JP4720024B2 - 永久磁石形同期電動機 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば工作機械や半導体製造装置などのFA分野で、高加減速の回転運動が要求されるダイレクトドライブ用の永久磁石形同期電動機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、工作機械や半導体製造装置などの分野で、高加減速の回転運動が要求されるダイレクトドライブの永久磁石形同期電動機は、モータ体格に対し大きな最大トルクを得られるものが望まれている。例えば、このような永久磁石形同期電動機として、特願昭57−192077に開示されているものがある。図8は従来の永久磁石形同期電動機であって、(a)はその断面図を示したもの、(b)は(a)における磁極の拡大図を示したものであり、図中矢印の向き(↑↓)は各永久磁石の磁化方向を示している。また、(b)は、図(a)中に示す回転座標系r−θにおけるr−θを直角座標系として展開し図示している。
図において、1は回転子、2は誘導子、3は誘導子歯、10は固定子、11は電機子、12は電機子コア、13はティース、14は継鉄、15は電機子巻線、16は磁極、18は永久磁石である。
回転子1は、回転方向に所定角度λで誘導子歯3が形成された磁性体からなる誘導子2によって構成される。例えば、この磁性体の材料には積層された電磁鋼板が用いられる。
固定子10は、6つのティース13とそれらをつなぐ継鉄14が一体となった電機子コア12、6つのティース13に集中巻された3相(U、V、W)の電機子巻線15、各ティース13先端に設けられた磁極16からなる電機子11によって構成される。例えば、電機子コア12の材料には積層された電磁鋼板が用いられる。6極からなる1個の磁極16は、その角度ピッチPmがλ/2となるように、隣接するものどうしが互いに異極になるように永久磁石18が6個配置されている。つまり、隣り合った永久磁石18の磁化方向の角度差θは180度で、1極当たりの磁極に使われる永久磁石数nは1である。隣接するティース13間の角度は、ティース13が6個で構成されているため60°である。回転子1は図示しない軸受によって、その回転方向に回転自在に支持されている。
【0003】
次に動作原理について説明する。
永久磁石18の磁束は、ティース13、継鉄14、空隙、誘導子歯3によって構成される磁気回路を流れる。各相のティース13の位相差が電気角で120度なので、回転子1を動かすと互いに電気角120度差の磁束が各相電機子巻線15に鎖交し、電機子巻線15には3相の誘起電圧が発生する。逆に各相の電機子巻線15に3相の正弦波電流を通電すると3相同期モータとしてトルクを発生し、回転子1が回転運動する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来技術の永久磁石形同期電動機では、電機子巻線15に通電する電流とトルクの関係において、電流の増加に応じてトルクが発生しなくなり所定の最大トルクを得られない、いわゆる図2に示すごとく、トルクが飽和する非線形の領域が存在する。このトルクの飽和現象は、電機子巻線15の作る磁束に永久磁石18の磁束が重畳した磁束(発生トルクに比例した磁束を意味し、以下、「主磁束」という。)が誘導子歯3で飽和するために起こる。電流が小さければトルクは線形性を確保するものの、誘導子歯3の飽和磁束密度を超える主磁束に相当した電流が流れるとトルクは非線形になる。さらに、電流を大きくすると誘導子歯3を通る磁束は完全に飽和し、電流を幾ら大きくしてもトルクが全く変わらなくなる。このため、従来技術の永久磁石形同期電動機の場合、上記のトルク飽和の現象が原因となり、要求された加減速の回転性能を出しきれないという問題があった。そこで、永久磁石形同期電動機のトルクの線形性を向上するには、誘導子歯3の磁気飽和を抑えるか、電機子11と誘導子2間における空隙の磁束密度を高める磁極構造を採用するかの何れかの対策が必要である。前者は、トルクの線形性を向上する誘導子歯3の歯幅が検討され、すでに公知技術である。後者は、最近の希土類系高性能永久磁石により可能となるが、飛躍的な向上は見られず、別の改善策が必要な状況にある。
本発明は上記課題を解決するためになされたものであり、電機子と誘導子間における空隙の磁束密度を高め、従来に比べて最大トルクを大幅に向上することが可能な磁極構造を有した永久磁石形同期電動機を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記問題を解決するため、本発明は、 電磁鋼板を積層してなる電機子コアのティースに巻装された電機子巻線と前記ティース先端に配置された複数の磁極(1極あたりの角度を磁極ピッチPm)を有する電機子と、前記磁極と空隙を介して対向配置されるとともに磁性体からなる誘導子歯を有する誘導子とを備え、前記電機子と前記誘導子のいずれか一方を固定子に、他方を回転子として相対運動を行う永久磁石形同期電動機において、1極あたりの前記磁極を、交互に磁化方向が異なるように隣接して配置されたn個(nは2以上の整数)の永久磁石で構成したものである。これにより、誘導子歯の側面と先端部に流れ込む主磁束が増えるため、電機子と誘導子間における空隙の磁束密度を高め、従来技術よりも各電流値におけるトルクおよび最大トルクを向上することができる。また本発明は、前記1極あたりの磁極内に配置されるn個の隣り合う永久磁石同志の磁化方向の角度差θを、互いにθ=180°/nずつずらしたものであってもよいこれにより、上記と同様に、誘導子歯の側面と先端部に流れ込む主磁束が増えるため、電機子と誘導子間における空隙の磁束密度を高め、従来技術よりも各電流値におけるトルクおよび最大トルクを向上することができる。また本発明は、前記1極あたりの磁極内に前記永久磁石を2個配置したときに、磁極ピッチ方向の角度幅をWaとする一方の永久磁石の磁化方向を回転子の回転方向と一致させると共に、磁極ピッチ方向の角度幅をWbとする他方の永久磁石の磁化方向を回転子の径方向と一致させ、磁極ピッチPmと前記他方の永久磁石の角度幅Wbとの関係を、0.3≦Wb/Pm<1.0 としたものであってもよいこれにより、上記と同様に、誘導子歯の側面と先端部に流れ込む主磁束が増えるため、電機子と誘導子間における空隙の磁束密度を高め、従来技術よりも各電流値におけるトルクおよび最大トルクを向上することができる。特に、他方の永久磁石の角度幅Wbが磁極ピッチの0.6倍の場合、従来技術に比べ最大トルクを10%向上することができる。また本発明は、前記1極あたりの磁極内に前記永久磁石を2個配置したときに、一方の永久磁石の磁化方向η1を回転方向に対して0°<η1<90°の角度だけずらすとともに、他方の永久磁石の磁化方向η2を一方の永久磁石の磁化方向η1に対して、η2=180°−η1の角度だけずらし、磁極ピッチ方向の角度幅Wcとした永久磁石Cと角度幅Wdとした永久磁石Dから成るn=2個の前記磁極において、前記2個の永久磁石の磁極ピッチ方向における角度幅を等しくしたものであってもよいこれにより、上記と同様に電機子と誘導子間における空隙の磁束密度が高めることができ、従来技術よりも最大トルクを向上することができる。さらに、すべて同じ永久磁石によって構成できるため、部品点数を少なくし、磁極組み立てを容易にすることができる。また本発明は、電磁鋼板を積層してなる電機子コアのティースに巻装された電機子巻線と前記ティース先端に配置された複数の磁極(1極あたりの角度を磁極ピッチPm)と有する電機子と、前記磁極と空隙を介して対向配置されるとともに磁性体からなる誘導子歯を有する誘導子とを備え、前記電機子と前記誘導子のいずれか一方を固定子に、他方を回転子として相対運動を行う永久磁石形同期電動機において、前記複数の磁極を、回転方向に向かって磁化方向が円弧状となるように多極着磁された永久磁石で構成したものであってもよいこれにより、上記と同様に従来技術に対し最大トルクを向上させることができる。さらに、複数の磁極を1個の永久磁石で構成しているため、部品点数を大幅に少なくできるとともに磁極の組み立てを容易にし、磁極の機械的強度も増すことができる。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例を図に基づいて説明する。
図1は本発明の第1の実施例を示す永久磁石形同期電動機であって、(a)はその断面図、(b)は(a)における磁極の拡大図である。なお、図中矢印の向き(↑↓)は各永久磁石の磁化方向を示している。また、図(a)中に示す座標系r−θにおいて、(b)はr−θを直角座標系として展開し図示している。以下、本発明の構成要素が従来技術と同じ構成要素については、同一符号を付してその説明を省略し、異なる点のみ説明する。
図において、17aは磁極ピッチ方向の角度幅をWaとする永久磁石、17bは磁極ピッチ方向の角度幅をWbとする永久磁石を示している。
本発明が従来技術と基本的に異なる点は、以下のとおりである。
1極あたりの磁極を交互に磁化方向が異なるようにn個(nは2以上の整数)の永久磁石を隣接して配置し、隣り合う永久磁石同志の磁化方向の角度差θを、互いにθ=180°/nずつずらした点である。
図1に1極あたりの磁極をn=2個の永久磁石17a、17bで構成し、磁化方向の角度差θを、90°に設定した場合を示している。具体的には、一方の永久磁石17aの磁化方向を回転子の回転方向と一致させると共に、他方の永久磁石17bの磁化方向を回転子の径方向と一致させ、磁極ピッチPmと永久磁石17bの角度幅Wbとの関係を、0.3≦Wb/Pm<1.0としたものである。
なお、永久磁石形同期電動機の動作については、従来技術と基本的に同じなので省略する。
【0007】
次に、本発明の実施例によるトルク特性の効果の確認を図2、図3を用いて以下に説明する。
図2は本発明と従来技術の電機子巻線に通電する電流とトルクの関係を示した図である。図3は本発明の実施例による磁極と誘導子歯間における主磁束の流れを示した説明図であって、(a)は第1の実施例、(b)は従来技術の場合である。
従来技術における主磁束は、図3(b)に示すごとく誘導子歯3の側面と先端に分かれて流れ込む。誘導子歯3の先端に流れ込む主磁束は、その磁極構図から、回転方向に向いて流れる主磁束の分布が疎になっている。つまり、トルクは小さいことを意味している。
これに対して、第1の実施例では、図3(a)に示すごとく磁化方向を回転方向となる永久磁石17aにより、誘導子歯3の側面と先端部に流れ込む主磁束の分布が密になっている。つまり、従来技術よりも大きなトルクを得ることを意味している。したがって、本発明の第1の実施例は上記の磁極構造を採用することで、永久磁石17a、17bによる空隙の磁束密度を、図2に示すように、従来技術よりも各電流値におけるトルクおよび最大トルクを大幅に向上することができる。
また、次に、永久磁石の角度幅と最大トルクの関係における効果の確認について説明する。
図4は、磁極ピッチPmに対する永久磁石17bの角度幅Wbの比(Wb/Pm)と従来技術に対する本発明の最大トルク比の関係をグラフに表したものである。図において、Wb/Pm<0.3では従来技術よりも低下し、0.3≦Wa/Wb<1.0の範囲では従来技術よりも大きな最大トルクを得ることがわかる。
特に、Wb/Pm=0.6付近で最大トルクは10%向上する。
【0008】
次に第2の実施例について説明する。
図5は、本発明の第2の実施例における磁極の拡大図であって、第1の実施例の図1(b)に相当するものである。なお、図中矢印の向きは、第1の実施例と同様に各永久磁石の磁化方向を示している。また、図5は、図1(a)における回転座標系r−θを、直角座標系として展開し図示している。
第2の実施例が第1の実施例と異なる点は、1極あたりの磁極内に2個の永久磁石17c、17dを配置したときに、一方の永久磁石17cの磁化方向η1を回転方向に対して0°<η1<90°の角度だけずらすとともに、他方の永久磁石17dの磁化方向η2を一方の永久磁石17cの磁化方向η1に対して、η2=180°−η1の角度だけずらし、永久磁石17c、17dの磁極ピッチ方向における角度幅Wc、Wdを等しくした点である。
第2の実施例は、第1の実施例と同様に電機子と誘導子間における空隙の磁束密度が高まるため、従来技術よりも最大トルクを向上することができる。
また、第1の実施例で用いた永久磁石が、回転子の回転方向と同じ磁化方向を持つ一方の永久磁石17aおよびこの永久磁石17aと磁化方向を90°ずらした他方の永久磁石17bの2種類が必要であったの対して、第2の実施例では回転方向に対して磁化方向が対称な1種類の永久磁石で構成できるので、部品点数を少なくでき、磁極の組立てを容易にすることができる。
なお、永久磁石形同期電動機の動作は従来例と同じであり、トルク向上の理由は第1の実施例と基本的に同じなので説明を省略する。
【0009】
次に第3の実施例について説明する。
図6は、本発明の第3の実施例における磁極の拡大図であって、第1の実施例の図1(b)に相当するものである。なお、図中矢印の向きは、第1、第2の実施と同様に各永久磁石の磁化方向を示している。また、図6は、第2の実施例同様、図1(a)における回転座標系r−θを、直角座標系として展開し図示したものである。
第3の実施例が、第1および第2の実施例と異なる点は、1極あたりの磁極が、互いに磁化方向の異なる4個の永久磁石17e、17f、17g、17hを隣接して配置させた点である。第3の実施例は、第1および第2の実施例と同様に、電機子と誘導子間における空隙の磁束密度が高まるため、従来技術よりも最大トルク向上することができる。
また、第3の実施例は、第1の実施例において直交する磁化方向を有する永久磁石17aと17b間で起き易い逆磁界による不可逆的減磁作用の無い磁極構造となっている。第1の実施例では、隣接する永久磁石17aと17bの磁化方向が90度であるため、永久磁石17aが逆磁界起磁力源となり、永久磁石17bに部分的に逆磁界を与えている。そこで、第3の実施例では、永久磁石17eと17gの間に45°の傾斜方向を磁化方向とする永久磁石17fを挿入している。この結果、隣接する永久磁石の磁化方向は滑らかな変化となる不可逆的減磁作用の無い磁極構造を構成することができる。
【0010】
次に第4の実施例について説明する。
図7は、本発明の第4の実施例における磁極の拡大図であって、第1の実施例の図1(b)に相当するもである。なお、図中矢印の向きは、第1〜3の実施例と同様に各永久磁石の磁化方向を示している。また、図7は、第2、3の実施例同様、図1(a)における回転座標系r−θを、直角座標系として展開し図示したものである。
第4の実施例が、第1〜3の実施例と異なる点は、複数の磁極内に配置される永久磁石は、回転方向に向かって磁化方向が円弧状となるように多極着磁されたものであって、6極着磁した1個の永久磁石17iによって構成した点である。
第4の実施例は、第1〜第3の実施例と同様に従来技術に対し最大トルクを向上させることができる。
また、第4の実施例では複数の磁極を1個の永久磁石で構成しているので、部品点数も少なくできるとともに、磁極の組立てを容易にし、磁極の機械的強度も増す利点を備えている。
【0011】
なお、回転動作は従来技術および第1〜3の実施例と同じであり、トルク向上の理由については、第1の実施例と基本的に同じなので省略する。
以上の実施例では、誘導子歯を回転子側に、永久磁石を固定子のティース先端に配置する構造としたが、永久磁石を備えた電機子を回転子に、誘導子歯を備えた誘導子を固定子とする構造としても構わない。
また、誘導子歯を誘導子の先端に、永久磁石を電機子のティース先端に配置する構造としたが、誘導子歯を電機子のティース先端に、永久磁石を誘導子の先端に設ける構造としても構わず、本発明の効果を同じく発揮できることは言うまでもない。
【0012】
【発明の効果】
以上のような構成により、以下の効果を得ることができる。
(1)第1の実施例によれば、1極あたりの磁極内に配置されるn個の隣り合う永久磁石同志の磁化方向の角度差θを、互いにθ=180°/nずつずらす構成にした。また、1極あたりの磁極内に永久磁石を2個配置したときに、磁極ピッチ方向の角度幅をWaとする一方の永久磁石の磁化方向を回転子の回転方向と一致させ、磁極ピッチ方向の角度幅をWbとする他方の永久磁石の磁化方向を回転子の径方向と一致させ、磁極ピッチPmと他方の永久磁石の角度幅Wbとの関係を、0.3≦Wb/Pm<1.0とした。このような構成により、誘導子歯の側面と先端部に流れ込む主磁束を増やし、電機子と誘導子間における空隙の磁束密度を高めることができる。その結果、従来技術よりも各電流値におけるトルクおよび最大トルクを向上することができる。特に、他方の永久磁石の角度幅Wbが磁極ピッチの0.6倍の場合、従来技術に比べ最大トルクを10%向上することができる。
(2)第2の実施例によれば、1極あたりの磁極内に2個の永久磁石を配置したときに、一方の永久磁石の磁化方向η1を回転方向に対して0°<η1<90°の角度だけずらすとともに、他方の永久磁石の磁化方向η2を一方の永久磁石の磁化方向η1に対して、η2=180°−η1の角度だけずらし、2個の永久磁石の磁極ピッチ方向における幅Wc、Wdを等しくする構成とした。その結果、第1の実施例と同様に電機子と誘導子間における空隙の磁束密度が高まることから、従来技術よりも最大トルクを向上することができる。さらに、すべて同じ永久磁石によって構成できるため、部品点数を少なくし、磁極の組み立てを容易にすることができる。
(3)第3の実施例によれば、1極あたりの磁極を、互いに磁化方向の異なる4個の永久磁石を用いて隣接して配置する構成とした。その結果、第1および第2の実施例と同様に電機子と誘導子間における空隙の磁束密度が高まるため、従来技術よりも最大トルクを向上することができる。さらに、回転子の回転方向と径方向を磁化方向とする永久磁石間に起こる不可逆的減磁作用を防ぐ効果がある。
(4)第4の実施例によれば、複数の磁極内に配置される永久磁石を、回転方向に向かって磁化方向が円弧状となるように多極着磁する構成とした。その結果、第1〜第3の実施例と同様に従来技術に対し最大トルクを向上させることができる。さらに、複数の磁極を1個の永久磁石で構成しているため、部品点数を大幅に少なくできるとともに磁極の組み立てを容易にし、磁極の機械的強度も増すことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す永久磁石形同期電動機であって、(a)はその断面図、(b)は(a)における磁極の拡大図である。
【図2】本発明と従来技術の電機子巻線に通電する電流とトルクの関係を示した図である。
【図3】本発明の実施例による磁極と誘導子歯間における主磁束の流れを示した図であって、(a)は本実施例、(b)は従来技術の場合である。
【図4】本発明の第1実施例における、磁極ピッチPmに対する永久磁石17bのWbの比(Wb/Pm)と従来技術に対する本発明の最大トルク比との関係をグラフに表したものである。
【図5】本発明の第2の実施例における磁極の拡大図であって、第1の実施例の図1(b)に相当するものである。
【図6】本発明の第3の実施例における磁極の拡大図であって、第1の実施例の図1(b)に相当するものである。
【図7】本発明の第4の実施例における磁極の拡大図であって、第1の実施例の図1(b)に相当するものである。
【図8】従来技術の永久磁石形同期電動機であって、(a)はその断面図、(b)は(a)における磁極の拡大図である。
【符号の説明】
1 回転子
2 誘導子
3 誘導子歯
10 固定子
11 電機子
12 電機子コア
13 ティース
14 継鉄
15 電機子巻線
16 磁極
17a、17b、17c、17d、17e、17f、17g、17h、17i 永久磁石

Claims (1)

  1. 電磁鋼板を積層してなる電機子コアのティースに巻装された電機子巻線と前記ティース先端に配置された複数の磁極(1極あたりの角度を磁極ピッチPm)を有する電機子と、前記磁極と空隙を介して対向配置されるとともに磁性体からなる誘導子歯を有する誘導子とを備え、前記電機子と前記誘導子のいずれか一方を固定子に、他方を回転子として相対運動を行う永久磁石形同期電動機において、
    前記複数の磁極を、前記誘導子側の極性が交互に異なるように前記回転子の回転方向に隣接させて並べ、
    1極あたりの前記磁極を、前記回転方向に隣接させて並べた2個の永久磁石で構成し、
    前記2個の永久磁石のうち、一方の永久磁石の磁化方向η1を前記回転方向に対して0°<η1<90°の角度だけずらすとともに、他方の永久磁石の磁化方向η2を前記一方の永久磁石の磁化方向η1に対して、η2=180°−η1の角度だけずらし、
    前記2個の永久磁石の形状を、同一形状とし、
    前記回転子の回転軸方向と垂直な断面において、
    前記2個の永久磁石の断面形状それぞれを、前記ティース先端に沿うように曲げた形状としたことを特徴とする永久磁石形同期電動機。
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