JP2000119307A - 重合開始剤系及びそれを用いた重合体の製造方法 - Google Patents
重合開始剤系及びそれを用いた重合体の製造方法Info
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Abstract
体を製造するのに有用な重合開始剤系を得る。 【解決手段】 下記式(1)で表わされる金属錯体
(A)とラジカル開始剤(B)とで構成された重合開始
剤系の存在下、ビニル系単量体をリビング的にラジカル
重合する。 【化1】 (式中、Aは炭素又はリン原子を示し、Mは遷移金属元
素を示し、Xは酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよ
い有機基を示す。kは2〜8の整数、mは1又は2を示
す。) 前記金属錯体(A)において、金属元素Mは周期表7〜
11族遷移金属元素であり、ラジカル開始剤(B)は、
アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物などである。
金属錯体(A)とラジカル開始剤(B)との割合は、前
者/後者=0.1/1〜10/1(モル比)程度であ
る。
Description
ラジカル開始剤とで構成される重合開始剤系、それを用
いて得られた重合体及び重合体の製造方法に関する。
流動性、耐熱性、他の樹脂との相溶性など)は、重合体
の一次構造(例えば、分子量、分子量分布、共重合体の
構造、末端基の構造など)に大きく影響される。そのた
め、所望の特性を有する重合体を得るには、一次構造を
制御するのが有効である。この一次構造を制御する方法
として、リビング重合などが実施されている。リビング
重合は、末端構造を制御できるとともに、ブロック共重
合が可能であり、分子量分布の狭い高分子を得るのに有
用であり、通常、イオン重合(アニオン重合、カチオン
重合など、特にアニオン重合)が利用されている。しか
し、重合系における不純物(水、酸素など)、溶媒など
の影響を受け易く、また高純度のモノマー、不活性雰囲
気及び低温での重合が必要となるなど、操作が難しい上
に、煩雑化し、また経済的にも不利であるため、工業化
が困難である。
合法として、ラジカル重合が挙げられる。ラジカル重合
は、これら不純物の影響を受けにくいため、操作が簡便
となり、また種々のモノマーに適用でき、さらに種々の
重合法(塊状重合、溶液重合、懸濁重合、乳化重合な
ど)が利用できるため、実験室レベルでもまた工業的に
も広く採用されている。しかし、ラジカル重合では、連
鎖移動反応や停止反応が起こるため、末端構造を制御す
ることが難しく、分子量分布が広くなる傾向にある。ま
た、通常の方法ではブロック共重合体を製造するのが困
難である。
制御し、分子量分布が狭い重合体を得る方法、例えば、
ラジカル重合をリビング的に進行させる方法(リビング
ラジカル重合法)が見出されており、一次構造を制御す
ることが可能となりつつある。
(1982)において、大津らはイニファーター重合を提案
している。しかし、この方法では分子量分布の狭い重合
体を得るのが困難である。
O94/11412では、2,2,6,6−テトラメチ
ル−1−ピペリジニルオキシ(TEMPO)のような安
定なラジカルを用いる方法により、分子量分布の狭いポ
リスチレンが得られることが記載されている。しかし、
これらの方法では、条件により着色が生じたり、また経
済的にも不利である。
平8−41117号公報、J. Am. Chem. Soc.,117, 561
4 (1995)、Macromolecules, 28, 7901 (1995)及びWO
96/30421では、遷移金属錯体を用いる方法によ
り、メタクリル酸メチルやスチレンについてリビングラ
ジカル重合が達成されており、分子量分布の狭い重合体
が得られることが記載されている。しかし、これらの方
法では、開始剤や遷移金属錯体がハロゲン元素を含むた
め、ポリマーにもハロゲン元素が導入され、このハロゲ
ン元素の脱離によりポリマーの物性が低下したり、焼却
時に有害物質が発生したりする虞がある。また、J. Am.
Chem. Soc., 117, 5614 (1995)、Macromolecules, 28,
7901 (1995)及びWO96/30421では、金属錯体
の配位子としてビピリジンが用いられているが、錯体の
溶解性が悪く、使用する溶媒が限定されたり、また、溶
解性を向上するにはジノニルビピリジンなどの特殊なビ
ピリジンなどを使用する必要がある。
molecules, 30, 7692 (1997)及びMacromolecules, 31,
545 (1998)では、AIBNと金属ハロゲン化物及び配位
子の存在下で、ビニル系単量体を重合させることが開示
されている。しかし、これらの方法では、ポリマー中に
ハロゲン元素が導入される。
カル開始剤と3価のルテニウム化合物とルイス酸などの
モノマー活性化剤との存在下でビニル系単量体を重合さ
せることが開示されている。この文献では、ラジカル重
合反応がリビング的に進行し、得られる重合体の分子量
及び分子量分布を制御できることが記載されている。し
かし、この方法でも、ポリマー中にハロゲン元素が導入
される。
は、ラジカル重合であっても、重合をリビング的に進行
できる新規な重合開始剤系、それを用いて得られる重合
体及び重合体の製造方法を提供することにある。
ず、重合体の分子量、分子量分布などの一次構造を制御
できる重合開始剤系、それを用いて得られる重合体及び
重合体の製造方法を提供することにある。
を達成するため鋭意検討の結果、特定の金属錯体とラジ
カル重合開始剤とで重合開始剤系を構成すると、ビニル
系単量体をリビング的にラジカル重合でき、重合体の分
子量及び分子量分布を制御できることを見出し、本発明
を完成した。
は遷移金属元素を示し、Xは酸素原子又は窒素原子を含
んでいてもよい有機基を示す。kは2〜8の整数、mは
1又は2を示す。)で表わされる金属錯体(A)とラジ
カル開始剤(B)とで重合開始剤系を構成する。前記金
属錯体(A)において、金属元素Mは周期表7〜11族
遷移金属元素であってもよい。ラジカル開始剤(B)と
しては、アゾ化合物、有機過酸化物、無機過酸化物など
が使用できる。金属錯体(A)とラジカル開始剤(B)
との割合は、前者/後者=0.1/1〜10/1(モル
比)程度である。
ビニル系単量体などを重合して得られた重合体及び重合
体の製造方法も含まれる。
(1)で表わされ、かつジチオ化合物を配位子とする金
属錯体(A)とラジカル開始剤(B)とで構成されてお
り、ビニル系単量体をリビング重合させるのに有用であ
る。
は遷移金属元素を示し、Xは酸素原子又は窒素原子を含
んでいてもよい有機基を示す。kは2〜8の整数、mは
1又は2を示す。) 前記金属錯体(A)において、遷移金属の種類は特に制
限されず、周期表3〜11族金属が使用でき、例えば、
周期表4族金属(チタンTi,ジルコニウムZrな
ど)、周期表5族金属(バナジウムV,ニオブNbな
ど)、周期表6族金属(クロムCr,モリブデンMo,
タングステンWなど)、周期表7族金属(マンガンM
n,テクネチウムTc,レニウムReなど)、周期表8
族金属(鉄Fe,ルテニウムRuなど)、周期表9族金
属(コバルトCo,ロジウムRhなど)、周期表10族
金属(ニッケルNi,パラジウムPd,白金Ptな
ど)、周期表11族金属(銅Cu,銀Ag,金Auな
ど)などが好ましい。特に好ましい遷移金属は、周期表
7族金属(Mnなど)、周期表8族金属(Fe,Ruな
ど)、周期表9族金属(Co,Rhなど)、周期表10
族金属(Ni,Pdなど)、周期表11族金属(Cuな
ど)などであり、中でもMn,Fe,Co,Ni,C
u,Ru,Rh,Pdなどが好ましい。前記金属の価数
は特に制限されず、2〜8程度、好ましくは2〜6(例
えば、2〜4)程度である。
機基(アルキル、アルケニル、シクロアルキル、アリー
ル、置換アリール、アラルキル基など)は、窒素原子や
酸素原子を含んでいてもよく、この窒素原子又は酸素原
子は前記式(1)のAに直接結合していてもよい。ま
た、有機基Xは種々の置換基を有していてもよい。
び/又は(2A)で表わされる錯体を使用するのが好まし
い。
酸素原子、窒素原子又は炭素原子を示し、R1又はR2a
及びR2bは、同一又は異なって、水素原子、アルキル
基、アルケニル基、シクロアルキル基、アリール基又は
アラルキル基を示す。R1、R2a又はR2bはn,p又は
qによって異なっていてもよく、一緒になって不飽和又
は飽和炭化水素環、芳香族炭化水素環又は複素環を形成
してもよい。n、p及びqは独立して1〜3の整数を示
す。kは前記に同じ。) 前記式(1A)及び(2A)において、R1、R2a、及びR
2bで表わされるアルキル基としては、メチル、エチル、
プロピル、ブチル、t−ブチル基などのC1-12アルキル
基(特にC1-6アルキル基)など;シクロアルキル基と
しては、シクロペンチル、シクロヘキシル基などのC
4-8シクロアルキル基など;アルケニル基としては、ア
リル、ビニル基などのC2-10アルケニル基;アリール基
としては、フェニル、トリル、ナフチル基などのC6-12
アリール基など;アラルキル基としては、ベンジル、フ
ェネチル基などのC7-14アラルキル基などが例示でき
る。
て(n、p又はqによって)、それぞれ複数個存在する
場合があり、式(1A)においては、R1同士が隣接するY1
と共に環を形成してもよい。前記環には、飽和炭化水素
環(シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン環
などの飽和C4-8炭化水素環など)、不飽和炭化水素環
(シクロペンテン、シクロヘキセン環などの不飽和C
5-8炭化水素環など)、芳香族炭化水素環(ベンゼン、
ナフタレンなどの芳香族C6-12炭化水素環など)、窒
素、酸素及びイオウから選択された少なくとも1つのヘ
テロ原子を含む複素環(ピロール、ピロリジン、ピペリ
ジン、ピペラジン、ピペリジン環などのヘテロ原子とし
て窒素原子を含む5〜8員複素環、フランなどのヘテロ
原子として酸素原子を含む5〜8員複素環など)などが
含まれる。
記式(ia)〜(ic)及び(iia)で表わされる錯体など
が挙げられる。
は、同一又は異なって、水素原子、C 1-6アルキル基、
C4-8シクロアルキル基、C6-12アリール基、及びC
7-14アラルキル基から選択された少なくとも1つを示
し、R1b及びR1cは一緒になって飽和又は不飽和炭化水
素環、複素環、芳香族炭化水素環などを形成してもよ
く、R1d〜R1fのうち少なくとも2つは一緒になって飽
和又は不飽和炭化水素環、複素環、芳香族炭化水素環を
形成してもよい。M及びkは前記に同じ。) 前記式(1)、(1A)及び(2A)、並びに(ia)〜(i
c)及び(iia)において、金属Mに配位する配位子のジ
チオ化合物は、一種又は二種以上組み合わせて使用でき
る。特に好ましいジチオ化合物は式(ib)で表わされる
ジチオカルバメート又は(iia)で表わされるジチオホ
スフェートである。
−メチル−ジチオカルバメート、N−エチルジチオカル
バメートなどのN−アルキルジチオカルバメート(特に
N−C1-10アルキルジチオカルバメートなど)など;
N,N−ジメチルジチオカルバメート、N,N−ジエチ
ルジチオカルバメート、N,N−ジ−n−プロピルジチ
オカルバメート、N,N−ジ−i−プロピルジチオカル
バメート、N,N−ジ−n−ブチルジチオカルバメー
ト、N,N−ジ−i−ブチルジチオカルバメート、N,
N−ジ−s−ブチルジチオカルバメート、N,N−ジ−
n−アミルジチオカルバメート、N,N−ジ−i−アミ
ルジチオカルバメート、N,N−ジ−n−ヘキシルジチ
オカルバメート、N−メチル−N−i−プロピルジチオ
カルバメートなどのN,N−ジアルキルジチオカルバメ
ート(特に、N,N−ジC1-12アルキルジチオカルバメ
ート)など;N−フェニルジチオカルバメートなどのN
−アリールカルバメート(N−C6-12アリールカルバメ
ートなど)など;N−メチル−N−フェニルジチオカル
バメート、N−エチル−N−フェニルジチオカルバメー
ト、N−n−プロピル−N−フェニルジチオカルバメー
ト、N−n−ブチル−N−フェニルジチオカルバメー
ト、N−i−アミル−N−フェニルジチオカルバメート
などのN−アルキル−N−アリールジチオカルバメート
(特にN−C1-10アルキル−N−C6-12アリールジチオ
カルバメートなど)など;N−シクロヘキシルカルバメ
ートなどのN−シクロアルキルジチオカルバメート(N
−C4-8シクロアルキルジチオカルバメートなど)な
ど;N,N−ジシクロペンチルジチオカルバメート、
N,N−ジシクロヘキシルジチオカルバメートなどの
N,N−ジシクロアルキルジチオカルバメート(特に
N,N−ジC4-8シクロアルキルジチオカルバメートな
ど)など;N−アリルジチオカルバメートなどのN−ア
ルケニルジチオカルバメート(N−C2-10アルケニルジ
チオカルバメート)など;N,N−ジアリルジチオカル
バメートなどのN,N−ジアルケニルジチオカルバメー
ト(特にN,N−ジC2-8アルケニルジチオカルバメー
トなど)など;N−ベンジルジチオカルバメートなどの
N−アラルキルジチオカルバメート(特にN−C7- 10ア
ラルキルジチオカルバメートなど)など;N,N−ジベ
ンジルジチオカルバメートなどのN,N−ジアラルキル
ジチオカルバメート(特にN,N−ジC7-14アラルキル
ジチオカルバメートなど)など;N−メチル−N−ベン
ジルジチオカルバメート、N−エチル−N−ベンジルカ
ルバメートなどのN−アルキル−N−アラルキルジチオ
カルバメート(特にN−C1-8アルキル−N−C7-10ア
ラルキルジチオカルバメートなど)など;ピロリジルジ
チオカルバメート、ピペリジルジチオカルバメート、モ
ルフォリニルジチオカルバメートなどの複素環式ジチオ
カルバメートなどが例示できる。
ジチオホスフェート、O−エチルジチオホスフェートな
どのO−アルキルジチオホスフェート(特にO−C1-12
アルキルジチオホスフェートなど)など;O,O’−ジ
メチルジチオホスフェート、O,O’−ジエチルジチオ
ホスフェート、O,O’−ジ−n−プロピルジチオホス
フェート、O,O’−ジ−i−プロピルジチオホスフェ
ート、O,O’−ジ−n−ブチルジチオホスフェート、
O,O’−ジ−i−ブチルジチオホスフェート、O,
O’−ジ−n−ヘキシルジチオホスフェート、O,O’
−ジ−n−デシルジチオホスフェートなどのO,O’−
ジC1-16アルキルジチオホスフェート(特にO,O’−
ジC1-12アルキルジチオホスフェートなど)など;O−
シクロヘキシルジチオホスフェートなどのO−シクロア
ルキルジチオホスフェート(O−C 5-8シクロアルキル
ジチオホスフェートなど)など;O,O’−ジシクロヘ
キシルジチオホスフェートなどのO,O’−ジシクロア
ルキルジチオホスフェート(特にO,O’−ジC5-8シ
クロアルキルジチオホスフェート);O−フェニルジチ
オホスフェートなどのO−アリールジチオホスフェート
(特にO−C6-12アリールジチオホスフェートなど)な
ど;O,O’−ジフェニルジチオホスフェート、O,
O’−ジ−o−トリルジチオホスフェートなどのO,
O’−ジアリールジチオホスフェート(O,O’−ジC
6-12アリールジチオホスフェート)などが例示できる。
は一種又は二種以上組み合わせて使用できる。
であり、特に、N,N−ジメチルジチオカルバメート、
N,N−ジエチルジチオカルバメートなどのN,N−ジ
C1- 6アルキルジチオカルバメート、N,N−ジベンジ
ルジチオカルバメートなどのN,N−ジC7-10アラルキ
ルジチオカルバメート、ピペリジルジチオカルバメート
などの複素環式ジチオカルバメート(ヘテロ原子として
窒素原子を含む5〜6員の複素環式ジチオカルバメー
ト)などである。
中心金属Mの価数(酸化数)に対応しており、2〜8の
整数、好ましくは2〜6(例えば、2〜4)程度の整数
である。
上組み合わせて使用できる。
開始剤(B)の種類は、特に制限されず、慣用のラジカ
ル開始剤(ラジカル発生剤)、例えば、アゾ化合物、有
機過酸化物、無機過酸化物などが使用できる。
[例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(A
IBN)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニト
リル)などの2,2’−アゾビスブチロニトリル類;
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチル
バレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)などの2,2’−アゾビスバレロ
ニトリル類;2,2’−アゾビス(2−ヒドロキシメチ
ルプロピオニトリル)などの2,2’−アゾビスプロピ
オニトリル類;1,1’−アゾビスシクロヘキサン−1
−カルボニトリルなどの1,1’−アゾビス−1−アル
カンニトリル類、特に1,1’−アゾビス−1−シクロ
アルカンニトリル類(例えば、1,1’−アゾビス−1
−C5-8シクロアルカンニトリル);4,4’−アゾビ
ス(4−シアノ吉草酸)などのアゾビスシアノカルボン
酸など]、アゾニトリル[2−(カルバモイルアゾ)イ
ソブチロニトリルなどのアゾブチロニトリル類;2−フ
ェニルアゾ−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニ
トリルなどのアゾバレロニトリル類など]、アゾビスア
ルカン[例えば、2,2’−アゾビス(2−メチルプロ
パン)、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチル
ペンタン)などの2,2’−アゾビスC3-10アルカンな
ど]、ジメチル2,2’−アゾビスイソブチレートなど
が挙げられる。
ルパーオキサイド、デカノイルパーオキサイド、ラウロ
イルパーオキサイドなどのジアシルパーオキサイド類、
シクロヘキサノンパーオキサイド、3,3,5−トリメ
チルシクロヘキサノンパーオキサイド、メチルシクロヘ
キサノンパーオキサイドなどのケトンパーオキサイド
類、1,1−ビス(t−ブチルパーオキシ)−3,3,
5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ブ
チルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ビス(4,
4−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキシル)プロパ
ンなどのパーオキシケタール類、クメンハイドロパーオ
キサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサ
イドなどのハイドロパーオキサイド類、ジ−t−ブチル
パーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、t−ブチル
クミルパーオキサイド、α,α’−ビス(t−ブチルパ
ーオキシ−m−イソプロピル)ベンゼンなどのジアルキ
ルパーオキサイド類、ビス(4−t−ブチルシクロヘキ
シル)パーオキシジカーボネートなどのパーオキシカー
ボネート類、t−ブチルパーオキシベンゾエート、2,
5−ジメチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘ
キサンなどのパーオキシエステル類などが挙げられる。
素、過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムな
ど)などが例示できる。
硫酸塩又は過酸化物と還元剤との組み合わせ、例えば、
過酸化水素−第一鉄塩系、ベンゾイルパーオキサイド−
ジメチルアニリン系、又はセリウム(IV)塩−アルコ
ール系などの組み合わせが挙げられる。
含有されるのを避ける点から、非ハロゲン系のラジカル
開始剤が好ましい。ラジカル開始剤としては、通常、ア
ゾ化合物(AIBNなど)、パーオキサイド類が使用さ
れる。特にアゾ化合物が好ましい。
種以上組み合わせて使用できる。
のに、例えば、熱、光、放射線、酸化還元反応などが採
用できる。これらのラジカル発生手段は単独で適用して
もよく、二種以上組み合わせて適用してもよい。
属錯体(A)/ラジカル開始剤(B)=0.1/1〜1
0/1(モル比)程度の広い範囲から選択でき、通常、
0.25/1〜4/1(モル比)、好ましくは0.25
/1〜3.5/1(例えば0.25/1〜3/1)(モ
ル比)、特に0.25/1〜2/1(モル比)程度であ
る。モル比が0.1より小さいと分子量分布が広くな
り、10より大きいと重合速度が遅くなる虞がある。
とラジカル開始剤とを含む重合開始剤系の存在下で、少
なくとも一種のビニル系単量体を重合させると、分子量
分布が狭く、分子量の制御された重合体を得ることがで
きる。
始剤系により重合可能であれば特に制限されず、種々の
重合性ビニル単量体、例えば、芳香族ビニル単量体、複
素環式ビニル単量体(N−ビニルピロリドンなど)、
α,β−不飽和カルボン酸又はその誘導体、α,β−不
飽和ニトリル、カルボン酸ビニルエステル、共役ジエン
系単量体、オレフィン系単量体、ハロゲン化ビニル、ハ
ロゲン化ビニリデンなどが使用できる。
アルキルスチレン(例えば、o−,m−及びp−メチル
スチレンなどのビニルトルエン類、2,4−ジメチルス
チレンなどのビニルキシレン類、p−エチルスチレン、
p−イソプロピルスチレン、p−ブチルスチレン、p−
t−ブチルスチレンなど)、α−アルキルスチレン(例
えば、α−メチルスチレン、α−メチル−p−メチルス
チレンなど)、アルコキシスチレン(例えば、o−,m
−及びp−メトキシスチレン、p−t−ブトキシスチレ
ンなど)、ハロスチレン(例えば、o−,m−及びp−
クロロスチレン、p−ブロモスチレンなど)、スチレン
スルホン酸又はそのアルカリ金属塩などが例示できる。
好ましいスチレン系単量体には、スチレン、ビニルトル
エンなどが含まれ、特にスチレンが好ましい。
には、例えば、α,β−不飽和カルボン酸、α,β−不
飽和カルボン酸エステル、α,β−不飽和カルボン酸ア
ミド、α,β−不飽和カルボン酸イミドなどが含まれ
る。
ば、(メタ)アクリル酸などのモノカルボン酸、マレイ
ン酸、フマル酸、イタコン酸などの多価カルボン酸又は
それらの酸無水物(例えば、無水マレイン酸など)など
が例示できる。
は、前記例示のα,β−不飽和カルボン酸のアルキルエ
ステル(特にC1-20アルキルエステルなど)などが使用
でき、具体例としては、(メタ)アクリル酸メチル、
(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチ
ル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル
酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、
(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウ
リルなどの(メタ)アクリル酸C1-14アルキルエステ
ル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシルなどの(メタ)
アクリル酸C4-10シクロアルキルエステル、又はこれら
の(メタ)アクリル酸エステルに対応するマレイン酸モ
ノ又はジアルキルエステル、フマル酸モノ又はジアルキ
ルエステル、イタコン酸モノ又はジアルキルエステルな
どが挙げられる。また、前記アルキルエステル類はヒド
ロキシル基、グリシジル基、アミノ基又はN−アルキル
アミノ基などの置換基を有していてもよく、置換基含有
エステルとしては、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリ
レート(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシプロピル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシ
C2-10アルキル(メタ)アクリレートなど)、グリシジ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノプロ
ピル(メタ)アクリレートなどが例示できる。
は、(メタ)アクリルアミド、又はそれらの誘導体(例
えば、N−メチル(メタ)アクリルアミドなど、N,N
−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチロール
(メタ)アクリルアミドなど)、あるいはこれらに対応
するフマル酸アミド(フマルアミド、フマルアミド酸又
はそれらの誘導体など)などが例示できる。
は、例えば、マレイミド又はその誘導体(例えば、N−
メチルマレイミド、N−フェニルマレイミドなど)など
が含まれる。
クリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物などが含ま
れる。
ビニル、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ピバリン酸
ビニルなどのC1-10カルボン酸ビニルエステル(特にC
1-6カルボン酸ビニルエステル)などが例示できる。
ン、イソプレン、クロロプレン、ネオプレン、1,3−
ペンタジエン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエ
ン、ピペリエン、3−ブチル−1,3−オクタジエン、
フェニル−1,3−ブタジエンなどのC4-16ジエン(好
ましくはC4-10ジエンなど)などが例示できる。
プロピレン、ブテン(イソブテンなど)などのC2-10ア
ルケン(好ましくはC2-6アルケンなど)などが例示で
きる。
ル、塩化ビニル、臭化ビニルなど、また、ハロゲン化ビ
ニリデンとしては、フッ化ビニリデン、塩化ビニリデ
ン、臭化ビニリデンなどが例示できる。
は、非ハロゲン系単量体を使用するのが好ましい。好ま
しいビニル系単量体はスチレン系単量体及び(メタ)ア
クリル系単量体((メタ)アクリル酸、(メタ)アクリ
ル酸エステル(特にメタクリル酸メチル、アクリル酸C
2-10アルキルエステルなど)、(メタ)アクリロニトリ
ルなど)などである。
み合わせて使用できる。二種以上を併用する場合、例え
ば、複数の単量体を同時に添加して使用するとランダ
ム共重合体が得られ、単量体を逐次的に添加する方
法、例えば、第1の単量体の重合が完結した後、第2の
単量体を添加して重合を完結させ、さらに第3の単量体
を添加するというように単量体を逐次的に添加するとブ
ロック共重合体が得られ、複数の単量体の組成比を経
時的に変化させるとグラジエント共重合体が得られる。
カル開始剤との割合により決定できる。従って、ビニル
系単量体とラジカル開始剤との割合を変化させることに
より、分子量を制御でき、所望の分子量を有する重合体
を得ることができる。
合は、例えば、ビニル系単量体/ラジカル開始剤(B)
=5/1〜10000/1(モル比)程度の範囲から選
択でき、通常5/1〜5000/1(モル比)程度であ
る。
が1,000〜500,000、好ましくは1,500
〜100,000程度であり、分子量分布(Mw/M
n)は、1.05〜2、好ましくは1.05〜1.9
(例えば、1.05〜1.7)程度である。
れず、慣用の重合法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸
濁重合、乳化重合、塊状−懸濁重合などが採用できる。
制限されず、慣用の溶媒、例えば、芳香族炭化水素類
(ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレンな
ど)、脂環族炭化水素(シクロヘキサンなど)、脂肪族
炭化水素(ヘキサン、オクタンなど)、ケトン類(アセ
トン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなど)、
エーテル類(ジオキサン(1,4−ジオキサンなど)、
テトラヒドロフランなど)、エステル類(酢酸エチルな
ど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミドな
ど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)な
どが使用できる。特にトルエン、エチルベンゼン、ベン
ゼン、N,N−ジメチルホルムアミドなどが好ましい。
このような溶媒は単独又は二種以上混合して使用でき
る。
圧又は加圧下で行うことができる。
の構成、重合速度などに応じて、例えば、0〜200℃
程度の広い範囲から選択でき、通常、50〜200℃、
好ましくは60〜160℃(例えば、80〜140℃)
程度の範囲から選択できる。
性ガスの雰囲気下、例えば、不活性ガスの流通下などで
重合を行ってよい。
より、溶媒で希釈し、貧溶媒中で析出させたり、単量体
や溶媒などの揮発性成分を除去することにより分離精製
してもよい。
単量体に適用でき、また、上記のように、分子量分布が
狭く、分子量の制御された重合体を製造することができ
るため、得られた重合体は、ビニル単量体の種類、重合
体の構造などに応じて、種々の用途(例えば、フィルム
成形、射出成形などの成形用樹脂、塗料などのコーティ
ング用樹脂、相溶化剤、熱可塑性エラストマーなど)に
利用できる。
開始剤を組み合わせたハロゲン元素を含まない重合開始
剤系を用いると、種々のビニル系単量体をリビング的に
ラジカル重合させることができる。そのため、重合体の
分子量や分子量分布などの一次構造を制御することがで
き、分子量分布の狭い重合体を得ることができる。
に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定さ
れるものではない。
作は、特に断りのない限り、乾燥窒素雰囲気下で行い、
試薬類は容器から注射器により採取して反応系に添加し
た。また、単量体及び溶媒は、乾燥剤の存在下で蒸留精
製し、乾燥窒素を吹き込むことにより脱酸素してから使
用した。
率と分子量は、下記方法により測定した。 (重合率)重合反応で得られた反応溶液に残存する単量
体をガスクロマトグラフィー(GC,(株)島津製作所
製,カラム:PEG6000)を用いて内部標準法(内
部標準試薬:テトラヒドロナフタレン)により定量し、
単量体の減少量を重合体への転化率(重合率)として算
出した。 (分子量)数平均分子量(Mn)及び重量平均分子量
(Mw)は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(GPC,日本分光(株)製)を用いて下記条件で測定
した。
0.1mg(0.14mmol,20mmol/L)を
アルゴン雰囲気下でシュレンク反応管に精秤し、そこへ
スチレン1.6mL(14mmol,2.0mol/
L)、テトラヒドロナフタレン0.33mL、トルエン
4.44mL、AIBNトルエン溶液(濃度0.25m
ol/L)0.56mL(0.14mmol,20mm
ol/L)を添加して、十分攪拌した。混合溶液を1m
Lずつ試験管に封管した後、120℃に加温して重合を
開始させた。
点で、重合反応系を−78℃に冷却することにより重合
反応を停止させた。重合率は9時間経過後で30%、4
8時間経過後で70%であった。
より金属錯体成分などを除去し、さらに単量体及び溶媒
などを蒸発させて重合体を得た。得られたポリスチレン
の分子量及び分子量分布は、9時間経過後でMn=26
00、Mw/Mn=1.23、48時間経過後でMn=
5100、Mw/Mn=1.17であった。得られたポ
リスチレンはいずれも、GPC曲線が単峰性であった。
する以外は実施例1と同様に重合を行った。4時間経過
後、重合率は40%、Mn=3000、Mw/Mn=
1.22であり、30時間経過後、重合率は80%、M
n=6000、Mw/Mn=1.26であった。得られ
たポリスチレンはいずれも、GPC曲線が単峰性であっ
た。
0.5mg(0.07mmol、10mmol/L)使
用し、反応時間を8時間及び50時間とする以外は実施
例1と同様に行った。8時間経過後、重合率は40%、
Mn=3400、Mw/Mn=1.57であり、50時
間経過後、重合率は68%、Mn=5800、Mw/M
n=1.49であった。得られたポリスチレンはいずれ
も、GPC曲線が単峰性であった。
05.1mg(0.21mmol、30mmol/L)
使用し、反応時間を24時間及び100時間とする以外
は実施例1と同様に行った。24時間経過後、重合率は
30%、Mn=2000、Mw/Mn=1.17であ
り、100時間経過後、重合率は59%、Mn=340
0、Mw/Mn=1.17であった。得られたポリスチ
レンはいずれも、GPC曲線が単峰性であった。
0.1mg(0.14mmol,20mmol/L)を
アルゴン雰囲気下でシュレンク反応管に精秤し、そこへ
スチレン4.81mL(42mmol,6.0mol/
L)、テトラヒドロナフタレン1mL、トルエン0.5
6mL、AIBNトルエン溶液(濃度0.25mol/
L)0.56mL(0.14mmol,20mmol/
L)を添加して、十分攪拌した。混合溶液を1mLずつ
試験管に封管した後、120℃に加温して重合を開始さ
せた。
時点で、重合反応系を−78℃に冷却することにより重
合反応を停止させた。重合の結果は実施例1と同様に評
価した。8時間経過後、重合率は44%、Mn=930
0、Mw/Mn=1.38であり、100時間経過後、
重合率は89%、Mn=20,500、Mw/Mn=
1.31であった。得られたポリスチレンはいずれも、
GPC曲線が単峰性であった。
5.0mg(0.07mmol、10mmol/L)、
0.25mol/LのAIBNトルエン溶液0.28m
L(0.07mmol、10mmol/L)を使用し、
反応時間を24時間及び100時間とする以外は実施例
5と同様に行った。24時間経過後、重合率は54%、
Mn=21600、Mw/Mn=1.31であり、10
0時間経過後、重合率は85%、Mn=31200、M
w/Mn=1.30であった。得られたポリスチレンは
いずれも、GPC曲線が単峰性であった。
0.4mg(0.14mmol,20mmol/L)を
アルゴン雰囲気下でシュレンク反応管に精秤し、そこへ
スチレン1.6mL(14mmol,2.0mol/
L)、テトラヒドロナフタレン0.33mL、トルエン
4.46mL、AIBNトルエン溶液(濃度0.25m
ol/L)0.56mL(0.14mmol,20mm
ol/L)を添加して、十分攪拌した。混合溶液を1m
Lずつ試験管に封管した後、120℃に加温して重合を
開始させた。
点で、重合反応系を−78℃に冷却することにより重合
反応を停止させた。重合の結果は実施例1と同様に評価
した。3時間経過後、重合率は34%、Mn=470
0、Mw/Mn=1.87であり、30時間経過後、重
合率は79%、Mn=7900、Mw/Mn=1.60
であった。得られたポリスチレンはいずれも、GPC曲
線が単峰性であった。
する以外は実施例4と同様に重合を行った。3.5時間
経過後、重合率は28%、Mn=3300、Mw/Mn
=1.58であり、30時間経過後、重合率は89%、
Mn=6600、Mw/Mn=1.56であった。得ら
れたポリスチレンはいずれも、GPC曲線が単峰性であ
った。
22.2mg(0.14mmol,20mmol/L)
をアルゴン雰囲気下でシュレンク反応管に精秤し、そこ
へスチレン1.60mL(14mmol,2.0mol
/L)、オクタン0.27mL、トルエン4.45m
L、AIBNトルエン溶液(濃度0.25mol/L)
0.56mL(0.14mmol、20mmol/L)
を添加して十分攪拌した。混合溶液を1mLずつ試験管
に封管した後、120℃に加温して重合を開始させた。
した時点で、重合反応系を−78℃に冷却することによ
り重合反応を停止させた。スチレンの重合率の測定を行
ったところ、24時間経過後の重合率は44%、252
時間経過後の重合率は72%であった。
より金属錯体成分などを除去し、単量体や溶媒などの揮
発分を蒸発させることにより重合体を得た。得られたポ
リスチレンの分子量を測定したところ、24時間経過後
のポリスチレンのMnは3400、Mw/Mnは1.1
4で、252時間経過後のポリスチレンのMnは520
0、Mw/Mnは1.23であり、これらのGPC曲線
は単峰性であった。
止時間を100時間および407時間にした以外は、実
施例9と同様に重合反応を行い、その結果を分析した。
100時間経過後の重合率は49%、Mnは3300、
Mw/Mnは1.11であり、407時間経過後の重合
率は71%、Mnは5000、Mw/Mnは1.12で
あり、これらのGPC曲線は単峰性であった。
l、6.0mol/L)、オクタン0.80mL、トル
エン0.71mLにし、重合の停止時間を8時間および
69時間にした以外は、実施例9と同様に重合反応を行
い、その結果を分析した。8時間経過後の重合率は38
%、Mnは9300、Mw/Mnは1.18で、69時
間経過後の重合率は76%、Mnは17400、Mw/
Mnは1.23であり、これらのGPC曲線は単峰性で
あった。
0.1mg(0.14mmol,20mmol/L)を
アルゴン雰囲気下でシュレンク反応管に精秤し、そこへ
メタクリル酸メチル1.50mL(14mmol,2.
0mol/L)、オクタン0.25mL、N,N−ジメ
チルホルムアミド4.62mL、AIBNのN,N−ジ
メチルホルムアミド溶液(濃度0.25mol/L)
0.56mL(0.14mmol、20mmol/L)
を添加して十分攪拌した。混合溶液を1mLずつ試験管
に封管した後、80℃に加温して重合を開始させた。
時点で、重合反応系を−78℃に冷却することにより重
合反応を停止させた。メタクリル酸メチルの重合率の測
定を行ったところ、4時間経過後の重合率は57%で、
30時間経過後の重合率は94%であった。
より金属錯体成分などを除去し、単量体や溶媒などの揮
発分を蒸発させることにより重合体を得た。得られたポ
リメタクリル酸メチルの分子量を測定したところ、4時
間経過後のポリメタクリル酸メチルのMnは4200、
Mw/Mnは1.77で、30時間経過後のポリメタク
リル酸メチルのMnは7200、Mw/Mnは1.46
であり、これらのGPC曲線は単峰性であった。
加せず、トルエンの添加量を4.51mL、反応時間を
30時間とする以外は実施例1と同様に行った。30時
間経過後、重合率は74%、Mn=11300、Mw/
Mn=4.09であった。また得られたポリスチレン
は、GPC曲線が二峰性であった。
L、反応時間を50時間とする以外は実施例7と同様に
行った。50時間経過しても重合体は得られなかった。
施例では、重合率が増加するに従って、重合体の数平均
分子量が増加し、重合がリビング的に進行していること
が判る。また、重合率の増加に伴って、分子量分布が、
比較例1に比べて顕著に狭くなっている。さらに、金属
錯体を添加しない比較例1では分子量分布曲線が二峰性
を示したのに対し、実施例ではいずれの場合も単峰性の
ピークを示した。ラジカル開始剤を添加しない比較例2
では重合反応が進行せず、ラジカル開始剤の存在が必須
であることが判る。
Claims (12)
- 【請求項1】 リビング重合のための重合開始剤系であ
って、下記式(1) 【化1】 (式中、Aは炭素又はリン原子を示し、Mは遷移金属元
素を示し、Xは酸素原子又は窒素原子を含んでいてもよ
い有機基を示す。kは2〜8の整数、mは1又は2を示
す。)で表わされる金属錯体(A)とラジカル開始剤
(B)とで構成されている重合開始剤系。 - 【請求項2】 金属錯体(A)が、周期表7〜11族遷
移金属の錯体である請求項1記載の重合開始剤系。 - 【請求項3】 金属錯体(A)が、マンガン、鉄、コバ
ルト、ニッケル、銅、ルテニウム、ロジウム及びパラジ
ウムから選択された少なくとも一種の金属の錯体である
請求項1記載の重合開剤系。 - 【請求項4】 リビング重合のための重合開始剤であっ
て、下記式(ia)〜(ic)又は(iia) 【化2】 (式中、R1a〜R1f及びR2a及びR2bは、同一又は異な
って、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、アル
ケニル基、アリール基又はアラルキル基を示し、R1b及
びR1cは一緒になって環を形成してもよい。M及びkは
前記に同じ。)で表わされる金属錯体(A)とラジカル
開始剤(B)とで構成されている請求項1記載の重合開
始剤系。 - 【請求項5】 R1a〜R1f及びR2a及びR2bが、同一又
は異なって、C1-6アルキル基、C4-8シクロアルキル
基、C6-12アリール基、及びC7-14アラルキル基から選
択された少なくとも1種である請求項4記載の重合開始
剤系。 - 【請求項6】 金属錯体(A)が、ジチオカルバメート
錯体である請求項1又は4記載の重合開始剤系。 - 【請求項7】 ラジカル開始剤(B)が、アゾ化合物、
有機過酸化物及び無機過酸化物から選択された少なくと
も一種である請求項1又は4記載の重合開始剤系。 - 【請求項8】 金属錯体(A)とラジカル開始剤(B)
との割合が、前者/後者=0.1/1〜10/1(モル
比)である請求項1又は4記載の重合開始剤系。 - 【請求項9】 請求項1又は4記載の重合開始剤系の存
在下、少なくとも一種のビニル系単量体を重合して得ら
れた重合体。 - 【請求項10】 ビニル系単量体が、スチレン系単量体
及び(メタ)アクリル系単量体から選択された少なくと
も一種である請求項9記載の重合体。 - 【請求項11】 数平均分子量(Mn)が1000〜5
00,000であり、分子量分布(Mw/Mn)が1.
05〜1.9である請求項9記載の重合体。 - 【請求項12】 請求項1又は4記載の重合開始剤系の
存在下、ビニル系単量体を重合させる重合体の製造方
法。
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-
1999
- 1999-05-14 JP JP13455499A patent/JP4093679B2/ja not_active Expired - Fee Related
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