JP2000121785A - 原子力発電プラントとその運転方法 - Google Patents

原子力発電プラントとその運転方法

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JP2000121785A JP10295102A JP29510298A JP2000121785A JP 2000121785 A JP2000121785 A JP 2000121785A JP 10295102 A JP10295102 A JP 10295102A JP 29510298 A JP29510298 A JP 29510298A JP 2000121785 A JP2000121785 A JP 2000121785A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 燃料付着クラッドの安定化効果の高い原子力
発電プラントとその運転方法を提供する。従来の電解鉄
注入法では、電解鉄の急激な酸化のため、Feクラッド
中に酸化が不十分なFeイオンがクラッド内に取り込ま
れる可能性があり、配管閉塞の原因となる可能性があ
る。また、燃料表面に付着した際、生成クラッドの形態
を溶出し易いものとする可能性がある。 【解決手段】 復水ろ過装置8の非ろ過助材型フィルタ
で除去された復水中のFeクラッドをフィルタの逆洗水
とともに逆洗水受けタンク13に回収し、逆洗水受けタン
ク13内の上澄み部分の逆洗水を取り出して給水系配管か
ら炉水に注入する。逆洗水の上澄み部分に含まれるFe
クラッドを給水に注入することにより、粒径が均一で、
酸化が十分に行われているFeクラッドの注入が可能と
なり、燃料棒表面上において、溶出しにくいクラッドの
生成量が増加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、原子力発電プラン
トにおいて、炉水放射能濃度を低減するために行われる
一次冷却系の水質制御に関する。
【0002】
【従来の技術】沸騰水型原子力発電プラントにおいて
は、一次系の構造材料から冷却材(炉水)中に放出され
た微量の溶出物質が炉心の燃料棒被覆管表面に付着蓄積
して放射化され、放射化された付着物質が再び炉水に溶
出することにより炉水放射能濃度が増加する。炉水放射
能濃度を低く維持するためには、一旦燃料棒被覆管表面
に付着蓄積して放射化された放射性物質を再溶出させな
いよう燃料棒表面に付着固定化させておくことが有効で
ある。放射化により放射性物質を生成するNiやCoはF
eとの複合酸化物NiFe24やCoFe24として燃料表
面に付着すると、炉水への放射性物質の再溶出速度を著
しく低減できることが知られている。Ni、Coをこの複
合酸化物の形に制御するため、給水中のFe/Ni比を2
以上にコントロールする技術が採用されており、その為
の水質制御技術として給水Fe濃度制御運転が行われて
いる。給水中の鉄成分は、非ろ過助材型フィルタを用い
た復水浄化系統において、クラッド及びイオン成分の9
0%以上が除去されてしまうため、給水Fe濃度制御運
転方法として給水中に人工的に生成させた鉄を注入する
方法が採用されている。
【0003】図2に現在用いられている鉄注入装置を示
す。供給水タンク(図示なし)よりCO2ガス注入槽25
に入った供給水は、CO2ガスを吹き込むことにより導
電率が高められ、配管26を通り電解槽27へと流れる。電
解槽27には鉄板電極が並列に配置されており、電気分解
によりFeイオンを電解溶液中に溶出する。電解槽27の
下部からは不活性ガス(N2、Ar)が送り込まれ、電極
への付着物抑制や酸素ガスのストリッピングを抑制して
いる。電解槽27で生成(電解溶液中に溶出)されたFe
イオン含有水は配管28を通り、酸化用タンク29に入る。
酸化用タンク29内のFeイオン含有水に空気を吹き込む
ことにより、Feイオンが酸化されてクラッドとなり、
これが給水系へ供給される。Feイオンのまま給水系へ
注入する際には、酸化用タンク29への空気の供給を止め
る。
【0004】特開昭62−274299号公報には、復
水濾過フィルタで捕集された酸化鉄を、復水濾過フィル
タを逆洗することで逆洗水とともに鉄受けタンクに一旦
貯溜し、この酸化鉄を給水系に供給する例が示されてい
る。また、特開昭63−229394号公報には、復水
濾過フィルタで捕集された酸化鉄を、復水濾過フィルタ
を逆洗することで逆洗水とともに鉄受けタンクに一旦貯
溜し、この鉄受けタンクに貯溜された酸化鉄を含む逆洗
水を脱塩装置を通してイオン不純物を取り除いた後、鉄
貯蔵タンクに貯溜し、この鉄貯蔵タンクから給水系に酸
化鉄を供給するようにした構成が示されている。さら
に、特開平5−126991号公報にも、復水処理用の
濾過装置や脱塩装置で捕集されたクラッド鉄を逆洗操作
により剥離させ、クラッド鉄を含む逆洗水を一時貯溜し
たのち、一次冷却系に供給する構成が示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】現在行われている鉄注
入運転方法における課題を以下に示す。
【0006】(1)現在用いられている鉄注入装置で
は、酸化用タンクにおいて空気を吹き込むことによりF
eイオンを酸化し、NiやCoとの複合酸化物を作りやす
い状態にするが、急激な酸化のためクラッドの凝集が起
こり易く、クラッドの粒径は大きいものとなり易い。そ
の結果、燃料表面に付着するクラッドも粒径の大きなも
のとなり、燃料表面からの剥離が容易となり、炉水放射
能濃度上昇の要因となる可能性がある。
【0007】(2)上記のようなクラッドの凝集化が起
こる際、十分に酸化されていないFeイオンがクラッド
内に取り込まれる可能性がある。酸化が不十分なクラッ
ドは注入配管の表面に付着・蓄積し易いため、配管閉塞
の要因となる可能性がある。
【0008】(3)給水クラッド中に十分に酸化されて
いないFeイオンが存在すると、燃料表面に付着したク
ラッド内の形態が溶出し易いものとなり、炉水放射能濃
度上昇の要因となる可能性がある。
【0009】本発明の目的は、燃料付着クラッドの安定
化効果の高い原子力発電プラントとその運転方法を提供
することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
め、本発明では、給水鉄制御のための装置として、従来
の鉄注入装置とは異なる新たな装置を開発した。すなわ
ち、非ろ過助材型のフィルタで除去された復水中の鉄ク
ラッド成分を回収し、それを給水系に注入することがで
きる装置を開発し、その運転方法も発案した。
【0011】その際、フィルタの逆洗水に混入した状態
で回収した鉄クラッド成分のうち、逆洗水の上澄み部分
に含まれる鉄クラッド成分を選択的に給水系に注入する
ように構成した。逆洗水に混入した状態で回収した鉄ク
ラッド成分は、粒径が大小さまざまのものが混った状態
で水中に存在しているが、タンク中に導入された段階で
粒径の大きいものから沈降し始め、粒径の小さいものは
なかなか沈降しない。したがってタンク液面に近い部
分、つまり逆洗水の上澄み部分では、粒径の大きいもの
が沈降して粒径の小さいものが残ることになり、上澄み
部分の鉄クラッドは、粒径が小さく、大きさのばらつき
も小さい。
【0012】したがって、逆洗水の上澄み部分に含まれ
る鉄クラッド成分を選択的に給水系に注入するように構
成することで、粒径が小さく、大きさのばらつきも小さ
い鉄クラッド成分が給水系に供給され、また、Feイオ
ンが十分に酸化された鉄クラッド成分が給水管から炉内
へと送り込まれる。この結果、燃料棒表面上でのスピネ
ル型複合酸化物(NiFe24等)の生成率が高くなり、
燃料付着クラッドが化学的に安定な形態にすみやかに変
化するので、放射化された付着クラッドからの放射性物
質の溶出・剥離が抑制される。また、Feクラッドの粒
径が小さく、大きさのばらつきが少ないので、燃料棒に
付着する際に均一に付着し、はがれにくい。
【0013】また、タンク中の上澄み部分に含まれる鉄
クラッド成分の濃度を測定し、測定された濃度に応じて
給水系への注入量を制御するのがよい。
【0014】また、給復水系に注入したFeクラッド含
有水中のFeクラッドが燃料被覆管表面上でスピネル型
の複合酸化物を形成することを促進する物質をFeクラ
ッド含有水を貯蔵したタンク内にあらかじめ混入させ、
給復水系にFeクラッド含有水を注入すると同時に注入
することが効果的である。スピネル型の複合酸化物形成
促進物質としては、Zn又はNi又はAlのいずれか一種
類以上をイオン状又はクラッド状で混入させればよい。
【0015】前記特開昭62−274299号公報及び
特開昭63−223934号公報記載の例では、鉄受け
タンクあるいは鉄貯蔵タンクに貯溜された逆洗水は循環
ポンプで循環されるようになっており、逆洗水に含まれ
ている酸化鉄全体を均等に分散させた状態で給水系に供
給するようになっている。したがって、炉内へ送りこま
れる酸化鉄は、その大きさが均一でなく、大小ばらつい
たものとなっている。
【0016】また、特開平5−126991号公報のも
のでも、逆洗により回収したクラッド鉄の粒径が大きく
なること防止することには配慮しているが、粒径の小さ
い、かつ均一な粒径のクラッド鉄を炉内に供給する配慮
はなされていない。
【0017】
【発明の実施の形態】〔実施例1〕本発明に基づいた原
子力発電プラントとその運転方法の第1の実施例を図1
に示す。図示のプラントは、原子炉1と、原子炉1に主蒸
気管で接続された蒸気タービン3と、蒸気タービン3に接
続された復水器4と、復水器4の出側に復水配管6で接続
された復水ポンプ7と、復水ポンプ7の出側にそれぞれ復
水フィルタ入口弁11を介して互いに並列に接続された複
数基の復水ろ過装置8と、各復水ろ過装置8の出側に接続
された復水フィルタ出口弁10と、復水フィルタ出口弁10
の出側に接続され各復水ろ過装置8を通過した復水を1
本の流れにまとめるマニホールドパイプ10Aと、マニホ
ールドパイプ10Aにそれぞれ弁30を介して互いに並列に
接続された複数基の復水脱塩器9と、復水脱塩器9それぞ
れの出側を弁31を介して原子炉1に接続する給水管35
と、逆洗用空気を貯溜する逆洗用空気供給タンク12と、
逆洗用空気供給タンク12と前記復水ろ過装置8の復水出
側をそれぞれ逆洗用空気注入弁19を介して接続する逆洗
用空気注入管36と、前記復水ろ過装置8の復水入り側に
それぞれ逆洗水出口弁20を介して接続された逆洗水受け
タンク13と、逆洗水受けタンク13の底部に接続され弁22
を介装したサンプリングライン43と、一端を逆洗水受け
タンク13に接続され弁23を介装したFeクラッド含有水
取り出し配管37と、Feクラッド含有水取り出し配管37
の他端に接続された給水鉄注入ポンプ17と、給水鉄注入
ポンプ17の出側に接続され給水鉄注入ポンプ17で加圧さ
れたFeクラッド含有水を加熱昇温する熱交換器32と、
熱交換器32のFeクラッド含有水出側を前記給水管35に
弁24を介して連通する給水鉄注入ライン18と、を含んで
構成されている。Feクラッド含有水取り出し配管37の
逆洗水受けタンク13側端部は、逆洗水受けタンク13内の
逆洗水の上澄み部分を取り出す位置に開口させてある。
【0018】上記構成において、原子炉1で発生した蒸
気2は蒸気タービン3で仕事をした後、復水器4において
海水循環系5を流れる海水で冷却液化され、復水配管6へ
と送られる。この時点での復水は配管等の腐食によるイ
オンやクラッド状の不純物を含んでいるため、復水ポン
プ7を介して復水ろ過装置8および復水脱塩器9から成る
復水浄化系へと送り込まれて浄化された後に、給水管35
を経て再び原子炉1へと送り込まれる。復水浄化系にお
ける復水ろ過装置8は内装された復水フィルタの差圧上
昇に伴い、復水フィルタ入口弁11、復水フィルタ出口弁
10を閉とし、逆洗用空気注入弁19および逆洗水出口弁20
を開として、逆洗用空気供給タンク12から空気を送り込
んで逆洗を行う。逆洗によって生じた廃液、すなわちF
eクラッド含有水は逆洗水受けタンク13へと送られる。
【0019】本実施例の基本的な特徴は、復水フィルタ
の逆洗水受けタンク13に貯蔵したFeクラッド含有水を
給水鉄注入ポンプ17で加圧して熱交換器32に送りこみ、
熱交換器32で加熱した後、給水鉄注入ライン18から給水
管35へと送り込むこと、そして逆洗水受けタンク13から
Feクラッド含有水を取り出す際に、逆洗水受けタンク1
3の上澄み部分からFeクラッド含有水を取り出すにあ
る。
【0020】復水中のFeクラッド濃度は、図2に示す
鉄注入装置の電解槽27中のFeクラッド濃度に比べ、約1
0~4倍の濃度であるため、鉄注入装置によって生成され
るFeクラッドよりも十分な酸化が行われており(2価
の鉄が少なく)、さらにその粒径も均一で小さい。従っ
て、図3に示すように、逆洗水受けタンク13中のFeク
ラッドは従来の電解Feクラッドに比べ粒径が小さく、
大きさのばらつきも小さい。また、図4に示すように、
Feイオンが十分に酸化された鉄クラッド成分が給水管
から炉内へと送り込まれることになるので、実機炉水環
境下において、燃料棒表面上でのスピネル型複合酸化物
(NiFe24等)の生成率が高くなる。その結果、燃料
付着クラッドが化学的に安定な形態にすみやかに変化す
るので、放射化された付着クラッドからの放射性物質の
溶出・剥離が抑制される。また、Feクラッドの粒径が
小さく、大きさのばらつきが少ないので、燃料棒に付着
する際に均一に付着し、はがれにくい。
【0021】〔実施例2〕図5に示す実施例2は、逆洗
水受けタンクを2基設置した例である。本実施例が前記
図1に示す実施例1と異なるのは、逆洗水受けタンク13
から逆洗水(すなわちFeクラッド含有水、以下同じ)
を給水鉄注入ポンプ17で取り出すのではなく、逆洗水受
けタンク13(以下、第1の逆洗水受けタンク13という)
に弁38を介装した上澄み液取出し管39で接続された第2
の逆洗水受けタンク14を設け、Feクラッド含有水取出
し配管37を第2の逆洗水受けタンク14に接続した点であ
る。他の構成は前記図1に示す実施例と同一であるの
で、説明を省略する。
【0022】これに伴い、第2の逆洗水受けタンク14に
弁15を介装したサンプリングライン43が接続されてい
る。上澄み液取出し管39の第1の逆洗水受けタンク13内
の開口位置は、第1の逆洗水受けタンク13に貯溜された
逆洗水の上澄み部分を第2の逆洗水受けタンク14に移送
する位置に設定されている。
【0023】本実施例の特徴は、第1の逆洗水受けタン
ク13に貯蔵した逆洗水(すなわちFeクラッド含有水、
以下同じ)の上澄み液のみを、第2の逆洗水受けタンク
14に導いて貯蔵し、第2の逆洗水受けタンク14に貯蔵さ
れた逆洗水を給水鉄注入ポンプ17で加圧して給水鉄注入
ライン18から給水系へと送り込むことにある。
【0024】第2の逆洗水受けタンク14に貯蔵される逆
洗水は、第1の逆洗水受けタンク13の上層に分散してい
る粒径の小さい均一なFeクラッドのみを含んでいるの
で、図6に示すように、給水系に注入される逆洗水中の
Feクラッドはより粒径が小さく、均等な分散状態で注
入することが可能である。
【0025】〔実施例3〕図7に逆洗水受けタンクを2
基設置した他の例である実施例3を示す。本実施例が前
記図5に示す実施例2と異なるのは、逆洗水出口弁20と
第1の逆洗水受けタンク13を接続する配管40に弁44を設
け、上澄み液取出し管39の代わりに、前記弁44の上流側
の配管40と第2の逆洗水受けタンク14を弁41を介して接
続する配管42を設けた点、及びFeクラッド含有水取出
し配管37のタンク側端部は、前記実施例1の場合と同
様、逆洗水の上澄み部分を取り出す位置に開口させてあ
る点である。サンプリングライン43のタンク側開口位置
は、Feクラッド含有水取出し配管37のタンク側端部開
口位置とほぼ同レベルとしておくのが望ましい。他の構
成は前記実施例2と同じであるので、説明は省略する。
【0026】本実施例の特徴は、起動試験時及び再起動
時に運用した復水ろ過装置8のフィルタの逆洗水を第1
の逆洗水受けタンク13へと流し、通常運転時の逆洗水の
みを第2の逆洗水受けタンク14において貯蔵するように
したところにあり、第2の逆洗水受けタンク14に貯蔵し
たFeクラッド含有水を給水鉄注入ポンプ17で加圧して
給水鉄注入ライン18から給水系へと送り込む運転方法で
ある。
【0027】起動試験時に運用したフィルタの逆洗水中
にはFeクラッド以外の不純物が約50%程含まれてい
る。図8に示すように、この逆洗水受けタンクを2基設
置し、通常運転時の逆洗水のみを給水系に注入する方法
を用いることにより、給水系より注入するFeクラッド
含有水中に含まれる不純物の量は大幅に低減させること
ができ、逆洗水受けタンクを1基のみ設置した場合に比
べ、より純度の高いFeクラッド含有水を給水系に注入
することが可能となる。
【0028】〔実施例4〕実施例1〜3とその運転方法
において、逆洗水受けタンクにタンク内のFeクラッド
濃度を測定するFeクラッド濃度測定装置16を設置した
実施例4を図9〜11に示す。本実施例が前記実施例1
〜3と異なるのは、サンプリングライン43にFeクラ
ッド濃度を測定するFeクラッド濃度測定装置16を設置
し、サンプリングライン43の下流端を熱交換器32の下流
側の給水鉄注入ライン18に接続するとともに、Feクラ
ッド濃度測定装置16の出力を入力として給水鉄注入ライ
ン18の流量を制御する図示されていない制御手段を設け
た点である。他の構成は前記実施例1〜3と同じである
ので、説明は省略する。
【0029】Feクラッド濃度の測定には、例えば、レ
ーザー光の光散乱等を利用したものを用い、Feクラッ
ド濃度をオンライン測定する。逆洗水受けタンク内のF
eクラッド濃度は、復水フィルタの逆洗条件により異な
るので、Feクラッド濃度測定装置16で測定されたFeク
ラッド濃度値に対応してFeクラッド含有水の注入量を
制御することにより、より正確な給水Fe濃度制御が可
能となる。通常運転時の逆洗水受けタンク内のFeクラ
ッド濃度は500ppm程度であるので、給水Fe濃度を最適
値の0.5〜1ppb程度にするためには、110万kWクラスの
原子力発電プラントの場合、給水(6400t/h)中に10l
/h前後の流量で逆洗水受けタンク中の逆洗水を給水系
に注入することで、給水鉄制御が可能である。
【0030】給水鉄注入ライン18の流量を制御する制御
手段としては、給水鉄注入ポンプ17の回転数制御を行う
回転数制御手段、弁24の開度を制御する弁開度制御手段
が採用可能であり、回転数制御手段と弁開度制御手段の
双方を設けるようにしてもよい。
【0031】なお、サンプリングライン43の下流端は必
ずしも給水鉄注入ライン18に接続する必要は無く、給水
鉄注入ポンプ17の吸い込み側に接続してもよい。
【0032】〔実施例5〕図12〜14に、図9に示す
逆洗水受けタンク13、あるいは図10,図11に示す逆
洗水受けタンク14に、Fe以外の金属イオン又はクラッ
ドを注入する、金属注入装置34を設置した例を示す。本
実施例が図9、図10,図11に示す実施例4と異なる
のは、図9においてFeクラッド含有水取出し配管37が
接続された第1の逆洗水受けタンク13もしくは図10,
図11においてFeクラッド含有水取出し配管37が接続
された第2の逆洗水受けタンク14に、金属注入ポンプ33
及び弁21を介装した配管を介して金属注入装置34が接続
されている点である。他の構成は前記実施例4と同じで
あるので、説明は省略する。
【0033】例えば、ZnやNi等は、Fe酸化物と結合
してスピネル型酸化物を生成し易いので、本装置を用い
てZnやNiを逆洗水受けタンク13あるいは第2の逆洗水
受けタンク14内に注入することにより、燃料棒表面での
燃料付着クラッドの安定化を促進する効果がある。
【0034】また、AlもFe酸化物やCr酸化物中の3価
のFeやCrイオンと置換して酸化物を安定化する効果が
期待できるので、逆洗水受けタンク内への注入物質とし
て使用できる。
【0035】
【発明の効果】本発明の水質制御装置を用いて給水系に
注入された鉄クラッドは、従来の鉄注入装置を用いたも
のに比べ、クラッド粒径が小さく均一で、さらに2価の
鉄をほとんど含んでいない。従って、Ni、Coが燃料棒
表面に複合酸化物として付着した場合、その粒径は小さ
く2価の鉄も含んでいないため、剥離や溶出によって炉
内に溶出してくる割合は減少する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施例1を示す系統図である。
【図2】従来技術の鉄注入装置の構成を示す概念図であ
る。
【図3】復水フィルタ(CF)逆洗水に含まれるFeク
ラッドと電解Feクラッドの粒径分布を比較して示す概
念図である。
【図4】炉水温度条件でのCF逆洗Feクラッドと電解
FeクラッドからのNiフェライト生成効率を比較して示
すグラフである。
【図5】本発明の実施例2を示す系統図である。
【図6】実施例1及び2の復水クラッド注入系を用いた
時の復水フィルタ逆洗水に含まれるFeクラッドと電解
Feクラッドの粒径分布を比較して示す概念図である。
【図7】本発明の実施例3を示す系統図である。
【図8】実施例3の装置を用いた時の逆洗水受けタンク
内不純物濃度の低減効果を示すグラフである。
【図9】実施例1の復水Feクラッド注入系に鉄クラッ
ド濃度測定装置を設置した実施例4を示す系統図であ
る。
【図10】実施例2の復水Feクラッド注入系に鉄クラ
ッド濃度測定装置を設置した実施例4を示す系統図であ
る。
【図11】実施例3の復水Feクラッド注入系に鉄クラ
ッド濃度測定装置を設置した実施例4を示す系統図であ
る。
【図12】図9に示す実施例4の復水Feクラッド注入
系に金属を注入する装置を設置した実施例5を示す系統
図である。
【図13】図10に示す実施例4の復水Feクラッド注
入系に金属を注入する装置を設置した実施例5を示す系
統図である。
【図14】図11に示す実施例4の復水Feクラッド注
入系に金属を注入する装置を設置した実施例5を示す系
統図である。
【符号の説明】
1 原子炉 2 炉内発生蒸気 3 蒸気タービン 4 復水器 5 海水循環系 6 復水配管 7 復水ポンプ 8 復水ろ過装置 9 復水脱塩器 10 復水フィルタ出口弁 10A マニホールドパイプ 11 復水フィルタ入口弁 12 逆洗用空気供給タンク 13 第1の逆洗水受けタンク 14 第2の逆洗受水けタンク 15 弁 16 Feクラッド濃度測定装置 17 給水鉄注入ポンプ 18 給水鉄注入ライン 19〜24 弁 25 CO2ガス注入槽 26 配管 27 電解槽 28 配管 29 酸化用タンク 30,31 弁 32 熱交換器 33 金属注入ポンプ 34 金属注入装置 35 給水管 36 逆洗用空気注入管 37 Feクラッド含有水取出し配管 38 弁 39 上澄み液取出し管 40 配管 41 弁 42 配管 43 サンプリングライン 44 弁

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 タービン復水器で回収した復水を浄化す
    る復水浄化装置に非助材型の復水フィルタを用い、該復
    水フィルタを逆洗した水を貯溜する逆洗水受けタンクを
    設けてなる原子力発電プラントにおいて、前記逆洗水受
    けタンクと給復水系の間に接続配管が設けられており、
    該接続配管の逆洗水受けタンク側開口は、逆洗水受けタ
    ンクから逆洗水の上澄み部分を取り出す位置に配置され
    ていることを特徴とする原子力発電プラント。
  2. 【請求項2】 タービン復水器で回収した復水を浄化す
    る復水浄化装置に非助材型の復水フィルタを用い、該復
    水フィルタを逆洗した水を貯溜する逆洗水受けタンクを
    設けてなる原子力発電プラントにおいて、復水浄化装置
    の復水フィルタを逆洗した際に得られるFeクラッドを
    貯蔵するタンクが2基設けられ、第1のタンクでFeク
    ラッドを含んだ逆洗水を貯蔵し、第2のタンクは第1の
    タンクの上澄み液を貯蔵し、第2のタンクのFeクラッ
    ド含有水を復水浄化装置の下流側の給水系統に注入する
    ように構成されていることを特徴とする原子力発電プラ
    ント。
  3. 【請求項3】 タービン復水器で回収した復水を浄化す
    る復水浄化装置に非助材型の復水フィルタを用い、該復
    水フィルタを逆洗した水を貯溜する逆洗水受けタンクを
    設けてなる原子力発電プラントにおいて、復水浄化装置
    の復水フィルタを逆洗した際に得られるFeクラッドを
    貯蔵するタンクが2基設けられ、第1のタンクで起動試
    験時及び再起動時に運用したフィルタの逆洗水を貯蔵
    し、通常運転時の純度の高いFeクラッドを含む逆洗水
    を第2のタンクに貯蔵し、第2のタンクのFeクラッド
    含有水の上澄み部分を復水浄化装置の下流側の給水系統
    に注入するように構成されていることを特徴とする原子
    力発電プラント。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の原子力
    発電プラントにおいて、タンク内に貯蔵したFeクラッ
    ド含有水のFeクラッド濃度を測定する装置と、該装置
    の出力を入力として給復水系に注入するFeクラッド含
    有水の量を制御する手段とを設けたことを特徴とする原
    子力発電プラント。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかに記載の原子力
    発電プラントにおいて、プラント運転中に、逆洗水受け
    タンク中の復水Feクラッドを逆洗水受けタンクと給復
    水系の間に接続した配管を用いて給復水系へと注入し、
    給水鉄濃度制御を行うことを特徴とする原子力発電プラ
    ントの運転方法。
  6. 【請求項6】 請求項5に記載の原子力発電プラントを
    運転する方法において、給復水系に注入したFeクラッ
    ド含有水中のFeクラッドが燃料被覆管表面上でスピネ
    ル型の複合酸化物を形成することを促進する物質をFe
    クラッド含有水を貯蔵したタンク内にあらかじめ混入さ
    せ、給複水系にFeクラッド含有水を注入すると同時に
    注入することを特徴とする原子力発電プラントの運転方
    法。
  7. 【請求項7】 請求項6に記載の原子力発電プラントの
    運転方法において、スピネル型の複合酸化物形成促進物
    質として、Zn又はNi又はAlのいずれか一種類以上を
    イオン状又はクラッド状で混入させることを特徴とする
    原子力発電所の運転方法。
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