2は、供試材A−0にMgを添加した本発明に係わる
合金、供試材A−3及びA−4は、供試材A−0にMg
とミッシュメタルを添加した本発明に係わる合金であ
る。
材と比較するための材料として、Mgやミッシュメタル
を含有させていないものである。供試験材A−1及びA
−2は、供試材A−0にMgを添加した本発明に係わる
合金、供試材A−3及びA−4は、供試材A−0にMg
とミッシュメタルを添加した本発明に係わる合金であ
る。
【0023】各供試材は、大気中で高周波溶解炉にて表
2の配合で溶解し、砂型鋳型にて鋳造後、全加工し、φ
50×60の円柱を供試材毎に各4本作成した。この円
柱状供試材をJIS S3200−7による浸出性能試
験法に準拠し、試験を行った。その結果を図3に示す。
2の配合で溶解し、砂型鋳型にて鋳造後、全加工し、φ
50×60の円柱を供試材毎に各4本作成した。この円
柱状供試材をJIS S3200−7による浸出性能試
験法に準拠し、試験を行った。その結果を図3に示す。
【0024】供試材A−0の鉛浸出量は、0.015m
g/Lである。これは、本発明のように、Mgやミッシ
ュメタルを含有させなくても、鉛の含有量が0.5重量
%程度であれば、現状の鉛溶出基準(例えば、0.05
mg/L以下)を満足することを意味する。しかし、こ
の値は、例えば、厚生省より目標値として指導されてい
る鉛溶出基準(例えば、0.01mg/L以下)を満足
することはできない。
g/Lである。これは、本発明のように、Mgやミッシ
ュメタルを含有させなくても、鉛の含有量が0.5重量
%程度であれば、現状の鉛溶出基準(例えば、0.05
mg/L以下)を満足することを意味する。しかし、こ
の値は、例えば、厚生省より目標値として指導されてい
る鉛溶出基準(例えば、0.01mg/L以下)を満足
することはできない。
【0025】供試材A−1は、Mgを0.31重量%含
有させており、鉛溶出量は0.007mg/Lである。
供試材A−2は、Mgを0.58重量%含有させてお
り、その鉛浸出量は0.006mg/Lである。よっ
て、Mgを添加することにより、厚生省より目標値とし
て指導されている鉛溶出基準を満たすことが確認されて
いる。
有させており、鉛溶出量は0.007mg/Lである。
供試材A−2は、Mgを0.58重量%含有させてお
り、その鉛浸出量は0.006mg/Lである。よっ
て、Mgを添加することにより、厚生省より目標値とし
て指導されている鉛溶出基準を満たすことが確認されて
いる。
【0026】供試材A−3は、Mgを0.29重量%含
有させ、更に、ミッシュメタルを0.19重量%含有し
ており、その鉛浸出量は0.006mg/Lである。供
試材A−4は、Mgを0.60重量%含有させ、更に、
ミッシュメタルを0.20重量%含有しており、その鉛
浸出量は、0.004mg/Lである。よって、Mgに
加えて、更に、ミッシュメタルを添加することにより、
より効果的に厳しい鉛溶出基準を満たすことができる。
有させ、更に、ミッシュメタルを0.19重量%含有し
ており、その鉛浸出量は0.006mg/Lである。供
試材A−4は、Mgを0.60重量%含有させ、更に、
ミッシュメタルを0.20重量%含有しており、その鉛
浸出量は、0.004mg/Lである。よって、Mgに
加えて、更に、ミッシュメタルを添加することにより、
より効果的に厳しい鉛溶出基準を満たすことができる。
【0027】供試材Bの系列は、Cu−Zn−Sn−B
i−Se系青銅合金(セビロイ〈2〉)に鉛を約1.2
重量%添加したものである。
i−Se系青銅合金(セビロイ〈2〉)に鉛を約1.2
重量%添加したものである。
【0028】供試材B−0は、他の供試材と比較するた
めの材料として、Mgやミッシュメタルを含有させてい
ないものである。供試材B−1及びB−2は、供試材B
−0にMgを添加した合金、供試材B−3及びB−4
は、供試材B−0にMgとミッシュメタルを添加した合
金である。
めの材料として、Mgやミッシュメタルを含有させてい
ないものである。供試材B−1及びB−2は、供試材B
−0にMgを添加した合金、供試材B−3及びB−4
は、供試材B−0にMgとミッシュメタルを添加した合
金である。
【0029】各供試材の製造方法、形状、浸出試験方法
は、A系列の供試材と同様である。その結果を図3に示
す。
は、A系列の供試材と同様である。その結果を図3に示
す。
【0030】供試材B−0の鉛浸出量は、0.022m
g/Lである。これは、本発明のように、Mgやミッシ
ュメタルを含有させなくても、鉛の含有量が1.2重量
%程度であれば、現状の鉛溶出基準(0.05mg/L
以下)を満足することを意味する。しかしこれでは、厚
生省より目標値として指導されている鉛溶出基準(0.
01mg/L以下)を満足することはできない。
g/Lである。これは、本発明のように、Mgやミッシ
ュメタルを含有させなくても、鉛の含有量が1.2重量
%程度であれば、現状の鉛溶出基準(0.05mg/L
以下)を満足することを意味する。しかしこれでは、厚
生省より目標値として指導されている鉛溶出基準(0.
01mg/L以下)を満足することはできない。
【0031】供試材B−1は、Mgを0.29重量%含
有させており、鉛浸出量は0.013mg/Lである。
供試材B−2は、Mgを0.60重量%含有させてお
り、その鉛浸出量は0.011mg/Lである。よっ
て、鉛を約0.5重量%含むA系列の供試材同様、Mg
を添加することにより鉛の浸出量が減ることは認められ
るが、厚生省より指導されている鉛溶出基準を満たすま
でには至っていない。
有させており、鉛浸出量は0.013mg/Lである。
供試材B−2は、Mgを0.60重量%含有させてお
り、その鉛浸出量は0.011mg/Lである。よっ
て、鉛を約0.5重量%含むA系列の供試材同様、Mg
を添加することにより鉛の浸出量が減ることは認められ
るが、厚生省より指導されている鉛溶出基準を満たすま
でには至っていない。
【0032】供試材B−3は、Mgを0.31重量%含
有させ、更に、ミッシュメタルを0.19重量%含有し
ており、その鉛浸出量は0.011mg/Lである。供
試材B−4は、Mgを0.61重量%含有させ、更に、
ミッシュメタルを0.19重量%含有しており、その鉛
浸出量は0.011mg/Lである。よって、鉛を約0.
5重量%含むA系列の供試材同様、Mgに加えて更にミ
ッシュメタルを添加することが、鉛の浸出量を更に減ら
す一因になり得ることは認められるが、厚生省より目標
値として指導されている鉛溶出基準を満たすまでには至
っていない。
有させ、更に、ミッシュメタルを0.19重量%含有し
ており、その鉛浸出量は0.011mg/Lである。供
試材B−4は、Mgを0.61重量%含有させ、更に、
ミッシュメタルを0.19重量%含有しており、その鉛
浸出量は0.011mg/Lである。よって、鉛を約0.
5重量%含むA系列の供試材同様、Mgに加えて更にミ
ッシュメタルを添加することが、鉛の浸出量を更に減ら
す一因になり得ることは認められるが、厚生省より目標
値として指導されている鉛溶出基準を満たすまでには至
っていない。
【0033】上記試験結果より、本発明における鉛の成
分範囲を1重量%以下とし、この範囲であれぱMgやミ
ッシュメタルの添加により、Cu−Zn−Sn−Bi−
Se系青銅合金(セビロイ〈1〉、〈2〉)に代表され
るSe,Bi等を含有する青銅合金においても、厳しい
鉛溶出基準を満たすことができる。
分範囲を1重量%以下とし、この範囲であれぱMgやミ
ッシュメタルの添加により、Cu−Zn−Sn−Bi−
Se系青銅合金(セビロイ〈1〉、〈2〉)に代表され
るSe,Bi等を含有する青銅合金においても、厳しい
鉛溶出基準を満たすことができる。
【0034】本発明は、Mgを添加することにより、鉛
の溶出量を抑制しているが、Caを添加しても有効であ
る。この成分範囲は、Mg,Caの一方又は双方の合計
が0.1〜1.0重量%であればよい。Caは、Mgと同
様に鉛と化合物相を形成し、鉛の溶出を防止する機能を
発揮する。
の溶出量を抑制しているが、Caを添加しても有効であ
る。この成分範囲は、Mg,Caの一方又は双方の合計
が0.1〜1.0重量%であればよい。Caは、Mgと同
様に鉛と化合物相を形成し、鉛の溶出を防止する機能を
発揮する。
【0035】なお、本発明は、ミッシュメタルをMgと
組み合わせて添加することにより、鉛の溶出量を抑制し
ているが、ミッシュメタルのみ0.05〜0.2重量%添
加してもよく、この場合でも、鉛の溶出を低減させるこ
とができる。
組み合わせて添加することにより、鉛の溶出量を抑制し
ているが、ミッシュメタルのみ0.05〜0.2重量%添
加してもよく、この場合でも、鉛の溶出を低減させるこ
とができる。
【0036】上記の実施例は、飲料水用のバルブ、ステ
ム、弁座、ジスク等のバルブ部品、水栓、継手等の配管
器材、給排水管用機器に適用されるが、その他、接液す
るストレーナ、ポンプ、モータ等の器具或は、接液する
水栓金具、更には、給湯機器などの温水関連機器、上水
ラインなどの部品、部材等、更には、上記最終製品、組
立体等以外にもコイル、中空棒等の中間品にも広く用い
られる。
ム、弁座、ジスク等のバルブ部品、水栓、継手等の配管
器材、給排水管用機器に適用されるが、その他、接液す
るストレーナ、ポンプ、モータ等の器具或は、接液する
水栓金具、更には、給湯機器などの温水関連機器、上水
ラインなどの部品、部材等、更には、上記最終製品、組
立体等以外にもコイル、中空棒等の中間品にも広く用い
られる。
【0037】
【発明の効果】以上のことから明らかなように、本発明
によると、SeとBiが鉛に付着すると共に、これらを
更にMg或はMgとミッシュメタルとで包み込むことに
より鉛の溶出を二重に防止しているため、鉛の置換材料
としてSe,Bi等を含有した従来の銅合金の製造にお
いて、原材料の質により鉛の含有量が多少変動しても、
厳しい鉛溶出基準を満足する青銅鋳物を提供することが
できる等の優れた効果を奏する。
によると、SeとBiが鉛に付着すると共に、これらを
更にMg或はMgとミッシュメタルとで包み込むことに
より鉛の溶出を二重に防止しているため、鉛の置換材料
としてSe,Bi等を含有した従来の銅合金の製造にお
いて、原材料の質により鉛の含有量が多少変動しても、
厳しい鉛溶出基準を満足する青銅鋳物を提供することが
できる等の優れた効果を奏する。
【図1】本発明における青銅合金の組織形態(×40
0)を示した概略図である。
0)を示した概略図である。
【図2】従来例を示したCu−Zn−Sn−Bi−Se
系青銅合金の組織形態(×400)の概略図である。
系青銅合金の組織形態(×400)の概略図である。
【図3】本発明における鉛浸出試験結果を示したグラフ
である。
である。
Claims (2)
- 【請求項1】 重量比で、Cu85〜88%,Pb1%
以下,Zn4〜6%,Bi0.5〜2.5%,Sn4〜6
%,P0.05%以下,Se0.35〜1.2%,Sb0.
25%以下,Mg0.1〜1.0%であることを特徴とす
る青銅合金。 - 【請求項2】 重量比で、Cu85〜88%,Pb1%
以下,Zn4〜6%,Bi0.5〜2.5%,Sn4〜6
%,P0.05%以下,Se0.35〜1.2%,Sb0.
25%以下,Mg0.1〜1.0%,ミッシュメタル0.
05〜0.2%であることを特徴とする青銅合金。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11231755A JP2000129375A (ja) | 1998-08-18 | 1999-08-18 | 青銅合金 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23141598 | 1998-08-18 | ||
JP10-231415 | 1998-08-18 | ||
JP11231755A JP2000129375A (ja) | 1998-08-18 | 1999-08-18 | 青銅合金 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000129375A true JP2000129375A (ja) | 2000-05-09 |
Family
ID=26529853
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11231755A Pending JP2000129375A (ja) | 1998-08-18 | 1999-08-18 | 青銅合金 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000129375A (ja) |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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-
1999
- 1999-08-18 JP JP11231755A patent/JP2000129375A/ja active Pending
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