JP2000113539A - フィルム巻きつけ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】散乱巻き込みなしに、均一なテープの巻き込み
ができる装置及び方法。 【解決手段】本発明はフィルム等を巻き付ける装置に関
し、フィルムが巻かれるにつれて、フィルムのエッジに
係合するためのパッキングガイド及びガイドをフィルム
・パックに対して位置決めするための支持部材を備えて
いる。フィルム・パックが巻かれるにつれて、パッキン
グガイドはフィルムの円周外側エッジを隣接する内側エ
ッジと整列させ、散乱巻きを減少させるとともにフィル
ムは実質的に平面となる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、一般にフィルムを
リールまたは他の構造に整然と巻きつける装置に関する
ものであり、更に詳細に記せば、フィルム・パックが散
乱巻き(scatterwinds)なしに且つフィルムまたは柔軟部
材に損傷を与えずに巻かれるように、巻かれるフィルム
の縁に力を加える柔軟部材を組込んだ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】フィルムをリールに巻くとき、空気がフ
ィルムの隣接層間に入りこむ(entrained)。入り込んだ
空気は、空気が流出できる前にフィルムの隣接層を互い
に滑らせ、フィルムをフィルム・パック上に設置させ
る。フィルムの隣接層間の滑りは、隣接層の縁の間に変
位を生じ、続いて、一つの層の縁が隣接層の縁より高く
または低くなることがある。高速で巻かれているフィル
ム・パックは、パック上にフィルムの多数の浮動層(flo
ating layer)を有する可能性がある。しばしば、これら
浮動層は、不安定になり、横方向にかなりの距離移動す
ることもありうる。これを散乱巻き(scatterwinding)と
いう。極端な場合には、フランジが存在しなければ、フ
ィルムがリールから完全に外れることがある。散乱巻き
は、損傷を受けるフィルムの突出縁を生じ、フィルムが
巻き戻されるときフィルムを整列不良にする。本発明
は、フィルムに、フィルムまたは本発明自体に損傷を生
ずる可能性のある余分な力を加えることなく、散乱巻き
を最小化する。

【０００３】散乱巻きを最小化する際、柔軟部材と巻か
れるフィルムとの間の接触力および摩擦を最小化するの
が望ましい。摩擦が低ければフィルムおよび柔軟部材の
磨耗が少なくなる。他に、フィルム・パックを巻き戻す
とき、柔軟部材とフィルムとの間の摩擦を減らすかまた
は全く排除することが望ましい。

【０００４】フィルム、テープ、または他の材料が、ス
プール、ハブまたはリールのような構造上に一貫した一
様な集合を必要とする多数の用途が存在する。たとえ
ば、フィルムまたは類似品をスプール上に巻く際の一様
性は、フィルムがフィルム経路と整列している一連の静
止ガイド素子を通過するとき必要である。フィルムの整
列不良があると、フィルムがガイド素子を通過するとき
フィルムに余分な振動、磨耗、および損傷を生ずる可能
性がある。

【０００５】フィルム・パックまたは類似品の散乱巻き
を排除する他の長所は、フィルム・パックの出荷、輸送
またはハンドリングにより生ずるフィルムに対する損傷
を排除する点にある。散乱巻きを有するフィルム・パッ
クは、フィルムの変位した縁が露出した縁と接触するこ
とになるリールまたは同様の構造からの損傷にさらされ
る。最小化された散乱巻きを有するフィルムは、隣接フ
ィルム層の縁が整列しているので、損傷を受けることが
少ない。整列した縁は、接触力をフィルム・パックの表
面を横断して一様に分散させる実質的に平面状の表面を
形成する。

【０００６】本発明は、二つの別々のリールの間で繰り
返し巻かれ、巻き戻されるフィルムの損傷を減らすこと
に適用できる。巻かれているリール上の散乱巻きを排除
または減らすことにより、フィルムは、二つのリールの
間を走行するとき、最小化された磨耗および損傷を受け
る。リールが巻き戻されてフィルムを他のリールに移す
とき巻き戻されているリールのフィルム・パックの散乱
巻きが少なければ、フィルムが巻かれているリールの方
に走行するとき、生ずるフィルムの横移動および振動が
小さくなり、それによりフィルムが移動中のフィルムと
接触する他の素子と相互作用するにつれてフィルムに加
わる別の磨耗または損傷が減少する。

【０００７】フィルム・パックにフィルムを整然とパッ
クするこれまでの試みには、自己パッキング・ガラスリ
ール、線形シート、磁力、および機械力がある。

【０００８】自己パッキング・ガラスリールは、ガラス
フランジの付いた精密テープリールである。フランジ間
の隙間は、フランジの内径の位置でのテープの幅より大
きくはないが、フランジ間の隙間は、半径方向外向き
に、フランジの内径から外径まで、わずかに減少してい
る。フランジの減少した隙間は、テープの横運動を抑制
し、テープ・パックが拡大するにつれて、テープはフラ
ンジを押し離す。この解決方法の短所は、リールの価格
および、テープをフランジにより堅く案内する仕方にあ
り、テープ経路内にある他の案内素子との整列を重大に
する。案内経路に対するテープの整列不良は、テープに
損傷を生ずる可能性がある。加えて、テープとフランジ
との間の接触は、テープ縁の損傷およびテープ磨耗を生
ずる。

【０００９】線形シートが通常、カセットテープ・ハウ
ジング、たとえばＤＤＳカセットに使用されている。Ｄ
ＤＳテープ・カセットでは、テープリールにフランジが
無い。代わりに、テープ・パックのいずれかの側に２枚
のプラスチック線形シートがある。線形シートは、線形
シートから外側に延びる静止突起を備えている。突起
は、テープ・パックの少なくとも一部と連続接触してい
る。線形シートに潤滑剤を塗布して線形シートとテープ
・パックとの間の摩擦を減らすことができる。線形シー
トの突起は、テープの縁をテープがテープ・パック上に
巻かれるとき整列させるのに役立つ。線形シートには幾
つかの短所がある。突起は大きい区域にわたりテープ・
パックと接触する。テープが巻かれ、または巻き戻され
るにつれて、突起と接触することになるテープ・パック
の部分は、摩擦および磨耗を受ける。その結果、突起が
テープの縁と整列してから、突起は、テープ・パックと
接触し続ける。特に、テープ・パックと大きい接触区域
との間の摩擦により生ずる熱が高テープ巻取り速度で過
大になる可能性がある。線形シートに関連する発熱、摩
擦、および磨耗は、高速順方向および高速逆方向テープ
巻取りに関連する高速巻取り中、悪化する。

【００１０】磁気的整然巻取り装置は、フィルムを整列
させるのに電磁石または永久磁石により発生される磁界
に依存している。磁界は、磁力をフィルムに加えること
によりフィルムを強制的に整列させる。磁石をフィルム
・パックの半径方向の外側に設置することができ、また
はフィルム・パックの上または下に設置することができ
る。プーリまたは類似のものからの機械力を採用してフ
ィルムの整列の補助とすることができる。磁気的整然巻
取りの主な短所は、巻かれる媒体が磁気的性質を備えて
いることが必要であるということである。加えて、フィ
ルム上の磁気データの消去を回避するのにフィルムは空
白でなければならない。更に、磁気的整然巻取りを実施
するのに必要な機構の複雑さ、所要パワーおよび大きさ
が携帯用途でのその用途を妨げている。

【００１１】他に、磁気的整然巻取り装置は、フィルム
・パックの整然巻取り時での補助に空気装置を備えるこ
とができる。巻きフィルムの近辺での空気を排出するノ
ズルを使用してフィルム層間に入り込んだ空気を減少さ
せる。他に、フィルム層間の空気を吹き飛ばすのに別の
ノズルを使用し、それにより隣接フィルム層を互いに浮
かせることができる。浮動層は、フィルムを磁界により
整列位置に押し込むことができるように隣接層間での移
動を見込んでいる。磁気的整然巻取りの補助に空気装置
を使用することの短所は、空気装置を実施する複雑さ、
大きさ、および費用にある。空気装置は、携帯フィルム
装置に使用するように修正できず、フィルム・カセット
またはカートリッジの形で経済的に実施できず、生産環
境でのフィルムの整然巻取りにほとんど限定されてい
る。

【００１２】機械的整然巻取り装置は、一般にプーリ、
キャプスタン、ピンチローラ、ガイド、ベルトおよび類
似のものを使用してフィルムをフィルム・パックと強制
的に整列させ、またはフィルムが巻かれるときフィルム
の横移動を抑制している。フィルムの表面を打って隣接
層間に入りこんでいる空気を移動させるのに、またはフ
ィルムが巻かれるときフィルムの縁に接触させるのに、
ベルトを使用する。入り込んでいる空気を移動させるに
は、ベルトが高い圧力をフィルムに加えなければなら
ず、したがって、ベルトとフィルムとの間に連続接触が
必要である。接触はベルトによるフィルムの浮き出し模
様を生ずる可能性がある。ベルトは機械的に複雑であ
り、嵩張り、携帯整然巻取り用途には実用的でない。フ
ィルム・パックを整然巻取りするプーリ、キャプスタ
ン、ピンチローラ、ガイドおよび同様の機械的方法は、
フィルムを整列させるのに機械力を使用している。通常
の用途では、これら方法は、フィルムが巻かれるにつれ
てフィルムに対して押しつけることにより捕らえられた
空気を追い出すか、またはフィルムが巻かれるにつれて
フィルムの横運動を抑制する。フィルムの横移動を抑制
すると、フィルムを、特にフィルムの縁を、損傷する可
能性もある。機械的整然巻取り装置の主な短所は、色々
な大きさのフィルム・パックに適応させるのに必要な大
きさおよび複雑さである。

【００１３】

【発明が解決しようとする課題】これまで述べたことか
らフィルム・パックの散乱巻きを減らすための簡単で、
携帯できる廉価な手段の必要性が存在することが明らか
である。更に、散乱巻きを減少するための装置には低磨
耗および最小化されるフィルムの損傷が望ましい性質で
あることが明らかである。

【００１４】

【課題を解決するための手段】本発明は、フィルム・パ
ックの散乱巻きを軽減させるための装置を提供する。装
置は、フィルム・パックの円周外縁に係合するためのお
よび外縁をフィルム・パックの隣接縁と整列させるため
のパッキングガイドを備えている。パッキングガイドと
フィルムの縁との間の接触力は、本発明により最小化さ
れている。低い接触力はフィルム・パックおよびパッキ
ングガイドに最小の磨耗および摩擦を生ずる。パッキン
グガイドは、パッキングガイドをフィルム・パックに対
して位置決めする支持体に接続されている。パッキング
ガイドは、フィルム、テープまたは他の柔軟材料をスプ
ールまたは同様の構造に散乱巻きを最小化して巻くこと
ができるようにする。他に、パッキングガイドは、広い
範囲のフィルム巻き速度にわたり有効であり、色々な幅
および厚さのフィルムの処理に適応させることができ、
磁界による消去の危険なしに磁気データを有するフィル
ムに使用することができる。

【００１５】本発明を具体化する装置は、廉価で、機械
的に簡単で、多様な材料から製造しやすく、軽量で、反
復巻取り動作ができ、コンパクトで、生産および携帯用
整然巻取り用途に適応でき、フィルムが巻かれ、または
巻き戻されるときフィルムに対する磨耗および損傷を最
小化する。

【００１６】好適実施形態では、弾性材料の柔軟シート
が支持縁および支持縁に遠い接触縁を備えている。柔軟
シートは、パッキングガイドを形成している。パッキン
グガイドの支持縁に接続された支持部材がパッキングガ
イドを支持し、パッキングガイドを巻かれるフィルムに
対して位置決めする。支持部材は、パッキングガイド
の、フィルム・パックの円周方向外縁との接触縁の向き
を決める。

【００１７】一実施形態では、支持部材は、パッキング
案内支持縁に接続された近端および支持体に取付けるよ
うになっている遠端を備えた片持ち梁である。片持ち梁
はフィルム・パックに対して静止している。随意に、片
持ち梁の遠端を支持体に移動可能に取付けてパッキング
案内または接触縁の向きをフィルム・パックに対して変
えることができる。パッキング案内を、同一または違う
材料の層、または一つの縁に接続された材料の異なるシ
ート、を含む多様な材料から製作できる。

【００１８】他の実施形態では、パッキングガイドの接
触縁を修正して接触縁とフィルム・パックの円周方向外
縁との間の摩擦を、たとえば、接触縁に低摩擦材料を塗
布することにより、または接触縁に低摩擦特性を有する
材料の別々のシートを使用することにより、減らしてい
る。

【００１９】他の実施形態では、パッキングガイドは、
フィルム・パックの巻き面と一定角度で傾斜している。
フィルム・パックが巻かれるにつれて、表面に沿う空気
流がパッキングガイドにより上方向に逸らされ、巻き表
面とは反対のパッキング案内の表面に沿って流れる。空
気流は、パッキングガイドに下向きの力を加えて接触縁
とフィルム・パックの円周方向外縁との間の接触力が、
フィルム・パックが巻かれるとき増大するようにしてい
る。フィルム・パックが巻き戻されると、空気流がフィ
ルム・パックの巻き面に面するパッキング案内の表面に
当たり、フィルム・パックが巻き戻されるとき、接触縁
とフィルム・パックの円周方向外縁との間の接触力を減
らす。

【００２０】フィルムまたは類似のものを本発明に従っ
て巻く方法は、フィルムをフィルム受け構造に取付ける
ステップ、パッキングガイドを前記構造に対して位置決
めするステップ、構造を回転させてフィルムを構造上に
集めるステップ、および所定量のフィルムが集まったと
き構造の回転を止めるステップ、を備えている。

【００２１】本発明の他の局面および長所は、本発明の
原理を例を用いて図解する付図に関連して行なう下記詳
細説明から明らかになるであろう。

【００２２】

【実施例】以下の詳細説明および図面の幾つかの図で
は、類似要素を類似参照番号で識別している。

【００２３】例示の目的の図面に示すとおり、本発明
は、パッキングガイドおよび巻かれるフィルム・パック
に対してパッキングガイドを位置決めするための支持部
材を形成する弾性材料の柔軟シートを有する装置により
具体化されている。パッキングガイドの縁は、フィルム
・パックが巻かれるにつれてフィルム・パックの円周方
向外縁に接触する。パッキングガイドは、フィルム・パ
ックの円周方向外縁を、フィルム・パックが巻かれるに
つれて、フィルム・パックの半径方向内縁と整列させ、
それによりフィルム・パックの散乱巻きを減少させる。
フィルム・パックを整然巻きする以前の装置は、磁石、
空気装置、ベルト、線形シート、プーリ、ローラおよび
フィルムを強制的に整列させる他の機械構造のような、
複雑な嵩張る機構を備えていた。本発明の装置は、製造
するのに廉価で、巻かれるフィルムへの損傷および磨耗
を減らしながら、散乱巻きを一貫して減らし、どんな大
きさにも拡大縮小することができ、広く多様な整然巻取
り用途に適応しており、軽量で、携帯用または生産整然
巻取り用途で実施することができる。

【００２４】図１を参照すると、本発明により全般的に
１で示した装置が提供されている。装置は、パッキング
ガイド３を形成する弾性材料の柔軟シートを備えてい
る。パッキングガイド３は、支持エッジ５および支持エ
ッジ５から外方に延長する接触エッジ７を備えている。
パッキングガイド３は支持部材８によりフィルム・パッ
ク１５に対して位置決めされている。パッキングガイド
３の支持エッジ５は、支持部材８に接続されている。支
持部材８は、接触エッジ７を円周方向外側エッジ１７と
接触させるように接触エッジ７をフィルム・パック１５
の円周方向外側エッジ１７に向けるよう動作する。例示
の目的で、フィルム・パック１５は、巻くベきフィルム
２０を集めるためのハブ、リール、スプールまたは類似
品のような構造１６を備えることができる。図１に示し
たように、フィルム・パック１５は、矢印３１により示
したように回転軸２１の周りを回転する。フィルム２０
がフィルム・パック１５に巻かれるときのフィルム２０
の走行方向を、矢印１９により示してある。フィルム２
０は、テープ、写真フィルム、磁気テープ、フィルム、
または類似のもののような、どんな柔軟材料でもよい。

【００２５】支持部材８は、パッキングガイド３をフィ
ルム・パック１５に対して位置決めするのに適したどん
な構造でもよい。たとえば、支持部材８を本発明の装置
１を組込んだハウジングの内面とすることができる。支
持縁５を支持部材８に接続する方法には、糊付け、溶
接、ファスナー、接着剤または確実な接続を与える他の
適切な方法がある。支持部材８を、金属、ガラス、プラ
スチック、セラミック、ゴム、または類似品のような材
料から作ることができる。

【００２６】代わりの実施形態では、支持部材８は、図
２に示したように、近接端部１１および遠隔端部１３を
有する片持ち梁９である。遠隔端部１３は、支持体に取
付けるようになっている。パッキングガイド３の支持エ
ッジ５は、片持ち梁９の近接端部１１に取付けられてい
る。

【００２７】他の実施形態では、図３に示したように、
フィルム・パック１５に対するパッキングガイド３の位
置、および円周方向外側エッジ１７との接触エッジ７の
向きを、矢印２３で示したように、その長手軸２５の周
りに片持ち梁９を回転させることにより、矢印２４で示
したように、片持ち梁９を遠隔端部１３でその横軸２８
の周りに旋回させることにより、または矢印２６で示し
たように片持ち梁９を長手軸２５に沿って直進移動させ
ることにより、修正することができる。他に、円周方向
外側エッジ１７との接触縁７の向きおよびテープ・パッ
ク１５に対するパッキングガイド３の位置を、回転２
３、直進移動２６、または旋回２４のどんな組合せによ
ってでも修正して、パッキングガイド３が矢印２９によ
り示した所定の表面輪郭に合うようにすることができ
る。

【００２８】たとえば、片持ち梁９の回転２３を利用し
て、フィルム・パック１５が巻かれて円周方向外側エッ
ジ１７が半径方向外方に前進するにつれて、接触エッジ
７と円周方向外側エッジ１７との間の接触力を調整する
ことができる。たとえば、フィルム・パック１５が巻き
戻されているとき５９、接触縁７をフィルム・パック１
５から解放するのに旋回２４を使用することもできる。
接触エッジ７の長さが完全に巻かれたフィルム・パック
１５の半径を超えない用途では、片持ち梁９の直進移動
２６を使用してパッキングガイド３を半径方向外側に移
動させ、接触縁７が、フィルム・パック１５が巻かれる
につれて円周方向外側エッジ１７と接触し且つ正しい向
きのままであるようにすることができる。他に、回転２
３、直進移動２６、または旋回２４を片持ち梁９以外の
支持構造、たとえば、支持部材８で行なうことができ
る。

【００２９】接触縁７の向きおよびパッキングガイド３
の位置を変えて接触エッジ７と円周方向外側エッジ１７
との間の接触パッチ２７を決定することができる。接触
パッチ２７は、接触エッジ７と円周方向外側エッジ１７
との間の接触区域の足跡を表す。接触パッチ２７を線
分、円弧、または他の形状としてよい。接触縁７と円周
方向外側エッジ１７との間の摩擦および磨耗を接触パッ
チ２７の面積を小さくすることにより最小化することが
できる。接触エッジ７を、たとえば、鈍い、斜面の、先
細の、または丸みのある接触エッジ７を採用することに
より整形して接触パッチ２７を修正することができる。

【００３０】パッキングガイド３を多様な柔軟材料、た
とえば、ポリエステル、金属、プラスチック、紙、布、
複合材、炭素繊維、およびセラミックから作ることがで
きる。他に、パッキングガイド３を、共に積層した異な
る柔軟材料を撚って作った複合シートとすることができ
る。一実施形態では、パッキングガイド３は、縁で接合
された２枚以上の柔軟シートから構成されている。最も
内側のシートは支持部材８に接続されている。最も外側
のシートは接触縁７を形成している。パッキングガイド
３の重要な特性は、柔軟で接触エッジ７とフィルム・パ
ック１５の円周方向外側エッジ１７の間の接触を維持
し、接触エッジ７と円周方向外側エッジ１７との向きを
維持するということである。更に、接触エッジ７として
選択された材料は、フィルム・パックの材料特性と両立
し、トライボロジーが、接触エッジ７とフィルム・パッ
ク１５の円周方向外側エッジ１７との間の低摩擦という
目標と矛盾しないようになっていなければならない。摩
擦が少ないとパッキングガイド３およびフィルム・パッ
ク１５の損傷および磨耗が防止される。

【００３１】本発明の一実施形態では、図４に示したよ
うに、パッキングガイド３の接触エッジ７に支持面３３
を設けることにより摩擦を減らしている。支持面３３
を、接触エッジ７に施した、グラファイトまたはＰＴＦ
Ｅのようなポリマー、のような低摩擦皮膜とすることが
できる。代わりに、パッキングガイド３を、最後のシー
トが支持面３３を形成するようにした複数の柔軟シート
により形成された複合材とすることができる。

【００３２】本発明の他の実施形態では、図５〜図１０
に示したように、パッキングガイド３の柔軟性が接触エ
ッジ７とフィルム・パック１５の円周方向外側エッジ１
７との接触力および向きを変えるよう調整されている。
柔軟性調整体をパッキングガイド３に関連して使用し、
柔軟性を調節できる。柔軟性調整体の大きさ、形状、向
きおよび位置は、パッキングガイド３の所要柔軟性を得
るように選定される。柔軟性調整体を材料をパッキング
ガイド３から除去することにより、所定形状を有する柔
軟材料の他のシートのような材料をパッキングガイド３
に追加することにより、またはパッキング案内３の表面
を修正することにより、実施することができる。

【００３３】図５及び図６は、柔軟性調整体としての多
孔性材料(perforations)３５の使用例を示す。多孔性材
料３５は、パッキングガイド３の表面を通じて広がり、
材料をパッキングガイド３から除去することにより、た
とえば、パッキングガイド３を貫いて孔を打ち抜く、溝
穴を切る、または類似の作業を行なうことにより作るこ
とができる。図６では、多孔性材料３５は、パッキング
ガイド３に溝穴を切ることにより形成されている。多孔
性材料３５は、長さおよび形状を変えることがあり、パ
ッキングガイド３にどんな向きにでも設けることができ
る。

【００３４】図７は、柔軟性調整体として溝３９を使用
していることを示す。溝３９をパッキングガイド３のい
ずれの表面に設けてもよい。溝３９はパッキングガイド
３を貫通していない。柔軟材料に溝を形成するどんな適
切な方法をも使用して溝３９を作ることができる。溝３
９をパッキングガイド３の上にどんな向きにでも設ける
ことができる。

【００３５】図８において、パッキングガイド３の表面
に設けられた窪み４１は、柔軟性調整体を形成してい
る。窪み４１はパッキングガイド３を貫通せず、パッキ
ングガイド３の上にどんな向きにでも設けることができ
る。他に、窪み４１をパッキングガイド３のいずれの表
面に設けてもよい。窪み４１はゴルフボールにあるもの
と同様であるが、窪み４１はどんな形状でもよい。たと
えば、窪み４１を、パッキングガイド３の表面に窪みパ
ターンを刻むことにより形成することができる。

【００３６】図９は、柔軟性調整体としてのプリーツ４
３の使用法を示す。プリーツ４３をパッキング案内３の
上にどんな向きにでも設けることができ、パッキング案
内３の表面にプリーツ・パターンを刻むことにより形成
することができる。

【００３７】図１０では、構成４５を柔軟性調整体とし
て使用している。構成４５をパッキングガイド３の上に
どんな向きにでも設けることができ、パッキングガイド
３の表面に構成パターンを刻むことにより形成すること
ができる。

【００３８】本発明の他の実施形態では、図１１に示す
ように、支持部材８がパッキングガイド３をフィルム・
パック１５の上に位置決めし、狭い表面角４７がフィル
ム・パック１５のパック表面とパッキングガイド３のガ
イド面６１との間に形成されている。表面角４７は、フ
ィルム・パック１５の円周方向外側エッジ１７および接
触エッジ７の実質的に近いところで測定される。表面角
４７は、約０度から約２０度の範囲にあり、更に好適に
は約０度から約１０度までの範囲に、なお一層好適に
は、約０度から約２度の範囲にあり、最も好適には０度
である。

【００３９】本発明の他の実施形態では、図３に示した
ように、片持ち梁９がパッキングガイド３の接触エッジ
７を、狭い縁角４９が接触エッジ７とパック面６３との
間に形成されるように向けている。縁角４９はフィルム
・パック１５の円周方向外側エッジ１７および接触エッ
ジ７の実質的に近いところで測定される。縁角４９は、
約１度から約１０度の範囲にあり、最も好適には約５度
から約１０度の範囲にある。縁角４９は、決して０度に
すべきではない。この角度では接触エッジ７の全体がパ
ック面６３と接触し、フィルム・パック１５およびパッ
キングガイド３の両者に過大な磨耗および損傷を生ずる
からである。フィルム・パック１５が巻かれるにつれ
て、縁角４９は、円周方向外側エッジ１７が半径方向外
側に前進するので、実質的に一定である。

【００４０】本発明の好適実施形態では、図１２に示し
たように、支持部材８が円周方向外側エッジ１７との接
触エッジ７を、接触エッジ７が第１の力５３で円周方向
外側エッジ１７と係合するように向けている。支持部材
８は、パッキングガイド３をフィルム・パック１５の巻
き面６３に対して狭い案内角６５で傾けるように動作す
る。フィルム・パック１５が矢印１９で示したように巻
かれるにつれて、空気流５１が誘導され、案内角６５を
成している巻き面６３との接触縁７の近くでのパッキン
グガイド３の傾斜は、空気流５１を巻き面６３から遠く
に向けなおすよう動作する。空気流５１は、パッキング
ガイド３の上方を流れ、第２の力５５をパッキングガイ
ド３に加えて第２の力５５が第１の力５３と協働して接
触エッジ７を第１の力５３より大きい正味の力５４で円
周方向外側エッジ１７に接触させるようにする。案内角
６５は、約５度から約４５度であり、更に好適には約１
０度から約３０度であり、最も好適には約１０度から約
２０度である。案内角６５、第１の力５３、第２の力５
５、および正味の力５４は、用途特有の因子、たとえ
ば、フィルム２０の形式、回転速さ３１、パッキングガ
イド３の質量および寸法、およびフィルム・パック１５
に対するパッキングガイド３の向き、に基づいて変わ
る。

【００４１】本発明の他の実施形態では、図１３に示す
ように、フィルム・パック１５が矢印５９により示した
ように巻き戻されるにつれて空気流５１が発生する。空
気流５１はパッキングガイド３とフィルム・パック１５
の巻き面６３との間に捕らえられ、パッキングガイド３
に揚力５６を加えて接触エッジ７が揚力５６により円周
方向外側エッジ１７から離れる方向に押されるようにす
る。この揚力５６は、第１の力５３に対抗して作用し、
接触エッジ７に作用する正味の力５４が第１の力５３よ
り少ないようにする。揚力５６は、上述の用途特有の因
子に基づき変化する。

【００４２】本発明による方法の好適実施形態では、フ
ィルム２０が構造１６、たとえば、フィルム２０を集め
るようになっているスプール、ハブまたはリールに取付
けられている。パッキングガイド３は、接触エッジ７が
フィルム・パック１５の円周方向外側エッジ１７に係合
するように構造１６に関連して設置されている。構造１
６は、フィルム２０が構造１６の上に集められるように
フィルム２０の巻取りと矛盾しない方向に回転する。フ
ィルム２０が構造１６の上に集められるにつれて、接触
エッジ７がフィルム２０の円周方向外側エッジ１７を隣
接する円周方向内縁と整列させる。構造１６の回転３１
は、所要量のフィルム２０が集められてしまうと停止す
る。構造１６の回転速度をフィルム２０が構造１６に巻
かれる１９につれて変えることができる。パッキングガ
イド３を構造１６から遠くに移動させて構造１６を除去
することができる。他に、フィルム２０を整列させるの
に複数のパッキングガイド３を使用することができる。

【００４３】本発明による方法の他の実施形態では、フ
ィルムは、第１の構造と第２の構造との間を移動する。
第１のパッキングガイドおよび第２のパッキングガイド
は、それぞれ第１の構造および第２の構造に対して設置
されている。フィルムは、第１の構造と第２の構造との
間で繰り返し巻かれ、巻き戻される。第１の構造が巻か
れているとき第１のパッキングガイドは、第１の構造に
巻かれているフィルムの円周方向外側エッジと整列して
いる。同様に、フィルムが第１の構造から巻き戻されて
第２の構造に巻かれているとき、第２のパッキングガイ
ドは、第２の構造に巻かれているフィルムの円周方向外
側エッジと整列している。

【００４４】装置１を製作する最良の態様は、実質的に
長方形の形状を、たとえば、デュポンのＭＹＬＡＲ（商
標）ポリエステル・フィルムのようなポリエステル・フ
ィルムから切断してパッキングガイド３を形成すること
である。ポリエステル・フィルムを約０．１３ミリメー
トルの厚さにすべきである。支持部材８はアルミニウム
からなる。パッキングガイド３の支持エッジ５を接着剤
を使用して支持部材８に取付ける。支持部材８を、パッ
キングガイド３が巻かれるフィルム・パック１５に対し
て固定して設置されるように構造に取付ける。更に、支
持部材８は、表面角４７が０度、縁角４９が２度、およ
び案内角６５が10度であるようにパッキングガイド３を
位置決めする。

【００４５】本発明の幾つかの実施形態を開示し図解し
てきたが、本発明はこのように説明し例示した特定の形
態または装置に限定されない。本発明は、特許請求の範
囲によってだけ限定される。

【００４６】以上、本発明の実施例について詳述した
が、以下、本発明の各実施態様の例を示す。 （実施態様１）フィルムを均一に巻きつける装置であっ
て、支持エッジと接触エッジを有し、パッキングガイド
を形成する弾性材料の柔軟シートと前記パッキングガイ
ドを支持する支持エッジに接続されている支持手段を含
み、前記支持手段は、前記パッキングガイドの接触エッ
ジをフィルム・パックの円周エッジにそって配置させる
よう動作し、よって、前記接触エッジがフィルム・パッ
クが巻かれるにつれて、前記フィルム・パックの円周エ
ッジと接触することを特徴とするフィルムの巻きつけ装
置。 （実施態様２）支持手段は、遠隔端部および近接端部を
有する片持ち梁であり、片持ち梁は、フィルム・パック
に対して静止しており、パッキングガイドの支持エッジ
は、近接端部に接続され、遠隔短部は支持体に取付けら
れるようになっていることを特徴とする前項(1)記載の
装置。 （実施態様３）片持ち梁は、長手軸の周りを回転するよ
うになっており、片持ち梁の回転］は、接触エッジとフ
ィルム・パックの円周エッジとの接触力を調整するよう
動作することを特徴とする前項(2)記載の装置。 （実施態様４）パッキングガイドの材料は、ポリエステ
ル、エラストマ、プラスチック、金属、紙、セラミッ
ク、および複合材から成る群から選ばれるものであるこ
とを特徴とする前項(1)記載の装置。 （実施態様５）パッキングガイドは更に、接触エッジに
設けられた支持面を備え、支持面は、接触エッジとフィ
ルム・パックの円周エッジとの間の摩擦および磨耗を減
らすよう動作することを特徴とする前項(1)記載の装
置。 （実施態様６）パッキングガイドの柔軟性は、パッキン
グガイドと連絡して柔軟性調整体により調整されること
を特徴とする前項(1)記載の装置。 （実施態様７）柔軟性調整体は、多孔性材料、窪み、
溝、プリーツまたは波形から成る群から選ばれるもので
あることを特徴とする前項(6)記載の装置。 （実施態様８）フィルムを均一に巻きつける装置であっ
て、支持エッジおよび接触エッジを有し、パッキングガ
イドを形成している弾性材料の柔軟シートを有し、接触
エッジは、支持エッジから外側に延長している弾性材料
の柔軟シートと前記パッキングガイドを支持する支持エ
ッジに接続されている支持手段であって、支持手段は、
パッキングガイドの、フィルム・パックの円周エッジと
の接触エッジを、接触エッジがフィルム・パックが巻か
れるにつれてフィルム・パックの円周エッジと接触する
ように向けるよう動作し、支持手段は、フィルム・パッ
クが巻かれるにつれて、空気流が誘導されるように、フ
ィルム・パックの巻き面に対して角度でパッキングガイ
ドを傾けるよう動作し、パッキングガイドの角度は、空
気流を巻き面から遠い方向に向けなおし、向けなおされ
た空気流が第２の力をパッキングガイドに加えて接触エ
ッジが、第１の力より大きい正味の力によりフィルム・
パックの円周エッジと接触するように動作する支持手段
を備えていることを特徴とする装置。 （実施態様９）角度は、約１０度から約２０度までであ
ることを特徴とする前項(8)記載の装置。 （実施態様１０）フィルム・パックが巻き戻されるにつ
れて、空気流がパッキングガイドに当たり、パッキング
ガイドに揚力を加えるよう動作し、接触エッジが揚力に
よりフィルム・パックの円周エッジから遠くに押される
ようになり、接触エッジに作用する正味の力は、第１の
力より小さく、それによりフィルム・パックが巻き戻さ
れるにつれて、接触エッジと円周エッジとの間の摩擦お
よび磨耗が接触エッジと円周エッジとの間の低接触力に
より減少することを特徴とする前項(8)記載の装置。 （実施態様１１）フィルムを巻きつける方法において、
フィルムをフィルムを受けるようになっている構造に取
付け、パッキングガイドを構造に関して位置決めをおこ
ない、パッキングガイドは、パッキングガイドを固定し
て支持し且つパッキングガイドの、フィルムの円周方向
外側エッジとの接触エッジを、接触エッジが円周方向外
側エッジと接触するように、向けるための支持部材を備
えており、構造を回転してフィルムを構造に集め、それ
により構造が回転してフィルムが構造に集められるにつ
れて、接触エッジがフィルムの円周方向外側エッジを隣
接する円周方向内側エッジと整列させ、且つ隣接するフ
ィルム縁が実質的に平面状であるようにし、所定量のフ
イルムが構造上に蓄積したら構造の回転を停止し、パッ
キングガイドを構造に対して所定位置から移動させ、そ
れにより巻き構造を除去でき且つ新しい構造を巻取りの
ため設置できるようにすることを備えていることを特徴
とする方法。 （実施態様１２）フィルムを移動させる方法であって、
第１のパッキングガイドを、フィルムが既に巻かれてい
る第１の構造に関連して位置決めするステップであっ
て、第１の構造は、第１の軸の周りを回転するようにな
っており、第１のパッキング案内は、第１のパッキング
案内を支持し且つ第１のパッキング案内の、フィルムの
円周方向外側エッジとの接触エッジを、接触エッジが円
周方向外側エッジと接触するように向けるための支持部
材を備えているおり、フィルムの自由端をフィルムを受
けるようになっている第２の構造に取付け、第２のパッ
キングガイドを第２の構造に関連して設置するステップ
であって、第２の構造は、第２の軸の周りを回転するよ
うになっており、第２のパッキングガイドは、第２のパ
ッキングガイドを支持するための、および第２のパッキ
ングガイドの、フィルムの円周方向外側エッジとの接触
エッジを、接触エッジが円周方向外側エッジと接触する
ように向けるための支持部材を備えており、フィルムが
第１の構造から巻き戻されるにつれて第２の構造を第２
の軸の周りに回転させてフィルムを集め、それにより第
２の構造が回転し且つフィルムが第２の構造に巻かれる
につれて、第２のパッキングガイドの接触エッジがフィ
ルムの円周方向外側エッジを隣接する円周方向内側エッ
ジと整列させ、且つ隣接フィルムの縁が実質的に平面状
になるようにすることを備えるものであることを特徴と
する方法。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明による装置の斜視図である。

【図２】本発明に係る支持部材用片持ち梁を有するパッ
キングガイドの斜視図。

【図３】本発明に係る支持部材を有するパッキングガイ
ドの斜視図。

【図４】本発明に係る接触エッジに支持表面を有するパ
ッキングガイドの斜視図。

【図５】本発明に係る多孔性材料のあるパッキングガイ
ドの斜視図。

【図６】本発明に係る多孔性材料のあるパッキングガイ
ドの斜視図。

【図７】本発明に係る溝付きパッキングガイドの斜視
図。

【図８】本発明に係る窪み付きパッキングガイドの斜視
図。

【図９】本発明に係るプリーツ付きパッキングガイドの
斜視図。

【図１０】本発明に係る波形パッキングガイドの斜視
図。

【図１１】本発明に係るパッキングガイドの表面角を示
す断面図。

【図１２】本発明に係るパッキングガイドの上方の空気
流を示す断面図。

【図１３】本発明に係るパッキングガイドの下の空気流
を示す断面図。

【符号の説明】

３：パッキングガイド ５：支持エッジ ７：接触エッジ ８：支持手段 ９：片持ち梁 １５：フィルム・パック １７：円周エッジ ２０：フィルム

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】フィルムを均一に巻きつける装置であっ
   て、 支持エッジと接触エッジを有し、パッキングガイドを形
   成する弾性材料の柔軟シートと前記パッキングガイドを
   支持する支持エッジに接続されている支持手段を含み、
   前記支持手段は、前記パッキングガイドの接触エッジを
   フィルム・パックの円周エッジにそって配置させるよう
   動作し、よって、前記接触エッジがフィルム・パックが
   巻かれるにつれて、前記フィルム・パックの円周エッジ
   と接触することを特徴とするフィルムの巻きつけ装置。