JP2000127276A - カーペットの製造方法 - Google Patents

カーペットの製造方法

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JP2000127276A
JP2000127276A JP10299787A JP29978798A JP2000127276A JP 2000127276 A JP2000127276 A JP 2000127276A JP 10299787 A JP10299787 A JP 10299787A JP 29978798 A JP29978798 A JP 29978798A JP 2000127276 A JP2000127276 A JP 2000127276A
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vapor
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conveyor belt
base material
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JP10299787A
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Kenichi Fukushima
健一 福島
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 バッキング材中に大きい気泡やふくれの発生
がなく,生産性に優れた,カーペット及びその製造方法
を提供すること。 【解決手段】 コンベアベルト55上に蒸気透過性基材
15をセットして,その上に水性樹脂分散液と水硬性無
機粉末又は非水硬性無機粉末の少なくとも一方の無機粉
末とを含有するバッキング材スラリー21,31を連続
的にシート状に成形する。次いで,その上にカーペット
基材12を連続的に重ねて積層物10を形成し,該積層
物10を移動させながら,加熱・乾燥し,この際蒸気透
過性基材15からも水蒸気を排出させて連続的にカーペ
ットを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【技術分野】本発明はバッキング材とカーペット基材と
を積層,接着してなるカーペットの製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】建物等の床素地面上に敷設するタイルカー
ペットは,例えばパイルが植毛されたカーペット基材や
ニードルパンチされたカーペット基材に,バッキング材
を積層,接着することにより作製されている。
【0003】そしてカーペットを製造する方法として
は,従来,水性樹脂分散液と水硬性無機粉末及び非水硬
性無機粉末を含有したバッキング材を連続に成形し,そ
の後カーペット基材を貼りあわせ,バッキング材を乾燥
・硬化させる方法が知られている(特開平5−2540
81号,特開平5−254082号,特開平6−154
070号)。この方法で得られたカーペットは,可撓
性,柔軟性,床なじみ性等に優れている。
【0004】
【解決しようとする課題】しかしながら,カーペット製
造時には,バッキング材スラリーの一成分である水性樹
脂分散液中の水分を蒸発させて,バッキング材を乾燥さ
せる必要がある。即ち,図6に示すごとく,カーペット
100の製造時には,コンベアベルト55の上に上記バ
ッキング材スラリー210を連続的にシート上に成形す
ると共に,その上にパイル18を設けたカーペット基材
12を接合する。このとき,バッキング材スラリー中の
水分を蒸発させる。
【0005】そのため,上記水分が円滑に排出されない
と,製造されたカーペットのバッキング材中に水蒸気に
よる大きな気泡やふくれが発生する。そのため,従来
は,上記気泡やふくれが発生しないような低い温度で,
しかも長時間をかけて,加熱・乾燥を行なっている。こ
のため,カーペットの生産性に劣り,製品がコスト高と
なっている。また,生産ラインを長くすれば,生産性の
向上を図ることができるが,設備費の上昇と,生産効率
の低下がある。
【0006】この点につき,更に詳しく説明すると,従
来のカーペットの製造方法としては,水性樹脂分散液と
水硬性無機粉末又は非水硬性無機粉末の少なくとも一方
の無機粉末とを含有するバッキング材スラリーを連続的
にシート状に成形し,次いでその上に,カーペット基材
を連続的に重ねて積層物を形成し,次いで該積層物を移
動させながら,上記バッキング材スラリーの下側から加
熱,乾燥して連続的にカーペットを製造する方法があ
る。
【0007】この方法では,テフロン製エンドレスベル
トの上にシート化されたバッキング材スラリーとしての
モルタルスラリーを形成し,更にその上にカーペット基
材を乗せた状態で,ベルトの下側に設けた熱板から,モ
ルタルスラリーを加熱する。そのとき,加熱温度をいき
なり水の沸点以上に上げると,水蒸気が逃げる道はベル
ト側にはなく,カーペット基材側の一方向しかない。そ
して,カーペット側からの抜ける水蒸気の量とバッキン
グ材スラリーからの発生蒸気量のバランスが悪いと,バ
ッキング材スラリー中に大きな気泡やふくれが発生す
る。その結果,バッキング材スラリーが乾燥・硬化して
得られたバッキング材の中に大きい気泡やふくれが発生
する。
【0008】そこで,この状態を起こさないために,従
来は,初期の加熱温度を100℃以上に上げないで加熱
熱板の温度を除々に上げて,水分の蒸発速度を段階的上
げていく方法を取っている。このため,生産スピードは
従来の塩ビタイルやビチューメンなどにおける生産スピ
ードに比べて劣っている。そして,同一の生産スピード
を得るためには,3倍の加熱ライン長が必要となり,ま
た逆に,加熱ライン長さが同一の場合は1/3程度のス
ピードで生産しなければならない。
【0009】本発明はかかる従来の問題点に鑑み,バッ
キング材中に大きい気泡やふくれの発生がなく,生産性
に優れた,カーペット及びその製造方法を提供しようと
するものである。
【0010】
【課題の解決手段】請求項1の発明は,コンベアベルト
上に蒸気透過性基材をセットして,その上に水性樹脂分
散液と水硬性無機粉末又は非水硬性無機粉末の少なくと
も一方の無機粉末とを含有するバッキング材スラリーを
連続的にシート状に成形し,次いで,その上にカーペッ
ト基材を連続的に重ねて積層物を形成し,該積層物を移
動させながら,加熱・乾燥し,この際上記蒸気透過性基
材からも水蒸気を排出させて連続的にカーペットを製造
することを特徴とするカーペットの製造方法にある。
【0011】本発明において最も注目すべき点は,コン
ベアベルトとバッキング材スラリーとの間に蒸気透過性
基材を介在させて,該蒸気透過性基材からもバッキング
材スラリー中の水蒸気を排出させながら,上記積層物を
加熱・乾燥することである。
【0012】次に,本発明の作用効果につき説明する。
本発明においては,コンベアベルト上に蒸気透過性基材
を置き,その上にバッキング材スラリー,カーペット基
材を順次重ねて積層物となし,該積層物をコンベアベル
トにより移動させながら,加熱・乾燥を行なう。
【0013】このとき,バッキング材スラリーにおける
水性樹脂分散液は,加熱・乾燥の熱により反応して,上
記無機粉末と共にバッキング材を形成する。このとき,
水蒸気中の水分は,水蒸気として外部へ排出される。そ
して,この水蒸気は,上記積層物における上方側のカー
ペット基材から排出されると共に,上記バッキング材ス
ラリーとコンベアベルトとの間に設けた蒸気透過性基材
からも排出される。
【0014】即ち,従来は,上記バッキング材スラリー
は直接にコンベアベルト上にシート状に成形していたの
で,上記水蒸気の排出はカーペット基材のみからであっ
た。これに対して,本発明では,上記水蒸気は,バッキ
ング材スラリーの上方側のカーペット基材からのみなら
ず,下方側の蒸気透過性基材を通じて外部へ排出され
る。そのため,水蒸気の排出が効率的となり,上記積層
物の加熱・乾燥時間を大幅に短縮することができる。ま
た,そのため,バッキング材中に大きい気泡やふくれを
発生させることなく,生産性良くカーペットを製造する
ことができる。
【0015】また,水分の蒸発がカーペット基材側のみ
でなく,下層からも行なわれる。そのため,初期の加熱
温度を従来よりも約40℃以上上げることが可能にな
る。更に,製造されたカーペットは,その最下層に蒸気
透過性基材を有するため,コンベアベルトからの剥離も
飛躍的に早くなり,この点からも生産効率が向上する。
【0016】本発明において,上記バッキング材の原料
であるバッキング材スラリーは,水性樹脂分散液と,水
硬性無機粉末又は非水硬性無機粉末の少なくとも一方の
無機粉末とからなる。水性樹脂分散液としては,アクリ
ル共重合体分散液,アクリルースチレン共重合体,更に
は酢酸ビニル重合体,酢酸ビニル−エチレン共重合体,
塩化ビニル共重合体,スチレン−ブタジエン共重合体,
ウレタン重合体,アクリロニトリル−ブタジエン共重合
体等の水性樹脂分散液などがある。
【0017】また,水硬性無機粉末としてはポルトラン
ドセメント,アルミナセメント,早強セメント,石膏な
どがある。また非水硬無機粉末としては珪砂,炭酸カル
シウム,炭酸マグネシウム,クレー,タルク,マイカ,
酸化チタン,酸化亜鉛,硫酸バリウム,水酸化アルミニ
ウム,水酸化マグネシウム,ガラスバルーン,フライア
ッシュ,パーライトなどがある。
【0018】上記水硬性無機粉末又は非水硬性粉末は,
水性樹脂分散液100重量%(樹脂固形分換算値)に対
して300〜600重量%添加することが好ましい。3
00重量%未満では水性樹脂分散液の樹脂含有量が高く
なり,乾燥硬化時間が遅くなり,またバッキング材の剛
性が低く,できあがった製品を施工する時,作業性が悪
くなるという問題がある。一方,600重量%を超える
と,バッキング材がもろく,割れやすくなり,バッキン
グ材としての柔軟性が発現されず,実用性が低下すると
いう問題がある。
【0019】次に,請求項2の発明のように,上記の蒸
気透過性基材の厚みは,0.1〜2.0mmであること
が好ましい。この場合には,効率的に蒸気を排出できる
という効果を得ることができる。
【0020】0.1mm未満では,バッキング材スラリ
ーとコンベアベルトとの間の間隔が小さく,蒸気の効率
的な排出が困難であり,一方2.0mmを超える全体の
製品厚みが厚くなるおそれがある。
【0021】なお,蒸気透過性基材の条件を,別の尺度
として重量でみると,1m2あたり10g〜200gの
ものを使用することが好ましい。10gより軽いと蒸気
透過性基材からの水分の抜けが悪いし,連続で蒸気透過
性基材を供給していくときや,その上にバッキング材ス
ラリーを載せて厚み調整するときなどに,シワが発生す
るおそれがある。一方,200gより重いと製品コスト
が高くなると共に,製品の剛性が高くなりカーペットの
施工時の作業性や,施工面で床面の不陸をうまく吸収で
きず施工の仕上がりが良くない。また,生産面では,上
記加熱・乾燥時において,下部熱板からの伝熱が悪くな
るため,生産性が落ちるおそれがある。なお,更に好ま
しくは,1m2当たり20〜100gの重量の不織布を
使用する。
【0022】次に,請求項3の発明のように,上記蒸気
透過性基材は,不織布又は織物であることが好ましい。
この場合には,特に蒸気透過性基材における上記蒸気の
排出性が優れている。
【0023】不織布及び織物の材質は,有機材と無機材
がある。そして,製品の柔軟性を損なわないためには,
有機繊維の不織布及び織物が好ましい。有機繊維として
は,ナイロン,ポリエステル,ポリエチレン,ポリプロ
ピレン,ビニロン,麻,綿などの合成繊維,天然繊維が
ある。
【0024】次に,請求項4の発明のように,上記蒸気
透過性基材は有機繊維を5重量%以上に含有しているこ
とが好ましい。この場合には,特に水蒸気の排出に優れ
ていると共に柔軟性に優れたカーペットを得ることがで
きる。上記5重量%未満では,カーペットの柔軟性が低
下するおそれがある。
【0025】次に,請求項5の発明のように,上記蒸気
透過性基材は,上記加熱・乾燥時に,カーペットの長さ
方向に1〜10%収縮することが好ましい。この場合に
は,加熱・乾燥時の熱で蒸気透過性基材が収縮し,その
バッキング材下層面の4隅が施工相手の床面側に対して
少し湾曲した形状となる。そのため,施工時に床面への
納まりがよく,また施工後におけるカーペットの縁のは
ねあがりがなく,施工仕上がりがきれいである。
【0026】かかる蒸気透過性基材の材料としては,ポ
リエステル,ポリプロピレンなどの高分子繊維を用い
て,繊維自体に延伸を掛けたり,あるいは熱処理によっ
て収縮応力を残した状態のものを使用することができ
る。これは,カーペット加工時の熱で収縮する。上記の
収縮量が,1%未満では上記効果を得難く,一方10%
を超えると床面側への湾曲が大きくなりすぎ,施工上の
納まりが悪い問題がある。なお,上記収縮量は160℃
加熱時における値である。
【0027】次に,請求項6の発明のように,上記コン
ベアベルトは蒸気排出孔を有することが好ましい。この
場合には,バッキング材スラリーから蒸気透過性基材を
経て排出される蒸気は,蒸気透過性基材とコンベアベル
トとの間のみならず,コンベアベルトの蒸気排出孔から
も排出される。そのため,蒸気の排出が一層促進され,
生産性が向上する。
【0028】上記蒸気排出孔を有するコンベアベルトと
しては,多数の貫通孔を設けたパンチングメタルのベル
ト,金網状の金属メッシュベルトや繊維織りベルトを用
いたコンベアベルトなどがある。また,ガラス繊維の織
物ベルトにフッ素樹脂をコートしたコンベアベルトもあ
る。また,コンベアベルトを通じて効率良く水蒸気を排
出させるため,コンベアベルトの裏面,即ちカーペット
成形面と反対側の面を,真空ポンプなどで減圧状態に維
持することが好ましい。
【0029】次に,請求項7の発明のように,上記コン
ベアベルトは,その表面に蒸気排出用の多数の溝部を有
していることが好ましい。この場合,水蒸気は,上記の
蒸気排出用の溝部を通じて,コンベアベルトの側面方向
へ排出される。そのため,水蒸気の排出が一層促進さ
れ,生産性が向上する。
【0030】次に,バッキング材スラリーをコンベアベ
ルト上に塗工ロールにより所定の厚みに形成する場合,
バッキング材スラリーの粘度は塗工に適した流動性がな
いと,連続して均一な膜厚を得ることが困難である。し
かしながら,流動性が高すぎると,加熱段階で水分の発
生するバッキング材スラリー内での蒸気圧力に負けて,
気泡が大きくなるおそれがある。反対に,加熱時のバッ
キング材スラリーの粘度が高く,流動性が低いと,蒸気
圧に対して,抵抗があり,気泡の発生が少ない。このよ
うに,バッキング材スラリーの粘度は生産工程内の前後
で相反する要求がある。
【0031】この要求を満たすためには,加熱によって
バッキング材スラリーが急速にゲル化する,ゲル化剤の
添加が有効である。ゲル化剤は,エマルジョンの電荷を
破壊することで,エマルジョンの粒子同士を凝集させ
て,バッキング材スラリーの粘度を上げるものと,バッ
キング材スラリー中の水分を補集して粘度を上げるもの
とがある。この場合,塗工ロールを通過して,加熱が開
始されるところで,発生蒸気圧力に負けない粘度が得ら
れるようにするため,熱で瞬時にゲル化する方法を採用
することが好ましい。
【0032】次に,上記バッキング材スラリーとカーペ
ット基材との間には,中間基材として,有機材又は無機
材の布帛類を積層することが好ましい。この中間基材
は,いわゆる補強材として使用され,室内温度変化に対
する寸法安定性を向上させること,及び施工作業時の作
業のし易さの目安となる剛性(腰)の付与とがある。な
お,タイルカーペットにおける一般的な中間基材として
は,ガラス不織布が好ましい。
【0033】また,請求項8の発明のように,水性樹脂
分散液と水硬性無機粉末又は非水硬性無機粉末の少なく
とも一方の無機粉末とからなるバッキング材スラリーを
加熱することにより形成したバッキング材と,該バッキ
ング材の表面側に設けたカーペット基材とよりなるカー
ペットにおいて,上記バッキング材の裏面側には蒸気透
過性基材を設けてなることを特徴とするカーペットがあ
る。
【0034】この場合には,カーペットの製造時に,上
記のごとく,蒸気透過性基材を通じて上記蒸気を効率良
く排出することができる。そのため,バッキング材中に
大きい気泡やふくれの発生がない,生産性に優れたカー
ペットを提供することができる。
【0035】次に,請求項9の発明のように,上記蒸気
透過性基材は不織布又は織物であることが好ましい。こ
の場合には,特に上記蒸気の排出性に優れている。
【0036】
【発明の実施の形態】実施形態例1 本発明の実施形態例にかかるカーペット及びその製造方
法につき,図1〜図4を用いて説明する。まず,図3に
示すごとく,本例において得られるカーペット1は,水
性樹脂分散液と水硬性無機粉末又は非水硬性無機粉末の
少なくとも一方の無機粉末とからなるバッキング材スラ
リーを加熱することにより形成したバッキング材21
0,310と,該バッキング材の表面側に設けたカーペ
ット基材12とよりなる。そして,上記バッキング材の
裏面側には蒸気透過性基材15を設けてなる。また,上
記バッキング材210と310との間には,ガラス不織
布25が介在している。
【0037】次に,上記カーペットの製造方法及び製造
装置につき,図1〜図4を用いて説明する。本例におけ
るカーペットの製造方法は,まずコンベアベルト55上
に蒸気透過性基材15をセットして,その上に水性樹脂
分散液と水硬性無機粉末又は非水硬性無機粉末の少なく
とも一方の無機粉末とを含有するバッキング材スラリー
21,31を連続的にシート状に成形する。次いで,そ
の上にカーペット基材12を連続的に重ねて積層物10
を形成し,該積層物10を移動させながら,加熱・乾燥
し,この際上記蒸気透過性基材15からも水蒸気215
を排出させて(図4A,B)連続的にカーペットを製造
する。
【0038】また,上記コンベアベルト55は,図4
(A)に示すごとく,その表面に水蒸気215を排出す
るための多数の溝部554を有している。この溝部55
4は,コンベアベルト55の表面をその長手方向に凹凸
状の波形状とすることにより形成してある。なお,上記
溝部554の深さは約1〜5mmである。
【0039】次に,製造装置は,四フッ化エチレン製の
コンベアベルト55と,スラリー状の第1バッキング材
スラリー21を入れた第1タンク2と,スラリー状の第
2バッキング材スラリー31を入れた第2タンク3と,
コンベアベルト55の下側に設けた電気ヒータ5とを有
する。
【0040】また,上記コンベアベルト55の上に,本
発明にかかる蒸気透過性基材15を供給するためのロー
ラ151を有する。また,カーペット基材12をバッキ
ング材の上へ供給するローラ群45,及び上記カーペッ
ト基材12の裏面に,カーペットの目止めのための塗布
剤49を塗布するディッピングロール41を有する。
【0041】そして,上記製造装置によりカーペット1
を製造するにあたっては,図1,図2に示すごとく,駆
動ローラ551によりコンベアベルト55を移動させ,
その上に不織布を用いた蒸気透過性基材15を連続的に
供給していく。次いで,該蒸気透過性基材15の上に,
第1タンク2よりスラリー状の第1バッキング材スラリ
ー21を連続供給し,ドクターナイフ53によりこれを
一定厚みとする。
【0042】次いで,一定厚みで送られてくる上記第1
バッキング材スラリー21上に,ローラ251を介して
ガラス不織布25を重ね,その後,該ガラス不織布25
上に,第2タンク3よりスラリー状の第2バッキング材
スラリー31を連続供給する。そして,該第2バッキン
グ材スラリー31の厚みを,ドクターナイフ54により
一定厚みとする。
【0043】次いで,上記第2バッキング材スラリー3
1上に,上記塗布剤49を塗布したカーペット基材12
を積層し積層物10とする。このとき押さえロール47
によりカーペット基材12を押圧する。次いで,上記の
ごとくして連続的に送られてくる積層物10の下側面
を,コンベアベルト55の下側より電気ヒータ5により
加熱する。
【0044】この加熱により,上記第1及び第2バッキ
ング材スラリー21,31が加熱,乾燥されると共に,
その中の水分が,水蒸気215となって,図4(A),
(B)に示すごとく,カーペット基材12から(図4
A),及び蒸気透過性基材15から排出される(図4
B).また,蒸気透過性基材15から排出された水蒸気
は,波状のコンベアベルト55の蒸気排出用の溝部55
4から,コンベアベルト55の横方向へ排出される(図
4B).このようにしてバッキング材スラリーは,硬化
して,バッキング材が形成される。これにより,上記図
3に示したカーペット1が製造できる。
【0045】次に,本例の作用効果につき説明する。本
例においては,コンベアベルト55上に蒸気透過性基材
15を置き,その上にバッキング材スラリー21,3
1,カーペット基材12を順次重ねて積層物10とな
し,該積層物10をコンベアベルト55により移動させ
ながら,加熱・乾燥を行なう。このとき,バッキング材
スラリーにおける水性樹脂分散液は,加熱・乾燥の熱に
より反応して,上記無機粉末と共にバッキング材を形成
する。このとき,バッキング材スラリー中の水分は,水
蒸気215として外部へ排出される(図4)。
【0046】そして,この水蒸気215は,上記積層物
10における上方側のカーペット基材12から排出され
ると共に,上記バッキング材スラリー21,31とコン
ベアベルト55との間に設けた蒸気透過性基材15か
ら,更にコンベアベルト55の溝部554から排出され
る。そのため,水蒸気の排出が効率的となり,上記積層
物の加熱・乾燥時間を大幅に短縮することができる。ま
た,そのため,バッキング材中に大きい気泡やふくれを
発生させることなく,生産性良くカーペットを製造する
ことができる。
【0047】実施形態例2 本例は,図5に示すごとく,コンベアベルトに蒸気排出
孔を設けた例である。即ち,本例のコンベアベルト55
は,その上面から下面に貫通する多数の蒸気排出孔55
3を有している,パンチングメタル製のベルトである。
該蒸気排出孔553は,直径約1〜5φmmの円孔であ
り,蒸気排出孔553のピッチは約2〜10mmであ
る。ベルトの円孔の開口比は大きい程良い。その他は,
実施形態例1と同様である。
【0048】本例によれば,蒸気透過性基材15へ向っ
た水蒸気215は,上記コンベアベルト55の蒸気排出
孔553より効率良く排出される。その他は,実施形態
例1と同様である。
【0049】次に,本発明の具体的実施例につき,比較
例と共に説明する。 実施例1 本例においては,上記実施形態例1に示した装置及び方
法を用いた。まず,カーペット基材12として,表基材
にポリエステル不織布を用いたナイロンタフテッドカー
ペット基材(坪量800g/m2)を用いた。そして,
該カーペット基材12の裏面に塗布剤49としてアクロ
ナールYJ2716D(三菱化学BASF社商品名,ア
クリル酸エステル−スチレン共重合体の水性エマルジョ
ン,固形分濃度:48wt%,Tg:24℃)を上記デ
ィッピングロール41により塗布した。上記基材用塗布
量は150g/m2(固形分換算)とした。
【0050】次に,バッキング材スラリーの調整は,ま
ず水性樹脂分散液として,アクロナールYJ3403D
(三菱化学BASF社製商品名,アクリル酸エステル−
スチレン共重合体の水性エマルジョン,固形分50wt
%,Tg:ー21℃)100重量部(固形分換算)に水
硬性無機粉末としてポルトランドセメント(三菱マテリ
アル社ポルトランドセメント)を200重量部,更に骨
材として非水硬性無機粉末である炭酸カルシウム(同和
鉱業社製KD−100)250重量部,セメント減水剤
マイティ150(花王社製商品名)4重量部,消泡剤ノ
プコNXZ(サンノプコ社製商品名)2重量部,更に粘
度調整用の水を30重量部添加した。次いで,これらを
撹拌機付き混合機で10分間混合し,スラリー濃度78
%の第1及び第2バッキング用スラリー21,31を得
た。
【0051】次に,エンドレスベルトであるコンベアベ
ルト55の上に,蒸気透過性基材15としてのポリエス
テル不織布(ユニチカ社製スパンボンド,坪量30g/
2)を載置しておく。蒸気透過性基材15は,コンベ
アベルト55の移動速度と同調するように,設備対応さ
れており,ベルトと同時に移動していく。
【0052】次にこのスラリー状の第1バッキング材2
1を,図1に示すごとく,第1タンク2よりコンベアベ
ルト55の上に流し込む,そして第1バッキング材スラ
リー21をドクターナイフ53により1.5mmの厚み
に調整する。コンベアベルト55はエンドレスで駆動し
ており,厚み制御された第1バッキング材21は均一な
シートとなり移動する。
【0053】次に,この第1バッキング材21の表面
に,補強用のガラス不織布(坪量:35g/m2)25
を載せる。更にこの上に第2タンク3からスラリー状の
第2バッキング材31を流し込み,ドクターナイフ54
により全体のシート厚みが2.5mmになるように厚み
設定をする。次に裏面に上記塗布剤49が塗布された上
記カーペット基材12をのせると共に,ロール47によ
り,6.5mmの厚みにコントロールして積層物10と
する。
【0054】上記積層物10は,コンベアベルト55に
乗せられたまま移動して電気ヒータ5の上にくる,ここ
で加熱・乾燥され,上記実施形態例1に示したごとく,
第1,第2バッキング材スラリー中の水分が蒸発揮散し
て硬化し,カーペット1となる。上記のバッキング材ス
ラリー中の水蒸気は,上記のごとく,表面側のカーペッ
ト基材12の方向及び,裏面側の蒸気透過性基材15の
方向へ排出される。また,蒸気透過性基材15側へ排出
された水蒸気はコンベアベルト55の蒸気排出用の溝部
554より排出される。
【0055】なお,熱板上での乾燥温度は140℃で時
間は10分である。そして,充分に乾燥・硬化されたカ
ーペット1は,図2に示すごとく,コンベアベルト55
から剥離され,更に次工程の熱風乾燥炉552により1
20℃,風量70m3/分の雰囲気で10分間充分に乾
燥され,その後冷却される。そして,その後,50cm
×50cmの大きさに打ち抜き加工される。
【0056】この打ち抜き加工されたカーペットの全体
厚みは6.5mmで,重量は950gでバッキング材中
の水分量は1.7重量%であった。バッキング材層の状
態は気泡は極小さく,膨れの箇所は全くなかった。
【0057】このタイルカーペットを実用上の性能試験
即ち寸法変化率,抜糸強度,ファズキャスターチェアー
による寸法の変化,そり等を行なった。その結果,全て
の項目につき,実用レベルをクリアした。なお,上記蒸
気透過性基材15を用いたことで柔軟性に影響を受ける
が,蒸気透過性基材なしのものと比べて,やや剛性のア
ップはあるが施工上問題となるレベルではなかった。
【0058】以上の実施例1の条件及び得られたカーペ
ットの性状につき,表1に示した。
【0059】実施例2〜4,比較例1〜3 表1に示す条件以外は,実施例1と同様として,カーペ
ットを製造した。また,表1には,実施例1〜4,比較
例1〜3に共通の下記事項は記載を省略した。即ち,カ
ーペット用目止め塗布剤は,上記YJ2716Dが15
0g/m2である。また,バッキング材スラリー(第
1,第2とも同じ)の組成は上記実施例1に示したごと
く,ポルトランドセメント200部(重量部,以下同
じ),炭酸カルシウム250部,アナクロナールYJ3
403Dが100部,マイティ150が4部,ノプコN
XZが2部,水30部である。また,スラリー厚みは
2.5mmである。
【0060】表1より知られるごとく,実施例2〜4
は,乾燥温度を更に20℃上げることにより,乾燥時間
を短くできることが分る(実施例2と実施例1とを比
較)。また,蒸気透過性基材としての不織布の厚み(重
量)を約2倍に変更しても乾燥時間に差はでなかった
(実施例3と1とを比較)。
【0061】一方,比較例1〜3は,蒸気透過性基材な
しの場合であるが,乾燥時間がかかること,温度を上げ
た時バッキング層間で,大きな気泡の発生と膨れの発生
があり商品として価値がなかった。
【0062】
【表1】
【0063】
【発明の効果】本発明によれば,バッキング材中に大き
い気泡やふくれの発生がなく,生産性に優れた,カーペ
ット及びその製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態例1における,カーペットの製造装置
の説明図。
【図2】実施形態例1における,カーペットの加熱・乾
燥工程の説明図。
【図3】実施形態例1における,カーペットの断面図。
【図4】実施形態例1における,加熱・乾燥時の水蒸気
排出状態を示す(A)側面図,(B)平面図。
【図5】実施形態例2における,コンベアベルト,及び
水蒸気排出状態を示す説明図。
【図6】従来例における,カーペットの加熱・乾燥工程
の説明図。
【符号の説明】
1...カーペット, 10...積層物, 15...蒸気透過性基材, 21...第1バッキング材スラリー, 210...第1バッキング材, 31...第2バッキング材スラリー, 310...第2バッキング材, 5...電気ヒータ, 55...コンベアベルト,
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3B120 BA02 DB01 EB30 4F100 AA01B AA01E AA08B AE02B AG00D AK12B AK12J AK25B AK25J AK41A AK41C AK48C AL01B AR00A BA03 BA04 BA05 BA07 BA10A BA10C BA13 CA30 DE01B DE01E DG06C DG12A DG15A DG15C DG15D EH462 EJ422 EJ862 EJ882 JA03A JA20A JB05B JB05E JD04A JM01B JM01E YY00A

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンベアベルト上に蒸気透過性基材をセ
    ットして,その上に水性樹脂分散液と水硬性無機粉末又
    は非水硬性無機粉末の少なくとも一方の無機粉末とを含
    有するバッキング材スラリーを連続的にシート状に成形
    し,次いで,その上にカーペット基材を連続的に重ねて
    積層物を形成し,該積層物を移動させながら,加熱・乾
    燥し,この際上記蒸気透過性基材からも水蒸気を排出さ
    せて連続的にカーペットを製造することを特徴とするカ
    ーペットの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1において,上記の蒸気透過性基
    材の厚みは,0.1〜2.0mmであることを特徴とす
    るカーペットの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において,上記蒸気透過
    性基材は,不織布又は織物であることを特徴とするカー
    ペットの製造方法。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項において,
    上記蒸気透過性基材は有機繊維を5重量%以上含有して
    いることを特徴とするカーペットの製造方法。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項において,
    上記蒸気透過性基材は,上記加熱・乾燥時に,カーペッ
    トの長さ方向に1〜10%収縮することを特徴とするカ
    ーペットの製造方法。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項において,
    上記コンベアベルトは蒸気排出孔を有することを特徴と
    するカーペットの製造方法。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項において,
    上記コンベアベルトは,その表面に蒸気排出用の多数の
    溝部を有していることを特徴とするカーペットの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 水性樹脂分散液と水硬性無機粉末又は非
    水硬性無機粉末の少なくとも一方の無機粉末とからなる
    バッキング材スラリーを加熱することにより形成したバ
    ッキング材と,該バッキング材の表面側に設けたカーペ
    ット基材とよりなるカーペットにおいて,上記バッキン
    グ材の裏面側には蒸気透過性基材を設けてなることを特
    徴とするカーペット。
  9. 【請求項9】 請求項8において,上記蒸気透過性基材
    は不織布又は織物であることを特徴とするカーペット。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010284226A (ja) * 2009-06-09 2010-12-24 Toyota Boshoku Corp フロア材及びその製造方法

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