JP2000111726A - カラーフィルタおよびその製造方法 - Google Patents
カラーフィルタおよびその製造方法Info
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Abstract
保護層を備え、表示品質に優れたカラー液晶表示装置の
製造を可能とするカラーフィルタと、このようなカラー
フィルタを簡便に製造するための製造方法を提供する。 【解決手段】 カラーフィルタを、酸価の異なる樹脂を
含有し少なくとも着色層を覆うように形成された透明保
護層と、酸価の異なる樹脂を含有し透明保護層よりも突
出するように基板上の複数の所定部位に形成された透明
な柱状凸部とを備え、上記透明保護層は柱状凸部に比べ
て酸価の低い樹脂の含有率が大きいものとし、このよう
なカラーフィルタを、第1の工程として基板上に所定の
パターンで複数色からなる着色層を形成した後、少なく
とも着色層を覆うように基板上に酸価の異なる樹脂を含
有した感光性樹脂層を形成し、第2の工程として柱状凸
部の形成パターンに相当する開口部を備えたフォトマス
クを介して感光性樹脂層を露光し、第3の工程として感
光性樹脂層を現像することにより製造する。
Description
びその製造方法に係り、特に表示品質に優れたカラー液
晶表示装置の製造が可能なカラーフィルタとその製造方
法に関する。
ラー液晶表示装置が注目されている。カラー液晶表示装
置の一例として、ブラックマトリックス、複数の色(通
常、赤(R)、緑(G)、青(B)の3原色)からなる
着色層、透明導電層(共通電極)および配向層を備えた
カラーフィルタと、薄膜トランジスタ(TFT素子)、
画素電極および配向層を備えたTFTアレイ基板とを所
定の間隙をもたせて向かい合わせ、この間隙部に液晶材
料を注入して液晶層としたものがある。このようなカラ
ー液晶表示装置では、間隙部が液晶層の厚みそのもので
あり、カラー液晶表示装置に要求される高速応答性、高
コントラスト比、広視野角等の良好な表示性能を可能と
するためには、液晶層の厚み、すなわち、カラーフィル
タとTFTアレイ基板の間隙距離を厳密に一定に保持す
る必要がある。
の厚みを決定する方法として、カラーフィルタとTFT
アレイ基板との間隙に、ガラスやアルミナ、プラスチッ
ク等からなるスペーサーと称する粒子あるいは棒状体を
多数混合した液晶を注入する方法がある。そして、スペ
ーサーの大きさをもって両基板の間隙部の大きさ、つま
り、液晶層の厚みが決定される。
FTアレイ基板との間隙部を形成する方法では、カラー
液晶表示装置の動作の上で次のような問題点が生じる。
すなわち、基板面上に散在させるスペーサーの密度が適
正で、かつ、基板面上にスペーサーが均一に分散されて
いなければ、カラー液晶表示装置の全面に亘って大きさ
が均一な間隙部は形成されない。一般に、スペーサーの
散在量(密度)を増した場合、間隙部の厚みのばらつき
偏差は少なくなるが、散在量(密度)が多くなると表示
画素部上に存在するスペーサーの数も増し、表示画素部
ではこのスペーサーが液晶材料の異物となる。そして、
スペーサーの存在によって、配向膜で規制された液晶分
子の配向に乱れが生じたり、スペーサー周辺の液晶だけ
は電圧のON、OFFによる配向制御が不能になる等の
支障がみられ、コントラスト比等の表示性能が低下する
という問題があった。
するために、間隙(液晶層の厚み)を決定するための柱
状凸部を備えたカラーフィルタが提案されている(特開
平4−318816号等)。しかしながら、このカラー
フィルタでは、着色層を形成し、この着色層を覆うよう
に保護層を形成した後に、光感光性樹脂を用いて再度フ
ォトリソグラフィー工程により柱状凸部をブラックマト
リックス上の所定箇所に形成するので、工程が煩雑であ
る。
(In-Plane Switching)液晶モードでは、TN液晶モー
ドよりも更に精密な基板間隙の制御が要求されている。
このような要求に応えるために、柱状凸部の高さの精度
を±0.2μm以下とするには、感光性樹脂の高い塗布
精度が要求され、スループット、歩留等が問題となって
いる。
れたものであり、液晶層の厚み設定用としての柱状凸部
と透明保護層を備え、表示品質に優れたカラー液晶表示
装置の製造を可能とするカラーフィルタと、このような
カラーフィルタを簡便に製造するための製造方法を提供
することを目的とする。
るために、本発明のカラーフィルタは、基板と、該基板
上に所定のパターンで形成された複数色からなる着色層
と、少なくとも前記着色層を覆うように形成された透明
保護層と、前記基板上の複数の所定部位に形成され前記
透明保護層よりも突出した透明な柱状凸部とを備え、前
記透明保護層および前記柱状凸部は酸価の異なる樹脂を
含有し、前記透明保護層は前記柱状凸部に比べて酸価の
低い樹脂の含有率が大きいような構成とした。
酸価の差が60〜100mgKOH/gの範囲内にある
ような構成とした。
板上に所定のパターンで複数色からなる着色層を形成し
た後、少なくとも前記着色層を覆うように前記基板上に
酸価の異なる樹脂を含有した感光性樹脂層を形成する第
1の工程、柱状凸部の形成パターンに相当する開口部を
備えたフォトマスクを介して前記感光性樹脂層を露光す
る第2の工程、前記感光性樹脂層を現像することによ
り、前記基板上の複数の所定部位に透明な柱状凸部を形
成するとともに、少なくとも前記着色層を覆うように透
明保護層を形成する第3の工程、を有するような構成と
した。
は、前記感光性樹脂層に含有される樹脂の酸価の差が6
0〜100mgKOH/gの範囲内にあるような構成、
前記感光性樹脂層における酸価の低い樹脂の含有量が酸
価の高い樹脂100重量部に対して20〜60重量部の
範囲内であるような構成とした。
価の異なる樹脂を含有しているので、露光後の現像にお
いて露光部(柱状凸部の形成位置)と未露光部のアルカ
リ現像液に対する溶解性が適度な差として現れ、露光部
では柱状凸部が形成され、未露光部では酸価が低くアル
カリ現像液に対する溶解性の低い樹脂が多く残存した透
明保護層が形成され、上記柱状凸部は液晶層の厚み設定
用スペーサとして必要な高さをもつとともに高精度の高
さ設定が可能であり、また、透明保護層はカラーフィル
タ表面を平坦化するとともに、着色層に含有される成分
の液晶層への溶出を防止する。
ついて図面を参照して説明する。本発明のカラーフィル
タ図1は本発明のカラーフィルタの実施形態の一例を示
す部分平面図であり、図2はA−A線における縦断面図
である。図1および図2において、本発明のカラーフィ
ルタ1は、基板2と、この基板2上に形成されたブラッ
クマトリックス3および着色層5を備え、ブラックマト
リックス3および着色層5を覆うように透明保護層6が
形成されており、さらに、ブラックマトリックス3の所
定の複数の箇所(図1では5箇所)には透明な柱状凸部
7が上記の透明保護層6と一体的に形成されている。
としては、石英ガラス、パイレックスガラス、合成石英
板等の可撓性のない透明なリジット材、あるいは透明樹
脂フィルム、光学用樹脂板等の可撓性を有する透明なフ
レキシブル材を用いることができる。この中で特にコー
ニング社製7059ガラスは、熱膨脹率の小さい素材で
あり寸法安定性および高温加熱処理における作業性に優
れ、また、ガラス中にアルカリ成分を含まない無アルカ
リガラスであるため、アクティブマトリックス方式によ
るカラー液晶表示装置用のカラーフィルタに適してい
る。
クマトリックス3は、着色層5からなる表示画素部の間
および着色層5の形成領域の外側に設けられている。こ
のようなブラックマトリックス3は、スパッタリング
法、真空蒸着法等により厚み1000〜2000Å程度
のクロム等の金属薄膜を形成し、この薄膜をパターニン
グして形成したもの、カーボン微粒子等の遮光性粒子を
含有させたポリイミド樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹
脂等の樹脂層を形成し、この樹脂層をパターニングして
形成したもの、カーボン微粒子、金属酸化物等の遮光性
粒子を含有させた感光性樹脂層を形成し、この感光性樹
脂層をパターニングして形成したもの等、いずれであっ
てもよい。
色パターン5Gおよび青色パターン5Bが所望のパター
ン形状で配列されており、所望の着色材を含有した感光
性樹脂を使用した顔料分散法により形成することがで
き、さらに、印刷法、電着法、転写法等の公知の方法に
より形成することができる。また、着色層5を、例え
ば、赤色パターン5Rが最も薄く、緑色パターン5G、
青色パターン5Bの順に厚くすることにより、着色層5
の各色ごとに最適な液晶層厚みを設定するようにしても
よい。
平坦化するとともに、着色層5に含有される成分の液晶
層への溶出を防止するために設けられたものである。こ
の透明保護層6の厚みは、使用される材料の光透過率、
カラーフィルタ1の表面状態等考慮して設定することが
でき、例えば、0.1〜3.0μmの範囲で設定するこ
とができる。このような透明保護層6は、カラーフィル
タ1をTFTアレイ基板と貼り合わせたときに液晶層と
接するような着色層5を少なくとも覆うように形成され
る。
含有するものである。この透明保護層6は、後述する柱
状凸部7に比べて酸価の低い樹脂の含有率が大きく、酸
価の異なる樹脂としては、透明保護層6に要求される光
透過率等を考慮して選定することができる。
TFTアレイ基板と貼り合わせたときにスペーサーとし
て作用するものである。この柱状凸部7は、上記の透明
保護層6よりも2〜10μm程度の範囲で突出するよう
に一定の高さをもつものであり、突出量はカラー液晶表
示装置の液晶層に要求される厚み等から適宜設定するこ
とができる。また、柱状凸部7の形成密度は、液晶層の
厚みムラ、開口率、柱状凸部7の形状、材質等を考慮し
て適宜設定することができるが、例えば、着色層5を構
成する赤色パターン5R、緑色パターン5Gおよび青色
パターン5Bの1組に1個の割合で必要十分なスペーサ
ー機能を発現する。このような柱状凸部7の形状は、図
示例では円柱形状となっているが、これに限定されるも
のではなく、角柱形状、截頭錐体形状等であってもよ
い。
有するものである。この柱状凸部7は、上述のように透
明保護層6に比べて酸価の低い樹脂の含有率が小さく、
酸価の異なる樹脂としては、柱状凸部7に要求される機
械的強度、光透過率等を考慮して選定することができ
る。
重合組成を調整して0〜120mgKOH/gの範囲で
所望の酸価に設定した共重合体等を使用することができ
る。
異なる樹脂として上記のような樹脂の2種以上を含有
し、含有する樹脂の酸価の差は、樹脂の種類、含有量等
により異なるが、例えば、柱状凸部7において主体とな
る2種の樹脂(酸価の異なる樹脂に占める合計含有量が
70重量%以上である2種の樹脂)の酸価の差を60〜
100mgKOH/gの範囲内とすることができる。
本発明のカラーフィルタ1に配向層を設けて配向処理
(ラビング)した後、TFTアレイ基板と貼り合わせた
場合、柱状凸部7がカラーフィルタ1とTFTアレイ基
板との間に間隙を形成する。そして、柱状凸部7は、
R、G、Bの3色の着色層を積層して形成された柱状凸
部にみられるような、レベリング現象による高さ精度不
良、および、各色ごとの位置合わせ不良が生じないの
で、その高さ精度と位置精度が極めて高いものであり、
したがって、両基板の間隙精度は極めて高いものとな
る。また、仮に画素部分に柱状凸部の一部が存在したと
しても、透明であるために表示品質に悪影響を及ぼすこ
とがほとんどない。一方、透明保護層6は、微細な凹凸
が存在するカラーフィルタ1の表面を平坦なものとし、
液晶の配向に悪影響を与える表面粗さを低減するととも
に、着色層に微量含まれるイオン性不純物等が液晶層へ
溶出して表示品質に悪影響を及ぼすことを防止する。
されるように、ブラックマトリックス3を備えず、非画
素部分に位置する着色層5上に上述の柱状凸部7を形成
したもの等であってもよい。本発明のカラーフィルタ製造方法 次に、カラーフィルタ製造方法の一実施形態について、
図1および図2に示されたカラーフィルタ1を例に図4
および図5を参照しながら説明する。 (第1の工程)カラーフィルタ製造方法の第1の工程で
は、基板上に所定のパターンで複数色からなる着色層を
形成した後、少なくとも着色層を覆うように基板上に酸
価の異なる樹脂を含有した感光性樹脂層が形成される。
すなわち、まず、基板2上にブラックマトリックス3を
形成し(図4(A))、次いで、基板2上の赤色パター
ン形成領域に赤色パターン5R、緑色パターン形成領域
に緑色パターン5G、さらに、青色パターン形成領域に
青色パターン5Bを形成して着色層5とする(図4
(B))。次に、ブラックマトリックス3および着色層
5を覆うように感光性樹脂層8を形成する(図4
(C))。
例えば、以下のように行うことができる。まず、スパッ
タリング法、真空蒸着法等により形成したクロム等の金
属薄膜、カーボン微粒子等の遮光性粒子を含有した樹脂
層等からなる遮光層を基板2上に形成し、この遮光層上
に公知のポジ型あるいはネガ型の感光性レジストを用い
て感光性レジスト層を形成する。次いで、感光性レジス
ト層をブラックマトリックス用のフォトマスクを介して
露光、現像し、露出した遮光層をエッチングした後、残
存する感光性レジスト層を除去することによって、ブラ
ックマトリックス3を形成する。
以下のように行うことができる。まず、ブラックマトリ
ックス3を覆うように基板2上に赤色着色材を含有した
赤色感光性樹脂層を形成し、所定のフォトマスクを介し
て上記の赤色感光性樹脂層を露光して現像を行うことに
より、基板2上の赤色パターン形成領域に赤色パターン
5Rを形成する。以下、同様に、基板2上の緑色パター
ン形成領域に緑色パターン5Gを形成し、さらに、基板
2上の青色パターン形成領域に青色パターン5Bを形成
する。
なる樹脂、重合開始剤、モノマー等を含有するネガ型感
光性樹脂組成物を、粘度の最適化を行った上で、スピン
コータ、ロールコータ等の公知の手段によりブラックマ
トリックス3および着色層5を覆うように塗布、乾燥し
て形成することができる。
挙げた樹脂を2種または3種以上の組み合わせで使用す
ることができる。用いる樹脂の酸価の差は、樹脂の種
類、含有量等により異なるが、例えば、主体となる2種
の樹脂(酸価の異なる樹脂に占める合計含有量が70重
量%以上である2種の樹脂)の酸価の差を60〜100
mgKOH/gの範囲内とすることができる。酸価の差
が60mgKOH/g未満であると、後述する露光後の
現像において、アルカリ現像液に対する露光部と未露光
部の溶解性に適度な差が得られない。このため、形成さ
れる柱状凸部7が高く(透明保護膜6からの突出高さが
大きく)なりやすく、柱状凸部7の高さ設定の精度が低
下してしまい、液晶層の厚み設定用スペーサとして適正
な高さをもつ柱状凸部7を形成すると同時に透明保護層
6を形成することが困難である。一方、酸価の差が10
0mgKOH/gを超えると、後述する露光後の現像に
おいて、アルカリ現像液に対する未露光部の溶解性が悪
く白濁が生じ、液晶層の厚み設定用スペーサとして必要
な高さをもつ柱状凸部7を形成することが困難になる。
樹脂の含有量は、酸価の高い樹脂100重量部に対して
20〜60重量部、好ましくは25〜50重量部の範囲
内とする。感光性樹脂層8における酸価の低い樹脂の含
有量が20重量部未満であると、後述する露光後の現像
において、アルカリ現像液に対する未露光部の溶解性が
大きくなりすぎ、形成される柱状凸部7が高く(透明保
護膜6からの突出高さが大きく)なりやすく、柱状凸部
7の高さ設定の精度が低下する。一方、感光性樹脂層8
における酸価の低い樹脂の含有量が60重量部を超える
と、アルカリ現像液に対する露光部と未露光部の溶解性
に適度な差が生ぜず、液晶層の厚み設定用スペーサとし
て必要な高さをもつ柱状凸部7を形成することが困難に
なる。
用する樹脂、重合開始剤、モノマー、透明保護層6の厚
み、柱状凸部7の高さ等を考慮して適宜設定することが
でき、通常、2〜8μmの範囲内で設定することができ
る。 (第2の工程)カラーフィルタ製造方法の第2の工程で
は、感光性樹脂層8を柱状凸部形成用のフォトマスクM
を介して露光する(図5(A))。このフォトマスクM
には、柱状凸部7の形成パターンに相当する開口部mが
形成されている。この露光により、感光性樹脂層8の柱
状凸部形成部位(フォトマスクMを介しての露光部)で
は感光性樹脂層の硬化反応が進行する。 (第3の工程)カラーフィルタ製造方法の第3の工程で
は、アルカリ現像液により感光性樹脂層8の現像が行わ
れる。第2の工程において、上述のように柱状凸部7の
形成部位で感光性樹脂層8の硬化反応が生じているた
め、柱状凸部形成部位はアルカリ現像液に対してほとん
ど溶解性を示さない。一方、感光性樹脂層8の未露光部
は、上述のように酸価の異なる樹脂を含有し、露光部
(柱状凸部の形成部位)と適度な差をもってアルカリ現
像液に溶解する。すなわち、露光部ではアルカリ現像液
に対する溶解性が高い高酸価の樹脂が多少溶解除去され
るものの、大部分は溶解されずに透明な柱状凸部7が形
成される。また、柱状凸部形成部位以外の領域では、酸
価の低い樹脂に比べて、酸価の高い樹脂がアルカリ現像
液によってより多く溶解除去され、また、モノマー等も
除去されて透明保護層6が形成される。その後、ポスト
ベーク処理を行うことにより、本発明のカラーフィルタ
1が得られる(図5(B))。
存在するカラーフィルタ1の表面を平坦なものとし、液
晶の配向に悪影響を与える表面粗さを低減するととも
に、着色層に微量含まれるイオン性不純物が液晶層へ溶
出して表示品質が低下することを防止する。また、透明
な柱状凸部7は、R、G、Bの3色の着色層の積層では
ないため、レベリング現象による高さ精度の低下がない
ものである。このような透明保護層6と柱状凸部7は、
上述のように1回のフォトリソグラフィー工程において
同時に形成でき、かつ、透明保護層6の厚みと柱状凸部
7の高さを任意に制御することができる。
分散法により形成されるが、本発明はこれに限定される
ものではなく、例えば、染色法、印刷法、転写法等を用
いることができ、また、基板2上に予め透明導電膜を形
成して電着法を用いることもできる。
明する。 (実施例1)カラーフィルタ用の基板として、300m
m×400mm、厚さ1.1mmのガラス基板(コーニ
ング社製7059ガラス)を準備した。この基板を定法
にしたがって洗浄した後、基板の片側全面にスパッタリ
ング法により金属クロムからなる遮光層(厚さ0.1μ
m)を成膜した。次いで、この遮光層に対して、通常の
フォトリソグラフィー法によって感光性レジスト塗布、
マスク露光、現像、エッチング、レジスト層剥離を行っ
てブラックマトリックスを形成した。
基板全面に、赤色パターン用の感光性着色材料(富士フ
ィルムオーリン(株)製カラーモザイクCR−700
1)をスピンコート法により塗布して赤色感光性樹脂層
を形成し、プレベーク(85℃、5分間)を行った。そ
の後、所定の着色パターン用フォトマスクを用いて赤色
感光性樹脂層をアライメント露光し、現像液(富士フィ
ルムオーリン(株)製カラーモザイク用現像液CDの希
釈液)にて現像を行い、次いで、ポストベーク(200
℃、30分間)を行って、ブラックマトリックスパター
ンに対して所定の位置に赤色パターン(厚み1.5μ
m)を形成した。
(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクCG−
7001)を用いて、ブラックマトリックスパターンに
対して所定の位置に緑色パターン(厚み1.5μm)を
形成した。さらに、青色パターン用の感光性着色材料
(富士フィルムオーリン(株)製カラーモザイクCB−
7001)を用いて、ブラックマトリックスパターンに
対して所定の位置に青色パターン(厚み1.5μm)を
形成した。
/アクリル酸共重合体の重合組成を調整することによ
り、酸価が0、20、40、60、80、120mgK
OH/gの6種の樹脂を調製し、下記組成の8種の感光
性樹脂組成物1〜8を作製した。
が形成された基板上にスピンコート法により塗布し、そ
れぞれ厚み6.5μmの感光性樹脂層を形成して試料1
〜8を得た。(以上、第1の工程) 次いで、超高圧水銀灯を露光光源とするプロキシミティ
露光機にて、各試料の感光性樹脂層の柱状凸部形成位置
に所定形状の開口部を設けたフォトマスクを介して30
0mJ/cm2 の露光量で露光を行った。(以上、第2
の工程) 次に、試料1〜8の各基板を0.05%水酸化カリウム
水溶液に60秒間浸漬して現像を行い、洗浄後、クリー
ンオーブン中でポストベーク(200℃、30分間)を
行った。(以上、第3の工程) このような一連の処理により、図1および図2に示され
るような構造のカラーフィルタを得ることができ、試料
1〜7の各カラーフィルタの透明保護層の厚み、透明な
柱状凸部の突出高さ、柱状凸部の厚みは下記の表1に示
されるものであった。
差を60〜100mgKOH/gの範囲内とし、樹脂の
含有比率を適宜設定することにより、柱状凸部の高さと
透明保護層の厚みとを同時に制御することが可能である
ことが確認された。
めて薄く実用に供し得ないものであった。 (実施例2)実施例1の感光性樹脂組成物1と8を使用
し、実施例1と同様にして、ブラックマトリックスと着
色層が形成された基板上に厚み6.5μmの感光性樹脂
層を形成して試料A(感光性樹脂組成物1使用)、試料
B(感光性樹脂組成物8使用)を得た。(以上、第1の
工程) 次いで、超高圧水銀灯を露光光源とするプロキシミティ
露光機にて、各試料の感光性樹脂層の柱状凸部形成位置
に所定形状の開口部を設けたフォトマスクを介して30
0mJ/cm2 の露光量で露光を行った。(以上、第2
の工程) 次に、試料A、Bの各基板を0.05%水酸化カリウム
水溶液に下記の表2に示される時間浸漬して現像を行
い、洗浄後、クリーンオーブン中でポストベーク(20
0℃、30分間)を行った。(以上、第3の工程) このような一連の処理により、図1および図2に示され
るような構造のカラーフィルタを得ることができ、試料
Aの各カラーフィルタの透明保護層の厚み、透明な柱状
凸部の突出高さ、柱状凸部の厚みは下記の表2に示され
るものであった。このことから、現像時間を適宜設定す
ることにより、柱状凸部の高さと透明保護層の厚みとを
同時に制御することが可能であることが確認された。
すぎ、現像時間の調整による柱状凸部の高さと透明保護
層の厚みの同時制御は不可能であった。
し、実施例1と同様にして、ブラックマトリックスと着
色層が形成された基板上に厚み6.5μmの感光性樹脂
層を形成して試料I(感光性樹脂組成物1使用)、II
(感光性樹脂組成物8使用)を得た。(以上、第1の工
程) 次いで、超高圧水銀灯を露光光源とするプロキシミティ
露光機にて、各試料の感光性樹脂層の柱状凸部形成位置
に所定形状の開口部を設けたフォトマスクを介して下記
の表3に示される露光量で露光を行った。(以上、第2
の工程) 次に、試料I、IIの各基板を0.05%水酸化カリウム
水溶液に60秒間浸漬して現像を行い、洗浄後、クリー
ンオーブン中でポストベーク(200℃、30分間)を
行った。(以上、第3の工程) このような一連の処理により、図1および図2に示され
るような構造のカラーフィルタを得ることができ、試料
Iの各カラーフィルタの透明保護層の厚み、透明な柱状
凸部の突出高さ、柱状凸部の厚みは下記の表3に示され
るものであった。このことから、露光時間を適宜設定す
ることにより、柱状凸部の高さと透明保護層の厚みとを
同時に制御することが可能であることが確認された。
すぎ、露光時間の調整による柱状凸部の高さと透明保護
層の厚みの同時制御は不可能であった。
数の透明な柱状凸部は液晶層の厚み設定用スペーサとし
て必要な高さをもつとともに、その高さを優れた精度で
設定することができ、仮に画素部分に柱状凸部の一部が
存在したとしても、透明であるために表示品質に悪影響
を及ぼすことがほとんどなく、また、透明保護層はカラ
ーフィルタ表面を平坦化するとともに、着色層に含有さ
れる成分の液晶層への溶出を防止するので、表示品質に
優れ信頼性の高いカラー液晶表示装置が可能となり、こ
のような柱状凸部および透明保護層を酸価の異なる樹脂
を含有した感光性樹脂を用いた一回のフォトリソグラフ
ィー工程で形成できるので工程が簡便なものとなり、さ
らに、樹脂の酸価の差、樹脂の含有比率、露光時間、現
像時間の1種あるいは2種以上の組み合わせを適宜調整
することにより、柱状凸部の高さと透明保護層の厚みと
を同時に制御することができ、液晶層の厚み制御に高い
精度を要求されるカラー液晶表示装置、例えば、IPS
(In-Plane Switching)液晶モードのカラー液晶表示装
置にも対応することができる。
す部分平面図である。
A線における縦断面図である。
縦断面図である。
明するための工程図である。
明するための工程図である。
Claims (5)
- 【請求項1】 基板と、該基板上に所定のパターンで形
成された複数色からなる着色層と、少なくとも前記着色
層を覆うように形成された透明保護層と、前記基板上の
複数の所定部位に形成され前記透明保護層よりも突出し
た透明な柱状凸部とを備え、前記透明保護層および前記
柱状凸部は酸価の異なる樹脂を含有し、前記透明保護層
は前記柱状凸部に比べて酸価の低い樹脂の含有率が大き
いことを特徴とするカラーフィルタ。 - 【請求項2】 前記樹脂の酸価の差は、60〜100m
gKOH/gの範囲内にあることを特徴とする請求項1
に記載のカラーフィルタ。 - 【請求項3】 基板上に所定のパターンで複数色からな
る着色層を形成した後、少なくとも前記着色層を覆うよ
うに前記基板上に酸価の異なる樹脂を含有した感光性樹
脂層を形成する第1の工程、 柱状凸部の形成パターンに相当する開口部を備えたフォ
トマスクを介して前記感光性樹脂層を露光する第2の工
程、 前記感光性樹脂層を現像することにより、前記基板上の
複数の所定部位に透明な柱状凸部を形成するとともに、
少なくとも前記着色層を覆うように透明保護層を形成す
る第3の工程、を有することを特徴とするカラーフィル
タの製造方法。 - 【請求項4】 前記感光性樹脂層に含有される樹脂の酸
価の差は、60〜100mgKOH/gの範囲内にある
ことを特徴とする請求項3に記載のカラーフィルタの製
造方法。 - 【請求項5】 前記感光性樹脂層における酸価の低い樹
脂の含有量は、酸価の高い樹脂100重量部に対して2
0〜60重量部の範囲内であることを特徴とする請求項
3に記載のカラーフィルタの製造方法。
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