JP2000126943A - シリンダヘッドのバルブ回り部品の圧入方法及び同圧入装置 - Google Patents

シリンダヘッドのバルブ回り部品の圧入方法及び同圧入装置

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JP2000126943A
JP2000126943A JP10304378A JP30437898A JP2000126943A JP 2000126943 A JP2000126943 A JP 2000126943A JP 10304378 A JP10304378 A JP 10304378A JP 30437898 A JP30437898 A JP 30437898A JP 2000126943 A JP2000126943 A JP 2000126943A
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】 ストッカ60にバルブガイドG1及びバ
ルブシートS1を複数ペア収納し、ストッカ60のバル
ブガイドG1及びバルブシートS1の1ペアに圧入機の
先端治具52Aを差込みピックアップし、バルブガイド
G1及びバルブシートS1をシリンダヘッド80に圧入
し、圧入後のバルブガイドG1及びバルブシートS1か
ら先端治具52Aを引き抜き、ストッカ60へ戻すよう
にし、上記方法を繰返すことで、シリンダヘッド80の
所定箇所へバルブガイドG1及びバルブシートS1を圧
入する。 【効果】 例えば、気筒数が異なるシリンダであって
も、バルブの数が異なるシリンダであっても容易に適応
をすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はシリンダヘッドのバ
ルブ回り部品の圧入方法及び圧入装置に関する。
【0002】
【従来の技術】シリンダヘッドのバルブ回り部品の圧入
方法及び圧入装置として、例えば、特開平7−1368
65号公報「シリンダヘッドに対するバルブ回り部品の
圧入方法」が知られている。上記技術は、同公報図3に
よれば、スイング可能に治具台5を取付け、この治具台
5に治具プレート7を取付け、この治具プレート7上に
シリンダヘッドHを載置し、このシリンダヘッドHをク
ランプ装置26でクランプし、バルブガイド圧入装置P
aを下降させ吸気バルブ側のバルブガイドを圧入し、シ
ートリング圧入装置Pcを上昇させ吸気バルブ側のシー
トリングRを圧入する。そして、揺動軸3回りに治具台
5を回転させ、バルブガイド圧入装置Pbを下降させ排
気バルブ側のバルブガイドGを圧入し、シートリング圧
入装置Pdを上昇させ排気バルブ側のシートリングRを
圧入するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記技術は、
1気筒のシリンダヘッドHならばバルブガイドG及びシ
ートリングRを圧入できるものの、4気筒又は6気筒の
シリンダヘッドにバルブガイドG及びシートリングRを
圧入することはできない。例えば、4気筒又は6気筒の
シリンダヘッドにバルブガイドG及びシートリングRを
圧入する場合には、バルブガイド圧入装置Pa,Pb及
びシートリング圧入装置Pc,Pdを各気筒ごとに移動
させる必要がある。バルブガイド圧入装置Pa,Pbや
シートリング圧入装置Pc,Pdなどの4つの圧入装置
を移動させるためには、剛性の高い移動装置が必要にな
り、装置全体が大型になる。また、1気筒用のバルブガ
イド圧入装置Pa,Pb及びシートリング圧入装置P
c,Pdを各気筒ごとに設けたのでは、装置全体が大型
になるばかりでなく、種類の異なったシリンダに対応す
るためにセッティング時間がかかり、能率が悪い。
【0004】そこで、本発明の目的は、装置の大型化を
招くことなく、種類の異なったシリンダヘッドに容易に
対応することのできるシリンダヘッドのバルブ回り部品
の圧入方法及び圧入装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に請求項1は、ストッカにバルブガイド及びバルブシー
トを複数ペア収納する工程と、ストッカのバルブガイド
及びバルブシートの1ペアに圧入機の先端治具を差込み
ピックアップする工程と、ピックアップした1ペアのバ
ルブガイド及びバルブシートをシリンダヘッドまで移動
する工程と、シリンダヘッドの所定箇所へ圧入機の先端
治具を挿入することで、バルブガイド及びバルブシート
をシリンダヘッドに圧入する工程と、圧入後のバルブガ
イド及びバルブシートから先端治具を引き抜き、ストッ
カへ戻す工程とからなるシリンダヘッドのバルブ回り部
品の圧入方法である。
【0006】ストッカにバルブガイド及びバルブシート
を複数ペア収納し、ストッカのバルブガイド及びバルブ
シートの1ペアに圧入機の先端治具を差込みピックアッ
プし、バルブガイド及びバルブシートをシリンダヘッド
に圧入し、圧入後のバルブガイド及びバルブシートから
先端治具を引き抜き、ストッカへ戻すようにする。そし
て、上記方法を繰返して、シリンダヘッドの所定箇所へ
バルブガイド及びバルブシートを圧入する。
【0007】請求項2は、シリンダヘッドに圧入するバ
ルブガイド及びバルブシートを収納するストッカと、シ
リンダヘッドを支持するヘッド支持台と、ストッカから
バルブガイド及びバルブシートをピックアップして横移
動し、シリンダヘッドの所定箇所に圧入する圧入機とか
らなるシリンダヘッドのバルブ回り部品の圧入装置にお
いて、その圧入機に、バルブガイドの内径よりもやや大
径のニードル部と、バルブシートの内径とほぼ同径の円
筒部と、この円筒部にバルブシートの内周面に出没可能
にピン止めしたシーソ片と、このシーソ片の一端を弾性
的に押えシーソ片の他端を円筒部から突出させてバルブ
シートを押える弾性部材とからなる先端治具を交換可能
に取付けたことを特徴とする。
【0008】先端治具のニードル部でストッカに収納し
たバルブガイドをピックアップし、円筒部でストッカに
収納したバルブシートをピックアップし、このバルブシ
ートをシーソ片で押え、シリンダヘッドの所定箇所にバ
ルブガイド及びバルブシートを圧入する。すなわち、簡
易な構成でバルブシート及びバルブガイドをストッカか
らピックアップすることができる。また、圧入機に先端
治具を交換可能に取付け、先端治具を交換することで異
なるバルブガイド及びバルブシートに対応する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図1は本発明に係るシリンダヘッドのバル
ブ回り部品の圧入装置の斜視図である。シリンダヘッド
のバルブ回り部品の圧入装置1(以下、「圧入装置1」
と略記する)は、枠体2に移動可能に取付けたヘッド支
持台10と、枠体2に移動可能に取付けた圧入機として
の第1圧入機30A及び第2圧入機30Bと、枠体2に
移動可能に取付けたストッカ60と、ヘッド支持台1
0、第1圧入機30A、第2圧入機30B及びストッカ
60の動きを制御する制御部3とからなる。80は圧入
装置1のワークであるシリンダヘッドを示す。枠体2
は、ベッド5と、このベッド5に立てた支柱6…(…は
複数個を示す。以下同じ)と、これらの支柱6…の上部
に形成した上部フレーム7と、この上部フレーム7の一
部を支える補助支柱8,8とからなる。
【0010】図2は図1の2矢視図であり、圧入装置の
正面図を示す。ヘッド支持台10は、ベッド5に取付け
た移動機構11と、この移動機構11でスライドする支
持台本体12と、この支持台本体12に取付けたチルト
機構13とからなる。移動機構11は、ベッドに取付け
たレール15,15と、ベッド5に取付けたボールねじ
16と、このボールねじ16を回転させるモータ17と
からなる。ボールねじ16はプーリ18を備え、モータ
17はモータ軸17aにプーリ19を備え、これらのプ
ーリ18,19にベルト21で連結し、モータ17の回
転をボールねじ16に伝達する構成である。12aはボ
ールねじ16に嵌合させた支持台本体12の雌ねじ部で
ある。
【0011】チルト機構13は、支持台本体12に取り
付けた左・右のチルト受け部22a,22bと、これら
の受け部22a,22bにそれぞれ回転自在に取付けた
左・右回転軸23a,23bと、これらの左・右回転軸
23a,23bの内側に取付けたチルト台24と、左・
右回転軸23a,23bの外側にそれぞれ取付けた半円
の左・右ギヤ25a,25bと、これらの左・右ギヤ2
5a,25bにそれぞれ噛み合わせた左・右ラック26
a,26bと、これらの左・右ラック26a,26bを
スライドさせるために支持台本体12に取り付けた左・
右シリンダ27a,27bと、チルト台24の傾きを規
制するために支持台本体12に取り付けたストッパ27
とからなる。チルト台24は、一対のクランプ28,2
8を備えたものであり、これらのクランプ28,28
は、シリンダヘッド80を固定するものである。
【0012】図3は図2の3−3線断面図であり、圧入
装置1の側面図である。第1圧入機30Aは、後述する
ようにシリンダヘッド80の吸気側のバルブ回り部品を
圧入するための圧入機であり、枠体2に取付けた移動機
構31と、この移動機構31で移動させる圧入ユニット
32とからなる。移動機構31は、上部フレーム7に取
付けたレール35,35と、上部フレーム7に回転自在
に取付けたボールねじ36と、このボールねじ36を回
転させるモータ37とからなる。ボールねじ36はプー
リ38を備え、モータ37はモータ軸37aにプーリ3
9を備え、これらのプーリ38,39をベルト41で連
結し、モータ37の回転をボールねじ36に伝達する構
成である。32aは圧入ユニット32に形成したボール
ねじ36に嵌合させた雌ねじ部である。第2圧入機30
Bは、後述するようにシリンダヘッド80の排気側のバ
ルブ回り部品を圧入するための圧入機であって、第1圧
入機30Aと略同一構成であり、詳細な説明を省略す
る。
【0013】図4は本発明に係る第1圧入機の圧入ユニ
ットの断面図である。圧入ユニット32は、レール3
5,35にスライド可能に取付けたユニット・ベース4
2と、このユニット・ベース42の上部にジョイント部
43及び取付けケース44を介して取付けたサーボモー
タ45と、このサーボモータ45のモータ軸45aにカ
ップリング46a,46bを介して取付けたジョイント
軸47と、このジョイント軸47に取付けた雌ねじ部4
8と、この雌ねじ部48に嵌合させたボールねじ49
と、このボールねじ49の先端に取付けた圧入ヘッド部
51と、この圧入ヘッド部51に交換可能に取付けた先
端治具52Aとからなる。
【0014】なお、42a,42aはレール35,35
に嵌合させたレールガイド、53,53はジョイント軸
47,47を回転自在に支持するベアリング、54,5
4はユニット・ベース42に取付けたガイド、55,5
5はガイド54,54をスライドするガイドシャフト、
56は圧入ヘッド部51に収納した過負荷検出のための
荷重センサである。
【0015】図5は本発明に係る圧入ユニットの先端治
具の断面図である。先端治具52Aはドライバ形状の治
具であり、治具本体57と、この治具本体57に取付け
たシーソ片58と、このシーソ片58を一方に付勢する
弾性部材としてのOリング(オーリング)59,59と
からなる。なお、52Bは、第2圧入機30B(図3参
照)の先端治具であって先端治具52Aと略同一構成で
あり、詳細な説明を省略する。
【0016】治具本体57は、圧入ユニット32への取
付け部57aを形成し、この取付け部57aの下方にO
リング59,59を止める凹部57bを形成し、この凹
部57bの下方に後述するバルブシートS1の押圧部5
7cを形成し、この押圧部57cの下方にバルブシート
S1の内径とほぼ同径の円筒部57dを形成し、これら
の円筒部57d、押圧部57c及び凹部57bに渡って
スリット57eを形成し、円筒部57dの下方に後述す
るバルブガイドG1の押圧部57fを形成し、この押圧
部57fの下方にバルブガイドG1を支持するためにバ
ルブガイドG1の内径よりもやや大きいニードル部57
gを形成したものである。57hはシーソ片58を支持
する支持ピンである。
【0017】シーソ片58は、中間を支持ピン57eで
回転自在に取付け、一端58aをOリング59,59に
嵌合し、他端58bでバルブシートS1を支持するもの
である。換言すれば、先端治具52Aは、バルブガイド
G1の内径よりもやや大径のニードル部57gを形成
し、バルブシートS1の内径とほぼ同径の円筒部57d
を形成し、この円筒部57dにバルブシートS1の内周
面に出没可能にピン止めしたシーソ片58を取付け、こ
のシーソ片58の一端58aを弾性的に押えシーソ片5
8の他端58bを円筒部57dから突出させてバルブシ
ートS1を押えるOリング59,59を備えたものであ
る。
【0018】図6は本発明に係る圧入装置のストッカの
側面図である。ストッカ60は、枠体2に取付けたステ
ー61,61(奥側の61は不図示)と、これらのステ
ー61,61間に渡したレール62,62と、ブラケッ
ト63,63(奥側の63は不図示)を介してステー6
1,61間に取付けたロッドレスシリンダ64と、この
ロッドレスシリンダ64でレール62,62をスライド
するストッカ本体65とからなる。ロッドレスシリンダ
64は、シリンダ64aと、このシリンダ64aにスラ
イド可能に取付けたリング64bとからなり、このリン
グ64bに移動ベース68を固定し、この移動ベース6
8を移動するものである。ストッカ本体65は、レール
62をスライドする移動ベース68と、この移動ベース
68に支持部材69,69を介して取付けたストッカベ
ース71と、このストッカベース71に手前側に8個を
並べたストッカホルダ72a〜72h及び奥側8個を並
べたストッカホルダ(73a)〜(73h)とからな
る。
【0019】図7は本発明に係るストッカのストッカホ
ルダの断面図である。ストッカホルダ72aは、ストッ
カベース71にブッシュ74を介してスライド可能に取
付けた支持筒75と、この支持筒75の下部に捩じ込ん
だねじシャフト76と、このねじシャフト76を止める
ナット77と、支持筒75を上方に向って押上げるスプ
リング78と、支持筒75の中間に嵌合させた止め輪7
9とからなる。支持筒75は、バルブシートS1を支持
する支持部75aを形成し、バルブガイドG1を案内す
るテーパ部75bを形成し、バルブガイドG1をガイド
するガイド部75cを形成し、筒側面にバルブガイドG
1の位置確認のための窓75dを形成したものであり、
後述するバルブガイドG1及びバルブシートS1をスト
ックするものである。76aはバルブガイドG1を支持
するねじシャフト76の端面である。なお、図6に示す
ストッカホルダ72b〜72h及びストッカホルダ73
a〜73hは、ストッカホルダ72aと同一構成であ
り、詳細な説明を省略する。
【0020】図8は本発明に係る圧入装置のワークとし
てのシリンダヘッドの平面図であり、4気筒DOHC型
のエンジンのシリンダヘッド80を示す。シリンダヘッ
ド80は、ヘッド内に4つの気筒80A〜80Dを形成
し、1つの気筒80Aに2つの吸気バルブ(不図示)を
取付けるためにバルブガイド圧入部81a,81b及び
バルブシート圧入部82a,82bを形成し、2つの排
気バルブ(不図示)を取付けるためにバルブガイド圧入
部83a,83b及びバルブシート圧入部84a,84
bを形成したものである。気筒80B〜80Dについて
も同様であり、すなわち、シリンダヘッド80は、吸気
側として8個のバルブガイド圧入部81a〜81h及び
8個のバルブシート圧入部82a〜82hを形成し、排
気側として8個のバルブガイド圧入部83a〜83h及
びバルブシート圧入部84a〜84hを形成したもので
ある。
【0021】図9(a),(b)は図8の9−9線断面
図であり、バルブガイドG1,G2及びバルブシートS
1,S2をシリンダブロック80に圧入するときの状態
を示す。なお、G1は吸気側のバルブガイド、G2は排
気側のバルブガイド、S1は吸気側のバルブシート、S
2は排気側のバルブシートである。(a)において、吸
気側のバルブガイドG1及びバルブシートS1をシリン
ダヘッド80に圧入する。シリンダブロック80に吸気
側のバルブガイドG1及びバルブシートS1を圧入する
ときは、シリンダブロック80を傾斜させ、吸気側のバ
ルブガイド圧入部81aの中心とバルブシート圧入部8
2a中心とを結ぶ中心線を第1圧入機30Aの鉛直線に
一致させる。
【0022】(b)において、排気側のバルブガイドG
2及びバルブシートS2をシリンダヘッド80に圧入す
る。シリンダブロック80に排気側のバルブガイドG2
及びバルブシートS2を圧入するときは、シリンダブロ
ック80を逆向きに傾斜させ、排気側のバルブガイド圧
入部83a中心とバルブシート圧入部84aの中心とを
結ぶ中心線を第2圧入機30Bの鉛直線に一致させる。
【0023】以上に述べた圧入装置1の作用を次に説明
する。図10〜図12において、圧入装置1を用いてバ
ルブガイドG1,G2及びバルブシートS1,S2(図
9参照)をシリンダヘッド80に圧入する方法を説明す
る。図10(a),(b)は本発明に係る圧入装置の第
1作用説明図である。(a)において、ストッカ60に
バルブガイド及びバルブシートを複数ペア収納する工程
を実行する。すなわち、ストッカ60のストッカホルダ
72a〜72hに吸気側のバルブガイドG1及びバルブ
シートS1(図9参照)を1ペアずつストックし、スト
ッカホルダ73a〜73hに排気側のバルブガイドG2
及びバルブシートS2を1ペアずつストックする。
【0024】なお、(a)に示す圧入装置1は初期状態
であり、本図において圧入装置1の長手方向をX軸、長
手直角方向をY軸とするときに、ヘッド支持台10はY
軸に沿って移動可能であり、第1圧入機構30A及び第
2圧入機構30BはX軸に沿って移動可能であり、スト
ッカ60はY軸に沿って移動可能である。また、第1・
第2圧入機30A,30Bは、その初期位置をストッカ
ホルダ72a,73aを結ぶ直線Cに一致させて設定し
たものである。A1は第1圧入機30Aの移動ライン、
B1は第2圧入機30Bの移動ラインを示す。
【0025】(b)において、ヘッド支持台10にシリ
ンダヘッド80を取付ける。そして、第1圧入機30A
の先端治具52Aの鉛直線上にストッカ60のストッカ
ホルダ72aの中心が合致するまでストッカ60を矢印
の如く移動させる。すなわち、第1圧入機30Aの移
動ラインA1上にストッカホルダ72a〜72hを配置
する。
【0026】図11(a),(b)は本発明に係る圧入
装置の第2作用説明図である。(a)において、ストッ
カ60のバルブガイド及びバルブシートの1ペアに圧入
機の先端治具52Aを差込みピックアップする工程と、
ピックアップした1ペアのバルブガイド及びバルブシー
トをシリンダヘッド80まで移動する工程と、シリンダ
ヘッド80の所定箇所へ圧入機の先端治具52Aを挿入
することで、バルブガイド及びバルブシートをシリンダ
ヘッド80に圧入する工程と、圧入後のバルブガイド及
びバルブシートから先端治具52Aを引き抜き、ストッ
カ60へ戻す工程とを実行する。
【0027】すなわち、チルト機構13でシリンダヘッ
ド80を傾斜させ、図9で説明したように吸気側のバル
ブガイド圧入部81aの中心とバルブシート圧入部82
a中心とを結ぶ中心線を鉛直にすると共に、図11
(a)において、ヘッド支持台10を微調整して第1圧
入機30Aの移動ラインA1に合致させる。この状態で
ストッカホルダ72aのバルブガイドG1及びバルブシ
ートS1(図9参照)の1ペアに第1圧入機30Aの先
端治具52Aを差込みピックアップする。
【0028】次に、第1圧入機30Aを矢印の如く移
動し、ピックアップしたバルブガイドG1及びバルブシ
ートS1(図9参照)をシリンダヘッド80のバルブガ
イド圧入部81aとバルブシート圧入部82aまで移動
する。
【0029】そして、第1圧入機30Aを下降させて、
先端治具52Aをバルブガイド圧入部81aとバルブシ
ート圧入部82aに挿入することで、バルブガイドG1
及びバルブシートS1を圧入する。
【0030】圧入後、第1圧入機30Aの先端治具52
Aを上昇させ、バルブガイドG1及びバルブシートS1
から先端治具52Aを引き抜き、第1圧入機30Aをス
トッカ60のストッカホルダ72b位置まで矢印の如
く戻す。
【0031】そして、ストッカホルダ72bのバルブガ
イドG1及びバルブシートS1をピックアップし、それ
ぞれバルブガイド圧入部81bとバルブシート圧入部8
2bに圧入し、ストッカホルダ72c位置まで戻す。上
記動作を繰返すことで、ストッカ60のストッカホルダ
72c〜72hにストックしたバルブガイドG1及びバ
ルブシートS1を残りの6個のバルブガイド圧入部81
c〜81h及びバルブシート圧入部82c〜82hに圧
入する。
【0032】(b)において、第2圧入機30Bの先端
治具52Bの鉛直線上にストッカ60のストッカホルダ
73aの中心が合致するまでストッカ60を矢印の如
く移動させる。すなわち、第2圧入機30Bの移動ライ
ンB1上にストッカホルダ73a〜73hを配置する。
また、ヘッド支持台10を矢印の如く第2圧入機30
Bの移動ラインB1近傍まで移動させる。
【0033】図12は本発明に係る圧入装置の第3作用
説明図である。チルト機構13でシリンダヘッド80を
逆向きに傾斜させ、図9で説明したように排気側のバル
ブガイド圧入部83aの中心とバルブシート圧入部84
aの中心とを結ぶ中心線を鉛直にすると共に、図12に
おいて、ヘッド支持台10を微調整して第2圧入機30
Bの移動ラインB1に合せる。この状態で、図11
(a)で説明した第1圧入機30Aと同様な動きを第2
圧入機30Bにさせ、ストッカ60のストッカホルダ7
3a〜73hにストックした排気側のバルブガイドG2
及びバルブシートS2(図9参照)を排気側のバルブガ
イド圧入部83a〜83h及びバルブシート圧入部84
a〜84hに圧入する。
【0034】尚、実施例では、第1圧入機30Aで吸気
側のバルブガイドG1及びバルブシートS1を圧入し,
第2圧入機30Bで排気側のバルブガイドG2及びバル
ブシートS2を圧入したが、一基の圧入機で吸・排気側
のバルブガイド及びバルブシートを圧入するものであっ
てもよい。
【0035】
【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項1は、ストッカにバルブガイド及びバルブ
シートを複数ペア収納し、ストッカのバルブガイド及び
バルブシートの1ペアに圧入機の先端治具を差込みピッ
クアップし、バルブガイド及びバルブシートをシリンダ
ヘッドに圧入し、圧入後のバルブガイド及びバルブシー
トから先端治具を引き抜き、ストッカへ戻すようにした
ので、上記方法を繰返すことで、シリンダヘッドの所定
箇所へバルブガイド及びバルブシートを圧入することが
できる。例えば、気筒数が異なるシリンダであっても、
バルブの数が異なるシリンダであっても容易に適応をす
ることができる。
【0036】請求項2は、圧入機に備えた先端治具のニ
ードル部でストッカに収納したバルブガイドをピックア
ップし、円筒部でストッカに収納したバルブシートをピ
ックアップし、このバルブシートをシーソ片で押え、シ
リンダヘッドの所定箇所にバルブガイド及びバルブシー
トを圧入する。従って、簡易な構成でバルブシート及び
バルブガイドをストッカからピックアップすることがで
き、先端治具を安価に製作することができる。また、圧
入機に先端治具を交換可能に取付けたので、先端治具を
交換することで異なるバルブガイド及びバルブシートに
対応することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリンダヘッドのバルブ回り部品
の圧入装置の斜視図
【図2】図1の2矢視図
【図3】図2の3−3線断面図
【図4】本発明に係る第1圧入機の圧入ユニットの断面
【図5】本発明に係る圧入ユニットの先端治具の断面図
【図6】本発明に係る圧入装置のストッカの側面図
【図7】本発明に係るストッカのストッカホルダの断面
【図8】本発明に係る圧入装置のワークとしてのシリン
ダヘッドの平面図
【図9】図8の9−9線断面図
【図10】本発明に係る圧入装置の第1作用説明図
【図11】本発明に係る圧入装置の第2作用説明図
【図12】本発明に係る圧入装置の第3作用説明図
【符号の説明】
1…圧入装置、10…ヘッド支持台、30A,30B…
圧入機(第1・第2圧入機)、52A,52B…先端治
具、57d…円筒部、57g…ニードル部、58…シー
ソ片、、58a…一端、58b…他端、59…弾性部材
(Oリング)、60…ストッカ、80…シリンダヘッ
ド、G1,G2…バルブガイド、S1,S2…バルブシ
ート。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ストッカにバルブガイド及びバルブシー
    トを複数ペア収納する工程と、ストッカのバルブガイド
    及びバルブシートの1ペアに圧入機の先端治具を差込み
    ピックアップする工程と、ピックアップした1ペアのバ
    ルブガイド及びバルブシートをシリンダヘッドまで移動
    する工程と、シリンダヘッドの所定箇所へ圧入機の先端
    治具を挿入することで、バルブガイド及びバルブシート
    をシリンダヘッドに圧入する工程と、圧入後のバルブガ
    イド及びバルブシートから先端治具を引き抜き、ストッ
    カへ戻す工程とからなるシリンダヘッドのバルブ回り部
    品の圧入方法。
  2. 【請求項2】 シリンダヘッドに圧入するバルブガイド
    及びバルブシートを収納するストッカと、シリンダヘッ
    ドを支持するヘッド支持台と、前記ストッカからバルブ
    ガイド及びバルブシートをピックアップして横移動し、
    シリンダヘッドの所定箇所に圧入する圧入機とからなる
    シリンダヘッドのバルブ回り部品の圧入装置において、 前記圧入機に、バルブガイドの内径よりもやや大径のニ
    ードル部と、バルブシートの内径とほぼ同径の円筒部
    と、この円筒部にバルブシートの内周面に出没可能にピ
    ン止めしたシーソ片と、このシーソ片の一端を弾性的に
    押えシーソ片の他端を円筒部から突出させてバルブシー
    トを押える弾性部材とからなる先端治具を交換可能に取
    付けたことを特徴とするシリンダヘッドのバルブ回り部
    品の圧入装置。
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