JP2007111591A - マイクロビーズの製造方法 - Google Patents

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【課題】マイクロビーズ生成後にソーティング操作を行なわなくても、単一工程で粒径の均一なマイクロビーズを簡便に製造することができ、少量を手軽に作製することが可能なマイクロビーズの製造方法を提供すること。
【解決手段】マイクロビーズの製造方法は、固体形成性A液と、該固体形成性A液と接触すると固体を生成する固体形成性B液とを混合してマイクロビーズを製造する方法であって、前記固体形成性A液の液滴を、インクジェット法により、前記固体形成性B液の外部から前記固体形成性B液に噴射することによりマイクロビーズを生成させることを含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、マイクロビーズの製造方法に関する。
マイクロビーズは、免疫測定やアフィニティクロマトグラフィーにおける担体等として広く用いられている。従来、マイクロビーズは、混合するとマイクロビーズを形成する液体をスプレーで散布し、反応させてビーズ化する(霧化法又はスプレー法)か、又は、水と有機溶媒(油)とを混合、撹拌しエマルジョンを作製し、水溶性部分又は油性部分を固めてビーズ化されている(エマルジョン法)。しかし、いずれの方法においても、マイクロビーズの粒径はまちまちで、粒径を均一化するためには再度ソーティングをかけなければならない。また、従来のスプレー法、霧化法、エマルジョン法はいずれもゲルの形成場、回収場所、ソーティング装置と大規模な装置が必要である。それらの方法では、使用する薬剤も多量に必要であり、少量を手軽に作製することは非効率的である。
一方、アルギン酸ゲルから成るマイクロビーズ中に細胞を封入して農薬や免疫学の研究に用いることが知られている。これらのマイクロビーズは、アルギン酸ナトリウム水溶液中に封入すべき細胞を浮遊させ、この細胞浮遊液を塩化カルシウムや塩化バリウムの溶液にノズルから噴霧することにより形成される(特許文献1、非特許文献1)。しかし、これらのマイクロビーズも、細胞浮遊アルギン酸ナトリウム水溶液を空気ジェットノズルから噴霧する、上記したスプレー法により製造されており、製造されるマイクロビーズの粒径は均一ではない。また、公知のマイクロビーズは球状であり、円盤状のマイクロビーズは知られていない。
特開2004-99465号公報 特公平2-51734号公報 特開昭57-133076号公報 上原記念生命科学財団研究報告集、17:43-45(2003)
マイクロビーズの粒径が均一でない場合、例えばマイクロビーズ中に封入される物質の量がマイクロビーズ毎に異なってしまい、マイクロビーズを定量的に用いることが困難になる。また、マイクロビーズを薬物送達システム(DDS)等として用いる場合には、所定の範囲のサイズのマイクロビーズ以外はDDSとして機能することが困難である。また、従来法では装置が大掛かりなものになってしまい、手軽に通常の研究室レベルでは作製ができない。さらに、大量に作製する場合は便利だが、少量作製する場合、非効率となる。DDSを目的に作成する場合は、使用する薬剤も多量に必要となる。通常そのような薬剤は高額、または貴重な試料であることが多い。
本発明の目的は、マイクロビーズ生成後にソーティング操作を行なわなくても、単一工程で粒径の均一なマイクロビーズを簡便に製造することができ、少量を手軽に作製することが可能なマイクロビーズの製造方法を提供することである。
本願発明者は、鋭意研究の結果、インクジェット法により、一方のゲル形成性液を他方のゲル形成性液に噴射することにより、均一なサイズのマイクロビーズが一工程で製造できることを見出した。また、この際、インクジェットノズルから噴出される液滴を受ける側の液の厚さを薄くしておくことにより、円盤状のマイクロビーズが形成されることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、固体形成性A液と、該固体形成性A液と接触すると固体を生成する固体形成性B液とを混合してマイクロビーズを製造する方法であって、前記固体形成性A液の液滴を、インクジェット法により、前記固体形成性B液の外部から前記固体形成性B液に噴射することによりマイクロビーズを生成させることを含む、マイクロビーズの製造方法を提供する。また、本発明は、円盤状のマイクロビーズを提供する。
本願発明により、サイズの均一なマイクロビーズを一工程で簡便に製造することができる新規なマイクロビーズの製造方法が提供された。本発明により製造されるマイクロビーズのサイズは均一であるので、マイクロビーズ内に所望の物質を封入する場合には、封入される物質の量も均一になり、マイクロビーズを定量的に用いることができる。また、マイクロビーズをDDSのキャリアとして用いる場合、マイクロビーズのサイズを均一な所定のサイズにすることにより、全てのマイクロビーズを、機能する有効なDDSとすることが可能になる。また、本発明により、円盤状のマイクロビーズが初めて提供された。円盤状のマイクロビーズは、血管内投与型DDSのキャリアとして血管内に注入するような場合に、球状のマイクロビーズよりも血管を閉塞しにくく、有利である。
上記の通り、本発明の方法は、固体形成性A液(以下、単に「A液」ということがある)と、該A液と接触すると固体を生成する固体形成性B液(以下、単に「B液」ということがある)とを用いる。A液及びB液は、混合すると固体を生成するものであれば特に限定されないが、柔軟なゲルを形成するものが好ましい。このようなA液とB液の組合せとして、(1)アルギン酸塩水溶液とアルカリ土類金属塩水溶液、(2)トロンビン水溶液、フィブリノーゲン水溶液とカルシウム塩水溶液及び (3)ホウ酸水溶液とポリビニルアルコール水溶液の組合せを挙げることができるがこれらに限定されるものではない。
ここで、上記(1)の組合せに関し、アルギン酸塩としては、アルギン酸ナトリウム、アルカリ土類金属塩としては塩化カルシウムや塩化バリウムを例示することができる。アルギン酸塩の濃度は、特に限定されないが、0.5重量%〜1.5重量%程度が好ましく、アルカリ土類金属塩の濃度は、特に限定されないが、アルカリ土類金属イオン濃度として0.09mM〜0.18mM程度が好ましい。
上記(2)の組合せは、混合すべき成分が3成分あるが、いずれか2成分を含む水溶液と、残りの1成分を含む水溶液を混合する。例えば、フィブリノーゲン水溶液をA液、トロンビンとカルシウム塩を含む水溶液をB液とすることができる。トロンビンの濃度は特に限定されないが、200単位/mL〜800単位/mL程度が好ましく、フィブリノーゲンの濃度は、特に限定されないが、50mg/mL〜150mg/mL程度が好ましく、カルシウムイオン濃度は0.09mM〜0.18mMが好ましい。カルシウム塩としては、塩化カルシウム等を好ましく用いることができる。
なお、上記のような組み合わせにおいて、どちらをA液、どちらをB液にしてもよいが、インクジェットで安定して吐出するために粘度の低い液をA液とする方が好ましい。
本発明の方法では、A液の液滴を、インクジェット法により、前記固体形成性B液の外部から前記固体形成性B液に噴射することによりマイクロビーズを生成させる。A液を噴射している間、B液を撹拌若しくは振とうすること、又は噴霧位置を変えることが好ましい。撹拌や振とうは、マグネティックスターラーを用いたり、シャーレ用の振とう培養機を用いて、B液をいれたシャーレを振とうすること等により行なうことができる。噴霧位置を変える場合は、ノズルを機械的に動かす装置に設置する。ここで機械的に動かす装置は、一般のインクジェットプリンターやプロッターにも使われている2軸ステージ、ディスペンサーロボットなどが利用できる。「インクジェット法」とは、ノズル(以下、「インクジェットノズル」に連通するインクキャビティ内の圧力を増大させて、インクジェットノズルから液滴を噴射する方法であって、インクキャビティ内の圧力を電気パルス信号により制御するものである。インクジェット法は、いわゆるインクジェットプリンターに採用されている方式であり、それ自体周知である。なお、「インクジェット」という語が、プリンターの分野において確立されているので、本願明細書及び特許請求の範囲においても「インクジェット」という語を用い、噴射される液体を「インク」と記載する場合もあるが、本発明では、噴射するものは上記A液であり、ほとんどの場合インクを噴射するわけではない。インクキャビティ内の圧力を電気パルス信号により増大させる方式としては、インクキャビティの一部を圧電素子で形成し、この圧電素子に電気パルス信号を与えて圧電素子を変形させることによりインクキャビティを変形させ、インクキャビティの容積を減少させてインクキャビティ内の圧力を瞬時に高める方式(特許文献2参照)や、インクキャビティ内のインクを電気パルス信号で加熱してインクの一部を気化させ、インクの蒸気によってインクキャビティ内の圧力を瞬時に高める方式(特許文献3参照)等があるが、本願発明では、これらのいずれの方式をも採用することができる。もっとも、後述のように、マイクロビーズ中に、細胞やタンパク質等の生物材料を封入する場合には、熱が悪影響をもたらす恐れがあるので、生物材料を封入する場合には、インクキャビティの変形によりインクキャビティ内の圧力を高める方式が好ましい。なお、インクキャビティはインクタンクに連通しており、インクの噴射によりインクキャビティ内のインクが減少すると、インクタンクからインクが補充される。インクジェット法によれば、液滴の大きさは電気パルス信号により制御されるので、均一な大きさの液滴が噴射される。
本発明の方法においては、市販のインクジェットプリンターのインク噴射機構(インクジェットノズル、インクキャビティ、インクタンク、これらを連絡するインク通路、電気制御回路等を含む)をそのまま用いることができる。市販のインクジェットプリンターでは、通常、インクジェットヘッドは複数のインクジェットノズルを具備するが、本発明においても複数のインクジェットノズルから同時にA液を噴射することが生産性向上の観点から好ましい。また、市販のカラーインクジェットプリンターでは、少なくとも黒色、シアン、マゼンダ、イエローの4色のインクがそれぞれ異なるインクタンクに収容され、それぞれ異なるインクジェットノズルから噴射されるが、本発明においても、このようなカラーインクジェットプリンターの噴射機構を好ましく用いることができる。市販のインクジェットプリンターのインク噴射機構を用いる場合、A液は約0.3mL以上であればよく、微量試料を扱う場合に便利である。
製造するマイクロビーズのサイズ(直径)は、用途に応じて適宜選択できるが、通常、5μm〜100μm、好ましくは10μm〜40μm程度である。マイクロビーズのサイズは、インクジェットノズルから噴出する液滴の体積を制御することにより制御することができる。液滴の体積は、インクジェットノズルの孔径を調節したり、インクキャビティに加える圧力や加圧時間、加圧頻度等を電気信号で制御することにより制御することができる。例えば、下記実施例で作製した直径40μmのマイクロビーズの場合、噴射する液滴の体積は160pL程度である。なお、インクジェットプリンターは、解像度の異なるものが種々市販されているので、所望のサイズのマイクロビーズを与えるプリンターを選択して(解像度の大きいものほど液滴の体積が小さい)その噴射機構をそのまま利用することもできる。
本発明の方法によれば、B液の厚さ(深さ)が十分な場合には球状のマイクロビーズが生成する。B液の厚さを小さくする(すなわち、B液の深さを浅くする)ことにより、円盤状のマイクロビーズを形成することができる。円盤状のマイクロビーズは、これまでに知られておらず、本発明の方法により初めて提供されたものである。円盤状のマイクロビーズは、球状のマイクロビーズよりも血管を閉塞しにくいので、血管内投与型DDSのキャリアとして血管内に注入するような場合に有利である。円盤状のマイクロビーズの直径は、特に限定されず、球状のマイクロビーズの直径と同様、通常、5μm〜100μm程度、好ましくは10μm〜40μm程度である。また、円盤状のマイクロビーズの厚さは、特に限定されないが、通常、直径の10〜50%程度である。このような円盤状のマイクロビーズを製造する場合、B液の厚さは、通常のインクジェット吐出では1mm〜1cm程度が適当である。なお、「円盤状」とは広い意味で用いており、コンタクトレンズ状(底面が平面ないしは凹状で、上面は中央部分が盛り上がっているもの、図1参照)やほぼ短円柱状のもの等が包含される。なお、コンタクトレンズ状の場合、上記した「厚さ」は、中央付近の最も厚い部分の厚さである。
本発明の方法により製造されるマイクロビーズの内部には、所望の物質を封入することができる。マイクロビーズの内部に封入する所望の物質としては、各種細胞及び各種薬剤等を例示することができるがこれらに限定されるものではない。より具体的には、細胞としては、血管内皮細胞、線維芽細胞、平滑筋細胞、赤血球、白血球、血小板、がん細胞、さらには、大腸菌、乳酸菌などの細菌(単細胞)等を例示することができ、これらの細胞を封入したマイクロビーズは、乾燥などの細胞の各種障害刺激からの保護、細胞・細菌のキャリアーとして、細胞移植用ビーズ等の治療用機材やバイオチップ等の診断用機材等に利用することができる。また、マイクロビーズに封入する薬剤としては、抗生物質、抗真菌剤、血管内皮細胞増殖因子、塩基性線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、各種血管作動性物質、抗アレルギー剤、抗ヒスタミン剤、インスリンなどのホルモン剤、その他、タンパク質、酵素、核酸、糖類、アミノ酸、乳化した脂質、保湿剤、香料、染料等を例示することができ、これらの薬剤を封入したマイクロビーズは、これらの薬剤のDDSとして利用することができる。なお、薬剤をマイクロビーズに封入することにより、薬剤を直接投与する場合に比べて作用時間を長期に保つ、作用時間を制御する、環境の薬剤に対する影響を緩衝する、多種薬剤を反応させずに混合できるなどという利点が得られる。さらに小さい微粒子としては、金属や無機材料、有機材料によるナノ粒子なども含めることができる。顔料や蛍光性粒子、リポソーム、ナノミセルなど、それら自身特殊な機能を持つので、それらを含めることにより、マイクロゲルビーズはさらに複雑な徐放制御機能を持つDDSとして利用することができる。また、マイクロゲルビーズ中に触媒や酵素を封入すれば、ミクロのサイズの酵素・触媒の反応場となる。微小流路での反応場においてのマイクロカラムに利用できる。さらに、上記した本発明の方法において、A液、B液にゲル化する2液とともに、互いに反応する物質C,DをそれぞれA液、B液に混ぜてインクジェットにより上述の方法でマイクロゲルビーズ化することも可能である。この場合には、マイクロゲルビーズ中が、CとDの反応場となる。
マイクロビーズ内に所望の物質を封入しようとする場合、該所望の物質をA液及びB液の少なくともいずれか一方に溶解又は懸濁しておく。各マイクロビーズ内にできるだけ均一な量の物質が封入されるように、物質はA液、もしくはB液中に均一に溶解又は均一に懸濁しておくことが好ましい。A液中に溶解又は懸濁する場合、その物質の濃度は、マイクロビーズ内に封入しようとする量や、マイクロビーズを構成する材料の濃度や粘度、使用するインクジェットノズルの能力によって規定されるが、使用するインクジェットノズルで吐出できる粘度でさえあればよい。通常のインクジェットノズルでは、10センチポアズ以下の粘度であれば安定に吐出可能である。1種類のマイクロゲルビーズであれば、B液中に所望の物質を溶解又は懸濁すれば、さらに高い粘度になっても作製可能である。
先に述べた通り、カラーインクジェットプリンターのインク噴射機構は、複数のインクタンクを具備し、異なる色のインクを異なるインクジェットノズルから噴射する。本発明の方法において、各インクタンクに、異なる種類の所望の封入物質を溶解又は懸濁したA液を入れ、異なるノズルから同時に噴射することにより、異なる物質が封入された複数種類のマイクロビーズの混合物を単一工程で調製することができる。例えば、内部に血管内皮細胞を封入したマイクロビーズと、血管内皮細胞増殖因子(VEGF)を封入したマイクロビーズを単一工程で調製することができ、このようなマイクロビーズ混合物は、注入用血管新生ゲルビーズ等に好適に用いることができる。この方法を採用することにより、異なる種類の物質を封入した複数種類のマイクロビーズを別々に調製し、マイクロビーズを定量して所定量ずつ混合するという煩雑な工程を単一工程で行なうことができ、有利である。
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン社製SEA JET)のインクジェット噴射機構を取り出してそのまま用いた。なお、このインクジェットプリンターでは、インクジェットノズルの孔径が60μm、噴射される液滴の体積が160pLであり、インクジェットヘッドは、12個のインクジェットノズルを具備し、これらのインクジェットノズルから同時に液滴が噴射される。
濃度1.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液をA液とし、インクタンクに入れた。濃度2.0重量%の塩化カルシウム水溶液をB液とし、深さ50mmの塩化カルシウム水溶液をビーカーに入れた。B液の液面の上方にインクジェットヘッドを設置し、上記したインクジェット機構により各インクジェットノズルからA液をB液に向かって噴射した。噴射中、B液はマグネットスターラーで撹拌した。その結果、直径約40μmのほぼ均一な大きさの球形マイクロビーズがB液中に形成された。
A液中に、細胞(血管内皮細胞)を約1x106個/mLの密度で懸濁した培養液とアルギン酸ナトリウム水溶液を混合し、1.0%アルギン酸ナトリウム濃度として、実施例1と同じ操作を行った。その結果、各マイクロビーズ内に0個〜4個程度の上記細胞が封入された、直径約40μmのほぼ均一な大きさのマイクロビーズがB液中に形成された。
セイコーエプソン社製SEA JETのインクジェットノズルの孔径が30μmのものを用いた。このヘッドは、噴射される液滴の体積が8pLであり、インクジェットヘッドは、12個のインクジェットノズルを具備する。
濃度1.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液をA液とし、インクタンクに入れ、濃度2.0重量%の塩化カルシウム水溶液をB液とし、深さ50mmの塩化カルシウム水溶液をビーカーに入れた。B液の液面の上方にインクジェットヘッドを設置し、上記したインクジェット機構により各インクジェットノズルからA液をB液に向かって噴射した。噴射中、B液はマグネットスターラーで撹拌した。その結果、直径約10μmのほぼ均一な大きさの球形マイクロビーズがB液中に形成された。
セイコーエプソン社製SEA JETのインクジェットノズルの孔径が60μmのものを用いた。A液として濃度1.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液、B液として濃度2.0重量%の塩化カルシウム水溶液をシャーレに準備した。マグネットスターラーで撹拌しつつ、B液厚さ(深さ)を8mmとして、そのB液中に吐出した。その結果、直径40〜50μm、厚さ20μmのコンタクトレンズ様のアルギン酸マイクロゲルビーズができた。その顕微鏡写真の模式図を図1に示す。
セイコーエプソン社製SEA JETのインクジェットノズルの孔径が60μmのものを用い、A液として濃度1.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液に顔料系インク、すなわち、さらに小さな微粒子(ナノ粒子)を加え懸濁させたもの、B液として濃度2.0重量%の塩化カルシウム水溶液をビーカーに準備した。マグネットスターラーで撹拌しつつ、B液中に吐出した。その結果、直径40μmの顔料に染まったアルギン酸マイクロゲルビーズができた。
セイコーエプソン社製SEA JETのインクジェットノズルの孔径が60μmのものを用いた。A液として濃度1.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液、B液として濃度2.0重量%の塩化カルシウム水溶液に顔料系インク、すなわち、さらに小さな微粒子を加え懸濁させたものをビーカーに準備した。マグネットスターラーで撹拌しつつ、B液中に吐出した。その結果、生成されたマイクロゲルビーズを遠心分離で収集し、インクを含まない塩化カルシウム液中に懸濁させると、直径40μmの顔料に染まったアルギン酸マイクロゲルビーズができた。
セイコーエプソン社製SEA JETのインクジェットノズルの孔径が60μmのものを用いた。A液として濃度1.0重量%のアルギン酸ナトリウム水溶液に染料系インク、すなわち、着色した水溶液を加えたもの、B液として濃度2.0重量%の塩化カルシウム水溶液をビーカーに準備した。マグネットスターラーで撹拌しつつ、B液中に吐出した。その結果、直径40μmの染料に染まったアルギン酸マイクロゲルビーズができた。透明な塩化カルシウム溶液に長時間(1週間)浸漬した場合、若干退色しているが染料の着色は残っており、水溶性染料であっても徐放作用があることが確認できた。
実施例4で作製した、コンタクトレンズ状のマイクロビーズの顕微鏡写真の模式図である。

Claims (14)

  1. 固体形成性A液と、該固体形成性A液と接触すると固体を生成する固体形成性B液とを混合してマイクロビーズを製造する方法であって、前記固体形成性A液の液滴を、インクジェット法により、前記固体形成性B液の外部から前記固体形成性B液に噴射することによりマイクロビーズを生成させることを含む、マイクロビーズの製造方法。
  2. 前記A液及びB液が、ゲル形成性である請求項1記載の方法。
  3. 前記A液とB液の組合せが、(1)アルギン酸塩水溶液とアルカリ土類金属塩水溶液、(2)トロンビン水溶液、フィブリノーゲン水溶液とカルシウム塩水溶液及び (3)ホウ酸水溶液とポリビニルアルコール水溶液の組合せから成る群より選ばれる請求項2記載の方法。
  4. 前記マイクロビーズが、直径10μm〜40μmの球状である請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 前記B液の厚さを小さくすることにより円盤状のマイクロビーズを生成させる、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の方法。
  6. 前記円盤状のマイクロビーズの直径が10〜40μmであり、厚さが直径の10%〜50%である請求項5記載の方法。
  7. 前記A液を、複数のインクジェットノズルから同時に前記B液に噴射する請求項1ないし6のいずれか1項に記載の方法。
  8. マイクロビーズ内に封入すべき所望の物質を前記A液及びB液の少なくともいずれかに溶解又は懸濁しておき、それによって該物質を内部に封入したマイクロビーズを生成させる請求項1ないし7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 前記物質が、細胞、微粒子及び薬剤から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項8記載の方法。
  10. 前記A液が、複数のインクジェットノズルから同時に前記B液に噴射され、かつ、異なる種類の前記物質を含む複数種類のA液が、それぞれ異なるインクジェットノズルから同時に噴射される請求項8又は9記載の方法。
  11. 円盤状のマイクロビーズ。
  12. 直径が10〜40μmであり、厚さが直径の10%〜50%である請求項11記載のマイクロビーズ。
  13. 内部に封入された物質を含む請求項11又は12記載のマイクロビーズ。
  14. 前記物質が、細胞、微粒子及び薬剤から成る群より選ばれる少なくとも1種である請求項13記載のマイクロビーズ。

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