JP2000119106A - 機能性マイクロカプセルおよびその複合体 - Google Patents

機能性マイクロカプセルおよびその複合体

Info

Publication number
JP2000119106A
JP2000119106A JP28778398A JP28778398A JP2000119106A JP 2000119106 A JP2000119106 A JP 2000119106A JP 28778398 A JP28778398 A JP 28778398A JP 28778398 A JP28778398 A JP 28778398A JP 2000119106 A JP2000119106 A JP 2000119106A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
catechins
functional
saponins
microcapsules
microcapsule
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP28778398A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroshi Okamoto
弘 岡本
Shinichi Inoue
眞一 井上
Hiroki Miyamatsu
宏樹 宮松
Takami Yoshida
貴美 吉田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Erubu KK
Original Assignee
Erubu KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Erubu KK filed Critical Erubu KK
Priority to JP28778398A priority Critical patent/JP2000119106A/ja
Publication of JP2000119106A publication Critical patent/JP2000119106A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Manufacturing Of Micro-Capsules (AREA)
  • Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 カテキン類やサポニン類が、周辺の環境にか
かわらず、本来有するすぐれた作用効果を最大限に発揮
できるようにした機能性マイクロカプセルを提供するこ
と、またその機能性マイクロカプセルを用いた機能性マ
イクロカプセル複合体を提供することを目的とする。 【解決手段】 有機系高分子をカプセル壁材とし、かつ
カテキン類および/またはサポニン類が内包されたマイ
クロカプセルからなる機能性マイクロカプセルである。
また、そのマイクロカプセルを基材または基剤に担持ま
たは配合してなる機能性マイクロカプセル複合体であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば健康や環
境のために好ましい機能性マイクロカプセル、およびそ
れを用いた機能性マイクロカプセル複合体に関するもの
である。機能性とは、抗微生物性(殺菌性、静菌性、抗
カビ性、抗ウイルス性)、抗アレルギー性などの生理活
性や、消臭性などである。
【0002】
【従来の技術】茶に含まれるカテキン類は、抗酸化、抗
突然変異、血小板凝集抑制、抗菌、抗ウイルス、虫歯予
防、抗アレルギー、消臭などの生理作用を有し、食品酸
化防止剤、抗菌剤、脱臭剤、抗虫歯剤などの用途に用い
ることができるとされている。たとえば、「月刊フード
ケミカル1991−9月号、110〜115頁」の11
4頁の表2を参照。
【0003】カテキン類の抗酸化作用は、カテキン類の
フェノール性水酸基が、脂質の過酸化反応によって生ず
るラジカルの連鎖反応を停止させることにより発揮され
る。この場合、カテキン類自らは最終的にはキノン型に
なる。たとえば、「月刊フードケミカル1991−9月
号、127〜131頁」の127頁の「抗酸化効果のメ
カニズム」を参照。
【0004】「ポピュラーサイエンス、お茶の科学、株
式会社裳華房発行、1992年6月10日発行」の18
2〜199頁には、カテキン類は、老化を防ぐ抗酸化作
用、抗菌・抗ウイルス作用、コレステロール量の調整作
用、血圧上昇抑制作用、血糖降下作用、抗糖尿病作用、
血小板凝集抑制作用、血栓形成予防作用、発ガン抑制作
用、解毒作用などの生理作用を有することが示されてい
る。
【0005】「緑茶カテキンの凄い健康パワー、株式会
社二見書房発行、1997年4月25日発行」にも、緑
茶カテキンの種々の効能につき詳しい説明がある。
【0006】特開昭59−216810号公報には、必
須成分としてカテキン、エピカテキン等のタンニン画分
中のカテキン化合物を配合した化粧料組成物につき開示
がある。この公報の発明によれば、カテキン化合物の配
合は、その抗酸化性を利用して化粧料の貯蔵性、保存性
に貢献するのみならず、肌荒れ、しみ、そばかす、にき
び、かゆみ、あせも、おしめかぶれの改善にも有効であ
るとされている。
【0007】また本出願人は、特定の条件下にカテキン
類またはその属性体で染色を行うことにより、自然感あ
る独特の色調を有し、かつ抗菌・抗ウイルス性・抗アレ
ルギー性などの生理活性を有する染色繊維製品を得るこ
とに成功し、別途特許出願を行っている(特開平9−3
16786公報参照)。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、用途に
よっては、カテキン類をそのままの形態で基材に担持さ
せたり内添させたりすると、水分と接触したときにカテ
キン類がすみやかに失われて、効果の持続性が不足する
という問題点がある。またカテキン類をそのままの形態
で基剤に配合すると、保存中にカテキン類が外液中に溶
出したり、基剤側の成分が変質したりすることがある。
【0009】このように、用途によってはカテキン類が
本来の作用効果を充分には発揮できないことがあるの
で、この点を解決することが強く望まれている。またカ
テキン類に限らず、茶などに含まれるサポニン類につい
ても、同様の解決を図ることが望まれる。
【0010】本発明は、このような背景下において、カ
テキン類やサポニン類が、周辺の環境にかかわらず、本
来有するすぐれた作用効果を最大限に発揮できるように
した機能性マイクロカプセルを提供すること、またその
機能性マイクロカプセルを用いた機能性マイクロカプセ
ル複合体を提供することを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の機能性マイクロ
カプセルは、有機系高分子をカプセル壁材とし、かつカ
テキン類および/またはサポニン類が内包されたマイク
ロカプセルからなるものである。
【0012】本発明の機能性マイクロカプセル複合体
は、有機系高分子をカプセル壁材とし、かつカテキン類
および/またはサポニン類が内包されたマイクロカプセ
ルを、基材または基剤に担持または配合してなるもので
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明を詳細に説明する。
【0014】〈カテキン類〉カテキン類としては、モノ
マー状のものやオリゴマー状のものが用いられる(テア
フラビンも含まれる)。本発明において用いるカテキン
類として特に重要性の高いものは、カテキン類の濃度を
高めた茶由来のカテキン製剤である。茶カテキンの主た
る成分は、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレー
ト、エピカテキン、エピカテキンガレートなどである
が、個々の成分に単離する必要はないので、これらの混
合物からなる茶カテキンを濃厚に含む製剤(殊に20%
以上、好ましくは25%以上含むもの)をそのまま好適
に用いることができる。市販の茶由来のカテキン製剤に
は30%品、50%品、60%品、70%品、80%
品、90%品などがあるので、その入手は容易である。
なおカテキン類は、阿仙薬をはじめ茶以外の多種の植物
にも含まれているので、それらの植物由来のカテキン類
を用いることもできる。
【0015】〈サポニン類〉サポニン類のうち茶サポニ
ンは、有機溶剤や水を用いて茶葉や茶の種子からサポニ
ンを含む成分を抽出し、ついでカラムクロマトなどの手
段を用いて繰り返し精製を行うことにより取得できる。
茶サポニンには、ステロイド系サポニン、トリテルペノ
イド系サポニンなどがあるが、本発明の目的にはこれら
をいずれも使用することができる。サポニン類は、茶以
外の多種の植物、たとえば、ニンジン、チクセツニンジ
ン、ダイズ、サイコ、アマチャヅル、ヘチマ、オンジ、
キキョウ、セネガ、バクモンドウ、モクツウ、チモ、ゴ
シツ、カンゾウ、サンキライなどにも含まれているの
で、そのような植物からのサポニン類を用いることもで
きる。
【0016】〈機能性マイクロカプセル〉本発明の機能
性マイクロカプセルは、カテキン類またはサポニン類あ
るいはこれらの両者が内包されたマイクロカプセルから
なる。マイクロカプセル中には、本発明の趣旨を損なわ
ない範囲において、必要に応じ、漢方生薬の粉末やエキ
ス、抗ヒスタミン剤などの薬効成分を付加的に内包させ
ることもできる。
【0017】このマイクロカプセルは、相分離法、液中
乾燥法、融解分散冷却法、パンコーティング法、界面重
合法、in situ 重合法、液中硬化被覆法をはじめとする
公知の任意のマイクロカプセル化方法によって製造する
ことができる。
【0018】本発明においては、持続性や取り扱い性を
はじめ種々の事情を総合考慮して、カプセル壁材として
有機系高分子を用いる。有機系高分子の例は、ポリウレ
タン、尿素樹脂、フェノール樹脂、ゼラチン、アラビア
ゴム、アルギン酸ソーダ、デキストラン、カゼイン、カ
ラゲナン、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロ
ース、カルボキシポリメチレン、スチレン−マレイン酸
反応生成物、スチレン−ブタジエン共重合体、塩化ビニ
リデン−アクリロニトリル共重合体、ポリビニルアルコ
ール、ポリスチレン、ポリカーボネート、エチレン−酢
酸ビニル共重合体、アクリル共重合体、ポリエステル、
ポリアミドなどである。
【0019】マイクロカプセルの形状は、球形のほか、
楕円球や卵形などであってもよい。マイクロカプセルの
大きさは、球形の場合を例にとると、たとえば1〜10
0μm 程度、殊に2〜60μm 程度とすることが多い
が、必ずしもこの範囲に限られず、もっと大きくするこ
ともできる。
【0020】〈機能性マイクロカプセル複合体〉上述の
機能性マイクロカプセル、つまり、有機系高分子をカプ
セル壁材とし、かつカテキン類および/またはサポニン
類が内包されたマイクロカプセルは、そのままで種々の
用途に用いることができるが、これを基材または基剤に
担持または配合した複合体の形態で実際の用途に使うこ
とが好ましい。
【0021】機能性マイクロカプセルを基材に担持させ
るときの基材としては、たとえば、繊維製品、スポン
ジ、フィルム、シート、箔、紙、天然物、セラミック
ス、金属などがあげられる。
【0022】このうち繊維製品としては、原繊維、糸、
パイル、綿状物、織布、編布、不織布、ネット、植毛布
などがあげられ、これらの裁断品であっても差し支えな
い。繊維製品の材質は、木綿、麻、絹、羊毛などの天然
繊維であってもよく、ポリエステル、アクリル、ポリオ
レフィン、ナイロン、ビニロン、ポリ塩化ビニリデン、
ポリ塩化ビニルなどの合成繊維であってもよい。天然繊
維と合成繊維との混紡品、交織品、交編品などであって
もよい。また、半合成繊維(アセテート等)、再生繊維
(レーヨン等)などであってもよい。
【0023】繊維製品の用途の例は、肌と接触する用途
(下着類、パンティーストッキング、ブラジャー、シャ
ツ類、夜着、シーツ、おむつ、手袋、帽子、スポーツ用
サポーター、水着、包帯、病人用衣類、マスク、履物の
内装または表面材、時計バンド、靴下等)、下着以外の
衣服、カーテン、フィルター(空気清浄機、エアコンデ
ィショナー、真空掃除機等のフィルター)などである。
【0024】基材に対する機能性マイクロカプセルの担
持は、たとえば、機能性マイクロカプセルを適当なバイ
ンダーおよび溶媒と混合して処理液を調製し(この際、
漢方生薬の粉末やエキス、抗ヒスタミン剤などの薬効成
分を添加することもできる)、基材を、ディッピング、
ロールコーティング、スプレー、プリント(印刷)など
の方法によってその処理液と接触させることにより行う
ことができる。バインダーとしては、有機系のバインダ
ーのみならず、無機系のバインダーを用いることもでき
る。
【0025】基材に対する機能性マイクロカプセルの担
持量は、用途に応じて広い範囲から選択されるので、一
概には決められない。基材が繊維製品であるときは、繊
維製品100重量部に対し機能性マイクロカプセルを0.
01〜30重量部程度担持させることが多い。その担持量
が余りに少ないときは生理活性作用が不足し、余りに多
いときは繊維製品の風合が損なわれる上、コスト高にな
るからである。ただし、フィルターなど風合が要求され
ない用途には、さらに多量の機能性マイクロカプセルを
担持させることができる。
【0026】バインダーの使用量は、機能性マイクロカ
プセルを担持させるに足る必要量、たとえば機能性マイ
クロカプセルの重量の 0.1〜5倍程度、殊に 0.2〜3倍
程度とすることが多い。バインダーの担持量が余りに少
ないときは機能性マイクロカプセルが剥落しやすくな
り、一方余りに多いときは、機能性マイクロカプセルの
作用効果が円滑に発揮されなくなったり、基材の風合が
損なわれたりすることがある。
【0027】機能性マイクロカプセルを基剤に配合する
ときの基剤としては、食品、飲料、調味料、塗料、コー
ティング剤、インク、接着剤、粘着剤、化粧品、成形用
樹脂(湿気硬化型、空気硬化型、紫外線硬化型等)、発
泡体、水硬性組成物などが例示できる。
【0028】基剤に対する機能性マイクロカプセルの配
合量は、用途に応じて広い範囲から選択される。
【0029】〈作用〉本発明の機能性マイクロカプセル
にあっては、有機系高分子をカプセル壁材とし、かつカ
テキン類および/またはサポニン類がマイクロカプセル
内に内包されているので、この機能性マイクロカプセル
をそのまま用いたり、基材に担持または基剤に配合して
複合体として用いたとき、周辺の環境にかかわらず、カ
テキン類やサポニン類が本来有する作用効果が最大限に
発揮される。すなわち、カテキン類やサポニン類の有す
る抗微生物性(殺菌性、静菌性、抗カビ性、抗ウイルス
性)、抗アレルギー性などの生理活性や、消臭性などの
機能が、すぐれた安定性、保存性、持続性、徐放性、遅
効性、腸溶性などの実用上の機能と共に発揮される。
【0030】
【実施例】次に実施例をあげて本発明をさらに説明す
る。以下「%」とあるのは重量%である。
【0031】実施例1〜3 〈機能性マイクロカプセル〉カテキン類および/または
サポニン類として、次のものを準備した。 (イ)カテキン30%品として知られているカテキン粉
末(以下カテキン30%品という)。 (ロ)カテキン90%品として知られているカテキン粉
末(以下カテキン90%品という)。 (ハ)茶の種子を脱脂後、メタノールで浸出し、そのメ
タノール溶液にエーテルを加え、生じた沈澱を乾燥した
粗サポニン含量約55%の粉末(以下粗サポニンとい
う)。
【0032】イソシアネート基含有ポリウレタン3gを
クロロベンゼン18ml(0.1757mol)に溶解させ、さらに
上記のカテキン類またはサポニン類を 0.5g加えて混合
し、これをパスツールピペットを用いて 0.5%ゼラチン
水溶液100ml中に撹拌下に滴下し、微小滴になるまで
常温で撹拌を続けた。滴下終了後、ウオーターバスを用
いて液温を50℃に保ち、500rpm/min にて撹拌しな
がら反応させた。約5時間後、撹拌を止めて内容物をビ
ーカーに移し、蒸留水で洗浄した。洗浄は、上澄みの濁
りが消えるまで続けた。ついで粒子をシャーレに移し、
余分の水をある程度まで除去してから、ドラフター内で
乾燥を開始した。時々スパーテルで混ぜ、全体的に水分
が飛ぶようにした。約8時間ほどで、乾燥したマイクロ
カプセル(B) が得られた。粒径は3〜10μm であっ
た。
【0033】〈抗微生物試験1〉実施例1〜3で得た機
能性マイクロカプセルにつき、菌数減少率試験により、
黄色葡萄状球菌Staphylococcus aureus ATCC 6538Pに対
する抗細菌活性を調べた(試験は財団法人日本紡績検査
協会近畿事業所に依頼して行った)。すなわち、滅菌試
料布に試験菌のブイヨン懸濁液を注加し、密閉容器中で
37℃で18時間培養後の生菌数を計測し、植菌数に対
する増減値を求めた。試料重量は 0.2gを採取した。結
果を下記および表1に示す。なお、無加工布は標準綿布
を使用した。
【0034】 ・植菌数(A) は 1.8×104 、log A は 4.3 ・無加工布菌数(B) は 8.4×106 、log B は 6.9 ・log B - log A = 2.6 > 1.5 (試験は有効) ・増減値 = log C - log A ・増減値差 = (log B - log A) - (log C - log A)
【0035】
【表1】 菌 数 増減値 増減値 log C 差 ブランク コントロール 6.9 2.6 0.0 実施例1 カテキン30%品 5.6 1.3 1.3 実施例2 カテキン90%品 4.6 0.3 2.3 実施例3 粗サポニン 6.0 1.7 0.9
【0036】〈抗微生物試験2〉実施例1〜3で得た機
能性マイクロカプセルにつき、真菌(水虫菌)に対する
生育阻止率を求めた。結果を表2に示す。
【0037】
【表2】
【0038】実施例4 〈機能性マイクロカプセル複合体、防微生物試験〉実施
例3で得た機能性マイクロカプセル(粗サポニンを使用
したもの)を、バインダーを含む媒体中に分散させた状
態で化粧用のパフに含浸させてから、乾燥、キュアした
後、スライスして試料を作成した。この試料を用いて次
の試験を行った。結果を表3に示す。 ・試験項目:かび試験(ハロー試験) ・試験菌株: Aspergillus niger ATCC 6275 Penicillium citrinum ATCC 9849 Cladosporium cladosporioides ATCC 16022 Aureobasidium pullulans IFO 6353 ・試験方法:試験菌を接種した平板培地上に、試料を密
着貼付し、27±1℃で7日間培養後、生じた試料周辺
の透明な生育阻止帯(ハロー)の幅を測定した。
【0039】
【表3】
【0040】実施例5〜6 〈機能性マイクロカプセル複合体、防微生物試験〉前処
理した綿生地を90℃で10分間ビーカー内にて湯洗し
た。バインダー樹脂(リケンゾールA−263)、水、
および上記実施例1、3の機能性マイクロカプセルから
なる処理液を調整し、100rpm/min 撹拌した後、上記
の湯洗した綿生地を投入し、時々かき混ぜながら常温に
て8〜10分間処理した。なお上記の処理液における樹
脂の量は水に対して5%とし、マイクロカプセルの量は
生地に対して20%となるようにした。上記の処理後、
そのまま手で軽く絞り、処理後の生地を80℃で5分間
乾燥機内で乾燥した。このように処理した後の綿生地の
表面に下記の寒天培地を薄く付着させ、防カビ性能の優
劣を調べた。結果を下記の表4に示す。
【0041】カビ菌の培養溶液は、市販の変法GAM寒
天培地を使用し、フラスコ内で加熱溶解させてから自然
冷却したものを用いた。カビ菌は予め調整した黒カビ菌
溶液(100mg/500ml純水)を培地溶液100mlに
0.5mlずつ植え付けた。カビ菌の繁殖促進は、恒温恒湿
槽を利用して、35℃、95%RHにて14日間保持
し、観察した。
【0042】
【表4】 発生度数 観 察 結 果 コントロール +++ 表面に斑紋の大きなカビが発生 ブランク +++++ カビの発生あり カテキン30%品添加 ++ 表面に少しカビが発生 粗サポニン - カビの発生なし
【0043】実施例7〜9 〈機能性マイクロカプセル複合体、抗微生物試験〉上記
実施例1〜3の機能性マイクロカプセルを市販の水性ア
クリル系塗料に少量配合して、浴室の壁の通風が悪く湿
気の多い個所に塗装し、微生物による壁の汚れ具合を観
察した。機能性マイクロカプセルを配合しなかった塗料
を塗装した個所に明らかな黒ずみやヌメリが認められた
後、さらに相当期間を経過しても、実施例1〜3の機能
性マイクロカプセルを配合した塗料を塗装した個所に
は、そのような黒ずみやヌメリは認められなかった。
【0044】
【発明の効果】作用の項で述べたように、本発明の機能
性マイクロカプセルにあっては、有機系高分子をカプセ
ル壁材とし、かつカテキン類および/またはサポニン類
がマイクロカプセル内に内包されているので、この機能
性マイクロカプセルをそのまま用いたり、基材に担持ま
たは基剤に配合して複合体として用いたとき、周辺の環
境にかかわらず、カテキン類やサポニン類が本来有する
作用効果が最大限に発揮される。すなわち、カテキン類
やサポニン類の有する抗微生物性(殺菌性、静菌性、抗
カビ性、抗ウイルス性)、抗アレルギー性などの生理活
性や、消臭性などの機能が、すぐれた安定性、保存性、
持続性、徐放性、遅効性、腸溶性などの実用上の機能と
共に発揮される。
フロントページの続き Fターム(参考) 4G005 AA01 AB15 AB27 BA02 BB12 DA09Y DB06W DB11X DC16X DC46Y DC61W DD05Z DD08Z DD38Y DD38Z DD39Z EA01 EA03 EA06 EA08 4H011 AA02 AA03 AA04 BB08 BB22 BC19 DA06 DG03 DH05

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機系高分子をカプセル壁材とし、かつカ
    テキン類および/またはサポニン類が内包されたマイク
    ロカプセルからなる機能性マイクロカプセル。
  2. 【請求項2】有機系高分子をカプセル壁材とし、かつカ
    テキン類および/またはサポニン類が内包されたマイク
    ロカプセルを、基材または基剤に担持または配合してな
    る機能性マイクロカプセル複合体。
JP28778398A 1998-10-09 1998-10-09 機能性マイクロカプセルおよびその複合体 Withdrawn JP2000119106A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28778398A JP2000119106A (ja) 1998-10-09 1998-10-09 機能性マイクロカプセルおよびその複合体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP28778398A JP2000119106A (ja) 1998-10-09 1998-10-09 機能性マイクロカプセルおよびその複合体

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000119106A true JP2000119106A (ja) 2000-04-25

Family

ID=17721693

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP28778398A Withdrawn JP2000119106A (ja) 1998-10-09 1998-10-09 機能性マイクロカプセルおよびその複合体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000119106A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2001072318A1 (en) * 2000-03-29 2001-10-04 Purdue Research Foundation Tea catechins in sustained release formulations as cancer specific proliferation inhibitors
JP2007111591A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Kanagawa Acad Of Sci & Technol マイクロビーズの製造方法
JP2012520398A (ja) * 2009-03-11 2012-09-06 アンセル リミテッド 抗菌性コーティングされたパウダーフリー手袋

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6410052B1 (en) 1999-03-30 2002-06-25 Purdue Research Foundation Tea catechins in sustained release formulations as cancer specific proliferation inhibitors
WO2001072318A1 (en) * 2000-03-29 2001-10-04 Purdue Research Foundation Tea catechins in sustained release formulations as cancer specific proliferation inhibitors
JP2007111591A (ja) * 2005-10-18 2007-05-10 Kanagawa Acad Of Sci & Technol マイクロビーズの製造方法
JP4644786B2 (ja) * 2005-10-18 2011-03-02 国立大学法人 東京医科歯科大学 マイクロビーズの製造方法
JP2012520398A (ja) * 2009-03-11 2012-09-06 アンセル リミテッド 抗菌性コーティングされたパウダーフリー手袋

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6979491B2 (en) Antimicrobial yarn having nanosilver particles and methods for manufacturing the same
US8784851B2 (en) Topical formulations containing sporopollenin
EP3253819B1 (en) Antimicrobial material comprising synergistic combinations of metal oxides
WO2022032440A1 (zh) 复合微球及其制备方法和应用
TWI279226B (en) Dressings which can be applied several times to textile fibres and textile fabrics
JP3231013B2 (ja) 抗菌加工繊維類の製造法
CN106924803A (zh) 一种高性能医用液体创可贴及其制备方法
JPH09158042A (ja) 繊維処理剤
Goldade et al. Antimicrobial fibers for textile clothing and medicine: current state
JP2000119106A (ja) 機能性マイクロカプセルおよびその複合体
US20020176874A1 (en) Cosmetic compositions with high viscosity for female breast care containing rigelia extract
JP2005306779A (ja) 植物由来抗菌剤
JP2001172861A (ja) 繊維へ機能性薬剤を固着するための方法および組成物
Saha et al. Antimicrobial textiles from natural resources: types, properties and processing
EP3160635A2 (en) Process for preparing antimicrobial microcapsules
RU2398599C1 (ru) Текстильный медьсодержащий целлюлозный материал
JP2000271201A (ja) 機能性材料およびその複合体
JP4040129B2 (ja) 外用組成物に配合するための微粉化複合体および外用組成物
CN108560253A (zh) 一种中药保健皮面料及其用途
CN111304913A (zh) 女士内裤抗菌去味贴及其制备方法
KR100660067B1 (ko) 녹차성분이 함유된 가공섬유의 제조방법 및 그로 제조된녹차성분함유의 가공섬유
JPH06313266A (ja) 抗菌性繊維及びその製造方法
JP2001079073A (ja) 抗菌消臭テープ製剤
JP4705403B2 (ja) 肌着類
KR102490975B1 (ko) 항균성이 우수한 섬유 코팅용 조성물 및 이로 코팅된 섬유

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20060110