JP2007033352A - 原子炉への亜鉛供給方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 放射性物質を含む配管・機器内面への放射性物質の付着を抑制するための亜鉛注入設備の追加設置費用と運転および保守・管理の運転経費とを大幅に削減できる原子炉への亜鉛供給方法を提供する。
【解決手段】 沸騰水型原子炉1と、その蒸気で発電機を駆動する蒸気タービン3,4と、蒸気タービン4を駆動した蒸気を冷却し水に戻す復水器5と、復水を浄化する復水フィルタ7および復水脱塩器8と、浄化された復水を加熱し前記原子炉に戻すための給水加熱器10,12とを有する沸騰水型原子力発電プラントで、復水フィルタ7への処理水入口側のろ過面に亜鉛を含む粒子をプリコートして復水フィルタ7出口水中の亜鉛濃度を増加させ、復水フィルタ7に通水する復水流量の一部を復水フィルタバイパス弁,バイパス配管25によりバイパスし、復水フィルタ7出口水中の鉄濃度を増加させ、原子炉1に亜鉛を供給する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、原子炉への亜鉛供給方法に係り、特に、沸騰水型原子力発電プラントにおいて、炉水中に含まれるコバルト60等の放射性物質が炉水と接する構造材表面に付着する量を低減する効果を示す亜鉛(Zn)を原子炉に供給する方法に関する。
沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)は、原子炉内のウラン燃料の核分裂で発生する熱により燃料被覆管表面で冷却水を沸騰させ、その蒸気を主蒸気配管からタービンに直接送り発電する。
蒸気タービンは、発電効率を高めるため、高圧タービンと低圧タービンとを組合せてある。タービンで仕事を終えた蒸気は、海水を冷却管に導いた復水器内の冷却装置で冷却され、復水となる。
復水中には、タービン系で発生した鉄酸化物を多く含む腐食生成物が含まれる。この腐食生成物は、復水器下流に設けられた復水フィルタおよび復水脱塩器で浄化される。
浄化された復水は、低圧給水加熱器および高圧給水加熱器で昇温され、給水配管から再び原子炉に供給される。
復水器から原子炉の間には冷却水を原子炉に戻すために、復水ポンプ,復水昇圧ポンプ,給水ポンプが設けられている。
BWRプラントで使用されている復水フィルタは、主に2種類ある。その一つは、助材型の復水フィルタであり、粉末のイオン交換樹脂をエレメント表面にプリコートして用いるタイプである。
他の一つは、非助材型のフィルタであり、約0.1μmの孔径を有する中空糸膜およびプリーツタイプの膜を用いたフィルタである。
一方、BWRプラントの燃料表面では、冷却水(炉水)が沸騰し、炉水中に含まれる腐食生成物が燃料表面に付着する。
燃料表面には、ウラン燃料の核分裂で発生する中性子等の放射線が存在するので、腐食生成物の一部は、放射性物質に変化する。
さらに、燃料表面で生成した放射性物質の一部は炉水中に再び溶解し炉水とともに移動し、炉水と接する配管および機器の内面に放射性物質が付着する。
放射性物質が多く付着すると、配管および機器を点検する作業者が受ける放射線量を増加させるので、BWRプラントにおいても、放射性物質の発生抑制および配管・機器内面等に放射性物質が付着することを抑制する技術開発および適用されてきている。
配管および機器内面への放射性物質の付着を抑制する技術として、亜鉛注入技術がある(例えば、非特許文献1参照)。
炉水中に亜鉛を注入すると、炉水と接する配管および機器内面に生成する酸化皮膜内に亜鉛が取り込まれ、緻密な皮膜が形成され、皮膜量が減少する。
したがって、炉水中に含まれる放射性物質が配管および機器内面皮膜内に取り込まれる量も低減できる。
さらに亜鉛を炉水に供給する方法は、酸化亜鉛を高温(約150℃)の原子炉給水中で溶解させ注入する方法、炭酸を溶解させた純水中で亜鉛化合物を溶解させて注入する方法,室温の水の中で溶解性の大きい亜鉛化合物を溶解させて注入する方法などが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
"Proceedings of Water Chemistry for Nuclear Reactor Systems 4", BNES London, 1986, pp.113 −119 特開昭2000−162383号公報(第3〜4頁 図1〜図3)
上記従来の亜鉛注入方法は、プラントの系統の外で亜鉛化合物を溶解させた溶液を生成し、その後BWRプラントの系統水に注入する方法であり、何らかの注入設備が必要となる。
また、亜鉛を注入している間は、注入設備の運転および管理が必要となり、場合によっては、注入する亜鉛溶液を継続的に補給する必要がある。
したがって、これまでの亜鉛注入運転方法は、亜鉛注入設備の追加設置費用と運転および保守・管理の運転経費とを発生させていた。
本発明の課題は、放射性物質を含む配管・機器内面への放射性物質の付着を抑制するための亜鉛注入設備の追加設置費用と運転および保守・管理の運転経費とを大幅に削減できる原子炉への亜鉛供給方法を提供することである。
本発明は、上記課題を解決するために、BWRプラントの系統水中に亜鉛を溶解し供給する装置として、既存の復水フィルタおよび復水脱塩器を用い、それら浄化設備の運転手法および復水中に共存する鉄酸化物濃度の制御技術を組合せ、原子炉への亜鉛供給量を制御する手法を提案する。
すなわち、沸騰水型原子炉と、原子炉の蒸気で発電機を駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した蒸気を冷却し水に戻す復水器と、復水を浄化する復水フィルタおよび復水脱塩器と、浄化された復水を加熱し原子炉に戻すための給水加熱器とを有する沸騰水型原子力発電プラントにおいて、復水フィルタへの処理水入口側のろ過面に亜鉛を含む粒子をプリコートして復水フィルタ出口水中の亜鉛濃度を増加させ、復水フィルタに通水する復水流量の一部をバイパスして復水フィルタ出口水中の鉄濃度を増加させ、原子炉に亜鉛を供給する原子炉への亜鉛供給方法を提案する。
本発明は、また、沸騰水型原子炉と、原子炉の蒸気で発電機を駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した蒸気を冷却し水に戻す復水器と、復水を浄化する復水フィルタおよび復水脱塩器と、浄化された復水を加熱し原子炉に戻すための給水加熱器とを有する沸騰水型原子力発電プラントにおいて、復水脱塩器のイオン交換樹脂上層またはイオン交換樹脂中に亜鉛を含む粒子を添加して復水を通水し、復水脱塩器から亜鉛を含む粒子を徐々に排出させ、原子炉に亜鉛を供給する原子炉への亜鉛供給方法を提案する。
復水脱塩器のイオン交換樹脂上層またはイオン交換樹脂中に亜鉛を含む粒子を添加し復水を通水し、復水フィルタに通水する復水流量の一部をバイパスして復水フィルタ出口水中の鉄濃度を調整し、復水脱塩器から亜鉛を含む粒子が排出する量を調整し、原子炉に亜鉛を供給することもできる。
本発明によれば、放射性物質を含む配管・機器内面への放射性物質の付着を抑制するための亜鉛注入設備の追加設置費用と運転および保守・管理の運転経費とを大幅に削減でき、より経済的なBWRプラントの運転が達成できる。
次に、図1〜図6を参照して、本発明による原子炉への亜鉛供給方法の実施例を説明する。
図1は、本発明による原子炉への亜鉛供給方法を実施するためのBWRプラントの系統構成の一例を示す図である。
本実施例の沸騰水型原子力発電プラント(BWRプラント)は、原子炉1内のウラン燃料の核分裂で発生する熱により燃料被覆管表面で冷却水を沸騰させ、その蒸気を主蒸気配管2から蒸気タービンに直接送り発電する。
蒸気タービンは、発電効率を高めるため、高圧タービン3と低圧タービン4とを組合せてある。タービンで仕事を終えた蒸気は、海水を冷却管14に導いた復水器5内の冷却装置で冷却され、復水となる。
復水中には、タービン系で発生した鉄酸化物を多く含む腐食生成物が含まれる。この腐食生成物は、復水器5の下流に設けられた復水フィルタ7および復水脱塩器8で浄化される。
浄化された復水は、低圧給水加熱器10および高圧給水加熱器12で昇温され、給水配管13から再び原子炉1に供給される。
復水器5から原子炉1の間には、冷却水を原子炉1に戻すために、復水ポンプ6,復水昇圧ポンプ9,給水ポンプ11が設けられている。
BWRプラントで使用されている復水フィルタは主に2種類ある。その一つは、助材型の復水フィルタであり、粉末のイオン交換樹脂をエレメント表面にプリコートして用いるタイプである。
他の一つは、非助材型のフィルタであり、約0.1μmの孔径を有する中空糸膜およびプリーツタイプの膜を用いたフィルタである。
一方、BWRプラントの燃料表面では、冷却水(炉水)が沸騰し、炉水中に含まれる腐食生成物が燃料表面に付着する。
燃料表面には、ウラン燃料の核分裂で発生する中性子等の放射線が存在するので、腐食生成物の一部は、放射性物質に変化する。
さらに、燃料表面で生成した放射性物質の一部は炉水中に再び溶解し炉水とともに移動し、炉水と接する配管および機器の内面に放射性物質が付着する。
図2は、復水器に銅−亜鉛合金を使用しているプラントの亜鉛濃度と原子炉周り配管の放射性物質付着量との関係を示す図表である。
実プラントデータを用いて、本発明を実プラントに適用した場合の効果を検討した。
ここでは、亜鉛を注入している状態と等価なデータとして、復水器5の冷却管に銅−亜鉛合金を用いているAプラントのデータを採用した。
一方、亜鉛を注入していないプラントのデータとして復水器5の冷却管にチタン管を用いているBプラントのデータを採用した。
図2は、AプラントおよびBプラントの系統水中の亜鉛濃度,鉄酸化物濃度,原子炉1周りの配管内面放射能付着量の相対値を示している。
AプラントおよびBプラントの原子炉1回り配管内面に付着している放射性物質の付着量は、炉水中に亜鉛が存在するAプラントの方が、炉水中に亜鉛が存在しないBプラントよりも、1/1.5低い値となっている。
この比率は、両プラントの運転履歴が必ずしも同一でないので、炉水中亜鉛の共存による効果を定量的示しているものではない。
しかし、Aプラントにおいて放射性物質の付着量が低い要因の一つとして亜鉛の共存による効果が含まれると想定する。
また、Aプラントの運転データから、復水フィルタ7出口の亜鉛は、大部分が溶解成分として存在し、その濃度は約0.3ppbであった。復水脱塩器8出口の亜鉛は、多くが不溶解成分として存在し、その濃度は約0.01ppbであった。この時の復水脱塩器出口の鉄酸化物濃度は約1ppbであった。
復水フィルタ7出口水中では溶解成分であった亜鉛が、溶解成分のまま復水脱塩器8に供給されたと仮定すると、復水脱塩器8中のイオン交換樹脂により吸着除去される。
しかし、復水脱塩器8出口において亜鉛の不溶解成分濃度が検出された結果は、復水フィルタ7出口において鉄の不溶解成分に吸着した亜鉛が、復水脱塩器8内では亜鉛の不溶解成分として挙動したので、イオン交換樹脂に吸着されずに、鉄酸化物と一緒に復水脱塩器8出口から流出したと推定される。
この場合、復水フィルタ7出口の鉄酸化物に吸着する亜鉛の量は、復水フィルタ7出口の亜鉛濃度に依存し、さらに、復水脱塩器8出口から流出する亜鉛濃度は、亜鉛が吸着している復水脱塩器8出口の鉄酸化物濃度に依存すると考えることができる。
図3は、復水脱塩器への鉄酸化物蓄積量と復水脱塩器鉄酸化物除去率との相関を示す図である。
復水脱塩器8出口の鉄不溶解物の除去率は、AプラントおよびBプラントとも、図3に示すように、復水脱塩器8樹脂に補足される鉄酸化物量にほぼ比例して低下する性質を持っている。
したがって、復水フィルタ7出口の亜鉛濃度を調整すれば、復水フィルタ7出口の鉄酸化物に吸着する亜鉛量を調整可能となる。また、復水脱塩器8への鉄酸化物の供給量を調整すれば、復水脱塩器8出口の鉄酸化物濃度を調整でき、復水脱塩器8出口の鉄酸化物には亜鉛が吸着しているので、復水脱塩器8出口の亜鉛濃度も調整可能となる。
復水フィルタ7出口の亜鉛濃度を高めるには、復水フィルタ7入口側の復水に亜鉛を含む粒子を供給すればよい。
例えば、酸化亜鉛ZnOの室温の水に対する溶解度は、0.42mg/100ml水すなわち4.2ppmなので、復水フィルタ7出口の最大の亜鉛濃度は、4.2ppmまで高まる可能性がある。もちろん、実際は、酸化亜鉛の復水に対する溶解速度を考慮して復水フィルタ7に供給する亜鉛を含む可能物量を調整する必要がある。
亜鉛を含む粒子は、亜鉛金属の他に、酸化亜鉛,水酸化亜鉛,炭酸亜鉛,亜鉄酸亜鉛等でもよく、複数種類の化合物を組合せてもよい。
亜鉛を含む粒子からの亜鉛の溶出速度は、亜鉛を含む粒子の化学種および粒径または表面積に依存するので、採用する粒子の特性を予め確認すると、調整できる。
亜鉛を含む粒子を供給するのに好都合な復水フィルタ7は、中空糸膜フィルタまたはプリーツ膜フィルタの非助材型フィルタが好ましい。なお、助材型フィルタでも、粉末樹脂のプリコート材表面に亜鉛を含む粒子をオーバーコートすると、使用できる。
図4は、復水フィルタに亜鉛を含む粒子を供給する方法を示す図である。
復水フィルタ7には、復水フィルタ入口配管15から復水が入り、復水フィルタのろ過面を通過したのち、復水フィルタ出口配管16に至る。
この復水フィルタ塔中の復水を排水配管21からブローしておき、予め亜鉛を含む粒子を攪拌器18により懸濁させた亜鉛注入タンク17の水を亜鉛注入ポンプ19により復水フィルタ塔に注入する。
その後、復水フィルタ入口配管16から復水を導入すると、復水フィルタ塔内の亜鉛化合物が復水フィルタ表面にプリコートされる。
この状態で、復水の通水を継続すると、亜鉛を含む粒子から亜鉛が溶解し、復水フィルタ7出口水中の亜鉛濃度が増加する。
図5は、復水フィルタをバイパスして復水の一部を通過させる復水フィルタバイパス運転方法を示す図である。
次に、復水フィルタ出口の鉄酸化物濃度を上昇させる方法を示す。復水フィルタ7は、複数のフィルタ塔からなり、図5の場合は、4つのフィルタ塔がある。
プラントの運転中、復水フィルタに鉄酸化物が蓄積されるので、復水フィルタ塔の差圧が徐々に上昇する。このため、所定の差圧に達する前に、各復水フィルタ塔の入口弁22および出口弁23を閉じ1塔ずつ運転隔離し、フィルタ表面に蓄積した鉄酸化物を除去する逆洗操作をする。
この逆洗操作の期間は、代わりに、予備の復水フィルタ塔を通水するか、復水フィルタバイパス弁24を開いて、復水フィルタバイパス配管25に1塔分の復水を通水する。
この復水フィルタバイパス配管25を経由した場合は、復水は、復水フィルタを通過せず復水フィルタ入口配管15から復水フィルタ出口配管16に直接至るので、復水フィルタバイパス配管25を流れた流量比率に応じて、復水フィルタ出口の鉄酸化物濃度を上昇させることができる。
また、復水脱塩器8の樹脂上層に亜鉛を含む粒子を供給する方法でも、復水脱塩器8出口の亜鉛濃度を直接上昇させることが可能となる。
復水脱塩器8の樹脂層上部に供給された亜鉛を含む粒子は、復水が樹脂上層から下層に流れるので、運転中に徐々に樹脂層のすき間を移動し、徐々に復水脱塩器8の出口水にリークするからである。
また、亜鉛を含む粒子のリーク速度は、上層部から供給される鉄酸化物量に依存する性質があるから、図5に示した復水フィルタ7の一部バイパス運転により復水脱塩器8入口の鉄酸化物濃度を調整すれば、復水脱塩器8出口の亜鉛濃度もある程度調整できることになる。
なお、復水脱塩器8の樹脂のすき間を通過させるには、亜鉛を含む粒子の粒径を0.5μmから5μmの範囲に調整して用いることが有効とである。
図6は、復水脱塩器8の樹脂上層に亜鉛を含む粒子を供給する方法を示す図である。
復水は、復水脱塩器入口配管16から復水脱塩器8に入り、イオン交換樹脂層35を通過し、復水脱塩器出口配管27から流出する。
運転の継続により復水脱塩器のイオン交換樹脂中に復水中の鉄酸化物が蓄積するので、除去する必要がある。
復水フィルタ7と同様に、イオン交換樹脂中の鉄酸化物を除去する操作を逆洗操作と呼ぶ。
イオン交換樹脂の逆洗は、樹脂移送水供給配管29から移送水を樹脂塔下部に供給し、樹脂移送配管30を経由して樹脂逆洗・混合塔28に送り、樹脂逆洗・混合塔28内でなされる。
逆洗が終了した樹脂は、樹脂移送配管31を経由して再び脱塩塔8に戻される。
一方、新しい樹脂を脱塩塔に供給するために、樹脂移送用のエゼクタ32および樹脂移送配管33が設けられている。
新樹脂は、一旦、樹脂逆洗および混合塔に移送して洗浄され、樹脂移送配管31を経由して脱塩塔8に至る。
攪拌器18および亜鉛注入タンク17を有する亜鉛を含む粒子供給装置から、亜鉛注入タンク水を配管36により樹脂移送用エゼクタ吸い込み口に接続すると、復水脱塩器8の樹脂上層に亜鉛を含む粒子を供給できる。
最後に、上記亜鉛を含む粒子供給方法,復水フィルタ出亜鉛濃度,鉄酸化物濃度調整方法,復水脱塩器出口亜鉛濃度調整方法を用いた炉水亜鉛濃度調整方法を説明する。
ブラント運転開始後に、複数の復水フィルタ塔に亜鉛を含む粒子を供給し、フィルタ表面に亜鉛を含む粒子をプリコートし、復水を通水する。
その後に、復水フィルタバイパス弁24の開き、復水フィルタバイパス運転をすると、復水フィルタ7の出口水中の鉄酸化物濃度が増加する。復水フィルタ7の出口鉄酸化物には、復水フィルタ出口亜鉛濃度に依存して、亜鉛が吸着される。
さらに、運転を継続すると、図3に示したように、脱塩塔に蓄積される鉄酸化物量に依存して復水脱塩器8の出口水中の鉄酸化物濃度が上昇し、鉄酸化物濃度の増加に従い鉄酸化物に吸着した亜鉛濃度も上昇する。
復水脱塩器8出口の亜鉛濃度および炉水中の亜鉛濃度を測定し、亜鉛濃度が不足する場合は、復水フィルタ7にプリコートする亜鉛を含む粒子量を増加させ、または、復水フィルタ7をバイパスする復水量を増加させると、亜鉛濃度を増加させることが可能となる。
一方、復水脱塩器8出口の亜鉛濃度および炉水中の亜鉛濃度を測定し、亜鉛濃度が過剰の場合は、復水フィルタバイパス弁24を閉じ、復水の復水フィルタバイパス運転を中止する。復水フィルタバイパス運転の中止により、復水脱塩器8への鉄酸化物の蓄積量は減少する。しかし、樹脂層間には多量の亜鉛を吸着した鉄酸化物が蓄積されているので、復水脱塩器8からの鉄酸化物および亜鉛の放出はしばらく継続する。
しばらく経過後、亜鉛濃度が不足する場合は、再び復水フィルタバイパス弁24を開くと、復水脱塩器8出口の亜鉛濃度を増加させることができる。
このように、復水フィルタバイパス運転を間欠的にしても、炉水中の亜鉛濃度を調整できる。
また、復水フィルタバイパス運転を中断しても、亜鉛濃度の上昇が継続する場合は、復水フィルタ7にプリコートした亜鉛を含む粒子を鉄酸化物を逆洗する手順で、除去することも有効な方法である。
また、図6に示した方法で亜鉛を含む粒子を復水脱塩器8の上層部に供給した場合も、復水フィルタバイパス運転の繰返しにより、炉水中の亜鉛濃度を調整することが可能となる。
本発明による原子炉への亜鉛供給方法を実施するためのBWRプラントの系統構成の一例を示す図である。 復水器に銅−亜鉛合金を使用しているプラントの亜鉛濃度と原子炉周り配管の放射性物質付着量との関係を示す図表である。 復水脱塩器への鉄酸化物蓄積量と復水脱塩器鉄酸化物除去率との相関を示す図である。 復水フィルタに亜鉛を含む粒子を供給する方法を示す図である。 復水フィルタをバイパスして復水の一部を通過させる復水フィルタバイパス運転方法を示す図である。 復水脱塩器8の樹脂上層に亜鉛を含む粒子を供給する方法を示す図である。
符号の説明
1 原子炉
2 主蒸気配管
3 高圧タービン
4 低圧タービン
5 復水器
6 復水ポンプ
7 復水フィルタ
8 復水脱塩器
9 復水昇圧ポンプ
10 低圧給水加熱器
11 給水ポンプ
12 高圧給水加熱器
13 給水配管
14 冷却管
15 復水フィルタ入口配管
16 復水フィルタ出口配管
17 Zn注入タンク
18 攪拌器
19 Zn注ポンプ
20 給水配管
21 排水配管
22 入口弁
23 出口弁
24 復水フィルタバイパス弁
25 復水フィルタバイパス配管
26 復水脱塩器入口配管
27 復水脱塩器出口配管
28 樹脂逆洗および混合塔
29 樹脂移送水供給配管
30 樹脂移送配管
31 樹脂移送配管
32 樹脂移送用のエゼクタ
33 樹脂移送配管
34 復水脱塩器出口配管
35 イオン交換樹脂層
36 配管

Claims (3)

  1. 沸騰水型原子炉と、前記原子炉の蒸気で発電機を駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した蒸気を冷却し水に戻す復水器と、復水を浄化する復水フィルタおよび復水脱塩器と、浄化された復水を加熱し前記原子炉に戻すための給水加熱器とを有する沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    前記復水フィルタへの処理水入口側のろ過面に亜鉛を含む粒子をプリコートして前記復水フィルタ出口水中の亜鉛濃度を増加させ、
    前記復水フィルタに通水する復水流量の一部をバイパスして前記復水フィルタ出口水中の鉄濃度を増加させ、原子炉に亜鉛を供給することを特徴とする原子炉への亜鉛供給方法。
  2. 沸騰水型原子炉と、前記原子炉の蒸気で発電機を駆動する蒸気タービンと、蒸気タービンを駆動した蒸気を冷却し水に戻す復水器と、復水を浄化する復水フィルタおよび復水脱塩器と、浄化された復水を加熱し前記原子炉に戻すための給水加熱器とを有する沸騰水型原子力発電プラントにおいて、
    前記復水脱塩器のイオン交換樹脂上層またはイオン交換樹脂中に亜鉛を含む粒子を添加して復水を通水し、前記復水脱塩器から亜鉛を含む粒子を徐々に排出させ、原子炉に亜鉛を供給することを特徴とする原子炉への亜鉛供給方法。
  3. 請求項2に記載の原子炉への亜鉛供給方法において、
    前記復水脱塩器のイオン交換樹脂上層またはイオン交換樹脂中に亜鉛を含む粒子を添加し復水を通水し、
    前記復水フィルタに通水する復水流量の一部をバイパスして前記復水フィルタ出口水中の鉄濃度を調整し、前記復水脱塩器から亜鉛を含む粒子が排出する量を調整し、原子炉に亜鉛を供給することを特徴とする原子炉への亜鉛供給方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP2169686A1 (en) * 2008-09-25 2010-03-31 GE-Hitachi Nuclear Energy Americas LLC Replacement basket, a system using the replacement basket, and a method for loading the replacement basket
WO2022190764A1 (ja) * 2021-03-10 2022-09-15 三菱パワー株式会社 捕集装置、復水設備、及び捕集方法

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