JP2000127312A - クロスシート - Google Patents

クロスシート

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JP2000127312A
JP2000127312A JP30932498A JP30932498A JP2000127312A JP 2000127312 A JP2000127312 A JP 2000127312A JP 30932498 A JP30932498 A JP 30932498A JP 30932498 A JP30932498 A JP 30932498A JP 2000127312 A JP2000127312 A JP 2000127312A
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JP
Japan
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ethylene
weight
component
copolymer
acid anhydride
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JP30932498A
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English (en)
Inventor
Yuichi Kaihara
祐一 貝原
Tatsuaki Kinami
達昭 木南
Naoki Minorikawa
直樹 御法川
Masahiro Ueno
真寛 上野
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hagiwara Industries Inc
Japan Polyolefins Co Ltd
Original Assignee
Hagiwara Industries Inc
Japan Polyolefins Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量、高強力で、柔軟性にすぐれ、かつ高周
波溶着性にすぐれたクロスシートを提供する。 【解決手段】 ポリプロピレン製マルチフィラメントを
経緯糸に用いた織編布の両面に被覆層が形成されたクロ
スシートであって、該被覆層が、下記(A)30〜70
重量%および(B)70〜30重量%の樹脂組成物から
なることを特徴とするクロスシートである。 (A)エチレンとラジカル重合性酸無水物とこれら以外
のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体であ
って、酸無水物基含有単位の割合が0.1〜5重量%
で、エチレン単位と酸無水物基含有単位以外の単位の割
合が3〜50重量%であるエチレン共重合体(B)
(a)結晶性プロピレン系重合体部分と(b)室温のキ
シレンに不溶性のエチレン含有共重合体部分と(c)室
温のキシレンに可溶性のエチレン含有共重合体部分とを
もつプロピレン系重合体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、クロスシートに関
し、さらに詳しくは、建築用資材カバーなどのカバー
類、防水シートなどのシート類、テント、包装袋、フレ
キシブルコンテナ等に用いられるクロスシートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来から、カバー類、シート類等に用い
られるクロスシートとして繊維クロスの片面または両面
に樹脂層を設けた積層シートは多数知られている。これ
らの用途向けのシートには、シート展張時の引張力や包
装内容物の重力を保持することに耐える高強力や、カバ
ー類やシート類として取り扱い性がよく対象物にフィッ
トする柔軟性や、カバーあるいは包装する内容物を外か
ら認識できる識別性などが要求されている。
【0003】このような用途向けのシートとしてナイロ
ンやポリエステル繊維などからなるクロスにポリ塩化ビ
ニルのフィルムを積層したクロスシートが多用されてい
る。これらのクロスシートは、ナイロンやポリエステル
繊維などのマルチフィラメントにより高強力かつ柔軟性
を保持し、高周波溶着性にすぐれたポリ塩化ビニルを積
層することによってクロスシートを形成しているが、ポ
リ塩化ビニルは可塑剤のブリードの問題や焼却時に有毒
ガスが発生するという欠点や、比重が大きいために作業
性が悪いなどの欠点を有するために近年それに代替する
クロスシートの開発が望まれている。
【0004】上記のポリ塩化ビニルに代替するものとし
て、高周波溶着性を有するエチレン−酢酸ビニル共重合
体(EVA)やエチレン−(メタ)アクリル酸アルキル
共重合体などを用いたクロスシートが提案されている。
しかしながら、エチレン−酢酸ビニル共重合体は耐熱性
が劣り、エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合
体は高周波溶着性がポリ塩化ビニルに比較して著しく劣
るという問題を有するとともに、これらの共重合体はナ
イロン、ポリエステル、ポリプロピレンなどの異種の熱
可塑性樹脂とは接着性が劣るという不都合があり、積層
する熱可塑性樹脂クロスが限定されるという問題があっ
た。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記事情に鑑
み、軽量、高強力で、柔軟性にすぐれ、かつ高周波溶着
性にすぐれたクロスシートを提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明はポリプロピレン
製マルチフィラメントを経緯糸に用いた織編布の両面に
被覆層が形成されたクロスシートであって、該被覆層、
下記(A)成分であるエチレン多元共重合体30〜70
重量%および(B)の成分であるプロピレン系重合体組
成物30〜70重量%の樹脂組成物からなることを特徴
とするクロスシートである:(A)エチレンとラジカル
重合性酸無水物とこれら以外のラジカル重合性コモノマ
ーからなる多元共重合体であって、用いたモノマー重合
換算で、酸無水物基含有単位の割合が0.1〜5重量%
で、エチレン単位と酸無水物基含有単位を除く単位の割
合が3〜50重量%であるエチレン多元共重合体(B)
(a)結晶性プロピレン系重合体部分と(b)室温のキ
シレンに不溶性のエチレン含有共重合体部分と(c)室
温のキシレンに可溶性のエチレン含有共重合体部分とを
もつプロピレン系重合体
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を詳細に説明する。
本発明のクロスシートを構成する基布としては、ポリプ
ロピレン製のマチルフィラメントを経緯糸に使用した織
物または編物(以下織編物と称する)を用いる。ここで
使用するポリプロピレンとしては高結晶性で延伸効果の
高いポリプロピレンであることが好ましく、具体的に
は、プロピレン単独重合体、プロピレン−エチレンブロ
ック共重合体、プロピレン−エチレンランダム共重合体
などが挙げられる。これらのうちでも、成形性にすぐ
れ、高強力のポリプロピレン単独重合体が好ましく、特
にアイソタクチックペンタッド分率が0.95以上であ
る高結晶性ポリプロピレンが好適である。これらのポリ
プロピレンは1種単独で用いても、2種以上を組合わせ
て用いても差し支えない。
【0008】上記ポリプロピレン製のマルチフィラメン
トの製造方法としては、特に限定されるものではなく公
知のマルチフィラメントの製造方法が適宜採用される。
マルチフィラメントの緯度は織編布に要求される機械的
強度を勘案して決められるもので、特に制限されること
はないが、本発明においてカバー類やシート類などに用
いる場合には、好ましくは緯度100〜5000デニー
ル(以下dと記載する)、より好ましくは300〜30
00dである。緯度が100d未満ではクロスシートを
構成する糸条として機械的強度が十分でなく、一方、緯
度が5000dを超えると織成効率が劣るのみならず、
織編布としての柔軟性が劣り、さらには被覆層との積層
が緊密に形成されず、剥離強度及び溶着強度などのクロ
スシートに必要とされる物性を満足させることができな
いおそれがある。
【0009】ついで、上記のポリプロピレン製のマルチ
フィラメントを用いて織編成して織編布を形成する。織
編組織はとくに限定されるものではなく、織編布として
は平織、もじり織、からみ織等の種々の織編布が挙げら
れ、編布としては、横編み、縦編みのいずれでもよく、
具体的にはトリコット編、ミラニーズ編、ラッセル編等
が挙げられる。
【0010】本発明の被覆層は、(A)成分である、エ
チレン、ラジカル重合性酸無水物およびそれ以外のラジ
カル重合性コモノマーからなる酸無水物基含有エチレン
多元共重合体および(B)成分である、(a)80より
大きいアイソタクチック指数を有する結晶性プロピレン
系重合体、(b)室温のキシレンに不溶性のエチレン含
有共重合体画分、および(c)エチレンとα−オレフィ
ンと場合によって小割合のジエンとの共重合体画分(該
画分はエチレン40重量%未満を含有し、室温のキシレ
ンに可溶性である)を含むプロピレン系重合体組成物か
らなる樹脂組成物から構成されるものである。
【0011】上記(A)成分中のラジカル重合性酸無水
物とは、分子中にラジカル重合可能な不飽和結合と酸無
水物基を各々1以上有し、重合によって酸無水物基を分
子中に導入できるような化合物を意味する。酸無水物基
は環状のものが好ましい。このような化合物としては、
例えば、無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラ
コン酸等が挙げられる。
【0012】上記のエチレン多元共重合体中のラジカル
重合性酸無水物に由来する単位即ち酸無水物基含有単位
の割合は、用いたモノマーの重量基準で0.1〜5重量
%の範囲であり、好ましくは0.5〜4.5重量%の範
囲、さらに好ましくは1.0〜4.0重量%の範囲であ
る。ここで、酸無水物基含有単位の割合が0.1重量%
未満では、熱可塑性樹脂製クロスとの接着性が不十分で
あるとともに、高周波溶着性が劣り、また、5重量%を
超えると、経済性や成形性の低下を招いて商業的生産が
困難となり、実用上意味がない。
【0013】エチレンおよびラジカル重合性酸無水物以
外のラジカル重合性コモノマーとしては、様々な化合物
があり、例えば、ビニルエステル化合物、(メタ)アク
リレート化合物、不飽和酸化物、エチレン以外の不飽和
炭化水素化合物等が挙げられる。
【0014】ビニルエステル化合物としては、例えば、
酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル等が
挙げられる。
【0015】(メタ)アクリレート化合物としては、例
えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸
エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリ
ル酸ブチル、フマル酸メチル、フマル酸エチル、マレイ
ン酸メチル、マレイン酸エチル等が挙げられる。
【0016】不飽和酸化合物としては、例えば、(メ
タ)アクリル酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられ
る。
【0017】不飽和炭化水素化合物としては、例えば、
スチレン、α−メチルスチレン、ノルボルネン、ブタジ
エン等が挙げられる。
【0018】これらの中では、(メタ)アクリル酸メチ
ル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブ
チルなどが特に好ましい化合物として挙げられる。そし
て、これらのモノマーは、単独で、あるいは2種類以上
を併用しても差し支えない。
【0019】エチレン多元共重合体中の上記のラジカル
重合性コモノマーに由来する単位の割合は、3〜50重
量%の範囲であり、好ましくは5〜40重量%の範囲で
ある。特に高周波溶着性が要求される用途に対しては、
10〜35重量%の範囲であることが好ましい。ここで
ラジカル重合性コモノマーの割合が3重量%未満では、
エチレン多元共重合体の結晶融点が十分に低くならず、
低温接着性を十分に発揮することができない。また、5
0重量%を超えると、樹脂の取り扱いが困難になるとと
もに、製品の耐熱性が低下する。
【0020】上記(A)の成分のMFRは1〜30g/
10min.、好ましくは5〜20g/10min.の
範囲から選択するのがよい。MFRが1g/10mi
n.未満では流動性が悪くなり、30g/10min.
を越えると引張強度などの低下が起こり望ましくない。
【0021】エチレン多元共重合体の製造にあたって
は、基本的には通常の低密度ポリエチレンの製造設備お
よび技術を利用することができる。一般的には塊状重合
法を用い、700〜3000気圧の圧力下で100〜3
00℃の温度範囲でラジカル重合して製造される。好ま
しい重合圧力は1000〜2500気圧、反応器内の平
均温度は150〜270℃である。700気圧以下では
重合体の分子量が低くなり、成形性、組成物の樹脂物性
が悪化する傾向がある。3000気圧以上の圧力は実質
的に無意味であり、製造コストを高めるだけである。平
均重合温度が10℃以下では重合反応が安定せず、エチ
レン多元共重合体への転化率が低下し、経済的に問題が
ある。300℃を超えるとエチレン多元共重合体の分子
量が低下すると同時に暴走反応の危険性が生じる。
【0022】製造する装置としてはベッセル型の反応器
を使用する事が望ましい。特にラジカル重合性酸無水物
は重合安定性が乏しいため、高度の反応器内の均一化が
必要である。また必要に応じて複数個の反応器を直列ま
たは並列に接続し多段重合を行なうことも可能である。
さらに反応器の内部を複数のゾーンに仕切ることによ
り、より緻密な温度制御を行なうことも可能である。本
発明で用いるエチレン多元共重合体の製造は、上記の反
応条件にて少なくとも1種のフリーラジカル開始剤の存
在下で行われる。該フリーラジカル開始剤としては、一
般に知られているジアシルパーオキシド類、パーオキシ
カーボネート類、パーオキシエステル類、ケトンパーオ
キシド類等の他アゾ化合物類等が用いられる。また、重
合にあたって、分子量調節剤として種々の連鎖移動剤を
使用することも可能である。
【0023】上記のエチレン多元共重合体には、使用目
的に応じて他のポリオレフィン系樹脂を配合することが
できる。これらのポリオレフィン系樹脂の具体例として
は、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、
低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、
エチレン−(メタ)アクリル酸アルキル共重合体などの
ポリエチレン系樹脂、ポリプロピレン、プロピレン−エ
チレン共重合体などのポリプロピレン系樹脂などが挙げ
られる。
【0024】本発明の(B)成分は、(a)80より大
きいアイソタクチック指数を有する結晶性プロピレン系
重合体部分と(b)室温のキシレンに不溶性のエチレン
含有共重合体部分と(c)室温のキシレンに可溶性のエ
チレン含有共重合部分をもつプロピレン系重合体であ
り、特に好ましくは、(a)80より大きいアイソタク
チック指数を有する結晶性プロピレン系重合体10〜5
0重量部、(b)室温のキシレンに不溶性のエチレン含
有共重合体画分5〜20重量部および(c)エチレンと
α−オレフィンと場合によって小割合のジエンとの共重
合体画分(該画分はエチレン40重量%未満を含有し、
室温のキシレンに可溶性である)40〜80重量部を含
み、(b)画分と(c)画分との和の重量%が50%〜
90%であり且つ(b)/(c)の重量比は0.4未満
であるプロピレン系重合体(組成物)が用いられる。
【0025】(a)成分の結晶性プロピレン系重合体と
してはプロピレンの単独重合体又はプロピレンとエチレ
ン又はプロピレン以外のα−オレフィン(特に炭素数4
〜10のものが好ましい)との共重合体でプロピレン含
有量がモノマー換算で85重量%以上のものが挙げられ
る。(c)成分の共重合体を構成するα−オレフィンと
しても上記と同様の炭素数4〜10のものが好ましい。
【0026】これらのプロピレン系重合体(組成物を包
含する)は、特開平6−25367号公報、特開平6−
25439号公報などに記載されている方法により、エ
チレン、プロピレンおよび必要に応じてジエンを多段重
合により共重合させて得ることかできる。従って(B)
成分はいわゆるブロック共重合体を典型例として包含す
るものである。
【0027】(B)成分のプロピレン系重合体組成物に
は、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、ポリプロピレ
ン、プロピレン−エチレンブロック共重合体、プロピレ
ン−エチレンランダム共重合体、シンジオタクチックポ
リプロピレンなどを併用することができる。
【0028】上記(B)成分のMFRは1〜30g/1
0min.、好ましくは5〜20g/10min.の範
囲から選択するのがよい。MFRが1g/10min.
未満では流動性が悪くなり、30g/10min.を越
えると引張強度などの低下が起こり望ましくない。
【0029】本発明においては、前記の織編布の表裏両
面に上記の(A)成分および(B)成分からなる樹脂組
成物から構成される被覆層を形成しクロスシートとす
る。この被覆層を形成することにより、シートの機械的
強度を増加させ、かつ柔軟性を備えた高周波溶着性を有
するクロスシートとすることができる。
【0030】上記の(A)成分および(B)成分の割合
は、重量基準で、(A)/(B)が30/70〜70/
30が好ましく、40/60〜60/40がさらに好ま
しい。(A)成分層の割合が30重量%未満では高周波
溶着性が劣り好ましくなく、70重量%を超えると柔軟
性および織編布との接着性が不十分となり好ましくな
い。
【0031】被覆層の形成にあたっては、押出ラミネー
ト法、カレンダー法、コーティング法、浸漬法などの公
知の技術が採用される。この被覆層を形成する際に、織
編布の目隙部に溶融樹脂が食い込むようにして密着する
か又は経緯糸の交差部に生じる間隙の表裏間を樹脂が貫
通することで表裏層を結合させブリッジ効果を発現すれ
ば剥離強度を向上させることができ有効である。また、
被覆層の厚みは特に制限されるものではないが、一般的
に基材強度及び熱溶着性を鑑みて片面当たり50〜10
0μm程度とすることが好ましい。
【0032】本発明に用いられる熱可塑性樹脂には、本
発明の趣旨を逸脱しない範囲において、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、分散剤、滑剤、帯電防止剤、顔
料、無機充填剤、架橋剤、発泡剤、核剤等の通常用いら
れる添加剤を配合することができる。
【0033】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づき具体的に説明
する。 (実施例1):ポリプロピレン(MFR=20g/10
min.、密度=0.90g/cm3、Tm=158.
0℃)を用いて、総織度680d/120fのマルチフ
ィラメントを形成した。こうして得られたポリプロピレ
ンマルチフィラメントを経緯糸に用いて、打込密度20
×20本/インチの平織の織布を得た。織布の目付け量
は約120g/cm2 であった。また、被覆層用樹脂を
以下のように用意した。すなわち、(A)成分のエチレ
ン共重合体として、エチレン−ブチルアクリレート−無
水マレイン酸3元共重合体を使用した。共重合体は高圧
法低密度ポリエチレンプラント設備をして製造し、ブチ
ルアクリレートに由来する単位の含量は7重量%、無水
マレイン酸に由来する単位の含有量は2.5重量%であ
った。このエチレン共重合体のMFR=10g/10m
in.、密度は0.945g/cm3 であった。また、
(B)成分のプロピレン系重合体として、プロピレンと
エチレンとの二段重合法により製造した。生成重合体組
成物の第一段生成物はエチレン含有量3.0重量%、キ
シレン可溶分(SA )9.4重量%、であり、第二段生
成物は二元共重合体(b+c)(全体の70重量%)で
あり、キシレン可溶分(SF )63.4重量%、画分
b)9.45重量%、画分c)60.55重量%であっ
た。この(B)成分のMFR=10g/10min.、
密度0.89g/cm3 であった。ついで、先に形成し
た織布の両面に、上記被覆用樹脂として、(A)成分6
0重量%、(B)成分40重量%の樹脂組成物を用いて
押出ラミネーション法により厚さ70μmで積層し、ク
ロスシートを形成した。得られたクロスシートを、高周
波ウエルダを用いて陽極電流値1.0Aで熱溶着した。
溶着強力としてT型剥離強力は1019gf/15m
m、溶着部引張強力は82kgf/5cmで良好な溶着
性を有していた。さらに、JISL1096(カンチレ
バー法)による剛軟度測定値は63mmで、折畳み可能
な柔軟性を有しており取扱い性は良好であった。また、
引張最大点荷重は、109kgf/3cm、最大伸度
は、29.4%であった。
【0034】(比較例1):被覆用樹脂として実施例1
で用いた(A)成分のエチレン共重合体を用いて厚さ7
0μmの被覆層を積層した他は実施例1と同様に行っ
た。得られたクロスシートを高周波ウエルダを用いて熱
溶着した後のT型剥離強力は659gf/15mm、溶
着部引張強力は69kgf/5cmで良好な溶着性を有
していた。さらに、剛軟度測定値は72mmで、柔軟性
はやや不十分であった。また、引張最大点荷重は、10
8kgf/3cm、最大伸度は、27.6%であった。
【0035】(比較例2):被覆用樹脂として実施例1
で用いた(B)成分のプロピレン系重合体を用いて厚さ
70μmの被覆層を積層した他は実施例1と同様に行っ
た。得られたクロスシートは剛軟度測定値は54mm
で、折畳み可能な柔軟性を有しており取扱い性は良好で
あったが、高周波ウエルダによる高周波溶着性は不良で
あった。引張最大点荷重は、106kgf/3cm、最
大伸度は、28.5%であった。
【0036】(比較例3):被覆用樹脂として実施例1
で用いた(B)成分のプロピレン系重合体50重量%お
よび(D)エチレン−メチルアクリレート共重合体(M
A含有量=20重量%)50重量%からなる樹脂組成物
を用いて厚さ70μmの被覆層を積層した他は実施例1
と同様に行った。得られたクロスシートを高周波ウエル
ダを用いて熱溶着した後のT型剥離強力は420gf/
15mm、溶着部引張強力は55kgf/5cmで溶着
性は不十分であった。さらに、剛軟度測定値は69mm
で、折畳み可能な柔軟性を有しているが取扱い性はやや
不良であった。また、引張最大点荷重は、92kgf/
3cm、最大伸度は、19.5%であった。
【0037】(比較例4):被覆用樹脂として実施例1
で用いた(A)成分のエチレン共重合体50重量%およ
び(E)プロピレン−エチレンランダム共重合体(エチ
レン含有量=6重量%)50重量%からなる樹脂組成物
を用いて厚さ70μmの被覆層を積層した他は実施例1
と同様に行った。得られたクロスシートを高周波ウエル
ダを用いて熱溶着した後のT型剥離強力は1105gf
/15mm、溶着部引張強力は84kgf/5cmで溶
着性は良好であった。しかし、剛軟度測定値は110m
mで柔軟性は不良であった。また、引張最大点荷重は、
105kgf/3cm、最大伸度は、27.8%であっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように、本発明は、熱可塑
性樹脂製の織編布の両面に特定のエチレン共重合体を含
有する樹脂からなる被覆層を設けることにより、織編布
と被覆層の接着力が強力で機械的特性にすぐれ、柔軟性
にすぐれ、かつ高周波溶着性を有するクロスシートを提
供することができ、建築用資材カバーなどのカバー類、
防水シートなどのシート類、テント、包装袋、フレキシ
ブルコンテナ等に好適に用いられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例1を示すクロスシートであっ
て、(イ)は模式断面図、(ロ)は用いられたクロスの
平面図である。
【符号の説明】
1 クロスシート 2 ポリプロピレンマルチフィラメント 3 クロス 4 被覆層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 木南 達昭 岡山県倉敷市連島町鶴新田763 (72)発明者 御法川 直樹 神奈川県川崎市川崎区夜光2−3−2 日 本ポリオレフィン株式会社川崎研究所内 (72)発明者 上野 真寛 神奈川県川崎市川崎区夜光2−3−2 日 本ポリオレフィン株式会社川崎研究所内 Fターム(参考) 4F100 AK04B AK04C AK04J AK07A AK07B AK07C AK07J AK24B AK24C AK24J AK80B AK80C AL05B AL05C BA03 BA06 BA10B BA10C BA15 DG12A DG13A GB15 GB90 JK06 JK13 JK17 JL12 YY00B YY00C 4L033 AA05 AB04 AB05 AB06 AC11 CA12 CA18 CA69 CA70

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリプロピレン製マルチフィラメントを
    経緯糸に用いた織編布の両面に被覆層が形成されたクロ
    スシートであって、該被覆層が、下記(A)成分である
    エチレン多元共重合体30〜70重量%および(B)成
    分であるプロピレン系重合体組成物70〜30重量%の
    樹脂組成物からなることを特徴とするクロスシート。 (A)エチレンとラジカル重合性酸無水物とこれら以外
    のラジカル重合性コモノマーからなる多元共重合体であ
    って、用いたモノマーの重合換算で、酸無水物基含有単
    位の割合が0.1〜5重量%で、エチレン単位と酸無水
    物基含有単位を除く単位の割合が3〜50重量%である
    エチレン多元共重合体(B)(a)結晶性プロピレン系
    重合体部分と(b)室温のキシレンに不溶性のエチレン
    含有共重合体部分と(c)室温のキシレンに可溶性のエ
    チレン含有共重合体部分をもつプロピレン系重合体
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