JP2002229071A - 液晶表示素子の製造方法 - Google Patents

液晶表示素子の製造方法

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JP2002229071A JP2001023501A JP2001023501A JP2002229071A JP 2002229071 A JP2002229071 A JP 2002229071A JP 2001023501 A JP2001023501 A JP 2001023501A JP 2001023501 A JP2001023501 A JP 2001023501A JP 2002229071 A JP2002229071 A JP 2002229071A
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Haruyoshi Takatsu
晴義 高津
Hiroshi Hasebe
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 中間調表示が可能な高分子安定化強誘電性液
晶表示素子において、高温での信頼性、配向の均一性に
優れた液晶表示素子の製造方法を提供する。 【解決手段】 液晶性モノマーを高分子化させる工程を
有する液晶表示素子の製造方法において、強誘電性液晶
組成物が、多官能液晶性モノマーがスメクチックA−ネ
マチックの相系列を有し、かつスメクチック相の下限温
度が40℃以下であるもの、液晶性混合物がキラルスメク
チックC−スメクチックA−キラルネマチックの相系列
を有し、スメクチックA相が30〜80℃の温度範囲内にお
いて発現することを特徴とする液晶表示素子の製造方
法。 【効果】 高温での信頼性、配向の均一性に優れ、かつ
中間調表示が可能な高分子安定化強誘電性液晶表示素子
を作製することができる。動画表示用ディスプレイの製
造方法として有用である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、強誘電性液晶表示
素子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】クラーク及びラガーウオルにより提案さ
れた強誘電性液晶を用いた液晶表示素子(特開昭56−107
216号公報)は双安定性を有し、かつ電界の変化に対する
応答が高速であることから、大画面で高精細な液晶表示
素子としての応用が期待されている。しかしながら、双
安定性を有していることから、中間調の表示が困難とい
う問題があった。
【0003】これを解決する技術として、我々は特開平
9-211462号公報、特開平9-211463号公報、特開平11-215
54号公報に強誘電性液晶と単官能液晶性(メタ)アクリレ
ートモノマーを含有する液晶組成物を液晶セル中に注入
した後、該組成物が所定の液晶相を示す温度において紫
外線を照射し、単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマ
ーを高分子化させることによって得られる高分子安定化
強誘電性液晶表示素子を提案した。このような単官能液
晶性(メタ)アクリレートモノマーを用いた素子は、良好
な中間調表示が可能であるという特徴を有するものの、
単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマーの重合により
得られた高分子の耐熱性が良好でなく、結果として素子
として高温での信頼性が良好でないという問題があっ
た。
【0004】単官能液晶性(メタ)アクリレートモノマー
より耐熱性に優れた高分子を与える多官能液晶性モノマ
ーを用いた高分子安定化強誘電性液晶表示素子は特開平
6-194635号公報に開示されている。しかしながら、多官
能液晶性モノマーは、液晶性を示す温度が80℃以上と高
いものが多く、高分子安定化液晶素子作成の紫外線を照
射する前段階において温度を高くする必要性が生じ、そ
の結果、望ましくない熱重合が誘起され、液晶配向の均
一性が劣化してしまうという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明における課題
は、中間調表示が可能な高分子安定化強誘電性液晶表示
素子において、高温での信頼性、配向の均一性に優れた
液晶表示素子の製造方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に詳細な検討を行った結果、液晶表示素子の高温での信
頼性を確保するために、液晶性モノマーとして多官能液
晶性モノマーを用いる必要があること、液晶表示素子の
配向の均一性を確保するために、多官能液晶性モノマー
はスメクチックA−ネマチックの相系列を有し、かつス
メクチックA相の下限温度が40℃以下であるものを使用
し、強誘電性液晶組成物との良好な相溶性を確保する必
要があること、また、液晶性混合物として、キラルスメ
クチックC−スメクチックA−キラルネマチックの相系
列を有し、スメクチックA相が30〜80℃の温度範囲内に
おいて発現するものを使用して、紫外線照射時における
望ましくない熱重合の誘起を避けることが重要であるこ
とを見出した。さらに、多官能液晶性モノマーとの化学
構造として、アルキレンスペーサー部を2つ以上有する
もの、特に3つ有するものが好ましいことを見出し、本
発明を完成するに至った。即ち、本発明は、少なくとも
一方が透明性を有する2枚の基板間に、強誘電性液晶組
成物及び多官能液晶性モノマーを含有する液晶性混合物
を介在させ、介在させた液晶性混合物がスメクチックA
相を示す状態で、液晶性混合物に紫外線を照射し、液晶
性モノマーを高分子化させる工程を有する液晶表示素子
の製造方法において、強誘電性液晶組成物がキラルスメ
クチックC−スメクチックA−キラルネマチックの相系
列を有するもの、多官能液晶性モノマーがスメクチック
A−ネマチックの相系列を有し、かつスメクチックA相
の下限温度が40℃以下であるもの、液晶性混合物がキラ
ルスメクチックC−スメクチックA−キラルネマチック
の相系列を有し、スメクチックA相が30〜80℃の温度範
囲内において発現するものを使用することを特徴とする
液晶表示素子の製造方法を提供する。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態の例を説
明する。
【0008】本発明において使用する強誘電性液晶組成
物は、通常この技術分野で強誘電性液晶組成物と認識さ
れるものであれば特に制限なく使用することができる
が、良好なキラルスメクチックC相の配向状態を得るた
め、キラルスメクチックC相より上の温度領域でスメク
チックA相を呈するものを使用するのが好ましく、さら
に好ましくは、良好な配向状態を得るためキラルスメク
チックC相より上の温度領域でスメクチックA相及びキ
ラルネマチック相を呈するものを使用するのが好まし
い。キラルスメクチックC相の下限温度は-10℃以下が
好ましく、-20℃以下がさらに好ましく、-30℃以下が特
に好ましい。キラルスメクチックC相の上限温度は40℃
以上が好ましく、50℃以上がさらに好ましく、60℃以上
が特に好ましい。
【0009】本発明において使用する多官能液晶性モノ
マーは、分子内に重合性官能基を2つ以上有し、スメク
チックA相−ネマチック相の相系列を有するものであ
り、かつスメクチックA相の下限温度が40℃以下であれ
ば、特に制限なく使用することができるが、スメクチッ
クA相の下限温度は35℃以下がさらに好ましく、25℃以
下が特に好ましい。このような相系列とスメクチック相
の下限温度の条件を満たしていれば、多官能液晶性モノ
マーは化合物単体でも、もしくは組成物として用いても
良い。重合性官能基としては、アクリロイルオキシ基、
メタクリロイルオキシ基、アクリルアミド基、メタクリ
ルアミド基、エポキシ基、ビニル基、ビニルオキシ基、
エチニル基、メルカプト基、マレイミド基、ClCH=CHCON
H-、CH2=CCl-、CHCl=CH-、RCH=CHCOO-(Rは塩素、フッ
素、または炭素原子数1〜10の炭化水素基を表す)が挙げ
られるが、これらの中でもアクリロイルオキシ基、メタ
クリロイルオキシ基、エポキシ基、メルカプト基、ビニ
ルオキシ基が好ましく、メタアクリロイルオキシ基、ア
クリロイルオキシ基が特に好ましく、アクリロイルオキ
シ基が最も好ましい。多官能液晶性モノマーの分子構造
としては、2つ以上の環構造を有することを特徴とする
液晶骨格、重合性官能基、さらに液晶骨格と重合性官能
基を連結する柔軟性基を少なくとも2つ有するものが好
ましく、3つの柔軟性基を有するものがさらに好まし
い。柔軟性基としては、-(CH)n-(nは整数を表す)で
表されるようなアルキレンスペーサー基や-(Si(CH)
-O)-(nは整数を表す)で表されるようなシロキサンス
ペーサー基を挙げることができ、アルキレンスペーサー
基が好ましい。。これらの柔軟性基と液晶骨格、もしく
は重合性官能基との結合部分には、-O-、-COO-、-CO-の
ような結合が介在していても良い。液晶骨格は、通常こ
の技術分野で液晶骨格(メソゲン)と認識されるものであ
れば、特に制限なく使用することができるが、少なくと
も2つ以上の環構造を有するものが好ましい。環構造と
しては使用できる環は、ベンゼン、ピリジン、ピラジ
ン、ピリダジン、ピリミジン、1,2,4-トリアジン、1,3,
5-トリアジン、テトラジン、ジヒドロオキサジン、シク
ロヘキサン、シクロヘキセン、シクロヘキサジエン、シ
クロヘキサノン、ピペリジン、ピペラジン、テトラヒド
ロピラン、ジオキサン、テトラヒドロチオピラン、ジチ
アン、オキサチアン、ジオキサボリナン、ナフタレン、
ジオキサナフタレン、テトラヒドロナフタレン、キノリ
ン、クマリン、キノキサリン、デカヒドロナフタレン、
インダン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、フ
ェナンスレン、ジヒドロフェナンスレン、パーヒドロフ
ェナンスレン、ジオキサパーヒドロフェナンスレン、フ
ルオレン、フルオレノン、シクロヘプタン、シクロヘプ
タトリエンオン、コレステン、ビシクロ[2.2.2]オクタ
ンやビシクロ[2.2.2]オクテン、1,5-ジオキサスピロ(5.
5)ウンデカン、1,5-ジチアスピロ(5.5)ウンデカン、ト
リフェニレン、トルクセン、ポルフィリン、フタロシア
ニンを挙げることができ、これらの中でも、ベンゼン、
シクロヘキサン、フェナントレン、ナフタレン、テトラ
ヒドロネフタレン、デカヒドロネフタレンが好ましい。
これらの環は、炭素原子数1〜7のアルキル基、アルコキ
シ基、アルカノイル基、又はシアノ基、ハロゲン原子で
一つ以上置換されていても良い。アルキル基としてはメ
チル基、エチル基、n-プロピル基、n-ブチル基が望ま
しく、メチル基とエチル基が特に好ましい。アルコキシ
基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、
ブトキシ基が好ましく、アルカノイル基としてはアセチ
ル基、プロピオニル基、ブチロイル基が好ましく、ハロ
ゲン原子としては、フッ素原子、臭素原子、塩素原子が
好ましく、フッ素原子と塩素原子が特に好ましい。ま
た、多官能液晶性モノマーに加えて、単官能液晶性モノ
マーを添加しても良い。単官能液晶性モノマーとして
は、この技術分野で単官能液晶性モノマーとして認識さ
れるものであれば良いが、その添加量は、多官能液晶性
モノマーと単官能液晶性モノマーの質量比が1:9〜10:
0の範囲になるようにするのが好ましい。多官能液晶性
モノマーと単官能液晶性モノマーの質量比が1:9より多
官能液晶性モノマーの割合が低くなると、得られる液晶
表示素子の高温での安定性が良好でなくなる危険があ
る。
【0010】強誘電性液晶組成物、多官能液晶性モノマ
ーを含有する液晶性混合物は、キラルスメクチックC−
スメクチックA相−キラルネマチック相の相系列を有
し、スメクチックA相が30〜80℃の温度範囲内において
発現するものが好ましい。これが意味するところは、30
〜80℃の温度範囲の一部にでも、スメクチックA相が発
現される温度範囲があるものが好ましいということであ
る。本発明の液晶表示素子の製造方法は、液晶性混合物
がスメクチックA相を呈している状態で、紫外線を照射
することを一つの特徴としていることから、もしスメク
チックA相が80℃より高い温度でないと得られない場合
には、必然的に80℃より高い温度で紫外線照射を行う必
要がある。このような場合には、望ましくない熱重合が
誘起され、液晶表示素子の配向の均一性を損なう恐れが
ある。また、スメクチックA相が30℃より低い温度でな
いと得られない場合には、本発明の液晶表示素子におけ
るキラルスメクチックC相の上限温度が30℃より低くな
ってしまい、結果として、屋外や自動車の車内等の温度
が高いところでは、液晶表示素子が動作しなくなってし
まう可能性がある。液晶性混合物中における多官能液晶
性モノマーの濃度は、0.1〜20質量%が好ましく、0.5〜1
5質量%がさらに好ましく、1〜12質量%が特に好ましい。
多官能液晶性モノマーの濃度が0.1質量%より低いと、配
向安定化効果が得られにくくなり、コントラストが低下
し、12質量%より高いと強誘電性液晶の駆動電圧が増大
してしまう。液晶性混合物には、スメクチックA相にお
ける紫外線重合を迅速に行う目的で光重合開始剤を添加
してもよい。ここで使用することができる光重合開始剤
としては、例えば公知のベンゾインエーテル類、ベンゾ
フェノン類、アセトフェノン類、ベンジルケタール類、
アシルホスフィン類から選択して使用することができ
る。その添加量は、液晶性混合物中に含有される多官能
液晶性モノマーに対して、30質量%以下が好ましく、20
質量%以下がさらに好ましく、10質量%以下が特に好まし
い。また、液晶性混合物の保存安定性を向上させる目的
で、安定剤を添加してもよい。ここで使用することがで
きる安定剤としては、例えば公知のヒドロキノン、ヒド
ロキノンモノアルキルエーテル類、第三ブチルカテコー
ル類、ニトロソ化合物類等から選択して使用することが
できる。またその添加量は、液晶性混合物中に含有され
る多官能液晶性モノマーに対して1質量%以下が好まし
く、0.5質量%以下がさらに好ましく、0.05質量%以下で
あることが特に好ましい。
【0011】本発明の液晶表示素子に用いる2枚の基板
は、電極層を有し、少なくとも一方は透明性を有する必
要がある。透明性を有する基板としては、ガラスやポリ
カーボネート、ポリエステル等が挙げられる。透明性を
有さない基板としては、画素ごとに能動素子が形成され
たシリコン基板等が挙げられる。これらの基板上にカラ
ーフィルター層が付与されているものも好適に使用する
ことができる。また、2枚の基板のうち一方の基板に
は、画素毎にトランジスタ等の能動素子を形成した基板
を用いることが好ましい。基板表面には、配向処理を施
すことが好ましい。配向処理としては、ポリイミド等の
有機薄膜を形成し、さらにラビング処理をする方法や、
またポリビニルシンナメート薄膜等の有機薄膜に偏光紫
外線を照射する方法を挙げることができる。配向処理に
よって基板上に規定される、液晶分子長軸が並ぶ方向
(容易軸)は、2枚の基板間で、お互いに平行(パラレ
ル)、もしくは反平行(アンチパラレル)になるように設
定するのが好ましい。2枚の基板間の距離、つまり液晶
層の厚さは、使用する強誘電性液晶材料や多官能液晶性
モノマーの屈折率の異方性にも依存するが、1〜10μmで
あることが好ましく、1.5〜7μmがさらに好ましく、2〜
6μmが特に好ましい。液晶層の厚さが1μmより小さい
と、十分な大きさの光学的なスイッチングが得られずコ
ントラストが低下してしまう傾向があり、液晶層の厚さ
が10μmより大きいと内部に均一な配向が得られない可
能性がある。
【0012】2枚の基板間へ、強誘電性液晶組成物と多
官能性液晶モノマーを含有する液晶性混合物を介在させ
るには、この技術分野で使用されている真空注入法を使
用するのが好ましい。この際、液晶性混合物が等方性液
体相になる温度、もしくはキラルネマチック相になる温
度で注入するのが好ましい。この後、多官能液晶性モノ
マーを紫外線もしくは電子線を照射する際の温度は、液
晶性混合物がスメクチックA相を呈する温度にする必要
があることは当然であるが、そのスメクチックA相が保
たれる温度範囲内にある限り、できるだけ低い温度に保
つことが好ましい。紫外線または電子線の照射量は、使
用する液晶性混合物及び光重合開始剤の濃度にも依存す
るが、50から10,000mJ/cm2の範囲が好ましい。紫外線
または電子線の照射量が、50mJ/cm2以下であると、液
晶性モノマーが十分に硬化せず、製造後の経時変化が大
きくなってしまい、10,000mJ/cm2以上であると液晶性
混合物が劣化してしまう傾向がある。
【0013】本発明の製造方法で得られる液晶表示素子
において、液晶表示素子のコントラストを高める観点か
ら、2枚の偏光フィルムを貼合することは好ましい。2
枚の偏光フィルムのうち、一方の偏光フィルムの透過軸
は、基板の容易軸と平行に設定し、もう一方の偏光フィ
ルムの透過軸は、基板の容易軸と垂直もしくは平行に設
定するのが好ましく、垂直に設定するのがさらに好まし
い。このような構成とすることで高温での信頼性が高
く、コントラストが50以上、さらに好ましくは100以
上、特に好ましくはコントラストが200以上の液晶表示
素子を製造することができる。
【0014】
【実施例】以下、本発明の実施例を示し、本発明を更に
詳細に説明する。しかしながら、本発明はこれらの実施
例に限定されるものではない。
【0015】(実施例1)ITO透明電極層付きのガラス
基板に、ポリイミド膜「RN-1199」(日産化学製)を約0.03
μmの厚さで形成した後、ラビング処理を施してポリイ
ミド配向膜付きガラス基板を得た。このようにして得た
2枚のポリイミド配向膜付きガラス基板を、配向膜が形
成された面が内側になるようにして2μmの間隔をもって
対向させて液晶セルを作成した。この時、液晶セルの2
枚の基板のラビング方向はパラレル配向になるように設
定した。次に、4つのベンゼン環を有し、重合性官能基
として2つのアクリロイルオキシ基を有し、かつ柔軟性
基としてアルキレンスペーサー部を3つ有し、スメクチ
ックA相−ネマチック相を相系列として有し、かつ36℃
でスメクチックA相を呈する液晶性ジアクリレートモノ
マー「UCL-010」(大日本インキ化学工業製)を10質量部、
強誘電性液晶組成物「M4654/100」(クラリアント社製、
キラルスメクチックC−スメクチックA相転移温度61
℃、スメクチックA−キラルネマチック相転移温度65
℃、キラルネマチック−等方性液体相転移温度74℃)90
質量物及び光重合開始剤「イルガキュアー651」(チバスペ
シャリティケミカルズ製)0.1質量部からなる液晶性混合
物(A)を調製した。この液晶性混合物(A)を100℃に保
ちながら等方性液体相のまま注入し、その後、温度を60
℃にまで下げることにより、液晶性混合物(A)がスメ
クチックA相を呈する状態にした。この状態で、中心波
長365nmで強度2mW/cm2(セル透過後の値)の紫外線を5
分間照射して液晶性ジアクリレートモノマー「UCL-010」
を光硬化させた。室温まで冷却後、液晶セルを観察した
ところ、均一な配向状態が得られているのが確認でき
た。この液晶セルの一方の表面に、透過軸がラビング方
向と一致するように偏光フィルムを、もう一方の表面に
は、透過軸がラビング方向と直交するように偏光フィル
ムを貼合して液晶表示素子を作製した。第一図に、この
ようにして製造した液晶表示素子の電気光学特性を示し
た。これからわかるように、得られた印加電圧−光透過
率曲線は、印加電圧0Vを中心に線対称のなめらかな曲線
が得られており、良好な中間調表示が可能であることが
確かめられた。得られた液晶表示素子は、1ヶ月以上特
性が安定していた。また、等方性液体相まで加熱して、
室温まで戻した液晶表示素子は、加熱する前と同様に、
液晶は均一に配向しており、高温における信頼性も問題
なかった。また、電圧無印加状態から電圧印加状態、電
圧印加状態から電圧無印加状態への応答速度は、1ms以
下であり、非常に高速なスイッチングが可能であること
が確かめられた。
【0016】(実施例2)強誘電性液晶組成物として、
「CS-1014」(チッソ社製)を使用した以外は、実施例1と
同様に液晶表示素子を作製した。得られた液晶表示素子
は、均一な液晶配向状態が得られており、良好な中間調
表示が得られ、かつ高温における信頼性も問題なかっ
た。
【0017】(比較例1)液晶性ジアクリレートモノマ
ー「UCL-010」に代えて、2つのベンゼン環を液晶骨格と
して有し、重合性官能基として1つのアクリロイルオキ
シ基を有し、かつ柔軟性基としてアルキレンスペーサー
部を1つ有し、スメクチックA相−ネマチック相を相系
列として有し、かつスメクチックA相を35℃で呈する液
晶性モノアクリレートモノマー(B)を使用した以外は、
実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。得られた液
晶表示素子は、均一な液晶配向状態が得られており、中
間調表示が可能であったものの、一度、等方性液体相ま
で加熱すると、液晶の配向状態が乱れて光散乱が生じて
しまった。
【0018】(比較例2)液晶性ジアクリレートモノマ
ー「UCL-010」に代えて、3つのベンゼン環を液晶骨格と
して有し、重合性官能基として2つのアクリロイルオキ
シ基を有し、かつ柔軟性基としてアルキレンスペーサー
部を2つ有し、スメクチックA相−ネマチック相を相系
列として有し、かつスメクチックA相の下限温度が147
℃である液晶性ジアクリレートモノマー(C)を使用した
以外は、実施例1と同様に液晶表示素子を作製した。得
られた液晶表示素子は、等方性液体相まで加熱しても、
液晶相の配向が乱れることによる光散乱は生じなかった
ものの、均一な液晶配向状態が得られず、電圧を印加し
ていない状態でも光漏れがあり、結果として高いコント
ラストを得られなかった。
【0019】
【発明の効果】本発明の液晶表示素子の製造方法を用い
ると、高温での信頼性、配向の均一性に優れ、かつ中間
調表示が可能な高分子安定化強誘電性液晶表示素子を作
製することができる。動画表示用ディスプレイの製造方
法として有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1において本発明の製造方法により製
造された液晶表示素子の電気光学特性(横軸:印加電
圧、縦軸:光透過量(任意単位))を示した図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1334 G02F 1/1334 (72)発明者 長谷部 浩史 埼玉県上尾市緑丘4−12−8−107 Fターム(参考) 2H088 JA17 MA20 2H089 KA04 QA16 RA13 4H027 BA06 BA13 BB11 BD20 BE05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも一方が透明性を有する2枚の
    基板間に、強誘電性液晶組成物及び多官能液晶性モノマ
    ーを含有する液晶性混合物を介在させ、介在させた液晶
    性混合物がスメクチックA相を示す状態で、液晶性混合
    物に紫外線を照射し、液晶性モノマーを高分子化させる
    工程を有する液晶表示素子の製造方法において、強誘電
    性液晶組成物がキラルスメクチックC−スメクチックA
    −キラルネマチックの相系列を有するもの、多官能液晶
    性モノマーがスメクチックA−ネマチックの相系列を有
    し、かつスメクチックA相の下限温度が40℃以下である
    もの、液晶性混合物がキラルスメクチックC−スメクチ
    ックA−キラルネマチックの相系列を有し、スメクチッ
    クA相が30〜80℃の温度範囲内において発現するものを
    使用することを特徴とする液晶表示素子の製造方法。
  2. 【請求項2】 多官能液晶性モノマーが、2つ以上の環
    構造を有することを特徴とする液晶骨格、アルキレンス
    ペーサー部、2つ以上の重合性官能基を有してなり、か
    つアルキレンスペーサー部を少なくとも2つ有すること
    を特徴とする請求項1記載の液晶表示素子の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルキレンスペーサー部を3つ有するこ
    とを特徴とする請求項2記載の液晶表示素子の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 重合性官能基が(メタ)アクリロイルオキ
    シ基であることを特徴とする請求項2または3記載の液
    晶表示素子の製造方法。
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