JP2000117075A - 複合半透膜およびその製造方法 - Google Patents

複合半透膜およびその製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、分離膜に4級窒素原子を導入するこ
とにより、液状混合物の選択分離、特に、低塩濃度水溶
液中の電解質除去に有用な複合半透膜およびその製造方
法を提供する。 【解決手段】架橋ポリアミドを有する超薄膜層を微多孔
性支持膜上に形成し、その架橋ポリアミドに、4級窒素
原子を有し、かつ、少なくとも2個の反応性の官能基を
有する化合物を反応させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液状混合物の選択
分離、特に低塩濃度水溶液中の電解質除去に有用な複合
半透膜およびその製造方法、および多段式逆浸透膜処理
方法による造水方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物と
の界面重縮合反応によって得られる架橋ポリアミドから
なる超薄膜層を微多孔性支持膜上に被覆してなる複合半
透膜は、透過性や選択分離性の高い逆浸透膜として注目
されている。多官能芳香族アミンと多官能酸ハロゲン化
物とを界面重縮合させて複合膜を製造する方法は、たと
えば、特開昭55−147106号公報、特開昭61−
42302号公報、特開昭61−42308号公報、特
開昭62−121603号公報、特開昭62−2587
05号公報、特開昭63−100906号公報に記載さ
れている。
【0003】また、4級化窒素原子を有する重合体を用
いた半透膜はイオン交換膜や限外濾過膜などに用いられ
ており、また、逆浸透膜については、特開昭63−15
1303号公報、特開平4−94726号公報などに記
載がある。
【0004】また、架橋ポリアミド膜の低濃度領域にお
ける陽イオン除去性能を向上させる方法として4級アン
モニウム塩を膜に接触させる処理方法が提案されている
(特開平2−2827号公報)が、この方法では、4級
アンモニウム塩が静電的な力で膜面に付着し、一時的に
性能が向上するものの、長時間にわたって運転を続ける
と徐々に4級アンモニウム塩がはずれ、もとの性能に戻
ってしまう。また、この処理方法では膜の造水量が低下
するという欠点がある。
【0005】また、特開平4−94726号公報に記載
の複合半透膜は、4級化窒素原子を有する基が共有結合
によって膜に導入されていることから、かかる長時間運
転によっても4級化窒素原子を有する基がはずれること
なく、高い低濃度陽イオン除去性能を維持することがで
き、また、造水量も低下せず、逆に4級化窒素原子を有
する基の導入により高造水量化できるが、実ラインなど
においては、殺菌剤や洗浄剤などに接触すると膜のカチ
オン性が低下し透過液の水質が低下する欠点がある。
【0006】また、通常の超純水製造方法においては、
逆浸透膜装置よりあとに再生型イオン交換樹脂塔を設置
し、さらに非再生型イオン交換樹脂塔設置することが多
いが、一般に、3MΩ・cm以上の比抵抗値を有する高
純度水が安定的に得られれば、かかる再生型イオン交換
樹脂塔を用いる必要がなくなり、イオン交換樹脂の再生
に伴う水質の不安定化や再生液の処理などの問題を排除
することができるとされている。
【0007】しかしながら、上記の架橋ポリアミドから
なる超薄膜層を微多孔性支持膜上に被覆してなる複合半
透膜の性能は水溶液中の電解質濃度に依存し、電解質濃
度が数ppm以下という低濃度領域においては電解質除
去性能が低下し、特に、pH8以上のアルカリ性条件下
における低濃度電解質除去性能は実用上不十分なもので
ある。本発明者らは、かかる低濃度領域におけるこれら
の膜の電解質除去性能低下の原因について鋭意検討を行
なった結果、低濃度領域においては、陰イオンの除去性
能はほとんど低下しないにもかかわらず、特に、原水p
Hが8以上になるとpHが高くなるにつれて陽イオン除
去性能が著しく低下することを見出だした。
【0008】また、通常の超純水製造プロセスでは逆浸
透膜装置の後段に再生型イオン交換樹脂塔が設置されて
いるが、近年、再生型イオン交換樹脂塔からのTOC溶
出が問題視され始め、また、再生工程の省略という面か
らも、かかる再生型イオン交換樹脂塔を用いなくてすむ
プロセスの開発が望まれており、これが多段式逆浸透膜
処理方法の究極の目標となっている。
【0009】また、4級化窒素原子を有する従来の半透
膜は、陽イオン性物質の選択的除去性能は比較的優れて
いるが、陰イオン性物質の除去性能や、低分子量物質の
除去性能が低いなど、実用的な逆浸透膜に要求される高
透過性、高選択分離性、洗浄剤や殺菌剤などの薬品に対
する耐久性を実用上十分に満足するものではなかった。
ラインの洗浄や殺菌などにおいても性能低下を起こさな
い実用上十分な耐薬品性を有する半透膜が望まれてい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、かかる架橋
ポリアミドからなる超薄膜層を微多孔性支持膜上に被覆
してなる複合半透膜の陽イオン除去性能を向上させ、電
解質濃度依存性やpH依存性の小さい、低濃度領域にお
いても実用上十分な電解質除去性能を有するとともに、
複合半透膜およびその製造方法を提供することを目的と
する。
【0011】さらに、このような低濃度電解質除去性能
に優れた膜を用いた多段式逆浸透膜処理方法による造水
方法により、後段に設置されるイオン交換樹脂の負荷を
軽減する、あるいは後段に再生型イオン交換樹脂を必要
としない程度の高純度水を得ることを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
の本発明は、微多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを有す
る超薄膜層を配してなる複合半透膜であって、亜硫酸水
素ナトリウム溶液に浸漬させた後、1ppm塩化ナトリ
ウム溶液を原水として用いたときの透過水の比抵抗保持
率が80%以上である複合半透膜を特徴とするものであ
る。
【0013】ここで、前記透過水の比抵抗が3MΩ・c
m以上であることも好ましい。
【0014】また、微多孔性支持膜上に架橋ポリアミド
を有する超薄膜層を配した複合半透膜であって、前記超
薄膜層が少なくとも2つの共有結合によって膜に導入さ
れた4級化窒素原子を含んでいる複合半透膜であっても
よい。
【0015】さらに、微多孔性支持膜上に架橋ポリアミ
ドを有する超薄膜層を形成し、前記架橋ポリアミドに、
4級化窒素原子を有し、かつ、前記架橋ポリアミドに対
して少なくとも2個の反応性の官能基を有する化合物を
反応させる複合半透膜の製造方法であってもよい。
【0016】ここで、反応性の官能基がエポキシ基であ
ることも好ましい。
【0017】さらに、上記の複合半透膜を有している複
合半透膜エレメントも好ましい。
【0018】また、複合半透膜エレメントを多段に設け
てなる流体分離システムであって、原水流れ方向におい
て少なくとも後段に位置するエレメントに上記の複合半
透膜エレメントを配置している流体分離システムも好ま
しい。
【0019】また、上記の複合半透膜が逆浸透膜である
流体分離システムも好ましい。
【0020】さらに上記の流体分離システムを用いる造
水方法も好ましい。
【0021】
【発明の実施の形態】本発明の複合半透膜は、実質的に
分離性能を有する超薄膜層が、実質的に分離性能を有さ
ない微多孔性支持膜上に設けられており、この超薄膜層
は、架橋ポリアミドを主成分としてなる。
【0022】架橋ポリアミドは、多官能アミンと多官能
酸ハロゲン化物との界面重縮合によりその骨格が形成さ
れ、かつ、分子鎖内に4級化窒素原子を含んでいるもの
である。
【0023】多官能アミンとは、一分子中に少なくとも
2個のアミノ基を有するアミンをいい、後述する多官能
酸ハロゲン化物との界面重縮合により本発明の複合半透
膜の超薄膜層を形成する架橋ポリアミド骨格の原料とな
る。かかる多官能アミンとしては、たとえば、m−フェ
ニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、1,3,5
−トリアミノベンゼン、ピペラジン、1,3−ビスピペ
リジルプロパン、エチレンジアミンを用いることができ
るが、膜の選択分離性や透過性や耐熱性を考慮すると多
官能芳香族アミンであることが好ましく、このような多
官能芳香族アミンとしては、m−フェニレンジアミン、
p−フェニレンジアミン、1,3,5−トリアミノベン
ゼンが好適に用いられる。これらのアミンは、それぞれ
単独で用いることもできるが、2種類以上を混合して用
いてもよく、特に、1,3,5−トリアミノベンゼンと
m−フェニレンジアミンを混合して用いると、透過性や
選択分離性に特に優れた膜が得られる。
【0024】多官能酸ハロゲン化物とは、一分子中に少
なくとも2個のハロゲン化カルボニル基を有する酸ハロ
ゲン化物をいい、上記多官能アミンとの界面重縮合反応
により架橋ポリアミド骨格を与えるものである。多官能
酸ハロゲン化物としては、1,3,5−シクロヘキサン
トリカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン
酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3,5
−ベンゼントリカルボン酸、1,3−ベンゼンジカルボ
ン酸、1,4−ベンゼンジカルボン酸などの脂環式また
は芳香族の酸ハロゲン化物が好適に用いることができ
る。
【0025】多官能アミンとの反応性を考慮すると、多
官能酸ハロゲン化物は、多官能酸塩化物であることが好
ましく、また、膜の選択分離性、耐熱性を考慮すると、
多官能芳香族酸塩化物であることが好ましい。以上のこ
とから、多官能酸ハロゲン化物は1,3,5−ベンゼン
トリカルボン酸塩化物、1,3−ベンゼンジカルボン酸
塩化物、1,4−ベンゼンジカルボン酸塩化物を単独あ
るいは混合して用いることが好ましい。
【0026】架橋ポリアミドに4級化窒素原子を導入す
る方法としては、たとえば、4級化窒素原子を有する多
官能アミンを多官能酸ハロゲン化物と反応させて架橋ポ
リアミドを形成させる方法や、多官能アミンと多官能酸
ハロゲン化物との反応によって形成された架橋ポリアミ
ド中に残存するアミン末端を、ハロゲン化アルキルで4
級化する方法や、4級化窒素原子を有し、かつ、架橋ポ
リアミドに対して反応性の官能基を有する化合物を架橋
ポリアミドと反応させる方法を用いることができる。中
でも、膜性能を大きく低下させることなく、簡便に4級
化窒素原子を導入する方法としては、4級化窒素原子を
有し、かつ、架橋ポリアミドに対して少なくとも2個の
反応性の官能基を有する化合物を架橋ポリアミドと反応
させる方法を用いることが好ましい。かかる反応性の官
能基としては、エポキシ基、アジリジン基、エピスルフ
ィド基、ハロゲン化アルキル基、アミノ基、カルボン酸
基、ハロゲン化カルボニル基、ヒドロキシ基などをあげ
ることができ、これらを同種あるいは異種組み合わせて
用いる。中でも、エポキシ基は入手が容易であるなどの
観点から好ましい。
【0027】ここでいう4級化窒素原子とは、
【化1】 (ただし、R1 、R2 、R3 、はそれぞれ独立に置換も
しくは非置換の脂肪族基または芳香族基を表わし、Xは
ハロゲンイオン、水酸イオン、硫酸イオン、硝酸イオ
ン、燐酸イオンなどの陰イオンを表わす。)に示される
基に含まれている窒素原子のことである。なお、以後、
上記4級化窒素原子を有する基を
【化2】 の記号で表わす。
【0028】4級化窒素原子を有し、かつ、エポキシ基
を有する化合物としては、
【化3】 (ただし、R4 、R5 、R6 、はそれぞれ独立に水素原
子、または、置換もしくは非置換の脂肪族基または芳香
族基を表わし、n、mは0以上の整数を表わす。)で表
わされるエポキシ化合物がある。架橋ポリアミドに対す
る反応性、得られた膜の性能、入手の容易さを考慮する
と、好ましいエポキシ化合物としてヘキサメチレンビス
(グリシジルジメチルアンモニウム)ジクロライドをあ
げることができる。
【0029】4級化窒素原子を有し、かつ、アジリジン
基を有する化合物としては、
【化4】 (ただし、R4 、R5 、R6 、R8 、はそれぞれ独立に
水素原子、または、置換もしくは非置換の脂肪族基また
は芳香族基を表わし、nは0以上の整数を表わす。)で
表わされるアジリジン化合物がある。
【0030】4級化窒素原子を有し、かつ、エピスルフ
ィド基を有する化合物としては、
【化5】 (ただし、R4 、R5 、R6 はそれぞれ独立に水素原
子、または、置換もしくは非置換の脂肪族基または芳香
族基を表わし、m、nは0以上の整数を表わす。)で表
わされるエピスルフィド化合物がある。
【0031】複合半透膜の超薄膜層を形成する主成分で
ある架橋ポリアミドは、多官能アミンと多官能酸ハロゲ
ン化物との界面重縮合によりその骨格が形成されること
から、必然的に未反応アミン末端や酸末端が存在する。
上記した化合物中のエポキシ基やアジリジン基、エピス
ルフィド基は、架橋ポリアミドが有する末端アミノ基な
どにより求核攻撃を受けて開環し、架橋ポリアミドに結
合する。また、ハロゲン化アルキル基は架橋ポリアミド
が有する末端1級アミノ基との反応により2級アミンを
与え、カルボン酸基は架橋ポリアミドが有する末端アミ
ノ基と脱水縮合してアミド結合を形成し、ハロゲン化カ
ルボニル基は架橋ポリアミドが有する末端アミノ基をア
シル化してアミド結合を形成し、アミノ基やヒドロキシ
基は架橋ポリアミドが有する末端カルボン酸基と脱水縮
合してアミド結合あるいはエステル結合を形成する。し
たがって、これらの官能基を有し、かつ、4級化窒素原
子を有する化合物を用いることにより共有結合を介して
4級化窒素原子を複合半透膜に導入することができる。
【0032】架橋ポリアミド膜は、アミン末端やカルボ
ン酸末端を有するが、アミン末端は低pH領域でイオン
的に解離して膜にカチオン荷電性を与え、カルボン酸末
端は高pH領域でイオン的に解離して膜にアニオン荷電
性を与える。そのため、pHによって膜の荷電性が変化
し、高pH領域ではアニオン荷電性が比較的高くなり、
膜と反対荷電の陽イオンの排除率が低下するものと考え
られる。ところが、4級化窒素原子を有する基は、強塩
基性官能基であるので、すべてのpH領域においてイオ
ン的に解離しており、高pH領域で比較的アニオン荷電
性の高い架橋ポリアミド膜にカチオン荷電性を付与する
効果を有する。したがって、低濃度領域および高pH領
域における電解質除去性能低下の原因となっている陽イ
オン除去性能は、膜のカチオン荷電性の増加にともない
向上するものと推測される。
【0033】本発明において微多孔性支持膜は、実質的
には分離性能を有さず、実質的に分離性能を有する超薄
膜層に強度を与えるために用いられる。具体的には、均
一で微細な孔、あるいは片面からもう一方の面まで徐々
に大きな微細孔をもっていて、その微細孔の大きさが1
00nm以下であるような構造の支持膜が好ましい。上
記の微多孔性支持膜は、たとえばポリエステルまたは芳
香族ポリアミドから選ばれる少なくとも一種を主成分と
する布帛により強化されたポリスルホン微多孔性支持膜
を例示することができる。このような支持膜は”オフィ
ス・オブ・セイリーン・ウォ−ター・リサーチ・アンド
・ディベロップメント・プログレス・レポート”No.
359(1968)に記載された方法に従って製造でき
る。その素材としては、ポリスルホンや酢酸セルロース
や硝酸セルロースやポリ塩化ビニルなどのホモポリマー
あるいはそれらを混合したものが通常使用されるが、化
学的、機械的、熱的に安定性の高い、ポリスルホンを使
用するのが好ましい。
【0034】具体的には、次に示す繰返し単位
【化6】 からなるポリスルホンを用いると、孔径が制御しやす
く、寸法安定性も高いため好ましい。製造方法として
は、たとえば、上記ポリスルホンのN,N−ジメチルホ
ルムアミド(DMF)溶液を、密に織ったポリエステル
布あるいは不織布の上に一定の厚さに注型し、それをド
デシル硫酸ソーダ0.5重量%およびDMF2重量%を
含む水溶液中で湿式凝固させることによって、表面の大
部分が直径数10nm以下の微細な孔を有した微多孔性
支持膜が得られる。
【0035】次に、本複合半透膜の製造方法について説
明する。
【0036】複合半透膜を構成する実質的に分離性能を
有する超薄膜層は、前述の多官能アミンを含有する水溶
液と、前述の多官能酸ハロゲン化物を含有する、水と非
混和性の有機溶媒溶液とを用い、微多孔性支持膜の表面
で界面重縮合を行うことによりその骨格が形成される。
【0037】アミン水溶液における多官能アミンの濃度
は0.1〜10重量%、好ましくは0.5〜5.0重量
%である。濃度が0.1重量%を下回ると反応の進行が
遅くなる傾向があり、10重量%を超えると超薄膜層が
厚くなり透水性が不十分となりやすい。この水溶液に
は、多官能アミンと多官能酸ハロゲン化物との反応を妨
害しないものであれば、界面活性剤や有機溶媒やアルカ
リ性化合物や酸化防止剤などが含まれていてもよく、膜
性能を損なわない範囲で水溶性ポリビニールアルコール
などの水溶性高分子化合物が含まれていてもよい。
【0038】まず、微多孔性支持膜表面へ上記のアミン
水溶液を被覆する。この被覆は、アミン水溶液が表面に
均一にかつ連続的に被覆されればよく、公知の塗布手
段、たとえば、微多孔性支持膜表面にコーティングする
方法や微多孔性支持膜をアミン水溶液に浸漬する方法で
行うことができる。
【0039】次いで、過剰に塗布されたアミン水溶液を
液切り工程により除去する。液切りの方法としては、た
とえば膜面を垂直方向に保持して自然流下させる方法が
あり、液滴が残らないようにするのが好ましい。また、
液切り後、膜面を乾燥させ、水溶液の水の一部を除去す
ることもできる。
【0040】次いで、前述の多官能酸ハロゲン化物の有
機溶媒溶液を被覆し、界面重縮合により架橋ポリアミド
超薄膜層の骨格を形成させる。
【0041】多官能酸ハロゲン化物は、有機溶媒に対し
て、0.01〜10重量%、より好ましくは0.02〜
2重量%を溶解して用いるとよい。0.01重量%を下
回ると反応の進行が遅くなる傾向があり、10重量%を
超えると副反応が起こりやすい。さらに、この有機溶媒
溶液にN,N−ジメチルホルムアミドのようなアシル化
触媒などを含有させると、界面重縮合が促進され、更に
好ましい。
【0042】上記の有機溶媒は、水と非混和性であり、
かつ酸ハロゲン化物を溶解し微多孔性支持膜を破壊しな
いことが望ましく、アミノ化合物および酸ハロゲン化物
に対して不活性であるものであれば良い。好ましい例と
しては、たとえば、n−ヘキサン、n−デカンなどの炭
化水素化合物やトリクロロトリフルオロエタンが挙げら
れるが、反応速度や溶媒の揮発性の点からはn−ヘキサ
ン、トリクロロトリフルオロエタンが好ましい。さら
に、安全上の問題を考慮するとトリクロロトリフルオロ
エタンを用いると好ましい。
【0043】多官能酸ハロゲン化物の有機溶媒溶液のア
ミノ化合物水溶液相への接触の方法は、アミン水溶液の
微多孔性支持膜への被覆方法と同様に行えばよい。
【0044】ついで、炭酸ナトリウム等のアルカリ水溶
液で膜表面を洗浄する。
【0045】このようにして製造された架橋ポリアミド
の超薄膜層の骨格に、4級化窒素原子を有し、かつ、架
橋ポリアミドに対して少なくとも2個の反応性官能基を
有する化合物(以後、4級化反応性化合物と称する)を
接触させる。かかる4級化反応性化合物としては、たと
えば、エポキシ基、アジリジン基、エピスルフィド基、
ハロゲン化アルキル基、アミノ基、カルボン酸基、ハロ
ゲン化カルボニル基、ヒドロキシ基からなる群から選ば
れる官能基を2個以上有し、かつ、4級化窒素原子を含
む化合物をあげることができる。これらの化合物は、単
独で用いることもできるが、2種類以上を混合して用い
てもよい。架橋ポリアミドに対する反応性や得られた膜
の性能や入手の容易さを考慮すると、かかる4級化反応
性化合物としてはヘキサメチレンビス(グリシジルジメ
チルアンモニウム)ジクロライドを用いることが好まし
い。
【0046】接触させる方法としては、前記の4級化反
応性化合物を複合半透膜を侵さない溶媒に溶解し、この
溶液を複合半透膜に塗布するか、あるいはこの溶液に複
合半透膜を浸漬する方法を用いることができる。複合半
透膜を侵さない溶媒とは、複合半透膜の超薄膜層骨格や
微多孔性支持膜層を溶解あるいは大きく膨潤させず、膜
性能を大きく損なうことのない溶媒であり、好ましい例
として水やアルコールや炭化水素化合物やトリクロロト
リフルオロエタンなどを挙げることができる。中でも、
4級化反応性化合物の溶解性や取扱いの容易さや経済性
を考慮すると、水を用いることが好ましい。
【0047】膜の荷電量は、接触させる4級化反応性化
合物の濃度によりコントロールできる。すなわち、濃度
が低い場合は、膜への4級化窒素原子の導入量が少なく
荷電量も少なくなり、高い場合は、膜への4級化窒素原
子の導入量が多く荷電量も多くなる。膜の荷電特性を考
慮すると、4級化反応性化合物の濃度は、一般的には、
溶媒に対し0.1〜20重量%が好ましい。
【0048】複合半透膜を前記の4級化反応性化合物と
接触させた後、適当な時間放置することにより、4級化
反応性化合物を複合半透膜と反応させる。このとき、5
0〜150℃で加熱処理を行なうと、反応速度が速くな
り、製造に要する時間を1〜30分に短縮することがで
き、好ましい。また、加熱処理工程の前に過剰の4級化
反応性化合物溶液を液切りなどで除去する工程や、予備
乾燥工程を設けるとより好ましい。また、4級化反応性
化合物を複合半透膜に接触させる際、4級化反応性化合
物の溶液を50〜100℃に加熱し、これに膜を浸漬す
ることによっても、製造に要する時間を1〜30分に短
縮することができる。
【0049】本発明にかかる複合半透膜は、所定の条件
で水処理を行った時の比抵抗保持率が80%以上である
ことを特徴とする。ここで、比抵抗保持率とは、複合半
透膜を、10ppmに調整した温度25℃の亜硫酸水素
ナトリウム溶液に4時間浸漬したのち、pHを8〜10
の範囲に調整した1ppm塩化ナトリウム水溶液を、膜
透過流束が1m3/m2・日、温度が25℃の条件下で前
記複合半透膜に供給した場合において、その透過水の比
抵抗(浸漬後比抵抗、MΩ・cm)が、前記亜硫酸水素
ナトリウム溶液に浸漬するまえの複合半透膜に前記塩化
ナトリウム水溶液を透過させたときの透過水の比抵抗
(浸漬前比抵抗、MΩ・cm)に対して保持している割
合をいう。
【0050】比抵抗保持率を80%以上とすることによ
り、処理水が電解質を含んでいる場合であっても、それ
ら溶質の排除性能を維持しつつ、高い透水性を達成する
ことができる。ここで、前記透過水の浸漬後比抵抗が3
MΩ・cm以上であると、たとえば再生型イオン交換樹
脂塔を用いる必要がなくなるといった利点を有し好まし
い。
【0051】本発明にかかる複合半透膜は、通常所望の
容器に収納して複合半透膜エレメントとして使用する。
このようなエレメントは、低塩濃度水溶液の脱塩に好適
に用いることができ、特に、多段式逆浸透膜処理装置に
おいて、後段への供給水が、炭酸を含み、ナトリウムイ
オン濃度が1ppm以下である場合の後段の逆浸透膜装
置に好適に用いることができる。
【0052】逆浸透膜を用いることによる経済性を考慮
すると、膜透過流束が1m3 /m2・日になるような圧
力は30kg/cm2以下であることが好ましい。一
方、多段式逆浸透膜処理方法により炭酸を含んだ原水を
処理する際、効率よく炭酸を除去するためには少なくと
も後段の逆浸透膜への供給水のpHを8〜10、好まし
くは、8.5〜9.5に調整し、運転することが好まし
い。従来の複合半透膜を用いた場合は、供給水のpHが
8〜10のとき、炭酸は効率よく除去することができて
も透過水中の陽イオン濃度が増大し、透過水中の全電解
質濃度が増大するため実用的ではない。そのため、かか
る従来の複合半透膜を用いた場合、透過水中の全電解質
濃度を最小にするためにはpH8以下での運転が必要と
なるが、pH8以下では効率よく炭酸を除去することが
できない。ところが、本願発明の複合半透膜を用いた場
合、上記多段式逆浸透膜処理方法において後段の逆浸透
膜への供給水pHが8〜10の範囲において、低濃度陽
イオンが良好に除去されるため、pH8〜10での運転
が可能となり、そのため、炭酸も効率よく除去され、透
過水中の全電解質濃度を低減することができる。
【0053】次に、本願発明の複合半透膜エレメントを
用いた多段式逆浸透膜処理方法による造水方法について
説明する。
【0054】本発明による多段式逆浸透膜処理方法によ
る造水は、炭酸を含む原水にアルカリを添加し、次いで
このアルカリ添加水を前段の逆浸透膜装置で処理して一
次透過水を得、次いでこの一次透過水を処理水の流れ方
向の下流側である後段の逆浸透膜装置で処理して高純度
水である二次透過水を得ることにより行う。なお、アル
カリの添加は一次透過水に添加してもよい。
【0055】ここで、本願発明の複合半透膜エレメント
は後段の逆浸透膜装置に用いられることが好ましい。本
願発明のような低濃度電解質除去性能に優れた逆浸透膜
エレメントは、前段あるいは後段の逆浸透膜装置のいず
れに用いても効果は得られるが、前段では比較的電解質
濃度が高い原水を処理するため、従来膜と比較して効果
がさほど顕著には現れないことが多く、後段の逆浸透膜
装置に用いた方が好ましい。
【0056】また、硬度成分を有する水を原水とする場
合は、逆浸透膜面でのスケール析出防止のために、脱炭
酸装置を設けたり、スケール防止剤や酸を添加したりす
る工程を加えてもよい。さらに、多段式逆浸透膜処理方
法の概念を逸脱しない範囲において、溶存ガスを脱気し
たり、殺菌剤を注入したり、殺菌剤を除去したりする工
程など、公知の多段式逆浸透膜処理方法で用いられてい
る他の水処理工程が含まれていてもよい。また、本多段
式逆浸透膜処理方法により効率よく炭酸を除去し、か
つ、得られた高純度水中の全電解質濃度を最小にするた
めには、添加するアルカリの量を調整し、一次透過水の
pHが8〜10、より好ましくは8.5〜9.5になる
ように調整するのが好ましい。
【0057】
【実施例】以下、実施例および比較例においては、被処
理水として滋賀県琵琶湖の水を用いた。
【0058】また、排除率は次式により求めた。
【0059】
【数1】 また、膜透過流束(m3 /m2・日)は膜面積1平方メ
ートル当り、1日の透水量(立方メートル)から求め
た。
【0060】(評価法1)複合半透膜の標準性能は以下
の方法により求めた。
【0061】pH6.5に調整した1,500ppm塩
化ナトリウム水溶液を、10kg/cm2、25℃の条
件下で複合半透膜に供給して逆浸透テストを行ない、単
位時間あたりの透過水量と、透過水中に含まれる塩化ナ
トリウム濃度から膜透過流束(m3 /m2・日)と塩化
ナトリウム排除率(%)をそれぞれ求めた。
【0062】(評価法2)複合半透膜の2段式逆浸透膜
処理方法後段膜としての膜性能は以下の方法で求めた。
【0063】被処理水に水酸化ナトリウムを加えてこれ
を1段目供給水とし、東レ製逆浸透膜エレメントSU−
710に供給して逆浸透処理を行ない、その透過水を2
段目供給水として10kg/cm2、25℃の条件下で
複合半透膜に供給し、2段目透過水の比抵抗(MΩ・c
m)と、含まれるナトリウムイオン濃度を測定し、ナト
リウムイオン排除率(%)を求めた。また、単位時間あ
たりの透過水量から膜透過流束(m3 /m2・日)を求
めた。
【0064】(評価法3)複合半透膜の耐亜硫酸水素ナ
トリウム性の指標である比抵抗保持率(%)およびナト
リウムイオン排除率(%)は以下の方法により求めた。
【0065】複合半透膜を、10ppmに調整した温度
25℃の亜硫酸水素ナトリウム溶液に4時間浸漬したの
ち、pHを8〜10の範囲に調整した1ppm塩化ナト
リウム水溶液を、膜透過流束が1m3/m2・日、温度が
25℃の条件下で前記複合半透膜に供給して逆浸透テス
トを行ない、ナトリウムイオン濃度からナトリウムイオ
ン排除率(%)を求めた。また、比抵抗保持率(%)に
ついては、上記透過水の比抵抗(浸漬後比抵抗、MΩ・
cm)を用いて次式にて算出した。
【0066】(式中、浸漬前比抵抗とは前記亜硫酸水素
ナトリウム溶液に浸漬するまえの複合半透膜に、前記塩
化ナトリウム水溶液を透過させたときの透過水の比抵抗
をいう。)
【数2】 また、実施例および比較例においては、下記の方法を用
いて超薄膜層を形成し、その後の処理に供した。
【0067】ポリエステル繊維からなるタフタ(縦糸、
横糸とも150デニールのマルチフィラメント糸を用い
た。織密度は縦90本/インチ、横67本/インチ、厚
さ160μ)上にポリスルホンの15重量%ジメチルホ
ルムアミド(DMF)溶液を200μの厚みで室温(2
0℃)でキャストし、ただちに純水中に浸漬して5分間
放置することによって繊維補強ポリスルホン支持膜(以
下FR−PS支持膜と略す)を作製した。このようにし
て得られたFR−PS支持膜(厚さ210〜215μ
m)に、1,3,5−トリアミノベンゼン1重量%とm
−フェニレンジアミン1重量%とを含むアミン水溶液中
に1分間浸漬し、該支持膜を垂直方向にゆっくりと引上
げ、支持膜表面から余分な水溶液を取り除いた後、1,
3,5−ベンゼントリカルボン酸塩化物0.05重量%
と1,4−ベンゼンジカルボン酸塩化物0.05重量%
とを含むオクタン溶液を表面が完全に濡れるように塗布
して1分間静置した。つぎに、膜を垂直にして余分な溶
液を液切りして除去した後、炭酸ナトリウムの1重量%
水溶液で洗浄した。
【0068】(実施例1)上記の方法により得られた超
薄膜層を、ヘキサメチレンビス(グリシジルジメチルア
ンモニウム)ジクロライドの3重量%水溶液に5分間浸
漬した後、膜を垂直にして余分な溶液を液切りして除去
し、80℃で20分間乾燥機中で熱処理し、水洗した。
評価結果を表1に示す。
【0069】(実施例2)上記の方法により得られた超
薄膜層を、ヘキサメチレンビス(グリシジルジメチルア
ンモニウム)ジクロライドの3重量%水溶液に1分間浸
漬した後、膜を垂直にして余分な溶液を液切りして除去
し、110℃で2分間乾燥機中で熱処理し、水洗した。
評価結果を表1に示す。
【0070】また、本実施例で得られた複合半透膜を、
1ppm塩化ナトリウム水溶液を原水とし、10kg/
cm2、25℃の条件下で逆浸透テストした結果、原水
pH8、9、10において、それぞれ、ナトリウムイオ
ン排除率は97.9%、98.5%、99.3%、塩素
イオン排除率は95.7%、98.8%、99.1%の
膜性能が得られ、膜透過流束は1.0m3 /m2・日で
あった。
【0071】さらに、本実施例で得られた複合半透膜を
用いて逆浸透膜エレメントを作成し、この逆浸透膜エレ
メントを2段目逆浸透膜エレメントとする2段式逆浸透
膜処理方法により被処理水の処理を以下の方法で行な
い、高純度水の製造を行なった。被処理水に水酸化ナト
リウムを加えてこれを1段目供給水とし、15kg/c
2、25℃の条件下でイオン除去性能を有する逆浸透
膜エレメント(たとえばSU−710/東レ(株)製、
NTR−759/日東電工(株)製など)に供給して逆
浸透処理を行ない、その透過水を2段目供給水として1
0kg/cm2、25℃の条件下で2段目逆浸透膜エレ
メントに供給した。製造された高純度水の水質は、2段
目供給水のpHが高くなるとともに向上し、pH9のと
きイオン交換樹脂の負荷となるイオン濃度が最低とな
り、水素イオンと水酸イオンを除く全イオン濃度は1.
6×10-6mol/lであった。また、このとき、製造
された高純度水の比抵抗値は7.5MΩ・cmであっ
た。
【0072】(実施例3)上記の方法により得られた超
薄膜層を、80℃に加熱したヘキサメチレンビス(グリ
シジルジメチルアンモニウム)ジクロライド10重量%
水溶液に10分間浸漬した後、水洗した。評価結果を表
1に示す。
【0073】
【比較例】(比較例1)実施例1で用いたヘキサメチレ
ンビス(グリシジルジメチルアンモニウム)ジクロライ
ドをグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドに変
更した以外は、実施例1と同様にして複合半透膜を作製
した。評価結果を表2に示す。
【0074】(比較例2)実施例2で用いたヘキサメチ
レンビス(グリシジルジメチルアンモニウム)ジクロラ
イドをグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドに
変更した以外は、実施例2と同様にして複合半透膜を作
製した。評価結果を表2に示す。
【0075】(比較例3)実施例3で用いたヘキサメチ
レンビス(グリシジルジメチルアンモニウム)ジクロラ
イドをグリシジルトリメチルアンモニウムクロライドに
変更した以外は、実施例3と同様にして複合半透膜を作
製した。評価結果を表2に示す。
【0076】
【表1】
【表2】
【0077】
【発明の効果】本発明によれば、複合半透膜が4級化窒
素を含んでいるので、低濃度領域においても陽イオン排
除率が高く、かつ洗浄剤や殺菌剤などに対する耐薬品性
に優れた複合半透膜およびその製造方法を提供すること
ができ、特に、アルカリ性条件下においても低濃度陽イ
オン排除率の高い複合半透膜およびその製造方法を提供
することができる。
【0078】また、炭酸を含んだ水をこの複合半透膜で
処理する際、より高pH領域での運転が可能となり、効
率よく炭酸を除去することができ、透過水中に含まれる
全電解質濃度を低減することができる。
【0079】さらに、本発明により架橋ポリアミド系複
合逆浸透膜の造水量を飛躍的に向上させることができ
る。
【0080】また、本発明の多段式逆浸透膜処理方法に
よる造水方法によれば、高い比抵抗値を有する高純度水
を安定的に得ることができ、かかる再生型イオン交換樹
脂塔を用いる必要がなくなるという利点を有するととも
に超純水製造装置の保守・点検において洗浄剤や殺菌剤
などを使用しても高純度水の水質低下を最低限に抑える
ことができる。
【0081】さらに、再生型イオン交換樹脂塔を用いた
場合でも、その再生頻度を低減することができ、経済的
な利点が大きいだけでなく水質の安定化を図ることがで
きる。
【0082】また、本発明の複合半透膜において、4級
化窒素原子を有する基が2ヶ所以上の共有結合によって
膜に導入されている場合は、長時間運転によっても4級
化窒素原子を有する基がはずれることなく、溶質濃度が
低い場合であっても、高い陽イオン除去性能を維持する
ことができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D006 GA03 KA52 KA55 KA57 KB11 KE07R KE13R KE15Q KE19R MA07 MB18 MC54 MC56 MC62X MC71 MC78 NA05 NA46 NA50 NA54 NA63 PB04 PB70

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】微多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを有す
    る超薄膜層を配してなる複合半透膜であって、亜硫酸水
    素ナトリウム溶液に浸漬させた後、1ppm塩化ナトリ
    ウム溶液を原水として用いたときの透過水の比抵抗保持
    率が80%以上であることを特徴とする複合半透膜。
  2. 【請求項2】前記透過水の比抵抗が3MΩ・cm以上で
    ある、請求項1に記載の複合半透膜。
  3. 【請求項3】微多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを有す
    る超薄膜層を配した複合半透膜であって、前記超薄膜層
    が少なくとも2つの共有結合によって膜に導入された4
    級化窒素原子を含んでいることを特徴とする複合半透
    膜。
  4. 【請求項4】微多孔性支持膜上に架橋ポリアミドを有す
    る超薄膜層を形成し、前記架橋ポリアミドに、4級化窒
    素原子を有し、かつ、前記架橋ポリアミドに対して少な
    くとも2個の反応性の官能基を有する化合物を反応させ
    ることを特徴とする複合半透膜の製造方法。
  5. 【請求項5】反応性の官能基がエポキシ基である、請求
    項4に記載の複合半透膜の製造方法。
  6. 【請求項6】請求項1〜3のいずれかに記載の複合半透
    膜を有していることを特徴とする複合半透膜エレメン
    ト。
  7. 【請求項7】複合半透膜エレメントを多段に設けてなる
    流体分離システムであって、原水流れ方向において少な
    くとも後段に位置するエレメントに請求項6に記載の複
    合半透膜エレメントを配置していることを特徴とする流
    体分離システム。
  8. 【請求項8】複合半透膜が逆浸透膜である、請求項7に
    記載の流体分離システム。
  9. 【請求項9】請求項7または8に記載の流体分離システ
    ムを用いることを特徴とする造水方法。
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