JP2000119331A - 末端にアルコール性水酸基を有する炭化水素系重合体及びその製造方法 - Google Patents

末端にアルコール性水酸基を有する炭化水素系重合体及びその製造方法

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JP2000119331A
JP2000119331A JP10290172A JP29017298A JP2000119331A JP 2000119331 A JP2000119331 A JP 2000119331A JP 10290172 A JP10290172 A JP 10290172A JP 29017298 A JP29017298 A JP 29017298A JP 2000119331 A JP2000119331 A JP 2000119331A
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group
hydroxyl group
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hydrocarbon polymer
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JP10290172A
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English (en)
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Ryuji Fukuda
竜司 福田
Takeshi Chiba
健 千葉
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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    • C08ORGANIC MACROMOLECULAR COMPOUNDS; THEIR PREPARATION OR CHEMICAL WORKING-UP; COMPOSITIONS BASED THEREON
    • C08FMACROMOLECULAR COMPOUNDS OBTAINED BY REACTIONS ONLY INVOLVING CARBON-TO-CARBON UNSATURATED BONDS
    • C08F8/00Chemical modification by after-treatment

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  • General Chemical & Material Sciences (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 末端にフェノール性水酸基を有する炭化水素系重合体
と、フェノール性水酸基と反応してアルコール性水酸基
を生成しうる化合物との反応により、アルコール性水酸
基を末端に有する炭化水素系重合体を得る。 【課題】リビングカチオン重合により得られる飽和炭化
水素系重合体の末端に定量的に水酸基を導入した化合物
は高耐候性ウレタン原料として有用である。ところがこ
れまでは、重合終了後にオレフィン末端へと変換し、さ
らにハイドロボレーション反応を行うことで、目的とす
る水酸基末端化合物を得る反応が知られていた。この方
法は、製造上手間がかかるものであった。 【解決手段】末端にフェノール性水酸基を有する炭化水
素系重合体と、フェノール性水酸基と反応してアルコー
ル性水酸基を生成しうる化合物との反応により、アルコ
ール性水酸基を末端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水
素系重合体を得ることが可能になった。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルコール性水酸
基を末端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水素系重合体
(以下、水酸基を末端に有する飽和炭化水素系重合体と
いう)およびこの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、アニオン重合によって合成され
るポリブタジエンポリオールおよびポリイソプレンポリ
オールを水素添加することによって、末端に水酸基を有
する飽和炭化水素系重合体が得られることが知られてい
る。リビングアニオン重合では重合終了後にエチレンオ
キシドを作用させることによって容易に1級の水酸基を
末端に、定量的に導入することが可能である。
【0003】これらの水酸基末端ポリオールはイソシア
ネート化合物と容易に反応し、ウレタン系の硬化物を与
える。このポリマーを用いることによって、ポリエーテ
ル系あるいはポリエステル系ポリオールを成分とするウ
レタン組成物で問題とされている、耐候性、耐薬品性等
の性能を向上させることが知られている。しかしこれら
の水酸基末端ポリオールを用いたウレタン組成物の素材
としての各種耐久性については、まだ十分とは言えな
い。また水酸基末端ポリオールを製造する際には、水素
添加という困難な工程を経る必要があるという問題もあ
る。
【0004】一方、高耐候性が期待される飽和炭化水素
系高分子重合体として、カチオン重合により得られるポ
リイソブチレンが知られている。特にリビングカチオン
重合により、定量的にポリイソブチレンの末端に官能基
を導入する反応は知られている。J.P.Kenned
yらはリビングカチオン重合によって合成される塩素基
を末端に有するポリイソブチレンをまず合成し、次いで
tBuOKを用いて末端の脱塩酸反応をおこなうこと
によりイソプロペニル基末端基に誘導したり、あるいは
四塩化チタン存在下でアリルトリメチルシランを反応
させることでアリル基末端のポリイソブチレンを合成し
た後に、上記イソプロペニル基末端又はアリル基末端
に、BH3または9−BBNといったヒドリド−ボラン
試薬を反応させた後、過酸化水素を用いることによって
定量的に末端に水酸基を導入する方法を開示している
(例えばB. Ivan, J.P. Kennedy, and V.S. C. Chang,
J. Polym. Sci., Polym. Chem, Ed., 1980, 18, 3177お
よびB. Ivan, and J. P. Kennedy, Polym. Mater. Sci.
Eng., 1988, 58, 866など)。さらにJ.P.Kenn
edyらは、水酸基末端ポリイソブチレンとイソシアネ
ート基を複数有する化合物との反応によって得られたウ
レタン樹脂が高耐候性を示すことも報告している。
【0005】しかしながら、この方法は用いる原料が極
めて特殊で毒性が高く、製造も難しいため、工業的スケ
ールで飽和炭化水素系ポリオールを製造するには適して
いない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はヒドリド−ボ
ラン試薬のような特殊で高価な原料を用いることなく、
カチオン重合によって得られる炭化水素系重合体の末端
にアルコール性水酸基を導入した、新規な水酸基を末端
に有する炭化水素系重合体とその製法を提供することを
課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、汎用的な
原料を用いて、工業的な製造に適した炭化水素系ポリオ
ールおよびその製造法について鋭意検討を重ね、本発明
をなすに至った。 本発明は、末端にフェノール性水酸
基を有する炭化水素系重合体(イ)と、フェノール性水
酸基と反応してアルコール性水酸基を生成しうる化合物
(ロ)との反応により得られる、末端に一般式(1)
【0008】
【化5】 (式中、R1は炭素数1〜20までの2価の有機基、
2、R3は水素原子または炭素数1〜10の1価の有機
基を示す。また、R4は炭素数1〜10の1価の有機基
を表し、nは0から4の整数である。nが2以上の場合
はR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)で表
される基を有する炭化水素系重合体およびその製造法に
関する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明において、一般式(1)の
1は炭素数1〜20の2価の有機基であり、例えばア
ルキレン基等の公知の構造を広く用いることができる。
具体例としては、
【0010】
【化6】 等が挙げられる。また、R1は炭素の他に酸素、窒素、
珪素等が構成成分として存在してもよい。具体例として
は、
【0011】
【化7】 等が挙げられる。
【0012】また一般式(1)のR2、R3は水素原子、
炭素数1〜10のアルキル基等の1価の有機基であれば
公知の構造を広く用いることができる。具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基等があげられる。
また、これらに炭素以外に窒素、酸素、珪素、塩素、臭
素等が構成元素として存在してもよい。
【0013】また一般式(1)のR4は水素原子、炭素
数1〜10のアルキル基等の1価の有機基であれば公知
の構造を広く用いることができる。具体例としては、水
素原子、メチル基、エチル基、プロピル基、ノニル基、
ドデシル基等のアルキル基、フェニル基等があげられ
る。また、これらに炭素以外に窒素、酸素、珪素、塩
素、臭素等が構成元素として存在してもよい。例えば、
メトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ
基、アルデヒド基、カルボキシル基、アミノ基、スルホ
ニル基、等があげられる。さらに、R4で表される置換
基は少なくとも1種以上が芳香環に結合していてもよ
い。また、芳香環は多環芳香族環でもよい。
【0014】また、本発明において、末端にフェノール
性水酸基を有する炭化水素系重合体(イ)の主鎖が飽和
炭化水素であることが好ましい。飽和炭化水素系重合体
とは、炭素−炭素単結合によって形成された重合体を表
わし、主鎖中にはC−C二重結合を有さない(すなわち
飽和な)炭化水素系重合体を意味するが、主鎖にぶら下
がったグラフト基にはC−C二重結合を有していてもよ
い。また、重合の際に用いる重合開始剤中にはC−C二
重結合を有していても構わない。 また、本発明は、末
端にフェノール性水酸基を有する炭化水素系重合体
(イ)が、カチオン重合により得られる末端にハロゲン
原子を有する炭化水素系重合体(ハ)とフェノール類
(ニ)とのフリーデルクラフツ型反応により得られるも
のである炭化水素系重合体を含む。
【0015】カチオン重合により得られる末端にハロゲ
ン原子を有する炭化水素系重合体(ハ)の構造は式
(2): R5(A−X)a (2) (式中、R5は単環または複数の芳香環を含む1価から
4価までの炭化水素基、Xは塩素基または臭素基、aは
1から4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合
性単量体の重合体で、aが2以上の時は同じでも異なっ
ていてもよい。)で表される。
【0016】前記式(2)におけるカチオン重合性のモ
ノマーには特に制限はないが、好ましいモノマーとして
は、例えばイソブチレン、インデン、ピネン、スチレ
ン、メトキシスチレン、クロルスチレン等を挙げること
ができる。
【0017】また本発明の重合体を硬化性組成物の原料
とする場合には、架橋前には液状であり、架橋後にはゴ
ム状の硬化物を与え得るイソブチレン系重合体を製造す
るのが好ましい。
【0018】イソブチレン系重合体は、単量体単位のす
べてがイソブチレン単位から形成されていてもよいし、
イソブチレンと共重合性を有する単量体単位をイソブチ
レン系重合体中の好ましくは50%以下(重量%、以下
同じ)、さらに好ましくは30%以下、とくに好ましく
は10%以下の範囲で含有してもよい。
【0019】このような単量体成分としては、たとえ
ば、炭素数4〜12のオレフィン、ビニルエーテル、芳
香族ビニル化合物、ビニルシラン類、アリルシラン類な
どがあげられる。このような共重合体成分としては、た
とえば1ーブテン、2ーブテン、2ーメチルー1ーブテ
ン、3ーメチルー1ーブテン、ペンテン、4ーメチルー
1ーペンテン、ヘキセン、ビニルシクロヘキセン、メチ
ルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、イソブチル
ビニルエーテル、スチレン、αーメチルスチレン、ジメ
チルスチレン、モノクロロスチレン、ジクロロスチレ
ン、βーピネン、インデン、ビニルトリクロロシラン、
ビニルメチルジクロロシラン、ビニルジメチルクロロシ
ラン、ビニルジメチルメトキシシラン、ビニルトリメチ
ルシラン、ジビニルジクロロシラン、ジビニルジメトキ
シシラン、ジビニルジメチルシラン、1,3−ジビニル
ー1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、トリビ
ニルメチルシラン、テトラビニルシラン、アリルトリク
ロロシラン、アリルメチルジクロロシラン、アリルジメ
チルクロロシラン、アリルジメチルメトキシシラン、ア
リルトリメチルシラン、ジアリルジクロロシラン、ジア
リルジメトキシシラン、ジアリルジメチルシラン、γー
メタクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ
ーメタクリロイルオキシプロピルメチルジメトキシシラ
ンなどがあげられる。
【0020】本発明において得られた炭化水素系重合体
をさらに、多官能のイソシアネート化合物と反応させる
ことにより、ウレタン架橋体を得る事ができるが、架橋
反応によって架橋性高分子化合物を得る際に充分な強
度、耐候性、ゲル分率等を達成するためには、前記式
(1)の重合体のaが2または3の塩素基末端ポリイソ
ブチレンであることが好ましい。
【0021】式(2)におけるR5は重合開始剤の残基
であり、イニファー法によるリビングカチオン重合に用
いることが出来る1から4官能の開始剤であれば特に制
限されるものではないが、好ましい官能基数としては2
および3である。このうち、重合時の開始剤効率の高い
化合物として以下に示すベンジル位に置換基を有する化
合物が好ましい。
【0022】
【化8】 (式中、Xは塩素基、臭素基、メトキシ基、アセチル基
を表す。) 重合反応溶剤は特に制限されるものではないが例えば、
反応溶剤としてハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、
及び脂肪族炭化水素から任意に選ばれる単独又は混合溶
剤を用いることが可能である。ポリマーの重合条件下で
の溶解性や反応性からハロゲン化炭化水素として塩化メ
チレン、クロロホルム、1,1−ジクロルエタン、1,
2−ジクロルエタン、n−プロピルクロライド、n−ブ
チルクロライドのなかから選ばれる1種以上の成分であ
ることが好ましい。同様の理由で、芳香族炭化水素とし
てはトルエンが好ましく、脂肪族炭化水素としてはペン
タン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシクロヘ
キサン、エチルシクロヘキサンのなかから選ばれる1種
以上の成分が好ましい。
【0023】近年、環境問題上、溶剤の非ハロゲン化が
重要な技術となっているが、本系に於いてもトルエンと
エチルシクロヘキサンの溶剤系ではリビングカチオン重
合で、狭い分子量分布のポリマーを得ることが可能であ
る。重合性、重合体の低温での溶解度の観点から、溶剤
の混合比率としてはトルエン:エチルシクロヘキサン=
6:4〜9:1(重量比)が好ましい。
【0024】本発明におけるフェノール類(ニ)とは、
芳香環を有する化合物であって、この芳香環上に水酸基
が少なくとも1つ結合したものであり、芳香環上には水
酸基の他に置換基を有していてもよい。この置換基は特
に限定されるものではないが、炭素数1〜10の1価の
有機基が好ましい。
【0025】このフェノール類(ニ)としては、フェノ
ール、クレゾール、キシレノール、エチルフェノール、
ノニルフェノール、ドデシルフェノール等のアルキルフ
ェノール、フェニルフェノールおよびその誘導体、メト
キシフェノール、エトキシフェノール等のアルコキシフ
ェノール、フェノキシフェノールおよびその誘導体、α
−クミルフェノール、ビスフェノールA、ビスフェノー
ルF、カテコール、ヒドロキノン、レゾルシノール、ト
リヒドロキシベンゼン、ヒドロキシベンズアルデヒド、
ヒドロキシベンゾフェノン、サリチル酸およびその誘導
体、ヒドロキシフェニル酢酸およびその誘導体、アミノ
フェノールおよびその誘導体、フェノールスルホン酸お
よびその誘導体、ナフトール、ジヒドロキシナフタレ
ン、ヒドロキシアントラセン等が例示できる。
【0026】また、フェノール類(ニ)には、フェノー
ル性水酸基に、ハロゲン末端炭化水素系重合体との反応
後容易に脱離し、フェノール性水酸基を発生させる保護
基を導入したものも含まれる。
【0027】これらのフェノール類(ニ)とカチオン重
合により得られる末端にハロゲン原子を有する炭化水素
系重合体(ハ)との反応にはフリーデル−クラフツ型反
応が用いられるが、反応性の観点から、フェノール類
(ニ)のフェノール性水酸基のオルト位、パラ位の内、
少なくとも一ヶ所に水素が結合していることが好まし
い。特にパラ位は水素が結合していることが好ましい。
ハロゲン末端炭化水素系重合体との反応性、安価である
こと、取り扱いやすさからフェノールが特に好ましい。
【0028】前記式(2)のカチオン重合により得られ
る末端にハロゲン原子を有する炭化水素系重合体(ハ)
にフェノール類(ニ)を反応させる際に、触媒としてル
イス酸を用いることが可能である。この場合ルイス酸で
あれば特に制限されるものではないが、反応活性の高さ
からTiCl4、AlCl3、BCl3、BF3、SnCl
4、FeCl3等が好ましい。
【0029】本発明のフェノール性水酸基と反応するこ
とでアルコール性水酸基を生じる化合物(ロ)として
は、上記用件を満たせば特に限定するものではないが、
フェノール性水酸基との反応性を考慮して、一般式
(3)で表されるカルボン酸および酸ハロゲン化物、ま
たは一般式(4)で表されるラクトン、水酸基含有カル
ボン酸無水物のうち少なくとも1つから選ばれる化合物
が好ましい。
【0030】一般式(3)のR6は炭素数1〜20の2
価の有機基であれば公知の構造を広く用いることができ
る。具体例としては
【0031】
【化9】 等が挙げられる。また、R6は炭素の他に酸素、窒素、
珪素等が構成成分として存在してもよい。具体例として
【0032】
【化10】 等が挙げられる。
【0033】また、一般式(3)のR7、R8は水素原子
または、炭素数1〜10の1価の有機基であれば公知の
構造を広く用いることができる。具体例としては、メチ
ル基、エチル基、プロピル基等があげられる。また、こ
れらに炭素以外に窒素、酸素、珪素、塩素、臭素等が構
成元素として存在してもよい。また、R7、R8は同じ置
換基であっても構わないし、それぞれ異なる置換基でも
よい。
【0034】また一般式(3)のYは水酸基またはハロ
ゲン原子、例えば、塩素または臭素等である。一般式
(4)のR9は炭素数1〜20の2価の有機基であれば
公知の構造を広く用いることができる。具体例としては
【0035】
【化11】 等が挙げられる。また、R9は炭素の他に酸素、窒素、
珪素等が構成成分として存在してもよい。具体例として
【0036】
【化12】 等が挙げられる。
【0037】本発明においてフェノール性水酸基とこれ
と反応してアルコール性水酸基を生じる化合物(ロ)の
反応では反応を効果的に行うために各種の触媒を加える
ことができる。用いる触媒としてはフェノール性水酸基
とカルボン酸または酸ハロゲン化物、ラクトン、酸無水
物との縮合反応触媒として公知のものを広く用いること
ができる。
【0038】上記反応触媒としては、例えば、塩酸、硫
酸、p−トルエンスルホン酸。塩化チオニル、オキザル
クロリド等が挙げられる。
【0039】本発明に用いることができる触媒の使用量
としては、フェノール性水酸基に対して0.001等量
以上100等量以下が好ましい。さらに好ましくは0.
1等量以上10等量以下である。
【0040】本発明においてフェノール性水酸基とこれ
と反応して水酸基を生じる化合物の反応では反応を効果
的に行うために各種の塩基を加えることができる。用い
る塩基としては例えばフェノール性水酸基とカルボン酸
または酸ハロゲン化物、ラクトン、酸無水物との縮合反
応に用いられる公知のものを広く用いることができる。
【0041】上記塩基としては、例えばピリジン、トリ
エチルアミン、トリフェニルアミン、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム等が挙げられる。
【0042】本発明に用いることができる塩基の使用量
としては、フェノール性水酸基に対して0.01等量以
上100等量以下が好ましい。さらに好ましくは0.1
等量以上10等量以下である。
【0043】本発明において、末端にフェノール性水酸
基を有する炭化水素系重合体(イ)反応に用いる溶剤と
しては、ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、及び脂
肪族炭化水素から任意に選ばれる単独又は混合溶剤を用
いることが可能であるが、ポリマーの溶解性や反応性か
らハロゲン化炭化水素として塩化メチレン、クロロホル
ム、1,1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタ
ン、n−プロピルクロライド、n−ブチルクロライドの
なかから選ばれる1種以上の成分であることが好まし
い。同様の理由で、芳香族炭化水素としてはトルエン、
ベンゼン、キシレンが好ましく、脂肪族炭化水素として
はペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチルシ
クロヘキサン、エチルシクロヘキサンのなかから選ばれ
る1種以上の成分が好ましい。
【0044】環境への悪影響が心配されるハロゲン化炭
化水素を用いない反応溶剤として、トルエンおよびエチ
ルシクロヘキサンを用いて、アルコール性水酸基を末端
に有する炭化水素系重合体を製造することも可能であ
る。
【0045】本発明においては、合成反応を、主にカチ
オン重合により得られる末端にハロゲン原子を有する炭
化水素系重合体(ハ)を製造する反応、フェノール類
(ニ)とカチオン重合により得られる末端にハロゲン原
子を有する炭化水素系重合体(ハ)の反応、フェノール
性水酸基と反応してアルコール性水酸基を発生する化合
物(ロ)の反応の3段階に分けることができるが、反応
溶媒として、すべての反応で同じ溶媒を用いて反応して
もよいし、それぞれ異なる溶媒で反応を行ってもよい。
また、重合反応の後、1ポットで水酸基を導入すること
も可能となることから、重合反応溶剤とフェノール性水
酸基を有する芳香族化合物の反応溶剤、フェノール性水
酸基と反応して水酸基を発生する化合物の反応溶剤が同
じであることが好ましい。
【0046】本発明にかかる水酸基を末端に有する飽和
炭化水素系重合体の製法は、例えば以下のようにして行
われる。すなわち、式(2)で示されるハロゲン基を末
端に有する飽和炭化水素系重合体に1〜10当量の式
(2)で表されるフェノール性水酸基を有する芳香族化
合物を反応溶剤としてクロロホルム、塩化メチレン、
1,1−ジクロルエタン、1,2−ジクロルエタン、n
−プロピルクロライド、n−ブチルクロライド、トルエ
ン、ペンタン、n−ヘキサン、シクロヘキサン、メチル
シクロヘキサン、エチルシクロヘキサンのなかから選ば
れる1種以上の成分からなる溶剤に溶解する。これに、
−100℃〜100℃の温度範囲でTiCl 4、AlC
3、BCl3、SnCl4等のルイス酸触媒を添加し、
1〜100時間反応させることで、フェノール性水酸基
を有する飽和炭化水素系重合体が得られる。次に、フェ
ノール性水酸基と反応して水酸基を発生させる化合物と
このフェノール性水酸基を有する飽和炭化水素系重合体
を反応基質により反応条件を調節して反応させ、目的と
する水酸基を末端に有する重合体主鎖が飽和な炭化水素
系重合体を得ることができる。
【0047】
【実施例】次に実施例を挙げて、本発明をより一層明ら
かにするが、実施例により本発明は何ら限定されるもの
ではない。 (合成例1)500mlのセパラブルフラスコに三方コ
ック、熱電対、および真空用シール付き撹拌機をつけて
窒素置換を行った。これにモレキュラーシーブス3Aに
よって脱水したトルエン175ml、エチルシクロヘキ
サン21.7mlを加え、さらに1,4−ビス(1−ク
ロル−1−メチルエチル)ベンゼン(1.63g)、2
−メチルピリジン(77.4mg)を加えて−70℃に
冷却した。冷却後、イソブチレンモノマー(35.5m
l)を導入し、さらに、この温度で四塩化チタン(0.
98ml)を添加し重合を開始した。この際に約15℃
昇温した。約40分で重合は終了した(これに伴い反応
系の発熱は観察されなくなった)。その後、未反応のイ
ソブチレン、溶媒等を留去し、ポリマーをn−ヘキサン
に溶解後、水洗を繰り返した。その後、このn−ヘキサ
ンを溶液を1Lのアセトンに注ぎ込むことによりポリマ
ーを沈殿分離させた。このようにして得られたポリマー
を再び200mlのn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸
マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、n−ヘキサンを減圧
留去することにより、ポリマーを19g得た。 (合成例2)合成例1で得られたハロゲン末端イソブチ
レン重合体(18g)を3つ口フラスコに入れ、150
mlのn−ヘキサンを加えて溶解した。3つ口フラスコ
には冷却管、攪拌器をつけて窒素置換を行った。これに
フェノール(8.2g)と50ml塩化メチレンを加
え、40℃の水浴に浸した。この混合物に攪拌しなが
ら、5mlのBF3(C252Oを加えた。50時間反
応後、塩化メチレンを留去し、100mlの水を加え
て、温度を水浴温度まで上げ、分液ローとに移して水層
を除去した。有機層は、50%メタノール水溶液で8回
洗浄し、その後冷水で、洗浄して、有機層を無水硫酸マ
グネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧留去することによ
り、フェノール末端イソブチレン重合体を17.5g得
た。 (実施例1)合成例2で得られたフェノール末端イソブ
チレン重合体(5g)をトルエン30mlに溶解した。
さらに、γ−ヒドロキシ酪酸クロリド(0.5g)およ
びピリジン(0.7g)を加え、80℃で3時間加熱還
流した。反応後、反応混合物に100mlのn−ヘキサ
ンを加え、この有機層を水で数回洗浄した。得られたn
−ヘキサン溶液を20mlまで濃縮し、500mlのア
セトンに注ぎ込むことによりポリマーを沈殿分離させ
た。このようにして得られたポリマーを再び200ml
のn−ヘキサンに溶解させ、無水硫酸マグネシウムで乾
燥させ、ろ過し、n−ヘキサンを減圧留去することによ
り、目的とする水酸基を末端に有するポリイソブチレン
を4.5g得た。
【0048】得られたポリイソブチレンの分子量及び構
造はGPCおよびNMRを用いて行った。 (GPCシステム)GPC;Waters社製システム
(ポンプ600E、示差屈折計401)、カラム;昭和
電工(株)製 Shodex K−804(ポリスチレ
ンゲル)、移動相;クロロホルム、数平均分子量はポリ
スチレン換算した。その結果、ポリマー分子量はMn=
5200であった。 (NMR)Valian社製 Gemini−300、
測定溶剤;四塩化炭素/重アセトン=4/1混合溶剤、
末端のヒドロキシメチル基のシグナルから構造を確認し
た。
【0049】
【発明の効果】本発明によって得られる重合体は末端に
アルコール性水酸基を有する新規な炭化水素系重合体で
あり、新規な合成法によって重合終了後、汎用な原料に
よりアルコール性水酸基を容易にかつ効率的に導入する
ことが可能である。本法によって得られた炭化水素系重
合体をポリイソシアネートと反応させることで高耐候性
のウレタン樹脂が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J034 BA03 DA01 DB03 DP06 DP12 DP13 4J100 AA04Q AA06P AA07Q AA08Q AA09Q AA15Q AA16Q AA17Q AA18Q AA19Q AA21Q AB02Q AB03Q AB04Q AB08Q AE02Q AE03Q AE04Q AL08Q AP16Q AR10Q AS15Q BA03H BA15H BA71Q BA72Q BA75Q BA77Q BB01Q BC43H CA01 CA04 CA27 CA31 FA02 FA08 FA19 HA11 HA35 HA61 HC09 HC27 HC38

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】末端にフェノール性水酸基を有する炭化水
    素系重合体(イ)と、フェノール性水酸基と反応してア
    ルコール性水酸基を生成しうる化合物(ロ)との反応に
    より得られる、末端に一般式(1) 【化1】 (式中、R1は炭素数1〜20までの2価の有機基、
    2、R3は水素原子または炭素数1〜10の1価の有機
    基を示す。また、R4は炭素数1〜10の1価の有機基
    を表し、nは0から4の整数である。nが2以上の場合
    はR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)で表
    される基を有する炭化水素系重合体。
  2. 【請求項2】重合体主鎖が飽和炭化水素である請求項1
    の炭化水素系重合体。
  3. 【請求項3】末端にフェノール性水酸基を有する炭化水
    素系重合体(イ)が、カチオン重合により得られる末端
    にハロゲン原子を有する炭化水素系重合体(ハ)とフェ
    ノール類(ニ)とのフリーデルクラフツ型反応により得
    られるものである、請求項1又は2の炭化水素系重合
    体。
  4. 【請求項4】カチオン重合によって得られるハロゲン末
    端炭化水素系重合体(ハ)が式(2): R5(A−X)a (2) (式中、R5は単環または複数の芳香環を含む1価から
    4価までの炭化水素基、Xは塩素基または臭素基、aは
    1から4の整数。Aは一種又は二種以上のカチオン重合
    性単量体の重合体で、aが2以上の時は同じでも異なっ
    ていてもよい。)で表される請求項3の炭化水素系重合
    体。
  5. 【請求項5】前記式(2)で表されるカチオン重合によ
    って得られる炭化水素系重合体がイソブチレン系重合体
    である請求項4の炭化水素系重合体。
  6. 【請求項6】前記式(2)の重合体におけるaが2また
    は3で、Aがポリイソブチレンで、Xが塩素である請求
    項5の炭化水素系重合体。
  7. 【請求項7】フェノール類(ニ)がフェノールである請
    求項3〜6の炭化水素系重合体。
  8. 【請求項8】フェノール性水酸基との反応によりアルコ
    ール性水酸基を生じる化合物(ロ)が一般式(3) 【化2】 (式中、R6は炭素数1〜20までの2価の有機基、
    7、R8は水素原子または炭素数1〜10の1価の有機
    基を示す。Yは水酸基またはハロゲン原子を示す。)、
    または一般式(4) 【化3】 (式中、R9は炭素数1〜20までの2価の有機基を示
    す。)で表される化合物である請求項1〜7の炭化水素
    系重合体。
  9. 【請求項9】カチオン重合により得られる末端にハロゲ
    ン原子を有する炭化水素系重合体(ハ)とフェノール類
    (ニ)とのフリーデルクラフツ型反応の際に、触媒とし
    てルイス酸を用いる請求項3〜8の炭化水素系重合体。
  10. 【請求項10】ハロゲン化炭化水素、芳香族炭化水素、
    及び脂肪族炭化水素からなる群より選択される少なくと
    も1種の化合物を反応溶剤として用いる、請求項1〜9
    の炭化水素系重合体。
  11. 【請求項11】カチオン重合により得られる末端にハロ
    ゲン原子を有する炭化水素系重合体(ハ)とフェノール
    類(ニ)とのフリーデルクラフツ型反応により、末端に
    フェノール性水酸基を有する炭化水素系重合体(イ)を
    生成し、さらに、フェノール性水酸基と反応してアルコ
    ール性水酸基を生成しうる化合物(ロ)との反応を行う
    ことを特徴とする、末端に一般式(1) 【化4】 (式中、R1は炭素数1〜20までの2価の有機基、
    2、R3は水素原子または炭素数1〜10の1価の有機
    基を示す。また、R4は炭素数1〜10の1価の有機基
    を表し、nは0から4の整数である。nが2以上の場合
    はR4はそれぞれ同じでも異なっていてもよい。)で表
    される基を有する重合体主鎖が飽和炭化水素である炭化
    水素系重合体の製造法。
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