JP2000112273A - 定着装置、及びこれを備えた画像形成装置 - Google Patents

定着装置、及びこれを備えた画像形成装置

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JP2000112273A
JP2000112273A JP27897698A JP27897698A JP2000112273A JP 2000112273 A JP2000112273 A JP 2000112273A JP 27897698 A JP27897698 A JP 27897698A JP 27897698 A JP27897698 A JP 27897698A JP 2000112273 A JP2000112273 A JP 2000112273A
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Atsushi Hosoi
細井  敦
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エネルギー利用効率が高くて、小サイズ紙を
用いても画像形成効率が高く、しかも、長期にわたって
安定した定着動作を行う。 【解決手段】 加圧ローラ3表面のほぼ全長にわたって
良熱伝導体4を当接させる。この当接位置を、定着動作
に伴って発生する加圧ローラ3表面の汚れのうちの良熱
伝導体4に捕獲される汚れの量の割合を回収率αとして
ときに、この回収率αが、α<0.1となるように設定
する。定着動作で発生するオフセットトナー及び紙粉が
良熱伝導体4に付着することが防止されるので、エネル
ギー利用効率が高くて、小サイズ紙を用いても画像形成
効率の高く、しかも安定した定着動作を行うことができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、複写機、レーザビ
ームプリンタ、ファクシミリ等に使用され、熱及び圧力
により記録材上にトナー像を定着させる定着装置、及び
これを備えた画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】記録材上のトナー像を加熱、加圧して定
着させる定着装置において、近年、エネルギーの利用効
率を高めるべく、定着装置の加熱回動部材の熱容量を小
さくし、加熱回動部材を定着動作可能温度までに上昇さ
せるまでのエネルギー(電力)を小さくするようにした
定着装置が数多く提案され、実用化されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上述の定着装置では、
加熱回動部材の熱容量を小さくしているために、加熱回
動部材の長手軸方向の熱伝導性が悪くなる。
【0004】この結果、長手軸方向のうち、記録材が通
過する通紙領域と通過しない非通紙領域との温度の不均
一が大きくなり、非通紙領域の温度が上昇し、加熱回動
部材表面に形成されている高離型性層(一般にPFA、
PTFE等のテフロン樹脂層あるいはSiゴム層)が熱
劣化してしまうという問題がある。
【0005】これを防止するために、最大幅の記録材に
対して小さな幅の記録材(以下「小サイズ紙」とい
う。)を用いる場合に、連続して画像形成する際に、記
録材の通過間隔を広げ、温度がある程度均一化されてか
ら次の記録材の定着動作をさせるものが実用化されてい
る。
【0006】しかし、これによると、画像形成動作の効
率を低下させ、また、画像形成装置本体の動作時間が長
くなるのでその分エネルギーを余分に消費してしまうと
いう問題点がある。
【0007】また、この画像形成動作の効率低下を防止
するために、良熱伝導部材を加圧部材に当接させ、記録
材の通紙領域と非通紙領域の温度不均一を解消させるも
のも提案されている。
【0008】この定着装置は、図6に示すように、良熱
伝導部材4が、加熱回動体2と加圧部材3とが形成する
ニップ部Nの、加圧部材3の回動方向(矢印R3方向)
の下流側の排紙側付近に設けてある。これは、通常、良
熱伝導部材4の交換性を考慮してこの位置に設置され
る。
【0009】このような位置に配置されると定着動作に
伴って発生する微量なオフセットトナーが加熱回動部材
2から加圧部材3を経て良熱伝導部材4へ付着する。定
着動作を繰り返しているとオフセットトナー及び記録材
から発生した紙粉が良熱伝導部材4上に蓄積され、トナ
ー及び紙粉により良熱伝導部材4の熱均一化の効果が弱
まり、また、定着装置の壁(不図示)等に接触し、負荷
抵抗が増大するため、定期的に清掃や交換を行ったり、
良熱伝導体4にクリーニング部材を設けたりする必要が
あった。
【0010】本発明は、上述事情に鑑みてなされたもの
であり、エネルギー利用効率が高くて、小サイズ紙を用
いても画像形成効率が高く、しかも、長期にわたって安
定した定着動作を行うことができる定着装置、及びこれ
を備えた画像形成装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
めの請求項1の発明は、発熱体を有する加熱回動部材に
加圧部材を当接させて定着ニップを構成し、表面に未定
着トナー像を担持した記録材を前記定着ニップにて挟持
搬送しつつ加熱、加圧して前記記録材表面にトナー像を
定着させる定着装置において、前記加圧部材表面のほぼ
全長にわたって当接される良熱伝導体を備え、定着動作
に伴って発生する前記加圧部材表面の汚れのうちの前記
良熱伝導体に捕獲される汚れの量の割合を回収率αとし
たときに、該回収率αが、α<0.1となるように前記
加圧部材に対する前記良熱伝導体の当接位置を設定す
る、ことを特徴とする。
【0012】請求項2の発明は、請求項1の定着装置に
おいて、前記当接位置を、前記定着ニップの上流側近傍
に設定する、ことを特徴とする。
【0013】請求項3の発明は、請求項1又は2の定着
装置において、前記良熱伝導体が、前記加圧部材の回転
に伴って従動回転する、ことを特徴とする。
【0014】請求項4の発明は、請求項1、2、又は3
の定着装置において、前記加熱回動部材が、ベルト状の
定着フィルムである、ことを特徴とする。
【0015】請求項5の発明は、請求項1、2、又は3
の定着装置において、前記加熱回動部材が、ドラム状の
定着ドラムである、ことを特徴とする。
【0016】請求項6の発明は、記録材上に未定着トナ
ー像を形成する画像形成部と、前記未定着トナー像を前
記記録材上に定着させる定着装置とを備えた画像形成装
置において、前記定着装置が、請求項1、2、3、4、
又は5に記載の定着装置である、ことを特徴とする。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、本発明の実
施の形態について説明する。
【0018】〈実施の形態1〉図1に、本発明に係る定
着装置の一例を示す。同図は、加熱回動部材としてフィ
ルム状の定着フィルムを用いた定着装置の概略構成を示
す縦断面図である。同図中の1は発熱体としてのヒータ
であり、2は加熱回動体としての定着フィルムである。
3は加圧部材としての加圧ローラ、4は良熱伝導体とし
ての放熱ローラであり、11は定着フィルム2を記録材
とほぼ等速に回転駆動するための駆動ローラ、12は定
着フィルム2にテンションを与えるためのテンションロ
ーラ、13はヒータ1を保持するためのステイ、14は
記録材を定着ニップNに案内する定着入り口ガイドであ
る。
【0019】本実施の形態では、ヒータ1は、1mm厚の
Al23 基盤に、AgPbの発熱抵抗体を所定の幅・
厚みにスクリーン印刷し、発熱体表面に保護用のガラス
をコートしてあるものを用い、ステイ13に接着固定し
ている。
【0020】定着フィルム2は、周長143mmで、厚さ
約20μmのポリイミド樹脂フィルムに約10μmのテ
フロンコートをしたものを用い、ヒータ1、駆動ローラ
11及びテンションローラ12間に懸回されており、モ
ータ(不図示)により駆動ローラ11が記録材とほぼ等
速に矢印R2方向に回転駆動されるのに伴って、回動す
る。
【0021】加圧ローラ3は、金属の芯金に弾性層を設
け、表層に高離型性層を有するものが用いられる。本実
施の形態では、芯金として直径10mm(φ10mm)の鉄
芯金に直径40mm(φ40mm)の、ASKER C硬度
で50度のスポンジ層を設け、表面に50μmのPFA
チューブを設けたものを用いた。加圧ローラ3は、付勢
手段(不図示)により、定着フィルム2を介してヒータ
1に所定の圧力をもって当接されており、定着フィルム
2との間に定着ニップNを構成し、矢印R3方向へ速度
Vpで従動回転する。
【0022】放熱ローラ4は、アルミニウム(Al)、
銅(Cu)などの金属、又はアルミナ等の良熱伝導性の
材料が用いられ、本実施の形態では、直径16mm(φ1
6mm)のAlの金属ローラを用いた。放熱ローラ4は、
加圧ローラ4の軸方向のほぼ全長にわたって付勢手段
(不図示)によって当接されている。その当接位置M
は、定着ニップNから加圧ローラ4表面の移動方向に沿
って距離L(本実施の形態では60mm)の位置に設定さ
れていて、加圧ローラ4の回転に伴って受動回転する。
なお、上述の距離Lは、加圧ローラ3の回転方向に沿っ
て測った距離である。
【0023】画像形成手段(不図示)により、表面に未
定着像としてトナー像が形成された記録材は、入り口ガ
イド14に沿って定着ニップNに搬送され、所定の熱、
及び圧力が加えられて、トナー像が表面に定着され、そ
の後、画像形成装置本体(不図示)外部に排出される。
【0024】本実施の形態における定着装置では、図2
に示すように中央通紙基準とし、中央部に温調用の第1
サーミスタがヒータ1の背面側に接着されており、ま
た、通紙領域内の端部に、端部昇温監視用に第2サーミ
スタが接着されている。
【0025】本実施の形態の定着装置では、第1サーミ
スタの検知信号に応じてヒータ1への通電を制御し、一
定温調するようにしている。
【0026】最大通紙幅の記録材を使用した場合、第1
サーミスタ及び第2サーミスタの検知温度にほとんど差
は生じないが、小サイズの記録材を使用した場合には、
通紙領域のみ、記録材、及びトナーに熱を奪われるの
で、第1サーミスタと第2サーミスタの間に大きな温度
差が生じる。
【0027】例えば、本発明の定着装置をキヤノン製複
写機NP6016に組み込み、第1サーミスタで160
℃になるように温調したところ、A4横(最大記録材の
サイズ)を使用した場合は、第2サーミスタの検知温度
は記録材の通紙枚数に関係なく、160℃前後の値を示
しているが、A4縦を使用すると第2サーミスタは非通
紙領域になるので温度が上昇し、約500枚連続でA4
縦を通紙すると第2サーミスタの検知温度は200℃前
後の値となる。
【0028】本出願人は、ここで定着ニップNから放熱
ローラ4の当接位置Mまでの距離Lをある一定値以上に
すると放熱ローラ4の汚れが極端に減少することを見出
した。
【0029】図6に示すように距離LをL′と小さくし
た場合、印字率が50%の印刷物を原稿として、5万枚
の画像形成を行うと、放熱ローラ4上には数mmのトナー
と紙粉の体積がみられたが、図1に示すように、距離L
を十分に確保した場合には、同一の条件で定着動作を続
けても、放熱ローラ4のトナー付着量はわずかであっ
た。
【0030】本出願人は、この現象がどのようなメカニ
ズムにより発生するかを検証するために以下のような実
験を行った。
【0031】(実験1)定着温調温度(温調)、フィル
ム周長(周長)、加圧ローラ径(加圧径)、放熱ローラ
径(放熱径)、距離L(L)、を変化させ、印字率50
%の原稿を2000枚通紙して放熱ローラ4の汚れ具合
を目視で判断した。このとき加圧ローラ3の周速Vpは
100mm/sec である。この結果を図7及び図8に示
す。
【0032】図7に示す結果より温調温度は、放熱ロー
ラ4の汚れに影響しないと言うことがわかった。これは
温調温度を変化させることにより、加圧ローラ3と放熱
ローラ4との当接位置での温度は、温調温度に依存する
ので、例えばL=30mmの場合温調温度が160℃なら
ば、放熱ローラ4の温度はほぼ140℃程度になり、L
=60mmの場合、温調温度を170℃にすれば放熱ロー
ラ4の温度は、145℃程度になるが、汚れはL=30
mmの場合にのみ出ているので汚れが放熱ローラ4及び加
圧ローラ3の当接位置Mの温度には依存していないこと
がわかる。
【0033】また、図8に示す結果より、放熱ローラ4
の汚れは、定着フィルム2の周長、加圧ローラ3の径、
放熱ローラ4の径に依存せず、距離Lへの依存が高いこ
とが理解される。
【0034】つづいて、加圧ローラ3の周速Vpと距離
Lと汚れの関係を明確にするために加圧ローラ3の径V
p、距離Lをパラメータにして放熱ローラ4の汚れの実
験を行った。このとき定着フィルム2の周長は141m
m、温調温度は160℃、放熱ローラ4の径は直径16m
m(φ16mm)に固定している。この結果を図9に示
す。
【0035】図9に示す結果より、加圧ローラの周速V
pと、定着ニップNから当接位置Mまでの距離Lとに、
放熱ローラ4の汚れが大きく依存し、L/Vpの値が約
0.47以下であると放熱ローラ4の汚れが発生し、L
/Vpが約0.5以上あれば放熱ローラ4の汚れが発生
しないことがわかる。
【0036】L/Vpの値に依存すると言うことは、定
着フィルム2の定着ニップNを出てからの時間にのみ依
存していると言うことを意味している。
【0037】さらに、現像剤(トナー)の種類を変化さ
せ、L/Vpの値に変化があるか実験を行った。
【0038】トナーとして、メインの樹脂の種類・磁性
体量等の異なる4種類のトナーA〜DについてL/Vp
の値と汚れの発生の関係を調査した。ここでトナーAは
本実施の形態で使用してきたトナーである。調査の結果
を図10に示す。
【0039】この結果より、トナー種により放熱ローラ
4の汚れを発生しなくなる時間L/Vpは異なるが、あ
る値以上になれば放熱ローラ4の汚れはきわめて減少す
ることがわかる。
【0040】放熱ローラ4の汚れの発生が、当接位置M
における温度によらず、定着フィルム2と加圧ローラ3
の形成する定着ニップNを通過してからの時間に依存す
るのは、定着ニップN内で溶融したオフセットトナーが
加圧ローラ3の回転移動に伴って空気に触れて急速にご
く表層のトナーの温度が低下して固化し、ある時間を過
ぎると放熱ローラ4に付着しにくくなるためと考えられ
る。
【0041】またトナー種によって汚れが防止されるま
での時間L/Vpが異なる。これはトナーの極表層部で
の現象なので、オフセットトナー自体の量、トナーの熱
容量、トナーの熱伝導率が微妙に影響していると考えら
れるが、詳細は未解明である。
【0042】ただし、このL/Vpをトナー表面固化時
間Tとすると、このトナー表面固化時間Tは、実験的に
容易に求めることが可能である。
【0043】実験的には、放熱ローラ4の加圧ローラ3
への当接位置Mを変えて5万枚程度の画像形成を行い、
放熱ローラ4の汚れを見ればよいが、非常に手間のかか
る作業となる。
【0044】そこで、本出願人は、簡易にこの当接位置
Mを決定する方法を見い出した。図4にその実験装置の
概要を示す。
【0045】図4の実験装置で、51は加圧ローラ3に
当接されたステンレス(SUS)又は燐青銅等の薄板か
らなる弾性体のスクレーパである。A3サイズの記録材
上に反射濃度が0.4〜0.5の濃度のベタトナー画像
を形成し、200枚分定着動作を行い、スクレーパ51
で加圧ローラ3表面上の汚れ物質を全量回収し、重量W
0 を測定する。
【0046】次に、放熱ローラ4を4a〜4eの位置の
いずれかに当接させ、上述と同様に200枚の定着動作
を行い、放熱ローラ4の重量変化W1 (実験終了後と実
験開始前の放熱ローラ4の重量差)を測定する。ここで
1 /W0 を回収率αと呼ぶことにする。
【0047】図5は、トナー種をトナーA、B、Dと変
えたときの、L/Vpの値と回収率αとの関係を示した
図である。これと前述の図10との結果を合わせると、
回収率αが0.1未満の点に放熱ローラ4を設置すると
実際の定着動作を長く続けても、放熱ローラ4へのトナ
ーの付着が防止され、良好な性能を維持できることがわ
かる。
【0048】ここで、トナー表面固化時間Tについて、
L/Vp<Tの場合とL/Vp>Tとの場合を比較す
る。
【0049】本実施の形態でL=60に設定し、L/V
pが0.6とした場合(ケース1、回収率α=0.0
5)と、L=30に設定し、L/Vpを0.3にした場
合(ケース2、回収率α=0.79)の比較について述
べる。
【0050】本実施の形態でトナーAを使用した場合に
は、回収率αが0.1になるT=0.5が放熱ローラ4
汚れ発生の境界時間であり、印字率50%の原稿をA4
横送りで5万枚印刷した後の放熱ローラ4の汚れは、ケ
ース1の場合はほとんどアルミの表面が汚れていないの
に対して、ケース2の場合は数mmのトナー及び紙粉等の
汚れの堆積が見られる。
【0051】ケース1の場合は耐久初期と同様に、A4
縦を500枚通紙しても第2サーミスタの検知温度は2
00℃程度を示し、初期と同一の性能を有するのに対し
て、ケース2では同等の条件で第2サーミスタの検知温
度が220℃を超えてしまい、放熱ローラ4の効果が減
少している。
【0052】第2サーミスタの温度を200℃程度に維
持するためには、記録材と記録材との間隔を広げる必要
が生じる。この場合には、当然、画像形成効率は落ち
る。
【0053】又は、放熱ローラ4上に堆積する汚れを除
去するクリーニング部材が必要になる。
【0054】トナー表面固化時間T<L/Vpになるよ
うに放熱ローラ4の当接位置Mを決めることにより、長
期にわたって放熱ローラ4表面にトナー等の汚れを生じ
ず、安定して効率よく定着動作を続けることが可能であ
る。
【0055】また、Lを十分にとって放熱ローラ4の当
接位置Mを定着フィルム2と加圧ローラ3の形成する定
着ニップNの上流近傍に設けると、定着入り口ガイド1
4を暖めやすくなり、記録材の裏面からの加熱効果が加
わり定着性能が向上するとともに、定着ニップNで生じ
やすい急激な紙内の水分の気化・蒸発による画像乱れ
が、軽減される効果もあり、より好ましい。
【0056】〈実施の形態2〉上述の実施の形態1で
は、定着装置の加熱回動部材として定着フィルム2を用
いる例について述べたが、本発明は、金属等の定着ロー
ラを用いた定着装置に対してももちろん適用が可能であ
る。図3にその一例を示す。
【0057】図3において、1は発熱体としてのハロゲ
ンヒータであり、2は加熱回動部材としての加熱ローラ
(定着ローラ)である。3は加圧部材としての加圧ロー
ラであり、4は良熱伝導部材としての放熱ローラであ
る。そして、14は定着入り口ガイドを示している。
【0058】本実施の形態では、省電力のために熱容量
を小さくすべく、加熱ローラ2の材質として外径32m
m、肉厚0.85mmのアルミニウムの素管の外周面上に
テフロンコートをしたものを用い、加圧ローラ3として
外径が30mmのスポンジ層の上に50μmのPFAチュ
ーブを被覆したものを用い、放熱ローラ4としてアルミ
ニウムの直径16mmのローラを用いた。またトナーとし
てはBを用い、定着ニップNから放熱ローラ4の当接位
置Mまでの距離Lを60mmとした。
【0059】このような定着装置を、キヤノン製の複写
機NP2120に組み込み、Vp=120mm/sec (す
なわちL/Vp=0.5でトナーBの表面固化時間0.
46より大の条件、回収率α=0.4)で印字率50%
の原稿により画像形成の耐久を行ったところ、10万枚
を超えても放熱ローラ4にはトナーの汚れが付着せず、
初期と同等の温度分布が得られきわめて安定した定着動
作を得ることが可能であった。
【0060】また、L=30としてL/Vp=0.2
5、回収率α=0.85として同様な耐久を行ったとこ
ろ、約5万枚の通紙耐久で放熱ローラ4へのトナー、紙
粉の堆積が進み、温度分布が5〜10℃初期よりも大き
くなり、また放熱ローラ4上に堆積した付着物が画像形
成装置本体の非作動時に固着し、翌日の電源投入後の前
多回転時に固着物で加圧ローラ表面を傷つけてしまうと
いう問題点が生じた。
【0061】〈実施の形態3〉上述の実施の形態1、2
では、加圧ローラ3上のトナーは自然冷却させていた
が、加圧ローラ3を小径にし、かつVpを早くした場合
には、加圧ローラ3に付着したトナーの表面が固化する
までの時間が稼げず、回収率α<0.1にする当接位置
Mが物理的に存在しない場合がある。
【0062】このような場合には、定着ニップNを通過
した後の加圧ローラ3に風を当てて熱を奪い、トナー表
面を強制的に固化してやってもよく、この場合も回収率
αを測定し、α<0.1となるように風量等を設置して
やれば、加圧ローラ3の直径が小さく、またVpの値が
大きい場合においても、長期にわたって放熱ローラ4の
汚れを防止することができ、安定した定着動作を行うこ
とが可能であるとともに、加圧ローラ3の直径を小さく
できる分、画像形成装置本体の一層の小型化及び軽量化
を測ることができるという効果がある。
【0063】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によると、
加圧部材表面のほぼ全長にわたって当接される良熱伝導
体を備え、定着動作に伴って発生する加圧部材表面の汚
れのうちの良熱伝導体に捕獲される汚れの量の割合を回
収率αとしてときに、この回収率αが、α<0.1とな
るように加圧部材に対する良熱伝導体の当接位置を設定
することにより、定着動作で発生するオフセットトナー
及び紙粉が良熱伝導体に付着することが防止されるの
で、エネルギー利用効率が高くて、小サイズ紙を用いて
も画像形成効率の高く、しかも安定した定着動作を行う
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の定着装置の概略構成を示す縦断
面図。
【図2】定着装置における発熱幅、記録材幅、第1、第
2サーミスタの、長手方向の位置関係を示す図。
【図3】実施の形態2の定着装置の概略構成を示す縦断
面図。
【図4】回収率αを測定する実験装置の概略構成を示す
図。
【図5】L/Vpと回収率αとの関係を示す図。
【図6】従来の形態1の定着装置の概略構成を示す縦断
面図。
【図7】汚れに対する、温調温度と距離Lとの関係を示
す図。
【図8】汚れに対する、定着フィルムの周長と、加圧ロ
ーラ径と、放熱ローラ径と、距離Lとの関係を示す図。
【図9】汚れに対する、加圧ローラ径と速度Vpと距離
Lとの関係を示す図。
【図10】汚れに対する、トナー種と、L/Vpとの関
係を示す図。
【符号の説明】
1 発熱体 2 加熱回動部材(定着フィルム、定着ロー
ラ) 3 加圧部材(加圧ローラ) 4 良熱伝導部材 14 定着入り口ガイド N 定着ニップ M 当接位置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発熱体を有する加熱回動部材に加圧部材
    を当接させて定着ニップを構成し、表面に未定着トナー
    像を担持した記録材を前記定着ニップにて挟持搬送しつ
    つ加熱、加圧して前記記録材表面にトナー像を定着させ
    る定着装置において、 前記加圧部材表面のほぼ全長にわたって当接される良熱
    伝導体を備え、 定着動作に伴って発生する前記加圧部材表面の汚れのう
    ちの前記良熱伝導体に捕獲される汚れの量の割合を回収
    率αとしたときに、 該回収率αが、α<0.1となるように前記加圧部材に
    対する前記良熱伝導体の当接位置を設定する、 ことを特徴とする定着装置。
  2. 【請求項2】 前記当接位置を、前記定着ニップの上流
    側近傍に設定する、ことを特徴とする請求項1に記載の
    定着装置。
  3. 【請求項3】 前記良熱伝導体が、前記加圧部材の回転
    に伴って従動回転する、 ことを特徴とする請求項1又は2に記載の定着装置。
  4. 【請求項4】 前記加熱回動部材が、ベルト状の定着フ
    ィルムである、 ことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の定着装
    置。
  5. 【請求項5】 前記加熱回動部材が、ドラム状の定着ド
    ラムである、 ことを特徴とする請求項1、2、又は3に記載の定着装
    置。
  6. 【請求項6】 記録材上に未定着トナー像を形成する画
    像形成部と、前記未定着トナー像を前記記録材上に定着
    させる定着装置とを備えた画像形成装置において、 前記定着装置が、請求項1、2、3、4、又は5に記載
    の定着装置である、 ことを特徴とする画像形成装置。
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