JP2000119552A - 光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物 - Google Patents

光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物

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JP2000119552A
JP2000119552A JP30941998A JP30941998A JP2000119552A JP 2000119552 A JP2000119552 A JP 2000119552A JP 30941998 A JP30941998 A JP 30941998A JP 30941998 A JP30941998 A JP 30941998A JP 2000119552 A JP2000119552 A JP 2000119552A
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titanium oxide
inorganic coating
photocatalytic titanium
coating composition
photocatalytic
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JP30941998A
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Asanori Nakamura
朝徳 中村
Tomoya Tsurushita
知也 鶴下
Shinji Kubo
真治 久保
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】一般的な塗装方法を用いた厚膜塗装が可能であ
って、それから得られる塗膜の初期の分解性に問題のな
い光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物を提供す
る。 【解決手段】光触媒酸化チタンとその他の顔料とを含む
無機塗料組成物であって、光触媒酸化チタンの平均粒径
よりもその他の顔料の平均粒径が大きく、光触媒酸化チ
タンの平均粒径が0.5〜3μmであり、その他の顔料
の平均粒径が5〜50μmである、光触媒酸化チタン含
有水性無機塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光触媒酸化チタン含
有水性無機塗料組成物、その製造方法、光触媒酸化チタ
ン含有無機塗膜およびその形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光励起によって生じる酸化還元作用、い
わゆる光触媒作用を有する酸化チタンは、分解、浄化お
よび殺菌などを必要とする分野への利用が検討されてい
る。例えば、この光触媒酸化チタンを含有した塗膜を室
内に設けることにより、アルデヒドなどの室内に存在す
る有害物質を除去することができる。しかし、通常の有
機バインダーを用いた塗膜に光触媒酸化チタンを含有さ
せた場合には、光触媒作用により有機バインダーが分解
してしまうという問題点を有しており、これを克服する
ためには、無機系などの難分解性のバインダーを用いる
必要性があった。
【0003】このため、エチルシリケートなどの金属ア
ルコキシドを無機バインダーとした光触媒酸化チタン含
有無機塗料が知られている。しかし、このものは金属ア
ルコキシドが微粒子であるために、透明な薄膜のものし
か得ることができず、用途が限られてしまう。また、透
明な薄膜であるために、被塗物表面を分解してしまう恐
れさえある。しかも、これまでの光触媒酸化チタン含有
無機塗料は、ディッピング法、スピンコーティング法な
どの特殊な方法で塗装されるのが普通であり、屋内塗装
には利用することができなかった。
【0004】一方、塗装作業性および塗膜性能を向上さ
せるために、有機化合物である種々の添加剤が無機塗料
中にも含まれている。光触媒酸化チタンが含有される塗
膜中では、光触媒酸化チタンの近傍に存在するこれらの
有機化合物がまず分解され、実質的に光触媒能を発揮す
るまでに時間がかかり、初期の分解性が低いという問題
を有している。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、厚膜塗装が
可能である光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物を
提供するものである。また、本発明は、一般的な塗装方
法を用いて塗装可能な、光触媒酸化チタン含有水性無機
塗料組成物を提供するものである。さらに本発明は、初
期の分解性に問題のない光触媒酸化チタン含有水性無機
塗料組成物を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒酸化チ
タンとその他の顔料とを含む無機塗料組成物であって、
光触媒酸化チタンの平均粒径よりもその他の顔料の平均
粒径が大きいことを特徴とする光触媒酸化チタン含有水
性無機塗料組成物を提供するものである。
【0007】また、本発明は、上述の光触媒酸化チタン
含有水性無機塗料組成物によって形成された光触媒酸化
チタン含有無機塗膜を提供するものである。さらに、本
発明は、シリカ、タルクおよび炭酸カルシウムを含有す
る無機塗料組成物に、シリカ、タルクおよび炭酸カルシ
ウムの平均粒径より小さい平均粒径を有する光触媒酸化
チタンを添加することを特徴とする、光触媒酸化チタン
含有水性無機塗料組成物の製造方法を提供するものであ
る。
【0008】さらに、本発明は、上述の光触媒酸化チタ
ン含有無機塗料組成物を基材の上に塗布することを特徴
とする、光触媒酸化チタン含有無機塗膜の形成方法を提
供するものである。
【0009】光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物 本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物は、
光触媒酸化チタンとその他の顔料とを含んでいる。本発
明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物に含まれ
ている光触媒酸化チタンは、光照射により有機物の酸化
還元反応に対して触媒作用を示すものであり、純粋な酸
化チタンの他、含水酸化チタン、水和酸化チタン、メタ
チタン酸、オルトチタン酸、水酸化チタンと呼ばれてい
るものを含む。この中で、酸化チタンまたはこれより低
次酸化状態にあるものが好ましく用いられる。酸化チタ
ンの結晶型はアナターゼ型であることが好ましいが、ル
チル型およびフルッカイト型を含んでいても構わない。
【0010】本発明に用いられる光触媒酸化チタンの平
均粒径は、後述するその他の顔料の平均粒径よりも小さ
くなければならない。おそらく塗料中では、小さな平均
粒径を持つ光触媒酸化チタンがその他の顔料に凝集した
形をとっているものと考えられる。この光触媒酸化チタ
ンの平均粒径は、その他の顔料の平均粒径よりも小さけ
れば特に限定はされないが、具体的には0.5〜3μm
であり、好ましくは0.8〜1.2μmである。3μm
を上回ると、比表面積が小さくなり、光触媒活性が低下
する恐れがある。
【0011】本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物に含まれているその他の顔料は、光触媒作用を
受けないものであれば特に限定されないが、上述の光触
媒酸化チタンよりも粒径が大きくなければならない。具
体的には、平均粒径が5〜50μmである。光触媒酸化
チタンよりも粒径が小さいと、厚膜化が不可能である。
一方、50μmを上回るような粒径では、得られる塗膜
の平滑性が失われる恐れがある。
【0012】本発明に用いられるその他の顔料の具体例
としては、シリカ、タルク、炭酸カルシウムおよび無機
着色顔料を挙げることができる。これらは、単独または
混合して用いられるが、塗料および塗膜としての性能を
考慮すると、シリカ、タルク、炭酸カルシウムの3種を
少なくとも用いることが好ましい。
【0013】上述の光触媒酸化チタンの水性無機塗料組
成物中の含有量は、この無機塗料組成物から得られる塗
膜中に光触媒酸化チタンが10〜80重量%、好ましく
は30〜70重量%含まれるように設定されることが好
ましい。10重量%を下回ると光触媒能が十分に発現せ
ず、80重量%を上回っても光触媒能の増大は期待でき
ない。一方、その他の顔料は、この無機塗料組成物から
得られる塗膜中に10〜80重量%含まれるように設定
されることが好ましい。この範囲外では期待する効果が
得られない恐れがある。
【0014】本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物は、バインダーとして水ガラスを含有している
ことが好ましい。水ガラスは二酸化ケイ素を含むケイ酸
ナトリウムの水溶液であり、一般にM2O・nSiO2の
化学式で表示されるものである。Mがナトリウムの場合
には、n=2〜4、カリウムの場合には、n=2〜3.
8、リチウムの場合には、n=3.5〜7.5のものが
市販されており、これらの中から適宜選択して使用する
ことができる。水ガラスの光触媒酸化チタン含有水性無
機塗料組成物中の含有量は、この無機塗料組成物から得
られる塗膜中に水ガラスが10〜60重量%含まれるよ
うに設定されることが好ましい。10重量%を下回ると
塗膜形成が十分でなく、60重量%を上回ると光触媒能
が十分に発現しない恐れがある。
【0015】また、本発明の光触媒酸化チタン含有水性
無機塗料組成物がバインダーとして水ガラスを含有する
場合には、硬化剤を含有していることがさらに好まし
い。特に本発明の塗料組成物を室温および強制的に乾燥
させる場合に有効である。このような硬化剤としては、
水ガラスの硬化剤として知られているものが利用可能で
ある。例えば、多価金属の水酸化物、酸化物、ケイフッ
化物、炭酸塩、リン酸塩やフェロシリコン、亜鉛末など
が知られており、重リン酸アルミニウムなどの金属リン
酸系のものを用いることが好ましい。上記硬化剤の量
は、用いる水ガラスの量に応じて決定することができ
る。
【0016】一方、本発明の光触媒酸化チタン含有水性
無機塗料組成物は、吸着剤をさらに含有していても構わ
ない。吸着剤を含有させることにより、膜中に有機化合
物が存在する場合の光触媒酸化チタンの問題点である、
初期の分解性の低さを補うことができる。このような吸
着剤として、化学吸着型のものと物理吸着型のものが存
在するが、両方を用いることが好ましい。
【0017】上記化学吸着型吸着剤としては、アルデヒ
ド系ガスを吸着する性質を有するものを用いることが、
屋内で本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成
物を適用する際に好ましい。これは、特に悪臭物質とし
てよく知られているアセトアルデヒドが物理吸着される
ことが非常に困難であるためである。このようなアルデ
ヒド系ガスを吸着する性質を有するものの例として、ケ
ムキャッチH−6000(大塚化学社製の窒素含有有機
物系吸着剤)やK−フレッシュZA(テイカ社製のアミ
ン系官能基をインタカレーションしたリン酸アルミニウ
ム)を挙げることができる。
【0018】なお、化学吸着型吸着剤が低分子有機化合
物である場合には、化学吸着型吸着剤自身が経時で光触
媒酸化チタンで分解されるが、分解後は光触媒酸化チタ
ン自身の強い分解機能が生じるので特に問題ではない。
【0019】一方、上記物理吸着型吸着剤としては、活
性アルミナ、珪藻土、酸性白土、ゼオライト、活性炭な
どよく知られたものの他に、酸性及び塩基性ガスを吸着
する性質を有するものとして、ライオナイトSF(ライ
オン社製)を挙げることができる。
【0020】また、本発明の光触媒酸化チタン含有水性
無機塗料組成物に吸着剤を用いる場合、効率的に有害悪
臭ガスを除去するために、その平均粒径は5〜50μm
であることが好ましく、吸着剤の周りに光触媒酸化チタ
ンが凝集した形にしておくことがさらに好ましい。
【0021】本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物に吸着剤を用いる場合の含有量の考え方は、上
記その他の顔料の一部と見なすこととする。すなわち、
この無機塗料組成物から得られる塗膜中に吸着剤とその
他の顔料とを合計した含有量が、この無機塗料組成物か
ら得られる塗膜中に10〜80重量%含まれるように設
定されることが好ましい。
【0022】本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物は、上記の成分の他に有機バインダーおよび添
加剤を含有していてもよい。有機バインダーを含有する
ことによって耐水性、耐アルカリ性、および下地との密
着性を向上させることができる。この目的のため、この
無機塗料組成物から得られる塗膜中に有機バインダーが
3〜30重量%含まれるよう水ガラスに置き換えて用い
られることが好ましい。すなわち、有機バインダーを用
いる際には、水ガラスと有機バインダーとの塗膜中での
合計量が10〜60重量%になるように設定される。な
お、有機バインダーの塗膜中の含有量が3重量%を下回
ると、上記の効果が得られず、30重量%を上回ると有
機バインダーが光触媒能により分解され、チョーキング
現象を引き起こす恐れがある。有機バインダーの具体例
としては、高耐候性のエマルションが好ましく、具体的
には、サンモールSW−131(三洋化成工業社製のア
クリルシリコーン系エマルション)などがある。
【0023】一方、上記添加剤としては、本発明の光触
媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物の塗料安定性を確
保するため、周知の界面活性剤や消泡剤を用いることが
できる。
【0024】本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物は、上述の各種成分を通常の手段を用いて混合
することにより、得ることができるものであるが、市販
されている、シリカ、タルクおよび炭酸カルシウムを含
有する無機塗料に光触媒酸化チタンおよびその他の不足
する成分を添加することによっても得ることができる。
後者の場合には、用いる無機塗料に含まれている成分が
粒径などの上述の規定を満たしている必要がある。
【0025】光触媒酸化チタン含有無機塗膜およびその
形成方法 本発明の光触媒酸化チタン含有無機塗膜は、上記光触媒
酸化チタン含有無機塗料組成物を基材上に塗布すること
によって得られる。このような基材としては、コンクリ
ート、モルタル、石膏ボード、化粧ボード(合板)、塩
ビクロスなどをあげることができる。これらの基材は、
その表面が有機塗膜層に覆われていても構わない。この
有機塗膜層は、下塗りが施されることにより得られるも
のである。下塗りとしては、各々の基材に用いられる一
般的エマルション塗料を従来の仕様で塗装することによ
り得られるものが好ましいが、有機塗膜層の最上面は下
塗りとしてカチオン型シーラーを用いて得られた有機塗
膜であることが好ましい。これは、上記の一般的エマル
ション塗料に含まれる低分子量の界面活性剤が光触媒酸
化チタン含有無機塗膜に移行するのを防止するととも
に、本発明の光触媒酸化チタン含有無機塗料組成物が水
ガラスを含有している場合、カチオン型シーラーに含ま
れる酸基が、硬化触媒の役割を果たすことが期待できる
からである。このようなカチオン型シーラーとしては、
カネビノールKD−21(日本NSC社製のカチオン型
アクリルシリコーン水溶性樹脂)などを挙げることがで
きる。
【0026】本発明の光触媒酸化チタン含有無機塗膜の
形成方法によれば、上記の基材に対して、本発明の光触
媒酸化チタン含有無機塗料を、一般的な方法であるロー
ラー、刷毛、エアースプレー、エアレススプレーを用い
て、10〜200μm、好ましくは30〜100μmの
乾燥膜厚になるように塗装し、1〜7日程度、常温また
は強制乾燥することで本発明の光触媒酸化チタン含有無
機塗膜を得ることができる。
【0027】
【実施例】実施例1 光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物の製造 下記に示す成分を混合することにより、重量固形分が5
0%である光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物を
製造した。ここで、シリカ、タルク、炭酸カルシウムお
よびルチル型酸化チタンの平均粒径は5〜50μmであ
り、光触媒酸化チタンは平均粒径が1μmのものを用い
た。また、この光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成
物から得られた塗膜中の各成分の含有量は、光触媒酸化
チタンが40重量%、その他顔料および吸着剤の合計が
42重量%、水ガラスが10重量%および有機バインダ
ーが8重量%であった。
【0028】 *1 大塚化学社製の化学吸着型吸着剤 *2 ライオン社製の物理吸着型吸着剤 *3 日本化学社製の水ガラス *4 三洋化成社製の有機バインダー *5 多木化学社製の光触媒酸化チタン
【0029】実施例2 評価用試験板の作成 ハイビニレックス80(日本ペイント社製の水性塗
料)、およびその上にカネビノールKD−21(日本N
SC社製のカチオン型アクリルシリコーン水溶性樹脂)
をそれぞれ塗布乾燥したアルミ板(10×10cm、厚
さ0.5mm)の塗装面に、実施例1で製造した光触媒
酸化チタン含有水性無機塗料組成物を、乾燥膜厚50μ
mになるようローラーを用いて塗布した。これを室温で
4日間乾燥し、試験板を得た。
【0030】実施例3 光触媒酸化チタン含有無機塗膜
のガス分解性評価 実施例2で作成した試験板を、ガス導入口およびガステ
ック社製のガス検知管を備えた密閉可能な容量1900
mlの試験容器に入れた。この試験容器に100ppm
になるよう、ガスを吹き込んだ後、20Wのブラックラ
イトを用いて紫外線強度が1.0mW/cm2になるよ
うに設定し、温度25℃、湿度65±5%の条件下でガ
ス濃度を所定時間ごとに測定した。評価に用いたガスと
しては、住居内での不快臭の原因物質と考えられるアセ
トアルデヒド、酢酸、硫化水素およびアンモニアの4種
類を用いた。なお、日本ペイント社製の一般水性塗料で
あるハイビニレックス80を用いて製造した塗膜を比較
試験材料とした。なお、試験板に用いている基材がアル
ミニウムであることから、ガスの基材への吸着はないも
のとして考えることができる。結果を図1に示す。図1
から、光触媒酸化チタンを含有する無機塗膜が4種類の
ガス全てに対して分解効果を有していることがわかる。
【0031】実施例4 光触媒酸化チタン含有無機塗膜
のセルフクリーニング性試験 6畳の空間(3.6m×2.7m×2.5m)の1/2
00の体積を有する密閉可能な箱に光源として蛍光灯を
取付け、ここに実施例2で作成した試験板を入れた。1
0時間光照射させながら0.2本分のタバコヤニを燃や
した後、14時間光照射をせずそのまま放置することを
1サイクルとし、1サイクルが終了した時点で塗膜の色
差をミノルタ社製色差計CR−200を用いて測定し
た。なお、日本ペイント社製の一般水性塗料であるハイ
ビニレックス80を用いて製造した塗膜を比較試験材料
とした。結果を図2に示す。図2から、光触媒酸化チタ
ンを含有する無機塗膜は、光触媒酸化チタンを含有しな
い有機塗膜に比べて色差が変化せず、セルフクリーニン
グ性を有していることがわかる
【0032】
【発明の効果】本発明の光触媒酸化チタン含有水性無機
塗料組成物は、従来の光触媒酸化チタン含有水性無機塗
料組成物に比べて厚膜塗装が可能である。これは、本発
明の光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物中に含ま
れるその他の顔料の平均粒径が光触媒酸化チタンの平均
粒径よりも大きいために、塗膜中の内部応力(凝集力)
を低下させているためであると考えられる。さらに、厚
膜化が可能になったことで、被塗物表面まで光が到達し
にくくなり、従来問題となっていた被塗物表面の分解も
制御することが可能となった。
【0033】また、本発明の光触媒酸化チタン含有水性
無機塗料組成物は、これまで困難であったローラー、刷
毛、スプレーなどの一般的な塗装方法を適用することが
でき、室内に存在する有害物質を分解するための屋内塗
装が容易になった。さらに、本発明は、吸着剤を含有さ
せることにより、初期の分解性に問題のない光触媒酸化
チタン含有水性無機塗料組成物を得ることができる。特
に吸着剤の周りに光触媒酸化チタンが凝集した形にして
おくと、吸着剤に吸着した有害悪臭ガスが表面拡散によ
り、光触媒酸化チタンに移行して、分解されることと考
えられ、非常に効率的に有害悪臭ガスを除去できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の水性無機塗料組成物を用いて作成した
光触媒酸化チタン含有無機塗膜のガス分解性評価結果を
示す図である。
【図2】本発明の水性無機塗料組成物を用いて作成した
光触媒酸化チタン含有無機塗膜のセルフクリーニング性
評価結果を示す図である。

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光触媒酸化チタンとその他の顔料とを含
    む無機塗料組成物であって、前記光触媒酸化チタンの平
    均粒径よりも前記その他の顔料の平均粒径が大きいこと
    を特徴とする光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成
    物。
  2. 【請求項2】 前記光触媒酸化チタンの平均粒径が0.
    5〜3μmであり、前記その他の顔料の平均粒径が5〜
    50μmである、請求項1記載の光触媒酸化チタン含有
    無機塗料組成物。
  3. 【請求項3】 前記その他の顔料が、シリカ、タルクお
    よび炭酸カルシウムを含む混合物である請求項1または
    2記載の光触媒酸化チタン含有無機塗料組成物。
  4. 【請求項4】 前記光触媒酸化チタンの含有率が塗膜中
    で10〜80重量%になるように設定された、請求項1
    ないし3記載の光触媒酸化チタン含有無機塗料組成物。
  5. 【請求項5】 水ガラスをバインダーとして含有する、
    請求項1ないし4記載の光触媒酸化チタン含有無機塗料
    組成物。
  6. 【請求項6】 吸着剤をさらに含有する、請求項1ない
    し5記載の光触媒酸化チタン含有無機塗料組成物。
  7. 【請求項7】 前記吸着剤が化学吸着型吸着剤および物
    理吸着型吸着剤である、請求項6記載の光触媒酸化チタ
    ン含有無機塗料組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1ないし請求項7に記載のいずれ
    か一つによって形成された光触媒酸化チタン含有無機塗
    膜。
  9. 【請求項9】 シリカ、タルクおよび炭酸カルシウムを
    含有する無機塗料組成物に、前記シリカ、前記タルクお
    よび前記炭酸カルシウムの平均粒径より小さい平均粒径
    を有する光触媒酸化チタンを添加することを特徴とす
    る、光触媒酸化チタン含有水性無機塗料組成物の製造方
    法。
  10. 【請求項10】 請求項1から請求項7に記載のいずれ
    か一つの光触媒酸化チタン含有無機塗料組成物を基材の
    上に塗布することを特徴とする、光触媒酸化チタン含有
    無機塗膜の形成方法。
  11. 【請求項11】 前記基材表面が有機塗膜層である、請
    求項10記載の光触媒酸化チタン含有無機塗膜の形成方
    法。
  12. 【請求項12】 前記有機塗膜層の最上面がカチオン型
    シーラーを用いて形成されたものである、請求項10記
    載の光触媒酸化チタン含有無機塗膜の形成方法。
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