JP2000113996A - 放電ランプ点灯装置 - Google Patents

放電ランプ点灯装置

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JP2000113996A
JP2000113996A JP28177098A JP28177098A JP2000113996A JP 2000113996 A JP2000113996 A JP 2000113996A JP 28177098 A JP28177098 A JP 28177098A JP 28177098 A JP28177098 A JP 28177098A JP 2000113996 A JP2000113996 A JP 2000113996A
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discharge
lamp
lighting device
lighting
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JP28177098A
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Mitsuharu Miyazaki
光治 宮崎
Satoshi Kominami
智 小南
Shigeru Horii
堀井  滋
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Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電ランプ、特にHIDランプ(高輝度放電
ランプ)を水平点灯した時に発生する有害な重力誘導対
流による放電アークの湾曲を低減する放電ランプ点灯装
置に関し、放電アークの変形などの不安定現象を防止す
る。 【解決手段】 放電アークをストレートにするモードを
励起する音響的共鳴周波数の周波数成分を有する波形の
中心線が一定レベルに保持されている波形信号を発生す
る発生手段13と、波形信号の中心線が音響的共鳴周波
数より低い変調周波数で極性が交互に変化するごとく波
形信号を変調させると共に変調信号を発生する変調手段
14を有し、波形信号のピークからピークまでの値を
α、変調信号の実効値をβ、とした場合の変調深度α/
βが、放電ランプの点灯初期に定格点灯時以下の値にな
る期間を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、放電ランプ特にH
IDランプ(高輝度放電ランプ)を水平点灯した時に発
生する、重力誘導対流による放電アークの湾曲を、低減
できる放電ランプ点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、HIDランプは、高効率・長寿命
という特徴から屋外照明分野などに広く応用されてい
る。中でもメタルハライドランプは演色性が良く、その
特性をいかし屋外照明分野のみならず、屋内照明分野に
も普及しつつあり、さらには映像機器用の光源・車両の
前照灯用光源として注目されている。
【0003】従来の放電ランプ点灯装置では、数KHz以
上の高周波で点灯すると有害な音響的共鳴現象が起こ
り、放電アークの揺らぎや立ち消え等が生じていた。そ
のような問題を解決する方法としては、昭和58年照明
学会東京支部大会論文集No.10に記載されたものがあ
る。この放電ランプ点灯装置では、放電ランプであるH
IDランプに低周波(数100Hz)の矩形波電流を供
給することでHIDランプ特有の、音響的共鳴現象に起
因した放電アークのゆらぎ・立ち消え・ランプ破壊を防
止し、安定に点灯できることを開示している。
【0004】しかし、この種の点灯装置でHIDランプ
を水平点灯すると、安定に点灯できるものの、放電空間
内に発生する温度分布による重力誘導対流の影響で、放
電アークが上方向に弓なりに湾曲する。そのため放電空
間上部の温度上昇が大きくなり、放電空間を画定するガ
ラスエンベロープ材料である石英ガラスの劣化すなわち
失透や変形が大きくランプの寿命が短くなるとともに、
放電空間下部の最冷点温度の低下によるランプ効率低下
という問題点があった。
【0005】特に近年、映像機器用の光源・車両の前照
灯用光源として注目されているメタルハライドランプ
は、短アーク化が進みつつあり、ランプ点灯中の放電空
間の充填物により発生する圧力を、より高くする必要が
ある。その圧力の増大は、重力誘導対流を増大させ、放
電アークの湾曲がより大きくなり、ランプの寿命及び効
率をさらに悪化させる。
【0006】この問題点を解決する放電ランプ点灯装置
として、特公平7−9835号公報に記載のものがあ
る。この放電ランプ点灯装置を図10を用いて説明す
る。
【0007】図10は、上述した従来の放電ランプ点灯
装置(特公平7−9835号公報)で放電ランプを点灯
させた時の点灯後の経過時間に対するランプ電流波形の
変化を示した図である。直流波形51に、交流波形52
を重畳させたものである。この交流波形52の作用によ
り、特定の形態の音響的共鳴が起こり、放電ランプの充
填物の重力誘導対流の影響が低減され、その結果放電ア
ークがストレートになる。
【0008】この物理的背景として考えられることとし
ては、交流波形52で決まる周波数の粗密波が放電アー
クから発生して定在波が発生し、この定在波が、湾曲し
ようとする放電アークを強制的にストレートにさせると
考えられる。
【0009】放電アークをストレートにすると、放電ラ
ンプの寿命を短くする要因である放電空間上部の石英ガ
ラスの温度を低下させることができランプを長寿命化で
きるとともに、放電空間下部の最冷点温度の上昇によっ
て発光効率を向上できるなどの利点がある。
【0010】さらに、図10では、放電ランプが定格点
灯に達するまでの期間、直流波形51のレベルを大きく
しておくことで、点灯後即時に所定の光出力を得ること
ができる。同時に、定格点灯に達するまでの期間、直流
波形51のレベルに対する交流波形52で発生するリッ
プルの割合(交流波形52の最大値から最小値を引いた
ものを直流波形51の値で割ったもの)を小さくでき
る。そのため、定格点灯に達するまでの期間に、放電空
間内のガス温度が変化し、放電アークをストレートにす
る周波数が変化しても放電アークが不安定になることな
く、放電ランプの点灯初期から安定な放電アークを得る
ことができることを教示している。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記の従
来の放電ランプ点灯装置では、放電ランプに一方方向の
電流が流れるので、放電ランプの放電空間の電界強度は
周期的に変化するものの常に一方方向の電界が発生す
る。そのため充填物が片寄るカタホレシス現象により、
放電アークに色むらが発生するという問題があった。ま
た、電極軸上の温度は陽極側が高く陰極側が低い非対称
な温度分布となっているため、放電アークをストレート
にするモードを励起する周波数を重畳させても、放電ア
ークの湾曲は多少小さくなるものの、それほどストレー
トになるものではなかった。
【0012】そこで、本発明者等はこの問題を解決した
発明を出願している(日本特許出願(特願平8−220
938、特願平9−69502、特願平9−22500
1)や、米国特許出願(シリアル番号08/915641))。
【0013】その内容は、「放電空間を画定するガラス
エンベロープと、前記ガラスエンベロープ内に密封され
た対向する一対の電極と、を有する放電ランプを点灯す
る装置において、前記一対の電極間で発生する放電アー
クをストレートにするモードを励起する音響的共鳴周波
数の周波数成分を有し、その波形の中心線が一定レベル
である波形信号を発生する発生手段と、前記波形信号の
中心線が、前記音響的共鳴周波数の周波数成分より低い
変調周波数で、極性が交互に変化するように、 前記波
形信号を変調する変調手段とを備えた放電ランプ点灯装
置」である。
【0014】この先願の発明によって、十分なるストレ
ートな放電アークが実現できた。
【0015】ところで、先願の発明でも、次にようなこ
とが考えられる。
【0016】すなわち、放電ランプの消灯時間が十分に
長かった後に点灯した場合は、放電空間内は放電ランプ
の周囲温度とほぼ一致する一様な温度分布になっている
ため、放電がスタートするときの絶縁破壊時、放電は大
きく変形することなく、一対の電極間の最短距離すなわ
ちストレート軌道で最も放電しやすく、その後この放電
を起点として放電アークに成長し安定なストレートの放
電アークを得ることができる。
【0017】しかしこれに対して、消灯時間が十分に長
くなくた再び点灯した場合には、安定なストレートの放
電アークを得ることができない場合もあり得るという不
都合が想定できる。
【0018】これは、放電ランプの点灯中に発生する放
電空間の温度分布(放電アークが存在する部位:約50
00K〜7000K、ガラスエンベロープ付近:約10
00K)の影響から、消灯後も所定の期間は、ガラスエ
ンベロープ付近に比較し、放電アークの存在した放電空
間中心付近が高温になることが原因と考えられる。
【0019】放電空間内に一様でない温度分布を持つ状
態で、放電ランプの放電がスタートすると、放電アーク
が存在した高温部は放電空間内粒子の運動エネルギーが
大きく、それを避けるように大きく湾曲して放電し、こ
の湾曲した放電が起点となるため、一対の電極間で歪ん
だ形の放電アークが形成される。
【0020】粗密波の発生源である放電アークが一旦湾
曲して発生してしまうと、その湾曲した状態から粗密波
が発生することになり、そのまま湾曲した状態で安定し
てしまう。
【0021】本発明は、上記の問題点を解決するもの
で、放電ランプの消灯時間などに関係なく、ストレート
の放電アークを安定に生成できる放電ランプ点灯装置を
提供することを目的としている。
【0022】
【課題を解決するための手段】本発明は、放電空間を画
定するガラスエンベロープと、前記ガラスエンベロープ
内に密封された対向する一対の電極と、を有する放電ラ
ンプを点灯する装置において、前記一対の電極間で発生
する放電アークをストレートにするモードを励起する音
響的共鳴周波数の周波数成分を有する波形信号を発生す
る発生手段と、前記波形信号の中心線が、前記音響的共
鳴周波数の周波数成分より低い変調周波数で、極性が交
互に変化するように、前記波形信号を変調する変調手段
を備え、前記波形信号のピークからピークまでの値を
α、前記変調された信号の実効値をβ、とした場合の変
調深度α/βが、前記放電ランプの点灯初期において、
定格点灯時における変調深度α/βの値以下の値になる
期間が存在することを特徴とする放電ランプ点灯装置で
ある。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照しながら説明する。
【0024】本発明の実施の形態を説明する前に、上述
した先願発明の説明を整理して説明する。
【0025】図1は、放電ランプの放電アークをストレ
ートにするための波形の一例を示す。この波形は、放電
ランプの放電空間媒質中の音速と、放電アークに交差す
る放電空間の長さとで決定される放電アークをストレー
トにするモードを励起する音響的共鳴周波数の周波数成
分f2に着目したものである。この周波数成分f2は放
電ランプの消灯時間が十分長く取られた後再点灯した条
件で得られる。そして、周波数成分f2で瞬時値が周期
的に変動する波形を、音響的共鳴周波数の周波数成分f
2より低い変調周波数f1で、極性が変化するように、
音響的共鳴周波数の周波数成分f2の波形を変調させた
波形を利用する。
【0026】まず、図1に示す電流波形を放電ランプに
供給し変調深度(αを、図1の波形(変調された信号波
形)の実効値βで割った値)を所定の値に設定すると、
放電ランプの消灯時間が十分に長ければ、定格点灯時に
安定なストレートの放電アークにすることができる。
【0027】しかし、図2は、図1に示す波形で放電ラ
ンプの消灯時間を十分に長くとらず再点灯した時の放電
アークの成長状態を観測した結果を模式的に示したもの
である。1はガラスエンベロープ内に密封された対向す
る一対の電極であり、2は一対の電極1の間で発生する
放電アークである。図2(a)は、放電ランプの放電が
スタートしたときの絶縁破壊の様子を示した一例であ
り、放電は電極1の間で発生するものの、図2(a)で
はS字形になった一例を示すが、その他ガラスエンベロ
ープ方向に大きく曲がったりして、電極1の間の最短距
離すなわちストレートで放電する場合は少ない。この原
因は上記に記載したように、消灯後の放電空間内の一様
でない温度分布に起因すると推定できる。
【0028】図2(b)は、放電がスタートした後の定
格点灯に達するまでの放電アークの様子を示したもので
あり、図2(a)に示した放電アークの湾曲状態を維持
するがごとく放電アークは成長していく。また、図2
(c)は、定格点灯に達した時の放電アークの状態を示
したものであり、安定なストレートの放電アークを得る
ことができないことがわかる。
【0029】本発明者は、この放電アークの変形を防止
することと、変調深度との間には密接な関係があること
を発見した。図2(b)または(c)の状態から図1に
おけるαを小さくして変調深度を小さくした時の放電ア
ークの形状を図3(a)に示す。図2と同様に1は対向
する一対の電極であり、2は一対の電極1の間で発生す
る放電アークである。変調深度を小さくすることで、放
電アークから発する粗密波の強度が小さくなり、音響的
共鳴の程度が小さくなる。
【0030】そのため、放電アークは点灯中の放電空間
内の温度分布(放電アーク中心:約5000K〜700
0K、ガラスエンベロープ付近:約1000K)で発生
する重力誘導対流による浮力の影響のみが変形主要因と
なり、放電アークは上方向に少し湾曲する。
【0031】なお、音響的共鳴の影響を十分に小さくす
るためには変調深度は0.3以下にすることが望まし
い。
【0032】図3(b)は、一旦変調深度を小さくし、
その後、変調深度を大きくした時の放電アークの形状を
示したものである。安定なストレートの放電アークを形
成することができる。
【0033】これは消灯時間が短かった場合は温度分布
が大きいので、発生する放電アークは大きく曲がる。し
かし、そのとき、変調深度が小さくしておけば、自然に
重力誘導対流による浮力の影響のみしか生じない。そこ
で、放電アークはすぐに重力誘導対流による浮力の影響
による曲がりだけに落ち着く。そして、変調深度を大き
くすると、その状態での放電アークから粗密波が発生し
ていくので、安定なストレートな放電アークが発生する
ことになる。なお、先願発明で説明したように、短時間
消灯後の再点灯時、温度分布が大きく、発生する放電ア
ークの曲がりが大きいままで、最初から変調深度を大き
くかけると、その曲がった放電アークから粗密波が発生
していくので、放電アークはストレートにならないと考
えられる。
【0034】なお、このような技術分析はあくまで推定
であり、他の物理的法則で安定したストレート放電アー
クが得られることも考えられる。
【0035】以下、本発明の第1の実施の形態について
図面を参照しながら説明する。図4は第1の実施の形態
を示す構成図であり、図4において11は放電空間を画
定するガラスエンベロープ内に充填物として水銀とハロ
ゲン化金属が密封された放電ランプである。12は放電
ランプ11に図1の波形を供給して点灯する点灯手段で
あり、点灯手段12は、十分消灯時間をとったあと再点
灯した場合、放電アークをストレートにするモードを励
起する音響的共鳴周波数の周波数成分を有する波形であ
って、その波形の中心線が一定レベルに保持されている
波形信号を発生する発生手段である直流電源13と、波
形信号の中心線が音響的共鳴周波数より低い変調周波数
で極性が交互に変化するごとく、波形信号を変調させる
変調手段であるインバータ回路14と、放電ランプ11
の放電を開始させるために十分な高電圧を放電ランプ1
1に印加する始動手段15とで構成されている。なお、
直流電源13が発生する前記波形の中心線は必ずしも一
定レベルになっていなくてもかまわない。
【0036】以上のように構成された第1の実施の形態
の動作を図5を用いて説明する。
【0037】直流電源13では、DC電源16とトラン
ジスタ17とダイオード18とチョークコイル19と静
電容量可変が可能なコンデンサ20とで降圧チョッパ回
路を構成し、さらに抵抗21・22で検出するランプ電
圧に相当する検出信号と、抵抗23で検出するランプ電
流に相当する検出信号から制御回路24でランプ電力を
演算し、さらにランプ電力が定格値になるようにトラン
ジスタ17のオン・オフ比を可変する構成をとる。トラ
ンジスタ17のオン・オフ周波数を放電アークをストレ
ートにするモードを励起する音響的共鳴周波数に設定
し、チョークコイル19とコンデンサ20とで構成する
フィルタ回路を音響的共鳴周波数の周波数成分がカット
されない特性とすることで直流電源13の出力電流波形
は、図5(a)に示すように、放電アークをストレート
にするモードを励起する音響的共鳴周波数で瞬時値が周
期的に変動する中心線に所定の直流バイアスが重畳され
た波形となる。
【0038】インバータ回路14は、トランジスタ25
・26・27・28と駆動回路29とで構成され、駆動
回路29からの出力信号によりトランジスタ25・28
がONする期間とトランジスタ26・27がONする期
間を交互に発生させることによって、直流電源13の出
力波形を音響的共鳴周波数より低い変調周波数で極性が
交互に変化する図5(b)に示すような波形に変換して
放電ランプ11に供給する構成のものである。始動手段
15の高電圧で放電を開始した放電ランプ11は、図5
(b)に示す波形で点灯する。また、図6はコンデンサ
20の静電容量と変調深度との関係を示すものであり、
コンデンサ20の静電容量を大きくするほど変調深度が
小さくなり、また静電容量を小さくするほぼ変調深度が
大きくなる。
【0039】以上のように構成された第1の実施の形態
において、点灯後の時間経過に対するコンデンサ20の
静電容量の変化特性の一例を図7に示す。図7(a)に
示すごとく点灯後の所定の期間コンデンサ20の静電容
量を大きくし、段階的に静電容量を小さくすることで、
放電ランプ11の点灯初期の変調深度を段階的に増加さ
せることができる。この時、変調深度の小さい期間に放
電アークが上方向に少し湾曲し、その後ストレートの放
電アークに切り替わるので、放電アーク形状の変化によ
る視覚的ちらつきが予測されるが、コンデンサ20の静
電容量が大きい期間を10ms以下にすることで、ちら
つきをを防止することができる。
【0040】また、図7(b)は点灯後の所定の期間、
コンデンサ20の静電容量を大きくし、徐々に静電容量
を小さくするものであり、放電ランプ11の点灯初期の
変調深度を徐々に増加させることができる。
【0041】この時、放電アーク形状は湾曲した放電ア
ークからストレートの放電アークまで徐々に変化し、瞬
時にアーク形状が変化することがないので視覚的ちらつ
きを防止することができるとともに、湾曲した放電アー
クからストレートの放電アークに切り替わる過渡時に発
生する可能性のある放電アークの不安定動作も防止する
ことができるという格別の効果を有する。
【0042】次に第2の実施の形態を説明する。図8に
第1の実施の形態におけるコンデンサ20の静電容量を
一定値とした時のトランジスタ17のオン・オフ周波数
と変調深度との関係を示したものである。トランジスタ
17のオン・オフ周波数を高くすると変調深度が小さく
なり、低くすると変調深度が大きくなる。これはフィル
タ回路を構成するチョークコイル19のインダクタンス
とコンデンサ20の静電容量とで決まる周波数特性か
ら、より高い周波数成分がカットされる特性なることに
起因する。
【0043】この図8の特性を利用すると、放電ランプ
11の点灯初期にトランジスタ17のオン・オフ周波数
を高くするだけの簡単な構成で、定格点灯時より点灯初
期に低い変調深度にでき、点灯手段12の構成が非常に
簡単になる。またトランジスタ17のオン・オフ周波数
を段階的またはアナログ的に徐々に変えるだけで変調深
度を段階的または徐々に変えることができる。さらに放
電ランプ11の点灯初期の定格点灯に達するまでの期
間、放電アークをストレートにするモードを励起する音
響的共鳴周波数は放電空間内のガス温度の関数であり、
この温度が定格点灯に達するまで減少していく特性を有
するため、放電アークをストレートにする音響的共鳴周
波数は定格点灯に達するまで減少していく特性を有す
る。
【0044】この音響的共鳴周波数の変化と同期するが
ごとくトランジスタ17のオン・オフ周波数を変化させ
る周波数可変手段を有する構成にすると、点灯初期の放
電アークの安定性が向上し、放電ランプの消灯時間に関
係なく、点灯初期から定格点灯まで安定なストレートの
放電アークを得ることができる。
【0045】なお、以上の実施の形態において、放電ラ
ンプ11は高圧水銀ランプ・メタルハライドランプ・高
圧ナトリウムランプなどのHIDランプでも、蛍光ラン
プなどの低圧放電ランプでもよく、放電ランプであるな
らばよい。
【0046】又、第1の実施の形態において、放電ラン
プ11の点灯後の時間経過とともにコンデンサ20の静
電容量を変化させ変調深度を可変する構成にしたが、点
灯初期であることを検出するためランプ特性を検出する
検出手段を有する構成にし、検出手段からの出力に応じ
てコンデンサ20の静電容量を可変する構成にしてもよ
い。ランプ特性を検出する構成にすることで放電ランプ
の消灯時間などによって異なるランプ点灯初期の状態を
ランプ特性から検出できるので変調深度の変化のさせ方
を最適値に制御できる。またランプ特性としてランプ電
圧・ランプインピーダンスなどの放電ランプの電気特性
または光出力または管壁温度などが検出しやすく、構成
も簡単でよい。
【0047】また、変調深度を段階的に増加させる時、
本実施の形態では1段階に増加するものを記載したが、
2段階以上で増加する構成のものでもよい。より多くの
段階で変調深度を増加していくと、放電アーク形状を湾
曲した放電アークからストレートの放電アークまで徐々
に変化する構成にできるので、視覚的ちらつきを防止す
るのに有効である。
【0048】また、インバータ回路14は、矩形波状に
変調させるものとしたが、波形の立ち上がり・立ち下が
りに傾きをもつ略台形波状に変調させる構成でもよく、
また、略矩形波以外の正弦波・三角波・階段波・鋸波な
ど(図9参照)、放電アークをストレートにするモード
を励起する音響的共鳴周波数よりも低い変調周波数で極
性が変化するごとく変調信号を発生できる構成のものな
らばよく、さらに変調信号が多少の直流成分を含んでも
極性が変化すればよく、正負非対称な波形でもよい。
【0049】また、第1の実施の形態において、コンデ
ンサ20の静電容量を変化させて変調深度を可変する構
成にしたが、フィルタ回路を構成するチョークコイル1
9のインダクタンスを変化させることができる構成にす
ると、インダクタンスを大きくした時には変調深度が小
さくなるし、インダクタンスを小さくした時には変調深
度が大きくなり、変調深度を可変できる構成にできるの
で、同様の効果を得ることができるとともに、チョーク
コイル19とコンデンサ20の両方を変化させると変調
深度の変化幅をより大きくできる。
【0050】又、直流電源13は、降圧チョッパ回路で
構成したが、昇圧チョッパ回路・反転チョッパ回路など
他の回路方式でもよく、放電アークをストレートにする
モードを励起する音響的共鳴周波数で瞬時値が周期的に
変動する中心線に所定の直流バイアスが重畳された波形
を出力できるものならば、他の構成のものでもよい。
【0051】また、制御回路24はランプ電力が定格値
になるようにトランジスタ17のオン・オフ比を制御す
る構成にしたが、変調信号の実効値を変化させる実効値
可変手段を有する構成にすることでランプ電力を変化さ
せるものでもよい。特に、点灯初期の光出力を補いため
点灯初期に定格値以上の電力を供給したり、調光制御な
どに有効である。
【0052】
【発明の効果】以上のように本発明は、放電アークの変
形などの不安定現象を防止し、放電ランプの消灯時間に
関係なく安定なストレートの放電アークを形成できる優
れた放電ランプ点灯装置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態において、放電ランプの
放電アークをストレートにするための波形の一例を示す
【図2】(a)〜(c)は図1に示す波形で放電ランプ
の消灯時間が十分に長くない状態で再点灯させた時の放
電アークの成長状態を観測した結果を模式的に示した図
【図3】(a)変調深度を小さくした時の放電アーク形
状を示す図 (b)変調深度を小さくした後に変調深度を大きくした
時の放電アーク形状を示す図
【図4】本発明の第1の実施の形態の放電ランプ点灯装
置の構成図
【図5】(a)直流電源13の出力電流波形図 (b)インバータ回路14の出力電流波形図
【図6】コンデンサ20の静電容量と変調深度との関係
を示す図
【図7】(a),(b)点灯後の経過時間に対するコン
デンサ20の静電容量の変化特性の一例を示す図
【図8】トランジスタ17のオン・オフ周波数と変調深
度との関係を示す図
【図9】本発明の一実施の形態において、放電ランプの
放電アークをストレートにするための波形の他の例を示
す図
【図10】従来の放電ランプ点灯装置で放電ランプを点
灯した時のランプ電流波形図
【符号の説明】
11 放電ランプ 12 点灯手段 13 音響的共鳴周波数成分を有する波形の直流を出力
する直流電源 14 インバータ回路 15 始動手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 堀井 滋 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 3K072 AA01 AA11 AC01 BA03 BA05 BB10 CA05 DD06 EB04 EB05 EB07 GA01 GB18 GC04 HA10 HB03 3K082 AA51 AA57 BA04 BA24 BA33 BD03 BD04 BD13 BD14 BD26 BD32 CA32 CA37

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】放電空間を画定するガラスエンベロープ
    と、前記ガラスエンベロープ内に密封された対向する一
    対の電極と、を有する放電ランプを点灯する装置におい
    て、 前記一対の電極間で発生する放電アークをストレートに
    するモードを励起する音響的共鳴周波数の周波数成分を
    有する波形信号を発生する発生手段と、 前記波形信号の中心線が、前記音響的共鳴周波数の周波
    数成分より低い変調周波数で、極性が交互に変化するよ
    うに、前記波形信号を変調する変調手段を備え、 前記波形信号のピークからピークまでの値をα、前記変
    調された信号の実効値をβ、とした場合の変調深度α/
    βが、前記放電ランプの点灯初期において、定格点灯時
    における変調深度α/βの値以下の値になる期間が存在
    することを特徴とする放電ランプ点灯装置。
  2. 【請求項2】前記波形の中心線が一定レベルに保持され
    ていることを特徴とする請求項1記載の放電ランプ点灯
    装置。
  3. 【請求項3】前記音響的共鳴周波数は、前記放電ランプ
    の放電空間媒質中の音速と、放電アークに交差する放電
    空間の長さとで決定されることを特徴とする請求項1又
    は2記載の放電ランプ点灯装置。
  4. 【請求項4】前記放電ランプは、前記ガラスエンベロー
    プ内に充填物として少なくともハロゲン化金属または水
    銀が密封されたことを特徴とする請求項1又は2記載の
    放電ランプ点灯装置。
  5. 【請求項5】前記変調深度α/βが、前記放電ランプの
    点灯初期に定格点灯時における変調深度α/βの値以下
    の値になる期間は、定格点灯に達するまでの実質上全て
    の期間であることを特徴とする請求項1又は2記載の放
    電ランプ点灯装置。
  6. 【請求項6】前記変調深度α/βが、前記放電ランプの
    点灯初期に定格点灯時における変調深度α/βの値以下
    の値になる期間は、10ms以下であることを特徴とす
    る請求項1又は2記載の放電ランプ点灯装置。
  7. 【請求項7】前記変調深度α/βが、前記放電ランプの
    点灯初期に0.3以下の値になる期間を有することを特
    徴とする請求項1又は2記載の放電ランプ点灯装置。
  8. 【請求項8】前記放電ランプのランプ特性を検出する検
    出手段を有し、ランプ特性の変化に応じて前記変調深度
    α/βを変化させることを特徴とする請求項1又は2記
    載の放電ランプ点灯装置。
  9. 【請求項9】前記検出手段は、ランプ特性として管壁温
    度またはランプ電圧またはランプインピーダンスまたは
    光出力を検出することを特徴とする請求項7記載の放電
    ランプ点灯装置。
  10. 【請求項10】前記放電ランプの点灯初期の変調深度α
    /βは、徐々に増加する期間を有することを特徴とする
    請求項1又は2記載の放電ランプ点灯装置。
  11. 【請求項11】前記放電ランプの点灯初期の変調深度α
    /βは、段階的に増加する期間を有することを特徴とす
    る請求項1又は2記載の放電ランプ点灯装置。
  12. 【請求項12】前記発生手段が、放電アークをストレー
    トにするモードを励起する音響的共鳴周波数の周波数成
    分の変化に応じた周波数成分を有する波形を発生させる
    周波数可変手段を有することを特徴とする請求項1又は
    2記載の放電ランプ点灯装置。
  13. 【請求項13】前記変調手段が、前記変調された信号の
    実効値を変化させる実効値可変手段を有することを特徴
    とする請求項1、2又は11記載の放電ランプ点灯装
    置。
  14. 【請求項14】前記一対の電極間で発生する放電アーク
    をストレートにするモードを励起する音響的共鳴周波数
    の周波数成分は、十分消灯時間をとった後再点灯する場
    合の放電ランプについて得られた周波数であることを特
    徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の放電ランプ
    点灯装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100545996B1 (ko) * 2002-10-15 2006-01-25 김기정 메탈핼라이드 램프용 전자식 안정기

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