JP2000116085A - 永久磁石式リラクタンス型回転電機 - Google Patents

永久磁石式リラクタンス型回転電機

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JP2000116085A JP10278412A JP27841298A JP2000116085A JP 2000116085 A JP2000116085 A JP 2000116085A JP 10278412 A JP10278412 A JP 10278412A JP 27841298 A JP27841298 A JP 27841298A JP 2000116085 A JP2000116085 A JP 2000116085A
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Ryoichi Kurosawa
良一 黒澤
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洋介 中沢
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 小形、高出力にして広範囲の可変速運転が可
能な永久磁石式リラクタンス型回転電機を提供すること
である。 【解決手段】 電機子コイル2を有する固定子1と、周
方向に磁気的に凹凸を有する回転子3とを備えている。
回転子3の隣合う磁極間を通る電機子の磁束を打ち消す
ような永久磁石6が鉄心に設けられ、それら永久磁石6
は回転子3の磁化の容易方向とは異なる方向に磁化され
ている。電機子コイルが無励磁時に永久磁石の発生する
磁束の30%以上が回転子内に分布し、負荷時に永久磁
石による鎖交磁束が電流と永久磁石の合成の鎖交磁束の
10%以上となるように回転子3に磁性部7が設けられ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は新規の磁極構成によ
り小型・高出力で広範囲の運転が可能となる永久磁石を
複合した永久磁石式リラクタンス型回転電機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来のリラクタンス型回転電機は図14
に示すように電機子コイル2を有する固定子1と、突極
回転子3とで構成されるもので、回転子3に界磁を形成
するコイルが不要であり、回転子3は凹凸のある鉄心4
のみで構成できる。このためリラクタンス型回転電機は
簡素であり、かつ安価である。
【0003】つぎに、リラクタンス型回転電機の出力の
発生原理について述べる。リラクタンス型回転電機は回
転子に凹凸があることにより、凸部で磁気抵抗が小とな
り、凹部では磁気抵抗が大となる。すなわち、凸部と凹
部上の空隙部分で電機子のコイルに電流を流すことによ
り蓄えられる磁気エネルギーが異なる。この磁気エネル
ギーの変化により、出力が発生する。また、凸部と凹部
は幾何的でのみでなく、磁気的に凹凸を形成できる(磁
気抵抗、磁束密度分布が回転子の位置により異なる)形
状であればよい。
【0004】他の高性能な回転電機として、永久磁石回
転電機がある。電機子は誘導機やリラクタンス型回転電
機と同様に構成されるが、回転子は鉄心と回転子のほぼ
全周にわたり永久磁石が配置されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】つぎに前記の従来機に
おける技術課題について述べる。
【0006】リラクタンス型回転電機は回転子鉄心表面
の凹凸により回転位置により磁気抵抗が異なり、磁束密
度も変化することになる。この変化により磁気エネルギ
ーが変化して出力が得られる。
【0007】しかし、電流が増加すると伴に磁極となる
鉄心凸部において局部的な磁気飽和が拡大する。これに
より、磁極の磁気抵抗は高くなり、磁極間となる歯の凹
の部分に漏れる磁束が増加して、有効な磁束は減少して
出力が低下する。または、磁気エネルギーから考える
と、鉄心歯の磁気飽和で生じる漏れ磁束により、空隙磁
束密度の変化が緩やかになり、磁気エネルギー変化が小
となる。このため、電流に対して出力の増加率が低下
し、やがて出力は飽和する。
【0008】一方、他の方式の高出力の回転電機として
高磁気エネルギー積の希土類永久磁石を適用した永久磁
石電動機がある。永久磁石電動機では、回転子鉄心の表
面に永久磁石を配置しているので、界磁に高エネルギー
の永久磁石を適用することにより高磁界を電動機のエア
ギャップに形成できるので小型・高出力が可能となる。
【0009】しかし、永久磁石の磁束は一定であるので
高速回転時に電機子コイルに誘導される電圧は比例して
大きくなる。したがって、高速回転までの広範囲の可変
速運転を行う場合、界磁の永久磁石の磁束を減らすこと
ができないため、電流電圧を一定とすると基底速度の2
倍以上の定出力運転は困難である。
【0010】そこで、本発明は小型・高出力で広範囲の
可変速運転が可能な永久磁石式リラクタンス型回転電機
を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、請求項1に対応する永久磁石式リラクタンス型回転
電機は、電機子コイルを持つ固定子と、周方向に磁気的
に凹凸を有する回転子とを備え、この回転子の隣合う磁
極間を通る電機子の磁束を打ち消すような永久磁石が鉄
心に設けられ、前記永久磁石は回転子の磁化の容易方向
とは異なる方向に磁化されており、電機子コイルの無励
磁時に永久磁石の発生する磁束の30%以上が回転子内
に分布し、負荷時に永久磁石による鎖交磁束が電流と永
久磁石の合成の鎖交磁束の10%以上となるように回転
子に磁性部を設けたことを特徴とする。
【0012】ここで、負荷時の電流と永久磁石の合成の
鎖交磁束は、電流の磁束ベクトルと永久磁石の磁束ベク
トルの位相差で変化するので、互いに影響を与えないよ
うな位相が90度の交差状態としたときの合成の鎖交磁
束量と定義する。
【0013】回転子鉄心は磁気的に凹凸が形成されてい
るので、凸部分がリラクタンスモータとしての磁極とな
り、凹は磁極間となる。すなわち、凸は回転子の磁化の
容易方向となり、凹は回転子の磁化の困難軸方向であ
る。
【0014】永久磁石は、前記凹凸の回転子鉄心の凹の
部分に配置されており、無励磁時では、永久磁石の発生
する磁束の30%以上が回転子内に分布するように、永
久磁石の磁束を磁気的に短絡する磁性部がある。この回
転子構成により、回転中に発生する誘起電圧は定格電圧
の0〜70%にできる。一例として、誘起電圧を33%
とすれば基底速度の3倍の高速回転まで回転させても電
源回路に過電圧を与えることはない。
【0015】つぎに、負荷時においては、磁極と磁極間
の境界で磁気的に短絡する磁性部が、負荷電流による磁
束により強く磁気飽和する。これにより、磁極間に分布
する永久磁石の磁束が増加する。磁極間にある永久磁石
の磁束の一部が磁極間の中心軸方向に分布するように、
磁極間の磁性部が磁路となって構成され、負荷時には永
久磁石による鎖交磁束は電流と永久磁石の合成の鎖交磁
束の10%以上あるように、前記の境界の磁性部と磁極
間の磁性部が構成されている。
【0016】前記の永久磁石の磁束は、磁極間の中心軸
方向から侵入する電機子電流による磁束を反発させ、さ
らに永久磁石の比透磁率がほぼ1であるので磁石方向の
磁気抵抗を高くする作用がある。すなわち、永久磁石の
磁束と逆方向の電機子電流の磁束が打ち消し合うので、
磁極間の中心軸方向の合成磁束は小となるか、電流が小
の場合では合成磁束は電流磁束と逆方向になる。
【0017】これにより、磁極間の中心軸方向の鎖交磁
束は小となるので、磁極間の磁気的な凹の変化が大きく
なり、出力が増加する。同時に、磁極間の中心軸方向の
鎖交磁束の減少で端子電圧は低くなり、力率も向上す
る。また、電流の磁束は磁極部となる凸の回転子鉄心に
集中して通るように分布する。これにより、空隙磁束分
布の凹凸の変化が大きくなるので、磁気エネルギ変化が
大となり、高トルク及び高力率を生じる。
【0018】広範囲の可変速運転を得る端子電圧の調整
幅については、次のような作用となる。
【0019】本発明の回転電機では、磁極間の凹部分の
一部のみに永久磁石があることから、回転子表面のほぼ
全周に永久磁石がある従来の永久磁石回転電機よりも永
久磁石の表面積が狭くなり、永久磁石による鎖交磁束量
も少なくなっている。そして、永久磁石による鎖交磁束
に、電機子電流(リラクタンス回転電機の励磁電流成分
とトルク電流成分)による鎖交磁束が加わって、端子電
圧を誘導する。
【0020】永久磁石回転電機では、磁石の鎖交磁束が
端子電圧のほとんどを占めているので端子電圧を調整す
ることが困難である。一方、本発明の回転電機は、磁石
の鎖交磁束が小であるので、励磁電流成分を広く調整す
ることにより、端子電圧を幅広く調整できる。すなわ
ち、速度に応じて電圧が電源電圧以下となるよう励磁電
流成分を調整することができるので、定電圧電源で広範
囲の可変速運転が可能となる。
【0021】さらに次の作用がある。永久磁石の磁束の
一部が短絡の磁性部を通って漏れるため、永久磁石内部
の反磁界を小とすることができる。すなわち、永久磁石
のB(磁束密度)−H(磁界の強さ)特性である減磁曲
線上の動作点が高くなり(パーミアンス係数は大とな
る)、温度、電機子反作用に対する耐減磁特性が向上す
る。特に、磁極間軸方向の磁束を形成する電機子電流で
永久磁石の磁束を打ち消すようにした場合、永久磁石に
減磁界が作用するが、減磁を防ぐことができる。
【0022】また、同時に永久磁石を鉄心内に埋め込む
ことになるので、回転子鉄心が永久磁石の保持機能とな
り、高速回転に耐え得る。
【0023】請求項2に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機は、電磁子コイルを持つ固定子と、周方向
に磁気的に凹凸を有する回転子とを備え、この回転子の
磁極間を通る電機子の磁束を打ち消すような永久磁石が
鉄心に設けられ、前記永久磁石は回転子の磁化容易方向
とは異なる方向に磁化されており、固定子コイルの無励
磁時に永久磁石の発生する磁束の80%以上が回転子内
に分布し、負荷時に永久磁石による鎖交磁束が電流と永
久磁石の合成の鎖交磁束の5%以上となるように回転子
に磁性部を設けたことを特徴とする。
【0024】基本的な作用は請求項1と同様であるが、
無励磁時に永久磁石の発生する磁束の80%以上が回転
子内に分布するので、誘導電圧は極めて小となる。これ
により、電源を含めて電気的な短絡が発生しても、永久
磁石の誘導電圧による電流が僅かであり、焼損・過大な
ブレーキ力を防ぐことができる。また、永久磁石の磁束
で固定子鉄心内に生じる鉄損は小となるので、無負荷、
軽負荷時の効率が向上する。
【0025】さらに、負荷時には永久磁石による鎖交磁
束は電流と永久磁石の合成の鎖交磁束の5%以上となる
ように磁性部材が設けられる。負荷時では、前記永久磁
石の磁束と電機子電流の磁束が打ち消し合うので、磁極
間の中心軸方向の合成磁束は小となる。
【0026】これにより、中心軸方向の鎖交磁束は小と
なるので、磁極間の磁気的な凹の変化が大きくなり、出
力が増加する。同時に、磁極間の中心軸方向の鎖交磁束
の減少で端子電圧は低くなり、端子電圧は低くなり、力
率も向上する。また、電流の磁束は磁極部となる凸の回
転子鉄心に集中して通るように分布する。
【0027】以上により、空隙磁束分布の凹凸の変化が
大きくなるので、磁気エネルギ変化が大となり、高トル
ク及び高力率を生じる。
【0028】さらに次の作用がある。永久磁石のほとん
どの磁束が短絡の磁性部を通って漏れるため、永久磁石
内部の反磁界を小とすることができる。すなわち、永久
磁石のB(磁束密度)−H(磁界の強さ)特性である減
磁曲線上の動作点が著しく高くなり(パーミアンス係数
は大となる)、温度特性の悪い永久磁石を150〜20
0℃の温度で使用することが可能となる。また、高温雰
囲気で、定格電流の2〜3倍の大電流を流しても電機子
反作用により減磁することがない。特に、定格トルク電
流では、磁極間軸方向の磁束を形成する電機子電流で永
久磁石の磁束を打ち消した状態となる場合、数倍の最大
トルクを得るため電機子電流を大とすると、電流により
永久磁石の鎖交磁束と逆方向の空隙磁束が形成される。
このような状態でも、本実施例の回転電機では、永久磁
石は減磁することがなく使用できる。
【0029】また、永久磁石を鉄心内に埋め込むことに
なるので、回転子鉄心が永久磁石の保持機構となり、高
速回転に耐え得る。
【0030】請求項3に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機では、永久磁石の磁化方向は回転子のほぼ
周方向とされる。磁極を通る励磁電流成分の磁束と永久
磁石の磁化方向は電気角でほぼ直交する関係であるの
で、電流による磁極部の磁気飽和が緩和され、リラクタ
ンストルクは大となる。
【0031】請求項4に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機では、回転子の磁極間に第1の非磁性部が
設られる。磁極間に非磁性部を設けたため、磁極間方向
の磁気抵抗は著しく増加する。したがって、空隙磁束分
布に変化の大きな凹凸ができるので、磁気エネルギ変化
が著しく大となり、大きな出力が得られる。
【0032】請求項5に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機では、回転子鉄心の磁極(凸部分)の幅を
磁極ピッチ(一つの磁極中心から隣極の磁極中心までの
距離)の0.3〜0.5倍とする。
【0033】磁極と磁極間の比率をこの範囲に設定する
と、回転子位置に対する空隙磁束密度分布の変化を効果
的に大にできるので高出力の回転電機が得られる。
【0034】請求項6に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機では、磁極と磁極を磁気的に結合するよう
に磁極間の外周に磁性部を設ける。磁極間の外周の磁性
部により、固定子の歯に対して回転子の表面部には全周
に磁性部材があるので、固定子のスロットによる磁気抵
抗変化は小となりスロットリプルは小となる。また、回
転子表面は滑らかなので、風損も低減できる。さらに、
磁極間の外周の磁性部により永久磁石に作用する電機子
電流による減磁界を抑制できる。
【0035】請求項7に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機は、永久磁石の径方向内側部分から漏れる
磁束を低減するように第2の非磁性部を配置したもので
ある。永久磁石の径方向内側端部に非磁性部が設けられ
るので、永久磁石からの漏れ磁束を低減できる。これに
より、回転電機の特性を大幅に低下させることなく、永
久磁石を体積を減らすことができる。
【0036】請求項8に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機は、前記磁極間には第1の非磁性部を設
け、前記第1の非磁性部により永久磁石からみた外部磁
気抵抗が著しく大とならないように第1の非磁性部が配
置されたものである。
【0037】第1の非磁性部が永久磁石からみた磁気抵
抗を大きく増加させないので、少量の永久磁石で十分な
磁束を確保することができる。
【0038】さらに、第1の非磁性部により、無励磁時
には永久磁石の磁束が固定子と対向する回転子の面に分
布している。負荷電流により磁束が重畳すると、回転子
の磁極と磁極間の境界部等で局部的に磁気飽和し、回転
子内で閉じて分布していた永久磁石の磁束は、固定子と
鎖交するようになる。したがって、無負荷時には、永久
磁石の鎖交磁束による誘導電圧は小であり、負荷時に
は、永久磁石の磁束を効果的に増加できる。
【0039】請求項9に対応する永久磁石式リラクタン
ス型回転電機は、回転子鉄心と固定子鉄心間の空隙長
は、磁極部よりも磁極間部で長くされたことを特徴とす
る。
【0040】磁極間部分では、空隙長は磁極部の空隙長
より長いので、磁気的な凹凸は大きくなり、リラクタン
ストルクは増加する。無励磁時には、磁極間の空隙長が
長いので、固定子コイルと鎖交する永久磁石の磁束は減
少し、永久磁石の磁束は磁極間部の磁性部を磁路として
回転子内で閉じて分布する。
【0041】負荷時に電流の磁束が重畳すると、回転子
が局部的に磁気飽和し、回転子内で閉じて分布していた
永久磁石の磁束は、固定子と鎖交するようになる。した
がって、無負荷時には、永久磁石の鎖交磁束による誘導
電圧は小であり、負荷時には、永久磁石の鎖交磁束を効
果的に増加できる。
【0042】請求項10に対応する永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機は、電機子電流による磁極間の中心軸方
向成分の磁束と永久磁石の磁束が打ち消し合って、磁極
間方向の合成磁束がほぼ0となることを特徴とする。
【0043】負荷電流を与えたときに、磁極間の中心軸
方向成分の電機子電流の磁束と永久磁石の磁束が打ち消
し合って、磁極間の中心軸方向の合成磁束がほぼ0とな
るので、磁極間の中心軸方向成分の磁束で誘導される電
圧は0となる。したがって、端子電圧は磁極軸方向成分
の磁束で誘導されるので、低電圧と高力率が得られる。
【0044】さらに、定出力特性も容易に得られる。リ
ラクタンストルクは電機子コイルを流れる励磁電流とト
ルク電流成分の積となるので、出力は励磁電流とトルク
電流成分と回転速度の積となる。磁極間の中心軸方向の
磁束を形成する電機子電流成分(トルク電流)は前記に
述べた磁極間の中心軸方向の合成磁束がほぼ0となるよ
うな一定値とし、磁極軸方向の磁束を形成する電機子電
流成分(励磁電流)を回転速度に応じてほぼ反比例で調
整することにより、定出力(トルク×回転速度が一定)
特性が得られる。
【0045】請求項11に対応する永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機では、磁極間の中心軸方向の磁束を形成
する電機子電流成分が最大の状態で、前記電機子電流成
分による磁極間の中心軸方向の磁束と永久磁石の磁束が
打ち消し合って、磁極間の中心軸方向の合成磁束がほぼ
0となるように構成される。
【0046】回転電機の最大電流を、磁極間の中心軸方
向の磁束を形成する電機子電流成分と磁極軸方向の磁束
を形成する電機子電流成分の直交の関係にある二つのベ
クトル成分に分離する。電機子の最大電流(合成ベクト
ル)と磁極間の中心軸方向の磁束を形成する電機子電流
成分のベクトルのなす角が45度(電気角)のときに、
最大のリラクタンストルクが得られる。そして、この電
流位相のときに、電機子電流の磁極間の中心軸方向の磁
束と永久磁石の磁束が打ち消し合って、磁極間の中心軸
方向の合成磁束がほぼ0となるように本発明の回転電機
は構成されている。したがって、高速回転速度域で誘導
電圧が高くなると、励磁電流成分である磁極軸方向の磁
束を形成する電機子電流成分を小さくなるように調整
し、電圧を一定にできる。これより、一定出力で広範囲
の可変速運転と高力率が実現できる。
【0047】請求項12に対応する永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機では、電気的に短絡したときに永久磁石
の磁束により生じる電機子電流において、電流で生じる
ジュール損による発熱が回転電機の熱的許容値以下、ま
たは、電流で生じるブレーキ力が装置の許容値以下とな
るように電機子電流が0の場合の永久磁石が作る磁束の
電機子コイルとの鎖交磁束数を決定したことを特徴とす
る。
【0048】インバータ、端子で電気的な短絡事故が発
生したときに、永久磁石のコイルと鎖交する磁束があれ
ば、回転子が回転すると誘導電圧が生じる。この誘導電
圧でコイルに短絡電流が流れて、焼損したり、過大なブ
レーキトルクで装置がロック状態となる。本発明の回転
電機では、請求項1,2で述べたように少ない永久磁石
の鎖交磁束で高出力が得られるので、短絡電流、ブレー
キ力を許容値以下になるように誘導電圧を小にできる。
これにより、短絡事故が発生しても、回転電機及び装置
の不具合を防ぐことができる。
【0049】請求項13に対応する永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機では、回転子鉄心の磁極間に永久磁石を
配置し、磁極間の第1の非磁性部に導電材を設けたこと
を特徴とする。
【0050】磁極間の第1の非磁性部に導電材を配置す
ることにより、回転子が回転磁界に対して非同期時に導
電材に渦電流が生じて、回転子が同期に入ることができ
る。すなわち、自己起動と安定した回転が得られる。
【0051】請求項14に対応する永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機では、回転子鉄心内に軸方向に延びる導
体を周方向に分布させて設ける。
【0052】非同期時にこの導体に誘導電流が流れるた
め、自己起動と安定した回転を得ることができる。ま
た、インバータ駆動時の高調波電流による渦電流を吸収
できる。
【0053】請求項15に対応する永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機では、回転子鉄心の軸方向端部に磁性の
エンドリングを配置し、前記回転子鉄心と磁性のエンド
リングは磁気的に結合される。
【0054】電機子電流により、回転子鉄心内の永久磁
石の磁化方向と逆方向の電機子反作用磁界を与えたと
き、永久磁石の磁束の一部は軸方向を通り磁性のエンド
リングを通って回転子で閉じた磁路を構成する。すなわ
ち、効果的に漏れ磁束を生じさせることができるので、
電機子コイルとの鎖交磁束量を調整でき端子電圧を電機
子電流により容易に調整できる。また、漏れ磁束と有効
磁束の割合は鉄心とエンドリング間の空隙長で調整する
ことができる。
【0055】
【発明の実施の形態】(第1の実施の形態)(請求項
1、3、5、6、10対応) 図1は本発明の第1の実施の形態の永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機の径方向断面図である。図1において、
固定子1は電機子コイル2を有し、回転子3を内部に収
容する。回転子3は回転子鉄心4と永久磁石6を備えて
いる。回転子鉄心4は磁化の容易方向と困難方向を形成
している。すなわち、回転子鉄心4は、磁気的に凹凸を
形成するために、磁化容易方向に沿って8個の永久磁石
を埋め込む空洞5を設けた電磁鋼板を積層して構成され
る。8個の空洞5は十字状に配置されることにより4極
の凸極を形成する。つまり、平行の2つの空洞5で挟ま
れる部分が磁気的な凸部で磁極4aとなり、垂直な2つ
の空洞5で挟まれる部分が磁気的な凹部で磁極間4bと
なる。さらに、隣り合う磁極間4bを通る電機子電流の
磁束を打ち消すように磁化された永久磁石6を前記空洞
5に配置する。すなわち、磁極部4aの両側面にある永
久磁石6の関係は、磁化方向が同一であり、磁極間部4
bの両側に位置する2つの永久磁石6は回転子3の円周
方向において互いに磁化方向は逆となる。永久磁石6は
好ましくはほぼ周方向に、より好ましくは磁極軸にほぼ
垂直な方向に磁化されている。なお、ここで永久磁石6
の素材としては、高エネルギ積の希土類永久磁石、好ま
しくはNdFeB磁石が使用される。
【0056】無励磁時に永久磁石6の発生する磁束の3
0%〜60%が回転子3内に分布するように、磁極部4
aと磁極間部4bの間でかつ永久磁石6端部と回転子鉄
心4外周との間に磁性部7を設ける。この実施の形態で
は、永久磁石6が回転子鉄心4の外周より十分に内部に
配置されているので、永久磁石6の磁束が磁石端と回転
子鉄心4の外周間の磁性部7を磁路として磁気的に短絡
される。磁性部7の径方向の厚さならびに永久磁石6の
厚さおよび表面積は、無励磁時には好ましくは30〜4
0%の永久磁石6の磁束が回転子3内で分布するように
定められる。また、磁性部7の径方向の厚さならびに永
久磁石6の厚さおよび表面積は、負荷時に永久磁石6に
よるコイル2の鎖交磁束が電流と永久磁石の合成の鎖交
磁束の10%〜60%、より好ましくは30〜50%と
なるように定められる。
【0057】この実施の形態では、回転子鉄心4の磁極
(凸部分)4aの周方向の円弧の幅Wを磁極ピッチ幅L
(一つの磁極中心から隣極の磁極中心までの周方向の距
離)の0.3倍〜0.5倍と設定する。
【0058】次に、作用について説明する。
【0059】図2はd軸の電機子電流による回転子鉄心
4の磁極軸に沿った方向の成分の磁束φdを示してお
り、磁極部4aの鉄心を磁路とするため、この方向の磁
路では磁気抵抗が極めて小であり、磁束が流れやすい磁
気的構成になっている。なお符号8は非磁性部を示す。
【0060】図3はq軸の電機子電流による磁極間4b
を中心とした径方向の軸に沿った方向の成分の磁束φq
を示している。この磁極間4bの磁束φqは磁極間4b
の永久磁石6を横断する磁路を形成するが、永久磁石6
の比透磁率がほぼ1であるので、永久磁石6の高磁気抵
抗の作用で電機子電流による磁束は低下する。
【0061】磁極間の永久磁石6は、ほぼ磁極軸と垂直
方向に磁化されており、図4に示すように永久磁石6で
発生した磁束は回転子鉄心4の外周の境界の磁性部7を
周方向に流れ、磁極部4aを通り、自己の反対の極に戻
る磁気回路φmaを形成する。また、永久磁石6の一部
の磁束は空隙を介して固定子1を通り、回転子3の磁極
4a、または、隣極の永久磁石6を通り、元の永久磁石
6に戻る磁気回路φmbも形成する。
【0062】この永久磁石6の鎖交磁束は図3に示すよ
うにq軸の電機子電流による磁極間中心軸方向成分の磁
束φqと逆方向に分布して、磁極間4bから侵入する電
機子磁束φqを反発し、打ち消し合う。磁極間上の空隙
部においては、永久磁石6の磁束により電機子電流が作
る空隙磁束密度が低下することになり、磁極上の空隙磁
束密度と比較して大きく変化することになる。すなわ
ち、回転子3の位置に対する空隙磁束密度の変化が大と
なり、磁気エネルギ変化が大となる。さらに、負荷時に
おいては、磁極と磁極間の境界で磁気的に短絡する磁性
部7があり、負荷電流により強く磁気飽和する。これに
より、磁極間に分布する永久磁石6の磁束が増加する。
したがって、永久磁石の磁気抵抗と永久磁石の磁束によ
り空隙磁束分布に変化の大きな凹凸ができるので、磁気
エネルギ変化が著しく大となり、大きな出力が得られ
る。
【0063】広範囲の可変速運転を得る端子電圧の調整
幅については、次のような作用となる。
【0064】本発明の回転電機では、磁極間の凹部分の
一部のみに永久磁石があることから、回転子表面のほぼ
全周に永久磁石がある従来の永久磁石回転電機よりも永
久磁石の表面積が狭くなり、永久磁石による鎖交磁束量
も少なくなっている。
【0065】さらに、無励磁状態では永久磁石6のかな
りの磁束は磁極境界部の磁性部7を通り回転子鉄心内の
漏れ磁束となる。したがって、この状態では誘導電圧は
極めて小にできるので、無励磁時の鉄損は少なくなる。
また、コイル2が短絡したときにも過電流が小になる。
【0066】負荷時には、永久磁石6による鎖交磁束
に、電機子電流(リラクタンス回転電機の励磁電流成分
とトルク電流成分)による鎖交磁束が加わって、端子電
圧を誘導する。
【0067】永久磁石回転電機では、永久磁石6の鎖交
磁束が端子電圧のほとんどを占めているので端子電圧を
調整することが困難である。一方、本発明の回転電機
は、永久磁石6の鎖交磁束が小であるので、励磁電流成
分を広く調整することにより、端子電圧を幅広く調整で
きる。すなわち、速度に応じて電圧が電源電圧以下とな
るように励磁電流成分を調整することができるので、基
底速度から一定電圧で広範囲の可変速運転が可能とな
る。
【0068】また、強制的制御で弱め界磁を行って電圧
を抑制していないので、高速回転時に制御が動作しなく
なっても過電圧が発生することはない。
【0069】さらに、永久磁石6の磁束の一部φmaが
磁気的短絡の磁性部7を通って漏れるため、永久磁石内
部の反磁界を小とすることができる。すなわち、永久磁
石のB(磁束密度)−H(磁界の強さ)特性である減磁
曲線上の動作点が高くなり(パーミアンス係数は大とな
る)、温度、電機子反作用に対する耐減磁特性が向上す
る。また、同時に永久磁石6を鉄心内に埋め込むことに
なるので、回転子鉄心4が永久磁石6の保持機構とな
り、高速回転に耐え得る。
【0070】また、回転子鉄心4の磁極(凸部分)の周
方向の幅Wを磁極ピッチ幅L(一つの磁極中心から隣極
の磁極中心までの周方向の距離)の0.3倍〜0.5倍
としたため、回転子位置に対する空隙磁束密度分布の変
化を効果的に大きくできるので高出力の回転電機が得ら
れる。
【0071】(第2の実施の形態)(請求項2、3、
5、6対応) 本発明の第2の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型
回転電機を図1の回転子の径方向断面図を用いて説明す
る。
【0072】この実施の形態において、第1の実施の形
態と同様の部分については重複説明を省略する。
【0073】この実施の形態においては、無励磁時に永
久磁石6の発生する磁束の80%以上が回転子3内に分
布するように、磁極部4aと磁極間部4bの間でかつ永
久磁石6端部と回転子鉄心4外周との間に磁性部7を設
ける。この実施の形態では、磁極4aと磁極間4bの境
界部の前記磁性部7の径方向の厚さならびに永久磁石6
の厚さおよび表面積は、第1の実施の形態よりもさらに
厚く形成され、無励磁時には好ましくは90〜95%の
永久磁石6の磁束が回転子3内で分布するように定めら
れる。
【0074】この実施の形態において、磁極4aと磁極
間4bの境界部の前記磁性部7の径方向の厚さならびに
永久磁石6の厚さおよび表面積は、負荷時には永久磁石
によるコイルの鎖交磁束が、電流と永久磁石の合成の鎖
交磁束の5%以上、より好ましくは10〜30%となる
ように定められる。
【0075】基本的な作用は第1の実施の形態と同様で
あるが、永久磁石6の発生する磁束の80%以上が回転
子3内に分布するので、誘導電圧は極めて小となる。こ
れにより、電源を含めて電気的な短絡が発生しても、永
久磁石6の誘導電圧による電流が僅かであり、焼損・過
大なブレーキ力を防ぐことができる。
【0076】さらに次の作用がある。永久磁石6のほと
んどの磁束が磁気的短絡の磁性部7を通って漏れるた
め、永久磁石内部の反磁界は著しく小とすることができ
る。すなわち、永久磁石6のB(磁束密度)−H(磁界
の強さ)特性である減磁曲線上の動作点が高くなり(パ
ーミアンス係数は大となる)、温度特性の悪い磁石を1
50〜200℃の温度で使用することが可能となる。例
えば、温度特性が悪いが高磁気エネルギー積(40MG
Oe)のMdFeB磁石が、高温雰囲気で定格電流の2
〜3倍の大電流を流しても電機子反作用により減磁する
ことがなく使用できる。
【0077】(第3の実施の形態)(請求項1、2対
応) 図5は本発明の第3の実施の形態の永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0078】この実施の形態では、回転子鉄心4に幾何
的にも凹凸が形成される。他の構成は、第1及び第2の
実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
【0079】この実施の形態では、回転子鉄心4に幾何
的にも凹凸が形成されるので、空隙磁束分布の変化が更
に大きくなり、リラクタンストルクはさらに高くなる。
【0080】(第4の実施の形態)(請求項4、6対
応) 図6は本発明の第4の実施の形態の永久磁石式のリラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0081】この永久磁石式リラクタンス型回転電機で
は、回転子3の磁極間4bの中央に第1の非磁性部とし
ての断面扇形の空洞部8を設ける。空洞部8の外周には
磁極4aと隣の磁極4aとを磁気的に結合するように磁
性部9が設けられる。他の構成は、第1の実施の形態と
同様であるので、重複説明を省略する。
【0082】前記扇形空洞部8により磁極間4bに非磁
性部ができるので、磁極間方向の磁気抵抗は著しく増加
する。これにより、リラクタンストルクは大幅に増加す
る。また、磁極間4bからの永久磁石6の鎖交磁束は前
記扇形の空洞部8により抑制される。したがって、永久
磁石と電流によるトルクは減少し、リラクタンストルク
は増加する。すなわち、トルク、出力を低下させること
なく、永久磁石による誘導電圧を抑制できる。
【0083】また、隣接する磁極4aを結合する磁性部
9を設けたため、固定子1の鉄心歯に対して回転子3の
表面部には全周で一様に回転子鉄心4があることにな
り、固定子1のスロットによる磁気抵抗変化は小となり
スロットリプルは小となる。また、回転子3の表面は滑
らかなので、風損も低減できる。さらに、磁極間4bの
外周の磁性部9により永久磁石6に作用する電機子電流
による減磁界を抑制できる。
【0084】(第5の実施の形態)(請求項7対応) 図7は本発明の第5の実施の形態の永久磁石式リラクタ
ンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0085】この実施の形態の永久磁石式リラクタンス
型回転電機では、回転子鉄心4に埋め込まれた永久磁石
用の空洞5に、短くした永久磁石6と第2の非磁性部と
してのアルミニウム12を設ける。他の構成は、第1及
び第4の実施の形態と同様であるので、重複説明を省略
する。
【0086】永久磁石6の内周側端部に非磁性のアルミ
ニウム12が設けられるので、磁極間方向の磁束の流れ
を防ぐことができ、リラクタンストルクの低下を抑制す
る。また、鉄心内周側の永久磁石6からの漏れ磁束を低
減できる。これにより、出力特性を大幅に低下させるこ
となく、永久磁石6の体積を減らすことができる。
【0087】(第6の実施の形態)(請求項7対応) 図8は本発明の第6の実施の形態の永久磁石式のリラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0088】この実施の形態では、回転子鉄心4に幾何
的にも凹凸が形成される。他の構成は、第1及び第5の
実施の形態と同様であるので、重複説明を省略する。
【0089】この実施の形態では、回転子鉄心4に幾何
的にも凹凸が形成されるので、空隙磁束分布の変化が更
に大きくなり、リラクタンストルクはさらに高くなる。
その他、第1及び第5の実施の形態と同様の作用効果が
ある。
【0090】(第7の実施の形態)(請求項8対応) 図9は本発明の第7の実施の形態の永久磁石式のリラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0091】この実施の形態の永久磁石式リラクタンス
型回転電機では、円盤状の回転子鉄心4の磁極間4b
で、回転子鉄心外周9近傍に2個の永久磁石6が配置さ
れ、回転子3の周方向に磁化されている。これらの永久
磁石6の磁化は互いに逆方向であり、磁極間軸中心にあ
る磁性部10と鉄心外周の磁性部9を磁路として磁気回
路を構成するように配置する。さらに、永久磁石6と磁
極間軸中心の磁性部10に沿った内周側に扇状の空洞部
8を形成する。他の構成は、第1の実施の形態と同様で
あるので、重複説明を省略する。
【0092】第1の非磁性部である扇状の空洞部8によ
り永久磁石6からみた外部磁気抵抗を大きく増加させる
ことなく、永久磁石6の磁束が回転子の外周磁性部9と
固定子1に分布する様に配置した回転子を構成できる。
つまり、第1の非磁性部である扇状の空洞部8は、永久
磁石6からみた磁気抵抗を大きく増加させないので、少
量の永久磁石で十分な磁束を確保することができる。
【0093】さらに、内周側にある第1の非磁性部とし
ての空洞部8により、永久磁石6の磁束は遮られ、回転
子3の外周磁性部9を磁路として磁気的に短絡されてい
る。負荷電流により磁束が重畳すると、磁極部4aと磁
極間部4bの境界の磁性部7と外周の磁性部9が局部的
に磁気飽和し、前記の回転子3内で閉じて分布していた
永久磁石6の磁束は、固定子1の電機子コイル2と鎖交
するようになる。したがって、無負荷時には、永久磁石
6の鎖交磁束による誘導電圧は小であり、負荷時には、
永久磁石6の磁束を効果的に増加できる。その他、第1
の実施の形態と同様の作用効果がある。
【0094】(第8の実施の形態)(請求項9対応) 図10は本発明の第8の実施の形態の永久磁石式のリラ
クタンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0095】第8の実施の形態の永久磁石式リラクタン
ス型回転電機では、磁極間部4bの外周面に凹部に回転
子鉄心4と固定子鉄心1間の径方向の空隙長は、磁極部
4aよりも磁極間部4bで長くした構成とする。例え
ば、磁極部4aの空隙長laは0.6mmであり、磁極
間部の空隙長lbは1.8mmとしている。他の構成は
第1及び第7の実施の形態と同様であるので、重複説明
を省略する。
【0096】磁極間4b部分では、空隙長lbは磁極4
a部の空隙長laより長いので、磁気的な凹凸は大きく
なり、リラクタンストルクは増加する。同時に磁極間4
bの空隙長は長いので、磁極間4b部の回転子外周の磁
性部9を磁路として回転子3内で閉じて分布する永久磁
石6の磁束が増加して、固定子コイル2と鎖交する永久
磁石6の磁束は減少する。
【0097】負荷時に電流の磁束が重畳すると、磁極境
界の磁性部7と外周の磁性部9が局部的に磁気飽和し、
回転子鉄心4内で閉じて分布していた永久磁石6の磁束
は、固定子1の電機コイル2と鎖交するようになる。し
たがって、無負荷時には、永久磁石6の鎖交磁束による
誘導電圧は小であり、負荷時には、永久磁石6の磁束を
効果的に増加できる。その他、第1及び第7の実施の形
態と同様の作用効果がある。
【0098】(第9の実施の形態)(請求項11対応) 第9の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転電機
は、図1から図4に示す第1の実施の形態と基本的な構
成は同一であるため、重複説明を省略する。この実施の
形態では、特に、負荷時に磁極間4bの中心軸方向の電
機子電流の磁束と永久磁石6の磁束が打ち消し合って、
磁極間方向の合成磁束がほぼ0となるように、磁性部7
の径方向の厚さ、永久磁石6の厚さおよび表面積、非磁
性部8の大きさ、非磁性部8と鉄心外周との間の磁性部
の厚さなどを構成する。
【0099】負荷電流を与えたときに、図3に示すよう
に磁極間4bの中心軸方向成分の電機子電流の磁束φq
と永久磁石6の磁束φmが打ち消し合って、磁極間の中
心軸方向の合成磁束がほぼ0となるので、磁極間の中心
軸方向成分の磁束で誘導される電圧は0となる。したが
って、端子電圧は磁極軸方向成分の磁束で誘起されるの
で、低電圧と高力率が得られる。
【0100】さらに、定出力特性も容易に得られる。リ
ラクタンストルクは電機子の励磁電流とトルク電流成分
の積となるので、出力は励磁電流とトルク電流成分と回
転速度の積となる。磁極間軸方向の磁束を形成する電機
子電流成分(トルク電流)は前記に述べた磁極間の中心
軸方向の合成磁束がほぼ0となるような一定値とし、磁
極軸方向の磁束を形成する電機子電流成分(励磁電流)
を回転速度に応じてほぼ反比例で調整することにより、
定出力(トルク×回転速度が一定)特性が得られる。そ
の他、第1の実施の形態と同様の作用効果がある。
【0101】(第10の実施の形態)(請求項11対
応) 第10の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転電
機では、図1から図4に示す第1の実施の形態と基本的
な構成は同一であるため、重複説明を省略する。この実
施の形態では、特に、磁極間の中心軸方向の磁束を形成
する電機子電流成分が最大の状態で、前記電機子電流成
分による磁極間の中心軸方向の磁束φqと永久磁石6の
磁束4mが打ち消し合って、磁極間方向の合成磁束がほ
ぼ0となるように、磁性部7の径方向の厚さ、永久磁石
6の厚さおよび表面積、非磁性部8の大きさ、非磁性部
8と鉄心外周との間の磁性部の厚さなどを構成する。
【0102】回転電機の最大電流を、磁極間の中心軸方
向の磁束を形成する電機子電流成分と磁極軸方向の磁束
を形成する電機子電流成分の直交の関係にある二つのベ
クトル成分に分離している。電機子の最大電流(合成ベ
クトル)と磁極間の中心軸方向の磁束を形成する電機子
電流成分のベクトルのなす角が45度のときに、最大の
リラクタンストルクが得られる。そして、この電流位相
のときに、電機子電流の磁極間の中心軸方向の磁束と永
久磁石6の磁束が打ち消し合って、磁極間の中心軸方向
の合成磁束がほぼ0となるように本実施の形態の回転電
機は構成されている。したがって、高速回転速度域で誘
導電圧が高くなると、励磁電流成分である磁極軸方向の
磁束を形成する電機子電流成分を小さくなるように調整
し、電圧を一定にできる。これより、一定出力で広範囲
の可変速運転と高力率が実現できる。その他、第1の実
施の形態と同様の作用効果がある。
【0103】(第11の実施の形態)(請求項12対
応) 第11の実施の形態の永久磁石式リラクタンス型回転電
機では、図1から図4に示す第1の実施の形態と基本的
な構成は同一であるため、重複説明を省略する。この実
施の形態では、特に、電気的に短絡したときに永久磁石
6の磁束により生じる電機子電流において、電流で生じ
るジュール損による発熱が回転電機の熱的許容値以下、
または、電流で生じるブレーキ力が装置の許容値以下と
なるように電機子電流が0の場合の永久磁石6が作る磁
束の電機子コイルとの鎖交磁束数を決定し、磁性部7の
径方向の厚さ、永久磁石6の厚さおよび表面積、非磁性
部8の大きさ、非磁性部8と鉄心外周との間の磁性部の
厚さなどを構成する。
【0104】インバータ、端子で電気的な短絡事故が発
生したときに、コイル2と鎖交する永久磁石6の磁束が
あれば、回転子3が回転すると誘導電圧が生じる。この
誘導電圧でコイル2に短絡電流が流れて、焼損したり、
過大なブレーキトルクで装置がロック状態となる。本実
施の形態の回転電機では、第1および第2の実施の形態
で述べたように少ない永久磁石6の鎖交磁束で高出力が
得られるので、短絡電流、ブレーキを許容値以下になる
ように誘導電圧を小にできる。これにより、短絡事故が
発生しても、回転電機及び装置の不具合を防ぐことがで
きる。その他、第1の実施の形態と同様の作用効果があ
る。
【0105】(第12の実施の形態)(請求項13対
応) 第12の実施の形態に対応する永久磁石式リラクタンス
型回転電機は、図6において、回転子鉄心4の磁極間に
永久磁石6を配置し、磁極間の第1の非磁性部としての
空洞部8に銅またはアルミニウムを充填したものであ
る。その他の構成は、第1および第4の実施の形態と同
様であるから、重複説明を省略する。
【0106】空洞部8に銅またはアルミニウム等の導電
性材を配置することにより、回転子3が回転磁界に対し
て非同期時に導電性材に渦電流が生じて、回転子が同期
に入ることができる。すなわち、自己起動と安定した回
転が得られる。その他、第1及び第4の実施の形態と同
様の作用効果がある。
【0107】(第13の実施の形態)(請求項14対
応) 図11は本発明の第13の実施の形態の永久磁石式のリ
ラクタンス型回転電機の回転子の径方向断面図である。
【0108】この実施の形態では、回転子鉄心4の外周
部に穴を設けて、軸方向に銅バー13を挿入して回転子
3を構成する。銅バー13はその端部において互いに電
気的に接続される。その他の構成は第1及び第4の実施
の形態と同様であるため、重複説明を省略する。
【0109】非同期時に銅バー13には、誘導電流が流
れるため、自己起動と安定した回転を得る作用がある。
また、インバータ駆動時の高調波電流による渦電流を吸
収できる。その他、第1及び第4の実施の形態と同様の
作用効果がある。
【0110】(第14の実施の形態)(請求項15対
応) 図12および図13は本発明の第14の実施の形態の永
久磁石式のリラクタンス型回転電機の回転子の径方向断
面図である。
【0111】この永久磁石式リラクタンス型回転電機で
は、回転子鉄心4の軸方向端部に磁性のエンドリング1
2を配置し、回転子鉄心4と磁性のエンドリング12は
磁気的に結合されている回転子3から構成される。その
他の構成は、第1の実施の形態と同様である。
【0112】電機子電流により、回転子鉄心4内の永久
磁石6の磁化方向と逆方向の電機子反作用磁界を与えた
とき、永久磁石6の磁束φmの一部は軸方向を通り磁性
のエンドリング12を通って回転子で閉じた磁路を構成
する。すなわち、効果的に漏れ磁束を生じさせることが
でき、電機子コイル2との鎖交磁束量を調整できるので
端子電圧を電機子電流により容易に調整できる。また、
図13に示すように漏れ磁束と有効磁束の割合は回転子
鉄心4と磁性のエンドリング12間の空隙13の幅で調
整できる。その他、第1の実施の形態と同様の作用効果
がある。
【0113】
【発明の効果】請求項1及び2の発明によれば、電機子
電流による磁極間の中心軸方向成分の磁束と逆方向の磁
束を形成する永久磁石を回転子鉄心の磁極間部に配置
し、さらに永久磁石の周囲に永久磁石の短絡磁路を形成
する磁性部を設ける。これにより、負荷時の磁極間上の
空隙磁束密度は低減する。すなわち、回転子の空隙面で
磁気的な凹凸が大となり、回転子位相により磁気エネル
ギーの変化が大きくなるので、出力が著しく増加する。
また、力率も増加する。
【0114】また、永久磁石は回転子鉄心内に配置され
ているので、短絡時の漏れ磁束の発生により永久磁石内
の反磁界は小さくなり、さらに電機子反作用の影響も緩
和されるので、高温、電機子反作用による減磁界に対し
て強くなる。
【0115】本発明では、永久磁石の鎖交磁束が少なく
て高出力が得られることから次の効果もある。少ない永
久磁石の鎖交磁束を電機子電流(トルク電流成分)で打
ち消し、電機子電流の励磁電流成分の大きさにより端子
電圧を大幅に調整できるので、基底速度時の電圧を維持
して高速回転までの広範囲の可変速運転が可能となる。
さらに、回転電機に使用する永久磁石の体積も少なくな
る。また、永久磁石の鎖交磁束が少ないので無負荷、軽
負荷時の鉄損が少なくなり、効率が向上する。
【0116】すなわち、小型・高出力で広範囲の可変速
運転が可能となる永久磁石を複合した永久磁石式リラク
タンス型回転電機を提供することができる。
【0117】請求項3の発明によれば、磁極を通る励磁
電流成分の磁束と永久磁石の磁化方向は電気角でほぼ垂
直な関係であるので、電流による磁極部の磁気飽和が緩
和され、リラクタンストルクは大となる。
【0118】請求項4の発明によれば、磁極間に非磁性
部を設けたため磁極間方向の磁気抵抗は著しく増加す
る。したがって、空隙磁束分布に変化の大きな凹凸がで
きるので、磁気エネルギ変化が著しく大となり、大きな
出力が得られる。
【0119】請求項5の発明によれば、回転子鉄心の磁
極(凸部分)の幅を磁極ピッチ(一つの磁極中心から隣
極の磁極中心までの距離)の0.3〜0.5倍とする。
【0120】磁極間の比率をこの範囲に設定すると、回
転子位置に対する空隙磁束密度分布の変化を効果的に大
にできるので高出力の回転電機が得られる。
【0121】請求項6の発明によれば、磁極間の外周の
磁性部により、固定子の歯に対して回転子の表面部には
全周に磁性部材があるので、固定子のスロットによる磁
気抵抗変化は小となりスロットリプルは小となる。ま
た、回転子表面は滑らかなので、風損も低減できる。さ
らに、磁極間の外周の磁性部により永久磁石に作用する
電機子電流による減磁界を抑制できる。
【0122】請求項7の発明によれば、永久磁石の径方
向内側端部に非磁性部が設けられるので、永久磁石から
の漏れ磁束を低減できる。これにより、回転電機の特性
を大幅に低下させることなく、永久磁石の体積を減らす
ことができる。
【0123】請求項8の発明によれば、第1の非磁性部
が永久磁石からみた磁気抵抗を大きく増加させないの
で、少量の永久磁石で十分な磁束を確保することができ
る。請求項9の発明によれば、磁極間部分では、空隙長
は磁極部の空隙長より長いので、磁気的な凹凸は大きく
なり、リラクタンストルクは増加する。
【0124】請求項10の発明によれば、負荷電流を与
えたときに、磁極間の中心軸方向成分の電機子電流の磁
束と永久磁石の磁束が打ち消し合って、磁極間の中心軸
方向の合成磁束がほぼ0となるので、磁極間の中心軸方
向成分の磁束で誘導される電圧は0となる。したがっ
て、端子電圧は磁極軸方向成分の磁束で誘導されるの
で、低電圧と高力率が得られる。
【0125】請求項11の発明によれば、高速回転速度
域で誘導電圧が高くなると、励磁電流成分である磁極軸
方向の磁束を形成する電機子電流成分を小さくなるよう
に調整し、電圧を一定にできる。これより、一定出力で
広範囲の可変速運転と高力率が実現できる。
【0126】請求項12の発明によれば、短絡電流、ブ
レーキ力を許容値以下になるように誘導電圧を小にでき
る。これにより、短絡事故が発生しても、回転電機及び
装置の不具合を防ぐことができる。
【0127】請求項13の発明によれば、回転子が回転
磁界に対して非同期時に導電材に渦電流が生じて、回転
子が同期に入ることができる。すなわち、自己起動と安
定した回転が得られる。
【0128】請求項14の発明によれば、非同期時にこ
の導体に誘導電流が流れるため、自己起動と安定した回
転を得ることができる。また、インバータ駆動時の高調
波電流による渦電流を吸収できる。
【0129】請求項15の発明によれば、効果的に漏れ
磁束を生じさせることができるので、電機子コイルとの
鎖交磁束量を調整でき端子電圧を電機子電流により容易
に調整できる。また、漏れ磁束と有効磁束の割合は鉄心
とエンドリング間の空隙長で調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1,2,9,10,11の実施の形
態の永久磁石式リラクタンス型回転電機の径方向断面
図。
【図2】本発明の第1〜14の実施の形態の永久磁石式
リラクタンス型回転電機において、電機子電流の磁極軸
方向成分の磁束の流れを示した径方向断面図。
【図3】本発明の第1〜14の実施の形態の永久磁石式
リラクタンス型回転電機において、電機子電流の磁極間
の中心軸方向成分の磁束の流れを示した径方向断面図。
【図4】本発明の第1〜14の実施の形態の永久磁石式
リラクタンス型回転電機において、永久磁石の磁束の流
れを示した径方向断面図。
【図5】本発明の第3の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図6】本発明の第4の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図7】本発明の第5の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図8】本発明の第6の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図9】本発明の第7の実施の形態の永久磁石式リラク
タンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図10】本発明の第8の実施の形態の永久磁石式リラ
クタンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図11】本発明の第13の実施の形態の永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機の回転子の径方向断面図。
【図12】本発明の第14の実施の形態の永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機の軸方向断面図。
【図13】本発明の第14の実施の形態の永久磁石式リ
ラクタンス型回転電機の軸方向断面図。
【図14】従来のリラクタンス型回転電機の径方向断面
図。
【符号の説明】
1 固定子 2 電機子コイル 3 回転子 4 回転子鉄心 5 空洞 6 永久磁石 7 磁性部 8 第1の非磁性部 9 磁性部 10 磁性部 11 エンドリング 12 第2の非磁性部 13 銅バー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 徳増 正 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 高畠 幹生 神奈川県横浜市鶴見区末広町2丁目4番地 株式会社東芝京浜事業所内 (72)発明者 黒澤 良一 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 (72)発明者 中沢 洋介 東京都府中市東芝町1番地 株式会社東芝 府中工場内 Fターム(参考) 5H619 AA00 AA01 AA05 BB01 BB22 BB24 PP02 PP04 PP08 5H621 AA03 GA07 GB10 HH01 HH07 HH10 JK08 PP10 5H622 AA03 CA02 CA07 CA13 CB03 DD02 PP03 PP07 PP17

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電機子コイルを持つ固定子と、周方向に
    磁気的に凹凸を有する回転子とを備え、この回転子の隣
    合う磁極間を通る電機子の磁束を打ち消すような永久磁
    石が鉄心に設けられ、前記永久磁石は回転子の磁化の容
    易方向とは異なる方向に磁化されており、電機子コイル
    の無励磁時に永久磁石の発生する磁束の30%以上が回
    転子内に分布し、負荷時に永久磁石による鎖交磁束が電
    流と永久磁石の合成の鎖交磁束の10%以上となるよう
    に回転子に磁性部を設けたことを特徴とする永久磁石式
    リラクタンス型回転電機。
  2. 【請求項2】 電機子コイルを持つ固定子と、周方向に
    磁気的に凹凸を有する回転子とを備え、この回転子の磁
    極間を通る電機子の磁束を打ち消すような永久磁石が鉄
    心に設けられ、前記永久磁石は回転子の磁化容易方向と
    は異なる方向に磁化されており、電機子コイルの無励磁
    時に永久磁石の発生する磁束の80%以上が回転子内に
    分布し、負荷時に永久磁石による鎖交磁束が電流と永久
    磁石の合成の鎖交磁束の5%以上となるように回転子に
    磁性部を設けたことを特徴とする永久磁石式リラクタン
    ス型回転電機。
  3. 【請求項3】 永久磁石の磁化方向をほぼ周方向とした
    ことを特徴とする請求項1及び2記載の永久磁石式リラ
    クタンス型回転電機。
  4. 【請求項4】 前記磁極間には第1の非磁性部を設けた
    回転子からなることを特徴とする請求項1から3記載の
    永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  5. 【請求項5】 磁極鉄心幅を磁極ピッチの0.3〜0.
    5倍としたことを特徴とする請求項1から4記載の永久
    磁石式リラクタンス型回転電機。
  6. 【請求項6】 磁極と磁極を磁気的に結合するように磁
    極間の外周に磁性部を設けたことを特徴とする請求項1
    から5記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  7. 【請求項7】 永久磁石の径方向内側部分から漏れる磁
    束を低減するように第2の非磁性部を配置したことを特
    徴とする請求項1から6記載の永久磁石式リラクタンス
    型回転電機。
  8. 【請求項8】 前記磁極間には第1の非磁性部を設け、
    永久磁石からみた外部磁気抵抗が著しく大とならないよ
    うに前記第1の非磁性部が配置されたことを特徴とする
    請求項1から7記載の永久磁石式リラクタンス型回転電
    機。
  9. 【請求項9】 回転子鉄心と固定子鉄心間の空隙長は、
    磁極部よりも磁極間部で長くされたことを特徴とする請
    求項1から8記載の永久磁石式リラクタンス型回転電
    機。
  10. 【請求項10】 電機子電流による磁極間の中心軸方向
    成分の磁束と永久磁石の磁束が打ち消し合って、磁極間
    方向の合成磁束がほぼ0となることを特徴とする請求項
    1から9記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  11. 【請求項11】 磁極間の中心軸方向の磁束を形成する
    電機子電流成分が最大の状態で、前記電機子電流成分に
    よる磁極間の中心軸方向の磁束と永久磁石の磁束が打ち
    消し合って、磁極間の中心軸方向の合成磁束がほぼ0と
    なることを特徴とする請求項1から10記載の永久磁石
    式リラクタンス型回転電機。
  12. 【請求項12】 電気的に短絡したときに永久磁石の磁
    束により生じる電機子電流において、電流で生じるジュ
    ール損による発熱が回転電機の熱的許容値以下、また
    は、電流で生じるブレーキ力が装置の許容値以下となる
    ように電機子電流が0の場合の永久磁石が作る磁束の電
    機子コイルとの鎖交磁束数を決定したことを特徴とする
    請求項1から11記載の永久磁石式リラクタンス型回転
    電機。
  13. 【請求項13】 回転子鉄心の磁極間に永久磁石を配置
    し、磁極間の第1非磁性部に導電材を設けたことを特徴
    とする請求項4および8記載の永久磁石式リラクタンス
    型回転電機。
  14. 【請求項14】 回転子鉄心内に軸方向に延びる導体を
    周方向に分布させて設けたことを特徴とする請求項1か
    ら13記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
  15. 【請求項15】 回転子鉄心の軸方向端部に磁性のエン
    ドリングが配置されたことを特徴とする請求項1から1
    4記載の永久磁石式リラクタンス型回転電機。
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