JP2000122043A - 液晶光変調器とその製造法 - Google Patents

液晶光変調器とその製造法

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JP2000122043A
JP2000122043A JP28825698A JP28825698A JP2000122043A JP 2000122043 A JP2000122043 A JP 2000122043A JP 28825698 A JP28825698 A JP 28825698A JP 28825698 A JP28825698 A JP 28825698A JP 2000122043 A JP2000122043 A JP 2000122043A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 液晶を充填するためのギャップ形成工程を要
せず均一・大面積な構造が可能で、しかも、配向欠陥が
発生せず、外部応力にも強く、かつ高速、高コントラス
トで光変調を行うことができる液晶光変調器を提供す
る。 【解決手段】 液晶光変調器は、自発分極を持ちカイラ
ルスメクティックC相を示す強誘電性液晶と3次元網目
状の合成樹脂からなる液晶・樹脂複合体と、それぞれ透
明電極が形成され該透明電極を内側にして液晶・樹脂複
合体を挟みかつそれぞれの透明電極が液晶・樹脂複合体
に固着している2枚の透明基板と、2つの透明電極に両
極性の直流電圧を印加する電圧源とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は液晶を用いて光強
度を変調する液晶光変調器に関し、特に表示パネルの軽
量化や大型化に有利なフラットディスプレイ用の液晶光
変調器に関する。
【0002】
【従来の技術】液晶に電界を加えて、液晶分子の配列状
態を変化させるという液晶の電気光学効果を応用すると
光変調器が実現できる。液晶光変調器は、他の電気光学
効果を示す光学結晶に比べて低電圧で動作し、また比較
的大きな面積のものを作ることができるため、ディスプ
レイ用の電気光学素子として近年注目されている。
【0003】このような液晶光変調器の一つとして、自
発分極を持ち、カイラルスメクティックC相を示す強誘
電性液晶を2枚の透明電極間の狭いギャップ(3μm以
下)に充填し、液晶分子の配列方向(配向)を安定化し
た表面安定化強誘電性液晶がある。この場合、液晶分子
は、基板の水平面内で配列変化し、数十〜数百マイクロ
秒の高速な光変調機能をもつため、高速動作が求められ
るフラットディスプレイに好適である。
【0004】従来の強誘電性液晶を用いた光変調器とし
て、以下のような液晶光変調器が提案されている。
【0005】(1)図4に示した液晶光変調器では、2
枚のガラス基板5a、5bのそれぞれに透明電極4a、
4bが形成され、さらにその上にポリイミド樹脂の配向
膜12a、12bが設けられている。このようなガラス
基板5a、5bをシール樹脂13a、13bを介して貼
り合わせて微小ギャップを形成した後、その中に強誘電
性液晶1を充填する。このタイプの液晶セルは表面安定
型強誘電性液晶と呼ばれる。液晶光変調器は、偏光方向
が互いに直交する2つの偏光板9a、9bに挟まれてい
る。直流駆動電源8からリード線6a、6bを介して透
明電極4a、4bに印加される電圧の極性や強度により
入力光10に対する液晶の光透過率が制御され、その結
果、変調された出力光11が得られる。(文献:N.A.Cl
ark and S.T.Lagerwall; Appl.Phys.Lett., vol.36, n
o.11, pp.899-901 (1980)) (2)図5に示した液晶光変調器では、図4の光変調器
と同様に、ポリイミド樹脂の配向膜12a 、12b が設けら
れた透明電極4a、4b付きのガラス基板5a、5bを用いて、
シール樹脂13a 、13b を介して微小ギャップを形成した
後、その中に強誘電性液晶と微量(数%)の合成樹脂が
分子オーダーで混ざりあった液晶・樹脂相溶体14を充
填したものである。その他の構成は図4の光変調器と同
様である。(文献:S.Kataoka, Y.Iimura and S.Kobaya
si; SID Dig., 28, 3, pp.,699-702(1996) ) (3)図6に示した液晶光変調器は、透明電極4b付き
の透明基板5bに、強誘電性の液晶高分子15を塗布製
膜した上で、もう一枚の透明電極4a付きの透明基板5
aで挟み込んだ構造である。(文献:T.Sekiya. K.Yuas
a, S.Uchida, S.Hachiya, K.Hashimoto, and K.Kawasak
i; Liquid Crystals, vol.14, pp.1255-1267 (1993) ) (4)図7に示した液晶光変調器は、回転楕円体状の強
誘電性液晶1の小滴が分散された合成樹脂2が透明電極
4a、4b付きの透明基板5a、5bの間に挟まれた構
造である。(文献:H.Molsen and H.S.Kitzerow; J.App
l.Phys., vol.75,pp.710-716 (1994))
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記の光変調器は以下
に述べるような問題を抱えている。
【0007】(1)図4に示した第1の従来例では、均
一かつ大面積に微小ギャップを形成するのが困難であ
り、液晶充填時に配向欠陥を生じ配向の面内均一性が劣
るとともに、外部応力によってギャップが容易に変形し
て液晶の分子配列が崩れやすい。そのために変調特性が
不安定になる。また、均一なギャップを保持するために
堅いガラス基板が必要となるため、光変調器の大型化に
伴って重量が増大する。
【0008】(2)図5に示した第2の従来例では、分
散された微量のポリマーによる矯正効果により配向欠陥
は解消するものの、外部応力に対する脆弱性をはじめ、
図4の光変調器と同様に、ギャップの制御や重量の増加
の課題が残る。
【0009】(3)図6に示した第3の従来例では、シ
ール樹脂によるギャップ形成が不要で、塗布工程により
均一かつ大面積な液晶膜が製膜可能になるとともに、堅
固な高分子液晶が透明基板を支持するため、外部応力に
対しても堅固な構造となる。しかし、強誘電性液晶が高
分子で分子量が極めて大きいため、応答時間がミリ秒オ
ーダーと動作速度が大幅に制限される。
【0010】(4)図7に示した第4の従来例では、合
成樹脂により透明基板が支持されるとともに、合成樹脂
の回転楕円体状に異方性化した小孔形態により、液晶分
子の配向が促される。しかし、合成樹脂の壁面(小孔の
面)での液晶の不完全な分子配向や、液晶の小滴(数μ
m径)の光散乱により、光変調のコントラスト低下が避
けられない。
【0011】そこで、本発明は上記の点を鑑みてなされ
たもので、その目的とするところは、液晶を充填するた
めのギャップ形成工程を要せず均一・大面積な構造が可
能で、しかも、配向欠陥が発生せず、外部応力にも強
く、かつ高速、高コントラストで光変調を行うことがで
きる液晶光変調器を提供すること、および簡単な製造工
程によって上述した液晶光変調器を製造する方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
ために、本発明による液晶光変調器は、自発分極を持ち
カイラルスメクティックC相を示す強誘電性液晶と3次
元網目状の合成樹脂からなる液晶・樹脂複合体と、それ
ぞれ透明電極が形成され該透明電極を内側にして前記液
晶・樹脂複合体を挟みかつ該透明電極が前記液晶・樹脂
複合体に固着している2枚の透明基板と、2つの前記透
明電極に両極性の直流電圧を印加する電圧源とを有する
ことを特徴とする。
【0013】本発明による液晶光変調器の製造法は、2
枚の透明基板のそれぞれに形成された透明電極の少なく
とも一方に液晶とモノマーの混合液を塗布する工程、前
記2枚の透明基板を透明電極を内側にしてかつ前記塗布
された混合液を挟んで密着させる工程および前記モノマ
ーを重合する工程を有することを特徴とする。
【0014】本発明では、低分子の強誘電性液晶内に、
合成樹脂を高濃度に分散し、その混合液を透明基板に形
成された透明電極に塗布して堅固な液晶・樹脂複合体を
形成することにより、第1、第2の従来例におけるシー
ル樹脂を用いたギャップ制御が不要になり、均一かつ大
面積な光変調器の製作が可能になる。
【0015】さらに、本発明では、合成樹脂自体の分子
が配向するとともに、液晶・樹脂複合体が延伸した網目
状に異方性化して、液晶分子の配向を促すため、光変調
器作製時の液晶の配向欠陥が生じ難く、従って、面内の
均一性が優れ、第1の従来例の欠点が解決される。
【0016】さらに、本発明では、合成樹脂の強い配向
規制力により、均一な液晶分子の配向が得られるため、
第4の従来例と異なって高いコントラスト比が得られ
る。
【0017】本発明では、自己支持性の液晶・樹脂複合
体を用いるため、堅固なガラス基板の代わりに柔軟なプ
ラスティック基板あるいは極めて薄いガラス基板を用い
ることができ、光変調器の重量を第1、第2の従来例に
比較して大幅に軽減することができる。
【0018】さらに、本発明では、液晶・樹脂複合体が
基板を堅固に支持するとともに、合成樹脂が強誘電性液
晶を保護する構造のため、第1、第2の従来例と異なっ
て、外部応力がかかっても液晶の分子配向が崩れにく
い。
【0019】さらに、本発明では、高分子でなく低分子
の強誘電性液晶が光変調を担うため、第3の従来例と比
較して格段に高速な応答動作が得られる。
【0020】また、網目状の合成樹脂の繊維の太さを入
射光の波長以下とすることにより、光散乱がほとんど生
じなくすることができ、従ってコントラストの低下がな
い。
【0021】
【発明の実施の形態】以下に本発明の実施の形態を説明
する。
【0022】図1は本発明による液晶光変調器の一実施
例の構成を示す模式的断面図である。本実施例の液晶光
変調器では、カイラルスメクティックC相を示す強誘電
性液晶1の中に3次元網目状の合成樹脂2が分散された
液晶・樹脂複合体3がそれぞれ透明基板5a、5bに付
着された透明電極4aと透明電極4bに挟まれて配設さ
れ、透明電極4a、4bは堅い合成樹脂2を含む液晶・
樹脂複合体3によって堅固に支持されている。透明電極
4a、4bはリード線6a、6bとスイッチ7を介し
て、両極性電圧を供給できる電圧源8に接続されてい
る。偏光板9aにより、液晶の分子の長軸方向に偏光さ
れた入射光10は、一方の透明基板5aから入射し、液
晶・樹脂複合体3で偏光状態が制御され、出射側の偏光
板9bを透過した後、強度変調された出射光11とな
る。
【0023】すなわち、2つの偏光板9a、9bの光透
過軸は直交関係にあり、スイッチ7による電圧極性の切
り替えにより、液晶分子の配向が透明電極(透明基板)
の面内でスイッチする。それに伴って液晶の複屈折が変
化するため、入射光10の偏光方向が回転して透過光1
1の強度が変調される。
【0024】この場合、合成樹脂2の構造によって液晶
が分断され、微小な液晶ドメインが誘発されるため、強
誘電性液晶1のスイッチング挙動も、ドメイン分布に基
づく面積階調すなわち中間調表示を行うことも可能であ
る。さらに、合成樹脂2の構造で配向が安定化された液
晶ドメインは、従来の表面安定化強誘電性液晶と同様に
分子配向状態を保持するため、単純マトリックス駆動デ
ィスプレイパネルに有用な中間調メモリ機能を得ること
もできる。
【0025】合成樹脂2の原材料として、強誘電性液晶
1に溶解性が優れた液晶性モノマーを用いることにより
多量の添加・分散が可能になるため、液晶・樹脂複合体
3の機械的強度を増すことができる。液晶・樹脂複合体
3中の樹脂2の含有率は、複合体3の自己支持性を確保
するため、10重量%以上が望ましく、20重量%以上
であれば基板が堅牢に固定される。しかし、樹脂含有率
が40重量%を超えると液晶1が小滴状に分散されるよ
うになるため、光散乱によりコントラストが低下する。
【0026】本発明による光変調器では、合成樹脂2が
強誘電性液晶1を保護するため、外部応力にも強い構造
になる。液晶・樹脂複合体3の物理的強度をさらに増す
ために球状のスペーサを分散することも有効である。
【0027】液晶・樹脂複合体3は自己支持性を持って
いるので、従来のように堅い基板を用いてギャップを構
成し、その中に液晶を充填することによって液晶の膜厚
を保つ必要がなく、簡便な塗布工程により透明電極上に
所望の膜厚の複合体層を形成することができる。具体的
には、それぞれ表面に透明電極を形成した2枚の透明基
板を用意し、少なくとも一方の基板の透明電極上に液晶
と液晶性モノマーの混合液を塗布した後、2枚の透明基
板を透明電極を内側にして貼り合わせ、モノマーを重合
することによって、大面積で均一な液晶光変調器を容易
に製作することができる。塗布法としては、ロールコー
ティング、ディッピング、スピンコーティング、キャス
ティング、スプレー、ドクターブレードコーティングお
よびワイヤーバーコーティングなどが、生産性、量産性
に優れた方法として用いられる。液晶・樹脂複合体3の
膜厚は3μm以下が実用的である。
【0028】さらに、合成樹脂2の原材料である液晶性
モノマーの分子は、液晶とともに配向して硬化するた
め、硬化後は、合成樹脂2の液晶性側鎖部が液晶分子の
配向を促す役割を有する。また、合成樹脂2の分散形態
は、強誘電性液晶1の配向を促進するために、延伸した
3次元網目形状などのように、一方向に異方性化してい
ることが望ましい。それによって、液晶の配向が不連続
となる配向欠陥(ジグザグ欠陥)の発生が抑制されると
ともに、液晶配向の高い秩序性により、高コントラスト
な光変調特性を得ることができる。なお、合成樹脂2の
網目の繊維の直径は1μm以下、または入射光の波長以
下にして、光散乱を生じさせないことが重要である。
【0029】このような異方性化した合成樹脂2は、液
晶とモノマーの均質混合液が、分子の配列状態にあるネ
マティック相またはスメクティック相を示す温度で、紫
外線照射によって光重合し、液晶と樹脂を相分離するこ
とによって形成される。それらの相に制御するために両
者の混合溶液を加熱してもよい。混合液の分子配向を一
方向に定めるために、液晶・樹脂複合体3と透明電極4
a、4bの間に摩擦(ラビング)処理もしくは偏光紫外
光の照射による光配向処理を施されたポリイミド樹脂、
ポリビニルアルコール樹脂、斜方蒸着されたSiO、S
iO2 のいずれかの配向膜を配置することも可能であ
る。また、配向膜を設ける代わりに、外部から曲げ応力
またはせん断応力を加えて液晶およびモノマーの混合液
内の分子を配向させながら、重合することによっても、
一方向に異方性化した液晶・樹脂複合体3を形成するこ
とができる。もしくは、偏光した紫外線を混合液に照射
して、一方向のモノマーを選択的に重合して、異方性化
した液晶・樹脂複合体3を形成することもできる。
【0030】透明基板5a、5bとしては、液晶・樹脂
複合体3が透明電極4a、4bすなわち透明基板5a、
5bを支持する構造となるため、柔軟なプラスティック
フィルムや、厚みが0.6mm以下の薄いガラス板を用
いることができる。特に、プラスティックフィルム基板
5a、5bと自己支持性の液晶・樹脂複合体3を一体化
することにより、軽量で折り曲げが可能な柔軟な光変調
器を実現することができる。
【0031】透明電極4a、4bとしては、錫をドープ
した酸化インジウム(ITO:In23 :Sn)など
が好適である。透明電極4a、4b間の短絡を避けるた
めに透明な有機物や無機酸化物(例えばSiO2 、Ti
2 )などの絶縁層を液晶・樹脂複合体3と透明電極4
a、4bの間に設けることも可能である。
【0032】合成樹脂2としては、前述したような光硬
化をはじめ、熱硬化または反応硬化により形成されるア
クリル樹脂、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、またはそれ
らの共重合体が好適である。
【0033】強誘電性液晶1の材料としては、入射光1
0の偏光状態を大きく制御できるように、液晶の屈折率
異方性Δn(Δn=異常光屈折率ne −常光屈折率n
o )が大きい方が好ましい。そのため、屈折率異方性の
大きなシッフ塩基系強誘電性液晶、アゾ系強誘電性液
晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェニル系強誘電性液
晶、エステル系強誘電性液晶、もしくはフェニルピリミ
ジン系強誘電性液晶などが適している。また、自発分極
が大きな強誘電性液晶材料を用いることにより、高速応
答と低電圧駆動が可能となる。
【0034】
【実施例】一例として、強誘電性液晶1としてチッソ社
CS−1030(屈折率異方性Δn=0.15)を使用
し、合成樹脂2の材料として、紫外線硬化性のアクリル
性モノマー(大日本インキ、UCL−001)を用いて
作製した液晶光変調器について述べる。
【0035】作製方法は以下の通りである。
【0036】まず、2枚の透明ガラス基板5a、5b
に、それぞれ、厚み72nmのIn23 :Snを蒸着
して透明電極4a、4bを形成し、さらに透明電極4
a、4b上にスピンコート法によってポリイミド(JS
R社AL−1254)を塗布して厚み50nmの配向膜
を形成した。この配向膜を微細なレーヨンブラシで一方
向に摩擦(ラビング)した。ただし、図1においては配
向膜は図示を省略してある。この2枚の配向膜付きの基
板のうちの一方の基板の配向膜上に100℃で加熱・溶
解した前述の強誘電性液晶とモノマーの混合液(モノマ
ー濃度20重量%、2μm径の球状スペーサを分散)を
塗布した。次いで、他方の基板を、その配向膜が塗布さ
れた混合液と密着するするように重ね(2枚の基板の配
向膜の摩擦方向は平行)、50℃に加熱しながら10m
W/cm2 の紫外線(波長365nm)を照射した。そ
の結果、2枚の基板5a、5bを支持する厚み3μmの
液晶・樹脂複合体3が得られた。
【0037】図2はこのようにして得られた液晶・樹脂
複合体の偏光顕微鏡写真である。配向膜のラビング方向
に延伸した網目状の合成樹脂が液晶内に形成されて、多
数の微細な液晶ドメインが生じることが観察された。こ
のようなポリドメイン化は、液晶が均質相でなく、相分
離したことを示唆している。合成樹脂の網目の太さはサ
ブミクロンオーダーであり、その網目の寸法は、照射紫
外線の強度の増加とともに減少することが実験的に判明
した。
【0038】図3はこのようにして作製された液晶光変
調器の応答特性を示すシンクロスコープ写真である。両
極性のパルス電圧30Vを透明電極4a、4b間に印加
した結果、自己支持性を有するにもかかわらず、応答速
度は300μsとポリマーを分散しない強誘電性液晶と
同等の高速動作が得られた。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
自己支持性の液晶・樹脂複合体を形成することにより、
液晶を充填するためのギャップ形成工程を要せず均一・
大面積な光変調器の作成が容易であり、配向欠陥が発生
せず、外部応力にも強く、高速かつ高コントラストな液
晶光変調器を提供することができる。
【0040】従って、本発明の液晶光変調器は、フラッ
トパネルディスプレイに好適であり、本発明を用いるこ
とにより、ディスプレイパネルの軽量・大型化が可能と
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による液晶光変調器に一実施例を示す模
式的断面図である。
【図2】液晶・樹脂複合体の偏光顕微鏡写真である。
【図3】本発明の液晶光変調器の応答特性を示すシンク
ロスコープ写真である。
【図4】従来の液晶光変調器の構成を示す断面図であ
る。
【図5】従来の液晶光変調器の構成を示す断面図であ
る。
【図6】従来の液晶光変調器の構成を示す断面図であ
る。
【図7】従来の液晶光変調器の構成を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 強誘電性液晶 2 合成樹脂 3 液晶・樹脂複合体 4a、4b 透明電極 5a、5b ガラス基板 6a、6b リード線 7 スイッチ 8 直流電圧源 9a、9b 偏光板 10 入射光 11 出射光 12a、12b 配向膜 13a、13b シール樹脂 14 液晶・樹脂相溶体 15 強誘電性高分子液晶
フロントページの続き Fターム(参考) 2H089 JA04 KA02 KA08 NA22 NA30 NA58 QA05 QA11 QA13 QA15 RA13 SA01 TA04 TA05 2H090 HA03 HB07X JB03 KA11 KA12 KA14 LA02 MB02

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 自発分極を持ちカイラルスメクティック
    C相を示す強誘電性液晶と3次元網目状の合成樹脂から
    なる液晶・樹脂複合体と、それぞれ透明電極が形成され
    該透明電極を内側にして前記液晶・樹脂複合体を挟みか
    つ該透明電極が前記液晶・樹脂複合体に固着している2
    枚の透明基板と、2つの前記透明電極に両極性の直流電
    圧を印加する電圧源とを有することを特徴とする液晶光
    変調器。
  2. 【請求項2】 前記合成樹脂が液晶性モノマーから合成
    された樹脂であることを特徴とする請求項1に記載の液
    晶光変調器。
  3. 【請求項3】 前記合成樹脂の含有率が前記液晶・樹脂
    複合体全体の10重量%以上かつ40%以下であること
    を特徴とする請求項1または2に記載の液晶光変調器。
  4. 【請求項4】 前記網目を構成する合成樹脂の繊維の太
    さが1μm以下もしくは入射光の波長以下であることを
    特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の液晶光変
    調器。
  5. 【請求項5】 前記透明基板が可撓性のプラスティック
    フィルムもしくはガラス板であることを特徴とする請求
    項1から4のいずれかに記載の液晶光変調器。
  6. 【請求項6】 前記液晶・樹脂複合体の内部に球状のス
    ペーサが分散されていることを特徴とする請求項1から
    5のいずれかに記載の液晶光変調器。
  7. 【請求項7】 前記透明電極と前記液晶・樹脂複合体の
    間に絶縁膜が配置されていることを特徴とする請求項1
    から6のいずれかに記載の液晶光変調器。
  8. 【請求項8】 前記合成樹脂は光硬化、熱硬化または反
    応硬化によって形成されたアクリル樹脂、エポキシ樹
    脂、ウレタン樹脂、またはそれらの共重合体であること
    を特徴とする請求項1から7のいずれかに記載の液晶光
    変調器。
  9. 【請求項9】 前記液晶はシッフ塩基系強誘電性液晶、
    アゾ系強誘電性液晶、アゾキシ系強誘電性液晶、ビフェ
    ニル系強誘電性液晶、エステル系強誘電性液晶、もしく
    はフェニルピリミジン系強誘電性液晶であることを特徴
    とする請求項1から8のいずれかに記載の液晶光変調
    器。
  10. 【請求項10】 前記2つの透明電極のそれぞれと前記
    液晶・樹脂複合体の間に配向膜が形成され、前記透明電
    極が前記配向膜を介して前記液晶・樹脂複合体に固着し
    ていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記
    載の液晶光変調器。
  11. 【請求項11】 前記配向膜がラビング配向処理または
    偏光紫外線光の照射に伴う光配向処理が施されたポリイ
    ミド樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、および斜方蒸着
    処理されたSiO、SiO2 のいずれかであることを特
    徴とする請求項10に記載の液晶光変調器。
  12. 【請求項12】 前記合成樹脂の網目形状が前記配向膜
    の配向処理方向に延伸した形状で異方性化していること
    を特徴とする請求項10または11に記載の液晶光変調
    器。
  13. 【請求項13】 請求項1から12のいずれかに記載の
    液晶光変調器の製造法であって、2枚の透明基板のそれ
    ぞれに形成された透明電極の少なくとも一方に液晶とモ
    ノマーの混合液を塗布する工程、前記2枚の透明基板を
    透明電極を内側にしてかつ前記塗布された混合液を挟ん
    で密着させる工程および前記モノマーを重合する工程を
    有することを特徴とする液晶光変調器の製造法。
  14. 【請求項14】 前記重合工程は前記混合液がネマティ
    ック相またはスメクティック相を示す温度で紫外線を照
    射して光重合することを特徴とする請求項13に記載の
    液晶光変調器の製造法。
  15. 【請求項15】 前記重合工程は偏光した紫外線光を照
    射して光重合される合成樹脂を異方性化することを特徴
    とする請求項13または14に記載の液晶光変調器の製
    造法。
  16. 【請求項16】 前記重合工程を前記混合液に曲げ応力
    またはせん断応力を加えながら行って合成樹脂の網目形
    状を異方性化することを特徴とする請求項13から15
    のいずれかに記載の液晶光変調器の製造法。
  17. 【請求項17】 前記混合液の塗布工程の前に前記2つ
    の透明電極に配向膜を形成する工程を有し、前記混合液
    の塗布を前記配向膜に対して行うことを特徴とする請求
    項13から16のいずれかに記載の液晶光変調器の製造
    法。
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