JP2000120789A - ダンパ装置 - Google Patents

ダンパ装置

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JP2000120789A
JP2000120789A JP10331845A JP33184598A JP2000120789A JP 2000120789 A JP2000120789 A JP 2000120789A JP 10331845 A JP10331845 A JP 10331845A JP 33184598 A JP33184598 A JP 33184598A JP 2000120789 A JP2000120789 A JP 2000120789A
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damper
crankshaft
rubber member
inertia
torsional
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Susumu Numajiri
進 沼尻
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 クランク軸の捩り振動を低減し、エンジンの
運転騒音を効果的に低減することができる小型軽量で、
かつクランクケース内部のクランク軸部分に装着するこ
とができ、しかも耐久性及び信頼性が優れたダンパ装置
を提供する。 【解決手段】 慣性リングと、ダンパハブ及び慣性リン
グに焼付け固着された環状ゴム部材とを備え、同ダンパ
の慣性モーメントIとクランク軸系の等価慣性モーメ
ントIとの比I/I=0.05〜0.1、ダンパ
の捩り固有振動数fとクランク軸系の捩り等価固有振
動数fとの比f/f=0.95〜1.1、ダンパ
30における環状ゴム部材のロスファクタη=0.2〜
0.4に設定する。また、ダンパの慣性リングをSTK
M等の鋼材で作ると共に、環状ゴム部材を耐熱、耐油性
が優れたアクリルゴム、ニトリルブタジエンゴム等を使
用して、クランクケース内部での作動に対し、耐久性及
び信頼性を確保する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4気筒エンジンの
クランク軸に装着されて、同クランク軸の捩り振動を低
減すると共に、捩り振動に起因する運転騒音を低減する
ことができるダンパ装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、4気筒エンジンのクランク軸の先
端部に、ボルト等適宜の固着手段によって同軸的に装着
されるダンパハブと、同ハブの半径方向外側部分に環状
のゴム部材を介して装着された慣性リングとを有するダ
ンパ装置を設けたものにおいて、クランク軸の曲げ振動
に起因する運転騒音の低減を図るために、ダンパの曲げ
固有振動数fdbと、クランク軸系の等価曲げ固有振動
数febとの比fdb/febを0.7〜1.0に設定
したダンパ装置が、既に本出願人により提案され、特開
平4−302741号公開公報に開示されている。(以
下、場合により上記公開公報所載のダンパ装置を、既提
案の装置という。)
【0003】上記既提案の装置は、クランク軸の曲げ振
動、即ち振幅がクランク軸線に対し直角方向に生起する
振動に起因する運転騒音の低減に着目したものであっ
て、クランク軸の捩り振動を低減することにより運転騒
音の低減を意図したものではなく、従って、捩り振動に
関するダンパの固有振動数とクランク軸系の等価固有振
動数との比、ダンパの慣性モーメントとクランク軸系の
等価慣性モーメントの比、及びダンパにおける環状ゴム
部材のロスファクタを特定の範囲に設定することによ
り、クランク軸系の捩り振動を効果的に低減し、ひいて
は捩り振動に起因して発生するエンジンの運転騒音の低
減を図ることについては、全く示唆されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記事情に
鑑み創案されたもので、4気筒エンジンにおけるクラン
ク軸の捩り振動を効果的に低減することによって、捩り
振動に起因して発生する運転騒音を大幅に低減すること
ができ、しかも小型軽量でクランク軸への取付けが容易
なダンパ装置を提供することを、主たる目的とするもの
である。
【0005】本発明の他の目的は、クランク軸のクラン
クケース内部におけるウエブ部分に装着することがで
き、従ってダンパ装置の取付けのためにクランク軸の全
長を増大する必要がなく、しかも耐久性及び信頼性が優
れた4気筒エンジンのクランク軸に装着されるダンパ装
置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明は、4気筒エンジンのクランク軸に同軸的に
装着されるダンパハブと、同ダンパハブに環状ゴム部材
を介して装着された慣性リングとを有するダンパにおい
て、 I:上記ダンパの慣性モーメント I:上記クランク軸系の等価慣性モーメント f:上記ダンパの捩り固有振動数 f:上記クランク軸系の捩り等価固有振動数 η :上記環状ゴム部材のロスファクタ としたとき、慣性モーメント比I/I=0.05〜
0.1、捩り固有振動数比f/f=0.95〜1.
1、ロスファクタη=0.2〜0.4に設定したことを
特徴とするダンパ装置を提案するものである。
【0007】4気筒エンジンのクランク軸に装着される
ダンパ装置の慣性モーメント比、固有振動数比、及びロ
スファクタを夫々上記の範囲に設定することによって、
ダンパ装置を装着しない場合と較べ、捩り振動を40〜
70%低減し得る効果があり、ひいては、捩り振動に起
因する運転騒音を大幅に低減することができる小型軽量
で耐久性及び信頼性が優れたダンパ装置が提供される。
【0008】また、本発明においては、上記慣性リング
が鋼材によって作られ、かつ上記環状ゴム部材が、耐熱
性及び耐油性が優れたゴム材により作られていることが
好ましい。上記のように、慣性リングをSTKM等の鋼
材で作ることにより、通常は鋳鉄で作られていた慣性リ
ングと較べ、万一、環状ゴム部材が破断した場合でも慣
性リングが破砕することがなく、また環状ゴム部材をア
クリルゴム(ACM等)、水素添加ニトリルブタジエン
ゴム(H−NBR等)のような耐熱性及び耐油性が優れ
たゴム材料により作ることによって、ダンパ装置を、ク
ランク軸のクランクケース内に収容される部分、例えば
ウエブ部分に装着しても、耐久性及び信頼性を確保する
ことが可能となり、この結果、クランク軸の全長を短か
くすることができることとなる。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明の好ましい実施形態を
図1ないし図2を参照して説明する。先ず、図1ないし
図2に示した第1の実施形態において、符号10は車両
用4気筒エンジンのクランク軸を総括的に示し、同クラ
ンク軸10は、軸線方向に間隔を存して配置された5個
のクランクジャーナル12と、隣接するクランクジャー
ナル12間に配設された4個のクランクピン14と、各
クランクピン14の両側に配置されクランクピン14と
クランクジャーナル12とを連結するクランクウエブ1
6及び適宜のクランクウエブ16に一体的に形成された
バランスウエイト18とを備えている。
【0010】また、クランク軸10には、その内部に上
記クランクジャーナル12及びクランクピン14の外周
摺動面にオイルを供給するための油路20及び22が形
成され(図1ではその一部のみが示されている)ると共
に、前端にはカムシャフトや燃料噴射ポンプ等の補機類
を駆動するタイミングギヤトレーンを駆動するクランク
ギヤ24が固着され、また同クランク軸10の後端には
フライホイール26が装着されている。
【0011】クランク軸10の第1気筒#1に対応する
クランクピン14と最前端のクランクジャーナル12と
を連結するクランクウエブ16には、クランク軸線に対
し同軸的に短円筒状の円形支持部28が形成され、円形
支持部28には、総括的に符号30で示したダンパが装
着されている。
【0012】上記ダンパ30は、図3の要部拡大断面図
に示されているように、上記円形支持部28に外嵌され
圧入固着される円筒部32aと半径方向外方に延びた円
板部32bとを備えたダンパハブ32と、環状ゴム部材
34を介して上記ダンパハブ32の円板部32bに装着
された慣性体としての慣性リング36とから構成され、
上記環状ゴム部材34は、円板部32b及び慣性リング
36の対向する側面に加硫接着されている。
【0013】上記円板部32bとクランクウエブ16と
の間には、万一、同円板部32bが振動しクランクウエ
ブ16の側面に接触してフレッチング摩耗を生じ又は異
音を発生することを未然に防止するため、及び円板部3
2bの冷却を促進するために、好ましくは1mm程度の
隙間tが設けられている。なお、図中符号38は上記慣
性リング36の静的バランスをとるために、同慣性リン
グ36の環状ゴム部材34とは反対側の側面に穿設され
たバランス孔である。
【0014】上記ダンパ30を装着したクランク軸10
を有する4気筒エンジンが運転中に捩り振動を生起する
と、上記慣性リング36が、クランク軸10と一体に回
転するダンパハブ32に対し環状ゴム部材34を弾性変
形させてクランク軸線の回りに相対回転することによっ
て、振動エネルギが熱エネルギ変換されて捩り振動が低
減される。
【0015】上記ダンパ30を装着したクランク軸10
において、同ダンパ30の慣性モーメントをI、上記
クランク軸系の等価慣性モーメントをI、上記ダンパ
30の捩り固有振動数をf、上記クランク軸系の捩り
等価固有振動数をf、上記環状ゴム部材34のロスフ
ァクタをηとしたとき、以下詳細に説明するように、慣
性モーメント比μ=I/I=0.05〜0.1、捩
り固有振動数比λ=f/f=0.95〜1.1、ロ
スファクタη=0.2〜0.4に設定される。
【0016】先ず、図4は横軸に慣性モーメント比μを
とり、縦軸に捩り振幅及びダンパ30の重量Wをとって
示した線図である。図中に実線の曲線θで示されてい
るように、クランク軸10の捩り振幅は、慣性モーメン
ト比μが0.05以下で急増し、0.1以上では略一定
となり、ダンパ30の重量Wのみが増大する。一方、図
中に点線の曲線θで示されているように、ダンパの相
対振幅(ダンパハブ32に対する慣性リング36の捩り
振幅)は、慣性モーメント比μが0.05以下では急増
し、0.05から0.1の領域では漸減するが、0.1
を超えると振幅の減少は僅少であって、略サチュレート
し、ダンパ30の重量Wのみが増大する。
【0017】以上の事情から、クランク軸10の耐久性
を確保すると共に、特にダンパ30の耐久性を実質的に
左右する環状ゴム部材34の破損を防止し、さらにダン
パ30の軽量化を図るために、ダンパ30の慣性モーメ
ントとクランク軸10系の等価慣性モーメントとの比
は、μ=0.05〜0.1に設定することが合理的であ
る。
【0018】次に、図5は横軸に周波数をとり、縦軸に
クランク軸10の捩り振幅θをとって、捩り振動に関
するダンパ30の固有振動数fとクランク軸系の等価
固有振動数fの比λを種々変化させた場合のI節及び
II節のクランク軸振幅θと振動周波数との関係を示
したものである。図示のように、固有振動数比λが、実
線で示した0.95から点線で示した1.0、さらに一
点鎖線で示した1.1に増大するに従って、I節共振ピ
ーク値が増大し、かつピーク値が高周波数側に移動す
る。一方、II節共振ピーク値は、λが0.95から
1.0、さらに1.1に増大するに従いI節ピーク値よ
り減少し(但し、λ=0.95では減少量は僅少)かつ
ピーク値は高周波数側に移行する。なお、参考のため
に、ダンパ30を装着していないクランク軸10の振幅
が示されており、図示のようにその共振ピークは一つ
で、かつピーク値が格段に大きい。ダンパ30を装着す
ることによって、クランク軸振幅θの共振ピークがダ
ンパ無しの振幅曲線の両側のI節及びII節に分散さ
れ、かつピーク値が40〜70%減少する。
【0019】また、図6は横軸に周波数をとり、縦軸に
ダンパ30の相対振幅θをとって、上記固有振動数比
λを種々変化させた場合のI節及びII節の共振ピーク
と振動周波数との関係を示したものである。図示のよう
に、固有振動数比λが、0.95(実線で示す)から
1.0(点線で示す)、さらに1.1(一点鎖線で示
す)に増大するに従い、I節共振ピーク値が増大し、か
つピーク値が高周波数側に移動する。一方、II節共振
ピーク値は、λが0.95から1.0、さらに1.1に
増大するに従って減少し、かつピーク値が高周波数側に
移動する。一方、II節共振ピーク値は、λが0.95
から1.0、さらに1.1に増大するに従って、高周波
数側に移行するが、λ=0.95の場合、上記クランク
軸振幅θとは逆に、I節ピーク値より増大する。
【0020】図7は、横軸に上記固有振動数比λをと
り、縦軸にクランク軸10及びダンパ30の相対振幅を
とって、上記図5及び図6のI節及びII節の共振ピー
ク値の変化を整理して示したものであり、クランク軸振
幅θ及びダンパ相対振幅θの夫々において、I節共
振ピーク値を実線で、II節共振ピーク値を点線で示し
ている。
【0021】さらに、図8は横軸に上記固有振動数比λ
をとり、縦軸に最大捩り振幅、即ち図7におけるI節及
びII節共振ピークを含み何れか大きい方のピーク値を
とって示した線図である。図示のように、クランク軸振
幅及びダンパ相対振幅の双方において、固有振動数比λ
が0.95未満及び1.1を超える領域では夫々振幅が
著しく大きくなり、0.95以上1.1以下の領域では
夫々振幅が十分小さくなる。従って、λ=0.95〜
1.1に設定することによって、クランク軸10の捩り
振動に対する耐久性を確保することができると共に、ダ
ンパ30の、特に環状ゴム部材34の耐久性を確保する
ことができる。
【0022】次に、図9はダンパ30における環状ゴム
部材34のロスファクタηを横軸にとり、縦軸に捩り振
幅をとって、クランク軸10の捩り振幅θ(図中に実
線で示す)及びダンパ30の相対振幅θ(図中に点線
で示す)を調べたものである。
【0023】図示のように、ロスファクタηが0.2未
満の領域では、クランク軸捩り振幅θ及びダンパ相対
振幅が共に大きくなり、特に後者のダンパ相対振幅θ
が大きくなるとダンパ30の耐久性に悪影響を及ぼすの
で、好ましくない。また、ロスファクタηが0.4を超
える領域では、クランク軸振幅θ及びダンパ相対振幅
θの何れもが実質的にサチュレートして、耐久性等の
性能向上が期待されない。従って、ロスファクタηは、
0.2以上0.4以下の範囲に設定することが、特に環
状ゴム部材34の耐久性等の観点から合理的である。
【0024】上記のように、捩り振動に関するダンパ3
0の諸元、即ち上記慣性モーメント比μ=I/I
0.05〜0.1、慣性モーメント比λ=f/f
0.95〜1.1、環状ゴム部材36のロスファクタη
=0.2〜0.4に設定することによって、図5に一例
が示されているように、ダンパ30を装着していないク
ランク軸と較べ、クランク軸10の捩り振幅を40〜7
0%程度低減することができ、この結果、エンジンの運
転騒音を大幅に低減することができる。
【0025】再び図1ないし図3に戻り、ダンパ30を
クランク軸10の最前端のクランクジャーナル12に隣
接するクランクウエブ16の円形支持部28に、クラン
ク軸線に対し同軸的に装着することによって、ダンパを
クランク軸10の最前端に装着する通常の構成と較べ、
クランク軸10の全長を短縮し、ひいてはエンジンの全
長を短縮して、車両への搭載性を向上し、かつ重量を軽
減し得る利点がある。しかしながら、ダンパ30がクラ
ンク軸10を収容するクランクケース(図示せず)の内
部に収蔵されることとなるので、従来のクランクケース
外部に配置されるダンパとは、異る条件下で作動する。
【0026】そこで、上記ダンパ30では、通常は鋳鉄
によって作られていた慣性リング36を靭性が高い鋼材
によって製造する。使用鋼材には、強度及び靭性、並び
に加工コストの観点から、機械構造用炭素鋼鋼管材ST
KM(JIS:G3445)を用いることが有利である
が、その他の鍛造用鋼材、機械構造用炭素鋼材等を広く
採用することができる。慣性リング36を鋼材で作るこ
とによって、万一、環状ゴム部材34が破損した場合、
鋳鉄製リングでは、リング自体が回転中に細片に破砕さ
れて、最悪の場合、エンジン自体に重大な損傷を与える
可能性があるが、靭性に富む鋼材製の慣性リング36
は、万一の環状ゴム部材34の破損の場合でも、リング
状を保ち回転するので、運転者が異音を認識して必要な
処置を講ずるまで、エンジン自体に大きな損傷を与える
ようなことがなく、安全性が高い利点がある。
【0027】また、ダンパ30が、運転中オイルが飛散
しその飛沫が充満しているクランクケース内で作動する
ので、環状ゴム部材34には、耐油性及び耐熱性が優れ
たゴム材料、例えばアクリルゴム(ACM)、水素添加
ニトリルブタジエンゴム(H−NBR)、エピクロロピ
ドリンゴム(CO)、ふっ素ゴム(FKM)等を適宜採
用し、カーボン粒子その他の充填材を加え上記ロスファ
クタη=0.2〜0.4になるように調製して使用す
る。これにより、クランクケース内部での作動条件下
で、耐久性を十分に確保することができる。
【0028】次に、図10は、本発明の第2の実施形態
を示す図3同様の要部断面図である。この実施形態で
は、クランク軸の円形支持部28に、スリーブ状に形成
されたダンパハブ32が圧入外嵌されている。スリーブ
状ダンパハブ32の外周に円心的に慣性リング36が環
状ゴム部材34を介して焼付け固着されている。上記慣
性リング36は適宜の鋼材によって作られ、環状ゴム部
材36は、上記アクリルゴム、水素添加ニトリルブタジ
エンゴム等の耐熱、耐油性ゴム材料によって作られてい
る。
【0029】図10に示したダンパ30の諸元、即ち慣
性モーメント比μ=I/I=0.05〜0.1、固
有振動数比λ=f/f=0.95〜1.1、環状ゴ
ム部材36のロスファクタη=0.2〜0.4に設定さ
れ、これによって上記第1の実施形態と同様に、4気筒
エンジンのクランク軸10の捩り振動を40〜70%低
減することができ、エンジンの運転騒音を大幅に低減す
ることができる。また、クランクケースの内部における
クランク軸部分、例えばウェブ16に設けた円形支持部
28に装着することができるので、クランク軸10の全
長を短くし、ひいてはエンジンの全長を短くして重量を
軽減し、かつ車両への搭載性を向上することができると
共に、ダンパ30自体の耐久性及び信頼性を確保するこ
とができる。
【0030】更に、図11及び図12は、本発明の第3
の実施形態を示す要部断面図である。図示のように、ダ
ンパ30のダンパプレート32の形状、環状ゴム部材3
4及び慣性リング36の形状は、基本的に前記第1実施
例と実質的に同一であるが、図11に良く示されている
ように、ダンパ30の組付け前の自由状態でダンパハブ
30の円筒部32aに対し円板部32bがウェブ16側
に若干傾斜して配置されている。勿論、ダンパハブ32
の円板部32bと慣性リング36との間には、予め環状
ゴム部材34が加硫接着されている。
【0031】ダンパハブ32の円筒部32aの内径と、
ウェブ16側の円形支持部28の外径との間には、必要
な圧入代が予め与えられている。図11に矢印Pで示さ
れているように押圧力を加え圧入することによって、主
として、円筒部32aと円板部32bとの接合屈曲部分
が変形し、円板部32bがウェブ16の対向する側面に
密着する。円板部32bがウェブ16に密着することに
よって、同円板部32bの振動が抑止されフレッチング
摩耗が発生する恐れがなく、また環状ゴム部材34の捩
り変形に基づく発熱は、金属接触している円板部32b
からウェブ16を経てクランクケース内の空気及びオイ
ルに伝達される。
【0032】上記第3実施形態に示したダンパ30の慣
性モーメント比μ、固有振動数比λ、環状ゴム部材34
のロスファクタη等の諸元、並びに、慣性リング36及
び環状ゴム部材34の材質は前記第1及び第2実施形態
と実質的に同等であり、縷々再述するまでもなく、これ
ら第1及び第2実施形態と実質的に同様の利点及び効果
を収めることができる。
【0033】なお、本発明は、その特許請求の範囲内
で、上記第1ないし第3実施形態に種々の変更、修正を
加え、実施することができる。
【0034】
【発明の効果】叙上のように、本発明に係るダンパ装置
は、4気筒エンジンのクランク軸に同軸的に装着される
ダンパハブと、同ダンパハブに環状ゴム部材を介して装
着された慣性リングとを有するダンパにおいて、 I:上記ダンパの慣性モーメント I:上記クランク軸系の等価慣性モーメント f:上記ダンパの捩り固有振動数 f:上記クランク軸系の捩り等価固有振動数 η:上記環状ゴム部材のロスファクタ としたとき、慣性モーメント比I/I=0.05〜
0.1、捩り固有振動数比f/f=0.95〜1.
1、ロスファクタη=0.2〜0.4に設定したことを
特徴とし、4気筒エンジンのクランク軸の捩り振動を効
果的に低減して、エンジン運転騒音を大幅に低減するこ
とができる小型軽量で耐久性及び信頼性が優れたダンパ
装置を提供し得る利点がある。
【0035】また、本発明において、上記慣性リングが
鋼材によって作られ、かつ上記環状ゴム部材が、耐熱性
及び耐油性が優れたゴム材により作られていることによ
り、ダンパをクランク軸のクランクケース内部に装着す
る場合、環状ゴム部材の耐久性を効果的に確保すること
ができ、また万一、環状ゴム部材が破損した場合でも慣
性リングが破砕することがなく、エンジン内部の大きな
破損を生じることがないので、ダンパの耐久性及び信頼
性を確保し得る利点があり、この効果、クランク軸の全
長を短くすることができひいてはエンジンの重量を軽減
し、かつ車両への搭載性を向上し得る利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態を示す一部を断面で示
した平面図である。
【図2】図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】図1の要部を拡大して示した断面図である。
【図4】図1に示したダンパを有するクランク軸におけ
る慣性モーメント比と捩り振幅及びダンパ重量との関係
を示した線図である。
【図5】図1に示したダンパを有するクランク軸におけ
る固有振動数比とクランク軸振幅との関係を示した線図
である。
【図6】図1に示したダンパを有するクランク軸におけ
る固有振動数比とダンパ相対振幅との関係を示した線図
である。
【図7】図1に示したダンパを有するクランク軸におけ
る固有振動数比とクランク軸及びダンパ相対振幅との関
係を示した線図である。
【図8】図7の線図に基づきクランク軸及びダンパの最
大捩り振幅と固有振動数比との関係を示した線図であ
る。
【図9】図1に示したダンパにおける環状ゴム部材のロ
スファクタとクランク軸及びダンパの捩り振幅との関係
を示した線図である。
【図10】本発明の第2の実施形態を示した要部拡大断
面図である。
【図11】本発明の第3の実施形態においてダンパハブ
圧入前の状態を示した要部断面図である。
【図12】図11の状態からダンパハブを圧入しクラン
ク軸への取付けが終了した状態を示した要部断面図であ
る。
【符号の説明】 10…クランク軸、12…クランクジャーナル、14…
クランクピン、16…クランクウェブ、28…円形支持
部、30…ダンパ、32…ダンパハブ、34…環状ゴム
部材、36…慣性リング。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 4気筒エンジンのクランク軸に同軸的に
    装着されるダンパハブと、同ダンパハブに環状ゴム部材
    を介して装着された慣性リングとを有するダンパにおい
    て、 I:上記ダンパの慣性モーメント I:上記クランク軸系の等価慣性モーメント f:上記ダンパの捩り固有振動数 f:上記クランク軸系の捩り等価固有振動数 η :上記環状ゴム部材のロスファクタ としたとき、慣性モーメント比I/I=0.05〜
    0.1、捩り固有振動数比f/f=0.95〜1.
    1、ロスファクタη=0.2〜0.4に設定したことを
    特徴とするダンパ装置。
  2. 【請求項2】 上記慣性リングが鋼材によって作られ、
    かつ上記環状ゴム部材が、耐熱性及び耐油性が優れたゴ
    ム材により作られていることを特徴とする請求項1記載
    のダンパ装置。
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