JP2000128027A - 車両用アンダーカバー及び同カバーの製造方法 - Google Patents

車両用アンダーカバー及び同カバーの製造方法

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JP2000128027A
JP2000128027A JP10309997A JP30999798A JP2000128027A JP 2000128027 A JP2000128027 A JP 2000128027A JP 10309997 A JP10309997 A JP 10309997A JP 30999798 A JP30999798 A JP 30999798A JP 2000128027 A JP2000128027 A JP 2000128027A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】遮音機能及び空気抵抗低減機能等を有すると共
に、平坦で、軽量で且つ十分な剛性を有するブロー成形
品からなる車両用アンダーカバー及び同カバーの製造方
法を提供する。 【解決手段】車両(2) におけるエンジン室(3) の床下に
配される車両用アンダーカバー(1) は、バンパースカー
ト(4) に沿って取り付けられる端縁部(5b)と前記車両
(2) のエンジン室(3) の床下を塞ぐアンダーフロア部
(8) とをブロー成形により一体的に成形された成形品で
あり、平板状の下面部(8a)と同下面部(8a)の上方を覆う
上面部(8b)とに囲まれた偏平な中空部(8c)を有してい
る。前記端縁部(8a)はバンパースカート(4) の中空状リ
ップスポイラーをなしている。遮音、空気抵抗の低減、
揚力の減少、通気性の向上、塵、泥水等の侵入防止、障
害物等による機関損傷防止機能を成形と同時に備えさせ
ることが可能となり、軽量に、廉価に且つ容易に製造す
ることが可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の床下に配さ
れる車両用アンダーカバー及び同カバーの製造方法に関
し、更に詳しくは、バンパースカートに沿って取り付け
られ、端縁部及び車両のエンジン室等の床下を塞ぐアン
ダーフロア部がブロー成形により一体に成形される車両
用アンダーカバー及び同カバーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、車両におけるエンジン室等の床下
には車両用アンダーカバーが配されている。一般的に、
このアンダーカバーは車外の騒音が室内に侵入すること
を遮断或いは低減し、機関や吸排気等の騒音が車外に漏
れることを防止するために取付けていることが多い。更
に、通常、このアンダーカバーは車両の床下のガードを
目的として、塵や泥水等の侵入及び跳ねた石等による機
関やタンク等の損傷等を防いでいる。同時に、上面部に
ガイド部を形成することにより空気の流れを良くしてエ
ンジン室の通気性を向上したり、下面部の凹凸を減らし
て同下面部を平板状に形成することにより車体の床下を
流れる空気の乱れを少なくし、空気抵抗を低減すると共
に揚力を減少するという目的もある。
【0003】かかる車両用アンダーカバーの構造は、例
えば特許第2762956号公報に開示されている。同
公報に開示された構造によれば、間隔をおいて対向する
2枚の遮音板と同遮音板に貫通して設けられた孔部を連
通した筒部とを備えており、同筒部の一部又は全部は、
前記遮音板の対向側に開口縁部を対抗して突出形成され
る一対の延長部を有すると共に、同延長部の少なくとも
一部に前記遮音板間と前記孔部とに連通する開口部を有
する遮音壁構造としたものである。この遮音壁構造によ
れば、通気性を保持しながら、遮音効果を発揮すること
ができるものである。
【0004】また、例えば実用新案第2554914号
公報には、フロントバンパーの下端部に沿って車両前端
部から前輪の後端部近傍にかけての略床下全面に張設さ
れた板状の車両用アンダーカバーが開示されている。同
公報に開示された構造は、前輪の前方部分に前端から端
面にかけて車両前後方向に沿って凹所が形成されてい
る。同凹所には、底面に車両前後方向中間部を境として
車両前方側に車両後方へ向けて登り勾配とされた車両前
方側斜面が形成されると共に、車両後方側に向けて前記
車両前方側斜面よりも緩やかな登り勾配とされた車両後
方側斜面が形成されている。
【0005】同車両後方側斜面の後端の地上高さは前記
前輪におけるブレーキ機構部のブレーキキヤリパの略中
央部と略同じ高さとなっている。更に、各斜面のスロー
プ角は空気流の剥離が生ずることのないように角度0度
よりも大きく角度15度よりも小さい範囲内で設定さ
れ、前記凹所の車両幅方向端面上の幅寸法は、車両直進
方向を向いた前記前輪の車両幅方向内端と車両前後方向
端面との車両幅方向離間寸法の15%以上で30%以下
としている。
【0006】この構造によれば、車両幅方向端面で空気
流が車両用アンダーカバーから剥離し、この剥離点が車
両後方側にあり、しかもサスペンションアーム等に近い
位置にあるため、空気流の乱れが大きく成長する前に空
気流が前記サスペンションアーム等の近傍を通過し、車
両前方から車両後方に向う空気流の乱れによる影響を少
なくすることができ、空気抵抗の悪化を最小限に抑えつ
つ前記前輪のブレーキ機構部への冷却風を十分に得られ
るというものである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記特
許第2762956号公報に開示された車両用アンダー
カバーでは、上述のような作用効果を得るために、間隔
をおいて対向する2枚の遮音板の間隔、同遮音板に貫通
して設けられた孔部の面積、同孔部を連通した筒部の長
さ、同筒部に形成された開口部の面積等の寸法範囲が限
定される。即ち、特異な形状による吸音板構造を形成し
なければならないため、構造が複雑なものとなりやす
く、厚みも比較的大きいため構造の大型化につながりや
すいという課題がある。
【0008】また、かかるアンダーカバーの構造は複雑
であるため、製造費や設備費等にコストアップを招くと
いった不都合が生じる場合がある。更には、遮蔽板に孔
部を有しているため、泥水や塵等が前記孔部に入り込ん
で、格別のメンテナンスをしないかぎりは吸音機能を長
期に亘って安定的に得ることが難しく、また、前記孔部
により防音壁内部に空気流の乱れを生じやすいため、空
気抵抗が大きくなり車速や揚力に大きな影響を与える。
【0009】一方、実用新案第2554914号公報に
開示されたアンダーカバー構造では、同アンダーカバー
が前記フロントバンパーの下端縁からエンジンルームの
下面に向けて張設された単一の板材により構成されるた
め、遮音効果が少なく、車外の騒音が室内に侵入した
り、機関や吸排気等の騒音が車内外に漏れること等を防
止することが難しい。しかも、前記アンダーカバーは合
成樹脂板やアルミ板の1枚板を構成材料とするため、剛
性が弱く、振れや振動等が生じやすいというおそれもあ
る。
【0010】本発明はかかる課題を解決すべくなされた
ものであり、本発明は、遮音機能及び空気抵抗低減機能
等を有すると共に、平坦で、軽量で且つ十分な剛性を有
するブロー成形品からなる車両用アンダーカバー及び同
カバーの製造方法を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用効果】上記課題を
解決するために、本発明は、車両の床下に配される車両
用アンダーカバーであって、バンパースカートに沿って
取り付けられる端縁部と、前記車両の床下を塞ぐアンダ
ーフロア部とを備え、前記端縁部及びアンダーフロア部
がブロー成形により一体的に得られる成形品であり、前
記アンダーフロア部は、平板状の下面部と同下面部の上
方を覆う上面部とに囲まれた偏平な中空部を有してなる
ことを特徴とする車両用アンダーカバーを主要な構成と
している。
【0012】かかる構成を備えた車両用アンダーカバー
によれば、前記端縁部及び前記アンダーフロア部がブロ
ー成形により一体的に得られる中空成形品であるため、
所要の遮音性能が得られる。また、塵や泥水等による侵
入や跳ねた石等による機関等の損傷等を防ぐことも可能
であり、例えばエンジン室内に泥や塵等が入り込まない
ため、格別のメンテナンスを行うことなく長期に亘って
遮音性能を維持できる。
【0013】更に、前記アンダーフロア部の下面部を、
凹凸を減らして平板状に形成することにより、車体の床
下を流れる空気の乱れを低減することが可能となり、空
気抵抗を減殺させることも可能となる。また、ブロー成
形品であるため、カバー全体の厚みを小さくするととも
に、その樹脂使用量を少なくできるため、限られた設置
空間を有効に活用することができるとともに、経済性に
も優れたものとなる。しかも、厚みが小さいにもかかわ
らず剛性が確保でき、振れや振動等の発生が防げる。な
お、前記アンダーカバーにはポリプロピレン樹脂等が適
用される。
【0014】請求項2に係る発明にあっては、前記端縁
部は前記バンパースカート周辺の空気の流れを変えるリ
ップスポイラーを有している。かかる構造によれば、前
記リップスポイラーとしてのフロントフラップにより車
体の床下に入り込む空気を低減することが可能となり、
揚力を減少することが可能となる。前記フロントフラッ
プをブロー成形によりアンダーフロア部とを一体的に中
空部として成形できるため、エッジ部分を形成すること
なくフロントフラップ周辺の空気の流れが良好となり、
しかも剛性があるため、振れや振動等を防止することが
可能となる。
【0015】請求項3に係る発明は、前記アンダーフロ
ア部の下面部の少なくとも一部を後方に向けて漸次上方
に傾斜させている。かかる構成によれば、下面部の少な
くとも一部に車両の進行方向後方に向けて車両の接地面
との高さを漸増する傾斜面を有しているため、後方にか
けて通気断面が漸増し、車両の後方への通気性を向上す
ることが可能であり、前記アンダーカバーの後方におけ
る前輪のブレーキ機構の冷却効果を向上することが可能
となる。
【0016】請求項4に係る発明は、前記アンダーフロ
ア部の下面部及び上面部の少なくとも一方は、空気の流
れを案内するガイド部を有している。同ガイド部は、例
えば傾斜面又は凹凸面をなしており、前記下面部と前記
上面部との少なくとも一方にブロー成形により一体化す
ることもできる。かかる構成によれば、前記ガイド部は
バンパーの開口等からエンジン室等に導入される気流の
指向性を増大させることが可能となり、空気の流れに乱
れを生じさせることなしに車両の後方への通気性を向上
することが可能である。
【0017】前記ガイド部が前記アンダーフロア部の下
面部又は上面部の少なくとも一方に設けられるため、例
えば前記下面部に前記ガイド部を設けた場合には、前輪
のブレーキ機構等の冷却を向上させることを可能にす
る。また、前記上面部に前記ガイド部を設けた場合に
は、例えばラジエターやエンジンの機関等の冷却を向上
させることが可能となる。また、例えばオイルパンやラ
ジエターファンからエンジンを通過した暖かい空気を車
体の床下に逃がすことも可能にする。
【0018】更に、本発明の車両用アンダーカバーは、
本件請求項5に係る車両用アンダーカバーの製造方法に
係る発明により効率的に製造できる。請求項5に係る発
明は、バンパースカートに沿って取り付けられる端縁部
と、車両の下面を塞ぐアンダーフロア部とを一体的に成
形してなる車両用アンダーカバーの製造方法であって、
前記端縁部及び前記アンダーフロア部の各下面部を平板
面に形成すること、前記アンダーフロア部の上面部表面
の少なくとも一部に空気の流れを案内するガイド部を形
成することを主要な構成としている。
【0019】前記方法によれば、気流をガイドする前記
凹凸面が形成された上面部と平板状を呈する下面部とを
有するアンダーカバーを、ブロー成形による単一工程で
成形するため、空気音や固体音等を遮音する良好な遮音
特性、空気抵抗の低減、揚力の減少や通気性の向上等の
良好な空力特性、塵、泥水等の侵入防止機能及び障害物
等による機関損傷防止機能等を成形と同時に備えさせる
ことが可能である。しかも前記アンダーカバーの上面部
及び下面部を必要な強度が確保される最小限の肉厚に成
形することが可能であることから、軽量に、廉価に且つ
容易に製造することを可能にする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好適な実施の形態
について、添付図面を参照して詳細に説明する。なお、
本実施例ではフロントバンパーに組み合わせた車両用ア
ンダーカバーを例に挙げて説明するが、本発明はこれに
限定されるものではなく、例えばリヤバンパーに組み合
わせた車両用アンダーカバーにも適用される。
【0021】図1は、本発明の代表的な実施例である車
両用アンダーカバーを概略的に示す斜視図、図2は図1
の下側から目視した裏面斜視図、図3は図1におけるA
−A線部分矢視図であり、図4は図1におけるB−B線
に沿って切欠された車両用アンダーカバーを車両の床下
に取付けた状態を概略的に示す説明図である。
【0022】これらの図において、符号1は車両2のエ
ンジン室3の床下に配されるアンダーカバーを示し、こ
のアンダーカバー1はバンパースカート4に倣って形成
された前部カバー5及び同前部カバー5の突起5aに挿
入連結される連結孔6aを有する後部カバー6を備えて
いる。前記アンダーカバー1はブロー成形により一体的
に成形されるポリプロピレン樹脂等の成形品であり、前
記前部カバー5及び前記後部カバー6とにより前記車両
2におけるエンジン室3の床下を塞ぐアンダーフロア部
8が構成される。本図示例にあっては、同アンダーフロ
ア部8は、平板状の下面部8aと同下面部8aの上方を
覆う上面部8bとにより偏平な中空部8cを有してい
る。
【0023】本実施例によれば、前記前部カバー5及び
前記後部カバー6はブロー成形により一体的に得られる
成形品であるため、車体内外の騒音が室内に侵入し、機
関や吸排気等の騒音が車内外に漏れることを防止してい
る。それらの空気音や固体音等を遮断、吸収又は分散す
るために必要な遮音性能が良好に且つ十分に得られる。
また、塵や泥水等が侵入することがなく、跳ねた石等が
機関を損傷することもない。更に、エンジン室3内に泥
や塵等が入り込まないため、遮音機能を長期に亘って格
別の維持作業なしに安定的に得ることが可能となる。
【0024】本図示例のごとく、前記前部カバー5はバ
ンパースカート4の全幅に亘る幅を有する前側の端縁部
5bを有すると共に、前輪7の可動を妨げないための切
欠き5cが形成された後側の端縁部5dを有しており、
その下面部8aは略平板状をなしている。前記端縁部5
dは前記後部カバー6の連結孔6aに挿入連結され、且
つ切欠き6cに重ねられる4個の突起5aを突設してい
る。
【0025】前記前部カバー5における上面部8bの中
央部には、前記端縁部5b近傍から下方に向かって一旦
傾斜して車体後方に向けて上方に緩やかに傾斜している
傾斜面5eが形成され、同傾斜面5eから車体後方に向
けて水平に延在している水平面5fが形成されている。
更に、前記傾斜面5e及び前記水平面5fには車体後方
に向かった長い凹部5gが複数個形成されている。前記
傾斜面5e及び前記凹部5gにより空気の流れに乱れが
生じないようガイド部となっている。かかる構成によれ
ば、前記車両2の後方への通気性を向上することが可能
である。例えば図示せぬオイルパンやラジエターファン
からエンジンを通過した暖かい空気を車体の床下に逃が
すことも可能となる。
【0026】図1に示すように、符号9は発泡ゴム等か
らなるシール材であり、同シール材9は車体に取付けら
れる図示せぬラジエターの周囲のボディとの間をシール
することにより、前記バンパースカート4に設けられた
センターエアーインテーク(図示せず)からの空気が図
示せぬラジエターコアに効率良く通るようになってい
る。かかる構成によれば、機関等の冷却を向上させるこ
とができる。
【0027】符号10はガイド部、即ち空気を車体後方
に案内するエアーガイドであり、同エアーガイド10は
前記前部カバー5の成形時に一体に埋め込まれたインサ
ートナット15及びビス16により固定され、機関やブ
レーキディスク等のブレーキ機構等を冷却するために前
記バンパースカート4に開口された図示せぬサイドエア
ーインテークから導入される空気を案内するようになっ
ている。
【0028】更に、前記エアーガイド10は前記バンパ
ースカート4の図示せぬセンターエアーインテーク等か
ら前記エンジン室3に導入された空気を図示せぬ吸気ダ
クト等に向かって指向させる。なお、前記エアーガイド
10は前記下面部8aと前記上面部8bとの少なくとも
一方に設けられ、ブロー成形により一体化することもで
きる。
【0029】前記前部カバー5の両端部には同下面部8
aから前記上面部8bに向かって凹凸状をなす傾斜部5
hが突設され、車体後方に向けて通気断面が漸増するよ
うになっている。かかる構成によれば、前記下面部8a
の少なくとも一部に車体後方に向けて車両2の接地面と
の高さを漸増する傾斜面を有したものである。このた
め、車両の後方への通気性を向上することが可能であ
り、前記アンダーカバーの後方における前輪7の図示せ
ぬブレーキ機構の冷却効果を向上させることが可能とな
る。なお、車両2の車体後方にかけて地面との高さを漸
増させるには、前記前部カバー5及び前記後部カバー6
を図示せぬリヤバンパーに向けて持ち上げた状態で取り
付けることも可能である。
【0030】更に、本実施例によれば、前記前部カバー
5の端縁部5bはバンパースカート4の下端縁に沿って
取付けられるリップスポイラーとしてのフロントフラッ
プ14が形成されている。前記フロントフラップ14に
より車体の床下に入り込む空気を低減することが可能で
あり、揚力を減少することができる。本図示例のごと
く、前記フロントフラップ14をブロー成形により中空
部に成形した場合には、エッジ部分が生じないため空気
の流れが良好となり、しかも剛性があるため、振れや振
動等を防止することが可能となる。
【0031】前記前部カバー5には、その下面部8aか
ら上面部8bに向かって10個の凹凸部5iが形成され
ている。同凹凸部5iは溶融樹脂パリソンを金型に挟ん
で接合した取付面5jを有しており、成形後に余肉(バ
リ)を切除して製品の外形が得られる。前記前部カバー
5は黒色に予め着色され、無塗装或いは車体と同一色の
塗装が施され、図3に示すようにボルト13、ナット付
きクリップ12により前記凹凸部5iを介して前記バン
パースカート4に固定される。
【0032】なお、前記凹凸部5iは図示せぬキャップ
を取付けて前記前部カバー5における下面部8aの外側
を完全な平面状にしてもよい。前記下面部8aは凹凸を
減らして平板状に形成することにより車体の床下を流れ
る空気の乱れを低減することが可能であり、空気抵抗を
減殺することができる。
【0033】本図示例によれば、前記後部カバー6には
車体に固着される固着部6eが設けられている。同後部
カバー6の前部には上方に向かって突出された階段状の
先端部6bが形成されている。同先端部6bの両端は前
記前部カバー5の突起5aに係合する切欠き6cを形成
している。その下面部8aは略平板面をなしており、前
記前部カバー5の上面部8bに着座する着座部6dを突
設している。本図示例にあっては、前記前部カバー5
は、予め車両2のエンジン室3の下部を覆うように取付
けられた前記後部カバー6の連結孔6aに前記前部カバ
ー5の突起5aを挿入し、前記ボルト13及び前記ナッ
ト付きクリップ12により前記前部カバー5の凹凸部5
iを介して前記バンパースカート4に支持される。
【0034】前記前部カバー6の切欠き6c及び連結孔
6aに前記前部カバー5の突起5aを挿入する際に、前
記着座部6d及び前記突起5aがワンタッチで左右、上
下及び前後に強力に係合され、前記前部カバー6に対す
る前記前部カバー5の取り付けが容易になる。かかる構
成によれば、厚みも小さいために車体と地面との間の限
定されたスペースを有効に活用することができる。ま
た、厚みが小さいにもかかわらず剛性があり、振れや振
動等を防止することも可能となる。なお、前記前部カバ
ー5及び前記後部カバー6は一体に成形することが可能
である。
【0035】前記アンダーカバー1を製造する際には、
前記バンパースカート4に沿って取り付けられる端縁部
であるフロントフラップ14と前記アンダーフロア部8
の下面部8aと上面部8bとを偏平な中空部8cにブロ
ー成形する。その際に、前記アンダーフロア部8の下面
部8aを平板面に成形し、前記アンダーフロア部8の上
面部8bの少なくとも一部を車体後方に向けて漸次上方
に傾斜させた傾斜面及び凹凸面等に成形する。ブロー成
形によって、下面部8aをフラットとし、上面部8bは
中空部8cによる補強、取付け及びエアーガイド10の
ための起伏に富んだ形状が一回の成形で可能となる。
【0036】本実施例によれば、前記アンダーカバーは
フロント用のものであるが、リアバンパーと組み合わせ
ることもでき、通常のフロントエンジン車にあっては燃
料タンクの下側を覆って車両後部下面を平板状とするこ
とにより、遮音及び空力性能等に寄与させ、前記燃料タ
ンクを保護する。また、後輪の前側に延設されるとき
は、ボディサイドのエアインテークからブレーキ冷却風
を取り入れるガイドとすることもできる。
【0037】以上の説明から明らかなように、本発明に
かかる車両用アンダーカバー及び同カバーの製造方法に
よれば、前記端縁部及び前記アンダーフロア部がブロー
成形により一体的に得られる中空成形品であるため、所
要の遮音性能が得られることに加えて、カバー全体の厚
みを小さくし、その樹脂使用量を少なくできるため、狭
小な設置空間を有効に活用することができると共に、経
済性にも優れたものとなる。しかも、厚みが小さいにも
かかわらず剛性が確保でき、振れや振動等の発生が防げ
る。
【0038】また、塵や泥水等による侵入や跳ねた石等
による機関の損傷等を防ぐことも可能であり、エンジン
室内に泥や塵等が入り込まないため、格別のメンテナン
スを行うことなく長期に亘って遮音性能を維持できる。
更に、前記アンダーフロア部の下面部を、凹凸を減らし
て平板状に形成することにより、車体の床下を流れる空
気の乱れを低減することが可能となり、空気抵抗を減殺
させることも可能となる。
【0039】また、前記リップスポイラーとしてのフロ
ントフラップにより車体の床下に入り込む空気を低減す
ることが可能となり、揚力を減少することが可能とな
る。前記フロントフラップをブロー成形によりアンダー
フロア部とを一体的に中空部として成形できるため、エ
ッジ部分を形成することなくフロントフラップ周辺の空
気の流れが良好となり、しかも剛性があるため、振れや
振動等を防止することが可能となる。
【0040】また、下面部の少なくとも一部に車両の進
行方向後方に向けて車両の接地面との高さを漸増する傾
斜面を有しているため、後方にかけて通気断面が漸増
し、車両の後方への通気性を向上することが可能であ
り、前記アンダーカバーの後方における前輪のブレーキ
機構の冷却効果を向上することが可能となる。気流をガ
イドするガイド部はバンパーの開口等からエンジン室等
に導入される気流の指向性を増大させることが可能とな
り、空気の流れに乱れを生じさせることなしに車両の後
方への通気性を向上することが可能である。
【0041】更に、前記ガイド部が形成された上面部と
平板状を呈する下面部とをブロー成形による単一工程で
成形するため、遮音特性、空気抵抗の低減、揚力の減少
や通気性の向上等の空力特性、泥水等の侵入防止機能及
び障害物等による機関損傷防止機能等を成形と同時に備
えさせることが可能である。しかも前記アンダーカバー
の上面部及び下面部を必要な強度が確保される最小限の
肉厚に成形することが可能であることから、軽量に、廉
価に且つ容易に製造することを可能にする。なお、本発
明は上記実施例に限定されるものではなく、それらの実
施例から当業者が容易に変更可能な技術的範囲をも当然
に包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の代表的な実施例である車両用アンダー
カバーを概略的に示す斜視図である。
【図2】図1の下側から目視した裏面斜視図である。
【図3】図1におけるA−A線部分矢視図である。
【図4】図1におけるB−B線に沿って切欠された本発
明の車両用アンダーカバーを車両の床下に取付けた状態
を概略的に示す説明図である。
【符号の説明】
1 アンダーカバー 2 車両 3 エンジン室 4 バンパースカート 5 前部カバー 5a 突起 5b,d 端縁部 5c 中空部 5e 傾斜面 5f 水平面 5g,6e 凹部 5h 傾斜部 5i 凹凸部 5j 取付面 6 後部カバー 6a 連結孔 6b 先端部 6c 切欠き 6d 着座部 6e 固着部 7 前輪 8 アンダーフロア部 8a 下面部 8b 上面部 8c 中空部 9 シール材 10 ガイド部 12 ナット付きクリップ 13 ボルト 14 フロントフラップ 15 インサートナット 16 ビス

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の床下に配される車両用アンダーカ
    バーであって、 バンパースカートに沿って取り付けられる端縁部と、 前記車両の床下を塞ぐアンダーフロア部とを備え、 前記端縁部及びアンダーフロア部がブロー成形により一
    体的に得られる成形品であり、 前記アンダーフロア部は、平板状の下面部と同下面部の
    上方を覆う上面部とに囲まれた偏平な中空部を有してな
    ることを特徴とする車両用アンダーカバー。
  2. 【請求項2】 前記端縁部は前記バンパースカート周辺
    の空気の流れを変えるリップスポイラーを有している請
    求項1記載の車両用アンダーカバー。
  3. 【請求項3】 前記アンダーフロア部の下面部の少なく
    とも一部を後方に向けて漸次上方に傾斜させてなる請求
    項1記載の車両用アンダーカバー。
  4. 【請求項4】 前記アンダーフロア部の下面部及び上面
    部の少なくとも一方は、空気の流れを案内するガイド部
    を有してなる請求項1記載の車両用アンダーカバー。
  5. 【請求項5】 バンパースカートに沿って取り付けられ
    る端縁部と、車両の床下を塞ぐアンダーフロア部とを一
    体的に成形してなる車両用アンダーカバーの製造方法で
    あって、 前記端縁部及び前記アンダーフロア部の各下面部を平板
    面に形成すること、 前記アンダーフロア部の上面部表面の少なくとも一部に
    空気の流れを案内するガイド部を形成すること前記端縁
    部及び前記アンダーフロア部の各下面部と、同下面部の
    上方を覆う各上面部との間に偏平な中空部を形成してブ
    ロー成形すること、を含んでなることを特徴とする車両
    用アンダーカバーの製造方法。
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