JP2000125632A - 農産物収穫機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 農産物を栽培した畝Ａの表面Ｂ上の枯れた茎
葉や雑草等の非収穫物を排除し、非収穫物が掘取りコン
ベヤ13の無端搬送体12上に搬入されることなく農産物を
掘取り収穫でき作業能率を向上できる農産物収穫機を提
供する。 【解決手段】 農産物を掘取る掘取り刃４と、掘取り刃
４にて掘取られた農産物を後方に向かって搬送する回行
自在の無端搬送体12を有する掘取りコンベヤ13とを具備
する。掘取り刃４の前方に農産物を栽培した畝Ａの表面
Ｂ上の非収穫物を排除する非収穫物排除体７を設けた。
非収穫物排除体７は畝Ａの表面Ｂに対して上下方向に位
置調節可能にした。非収穫物排除体７は畝Ａの幅方向に
間隔をおいて並設した上下方向の複数の非収穫物排除細
線61を有し、複数の非収穫物排除細線61は畝Ａの表面Ｂ
に対向する下端側をそれぞれ自由端65として独立した。
複数の非収穫物排除細線61は弾性変形可能である。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は農産物収穫機に係
り、たとえば、こんにゃく芋等の塊茎類の農産物を収穫
するものに関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、この種の農産物収穫機としては、
たとえば、農産物を掘取る掘取り刃を設け、この掘取り
刃の後方にこの掘取り刃にて掘取られた農産物を後方に
向かって搬送する回行自在の無端搬送体を有する掘取り
コンベヤを設け、この掘取りコンベヤの無端搬送体の搬
出端部の後方にこの無端搬送体の搬出端部から搬出され
る農産物を収容するコンテナを載置する荷台を設ける構
成が知られている。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】前記従来の農産物収穫
機の構成では、掘取り刃にて順次掘取られた農産物は、
掘取りコンベヤの無端搬送体上に順次搬入されて搬送さ
れるとともに、この無端搬送体の搬出端部から搬出され
て荷台上のコンテナ内に順次収容されるものであるが、
この掘取り刃にて農産物を順次掘取るときに、これらの
農産物を栽培した畝の表面上に枯れた茎葉や雑草等の雑
物のような非収穫物が存在すると、これらの非収穫物が
掘取りコンベヤの無端搬送体上に搬入されコンテナ内に
収容されるので、このコンテナ内から非収穫物を取り除
く作業が必要になり、手数を要するという問題がある。

【０００４】そこで、掘取り刃にて農産物を掘取るとき
に、これらの農産物を栽培した畝の表面上の非収穫物が
掘取りコンベヤの無端搬送体上に搬入されることを防ぐ
ために、農産物を掘取る作業前に畝の表面上の非収穫物
を排除することが考えられるが、この非収穫物を排除す
る手数を要するとともに、この非収穫物を排除する作業
機器が必要になるという問題がある。

【０００５】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、農産物を栽培した畝の表面上の枯れた茎葉や
雑草等の雑物のような非収穫物を排除し、これらの非収
穫物が掘取りコンベヤの無端搬送体上に搬入されること
なく農産物を掘取り収穫できることを可能にし、作業能
率を向上できる農産物収穫機を提供することを目的とす
るものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】請求項１記載の農産物収
穫機は、農産物を掘取る掘取り刃と、この掘取り刃にて
掘取られた農産物を後方に向かって搬送する回行自在の
無端搬送体を有する掘取りコンベヤとを具備し、前記掘
取り刃の前方に前記農産物を栽培した畝の表面上の非収
穫物を排除する非収穫物排除体を設けたものである。

【０００７】そして、農産物収穫機が進行されると、掘
取り刃の前方の非収穫物排除体が農産物を栽培した畝の
表面に沿って進行されるとともに、この非収穫物排除体
にて農産物を掘取る位置の畝の表面上から非収穫物が順
次排除される。

【０００８】また、掘取り刃にて農産物が順次掘取られ
ると、これらの農産物が掘取りコンベヤの無端搬送体上
に順次搬入されるとともにこの無端搬送体にて後方に向
かって搬送され、この無端搬送体の搬出端部から搬出さ
れる。

【０００９】そして、掘取り刃にて農産物が順次掘取ら
れるときは、この掘取り刃にて農産物を掘取る位置の畝
の表面上の非収穫物が予め非収穫物排除体にて排除され
ているため、非収穫物が掘取りコンベヤの無端搬送体上
に搬入されることがなく、掘取りコンベヤの無端搬送体
上には農産物だけが順次搬入される。

【００１０】請求項２記載の農産物収穫機は、請求項１
記載の農産物収穫機において、非収穫物排除体は、畝の
表面に対して上下方向に位置調節可能にしたものであ
る。

【００１１】そして、非収穫物排除体を畝の表面に対し
て上下方向に位置を調節することにより、この非収穫物
排除体の位置を農産物を栽培した畝の表面上の非収穫物
を排除する適正位置に配置できる。そして、掘取り刃に
て農産物を掘取る位置の畝の表面上から非収穫物排除体
にて非収穫物が順次確実に排除される。

【００１２】請求項３記載の農産物収穫機は、請求項１
または２記載の農産物収穫機において、非収穫物排除体
は、畝の幅方向に間隔をおいて並設された上下方向の複
数の非収穫物排除細線を有し、これらの複数の非収穫物
排除細線は畝の表面に対向する下端側がそれぞれ自由端
として独立しているものである。

【００１３】そして、非収穫物排除体にて畝の表面上の
非収穫物を排除するときは、畝の幅方向に間隔をおいて
並設された複数の非収穫物排除細線のそれぞれが独立し
た下端側にて農産物を掘取る位置の畝の表面上から非収
穫物が順次確実に排除される。

【００１４】また、複数の非収穫物排除細線は下端側が
それぞれ自由端として独立しているので、これらの複数
の非収穫物排除細線の自由端のそれぞれが農産物を栽培
した畝の表層部に挿入した状態で進行することにより、
これらの複数の非収穫物排除細線の独立したそれぞれの
自由端にて農産物を掘取る位置の畝の表層部の非収穫物
を掻き集めながら進行し、これらの複数の非収穫物排除
細線にて農産物を掘取る位置の畝の表面上から非収穫物
が更に確実に排除される。

【００１５】請求項４記載の農産物収穫機は、請求項３
記載の農産物収穫機において、複数の非収穫物排除細線
は、弾性変形可能に形成したものである。

【００１６】そして、農産物を掘取る位置の畝の表面上
から非収穫物を排除するとき、複数の非収穫物排除細線
が弾性により畝の表面形状に倣って進行し、これら複数
の非収穫物排除細線にて農産物を掘取る位置の畝の表面
上の非収穫物が十分に掻き集められ、農産物を掘取る位
置の畝の表面上から非収穫物が確実に排除される。

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面を参照して説明する。

【００１８】１は自走式の農産物収穫機で、この農産物
収穫機１は、収穫機本体２と、この収穫機本体２に設け
られた農産物搬送装置３と、この農産物搬送装置３の前
端側に設けられた掘取り刃４と、この掘取り刃４の前方
に設けられた接地輪５を左右に有する畝追従装置６と、
この畝追従装置６の前方側で前記掘取り刃４の前方に設
けられ農産物を栽培した畝Ａの表面Ｂ上の枯れた茎葉や
雑草等の雑物のような非収穫物を排除する非収穫物排除
体７とを備えている。

【００１９】前記収穫機本体２は、走行フレーム８を有
し、この走行フレーム８の下部にクローラ９が設けら
れ、前記走行フレーム８の上部に前記クローラ９及び前
記農産物搬送装置３に出力する原動機構（図示せず）が
搭載されているとともに、前記走行フレーム８の一側上
部に前記原動機構を操作して前記クローラ９及び前記農
産物搬送装置３を作動させる操縦機器を有する操縦席
（図示せず）が設けられている。

【００２０】また、前記走行フレーム８の両側上部に相
対して側枠10がそれぞれ一体に立設され、この相対する
側枠10間に位置して前記走行フレーム８上に支枠11が一
体に立設され、この支枠11の後方に位置して前記走行フ
レーム８の後端部にコンテナを載置する荷台（図示せ
ず）が昇降自在に設けられている。

【００２１】つぎに、前記農産物搬送装置３は、前記掘
取り刃４にて掘取られた農産物を後方としての後側上方
に向かって搬送する回行自在の無端搬送体12を有する掘
取りコンベヤ13と、この掘取りコンベヤ13の無端搬送体
12の搬送側に対向して設けられこの無端搬送体12の搬送
側の搬入部に農産物を送り込むとともに、この無端搬送
体12上の農産物を支えて移動する複数の送込み体14を有
する農産物搬送補助体15と、前記支枠11に設けられ前記
掘取りコンベヤ13の無端搬送体12の搬出端部から搬出さ
れる農産物を搬入し選別して前記荷台上のコンテナ内に
搬出する選別コンベヤ（図示せず）とを有している。

【００２２】また、前記掘取りコンベヤ13は、前記支枠
11の前端部に支軸にて回動可能に支持された前後方向に
延在するコンベヤレーム16を有し、このコンベヤレーム
16は前記走行フレーム８の前端部に設けられたリンク機
構及びこのリンク機構を支持したシリンダー装置（図示
せず）にて前記支枠11の前端部の支軸を中心に上下方向
に回動可能に支持されている。そして、前記リンク機構
及びシリンダー装置にて前記コンベヤレーム16は前端側
が畝に向かって低くなるように傾斜した状態に支持され
ている。

【００２３】そして、前記無端搬送体12は、前記コンベ
ヤレーム16の前端部に回転自在に軸支された従動ローラ
と前記コンベヤレーム16の後端部に回転自在に軸支され
た駆動ローラとの間に回行自在に掛け回され、この無端
搬送体12にて農産物を後側上方に向かって搬送するよう
になっている。前記無端搬送体12は、前記前後の従動ロ
ーラと駆動ローラとの間に相対して掛け回された一対の
無端ベルト17と、この一対の無端ベルト17間に土をふる
い落とす間隔をおいて回転自在に並設された左右方向に
延在する複数の搬送杆18とを有している。

【００２４】また、前記農産物搬送補助体15は、前記コ
ンベヤレーム16の上方に離間位置してこのコンベヤレー
ム16に前後の固定板19にて固定された前後方向に延在す
る補助体フレーム20と、この補助体フレーム20に前記無
端搬送体12の一対の無端ベルト17の上方に離間対向して
相対して設けられ前記一対の無端ベルト17の搬送側に対
向する側の移動方向を同一方向として回行移動される一
対の無端回行体21と、この一対の無端回行体21間に所定
の間隔をおいて設けられた前記複数の送込み体14とを有
している。

【００２５】前記一対の無端回行体21は、前記無端搬送
体12の一対の無端ベルト17の従動ローラの上方に位置し
て前記補助体フレーム20の前端部に回転自在に軸支され
た従動ローラと、前記無端搬送体12の一対の無端ベルト
17の駆動ローラの上方に位置して前記補助体フレーム20
の後端部に回転自在に軸支された駆動ローラとの間に回
行自在に掛け回されている。

【００２６】また、前記複数の送込み体14は、一対の無
端回行体21に所定の間隔をおいて相対して回動可能に取
り付けられた一対の支持アーム22の先端部間に支持され
ている。また、前記複数の送込み体14は、前記無端搬送
体12の幅方向すなわち左右方向に延在した横長矩形状に
形成されている。

【００２７】また、前記掘取りコンベヤ13の駆動ローラ
及び農産物搬送補助体15の駆動ローラは前記原動機構か
らの出力により回転駆動されるように前記原動機構に連
動媒体を介して連動連結されている。そして、前記掘取
りコンベヤ13の前記無端搬送体12はこの無端搬送体12の
搬送側が後側上方に向かって回行され、この無端搬送体
12の搬送側に対向する側に位置する前記農産物搬送補助
体15の複数の送込み体14は前記無端搬送体12の搬送側の
移動方向と同一方向で、かつ、この無端搬送体12の搬送
側と同速で回行移動されるようになっている。

【００２８】つぎに、前記掘取り刃４は、前記コンベヤ
レーム16の先端部に固定された掘取り刃固定側板23に固
定され、この掘取り刃４は、先端側に刃先24を有し、後
端側に土をふるい落とす間隔25を形成して並設するとと
もに、農産物を前記無端搬送体12上に案内するフォーク
状の複数のガイド26を有している。

【００２９】つぎに、前記畝追従装置６は、前記搬送コ
ンベヤ13のコンベヤフレーム16に取り付けられる機枠27
と、この機枠27に設けられ畝に追従して走行する前記接
地輪５と、この接地輪５を上下動調節するシリンダー装
置28とを有している。

【００３０】前記機枠27は、可動フレーム29と、リンク
機構30とを有し、前記可動フレーム29は、前記掘取り刃
４の前上方に位置して左右方向に延在した前側フレーム
部31と、この前側フレーム部31の両端部に相対して固定
され前後方向に延在した両側フレーム部32とを有して平
面視略コ字形状に形成されている。そして、前記両側フ
レーム部32が前記コンベヤフレーム16の両側部に支軸33
にて上下方向に回動自在に軸支されている。

【００３１】また、前記可動フレーム29の両側フレーム
部32の両端下部に下方に向かって延在した支持アーム34
がそれぞれ固定され、これら支持アーム34の下端部に前
記掘取り刃４の前方に位置して前記接地輪５がそれぞれ
回転自在に軸支され、これら接地輪５は前記掘取り刃４
に先行して畝溝に接地し畝に追従して走行するようにな
っている。

【００３２】また、前記リンク機構30は、両側に配置す
る第１のリンク片35と、両側に配置する第２のリンク片
36とを有し、前記第１のリンク片35の一端部は前記コン
ベヤレーム16の先端部に支軸37にてそれぞれ回動自在に
軸支され、これら第１のリンク片35の他端部に支軸38に
て前記第２のリンク片36の一端部がそれぞれ回動自在に
軸支され、これら第２のリンク片36の他端部間に左右方
向に延在した連杆39の両端部がそれぞれ固定され、前記
両側の第２のリンク片36の他端部が前記可動フレーム29
の前側フレーム部31の両端部に支軸40にてそれぞれ回動
自在に軸支されている。

【００３３】さらに、前記シリンダー装置28の本体41が
前記両側フレーム部32の一方側に突設された取付片42に
支軸43にて回動自在に軸支され、このシリンダー装置28
の本体41に対して進退自在のロッド44の先端部が前記一
方側の第２のリンク片36からこの第２のリンク片36に直
交する方向に水平状に突出されたロッド取付軸45に回動
自在に軸支されている。

【００３４】そして、前記シリンダー装置28のロッド44
が本体41に対して進退されることにより、前記リンク機
構30を介して前記可動フレーム29が前記コンベヤフレー
ム16の先端部の支軸37を中心として上下方向に回動され
るとともに、この可動フレーム29の前側フレーム部31の
両端部の支持アーム34に軸支された両側の接地輪５がそ
れぞれ上下動され、この両側の接地輪５がそれぞれ畝溝
に接地し畝に追従して走行する所定の位置に調節される
ようになっている。

【００３５】また、前記シリンダー装置28にて前記リン
ク機構30を介して前記両側の接地輪５がそれぞれ上下動
調節されることにより、前記掘取り刃４が農産物を掘取
る所定の掘取り位置に深浅調節されるようになってい
る。

【００３６】つぎに、前記両側の第２のリンク片36のう
ち、その一方側の第２のリンク片36の外側に前記シリン
ダー装置28にて前記リンク機構30を介して前記掘取り刃
４を深浅調節したときの深度を表示する深度表示手段46
が設けられている。

【００３７】前記深度表示手段46は、前記一方側の第２
のリンク片36の外側に位置して前記前側フレーム部31の
端部上に固定された取付け部材47を介して固定された上
下方向の支持アーム48と、この支持アーム48の上端部に
固定され表面に目盛りを表示した円弧状の表示板49と、
前記一方側の第２のリンク片36の外側に前記表示板49の
表面に向かって突出固定されこの表示板49の表面の目盛
りを指示する指針50とを有している。

【００３８】そして、前記シリンダー装置28にて前記リ
ンク機構30を介して前記両側の接地輪５がそれぞれ上下
動調節されることにより、前記掘取り刃４が農産物を掘
取る所定の掘取り位置に深浅調節されるとき、前記シリ
ンダー装置28のロッド44にて前記一方側の第２のリンク
片36が支軸40を中心として前後方向に回動されるととも
に、この一方側の第２のリンク片36に突出固定された指
針50が表示板49の表面の目盛りに沿って移動され、この
指針50にて前記掘取り刃４を深浅調節したときの深度を
表示板49の表面の目盛りを指示して表示するようになっ
ている。

【００３９】つぎに、前記非収穫物排除体７は、前記畝
追従装置６の可動フレーム29の前側フレーム部31の両側
に離間して固定される両側の可動機枠51にて畝Ａの表面
に対して上下方向に位置調節可能に設けられている。

【００４０】前記両側の可動機枠51は、前記前側フレー
ム部31に固定された上下方向の第１の固定リンク52と、
この第１の固定リンク52と平行で前記非収穫物排除体７
に固定される上下方向の第２の固定リンク53と、前記第
１の固定リンク52と第２の固定リンク53との上端部に支
軸54にてそれぞれ回動自在に軸支された前後方向の第１
の可動リンク55と、この第１の可動リンク55と平行で前
記第１の固定リンク52と第２の固定リンク53との下端部
に支軸56にてそれぞれ回動自在に軸支された前後方向の
第２の可動リンク57とを有して可動自在の平行四辺形状
に形成され、この平行四辺形状の対角位置の一方側の前
記支軸56に一端部が回動自在に軸支されているととも
に、他端側が他方側の前記支軸54に着脱可能に軸支し可
動機枠51を可動不能に固定する第３の固定リンク58とを
有している。

【００４１】また、前記第３の固定リンク58は、他端側
にこの第３の固定リンク58の長さ方向に所定の間隔をお
いて前記支軸54に選択的に軸支される複数の軸挿通孔59
をそれぞれ有している。

【００４２】そして、前記前側フレーム部31に対して両
側の可動機枠51にて前記非収穫物排除体７を畝Ａの表面
Ｂに対して上下方向に位置を調節し、この非収穫物排除
体７にて畝Ａの表面Ｂ上の枯れた茎葉や雑草等の雑物の
ような非収穫物を排除する状態に設定することにより、
これら可動機枠51が可動変形した状態で、前記第３の固
定リンク58の他端側の選択した一つの軸挿通孔59に前記
支軸54をそれぞれ挿通することにより、両側の可動機枠
51がそれぞれ固定されるとともに、非収穫物排除体７が
位置固定されるようになっている。

【００４３】つぎに、非収穫物排除体７は、前記両側の
可動機枠51の第２の固定リンク53に固定された左右方向
の断面矩形状の固定プレート60と、この固定プレート60
にこの固定プレート60の長さ方向すなわち畝Ａの幅方向
に間隔をおいて並設された上下方向の複数の非収穫物排
除細線61と、これらの複数の非収穫物排除細線61を前記
固定プレート60との間に挟持固定する挟持板62と、この
挟持板62を前記固定プレート60に固定する複数の固定ね
じ63とを有している。

【００４４】前記固定プレート60は、この固定プレート
60の長さ方向に所定の間隔をおいてこの固定プレート60
の上面に開口し前記複数の固定ねじ63をそれぞれねじ込
む複数のねじ孔64がそれぞれ形成されている。

【００４５】前記複数の非収穫物排除細線61は、畝Ａの
表面Ｂに対向する下端側がそれぞれ自由端65として独立
して形成されている。また、前記複数の非収穫物排除細
線61は、弾性変形可能に形成されている。

【００４６】すなわち、前記複数の非収穫物排除細線61
は、所定の間隔をおいて平行状に配置した上下方向の２
本の非収穫物排除細線61を一組とする複数組を畝Ａの幅
方向に間隔をおいて並設され、これら一組の２本の非収
穫物排除細線61は、所定の長さのピアノ線等の細線材を
二つ折りに略Ｕ字形状に折り曲げて形成され、その二つ
折りに折り曲げた折り曲げ部に形成され前記固定プレー
ト60に嵌合する嵌合部66と、この嵌合部66から下方に向
かって伸長し畝Ａの表面Ｂに対向する下端側がそれぞれ
自由端65として独立した直線状部67と、これらの直線状
部67の上端側で前記嵌合部66の近傍に位置して直線状部
67をそれぞれ環状に巻回して直線状部67を弾性変形可能
にした弾性リング部68とを有している。

【００４７】前記挟持板62は、この挟持板62の長さ方向
に所定の間隔をおいて前記固定プレート60の各ねじ孔64
に連通し前記固定ねじ63を挿通する複数の挿通孔69をそ
れぞれ有している。

【００４８】そして、前記固定プレート60にこの固定プ
レート60の長さ方向に所定の間隔をおいて前記各組の非
収穫物排除細線61の嵌合部66をそれぞれ嵌合し、これら
各組の非収穫物排除細線61の直線状部67をそれぞれ略同
じ間隔をおいて並設した状態で、かつ、これら各組の非
収穫物排除細線61の弾性リング部68を固定プレート60の
下側に配置した状態で、これらの各組の非収穫物排除細
線61の嵌合部66上に挟持板62を当接する。

【００４９】また、この挟持板62の各挿通孔69から固定
プレート60各ねじ孔64に固定ねじ63をそれぞれねじ込ん
で固定することにより、各組の非収穫物排除細線61の嵌
合部66が固定プレート60と挟持板62との間に挟持固定さ
れる。そして、固定プレート60から各組の非収穫物排除
細線61の直線状部67がそれぞれ同じ長さで下方に向かっ
て垂直状に突出され、これら各直線状部67の自由端65は
同じ位置でそれぞれ独立している。

【００５０】そして、前記固定プレート60に嵌合部66が
固定された前記複数の非収穫物排除細線61は、畝Ａの表
面Ｂに対向する下端側がそれぞれ自由端65として独立し
て形成されている。また、前記複数の非収穫物排除細線
61は、それぞれの前記弾性リング部68にて前後方向に弾
性変形可能に形成されている。

【００５１】つきに、前記実施の形態の作用を説明す
る。

【００５２】農産物を栽培した畝Ａの端部の両側の畝溝
に農産物収穫機１の畝追従装置６の両側の接地輪５及び
クローラ９をそれぞれ接地してこの畝Ａを跨ぐように農
産物収穫機１を移動した状態を収穫作業のスタート位置
とする。

【００５３】また、農産物を掘取る畝Ａの状況等により
掘取りコンベヤ13の先端側の掘取り刃４を深浅調節する
必要があるときは、シリンダー装置28を作動すると、こ
のロッド44が本体41に対して進退され、リンク機構30を
介して可動フレーム29が前記コンベヤフレーム16の先端
部の支軸37を中心として上下方向に回動される。

【００５４】そして、この可動フレーム29の前側フレー
ム部31の両端部の支持アーム34に軸支された両側の接地
輪５がそれぞれ上下動され、この両側の接地輪５がそれ
ぞれ畝溝に接地し畝Ａに追従して走行する所定の位置に
調節され、この両側の接地輪５にて掘取り刃４が農産物
を掘取る所定の掘取り深さ位置に深浅調節され、かつ、
両側の接地輪５にて深浅調節された掘取り刃４の進行深
度を維持するゲージ輪として畝溝にそれぞれ接地する。

【００５５】また、シリンダー装置28にてリンク機構30
を介して両側の接地輪５がそれぞれ上下動調節されるこ
とにより、掘取り刃４が農産物を掘取る所定の掘取り深
さ位置に深浅調節されるとき、シリンダー装置28のロッ
ド44にて一方側の第２のリンク片36が支軸40を中心とし
て前後方向に回動されるとともに、この一方側の第２の
リンク片36に突出固定された指針50が表示板49の表面の
目盛りに沿って移動され、この指針50にて掘取り刃４を
深浅調節したときの深度が表示板49の表面の目盛りを指
示して表示される。

【００５６】さらに、非収穫物排除体７を高さ調節する
必要があるときは、非収穫物排除体７の両側の可動機枠
51に設けた第３の固定リンク58の他端側を第２の固定リ
ンク53の上端部の支軸54からそれぞれ外す。そして、非
収穫物排除体７を上下動調節することにより、両側の可
動機枠51の第１の可動リンク55及び第２の可動リンク57
がそれぞれ上下に回動されて両側の可動機枠51がそれぞ
れ可変可動される。

【００５７】そして、この非収穫物排除体７の複数の非
収穫物排除細線61の下端部の自由端65が畝Ａの表面Ｂ上
または畝Ａの表面Ｂの表層部に僅かに挿入した状態に位
置されたとき、両側の可動機枠51に設けた第３の固定リ
ンク58の他端側の選択した位置の軸挿通孔59に第２の固
定リンク53の上端部の支軸54を挿通することにより、こ
れら第３の固定リンク58にて両側の可動機枠51がそれぞ
れ可変可動不能に固定される。

【００５８】そして、この両側の可動機枠51にて非収穫
物排除体７の複数の非収穫物排除細線61の下端部の自由
端65が畝Ａの表面Ｂ上または畝Ａの表層部に僅かに挿入
した状態に固定される。すなわち、非収穫物排除体７の
複数の非収穫物排除細線61の下端側の自由端65が農産物
を栽培した畝Ａの表面Ｂ上の非収穫物を排除する適正位
置に固定される。

【００５９】つぎに、農産物収穫機１がクローラ９によ
り進行されると、この農産物収穫機１の畝追従装置６の
両側の接地輪５が畝Ａに追従して回転進行し、この両側
の接地輪５により農産物収穫機１が畝Ａに沿って進行さ
れる。

【００６０】また、農産物収穫機１が前進されるととも
に、この農産物収穫機１の走行フレーム８に設けられた
原動機構が作動されると、原動機構からの出力により、
掘取りコンベヤ13の無端搬送体12の搬送側が後側上方に
向かって回行され、この無端搬送体12の搬送側に対向す
る側に位置する農産物搬送補助体15の複数の送込み体14
が掘取りコンベヤ13の無端搬送体12の搬送側の移動方向
と同一方向で、かつ、この無端搬送体12の搬送側と同速
で回行移動される。

【００６１】すなわち、各送込み体14が掘取りコンベヤ
13の無端搬送体12の搬送側に対向した状態では、各送込
み体14の下端部が掘取りコンベヤ13の無端搬送体12の搬
送側に近接する状態で、これら各送込み体14が掘取りコ
ンベヤ13の無端搬送体12の搬送側と同方向の後側上方に
向かって同速で回行される。

【００６２】そして、農産物収穫機１が進行されること
により、非収穫物排除体７の複数の非収穫物排除細線61
の下端側の自由端65が農産物を栽培した畝Ａの表面Ｂ上
の非収穫物を排除する適正位置に固定された状態で、こ
の畝Ａの表面Ｂに沿って進行されるとともに、これら複
数の非収穫物排除細線61の下端側にて農産物を掘取る位
置の畝Ａの表面Ｂ上の枯れた茎葉、雑草等の雑物のよう
な非収穫物が順次前方に向かって掻き集められながら農
産物を掘取る位置の畝Ａの表面Ｂ上から排除される。

【００６３】また、非収穫物排除体７の複数の非収穫物
排除細線61の下端側の自由端65が畝Ａの表層部に僅かに
挿入した状態が進行することにより、これらの複数の非
収穫物排除細線61の独立したそれぞれの自由端65にて農
産物を掘取る位置の畝Ａの表層部の非収穫物が順次前方
に向かって掻き集められながら農産物を掘取る位置の畝
Ａの表面Ｂ上から排除される。

【００６４】また、農産物を掘取る位置の畝Ａの表面Ｂ
上から非収穫物を排除するとき、複数の非収穫物排除細
線61が弾性により畝Ａの表面形状に倣って進行し、これ
ら複数の非収穫物排除細線61にて農産物を掘取る位置の
畝Ａの表面Ｂ上の非収穫物が十分に掻き集められ、農産
物を掘取る位置の畝Ａの表面Ｂ上から非収穫物が確実に
排除される。

【００６５】このとき、複数の非収穫物排除細線61は下
端側の自由端65が土等の抵抗を受けると、複数の非収穫
物排除細線61がそれぞれの弾性リング部68にて前後方向
に弾性変形して進行され、すなわち後方側に弾性変形し
ても直ちに前方側に弾性復帰して、これら複数の非収穫
物排除細線61の下端側にて畝Ａの表面Ｂ上の非収穫物が
農産物を掘取る位置の畝Ａの表面Ｂ上から確実に排除さ
れる。

【００６６】また、複数の非収穫物排除細線61の下端側
の自由端65が畝Ａの表層部に僅かに挿入した状態が進行
しても、農産物は畝Ａの表層部より土中深くで成育して
いるため、これら複数の非収穫物排除細線61の下端側の
自由端65にて農産物を損傷することがない。

【００６７】つぎに、掘取り刃４の刃先24が土中を所定
の深さで進行してこの掘取り刃４にて農産物が順次掘取
られ、これら農産物が掘取り刃４の各ガイド26にて各間
隔25から土をふるい落としながら掘上げられるととも
に、農産物搬送補助体15の各送込み体14にて掘取りコン
ベヤ13の無端搬送体12の搬送側の搬入部上に順次送り込
まれ、これらの農産物が各送込み体14にて支えられて掘
取りコンベヤ13の無端搬送体12の搬送側にて後側上方に
向かって順次搬送される。

【００６８】そして、掘取り刃４にて農産物が順次掘取
られるときは、この掘取り刃４にて農産物を掘取る位置
の畝Ａの表面Ｂ上の非収穫物が予め複数の非収穫物排除
細線61にて排除されているため、非収穫物が掘取りコン
ベヤ13の無端搬送体12上に搬入されることがなく、掘取
りコンベヤ13の無端搬送体12上には農産物だけが順次搬
入される。

【００６９】また、農産物搬送補助体15の各送込み体14
は掘取りコンベヤ13の無端搬送体12の搬送側と同方向で
かつ同速で回行移動されていることにより、これら各送
込み体14にて農産物が掘取りコンベヤ13の無端搬送体12
の搬送側にスムーズに送り込まれて搬入され、これらの
農産物が各送込み体14にて確実に支えられ掘取り刃４側
の前側下方に向かって転がり落ちることがなく、掘取り
コンベヤ13の無端搬送体12にて後側上方に向かって確実
に搬送され、これら農産物が転がり落ちることがないの
で、これら農産物が擦られて損傷することが防止され
る。

【００７０】また、各農産物が各送込み体14にて支えら
れて掘取りコンベヤ13の無端搬送体12にて後側上方に向
かって搬送されるとき、各農産物とともに無端搬送体12
の搬送側に送り込まれ土塊及び各農産物の付着した土が
無端搬送体12の各搬送杆18の間の各間隔からふるい落と
されながら後側上方に向かって搬送される。

【００７１】そして、各農産物が各送込み体14にて支え
られて掘取りコンベヤ13の無端搬送体12にて後側上方に
向かって搬送されるとともに、この無端搬送体12の搬出
端部から選別コンベヤ上に搬出され、これらの農産物が
選別コンベヤ上で選別されるとともに、この選別コンベ
ヤの搬出端部から荷台上のコンテナ内に搬出されて収容
される。そして、コンテナ内には所定の農産物だけが収
容され、非収穫物が予め複数の非収穫物排除細線61にて
排除されているため、コンテナ内には収容されることが
なく、したがって、コンテナ内から非収穫物を取り除く
作業も必要がない。

【００７２】

【発明の効果】請求項１の発明によれば、掘取り刃の前
方に設けた非収穫物排除体にて農産物を栽培した農産物
を掘取る位置の畝の表面上の枯れた茎葉や雑草等の雑物
のような非収穫物を農産物を掘取る前に確実に排除で
き、非収穫物が掘取りコンベヤの無端搬送体上に搬入さ
れることを確実に防止でき、掘取りコンベヤの無端搬送
体上には農産物を搬入して搬送することができ、農産物
の収穫前後に雑物のような非収穫物を取り除く作業の必
要がなく、したがって、作業能率を向上できる。

【００７３】請求項２の発明によれば、請求項１の発明
の効果に加え、非収穫物排除体を畝の表面に対して上下
方向に位置を調節することにより、この非収穫物排除体
の位置を農産物を栽培した畝の表面上の非収穫物を排除
する適正位置に配置でき、掘取り刃にて農産物を掘取る
位置の畝の表面上から非収穫物排除体にて非収穫物を確
実に排除できる。

【００７４】請求項３の発明によれば、請求項１または
２の発明の効果に加え、畝の幅方向に間隔をおいて並設
された複数の非収穫物排除細線の独立した下端側にて農
産物を掘取る位置の畝の表面上から非収穫物を掻き集め
る状態で確実に排除でき、また、複数の非収穫物排除細
線は下端側がそれぞれ自由端として独立しているので、
これらの複数の非収穫物排除細線の自由端のそれぞれを
農産物を栽培した畝の表層部に挿入した状態で進行する
ことにより、これらの複数の非収穫物排除細線の独立し
たそれぞれの自由端にて農産物を掘取る位置の畝の表層
部の非収穫物を掻き集めながら進行でき、これらの複数
の非収穫物排除細線にて農産物を掘取る位置の畝の表面
上から非収穫物が更に確実に排除できる。

【００７５】請求項４の発明によれば、請求項３の発明
の効果に加え、複数の非収穫物排除細線が弾性により畝
の表面形状に倣って進行し、これら複数の非収穫物排除
細線にて農産物を掘取る位置の畝の表面上の非収穫物を
十分に掻き集めることができ、農産物を掘取る位置の畝
の表面上から非収穫物を確実に排除できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施の形態を示す農産物収穫機の斜
視図である。

【図２】同上非収穫物排除体を示す拡大側面図である。

【図３】同上非収穫物排除体の正面図である。

【図４】同上非収穫物排除体の一部の分解斜視図であ
る。

【図５】同上非収穫物排除体及び掘取り刃の作動状態を
示す説明図である。

【図６】同上非収穫物排除体の作業状態を示す説明図で
ある。

【符号の説明】

４ 掘取り刃 ７ 非収穫物排除体 12 無端搬送体 13 掘取りコンベヤ 61 非収穫物排除細線 65 自由端 Ａ 畝 Ｂ 畝の表面

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 農産物を掘取る掘取り刃と、この掘取り
   刃にて掘取られた農産物を後方に向かって搬送する回行
   自在の無端搬送体を有する掘取りコンベヤとを具備し前
   記掘取り刃の前方に前記農産物を栽培した畝の表面上の
   非収穫物を排除する非収穫物排除体を設けたことを特徴
   とする農産物収穫機。
2. 【請求項２】 非収穫物排除体は、畝の表面に対して上
   下方向に位置調節可能にしたことを特徴とする請求項１
   記載の農産物収穫機。
3. 【請求項３】 非収穫物排除体は、畝の幅方向に間隔を
   おいて並設された上下方向の複数の非収穫物排除細線を
   有し、これらの複数の非収穫物排除細線は畝の表面に対
   向する下端側がそれぞれ自由端として独立していること
   を特徴とする請求項１または２記載の農産物収穫機。
4. 【請求項４】 複数の非収穫物排除細線は、弾性変形可
   能であることを特徴とする請求項３記載の農産物収穫
   機。