JPH09291691A - カーペット及びその製造方法 - Google Patents

カーペット及びその製造方法

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JPH09291691A
JPH09291691A JP13115996A JP13115996A JPH09291691A JP H09291691 A JPH09291691 A JP H09291691A JP 13115996 A JP13115996 A JP 13115996A JP 13115996 A JP13115996 A JP 13115996A JP H09291691 A JPH09291691 A JP H09291691A
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JP
Japan
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carpet
backing material
fiber
fibers
resin
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JP13115996A
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English (en)
Inventor
Kenichi Fukushima
健一 福島
Naoyuki Kato
直行 加藤
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Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Chemical BASF Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂モルタル系バッキング材を使用したカーペ
ットであって、特定の方法を採用することにより、バッ
キング材スラリーに対しその作業性を損なうことなしに
比較的長い繊維を混入することが出来る工業的に有利な
カーペットの製造方法および当該方法によって初めて完
成された寸法安定性の高いカーペットを提供する。 【解決手段】カーペット用表基材と樹脂モルタル系バッ
キング材とから成るカーペットであって、上記のバッキ
ング材が、10〜70mmの繊維をバッキング材(固形
分)に対して0.5〜5重量%含有しているカーペッ
ト、および、加圧気体の流れによって樹脂モルタル系バ
ッキング材スラリーを平面上に噴出させてシート状にす
ると共に当該バッキング材スラリーの流れの中に繊維を
カッティングしつつ混入し、次いで、繊維混入シート状
バッキング材の表面にカーペット用表基材を重ね合わせ
た後、硬化・乾燥する上記カーペットの製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、カーペット及びそ
の製造方法に関するものであり、詳しくは、寸法安定性
の高い樹脂モルタル系のバッキング材でバッキングされ
たカーペット及びその工業的有利な製造方法に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】カーペットは、カーペット用表基材の裏
面にバッキング材を一体的に接合して製造される。そし
て、バッキング材としては、アスファルト系、塩化ビニ
ル系などが知られているが、アスファルト系バッキング
材は臭気がある等の欠点があり、塩化ビニル系バッキン
グ材は焼却廃棄時に塩化水素ガスが発生する等の欠点が
あるため、熱可塑性樹脂の水性エマルジョンと水硬性無
機粉末とを含有する樹脂モルタル系のバッキング材が奨
用されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、カーペット
は、店舗や住居の床に敷詰めて使用されるため、高い寸
法安定性が要求される。そのため、バッキング材中には
各種のネットや不織布が配置され、また、各種の繊維の
混入が検討されている。
【0004】しかしながら、ネットや不織布の場合、バ
ッキング材中の配置位置の安定化に問題があり、特に、
目の細かなネット等の場合は、当該ネットで遮断された
上下のバッキングの密着性に問題がある。一方、繊維は
カットされて使用されるが、その長さが比較的長い程に
繊維同士が絡み合って寸法安定性の改良効果が大きい。
しかしながら、繊維が長くなるに従い、上記の絡み合い
のためにバッキング材スラリーとの混合性が悪くなると
共にバッキング材スラリーの流動性が著しく低下して作
業性が低下する。従って、バッキング材スラリーに混入
される繊維の長さは、通常、5mm程度以下にせざるを
得ず、その結果、繊維同士の絡み合いが少なく寸法安定
性の改良効果が余り発現されない。
【0005】本発明は、上記実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、樹脂モルタル系バッキング材を使用
したカーペットであって、特定の方法を採用することに
より、バッキング材スラリーに対しその作業性を損なう
ことなしに比較的長い繊維を混入することが出来る工業
的に有利なカーペットの製造方法および当該方法によっ
て初めて完成された寸法安定性の高いカーペットを提供
することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の第1
の要旨は、カーペット用表基材と樹脂モルタル系バッキ
ング材とから成るカーペットであって、上記のバッキン
グ材が、10〜70mmの繊維をバッキング材(固形
分)に対して0.5〜5重量%含有していることを特徴
とするカーペットに存し、第2の要旨は、加圧気体の流
れによって樹脂モルタル系バッキング材スラリーを平面
上に噴出させてシート状にすると共に当該バッキング材
スラリーの流れの中に繊維をカットしつつ混入し、次い
で、繊維混入シート状バッキング材の表面にカーペット
用表基材を重ね合わせた後、硬化・乾燥することを特徴
とするカーペットの製造方法に存する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明を添付図面に基づき
詳細に説明する。図1は、本発明のカーペットの一例の
模式的説明図、図2は、本発明のカーペットの製造方法
の一例の概念的説明図、図3は、図2に示す突出ガンの
内部の構造の部分説明図である。
【0008】先ず、説明の便宜上、本発明の製造方法に
ついて説明する。カーペット用表基材としては、例え
ば、タフテッドカーペット、ニードルパンチカーペッ
ト、スパンボンド、織物、織布、不織布、雑フェルト等
が挙げられ、その素材には、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド等の合
成繊維、木綿、麻、羊毛などの天然繊維、ガラス繊維な
どが適宜使用される。ポリエステル不織布を一次基布と
するナイロンタフテッドカーペットは好適な表基材の一
つである。また、必要に応じて使用されるカーペット用
裏基材としては、上記と同様の基材の他、和紙などが挙
げられる。
【0009】上記の表基材および裏基材は、後述の硬化
・乾燥処理時の乾燥性を高めるため、その少なくとも一
方の基材として、好ましくは硬化・乾燥処理時に上側に
位置する基材として、透水性のある基材を使用するのが
好ましい。また、表基材と裏基材とは、カーペットの反
り防止の観点から、熱収縮率が互いに同程度となる様な
組合せ、または、裏基材の方が表基材よりも熱収縮率が
大きくなる様な組合せで使用するのが好ましい。
【0010】カーペット用表基材には、ガラス転移温度
(Tg)が−10〜50℃の樹脂(C)を含有する樹脂
水性エマルジョンを塗布するのが好ましい。Tgが−1
0℃未満の樹脂を含有する樹脂水性エマルジョンは、カ
ーペットの耐水性、耐収縮性、抜糸強度などを低下させ
る。逆に、Tgが50℃を超える樹脂を含有する樹脂水
性エマルジョンは、可塑剤を併用しても塗布層が硬くな
り、カーペットの折り曲げ時に表基材から充填剤などが
脱落し易くなる。上記の樹脂の好ましいTgは、0〜3
0℃であり、そのTgは、後述のバッキング材組成物に
使用される樹脂水性エマルジョンに含有される樹脂のT
gよりも10℃以上高いことが好ましい。
【0011】上記の樹脂(C)は、通常、乳化重合によ
って樹脂水性エマルジョンとして得られる。そして、単
量体としては、上記の樹脂(C)を得るため、種々のT
gのホモポリマーを与える各種の単量体から適宜選択さ
れる。
【0012】上記の単量体の一例は、そのホモポリマー
のTgと共に列挙すれば、次の通りである。すなわち、
アクリル酸(Tg:87℃)、アクリル酸エチル(−2
2℃)、アクリル酸n−プロピル(8℃)、アクリル酸
イソプロピル(−5℃)、アクリル酸n−ブチル(−5
4℃)、アクリル酸2−エチルヘキシル(−85℃)、
メタクリル酸(130℃)、メタクリル酸メチル(10
5℃)、メタクリル酸エチル(65℃)、メタクリル酸
n−プロピル(81℃)、メタクリル酸n−ブチル(2
0℃)、メタクリル酸2−エチルヘキシル(−5℃)、
酢酸ビニル(30℃)、アクリロニトリル(100
℃)、アクリルアミド(153℃)、塩化ビニル(79
℃)、塩化ビニリデン(−18℃)、無水マレイン酸
(130℃)、イタコン酸(130℃)、スチレン(1
00℃)の他、エチレン、ブタジエン等が挙げられる。
【0013】コポリマーの概略のTgは、ホモポリマー
のTgと共重合比率から推測し得るため、推測されるT
gに基づいてポリマーを設計して実験を繰り返すことに
より、容易に所望のTgを有するコポリマーの水性エマ
ルジョンを得ることが出来る。また、上記の樹脂水性エ
マルジョンは、市販品としても入手することが出来る。
斯かる商品としては、例えば、三菱化学BASF社製商
品「アクロナールYJ295DN」(アクリル酸エステ
ル−スチレン共重合体(Tg:21℃)含有水性エマル
ジョン)等が挙げられる。
【0014】上記の樹脂水性エマルジョンには、カーペ
ットの収縮を一層小さくし、また、適当な硬度を付与す
ることによりカーペット打ち抜き時の加工性を一層高め
る等の観点から、体質顔料を含有させることが出来る。
体質顔料の割合は、樹脂固形分100重量部に対し、通
常600重量部以下、好ましくは160〜400重量部
の範囲から選択される。
【0015】カーペット用表基材に対する樹脂水性エマ
ルジョンの塗布は、任意の方法で行うことが出来、塗布
量は、通常、樹脂固形分量として80〜450g/m2
の範囲とされる。
【0016】樹脂モルタル系バッキング材は、通常、樹
脂水性エマルジョン、水硬性無機粉末、非水硬性無機粉
末から主として構成され、水を含有するスラリーとして
調製される。そして、本発明においては、樹脂モルタル
系バッキング材中に繊維を混入する。
【0017】上記の樹脂水性エマルジョンに含有される
樹脂としては、Tgが−60〜5℃の樹脂(A)及び/
又はTgが5〜40℃の樹脂(B)が好ましい。特に、
これらの両者を含有する樹脂水性エマルジョンは、夏季
の高温から冬期の低温、すなわち、実用温度領域におい
て適性かつバランスした剛性を備えたカーペットを与え
る。樹脂(A)の好ましいTgは−45〜−10℃、樹
脂(B)の好ましいTgは7〜30℃である。
【0018】上記の各樹脂は、前述のカーペット用表基
材に塗布される樹脂水性エマルジョンと同様の方法によ
って調製することが出来、また、市販品としても入手す
ることが出来る。斯かる商品としては、例えば、三菱化
学BASF社の商品「アクロナールS400」(アクリ
ル酸エステル−スチレン共重合体(Tg:−21℃)含
有水性エマルジョン)、三菱化学BASF社の商品「ア
クロナール303D」(アクリル酸エステル−スチレン
共重合体(Tg:25℃)含有水性エマルジョン)等が
挙げられる。
【0019】樹脂(A)と樹脂(B)とを併用する場
合、両者の合計に対する樹脂(A)の割合が50〜85
重量%で樹脂(B)の割合が15〜50重量%の範囲が
好ましい。樹脂(A)の特に好ましい割合は60〜80
重量%、樹脂(B)の特に好ましい割合は20〜40重
量%である。樹脂(B)の割合が上記の範囲未満のバッ
キング材は、高温時に剛性が低くなり過ぎてカーペット
の施工性を悪化させる。逆に、樹脂(B)の割合が上記
の範囲を超えるバッキング材は、低温時に剛性が高くな
り過ぎてカーペットの床なじみ性を悪化させる。そし
て、床なじみ性の悪いカーペットは、床の不陸を吸収で
きずに部分的な浮きを発生する。
【0020】水硬性無機粉末としては、例えば、普通セ
メント、白色セメント、早強セメント、超早強セメント
等の所謂ポルトランドセメント、高炉セメント、シリカ
セメント、フライアッシュセメント等の所謂混合セメン
ト、アルミナセメント、石膏などが挙げられる。これら
の中では、ポルトランドセメント、特に、普通セメント
及び白色セメントが好適である。
【0021】水硬性無機粉末は、樹脂水性エマルジョン
100重量部(固形分)に対し、通常120〜400重
量部、好ましくは160〜300重量部の割合で使用さ
れる。水硬性無機粉末の割合が上記の範囲未満のバッキ
ング材は、カーペットの弾性、強度、寸法安定性を悪化
させる。逆に、水硬性無機粉末の割合が上記の範囲を超
えるバッキング材は、カーペットを硬くすると共にその
耐水変形性を悪化させる。
【0022】非水硬性無機粉末としては、例えば、炭酸
カルシウム、珪砂、タルク、クレー、水酸化アルミニウ
ム、その他各種の無機質体質顔料などが挙げられる。こ
れらの中では、炭酸カルシウム及び珪砂が好適である。
【0023】非水硬性無機粉末は、樹脂水性エマルジョ
ン100重量部(固形分)に対し、通常160〜600
重量部の割合、好ましくは200〜450重量部の割合
で使用される。非水硬性無機粉末の割合が上記の範囲未
満のバッキング材は、柔らか過ぎると共に粘着性を帯
び、カーペットの寸法安定性を悪化させる。逆に、非水
硬性無機粉末の割合が上記の範囲を超えるバッキング材
は、カーペットを硬くすると共にその耐水変形性を悪化
させる。なお、非水硬性無機粉末として、着色を目的と
する無機質顔料も使用されるが、その使用割合は、通
常、比較的少量である。
【0024】本発明において、バッキング材スラリー中
に混入される繊維としては、特に制限されないが、ガラ
ス繊維、カーボン繊維、金属繊維、各種の合成繊維、例
えば、ポリエステル繊維、ポリプロピレン繊維、ビニロ
ン繊維、ポリアミド繊維などが挙げられる。これらの中
では、ガラス繊維が好適である。また、通常、ガラス繊
維は、50〜200のフィラメントを20〜50本合糸
した収束繊維として使用され、収束剤としては、バッキ
ング材との密着性を高めるため、バッキング材の調製に
使用する樹脂と同様の樹脂を使用するのが好ましい。
【0025】本発明においては、バッキング材の任意成
分として、必要に応じ、シラスバルーンの様な発泡体粒
子を使用することが出来る。斯かる発泡体粒子は、体積
濃度が大きいため、通常、非水硬性無機粉末に対して1
5重量%以下の割合で使用される。更に、本発明におい
ては、必要に応じ、公知の配合成分、例えば、各種の繊
維粉末、消泡剤、可塑剤、増粘剤、防カビ剤、減水剤、
流動剤、硬化調整剤、湿潤剤、分散剤、乳化剤、凍結防
止剤、難燃剤などを使用することが出来る。
【0026】本発明のバッキング材スラリーの水は、樹
脂水性エマルジョンに由来する水のみでもよいが、通常
は、粘度調節のために別途に添加される。バッキング材
組成物中の水の割合は、通常、スラリー中の固形分濃度
として70〜85重量%の範囲であるが、粘性調整剤や
フィラーの種類などにより変化するため、装置に適合す
る流動性が得られる用に選択される。
【0027】本発明の製造方法においては、加圧気体の
流れによってバッキング材スラリーを平面上に噴出させ
てシート状にすると共に当該バッキング材スラリーの流
れの中に繊維をカットしつつ混入し、次いで、繊維混入
シート状バッキング材の表面にカーペット用表基材を重
ね合わせた後、硬化・乾燥する。
【0028】繊維混入バッキング材スラリーを噴出させ
てシート状にする平面としては、特に制限されないが、
適当な離型剤を塗布した板状体、フイルム、シート等の
平面が挙げられる。前述のカーペット用裏基材を使用す
る場合は、当該裏基材の平面が使用される。
【0029】離型剤としては、例えば、モルタルやコン
クリートの施行時に使用される離型油や離型グリース等
が挙げられる。離型剤を塗布する板状体としては、金属
板、ガラス板、セラミックス板、合成樹脂板、合板など
が挙げられ、フイルムやシートとしては、合成樹脂フイ
ルムやシートの他、紙や織物から成るシート、ガラスク
ロス、繊維クロス等が挙げられる。合成樹脂フイルムや
シートの場合は、シリコーン樹脂やフッ素処理を施すこ
とにより、また、紙や織物から成るシートの場合は、上
記の処理の他、離型性を付与したフイルムやシートのラ
ミネートにより、離型性を付与することが出来る。フッ
素樹脂などの離型性が良好な合成樹脂のシート(テフロ
ンシート)は、直接に使用することが出来る。
【0030】繊維混入バッキング材スラリーの平面上の
塗布厚さは、湿潤厚さとして、通常、0.5〜3mm、
好ましくは0.8〜2.5mmとされる。塗布厚さが上
記の範囲未満の場合は、薄すぎるためにカーペットのク
ッション性が悪くなり、床の凹凸の影響が出易く歩行時
の感触が悪くなる。逆に、塗布厚さが上記の範囲を超え
る場合は、後述の硬化・乾燥に長時間を要して生産性が
低下する。
【0031】図2に示す方法は、加圧気体によるバッキ
ング材スラリー(モルタル)と繊維との衝突混合手段に
突出ガン(1)を利用した方法である。図2に示す突出
ガン(1)は、下方の向けられた先端部に二重構造の噴
霧ノズル(2)を有し、内側の噴霧ノズルの上方にエア
ー駆動式繊維カッター(3)を配置し、その上方に繊維
供給管(4)と繊維噴霧用エアー供給管(5)を備え、
外側の噴霧ノズルの側方にモルタル供給ポンプ(7)に
接続したモルタル供給管(6)を備え、外側の噴霧ノズ
ルの上方にモルタル噴霧用エアー供給管(8)を備えた
構造を有する。
【0032】繊維カッター(3)は、図3に示す様に、
平行に配置されて相互に異方向に回転する2個のロール
と一方のロールの周方向に直立配置され且つ他方のロー
ルに対向する切断羽根とから主として構成される。そし
て、繊維供給管(4)から供給された繊維は、一方のロ
ールに配置された切断羽根と他方のロールとの間で切断
される。なお、図2中の符号(9)は繊維カッター
(3)の駆動用エアー供給管、(10)は収束繊維ロビ
ンを表す。
【0033】上記の突出ガン(1)の運転条件は、適宜
選択されるが、通常、モルタル噴霧用エアーの圧力は
0.5〜2.0kgf/cm2 、繊維カッター駆動用エ
アーの圧力は1.5〜4.0kgf/cm2 、繊維噴霧
用エアーの圧力は0.5〜3.0kgf/cm2 の範囲
とされる。
【0034】図2に示す方法においては、噴霧ノズル
(2)を出た後、加圧気体によるモルタルの流れとカッ
トされた収束繊維の流れとを激しく衝突させて両者を十
分に混合させ、得られた繊維混入バッキング材スラリー
(11)をテフロンシート(12)の平面上に噴霧させ
てシート状にする。テフロンシート(12)の平面上に
て繊維混入バッキング材スラリー(11)をシート状に
する方法としては、図2に例示する様に、噴霧ノズル
(2)の真下よりもテフロンシート(12)の搬送方向
の僅かな前方に押さえロール(13)(又はドクターナ
イフ等)を配置し、当該押さえロール(13)でテフロ
ンシート(12)の平面上に噴霧された繊維混入バッキ
ング材スラリー(11)を押し広げる方法の他、噴霧ノ
ズル(2)の開口部をスリット状とし、その長さをテフ
ロンシート(12)の幅と同程度にする方法、突出ガン
(1)を左右に移動させることによりテフロンシート
(12)の表面上に均一に繊維混入バッキング材スラリ
ー(11)を噴霧させる方法が挙げられる。
【0035】繊維混入シート状バッキング材(14)の
表面にカーペット用表基材(15)を重ね合わせる方法
としては、図2に例示する様に、ロール(17)の対向
位置にロール(18)を配置して一組のニップロールを
構成し、当該ニップロールの下流側からカーペット用表
基材(15)を送供し、繊維混入シート状バッキング材
(14)とカーペット用表基材(15)とを上記のニッ
プロールを通過させて軽く押圧処理する方法が好適に使
用される。
【0036】繊維混入シート状バッキング材(14)と
カーペット用表基材(15)との重ね合わせは、カーペ
ット用表基材(15)の前記塗布面によって行われ、繊
維混入シート状バッキング材(14)及びカーペット用
表基材(15)の塗布面が硬化・乾燥しないうちに行う
のが好ましい。斯かる押圧処理により、繊維混入シート
状バッキング材(14)とカーペット用表基材(15)
との密着性およびカーペットのパイル抜糸強度が高めら
れる。硬化・乾燥処理は、図2に示されていないが、7
0〜170℃の温度で行うのがよい。70℃よりも低い
温度では処理に長時間を要し、170℃より高い温度で
はバッキング材と表基材との間にフクレが生じる恐れが
ある。
【0037】上記の硬化・乾燥により、バッキング材と
カーペット用表基材が強固に一体的に接合したカーペッ
トが得られる。得られたカーペットは、そのまま使用し
てもよいし、所定の大きさ(例えば50cm×50c
m)に打ち抜き加工してもよい。
【0038】次に、本発明のカーペットについて説明す
る。本発明のカーペットは、前記の本発明の製造方法に
よって製造することが出来、そして、その最大の特徴
は、バッキング材が10〜70mmの繊維を0.5〜5
重量%含有している点にある。本発明の製造方法によれ
ば、バッキング材が含有する繊維の長さは任意に選択す
ることが出来る。しかしながら、繊維の長さが余りにも
短い場合は、繊維同士の絡み合いが少なく寸法安定性の
改良効果が十分ではない。一方、繊維の長さが余りにも
短い場合は、寸法安定性の改良効果が頭打ちとなる傾向
にあり且つ繊維のダマ出来て繊維含有バッキング材スラ
リーの作業性も低下する傾向にあるため、経済的ではな
い。そこで、本発明において、バッキング材が含有する
繊維の長さは、上記の様に限定される。繊維の長さの好
ましい範囲は、10〜50mmである。
【0039】また、バッキング材中の繊維の含有量が上
記の範囲未満の場合は、繊維による寸法安定性の改良効
果が十分ではない。逆に、繊維の含有量が上記の範囲を
超える場合は、バッキング材とのなじみが悪くなって層
間剥離が起こる。繊維の含有量の好ましい範囲は、1〜
3重量%である。
【0040】図1に示す様に、本発明のカーペット(1
6)においては、繊維(14a)同士が十分に絡み合っ
ており、そして、繊維(14a)がランダムに積層され
た構造となって且つその層間に樹脂モルタル材料(15
b)が充填された構造を有している。しかも、繊維(1
5a)が樹脂モルタル材料(14b)の全体に存在して
いる。従って、本発明におけるバッキング材(14)
は、ネット類を使用した従来のバッキング材とは構造的
に著しく異なる。すなわち、ネット類は、複数枚の使用
であってもランダムとなり得ずにモルタル材料(14
b)の一部(局部)にしか存在し得ない。本発明のカー
ペット(16)は、上記の様な構造的な特徴により、バ
ッキング材の引張強度、曲強度、耐圧荷重などが著しく
発現され、実用上問題となる経年の寸法収縮や反りが著
しく小さい。なお、図1中、符号(15)はカーペット
用表基材、(15a)はループ、(15b)は目止め層
を表す。
【0041】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。なお、以下の実施例お
よび比較例において、「部」は「重量部」、「%」は
「重量%」を表す。また、評価方法は次の通りである。
【0042】(1)引張強度:JIS K7113に準
拠して測定した。
【0043】(2)引張伸度(%):JIS K711
3に準拠して測定した(標線間の変化量より求めた)。
【0044】(3)寸法安定性:50℃で65%RHの
雰囲気下に48時間試験片を放置し、放置前後における
試験片の縦および横の寸法を測定し、その変化率で示し
た。
【0045】(4)キャスター試験:JIS L190
4−9に準拠して測定した(試験台を5000回転させ
て寸法変化率を測定した)。
【0046】実施例1 先ず、ポリエステル不織布を一次基布とするナイロンタ
フテッドカーペット(秤量:850g/m2 )を表基布
とし、これに以下の表基布用塗布剤を樹脂固形分が35
0g/m2 となる様に塗布してカーペット用基材を調製
した。表基布用塗布剤としては、アクリル酸エステル−
スチレン共重合体樹脂水性エマルジョン(三菱化学BA
SF社製商品「アクロナールYJ295DN」、樹脂固
形分量50%、Tg:21℃)を使用した。
【0047】次いで、アクリル酸エステル−スチレン共
重合体樹脂水性エマルジョン(三菱化学BASF社製商
品「アクロナールS400」、樹脂固形分57%、T
g:−21℃)85部(樹脂固形分換算)、アクリル酸
エステル−スチレン共重合体樹脂水性エマルジョン(三
菱化学BASF社製商品「アクロナール303D」、樹
脂固形分50%、Tg:25℃)15部(樹脂固形分換
算)、普通セメント(三菱マテリアル社製)200部、
炭酸カルシウム(同和鉱業社製商品「KD−80」)2
00部、水30部を攪拌機で凝集物が認められなくなる
まで約15分要して混合し、バッキング材スラリーを調
製した。
【0048】次いで、上記のバッキング材スラリーに混
入する繊維として、収束ガラス繊維(日本電気ガラス社
製商品「ARGファイバーAR2500−103タイ
プ」)を使用し、図2に示すと同様の方法により、次の
要領でカーペットを製造した。
【0049】すなわち、モルタル噴霧用エアーの圧力:
0.8kgf/cm2 、繊維カッター駆動用エアーの圧
力:2.9kgf/cm2 、繊維噴霧用エアーの圧力:
1.0kgf/cm2 の条件下に突出ガン(1)を操作
した。バッキング材スラリーの供給量は30L/mi
n.収束ガラス繊維の切断長は15mm、収束ガラス繊
維の供給量はバッキング材スラリーの固形分に対して3
%となる様に設定した。
【0050】切断された繊維およびバッキング材スラリ
ーを噴霧ノズル(2)から一定速度で移動するテフロン
シート(12)の平面上に噴霧させ、押さえロール(1
3)により、テフロンシート(12)の平面上に噴霧さ
れた繊維混入バッキング材スラリーを押し広げてシート
状にした。繊維混入シート状バッキング材及びカーペッ
ト用表基材の塗布面が硬化・乾燥しないうちに、繊維混
入シート状バッキング材の表面にカーペット用基材の塗
布面を重ね合わせ、ロール(17)及び(18)で軽く
押圧処理して積層体を得た。得られた積層体を100℃
に加熱し、同温度で30分間保持して乾燥、硬化させた
後、室温にて冷却してカーペットを得た。
【0051】次いで、得られたカーペットを50cm×
50cmサイズに打ち抜き加工し、重量3.7kg/m
2 、厚さ6.5mmのカーペットとした。得られたカー
ペットの評価結果を収束ガラス繊維の使用条件と共に表
1に示す。なお、表1および後述の表2中、繊維混合方
法に記載の符号Aは、本発明で規定する方法(衝突混
合)を意味し、符号Bは、バッキング材スラリーと収束
ガラス繊維とを加圧気体を利用せずに予め混合する従来
の一般的な混合(予備混合)を意味する(以下、同
じ)。
【0052】実施例2〜4及び比較例1〜5 実施例1において、収束ガラス繊維の使用条件を表1及
び表2に示す様に変更した以外は、実施例1と同様にカ
ーペットを得て評価した。結果を表1及び表2に示す。
【0053】
【表1】 実 施 例 1 2 3 4 繊維混合方法 A A A A 繊維長さ(mm) 15 50 30 30 繊維添加量(%) 3 3 1.5 5 引張強度(kg/cm2 ) 2 2.69 1.3 3.68 引張伸度(%) 7.6 9.6 15 7.5 寸法安定性:縦(%) -0.02 -0.03 -0.21 -0.03 :横(%) -0.06 -0.05 -0.18 -0.02キャスター 試験:縦(%) +0.02 +0.01 +0.09 +0.01 :横(%) +0.02 +0.02 +0.08 +0.01
【0054】
【表2】 比 較 例 1 2 3*1*2*3 繊維混合方法 無 A B A A 繊維長さ(mm) − 5 10 80 30 繊維添加量(%) − 1 1 1 6 引張強度(kg/cm2 ) 0.6 0.85 − − 3.32 引張伸度(%) 27.5 20.2 − − 5.0 寸法安定性:縦(%) -0.7 0.64 − − − :横(%) 0.5 0.78 − − −キャスター 試験:縦(%) +0.27 +0.24 − − − :横(%) +0.30 +0.21 − − −
【0055】表3中の各注記の意味は次の通りである。 *1:バッキング材スラリーと繊維との混合困難で且つ
繊維混入バッキング材スラリーに流動性が無かった。 *2:繊維の連続カット作業が困難で且つ繊維の絡み合
いが強くてダマとなりバッキング材スラリーと繊維との
混合物がシート状にならなかった。 *3:バッキング層の結合不良で層間剥離が起きた。
【0056】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、寸法安定
性の高い樹脂モルタル系カーペット及びその工業的有利
な製造方法が提供され、本発明の工業的価値は大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカーペットの一例の模式的説明図であ
る。
【図2】本発明のカーペットの製造方法の一例の概念的
説明図である。
【図3】図2に示す突出ガンの内部の構造の部分説明図
である。
【符号の説明】
1:突出ガン 2:噴霧ノズル 3:繊維カッター 4:繊維供給管 5:繊維噴霧用エアー供給管 6:モルタル供給管 7:モルタル供給ポンプ 8:モルタル噴霧用エアー供給管 9:繊維カッターの駆動用エアー供給管 10:収束繊維ロビン 11:繊維混入バッキング材スラリー 12:テフロンシート 13:押さえロール 14:繊維混入シート状バッキング材 14a:繊維 14b:樹脂モルタル材料 15a:ループ 15b:目止め層 15:カーペット用表基材 16:カーペット 17:ロール 18:ロール

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カーペット用表基材と樹脂モルタル系バ
    ッキング材とから成るカーペットであって、上記のバッ
    キング材が、10〜70mmの繊維をバッキング材(固
    形分)に対して0.5〜5重量%含有していることを特
    徴とするカーペット。
  2. 【請求項2】 加圧気体の流れによって樹脂モルタル系
    バッキング材スラリーを平面上に噴出させてシート状に
    すると共に当該バッキング材スラリーの流れの中に繊維
    をカットしつつ混入し、次いで、繊維混入シート状バッ
    キング材の表面にカーペット用表基材を重ね合わせた
    後、硬化・乾燥することを特徴とするカーペットの製造
    方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016509136A (ja) * 2012-12-10 2016-03-24 ヒギンス リサーチ アンド ディベロップメント,エルエルシーHiggins Research & Development, Llc 汎用バッキングを有する床被覆材及び製造、設置、及びリサイクルの方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016509136A (ja) * 2012-12-10 2016-03-24 ヒギンス リサーチ アンド ディベロップメント,エルエルシーHiggins Research & Development, Llc 汎用バッキングを有する床被覆材及び製造、設置、及びリサイクルの方法
JP2018153641A (ja) * 2012-12-10 2018-10-04 ヒギンス リサーチ アンド ディベロップメント,エルエルシーHiggins Research & Development, Llc 汎用バッキングを有する床被覆材及び製造方法

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