JP2000111767A - 光ファイバ - Google Patents

光ファイバ

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JP2000111767A
JP2000111767A JP11272060A JP27206099A JP2000111767A JP 2000111767 A JP2000111767 A JP 2000111767A JP 11272060 A JP11272060 A JP 11272060A JP 27206099 A JP27206099 A JP 27206099A JP 2000111767 A JP2000111767 A JP 2000111767A
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array
fiber
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Charles Joseph Aloisio Jr
ジョセフ アロイジオ,ジュニア チャールズ
Arturo Hale
ヘール アートゥロ
Valerie Jeanne Kuck
ジーン クック バレリー
Peter Gerald Simpkins
ジェラルド シンプキンス ピーター
Priya L Tabaddor
エル.タバドアー プリア
Carl Raymond Taylor
レイモンド テイラー カール
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    • G02B6/00Light guides; Structural details of arrangements comprising light guides and other optical elements, e.g. couplings
    • G02B6/44Mechanical structures for providing tensile strength and external protection for fibres, e.g. optical transmission cables
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デラミネーションが起こらないようにファイ
バへの十分な付着を維持しながら、特にガラスファイバ
のアレイからの剥離後にガラス上に残留物が少ししか残
らないような、光ガラスファイバ用被覆材料を実現す
る。 【解決手段】 細長いガラス繊維を包囲する保護被覆材
料の一次層を有する光ファイバが、剥離可能性を改善す
るように設計される。一次層の平衡(in-situ)弾性率
は、20℃で120〜500psi(0.83〜3.4
5Mpa)の範囲内にあり、引張り力(付着力)は、長
さ1センチメートルあたり1.2ポンド(1.2lb/
cm、54kg/m)以下である。実施例では、光ファ
イバは、ガラスファイバを包囲する2層(一次被覆およ
び二次被覆)の光硬化ポリマー材料を有し、一次被覆の
平衡弾性率は120〜500psi(0.83〜3.4
5Mpa)の範囲内にある。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光ファイバの保護
被覆に関し、特に、光ファイバから容易に除去可能な被
覆(コーティング)に関する。
【0002】
【従来の技術】光ファイバの製造では、ガラスプリフォ
ームロッドが垂直につり下げられ、制御された速度で炉
内に移動する。プリフォーム(母材)は炉内で軟化し、
ガラスファイバ(光ファイバともいう。)は、線引きタ
ワーの基部にあるキャプスタンによってプリフォームロ
ッドの溶融端から自由に線引きされる。ガラスファイバ
の表面は磨耗により引き起こされる損傷を受けやすいた
め、線引き後、いかなる表面とも接触する前に、ファイ
バを被覆する必要がある。被覆材料を施すことによりガ
ラス表面が損傷してはならないため、被覆材料は液体で
塗布される。塗布後、被覆材料は、ガラスファイバがキ
ャプスタンに到達する前に固化しなければならない。こ
れは一般に、光硬化(液体被覆材料が電磁放射(紫外
(UV)光が好ましい)にさらされると固体に転移する
プロセス)によって、短時間内に完了する。
【0003】ファイバは細く可撓性であるため、取扱中
や変動する温度環境にさらされている間に遭遇するよう
な機械的応力を受けると容易に曲がる。ファイバのこの
ような曲げは、ファイバ自体の固有損失よりもずっと大
きい光損失を生じることが多く、このような曲げに対し
てガラスファイバを保護することが好ましいことが分か
っている。そのため、被覆材料は、曲げに対してガラス
ファイバを保護することが要求され、一般に、2層の被
覆材料が、線引きされた光ファイバに施される。内側の
(一次)被覆は、比較的低い平衡弾性率(equilibrium m
odulus)を有し、ガラスファイバに直接施される。外側
の(二次)被覆は、比較的高い平衡弾性率を有し、一次
被覆を包囲する。ともに、これらの被覆は、一次被覆が
ガラスに結合している限り、ガラスファイバの本質的に
高い引張り強度を保護する。さらに、一次被覆は、圧力
が加えられると、ガラスファイバに付着するのが好まし
い。付着力は、被覆ガラスファイバをファイバの長手軸
に沿って引張ることによって、被覆ガラスファイバから
1センチメートルの長さの被覆材料を除去するのに要す
る力を測定する引張り試験により測定される。低い付着
力は、最悪の場合、「デラミネーション(剥離)」(del
amination)と、それに続く水の侵入が起こるという問題
があり、特に、高い湿度にさらされると、水分がガラス
表面を攻撃して、引張り力を低下させる。
【0004】矛盾する要求のようであるが、ガラスファ
イバから一次被覆を容易に剥離することができることも
所望される。特に、米国特許第4,900,126号に
記載のように、複数のファイバがアレイ状に接着される
場合はそうである。このようなアレイはしばしば「リボ
ン」と呼ばれる。実際、被覆材料を容易にきれいに剥離
することができない場合、スプライシングおよびコネク
タ化操作の重大な障害となる。
【0005】米国特許第5,373,578号には、非
架橋炭化水素成分を添加剤として添加することによって
剥離可能性を改善した光ファイバ用剥離可能被覆材料が
記載されている。しかし、この被覆材料は、90日間の
エージング後、長さ1センチメートルあたり3.0ポン
ド(3.0lb/cm、136kg/m)を超える引張
り力を示し、これは所望されるよりも高い。
【0006】米国特許第4,962,992号には、光
ファイバ被覆材料における好ましい性質が記載されてお
り、デラミネーションは、付着レベルを約1〜5lb/
cm(45〜227kg/m)の範囲に制御することに
よって防ぐことができると記載されている。それにもか
かわらず、低い付着レベルでデラミネーションを受けな
いことが好ましい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】必要とされているの
は、デラミネーションが起こらないようにファイバへの
十分な付着を維持しながら、特にガラスファイバのアレ
イからの剥離後にガラス上に残留物が少ししか残らない
ような、光ガラスファイバ用被覆材料である。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によれば、細長い
ガラス繊維を包囲する保護被覆材料の一次層を有する光
ファイバが、剥離可能性を改善するように設計される。
一次層の平衡(in-situ)弾性率は、20℃で120〜5
00psi(0.83〜3.45Mpa)の範囲内にあ
り、引張り力(付着力)は、長さ1センチメートルあた
り1.2ポンド(1.2lb/cm、54kg/m)以
下である。
【0009】本発明の実施例では、光ファイバは、ガラ
スファイバを包囲する2層(一次被覆および二次被覆)
の光硬化ポリマー材料を有し、一次被覆の平衡弾性率は
120〜500psi(0.83〜3.45Mpa)の
範囲内にある。また、実施例では、いくつかの被覆ガラ
スファイバが、光硬化マトリクス接着材料で接着されて
リボンを形成する。いくつかのこのようなリボンを、細
長いコアチューブ内に装填し、プラスチックジャケット
で包囲して、光ケーブルを形成する。
【0010】平衡弾性率を増大させることによって、デ
ラミネーション抵抗が増大することが分かった。これに
より、設計者は、適当なデラミネーション抵抗を維持し
ながら、引張り力を減少させることが可能となった。そ
の結果、被覆材料は、ほとんどあるいは全く残留物なし
でガラスファイバから剥離することが可能である。
【0011】
【発明の実施の形態】図1に、層14、15を含む保護
被覆システムによって包囲されたガラスファイバ12を
有する被覆光ファイバ10の端部断面図を示す。約20
00℃の温度に局所的に対称的に加熱された、特別に調
整された円柱形プリフォームから、ガラス光ファイバを
線引きすることは周知である。プリフォームが炉内に導
入されると、ガラスファイバ12は、溶融した材料から
線引きされる。ガラスファイバ12は、プリフォームか
ら線引きされた後、好ましくは2層の光硬化ポリマー材
料を有する保護被覆システムが施される。内側層14
は、ガラス−被覆界面13でガラスファイバ12と接触
し、一次被覆材料と呼ばれる。外側層(二次被覆材料と
いう。)は、内側層を包囲する。被覆材料の二重層を、
移動するガラスファイバに施す1つの方法は、米国特許
第4,474,830号(発行日:1984年10月2
日、発明者:C. R. Taylor)に記載されている。被覆材
料の二重層をガラスファイバに施すもう1つの方法は、
米国特許第4,851,165号(発行日:1989年
7月25日、発明者:J. A. Rennell、C. R. Taylor)
に記載されている。例として、ガラスファイバ12の代
表的な直径は約125マイクロメートルであり、そのコ
ア11の直径は一般に、シングルモードファイバでは1
0マイクロメートル以下である。(コア11とは、光が
ガラスファイバの長手軸に沿って伝搬中に、ガラスファ
イバの屈折率プロフィールによって、実質的に閉じ込め
られる領域である。)最後に、被覆材料のそれぞれの層
の厚さは約30マイクロメートルであり、被覆ファイバ
10の全直径が約250マイクロメートルになるように
する。
【0012】[被覆材料]被覆材料は、ガラスファイバ
を磨耗から保護し、マイクロベンディング損失から保護
するのみならず、引張り力を保持するのにも役立つ。し
かし、引張り力を保持するためには、一次被覆材料はガ
ラスに接着したままでなければならない。少なくとも剥
離されるまでは接着したままでなければならず、剥離さ
れる場合には、ガラス上に残留物を残さずに完全に除去
可能であることが好ましい。具体的には、一次被覆材料
とガラスファイバの間の界面は、デラミネーションが起
こらないような適当な強度によって特徴づけられなけれ
ばならないとともに、ファイバ表面上に粘着性残留物を
残さずに被覆システムを光ファイバから容易に剥離する
ことができるようなものでなければならない。他方、二
次被覆材料の表面は、隣り合うファイバの巻きの間がく
っついて、プロセススプールからの繰り出しがぎこちな
くならないようなものでなければならない。
【0013】被覆材料は一般に、ウレタン−アクリレー
ト液を含む。その分子は、紫外光にさらされると架橋す
る。この被覆の1つあるいはいくつかの性質を向上させ
るさまざまな添加剤も存在する。例えば、硬化プロセス
を加速するために光開始剤が添加される。これは重要で
ある。その理由は、被覆光ファイバは硬化するとすぐに
保管のためにスプールに巻き取られるが、製造速度は収
益性にとって重要であるからである。硬化とは、液体被
覆材料の固体への転移である。現在のシステムでは、こ
のプロセスは遊離基(フリーラジカル)硬化として知ら
れている。この硬化においては、光開始剤成分は、光を
吸収すると、開裂して遊離基対を形成し、これらの遊離
基は互いに拡散して離れていきアクリレート末端成分と
反応して、連鎖重合プロセスを開始する。光開始剤に加
えて、被覆材料はさらに、希釈剤、酸化防止剤、付着促
進剤、および、場合によっては、剥離可能性を改善する
添加剤を含む。しかし、剥離可能性について説明する前
に、まず、ガラス表面と接触する一次被覆材料の成分
(その性質は本発明の主題である)について説明するの
が重要である。
【0014】図2に、紫外(UV)硬化可能マトリクス
接着材料21でまとめて保持された被覆ガラスファイバ
10−10の群からなる光ファイバリボン20の斜視図
である。光ファイバ群は、共通平面内のフラットな並列
アレイとして配置される。4本のファイバのみを図示し
ているが、このようなアレイは一般に、8本以上のファ
イバを含む。マトリクス材料の平衡弾性率の値は、ファ
イバの外側被覆層の平衡弾性率より小さいが、内側被覆
層の平衡弾性率よりは大きい。マトリクス材料21は、
隙間を埋め、光ファイバをまとめて接着し、リボンの外
側境界まで広がる。公知のUV硬化可能マトリクス材料
21は、樹脂、希釈剤および光開始剤を含む。樹脂は、
例えば、分子量1000〜6000ドルトンのポリエー
テルポリオールのポリエステルと脂肪族または芳香族ジ
イソシアナートとの反応生成物と、ヒドロキシ末端アル
キルアクリレートとの反応から合成されたジエチレン末
端樹脂、または、分子量1000〜6000ドルトンの
カルボキシ末端ポリマーまたはポリエーテルとグリシジ
ルアクリレートとの反応から合成されたジエチレン末端
樹脂を含む。希釈剤は、例えば、分子量100〜100
0ドルトンの単官能もしくは多官能アクリル酸エステ
ル、または、N−ビニルピロリジノンを含む。光開始剤
については、その組成は、例えば、ジエトキシアセトフ
ェノン、アセトフェノン、ベンゾフェノン、ベンゾイ
ン、アントラキノン、およびベンジルジメチルケタール
のようなケトン化合物を含む。代表的な組成では、接着
材料は、樹脂(50〜90%)、希釈剤(5〜40
%)、および光開始剤(1〜10%)を含む。すべての
百分率は、特に断らなければ重量%である。他の接着マ
トリクスとして、メタクリレート、UV硬化エピキシド
あるいは不飽和ポリエステルも可能である。光ファイバ
の接着アレイに関してさらに詳細な情報は、上記の米国
特許第4,900,126号に記載されている。
【0015】[リボンの剥離]図3は、スプライシング
作業者が一括融着スプライシング(mass fusion splicin
g)に使用するようなリボン剥離工具の使用法を示す図で
ある。図3のAに、リボン剥離工具および関連する装置
の主要要素を示す。リボン20は、剥離プロセス中のフ
ァイバの取扱いを容易にするために、ファイバホルダ3
0内に置かれる。剥離工具は、ホルダグリップ40およ
び本体50を有し、これらは、接着ファイバアレイを包
囲するさまざまな層を除去するために使用される。蓋5
3は、剥離操作中は閉じられる。蓋53の内側表面54
は、加熱されたプラテン51と共同して、リボン20内
のガラスファイバを包囲する外側ジャケット材料を摩擦
的に保持する。
【0016】まず、図3のAにおいて、ファイバホルダ
30は、リボン20を囲む閉じた状態で示され、リボン
剥離工具に挿入されるところである。リボン20の、被
覆層を除去しようとする部分は、蓋が本体50の上に閉
じるとプラテン51と蓋53の内側表面54との間に把
持されることが可能であるように、ファイバホルダの前
端の先に延びている。閉じると、対向する刃55、56
は、被覆材料に適度の切れ目を入れるように、リボン2
0の両側に部分的に切り込みを入れる位置にくる。特に
使用した工具は、AC電源を、本体50内のヒータ素子
によって使用されるように12ボルトDCに変換して、
電気的に加熱される。ホルダグリップ40は、その蓋4
3が閉じるときにファイバホルダ30を把持するように
なっている。
【0017】図3のBに、リボン剥離工具の本体50か
ら離れるようにホルダグリップ40を移動する様子を示
す。ガイドレール45−45により、ホルダグリップ
は、制御された状態で本体と係合してスライドすること
が可能である。本体内のヒータ(図示せず)は、複数の
被覆ファイバの一次被覆14とガラスファイバ12(図
1または図2を参照)の間の界面13における接着を弱
めるあるいは断つ所定レベルまでプラテン51の温度を
上昇させる。例えば、100℃の温度で約2分間によ
り、許容可能な結果が得られる。接着が弱められあるい
は断たれた後、残りの操作には、ガラスファイバ表面に
沿って一次被覆をスライドさせることがある。一次被覆
をスライドさせることができるかどうかは、ガラスファ
イバとの間のすべり摩擦力に依存する。この操作は、組
成物(マトリクス21および被覆14、15)をどのく
らい容易に除去することができるか、および、裸のガラ
スファイバ上に残る残留物の量を決定することになる。
【0018】最後に、図3のCに、依然としてファイバ
ホルダ30内に保持されているリボン20からガラスフ
ァイバ12−12が突出した、リボン剥離プロセスの最
終結果を示す。また、剥離されたばかりのマトリクス材
料21は、本体50の加熱されたプラテン51上に残っ
ている。マトリクスおよび被覆材料をガラスファイバ1
2−12から剥離した場合、図4は、剥離プロセスのさ
まざまな可能性のある結果を例示し、それらの許容可能
性について説明するための図である。例えば、図4のA
は、マトリクス21および被覆材料14、15がガラス
ファイバ12−12から完全に除去された理想的状態を
示す。このような結果は、本発明によればしばしば可能
である。しかし、図4のBに示すように、多少の残留物
16−16の存在も、アルコールで湿らせた綿棒でてい
ねいに拭き取ることによって除去することが可能であれ
ば、許容可能である。これに対して、図4のCは、被覆
材料がガラスファイバにあまりにべとべととくっついて
しまっているために、断線が起こるか、または、容易に
除去することができない大きい断片が残ってしまう。
【0019】図5に、本発明による光ファイバ一次被覆
に関連する平衡弾性率と引張り力(付着力)の組合せの
範囲をプロットしたグラフを示す。このグラフは、残留
物が少なく、デラミネーションに対する耐性があり、マ
イクロベンディング損失が低いことが分かった、優れた
性能の範囲を示している。注目すべき点であるが、弾性
率が120psi(0.83Mpa)より高いようない
くつかの調製物で、引張り力を小さく(1.2lb/c
m(54kg/m)以下の値、好ましくは0.5〜1.
0lb/cm(23〜45kg/m))することが可能
である。その結果、被覆材料は、ほとんどまたは全く残
留物なしでガラスファイバから除去することが可能であ
る。これは特に、このようなファイバの群がマトリクス
接着材料によってアレイ状にまとめられている場合に重
要である。注意すべき点であるが、一次被覆材料の化学
構造や構成成分の相対量は、平衡弾性率と引張り力を独
立に制御するように変更することが可能である。それに
もかかわらず、このような変更は、調製物の粘度を許容
可能な限界(一般に、1000〜80,000センチポ
アズ(cP)、好ましくは3000〜10,000c
P)に保つように正しく行うよう留意すべきである。
【0020】同じ種類の被覆に対して、平衡弾性率は一
般に、引張りの作用を反映する(すなわち、引張り力が
増大するにつれて、平衡弾性率も増大する)。注目すべ
き点であるが、多数の実験をしたところ、弾性率を一定
にした場合、デラミネーション耐性と引張りの間には明
らかな関係がないことが発見された。換言すれば、デラ
ミネーション耐性は、引張り力を小さくしても、予想さ
れるようには低下しない。実際、圧縮負荷法に基づい
て、最低の引張り力の値を有するファイバが、最高のデ
ラミネーション耐性を示した。圧縮試験法では、硬い表
面に対して保持されたファイバ繊維に、デラミネーショ
ンが観察されるまで増大する負荷をかける。一次被覆の
平衡弾性率が大きいほど、同等のデラミネーション百分
率を生じるのに必要な負荷は大きい。実際、一次被覆の
平衡弾性率と、100%デラミネーションを生じるのに
要する負荷との間の関係は線形である。実際的な問題と
して、一次被覆の平衡弾性率の上限は、20℃で約50
0psi(3.45Mpa)であり、ここでマイクロベ
ンディング損失が許容できないほど高くなる。これは、
一次被覆材料が硬すぎて、ガラスファイバを十分に保護
することができないからである。
【0021】本発明の実施例では、一次被覆は、分子量
1000〜6000グラム/モルのウレタン−アクリレ
ートオリゴマー(25〜85重量%)と、芳香族部分を
有する分子量150〜900グラム/モルの単官能アク
リレートモノマー(0〜70%)と、分子量100〜5
00グラム/モルの単官能脂肪族アクリレート(0〜5
0%)と、光開始剤(0.1〜10%)と、付着促進剤
(0〜5%)とを含む。
【0022】[平衡弾性率]被覆材料の架橋密度は、
ε′(蓄積弾性率(storage modulus))曲線上のプラト
ーすなわち「平衡」弾性率に対応する。一次被覆の平衡
弾性率(in-situ弾性率ともいう。)は、架橋密度を変
えることによって変更することができる。具体的には、
弾性率は、次のようにすることによって増大させること
ができる。 1.二官能ウレタンアクリレートオリゴマーの分子量を
小さくする。 2.二官能モノマーの相対量を増大させる。 3.単官能モノマーに対する二官能ウレタンアクリレー
トオリゴマーの相対量を増大させる。 4.単官能モノマーの相対量を減少させる。 5.連鎖移動剤(もしあれば)を除去またはその相対量
を減少させる。なお、ある付着促進剤(例えば、γ−メ
ルカプトプロピルトリメトキシシラン)は、連鎖移動剤
としても作用する。
【0023】逆に、弾性率は、次のようにすることによ
って減少させることができる。 1.二官能ウレタンアクリレートオリゴマーの分子量を
大きくする。 2.二官能モノマーの相対量を減少させる。 3.単官能モノマーに対する二官能ウレタンアクリレー
トオリゴマーの相対量を減少させる。 4.単官能モノマーの相対量を増大させる。 5.連鎖移動剤を添加する。 6.ウレタンアクリレートオリゴマーの有効官能性を減
少させる。
【0024】
【実施例】連鎖移動剤を添加することによってin-situ
弾性率を減少させる [調製物A]・80重量部のARU−339(二官能ウ
レタンアクリレートオリゴマーであり、Echo Resins社
から市販されている)。 ・20重量部の2−(2−エトキシエトキシ)エチルア
クリレート(単官能モノマーであり、Sartomer社からS
R−256として市販されている)。 ・2重量部のIrgacure 1700(光開始剤であり、Ciba社
から市販されている)。 ・この調製物の平衡弾性率は、約1J/cm2の紫外
(UV)線量で硬化後は、800psi(5.51Mp
a)であった。
【0025】[調製物B] ・80重量部のARU−339(二官能ウレタンアクリ
レートオリゴマーであり、Echo Resins社から市販され
ている)。 ・15重量部の2−(2−エトキシエトキシ)エチルア
クリレート(単官能モノマーであり、Sartomer社からS
R−256として市販されている)。 ・5重量部のイソオクチルメルカプトプロピオネート
(連鎖移動剤であり、Hampshire Chemical Corp.から市
販されている)。 ・2重量部のIrgacure 1700(光開始剤であり、Ciba社
から市販されている)。 ・この調製物の平衡弾性率は、約1J/cm2の紫外
(UV)線量で硬化後は、348psi(2.40Mp
a)であった。
【0026】単官能モノマーを二官能モノマーで置き換
えることによってin-situ弾性率を増大させる [調製物C] ・40重量部のARU−339(二官能ウレタンアクリ
レートオリゴマーであり、Echo Resins社から市販され
ている)。 ・53重量部のエトキシレート化ノニルフェノールアク
リレート(単官能モノマーであり、Sartomer Corp.から
SR−504として市販されている)。 ・5重量部のラウリルアクリレート(単官能モノマーで
あり、Sartomer Corp.からSR−335として市販され
ている)。 ・2重量部のイソオクチルメルカプトプロピオネート
(連鎖移動剤であり、Hampshire Chemical Corp.から市
販されている)。 ・2重量部のIrgacure 1700(光開始剤であり、Ciba社
から市販されている)。 ・この調製物の平衡弾性率は、約1J/cm2の紫外
(UV)線量で硬化後は、58psi(0.40Mp
a)であった。
【0027】[調製物D] ・40重量部のARU−339(二官能ウレタンアクリ
レートオリゴマーであり、Echo Resins社から市販され
ている)。 ・53重量部のエトキシレート化ノニルフェノールアク
リレート(単官能モノマーであり、Sartomer Corp.から
SR−504として市販されている)。 ・5重量部のヘキサンジオールジアクリレート(二官能
モノマーであり、Sartomer Corp.からSR−238とし
て市販されている)。 ・2重量部のイソオクチルメルカプトプロピオネート
(連鎖移動剤であり、Hampshire Chemical Corp.から市
販されている)。 ・2重量部のIrgacure 1700(光開始剤であり、Ciba社
から市販されている)。 ・この調製物の平衡弾性率は、約1J/cm2の紫外
(UV)線量で硬化後は、189psi(1.30Mp
a)であった。
【0028】[付着力]一次被覆のガラスファイバへの
付着力は、ポリマーとシリカ表面の間の極性相互作用
と、ポリマーとシリカ表面の間の共有結合(もしあれ
ば)の程度と、ポリマーとガラスの間の界面に移動する
界面活性剤や潤滑剤の有無とに依存する。一次被覆のガ
ラスへの付着力は、次のようにすることによって増大さ
せることができる。 1.オリゴマーやモノマーの極性を増大させる(例え
ば、ウレタン、エステル、ヒドロキシル、またはカルボ
キシル酸部分の含有量を増大させる、あるいは、相対酸
素含有量を増大させる)。 2.付着促進剤やカップリング剤、すなわち、一方の側
でシリカに、他方の側でポリマーに共有結合することが
可能な分子(例えば、γ−メルカプトプロピルトリメト
キシシラン、3−アクリルオキシプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン)を添加
する。
【0029】逆に、付着力は、次のようにすることによ
って減少させることができる。 1.極性を低下させる(例えば、ウレタン、エステル、
ヒドロキシル、またはカルボキシル酸部分の含有量を低
下させる、相対酸素含有量を低下させる(すなわち、炭
化水素含有量を増大させる。米国特許第5,373,5
78号を参照)、あるいは、シロキサンまたはフッ素化
部分を添加する)。 2.カップリング剤を除去またはその濃度を減少させ
る。 3.界面活性剤または潤滑剤(例えば、ポリジメチルシ
ロキサン、官能性ポリジメチルシロキサン、オクタデシ
ルトリメトキシシラン、または、Fluoradの商標で3M
によって販売されているようなフッ素化界面活性剤(例
えば、0.5重量%のFluorad FC−430を添加す
る)を添加する。
【0030】上記のような光ファイバの接着アレイは、
AccuRibbon(R)という商標のライトガイドケーブルとし
て、Lucent Technologies Inc.から市販されている。こ
れは、特に、スプライシングおよび設置の生産性が重要
である加入者線や大都市ネットワーク(MAN)での多
数のファイバ設置に有用である。各リボンは、識別を容
易にするために12本のカラーコード化されたファイバ
を含み、また、高密度化のために、12本程度のリボン
がまとめて積み重ね(スタック)される。リボンスタッ
クは、コアチューブによって包囲される。コアチューブ
もまた、屋外プラントアプリケーションにおいて水が侵
入しないようにする充填剤を含むこともある。図6に、
本発明のよる実際のケーブルの構成に関する詳細を示
す。光ケーブル60は、上記のリボン20を含む。これ
らのリボンは、管状部材61内に配置される。管状部材
61は、例えば、塩化ポリビニルやポリエチレンのよう
な誘電体材料からなる。管状部材61の周りには、吸水
テープ63、波形金属シールド64、およびプラスチッ
クジャケット66がある。リップコード62は、Kevlar
(R)プラスチックからなり、シース除去を容易にする。
例えばポリエチレン材料のジャケット66は、強度部材
65−65を包囲する。強度部材は、取扱中や通常使用
中に、この強度部材がなければ光ファイバに加わる可能
性のある応力を除去または低減するために使用され、い
くつかの公知の方法でケーブル60内に含めることが可
能である。一般に、管状部材61内には、それに含まれ
るファイバを保護することによりマイクロベンディング
損失に対して保護するための充填材料が配置される。ケ
ーブル60の構成と、適当な充填材料に関してさらに詳
細には、米国特許第4,844,575号に記載されて
いる。
【0031】本発明のさまざまな実施例について説明し
たが、本発明の技術的範囲内でさまざまな変形が可能で
ある。このような変形には、例えば、一次被覆材料の平
衡弾性率を増減するための異なる技術および材料の使用
や、一次被覆材料の付着力を増減するための異なる技術
および材料の使用があるが、これらに限定されるもので
はない。
【0032】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明によれば、デ
ラミネーションが起こらないようにファイバへの十分な
付着を維持しながら、特にガラスファイバのアレイから
の剥離後にガラス上に残留物が少ししか残らないよう
な、光ガラスファイバ用被覆材料が実現される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による被覆システムを有する光ファイバ
の端部断面図である。
【図2】マトリクス材料で接着された被覆ガラスファイ
バ群からなる光ファイバリボンの斜視図である。
【図3】リボン剥離工具を使用して、ガラスファイバ群
からマトリクスおよび被覆材料を除去する3つの引き続
く段階を示す図である。
【図4】リボン剥離手続きのさまざまな結果を示す図で
ある。
【図5】本発明による光ファイバ一次被覆に関連する平
衡弾性率および引張り力の組合せの範囲をプロットする
図である。
【図6】いくつかの光ファイバリボンを有するケーブル
の図である。
【符号の説明】
10 被覆光ファイバ 11 コア 12 ガラスファイバ 13 ガラス−被覆界面 14 内側層 15 外側層 16 残留物 20 光ファイバリボン 21 紫外(UV)硬化可能マトリクス接着材料 30 ファイバホルダ 40 ホルダグリップ 43 蓋 45 ガイドレール 50 本体 51 プラテン 53 蓋 54 内側表面 55 刃 56 刃 60 光ケーブル 61 管状部材 62 リップコード 63 吸水テープ 64 波形金属シールド 65 強度部材 66 プラスチックジャケット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 596077259 600 Mountain Avenue, Murray Hill, New Je rsey 07974−0636U.S.A. (72)発明者 チャールズ ジョセフ アロイジオ,ジュ ニア アメリカ合衆国,30307 ジョージア,ア トランタ,エヌ.イー.,リッジウッド ドライブ 1858 (72)発明者 アートゥロ ヘール アメリカ合衆国,10024 ニューヨーク, ニューヨーク,ウエスト エンド アベニ ュー 530,アパートメント 81 (72)発明者 バレリー ジーン クック アメリカ合衆国,07043 ニュージャージ ー,アッパー モンテクレア,ワーフィー ルド ストリート 45 (72)発明者 ピーター ジェラルド シンプキンス アメリカ合衆国,07928 ニュージャージ ー,チャサム,バン ホウトン アベニュ ー 56 (72)発明者 プリア エル.タバドアー アメリカ合衆国,30022 ジョージア,ア ルファレッタ,グランベリー ウェイ 710 (72)発明者 カール レイモンド テイラー アメリカ合衆国,30043 ジョージア,ロ ーレンスビル,クラブ ビュー ドライブ 413

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 光硬化ポリマー材料からなる一次被覆材
    料(14)で被覆された光ファイバ(10)において、
    該光ファイバは、長さ方向に光波を伝搬することが可能
    な細長いガラス繊維(12)を有し、 前記一次被覆は、 平衡弾性率が、20℃で120〜500psiの範囲内
    にあり、 引張り力が、1.2lb/cm以下であることを特徴と
    する光ファイバ。
  2. 【請求項2】 前記引張り力は0.5〜1.0lb/c
    mの範囲内にあることを特徴とする請求項1に記載の光
    ファイバ。
  3. 【請求項3】 前記一次被覆材料(14)は、ウレタン
    −アクリレートオリゴマー、1種類以上のモノマー、お
    よび光開始剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の
    光ファイバ。
  4. 【請求項4】 前記一次被覆材料(14)は、 25重量%〜85重量%の量の二官能アクリレートオリ
    ゴマーと、 70重量%以下の量の、芳香族部分を有する単官能アク
    リレートモノマーと、 50重量%以下の量の単官能脂肪族アクリレートと、 0.1重量%〜10重量%の量の光開始剤と、 5重量%以下の量の付着促進剤とを含むことを特徴とす
    る請求項1に記載の光ファイバ。
  5. 【請求項5】 前記光ファイバは、前記一次被覆材料
    (14)の層を包囲する二次被覆材料層(15)をさら
    に有し、 前記二次被覆材料層は、前記一次被覆材料よりも高い平
    衡弾性率を有することを特徴とする請求項1に記載の光
    ファイバ。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の光ファイバを複数本、
    長さ方向が互いに平行になるようにアレイ(20)とし
    て配置し、隣接する光ファイバ間の隙間を満たし該アレ
    イの周囲まで広がるマトリクス接着材料(21)で包囲
    したことを特徴とする光ファイバ接着アレイ。
  7. 【請求項7】 前記光ファイバ接着アレイはフラットで
    あることを特徴とする請求項6に記載の光ファイバ接着
    アレイ。
  8. 【請求項8】 請求項1に記載の光ファイバを複数本、
    ケーブル(60)の長さ方向に延びるコアチューブ(6
    1)内に配置し、 前記ケーブルは、 (i)前記コアチューブを包囲するプラスチックジャケ
    ット(66)と、 (ii)前記ケーブルに加わる負荷を受容する張力を有
    する強度部材(65)とを含むことを特徴とする光ファ
    イバケーブル。
  9. 【請求項9】 前記光ファイバは、長さ方向が互いに平
    行になるようにアレイ(20)として配置され、隣接す
    る光ファイバ間の隙間を満たし該アレイの周囲まで広が
    るマトリクス接着材料(21)で包囲されることを特徴
    とする請求項8に記載の光ファイバケーブル。
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