JP2019200343A - カラーフィルタ用赤色着色組成物およびカラーフィルタの製造方法 - Google Patents

カラーフィルタ用赤色着色組成物およびカラーフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】粗大な顔料粒子や異物および残渣が少なく、着色成分濃度が十分に高いカラーフィルタ用着色組成物の製造方法を提供する。また、高精細かつ薄膜で欠陥のないカラーフィルタの製造方法、並びにノイズが少なく高感度な撮像特性を有するカラー液晶表示装置および固体撮像素子を提供する。【解決手段】着色剤と、色素誘導体と、樹脂と、溶剤とを含み、着色剤が、C.I.ピグメントレッド254と、特定へテロジケトピロロピロール顔料とを含むジケトピロロピロール顔料、および、黄色顔料を含有するカラーフィルタ用赤色着色組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、カラー液晶表示装置、および固体撮像素子等に用いられるカラーフィルタ用着色組成物の製造方法に関する。
カラーフィルタは、ガラス等の透明な基板の表面に2種以上の異なる色相の微細な帯(ストライプ)状のフィルタセグメントを平行又は交差して配置したもの、あるいは微細なフィルタセグメントを縦横一定の配列で配置したものからなっている。一般的に赤、緑、および青の3色のフィルタセグメントから形成されることが多く、これら各セグメントは、数ミクロン〜数100ミクロンと微細であり、しかも色相毎に所定の配列で整然と配置されている。
液晶表示装置は、2枚の偏光板に挟まれた液晶層が1枚目の偏光板を通過した光の偏光度合いを制御して、2枚目の偏光板を通過する光量をコントロールすることにより表示を行う表示装置である。2枚の偏光板の間にカラーフィルタを設けることによりカラー表示を可能としている。近年、テレビやスマートフォンなどでは高精細化が進み、フィルタセグメントを形成する際の塗布均一性、感度、現像性、パターン形状など、カラーフィルタに対する要求が高まっている。
一方、固体撮像素子はその受光素子と一対にカラーフィルタを備えカラー化を図っている。デジタルスチルカメラやビデオカメラ、スマートフォンなどに搭載される固体撮像素子も、高画素化、高精細化が進んでおり、微細なフィルタセグメントを欠陥なく形成することが求められている。
カラーフィルタを形成するには顔料分散法、染料分散法などがあるが、いずれも原色(赤、青、緑)あるいは補色(シアン、マゼンタ、イエロ−)の感光性着色組成物をスピンコート法により塗膜形成し、リソグラフィによりパターン形成する方式が一般的である。
カラーフィルタ基板の3原色(赤・緑・青;RGB)の一つである赤色フィルタセグメントには、着色剤としてジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料またはジスアゾ系顔料等の耐光性および耐熱性に優れる顔料を単独または組み合わせて用いることが一般的である。
その内、染料を用いる染色法や染料分散法によって得られたカラーフィルタは粒子が細かく、高精細化に向いており、かつ色均一性の高い特徴はあるが耐熱性や耐光性に劣る問題がある。一方、顔料分散法で得られたカラーフィルタは耐熱性や耐光性など信頼性に優れるが、粒子が染料と比較して大きいため、高精細化するためには顔料粒子を可能な限り細かく樹脂に分散した上でペースト化し、さらにサブミクロンオーダーのろ過精度のフィルタを通して粗大な顔料粒子や異物が混入することを防止している(特許文献1及び2参照)。
ところが、一般に高精度のフィルタほど流量は小さくなるため、生産性の面からろ過に必要なフィルタの数を増やす、もしくは長時間のろ過工程により生産性が悪化することにより、非常に高価な感光性着色組成物となっていた。
また、液晶表示装置や固体撮像素子を搭載したデバイスの小型化に伴い、カラーフィルタの薄膜化ならびに着色成分を高濃度化することが要求されている。この場合、ろ過特性を損なわない流動性の確保や、粗大粒子を残すことなく顔料を微細に分散することがますます困難となる。特に、その中でもジケトピロロピロール系顔料顔料、特にC.I.ピグメントレッド254を用いた場合、顔料の一次粒子径をできるかぎり微細化した際に分子間水素結合によって、結晶成長し易いという性質を有するため、カラーフィルタを形成する際の加熱工程において結晶化が起こり、異物が発生してしまうことが問題となっている。
また、高精細化が進むにつれて、固体撮像素子においては画素サイズも小型化する。画素の小型化を達成するためには現像性の要求も高くなってきている。現像性が悪いことによって、画素パターンを作成した際に残渣が発生するなどの問題も出てきている。特定のアクリル成分を含む共重合体を樹脂成分として用いた感光性組成物を用いることで現像残渣の少ないカラーフィルタの形成を行うことが例えば、特許文献3、4等にて提案されているが、これらの方法では十分ではないのが現状である。
特開平11−352319号公報 特開2009−21046号公報 特開2007−114604号公報 特開2000−081508号公報
本発明はかかる問題点に鑑みてなされたもので、その課題は、カラー液晶表示装置や固体撮像素子に用いられるカラーフィルタ用着色組成物において、粗大な顔料粒子や異物および残渣が少なく、着色成分濃度が十分に高い着色組成物の製造方法を提供することである。また、高精細かつ薄膜で欠陥のないカラーフィルタの製造方法、並びにノイズが少なく高感度な撮像特性を有するカラー液晶表示装置および固体撮像素子を提供することである。
本発明者らは前記諸問題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、C.I.ピグメントレッド254と、一般式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)と、黄色顔料(b)を含有する着色組成物により、上記課題が解決することを見出したものである。
即ち本発明は、 着色剤(A)と、色素誘導体(B)と、樹脂(C)と、溶剤(D)とを含み、前記着色剤(A)が、C.I.ピグメントレッド254と、下記式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)とを含むジケトピロロピロール顔料(a)、および、黄色顔料(b)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
[一般式(1)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、BおよびDは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR13、−SR14、−N(R15)R16、−COOR17、−CONH2、−CONHR18、−CON(R19)R20、−SO2NH2、−SO2NHR21、または、−SO2N(R22)R23であり、R13〜R23は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、BおよびDが同時に水素原子になることはない。]
また本発明は、一般式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)が、下記一般式(1−1)で示す化合物、下記一般式(1−2)で示す化合物、下記一般式(1−3)で示す化合物、および下記一般式(1−4)で示す化合物のいずれか1種である、上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
[一般式(1−1〜4)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、R24〜R26は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。]
また本発明は、 更に、色素誘導体(B)が、キノフタロン系色素誘導体(B1)および/またはアゾ系色素誘導体(B2)を含有することを特徴とする上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、 更に、着色剤(A)が、下記一般式(2)で示すジケトピロロピロール顔料(a2)を含有することを特徴とする上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、一般式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)の含有量が、ジケトピロロピロール顔料(a)100質量%中、1〜15質量%である、上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、黄色顔料(b)が、C.I.ピグメントエロー139、C.I.ピグメントエロー150およびC.I.ピグメントエロー185からなる群より選ばれる1種以上である、上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、黄色顔料(b)の含有量が、着色剤(A)100質量%中、1〜40質量%であることを特徴とする上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、樹脂(C)が、酸価100mgKOH/g以上の樹脂(C1)と100mgKOH/g未満の樹脂(C2)とを少なくとも各1種類含み且つ、樹脂(C1)の固形分含有量が樹脂(C1)と樹脂(C2)との固形分総量に対し40〜100質量%以下であることを特徴とする上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、さらに光重合性単量体(E)および光重合開始剤(F)を含有する、上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、光重合開始剤(F)が、オキシムエステル系開始剤であることを特徴とする上記カラーフィルタ用赤色着色組成物に関する。
また本発明は、基材上に、上記カラーフィルタ用赤色着色組成物から形成されてなる赤色フィルタセグメントを備える、カラーフィルタに関する。
本発明の製造方法を用いたカラーフィルタ用着色組成物により、これを用いて作製したカラーフィルタにおいて、耐熱性に優れ、高精細かつ薄膜で欠陥(異物)のなく、残渣の少ないカラーフィルタを提供することができる。
以下、本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物の製造方法について詳細に説明する。本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、着色剤(A)と、色素誘導体(B)と、樹脂(C)と、溶剤(D)とを含み、前記着色剤(A)が、C.I.ピグメントレッド254と、式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)とを含むジケトピロロピロール顔料(a)、および、黄色顔料(b)を含有することを特徴とする。
<着色剤(A)>
本発明の着色剤(A)は、ジケトピロロピロール顔料(a)、および、黄色顔料(b)を含み、かつ、前記ジケトピロロピロール顔料(a)は、C.I.ピグメントレッド254と、一般式(1)示すジケトピロロピロール顔料(a1)とを含有するものである。
(ジケトピロロピロール顔料(a1))
本発明におけるジケトピロロピロール顔料(a1)は、式(1)で示されるジケトピロロピロール顔料(a1)(特定へテロジケトピロロピロール顔料と称することがある)の少なくとも1種を含む。
本発明のC.I.ピグメントレッド254と、ジケトピロロピロール顔料(a)の合計含有量は、色再現域の観点から、着色剤(A)の合計100質量%中、10〜90質量%、好ましくは60〜80質量%である。
[一般式(1)で示されるジケトピロロピロール顔料(a1)]
[一般式(1)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、BおよびDは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR13、−SR14、−N(R15)R16、−COOR17、−CONH2、−CONHR18、−CON(R19)R20、−SO2NH2、−SO2NHR21、または、−SO2N(R22)R23であり、R13〜R23は、それぞれ独立して、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、BおよびDが同時に水素原子になることはない。]
置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖状でも分岐状でもよく、具体的にメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1,6−ジメチルヘプチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記置換基を有してもよいフェニル基としては、炭素数1〜4のアルキル基、トリフルオロメチル基、ハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、カルバモイル基、スルファモイル基、炭素数1〜4のアルコキシル基などの置換基を有するフェニル基が挙げられる。より具体的には、フェニル基、p-メチルフェニル基、4−tert−ブチルフェニル基、p−ニトロフェニル基、p−メトキシフェニル基、p−クロロフェニル基、2,4−ジクロロフェニル基、3−カルバモイルフェニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
上記置換基を有してもよいアラルキル基としては、具体的にベンジル基、4−メチルベンジル基、 4−tert−ブチルベンジル基、4−メトキシベンジル基、4−ニトロベンジル基、2,4−ジ クロロベンジル基などが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の顔料組成物に用いられる一般式(1)で表される特定へテロジケトピロロピロール顔料の 中でも、一般式(1−1)、一般式(1−2)、一般式(1−3)、一般式(1−4)が結晶析出 抑制効果の点から好ましい。特に、一般式(1−1)、一般式(1−2)を用いる方が、立体障害 の観点から顔料の凝集がより抑制されるためより好ましい。また一般式(1−3)、一般式(1− 4)のR6〜R8は、炭素数4以上のアルキル基、または置換基を有しても良いフェニル基が特に 好ましい。これらが結晶析出抑制に効果を発揮する理由は、炭素数4以上のアルキル基を有するカ ルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基等のかさ高い置換基による立体障害効果によって、顔料 の凝集が抑制されるためと考えられる。また、カルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基を有す る特定へテロジケトピロロピロール顔料は、色特性も優れている。
[一般式(1−1〜4)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、R24〜R26は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。]
本発明に用いることができる一般式(1)の特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の具体例を以下に挙げるが、これらに限定されるものではない。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物に用いられる式(1)で示される特定へテロジケトピロロピロール顔料の中でも、式(1−1)、式(1−2)が結晶析出抑制効果の点から好ましい。
一般式(1)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料(a1)の含有量は、C.I.ピグメントレッド254と、ジケトピロロピロール系顔料(a)の合計質量100質量%中、1〜15質量%の範囲であることが好ましい。一般式(a)で示されるジケトピロロピロール顔料(a1)の含有量が1質量%以上だと、結晶析出抑制効果が十分である。また、一般式(1)で示されるジケトピロロピロール顔料(a1)の含有量が、15質量%以下であれば、結晶析出抑制効果が高い。
[式(2)で示されるジケトピロロピロール顔料(a2)]
式(2)で示されるジケトピロロピロール顔料(a2)である臭素化ジケトピロロピロール顔料は、国際公開2009/144115号パンフレット等に記載の公知の方法を用いて得ることが出来る。
製造方法の一例としては、コハク酸ジエステル合成法等で製造することができる。すなわち、コハク酸ジエステル1モルに対して4−ブロモベンゾニトリル2モルを、tert−アミルアルコール等の不活性有機溶剤中で、アルカリ金属又はアルカリ金属アルコキシドの存在下において、80〜110℃の高温で縮合反応を行い、ジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩を生成させ、続いて、このジケトピロロピロール化合物のアルカリ金属塩に対して、水、アルコール、酸等を用いてプロトン化することにより、臭素化ジケトピロロピロール顔料を得ることができる。このとき、プロトン化における温度、水、アルコールまたは酸の種類、比率や量により、得られる一次粒子径の大きさを制御することができる。臭素化ジケトピロロピロール顔料の製造方法はこの方法に限定されるものではない。
本発明の式(2)で示されるジケトピロロピロール顔料(a2)は、耐熱性に関して、C.I.ピグメントレッド254より優れている傾向にある。これは、ブロモ基がクロロ基より分子量が大きく、立体障害効果が働くためと考えられる。
式(2)で示されるジケトピロロピロール顔料(a2)の含有量は、ジケトピロロピロール系顔料(a)の合計質量100質量%中、1〜20質量%の範囲であることが好ましい。式(2)で示されるジケトピロロピロール顔料(a2)の含有量がこの範囲にあることで、耐熱性良好な結果となる。
結晶析出抑制効果が十分でない場合には、加熱工程で塗膜表面に析出した結晶状異物によって凝集が起こり、高粘度で不安定な状態となり、流動性や貯蔵安定性が不十分となる。したがって、特定へテロジケトピロロピロール顔料を上記含有量で含む赤色着色組成物を使用することにより、加熱工程におけるジケトピロロピロール系顔料使用時の課題であった結晶析出を抑えることができる。
[その他のジケトピロロピロール顔料]
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、式(2)のジケトピロロピロール顔料(a1)、および一般式(2)の特定へテロジケトピロロピロール顔料(a2)以外のジケトピロロピロール系顔料を併用しても良い。具体的には、C.I.ピグメントレッド255、264、272、C.I.ピグメントオレンジ71、73、または81等のジケトピロロピロール系顔料を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(黄色顔料(b))
本発明における黄色顔料(b)としては、C.I.ピグメントエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214などを用いることができるが、C.I.ピグメントエロー139/またはC.I.ピグメントエロー150/またはC.I.ピグメントエロー185を用いることが好ましい。黄色顔料(b)は、着色剤(A)全体に対して、1〜40質量%、特に5〜25質量%用いることが来好ましい。
(その他の着色剤)
また、本発明において、色相調整が容易になるため、本発明におけるジケトピロロピロール顔料(a)と黄色顔料(b)以外の、他の赤色顔料や橙色顔料、黄色顔料、また染料を併用して用いても良い。これらの顔料・染料は、単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物を赤色フィルタセグメント用に用いる場合に併用することができる赤色顔料としては、例えばC.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、122、146、166、168、177、178、179、184、185、187、200、202、210、221、242、246、270及び279等の赤色顔料を併用することができる。これらの中でも、良好な色再現性を得るためにC.I.ピグメントレッド177、C.I.ピグメントレッド242を用いることが好ましく、これらを共に用いても良い。
併用することができる染料としては、赤色、紫色を呈するものであり、油溶性染料、酸性染料、直接染料、塩基性染料のいずれかの形態を有するものであることが好ましい。またこれらの染料をレーキ化したレーキ顔料の形態であってもかまわない。これらの中でも、キサンテン系油溶性染料、キサンテン系塩基性染料、キサンテン系酸性染料、を用いることが色相に優れるために好ましい。
キサンテン系油溶性染料としては、C.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド42、C.I.ソルベントレッド43、C.I.ソルベントレッド44、C.I.ソルベントレッド45、C.I.ソルベントレッド46、C.I.ソルベントレッド47、C.I.ソルベントレッド48、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド72、C.I.ソルベンレッド73、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド140、C.I.ソルベントレッド141、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2、C.I.ソルベントバイオレット10などがあげられる。中でも、発色性の高いローダミン系油溶性染料であるC.I.ソルベントレッド35、C.I.ソルベントレッド36、C.I.ソルベントレッド49、C.I.ソルベントレッド109、C.I.ソルベントレッド237、C.I.ソルベントレッド246、C.I.ソルベントバイオレット2がより好ましい。キサンテン系塩基性染料としては、C.I.ベーシックレッド1(ローダミン6GCP)、8(ローダミンG)、C.I.ベーシックバイオレット10(ローダミンB)等があげられる。中でも発色性に優れる点において、C.I.ベーシックレッド1、C.I.ベーシックバイオレット10を用いることが好ましい。キサンテン系酸性染料としては、C.I.アシッドレッド51(エリスロシン(食用赤色3号))、C.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド87(エオシンG(食用赤色103号))、C.I.アシッドレッド92(アシッドフロキシンPB(食用赤色104号))、C.I.アシッドレッド289、C.I.アシッドレッド388、ローズベンガルB(食用赤色5号)、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることが好ましい。中でも、耐熱性、耐光性の面で、キサンテン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド87、C.I.アシッドレッド92、C.I.アシッドレッド388、あるいは、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52(アシッドローダミン)、C.I.アシッドレッド289、アシッドローダミンG、C.I.アシッドバイオレット9を用いることがより好ましい。これら染料の中でも、特に、発色性、耐熱性、耐光性に優れる点において、ローダミン系酸性染料であるC.I.アシッドレッド52を用いることが最も好ましい。
上記の赤色顔料や黄色顔料、橙色顔料、染料と併用する場合、ジケトピロロピロール顔料(a)の含有量は、着色剤(A)の合計100質量%中、10〜90質量%、好ましくは20〜80質量%である。この含有量の範囲にあることにより耐熱性が向上するため好ましい。
[顔料の微細化]
本発明に用いる顔料は、微細化して用いることができる。本発明におけるジケトピロロピロール顔料(a1)、(a2)およびC.I.ピグメントレッド254についても、微細化して用いることが好ましいが、微細化方法は特に限定されるものではなく、例えば湿式磨砕、乾式磨砕、溶解析出法いずれも使用でき、本発明で例示するように湿式磨砕の1種であるニーダー法によるソルトミリング処理を行うことができる。
微細化した顔料の一次粒子径は、着色剤担体中への分散が良好なことから、20nm以上、100nm以下であることが好ましい。特に好ましい範囲は、25〜85nmの範囲である。なお、顔料の一次粒子径は、顔料のTEM(透過型電子顕微鏡)による電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で行った。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積を、求めた粒径の立方体と近似して平均体積を求め、この平均体積を有している立方体の一辺の長さを平均一次粒子径とする。
ソルトミリング処理とは、顔料と水溶性無機塩と水溶性有機溶剤との混合物を、ニーダー、トリミックス、2本ロールミル、3本ロールミル、ボールミル、アトライター、サンドミル等の混練機を用いて、加熱しながら機械的に混練した後、水洗により水溶性無機塩と水溶性有機溶剤を除去する処理である。水溶性無機塩は、破砕助剤として働くものであり、ソルトミリング時に無機塩の硬度の高さを利用して顔料が破砕される。顔料をソルトミリング処理する際の条件を最適化することにより、一次粒子径が非常に微細であり、また、分布の幅がせまく、シャープな粒度分布をもつ顔料を得ることができる。
水溶性無機塩としては、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム(食塩)を用いるのが好ましい。水溶性無機塩は、処理効率と生産効率の両面から、顔料100質量部に対し、50〜2000質量部用いることが好ましく、300〜1000質量部用いることが最も好ましい。
水溶性有機溶剤は、顔料及び水溶性無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。ただし、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。水溶性有機溶剤は、顔料100質量部に対し、5〜1000質量部用いることが好ましく、50〜500質量部用いることが最も好ましい。
顔料をソルトミリング処理する際には、必要に応じて樹脂を添加してもよい。用いられる樹脂の種類は特に限定されず、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等を用いることができる。用いられる樹脂は、室温で固体であり、水不溶性であることが好ましく、かつ上記有機溶剤に一部可溶であることがさらに好ましい。樹脂の使用量は、顔料100質量部に対し、5〜200質量部の範囲であることが好ましい。
<色素誘導体(B)>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、色素誘導体を含有する。色素誘導体は、予め顔料と色素誘導体を処理して処理顔料とする際に用いても、顔料もしくは処理顔料と、色素誘導体とを混合して着色剤分散体とする際に用いてもよい。
本発明に用いる色素誘導体としては、有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などを有する公知の色素誘導体を用いることができる。例えば、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基などの酸性置換基を有する化合物及びこれらのアミン塩や、スルホンアミド基や末端に3級アミノ基などの塩基性置換基を有する化合物、フェニル基やフタルイミドアルキル基などの中性置換基を有する化合物が挙げられる。
有機色素としては、例えばジケトピロロピロール系顔料、アントラキノン系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料、チアジンインジゴ系顔料、トリアジン系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、ベンゾイソインドール等のインドール系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、ナフトール系顔料、スレン系顔料、金属錯体系顔料、アゾ、ジスアゾ、ポリアゾ等のアゾ系顔料、等が挙げられる。
具体的には、ジケトピロロピロール系色素誘導体としては、特開2001−220520号公報、WO2009/081930号パンフレット、WO2011/052617号パンフレット、WO2012/102399号パンフレット、特開2017−156397号公報、フタロシアニン系色素誘導体としては、特開2007−226161号公報、WO2016/163351号パンフレット、特開2017−165820号公報、特許第5753266号公報、アントラキノン系色素誘導体としては、特開昭63−264674号公報、特開平09−272812号公報、特開平10−245501号公報、特開平10−265697号公報、特開2007−079094号公報、WO2009/025325号パンフレット、キナクリドン系色素誘導体としては、特開昭48−54128号公報、特開平03−9961号公報、特開2000−273383号公報、ジオキサジン系色素誘導体としては、特開2011−162662号公報、チアジンインジゴ系色素誘導体としては、特開2007−314785号公報、トリアジン系色素誘導体としては、特開昭61−246261号公報、特開平11−199796号公報、特開2003−165922号公報、特開2003−168208号公報、特開2004−217842号公報、特開2007−314681号公報、ベンゾイソインドール系色素誘導体としては、特開2009−57478号公報、キノフタロン系色素誘導体としては、特開2003−167112号公報、特開2006−291194号公報、特開2008−31281号公報、特開2012−226110号公報、ナフトール系色素誘導体としては、特開2012−208329号公報、特開2014−5439号公報、アゾ系色素誘導体としては、特開2001−172520号公報、特開2012−172092号公報、酸性置換基としては、特開2004−307854号公報、塩基性置換基としては、特開2002−201377号公報、特開2003−171594号公報、特開2005−181383号公報、特開2005−213404号公報、などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
これら色素誘導体は、単独又は2種類以上を混合して用いることができる。中でも本発明の感光性組成物は、色素誘導体としてキノフタロン系色素誘導体(B1)を含むことが好ましく、さらにアゾ系色素誘導体(B2)を含むことが好ましい。色素誘導体(B)は顔料表面に吸着し、顔料の一次粒子をより微細化することができる。
具体的には、キノフタロン系色素誘導体(B1)としては、特開2003−167112号公報、特開2006−291194号公報、特開2008−31281号公報、特開2012−226110号公報、アゾ系色素誘導体(B2)としては、特開2001−172520号公報、特開2012−172092号公報などに記載の公知の色素誘導体が挙げられる。なおこれらの文献には、色素誘導体を誘導体、顔料誘導体、分散剤、顔料分散剤若しくは単に化合物などと記載している場合があるが、前記した有機色素残基に酸性基、塩基性基、中性基などの置換基を有する化合物は、色素誘導体と同義である。
より具体的には、以下の色素誘導体が好ましい。
[キノフタロン系色素誘導体]
[アゾ系色素誘導体]
一般式(114)〜(128)、(130)〜(133)中、
129、R130、R141〜R145はそれぞれ独立に、水素原子、水酸基、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいフタルイミドアルキル基、置換基を有してもよいアシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシル基、リン酸基、ハロゲン基、一般式(150)〜(155)、(158)、又は(159)で表される基である。m及びnはそれぞれ独立に、正の整数を表す。但し、1分子中に複数の置換基を有する場合、1つ以上は水素原子以外の置換基である。また、1分子中に置換基が1つのみの場合は、水素原子以外の置換基である。
一般式(150)〜(155)中、
1は、直接結合、−SO2−、−CO−、−CH2−、−CH2NHCOCH2−、−CONHC64CO−、又は−CONHC64−を表す。
1は、直接結合、−NR170SO2−、−SO2NR170−、−CONR170−、− NR170CO−、又は−CH2NR170COCH2NR170−を表す。
2は、直接結合、置換基を有してもよいアリーレン基、又は置換基を有してもよい複素芳香環を表し、これらの基は、−NR170− 、−O−、−SO2−又はCO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。
3は、直接結合、−NR170− 又は−O−を表す。
oは、0〜20の整数を表す。
1は、水素原子、銅原子、亜鉛原子、マンガン原子、ニッケル原子、コバルト原子、鉄原子を表す。
2は、水素原子、カルシウム原子、バリウム原子、ストロンチウム原子、マンガン原子又はアルミニウム原子を表す。
iは、M2の価数を表す。
150及びR151はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はR150とR151 とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む、置換基を有してもよい複素環を表す。
152〜R156、R159〜R162は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はポリオキシアルキレン基を表す。
157及びR158は、それぞれ独立に、下記一般式(156)若しくは(157)で表される基、−O−(CH2o−R171、−OR172 、−NR173174 、−Cl、−F又はY3−Y2−Y1−Qを表し、R157及びR158のいずれか一方は、下記一般式(156)若しくは(157)で表される基、−O−(CH2o−R171、−OR172 、又はNR173174である。
170は、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表す。
171は、置換基を有してもよい複素環残基を表し、R172〜R174はそれぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、Qは有機色素残基を表す。
一般式(156)中、Z1は−NR170−、−CONH−又は−O−を表し、Z2は、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基、置換基を有してもよいアリーレン基を表し、これらの基は、−NR170−、−O−、−SO2−又はCO−から選ばれる2価の連結基で相互に結合されていてもよい。ただし、R170は、一般式(150)〜(155)におけるR170と同義である。
150及びR151はそれぞれ独立に、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基、又はR150とR151 とで一体となって更なる窒素、酸素若しくは硫黄原子を含む、置換基を有してもよい複素環を表す。
一般式(157)中、Z3は、トリアジン環と窒素原子を結ぶ単結合、−NR175−、−NR175−Z4−CO−、−NR175−Z4−CONR176− 、−NR175−Z4−SO2−、−NR175−Z4− SO2NR176−、−O−Z4−CO−、−O−Z4−CONR175−、−O−Z4−SO2−、又はO−Z4−SO2NR175−を表し、R175及びR176は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基又は置換基を有してもよいフェニル基を表し、Z4は、置換基を有してもよいアルキレン基、置換基を有してもよいアルケニレン基又は置換基を有してもよいアリーレン基を表す。
152〜R156は、それぞれ独立に、水素原子、置換基を有してもよいアルキル基、置換基を有してもよいアルケニル基、置換基を有してもよいフェニル基又はポリオキシアルキレン基を表す。
一般式(159)中、X2は、−SO2−、−CO−、−NH−、−SO2NH−、−NHSO2−、−CONH−又は−NHCO−を表し、R163〜R167は、それぞれ独立に、水素原子、アルコキシル基、アミノ基、スルホ基、カルボキシ基、リン酸基又は一般式(150)〜(155)で表される基である。
置換基を有してもよいアルキル基は、アルキル基としては炭素数1から20の直鎖アルキル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。置換基を有してもよいフタルイミドアルキル基は、アルキル基としては炭素数が1から3のアルキル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。置換基を有してもよいアシル基は、アルキル基としては炭素数が1から10のアシル基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。置換基を有してもよいアルコキシ基は、アルキル基としては炭素数が1から5の直鎖アルコキシ基が好ましく、有してもよい置換基としては水素若しくはハロゲン基が好ましい。置換基を有してもよいアルケニル基又はアルケニレン基は、有してもよい置換基としては水素、炭素数1から10の直鎖アルキル基が好ましい。置換基を有してもよいフェニル基は、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。置換基を有してもよいアリーレン基は、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。置換基を有してもよい複素環は、複素環としてはアザシクロブタン、ピロリジン、ピペリジン、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、テトラヒドロチオフェン、テトラヒドロチオピランが好ましく、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。置換基を有してもよい複素芳香環は、複素芳香環としてはピロール、ピリジン、フラン、チオフェンが好ましく、有してもよい置換基としては水素、ハロゲン基、炭素数1から10の直鎖アルキル基、アルコキシ基が好ましい。
<樹脂(C)>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物に含まれる樹脂(C)は、着色剤を分散するものであって、例えば、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂等が挙げられる。樹脂は、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の透明樹脂であることが好ましい。また、アルカリ現像型感光性着色組成物の形態で用いる場合には、酸性置換基含有エチレン性不飽和単量体を共重合したアルカリ可溶性ビニル系樹脂を用いることが好ましい。また、さらに光感度を向上させるために、エチレン性不飽和二重結合を有する活性エネルギー線硬化性樹脂を用いることもできる。
<樹脂(C1)および(C2)>
本発明に使用される樹脂(C1)および樹脂(C2)はアルカリ可溶性樹脂である。使用される樹脂(C1)として、酸価100(mgKOH/g)以上であるものを使用する。また樹脂(C2)として、酸価100(mgKOH/g)未満であるものを使用する。さらに、樹脂(C1)および(C2)は酸価が上記範囲であれば各々2種類以上を併用することができる。ただし、(C1)の固形分含有量が(C1)と(C2)の固形分総量に対し40〜100質量%以下が好ましい。40質量%未満であると、アルカリ現像液に対する溶解性が低下して現像残渣が生じることがある。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物に含まれる樹脂(C1)および樹脂(C2)はアルカリ可溶性樹脂である。アルカリ可溶性樹脂は、カラーフィルタ作製時のアルカリ現像工程において現像溶解性を付与するためのものであり、酸基および/または水酸基を有する。また、アルカリ可溶性樹脂は、その主たる硬化方式で分類すると熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エチレン性不飽和二重結合等を有する活性エネルギー線硬化性樹脂などがあり、活性エネルギー線硬化性樹脂は熱可塑性樹脂であっても熱硬化の機能を併せ持つものであってもよい。また、活性エネルギー線硬化性でない熱可塑性樹脂を含んでもよい。
<熱可塑性を有するアルカリ可溶性樹脂>
アルカリ可溶性を有する熱可塑性樹脂としては、例えば、カルボキシル基、スルホン基等の酸性基を有する樹脂が挙げられる。樹脂として具体的には、酸性基を有するアクリル樹脂、α−オレフィン/(無水)マレイン酸共重合体、スチレン/スチレンスルホン酸共重合体、エチレン/(メタ)アクリル酸共重合体、又はイソブチレン/(無水)マレイン酸共重合体等が挙げられる。
<エチレン性不飽和二重結合を有するアルカリ可溶性樹脂>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物に含まれるアルカリ可溶性樹脂は、エチレン性不飽和二重結合を有することが好ましい。特に以下に示す(i)や(ii)の方法によりエチレン性不飽和二重結合を導入した樹脂を用いることで、活性エネルギー線で露光し塗膜を形成する際に、樹脂が3次元架橋されることで架橋密度が上がり、薬品耐性が良好になる。
[方法(i)]
方法(i)としては、例えば、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖エポキシ基に、エチレン性不飽和二重結合を有する不飽和一塩基酸のカルボキシル基を付加反応させ、更に、生成した水酸基に、多塩基酸無水物を反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、メチルグリシジル(メタ)アクリレート、2−グリシドキシエチル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート、及び3,4−エポキシシクロヘキシル(メタ)アクリレートが挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。次工程の不飽和一塩基酸との反応性の観点で、グリシジル(メタ)アクリレートが好ましい。
不飽和一塩基酸としては、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、o−、m−、p−ビニル安息香酸、(メタ)アクリル酸のα位ハロアルキル、アルコキシル、ハロゲン、ニトロ、シアノ置換体等のモノカルボン酸等が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。
多塩基酸無水物としては、テトラヒドロ無水フタル酸、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸等が挙げられ、これらは単独で用いても、2種類以上を併用してもかまわない。カルボキシル基の数を増やす等、必要に応じて、トリメリット酸無水物等のトリカルボン酸無水物を用いたり、ピロメリット酸二無水物等のテトラカルボン酸二無水物を用いて、残った無水物基を加水分解したりすること等もできる。また、多塩基酸無水物として、エチレン性不飽和二重結合を有する、テトラヒドロ無水フタル酸、又は無水マレイン酸を用いると、更にエチレン性不飽和二重結合を増やすことができる。
方法(i)の類似の方法として、例えば、カルボキシル基を有するエチレン性不飽和単量体と、他の1種類以上の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖カルボキシル基の一部に、エポキシ基を有するエチレン性不飽和単量体を付加反応させ、エチレン性不飽和二重結合及びカルボキシル基を導入する方法がある。
[方法(ii)]
方法(ii)としては、水酸基を有するエチレン性不飽和単量体を使用し、他のカルボキシル基を有する不飽和一塩基酸の単量体や、他の単量体とを共重合することによって得られた共重合体の側鎖水酸基に、イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体のイソシアネート基を反応させる方法がある。
水酸基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、グリセロールモノ(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキルメタアクリレート類が挙げられ、これらは、単独で用いても、2種類以上を併用して用いてもかまわない。また、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、ポリγ−バレロラクトン、ポリε−カプロラクトン、及び/又はポリ12−ヒドロキシステアリン酸等を付加したポリエステルモノ(メタ)アクリレートも使用できる。塗膜異物抑制の観点から、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、又はグリセロールモノ(メタ)アクリレートが好ましく、また感度の点からは2個以上6個以下の水酸基を有するものを使用することが感度の点から好ましく、グリセロールモノ(メタ)アクリレートがさらに好ましい。
イソシアネート基を有するエチレン性不飽和単量体としては、2−(メタ)アクリロイルエチルイソシアネート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート、又は1,1−ビス〔メタアクリロイルオキシ〕エチルイソシアネート等が挙げられるが、これらに限定することなく、2種類以上併用することもできる。
アルカリ可溶性樹脂を構成するモノマーとして以下のものが挙げられる。例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、又はエトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、あるいは、(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、又はアクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリルアミド類スチレン、又はα−メチルスチレン等のスチレン類、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、又はイソブチルビニルエーテル等のビニルエーテル類、酢酸ビニル、又はプロピオン酸ビニル等の脂肪酸ビニル類等が挙げられる。
あるいは、シクロヘキシルマレイミド、フェニルマレイミド、メチルマレイミド、エチルマレイミド、1,2−ビスマレイミドエタン1,6−ビスマレイミドヘキサン、3−マレイミドプロピオン酸、6,7−メチレンジオキシ−4−メチル−3−マレイミドクマリン、4,4’−ビスマレイミドジフェニルメタン、ビス(3−エチル−5−メチル−4−マレイミドフェニル)メタン、N,N’−1,3−フェニレンジマレイミド、N,N’−1,4−フェニレンジマレイミド、N−(1−ピレニル)マレイミド、N−(2,4,6−トリクロロフェニル)マレイミド、N−(4−アミノフェニル)マレイミド、N−(4−ニトロフェニル)マレイミド、N−ベンジルマレイミド、N−ブロモメチル−2,3−ジクロロマレイミド、N−スクシンイミジル−3−マレイミドベンゾエート、N−スクシンイミジル−3−マレイミドプロピオナート、N−スクシンイミジル−4−マレイミドブチラート、N−スクシンイミジル−6−マレイミドヘキサノアート、N−[4−(2−ベンゾイミダゾリル)フェニル]マレイミド、9−マレイミドアクリジン等のN-置換マレイミド類、下記一般式(8)で表される化合物、具体的にはEO変性クレゾールアクリレート、n−ノニルフェノキシポリエチレングリコールアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、エトキシ化フェニルアクリレート、フェノールのエチレンオキサイド(EO)変性(メタ)アクリレート、パラクミルフェノールのEO又はプロピレンオキサイド(PO)変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールのPO変性(メタ)アクリレート等が挙げられる。
一般式(8)
(一般式(8)中、R6は、水素原子、又はメチル基であり、R7は、炭素数2若しくは3のアルキレン基であり、R8は、ベンゼン環を有していてもよい炭素数1〜20のアルキル基であり、nは、1〜15の整数である。)
また、カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。カルボキシル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、ε−カプロラクトン付加アクリル酸、ε−カプロラクトン付加メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸、及びクロトン酸等が挙げられる。
また、水酸基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。水酸基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−若しくは3−若しくは4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、又はシクロヘキサンジメタノールモノ(メタ)アクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類が挙げられる。又、上記ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、及び/又はブチレンオキシド等を付加重合させたポリエーテルモノ(メタ)アクリレートや、(ポリ)γ−バレロラクトン、(ポリ)ε−カプロラクトン、及び/又は(ポリ)12−ヒドロキシステアリン酸等を付加した(ポリ)エステルモノ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
また、リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーを用いることもできる。リン酸エステル基含有エチレン性不飽和モノマーとしては、例えば、上記水酸基含有エチレン性不飽和モノマーの水酸基にたとえば5酸化リンやポリリン酸等のリン酸エステル化剤を反応せしめることで得ることができるモノマーが挙げられる。
<エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、塗膜の硬化度合を調整するために、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂を含有することができる。少なくとも1種のカルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体と、その他の前記エチレン性不飽和単量体を1種以上用いて合成し、側鎖にエチレン性不飽和結合を付与しないことで、エチレン性不飽和二重結合を有しないアルカリ可溶性樹脂が得ることができる。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂としては、可視光領域の400〜700nmの全波長領域において分光透過率が好ましくは80%以上、より好ましくは95%以上の樹脂であることが好ましい。
本発明におけるアルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は、アルカリ現像溶解性を付与するために、2,000以上40,000以下であり、3,000以上300,00以下が好ましく、4,000以上20,000以下がより好ましい。また、Mw/Mnの値は10以下であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)が2,000未満であると基板に対する密着性が低下し、露光パターンが残りにくくなる。40,000を超えるとアルカリ現像溶解性が低下し、残渣が発生しパターンの直線性が悪化する。
また本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、本発明の組成物としての性能を損なわない範囲でならアルカリ可溶性を有しない樹脂を併用しても良い。例えば、アクリル樹脂、ブチラール樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、塩素化ポリエチレン、塩素化ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン系樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル系樹脂、アルキッド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリアミド樹脂、ゴム系樹脂、環化ゴム系樹脂、セルロース類、ポリエチレン(HDPE、LDPE)、ポリブタジエン、及びポリイミド樹脂等が挙げられる。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物中のバインダー樹脂(C)の含有量は、着色剤の全質量を基準(100質量部)として、好ましくは20〜400質量部、さらに好ましくは50〜250質量部である。成膜性及び諸耐性が良好なことから、20質量部以上の量で用いることが好ましく、着色剤濃度が高く、良好な色特性を発現できることから、400質量部以下の量で用いることが好ましい。
<溶剤(D)>
溶剤は、着色剤を十分に樹脂中に分散させ、ガラス基板等の透明基板上に本発明の着色組成物を乾燥膜厚が0.2〜5μmとなるように塗布してフィルタセグメントを形成することを容易にするために用いられる。溶剤としては、1,2,3−トリクロロプロパン、1,3-ブチレングリコール、1,3-ブチレングリコールジアセテート、1,4−ジオキサン、2−ヘプタノン、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,5,5-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-オン、3,3,5−トリメチルシクロヘキサノン、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メチル−1,3−ブタンジオール、3−メトキシ−3−メチル−1−ブタノール、3−メトキシ−3−メチルブチルアセテート、3-メトキシブタノール、3−メトキシブチルアセテート、4−ヘプタノン、m−キシレン、m−ジエチルベンゼン、m−ジクロロベンゼン、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、n−ブチルアルコール、n−ブチルベンゼン、n−プロピルアセテート、N−メチルピロリドン、o−キシレン、o−クロロトルエン、o−ジエチルベンゼン、o−ジクロロベンゼン、P−クロロトルエン、P−ジエチルベンゼン、sec−ブチルベンゼン、tert−ブチルベンゼン、γ―ブチロラクトン、イソブチルアルコール、イソホロン、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノターシャリーブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノプロピルエーテル、エチレングリコールモノヘキシルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジイソブチルケトン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、シクロヘキサノール、シクロヘキサノールアセテート、シクロヘキサノン、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ダイアセトンアルコール、トリアセチン、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、ベンジルアルコール、メチルイソブチルケトン、メチルシクロヘキサノール、酢酸n−アミル、酢酸n−ブチル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、酢酸プロピル、及び二塩基酸エステル等が挙げられる。これらの溶剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
中でも、本発明の着色剤の分散性が良好なことから、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のグリコールアセテート類、ベンジルアルコール等の芳香族アルコール類やシクロヘキサノン等のケトン類を用いることが好ましい。
溶剤は、着色組成物を適正な粘度に調節し、目的とする均一な膜厚のフィルタセグメントを形成できることから、着色剤100質量部に対し、800〜4000質量部の量で用いることが好ましい。
<分散剤>
本発明に用いるカラーフィルタ用赤色着色組成物には、必要に応じて分散剤を添加することができる。分散剤としては、着色剤に吸着する性質を有する着色剤親和性部位と、着色剤担体と相溶性のある部位とを有し、添加着色剤に吸着して着色剤担体への分散を安定化する働きをするものである。分散剤として具体的には、ポリウレタン、ポリアクリレート等のポリカルボン酸エステル、不飽和ポリアミド、ポリカルボン酸、ポリカルボン酸(部分)アミン塩、ポリカルボン酸アンモニウム塩、ポリカルボン酸アルキルアミン塩、ポリシロキサン、長鎖ポリアミノアマイドリン酸塩、水酸基含有ポリカルボン酸エステルや、これらの変性物、ポリ(低級アルキレンイミン)と遊離のカルボキシル基を有するポリエステルとの反応により形成されたアミドやその塩等の油性分散剤、(メタ)アクリル酸−スチレン共重合体、(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン等の水溶性樹脂や水溶性高分子化合物、ポリエステル系、変性ポリアクリレート系、エチレンオキサイド/プロピレンオキサイド付加化合物、リン酸エステル系等が用いられ、これらは単独又は2種以上を混合して用いることができるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
上記分散剤のうち少量の添加量で分散体の粘度が低くなるという理由から、塩基性官能基を有する高分子分散剤が好ましく、窒素原子含有グラフト共重合体や、側鎖に3級アミノ基、4級アンモニウム塩基、含窒素複素環などを含む官能基を有する、窒素原子含有アクリル系ブロック共重合体及びウレタン系高分子分散剤などが好ましい。樹脂型分散剤は、顔料全量に対して5〜200質量%程度使用することが好ましく、成膜性の観点から10〜100質量%程度使用することがより好ましい。
市販の樹脂型分散剤としては、ビックケミー・ジャパン社製のDsperbyk−101、103、107、108、110、111、116、130、140、154、161、162、163、164、165、166、170、171、174、180、181、182、183、184、185、190、2000、2001、2020、2025、2050、2070、2095、2150、2155又はAnti−Terra−U、203、204、又はBYK−P104、P104S、220S、6919、又はLactimon、Lactimon−WS又はBykumen等、日本ルーブリゾール社製のSOLSPERSE−3000、9000、13000、13240、13650、13940、16000、17000、18000、20000、21000、24000、26000、27000、28000、31845、32000、32500、32550、33500、32600、34750、35100、36600、38500、41000、41090、53095、55000、76500等、BASF社製のEFKA−46、47、48、452、4008、4009、4010、4015、4020、4047、4050、4055、4060、4080、4400、4401、4402、4403、4406、4408、4300、4310、4320、4330、4340、450、451、453、4540、4550、4560、4800、5010、5065、5066、5070、7500、7554、1101、120、150、1501、1502、1503、等、味の素ファインテクノ社製のアジスパーPA111、PB711、PB821、PB822、PB824等が挙げられる。
また、本発明の分散剤は、主鎖および側鎖にエステル骨格を有している分散剤も使用することができる。なかでも酸性基を有する分散剤であることが好ましく、特に、芳香族カルボキシル基を有する酸性樹脂型分散剤が好ましい。このような樹脂型分散剤としては、例えば、特許第4020150号公報、特開2007−140487号公報、国際公開2007/007685号、国際公開2008/007776号、特開2010−163500号公報や特開2010−223988号公報等に開示されており、流動性と分散性の両立といった優れた効果を発揮する。中でも片末端に水酸基を有する重合体と、芳香族トリカルボン酸無水物及び/又は芳香族テトラカルボン酸二無水物とを反応させてなる分散剤であることが最も好ましい。
本発明に用いるカラーフィルタ用赤色着色組成物には、必要に応じて界面活性剤を添加することができる。界面活性剤としては、ラウリル硫酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ塩、ステアリン酸ナトリウム、アルキルナフタリンスルホン酸ナトリウム、アルキルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸モノエタノールアミン、ラウリル硫酸トリエタノールアミン、ラウリル硫酸アンモニウム、ステアリン酸モノエタノールアミン、スチレン−アクリル酸共重合体のモノエタノールアミン、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステルなどのアニオン性界面活性剤;ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテルリン酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリエチレングリコールモノラウレートなどのノニオン性界面活性剤;アルキル4級アンモニウム塩やそれらのエチレンオキサイド付加物などのカオチン性界面活性剤;アルキルジメチルアミノ酢酸ベタインなどのアルキルベタイン、アルキルイミダゾリンなどの両性界面活性剤が挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
樹脂型分散剤、界面活性剤を添加する場合には、着色剤の全量100質量部に対し、好ましくは0.1〜55質量部、さらに好ましくは0.1〜45質量部である。樹脂型分散剤、界面活性剤の配合量が、0.1質量部未満の場合には、添加した効果が得られ難く、配合量が55質量部より多いと、過剰な分散剤により分散に影響を及ぼすことがある。
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、さらにさらに光重合性単量体(E)および光重合開始剤(F)を添加し、レジスト材として使用することが出来る。
<光重合性単量体(E)>
本発明に用いる光重合性単量体(E)には、紫外線や熱などにより硬化して樹脂を生成するモノマーもしくはオリゴマーが含まれ、これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。
光重合性単量体(E)としては、例えば、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、2−ヒドロキシエチルメタアクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタアクリレート、シクロヘキシルメタアクリレート、β−カルボキシエチルメタアクリレート、ポリエチレングリコールジメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート、トリエチレングリコールジメタアクリレート、トリプロピレングリコールジメタアクリレート、トリメチロールプロパントリメタアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ビスフェノールAジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテルジメタアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタアクリレート、トリシクロデカニルメタアクリレート、エステルアクリレート、メチロール化メラミンのメタアクリル酸エステル、エポキシメタアクリレート、ウレタンアクリレート等の各種アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステル、アクリル酸、メタアクリル酸、スチレン、酢酸ビニル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、エチレングリコールジビニルエーテル、ペンタエリスリトールトリビニルエーテル、メタアクリルアミド、N−ヒドロキシメチルメタアクリルアミド、N−ビニルホルムアミド、アクリロニトリル等が挙げられるが、必ずしもこれらに限定されるものではない。
光重合性単量体(E)の含有量は、着色剤(A)100質量部に対し、5〜400質量部であることが好ましく、光硬化性および現像性の観点から10〜300質量部であることがより好ましい。
<光重合開始剤(F)>
光重合開始剤(F)としては、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のアセトフェノン系化合物、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンジルジメチルケタール等のベンゾイン系化合物、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−クロルチオキサントン、2−メチルチオキサントン、または2,4−ジエチルチオキサントン等のチオキサントン系化合物、2,4,6−トリクロロ−s−トリアジン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、または2,4−トリクロロメチル−(4’−メトキシスチリル)−6−トリアジン等のトリアジン系化合物、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、またはO−(アセチル)−N−(1−フェニル−2−オキソ−2−(4’−メトキシ−ナフチル)エチリデン)ヒドロキシルアミン等のオキシムエステル系化合物、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、または2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のホスフィン系化合物、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアントラキノン等のキノン系化合物、ボレート系化合物、カルバゾール系化合物、イミダゾール系化合物、あるいは、チタノセン系化合物等が用いられる。これらを単独で、または2種以上混合して用いることができる。これらの光重合開始剤は、顔料の全質量100質量部に対し、3〜150質量部であることがより好ましい。
(オキシムエステル系開始剤)
オキシムエステル系開始剤は、紫外線を吸収することによってオキシムのN−O結合の解裂がおこり、イミニルラジカルとアルキロキシラジカルを生成する。これらのラジカルは更に分解することにより活性の高いラジカルを生成するため、少ない露光量でパターンを形成させることができる。感光性着色組成物の着色剤濃度が高い場合、塗膜の紫外線透過率が低くなり塗膜の硬化度が低くなることがあるが、オキシムエステル系開始剤は高い量子効率を持つため好適に使用される。好ましくは、一般式(9)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤である。
(一般式(9)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
一般式(9)
一般式(9)において、
1は、水素原子、又は置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシル基、アシルオキシ基、アミノ基、ホスフィノイル基、カルバモイル基、もしくはスルファモイル基であり、
2は、水素原子、又は置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基アシルオキシ基、もしくはアミノ基である。
Zは、直接結合又は−CO−基、
3は、置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基、Ph−S−Ph−基(Phは、置換基を有しても良い、フェニル基又はフェニレン基を示す)等であることが好ましい。
1における置換基を有しても良いアルケニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルケニル基が挙げられ、それらは構造中に複数の炭素−炭素二重結合を有していてもよく、具体例としては、ビニル基、1−プロペニル基、アリル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、イソプロペニル基、イソブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、3−ペンテニル基、4−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、3−ヘキセニル基、4−ヘキセニル基、5−ヘキセニル基、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキサジエニル基、シクロペンタジエニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基、又は炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基が挙げられる。炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、オクタデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、イソペンチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、sec−ペンチル基、tert−ペンチル基、tert−オクチル基、ネオペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、アダマンチル基、ノルボルニル基、ボロニル基、4−デシルシクロヘキシル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキル基の具体例としては、−CH2−O−CH3、−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状又は縮合多環状アルキル基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルオキシ基としては、炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基、又は炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基が挙げられる。炭素原子数1〜18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、メチルオキシ基、エチルオキシ基、プロピルオキシ基、ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、ドデシルオキシ基、オクタデシルオキシ基、イソプロピルオキシ基、イソブチルオキシ基、イソペンチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、tert−ブチルオキシ基、sec−ペンチルオキシ基、tert−ペンチルオキシ基、tert−オクチルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、アダマンチルオキシ基、ノルボルニルオキシ基、ボロニルオキシ基、4−デシルシクロヘキシルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。また、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状アルキルオキシ基の具体例としては、−O−CH2−O−CH3、−O−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−CH2−CH2−CH2−O−CH2−CH3、−O−(CH2−CH2−O)n−CH3(ここでnは1から8である)、−O−(CH2−CH2−CH2−O)m−CH3(ここでmは1から5である)、−O−CH2−CH(CH3)−O−CH2−CH3−、−O−CH2−CH−(OCH32等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
炭素数2から18であり場合により−O−の1個以上により中断されている単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基の具体例としては、以下のようなものを挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリール基としては、炭素数6から24の単環又は縮合多環アリール基が挙げられ、具体例としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アンスリル基、9−アンスリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、1−アセナフチル基、2−フルオレニル基、9−フルオレニル基、3−ペリレニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、2,3−キシリル基、2,5−キシリル基、メシチル基、p−クメニル基、p−ドデシルフェニル基、p−シクロヘキシルフェニル基、4−ビフェニル基、o−フルオロフェニル基、m−クロロフェニル基、p−ブロモフェニル基、p−ヒドロキシフェニル基、m−カルボキシフェニル基、o−メルカプトフェニル基、p−シアノフェニル基、m−ニトロフェニル基、m−アジドフェニル基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールオキシ基としては、炭素数4〜18の単環又は縮合多環アリールオキシ基が挙げられ、具体例としては、フェノキシ基、1ーナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、9−アンスリルオキシ基、9−フェナントリルオキシ基、1−ピレニルオキシ基、5−ナフタセニルオキシ基、1−インデニルオキシ基、2−アズレニルオキシ基、1−アセナフチルオキシ基、9−フルオレニルオキシ基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良い複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素原子数4〜24の芳香族あるいは脂肪族の複素環基が挙げられ、2−チエニル基、2−ベンゾチエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、3−チアントレニル基、2−チアンスレニル基、2−フリル基、2−ベンゾフリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、2−アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、3−フェニキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、チオキサントリル基、4−キノリニル基、4−イソキノリル基、3−フェノチアジニル基、2−フェノキサチイニル基、3−クマリニル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良い複素環オキシ基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環状又は縮合多環状複素環オキシ基が挙げられ、具体例としては、2−フラニルオキシ基、2−チエニルオキシ基、2−インドリルオキシ基、3−インドリルオキシ基、2−ベンゾフリルオキシ基、2−ベンゾチエニルオキシ基、2−カルバゾリルオキシ基、3−カルバゾリルオキシ基、4−カルバゾリルオキシ基、9−アクリジニルオキシ基等が挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルファニル基としては、炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルチオ基が挙げられ、具体例としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、デシルチオ基、ドデシルチオ基、オクタデシルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルファニル基としては、炭素数6〜18の単環状又は縮合多環状アリールチオ基が挙げられ、具体例としては、フェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、9−アンスリルチオ基、9−フェナントリルチオ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルフィニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、イソプロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、オクチルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、デカノイルスルフィニル基、ドデカノイルスルフィニル基、オクタデカノイルスルフィニル基、シアノメチルスルフィニル基、メチルオキシメチルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルフィニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルフィニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルフィニル基、1−ナフチルスルフィニル基、2−ナフチルスルフィニル基、2−クロロフェニルスルフィニル基、2−メチルフェニルスルフィニル基、2−メチルオキシフェニルスルフィニル基、2−ブチルオキシフェニルスルフィニル基、3−クロロフェニルスルフィニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルフィニル基、3−シアノフェニルスルフィニル基、3−ニトロフェニルスルフィニル基、4−フルオロフェニルスルフィニル基、4−シアノフェニルスルフィニル基、4−メチルオキシフェニルスルフィニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルフィニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルフィニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアルキルスルホニル基としては、炭素数1〜20のアルキルスルホニル基が好ましく、具体例としては、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、イソプロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、オクチルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、デカノイルスルホニル基、ドデカノイルスルホニル基、オクタデカノイルスルホニル基、シアノメチルスルホニル基、メチルオキシメチルスルホニル基等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアリールスルホニル基としては、炭素数6〜30のアリールスルホニル基が好ましく、具体例としては、フェニルスルホニル基、1−ナフチルスルホニル基、2−ナフチルスルホニル基、2−クロロフェニルスルホニル基、2−メチルフェニルスルホニル基、2−メチルオキシフェニルスルホニル基、2−ブチルオキシフェニルスルホニル基、3−クロロフェニルスルホニル基、3−トリフルオロメチルフェニルスルホニル基、3−シアノフェニルスルホニル基、3−ニトロフェニルスルホニル基、4−フルオロフェニルスルホニル基、4−シアノフェニルスルホニル基、4−メチルオキシフェニルスルホニル基、4−メチルスルファニルフェニルスルホニル基、4−フェニルスルファニルフェニルスルホニル基、4−ジメチルアミノフェニルスルホニル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアシル基としては、水素原子又は炭素数1から18の直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状の脂肪族が結合したカルボニル基、炭素数2から20のアルキルオキシ基が置換したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状アリール基が結合したカルボニル基、炭素数6から18の単環状あるいは縮合多環状のアリールオキシ基が置換したカルボニル基、窒素原子、酸素原子、硫黄原子、リン原子を含む、炭素数4〜18の単環又は縮合多環状の複素環基が結合したカルボニル基が挙げられ、具体例としては、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、バレリル基、イソバレリル基、ピバロイル基、ラウロイル基、ミリストイル基、パルミトイル基、ステアロイル基、シクロペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、クロトノイル基、イソクロトノイル基、オレオイル基、シンナモイル基ベンゾイル基、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメチルオキシカルボニル基、ベンゾイル基、トルオイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、9−アンスリルカルボニル基、フェニルオキシカルボニル基、4−メチルフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、1−ナフトイルオキシカルボニル基、2−ナフトイルオキシカルボニル基、9−アンスルリルオキシカルボニル基、3−フロイル基、2−テノイル基、ニコチノイル基、イソニコチノイル基等を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いアシルオキシ基としては、炭素数2〜20のアシルオキシ基が挙げられ、具体例としては、アセチルオキシ基、プロパノイルオキシ基、ブタノイルオキシ基、ペンタノイルオキシ基、トリフルオロメチルカルボニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、1−ナフチルカルボニルオキシ基、2−ナフチルカルボニルオキシ基等が挙げられる。
1における置換基を有しても良いアミノ基としては、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アリールアミノ基、ジアリールアミノ基、アルキルアリールアミノ基、ベンジルアミノ基、ジベンジルアミノ基等が挙げられる。
ここで、アルキルアミノ基としては、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、ドデシルアミノ基、オクタデシルアミノ基、イソプロピルアミノ基、イソブチルアミノ基、イソペンチルアミノ基、sec−ブチルアミノ基、tert−ブチルアミノ基、sec−ペンチルアミノ基、tert−ペンチルアミノ基、tert−オクチルアミノ基、ネオペンチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、シクロブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、シクロヘプチルアミノ基、シクロオクチルアミノ基、シクロドデシルアミノ基、1−アダマンタミノ基、2−アダマンタミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアルキルアミノ基としては、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジヘプチルアミノ基、ジオクチルアミノ基、ジノニルアミノ基、ジデシルアミノ基、ジドデシルアミノ基、ジオクタデシルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ジイソブチルアミノ基、ジイソペンチルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メチルプロピルアミノ基、メチルブチルアミノ基、メチルイソブチルアミノ基、シクロプロピルアミノ基、ピロリジノ基、ピペリジノ基、ピペラジノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アリールアミノ基としては、アニリノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、o−トルイジノ基、m−トルイジノ基、p−トルイジノ基、2−ビフェニルアミノ基、3−ビフェニルアミノ基、4−ビフェニルアミノ基、1−フルオレンアミノ基、2−フルオレンアミノ基、2−チアゾールアミノ基、p−ターフェニルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
ジアリールアミノ基としては、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、N−フェニル−1−ナフチルアミノ基、N−フェニル−2−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
アルキルアリールアミノ基としては、N−メチルアニリノ基、N−メチル−2−ピリジノ基、N−エチルアニリノ基、N−プロピルアニリノ基、N−ブチルアニリノ基、N−イソプロピル、N−ペンチルアニリノ基、N−エチルアニリノ基、N−メチル−1−ナフチルアミノ基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いホスフィノイル基としては、炭素数2から50のホスフィノイル基が挙げられ、具体例としては、ジメチルホスフィノイル基、ジエチルホスフィノイル基、ジプロピルホスフィノイル基、ジフェニルホスフィノイル基、ジメトキシホスフィノイル基、ジエトキシホスフィノイル基、ジベンゾイルホスフィノイル基、ビス(2,4,6−トリメチルフェニル)ホスフィノイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いカルバモイル基としては、炭素数1から30のカルバモイル基が挙げられ、具体例としては、N−メチルカルバモイル基、N−エチルカルバモイル基、N−プロピルカルバモイル基、N−ブチルカルバモイル基、N−ヘキシルカルバモイル基、N−シクロヘキシルカルバモイル基、N−オクチルカルバモイル基、N−デシルカルバモイル基、N−オクタデシルカルバモイル基、N−フェニルカルバモイル基、N−2−メチルフェニルカルバモイル基、N−2−クロロフェニルカルバモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルカルバモイル基、N−2−(2−エチルヘキシル)フェニルカルバモイル基、N−3−クロロフェニルカルバモイル基、N−3−ニトロフェニルカルバモイル基、N−3−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メトキシフェニルカルバモイル基、N−4−シアノフェニルカルバモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルカルバモイル基、N−メチル−N−フェニルカルバモイル基、N、N−ジメチルカルバモイル基、N、N−ジブチルカルバモイル基、N、N−ジフェニルカルバモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
1における置換基を有しても良いスルファモイル基としては、炭素数0から30のスルファモイル基が挙げられ、具体例としては、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N、N−ジアルキルスルファモイル基、N、N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモオイル基等が挙げられる。より具体的には、N−メチルスルファモイル基、N−エチルスルファモイル基、N−プロピルスルファモイル基、N−ブチルスルファモイル基、N−ヘキシルスルファモイル基、N−シクロヘキシルスルファモイル基、N−オクチルスルファモイル基、N−2−エチルヘキシルスルファモイル基、N−デシルスルファモイル基、N−オクタデシルスルファモイル基、N−フェニルスルファモイル基、N−2−メチルフェニルスルファモイル基、N−2−クロロフェニルスルファモイル基、N−2−メトキシフェニルスルファモイル基、N−2−イソプロポキシフェニルスルファモイル基、N−3−クロロフェニルスルファモイル基、N−3−ニトロフェニルスルファモイル基、N−3−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−メトキシフェニルスルファモイル基、N−4−シアノフェニルスルファモイル基、N−4−ジメチルアミノフェニルスルファモイル基、N−4−メチルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−4−フェニルスルファニルフェニルスルファモイル基、N−メチル−N−フェニルスルファモイル基、N,N−ジメチルスルファモイル基、N,N−ジブチルスルファモイル基、N,N−ジフェニルスルファモイル基等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
2における置換基を有しても良い、アルケニル基、アルキル基、アルキルオキシ基、アリール基、アリールオキシ基、複素環基、複素環オキシ基、アルキルスルファニル基、アリールスルファニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、アシルオキシ基、及びアミノ基としては、前述のR1における置換基を有しても良いアルケニル基、置換基を有しても良いアルキル基、置換基を有しても良いアルキルオキシ基、置換基を有しても良いアリール基、置換基を有しても良いアリールオキシ基、置換基を有しても良い複素環基、置換基を有しても良い複素環オキシ基、置換基を有しても良いアルキルスルファニル基、置換基を有しても良いアリールスルファニル基、置換基を有しても良いアルキルスルフィニル基、置換基を有しても良いアリールスルフィニル基、置換基を有しても良いアルキルスルホニル基、置換基を有しても良いアリールスルホニル基、置換基を有しても良いアシルオキシ基、及び、置換基を有しても良いアミノ基と同義である。
1及びY2におけるこれら置換基としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
また、これらの置換基は1個以上あるいは1種以上存在することができ、さらにこれらの置換基の水素原子がさらに他の置換基で置換されていても良い。
一般式(9)に表されるオキシムエステル系光重合開始剤の中でも、下記一般式(10)、又は(11)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤は、感度に優れ、さらに好ましいものである。
(一般式(10)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
一般式(10)
一般式(10)は、一般式(9)における、Y3がPh−S−Ph−基の場合に相当し、Y4〜Y6は、水素原子、又は置換基を有しても良い、アルキル基又はアリール基が好ましい。Zは直接結合又は−CO−基が好ましい。Y4〜Y6における、置換基を有しても良いアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基としては、Y1及びY2におけるアルキル基、又はアリール基と同義である。
さらにY1としては置換基を有しても良いアリール基が、Y2としては置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y4及びY6としては水素原子がさらに好ましく、Y5としては水素原子、もしくはY7−CO−基であることがさらに好ましい。
7としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン基、メトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基、フェノキシ基、p−トリルオキシ基等のアリールオキシ基、メトキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等のアルコキシカルボニル基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ベンゾイルオキシ基等のアシルオキシ基、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基、メチルスルファニル基、tert−ブチルスルファニル基等のアルキルスルファニル基、フェニルスルファニル基、p−トリルスルファニル基等のアリールスルファニル基、メチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基等のアルキルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、ピペリジノ基等のジアルキルアミノ基、フェニルアミノ基、p−トリルアミノ基等のアリールアミノ基、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基等のアルキル基、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、ベンゾフラニル基等のアリール基、フリル基、チエニル基等の複素環基等の他、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ホルミル基、メルカプト基、スルホ基、メシル基、p−トルエンスルホニル基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基、トリクロロメチル基、トリメチルシリル基、ホスフィニコ基、ホスホノ基、トリメチルアンモニウミル基、ジメチルスルホニウミル基、トリフェニルフェナシルホスホニウミル基等が挙げられる。
2の置換基としてさらに好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。
一般式(10)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(10−1)又は(10−2)で表わされる光重合開始剤等である。
(一般式(11)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤)
一般式(11)
一般式(11)は、一般式(9)におけるY3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、Y7〜Y14は、Y1及びY2における置換基と同義である。
さらにY1として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が、Y2として置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が、Y7〜Y14として水素原子、又は置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
一般式(11)におけるZが直接結合の場合には、下記一般式(11a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
「一般式(11a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(11a)
一般式(11a)は、一般式(11)におけるZが直接結合、Y3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、一般式(7)におけるY7〜Y10、及びY12〜Y13が水素原子である。
また、Y11はY15−CO−基、又はニトロ基であることが好ましい。Y15はY1及びY2における置換基と同義であり、置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。Y15−CO−基としては、さらに置換基を有しても良いアセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基であることが好ましい。より好ましくは置換基を有しても良いベンゾイル基、又はニトロ基である。Y14としては、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が好ましい。
また、置換基を有しても良いベンゾイル基における置換基として好ましくは、炭素数1〜20のアルキル基、又はアルキルオキシ基が好ましい。さらにアルキル基としては、メチル基、エチル基が好ましく、アルキルオキシ基のなかでも、炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基が好ましく、Y1における炭素数2から18であり場合により1個以上の−O−で中断されている直鎖状、分岐鎖状、単環状又は縮合多環状アルキルオキシ基と同義である。
2は、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基が好ましく、置換基として好ましくは、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロオクタデシル基等のシクロアルキル基である。また、置換基を有しても良いアリール基が好ましく、置換基として好ましくは、さらに置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又はメトキシ基、エトキシ基、tert−ブトキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
一般式(11a)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(11a−1)〜(11a−6)で表わされる光重合開始剤等である。
「一般式(11b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤」
一般式(11)におけるZが−CO−基の場合には、下記一般式(11b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤が好ましい。
一般式(11b)
一般式(11b)は、一般式(11)におけるZが−CO−基、Y3が置換基を有しても良いカルバゾール基を含む1価の有機基の場合に相当し、ケト型カルバゾール基を有するオキシムエステル系光重合開始剤である。Y7〜Y13は水素原子、置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基、又は置換基を有しても良いアリール基が好ましく、Y14は置換基を有しても良いアリール基であることが好ましい。置換基を有しても良いアリール基の置換基としては、アセチル基、ベンゾイル基、イソブチリル基、アクリロイル基、メタクリロイル基、メトキサリル基等のアシル基が好ましく、より好ましくはベンゾイル基である。
一般式(11b)で表わされるオキシムエステル系光重合開始剤としては、具体的には、下記化学式(11b−1)〜(11b−4)で表わされる光重合開始剤等である。
これらオキシムエステル系開始剤の市販品としては、BASF社から、1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)フェニル−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE−01)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02)、N−1919(ADEKA社製)、TRONLY TR−PBG−304、TRONLY TR−PBG−305、TRONLY TR−PBG−309(いずれも常州強力新材料社製)等が市販されている。また、この他に、特開2007−210991号公報、特開2009−179619号公報、特開2010−037223号公報、特開2010−215575号公報、特開2011−020998号公報等に記載のオキシムエステル系光重合開始剤を用いることも可能である。
オキシムエステル系開始剤の含有量は、着色剤100質量部に対し、2〜50質量部であることが好ましく、光硬化性及び現像性の観点から2〜30質量部であることがより好ましい。2質量部よりも少ない場合、形成パターンの基材との密着性が悪くなり、50質量部を超えると現像性に問題が生じる場合がある。
<増感剤>
さらに、本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物には、増感剤を含有させることができる。増感剤としては、カルコン誘導体、ジベンザルアセトン等に代表される不飽和ケトン類、ベンジルやカンファーキノン等に代表される1,2−ジケトン誘導体、ベンゾイン誘導体、フルオレン誘導体、ナフトキノン誘導体、アントラキノン誘導体、キサンテン誘導体、チオキサンテン誘導体、キサントン誘導体、チオキサントン誘導体、クマリン誘導体、ケトクマリン誘導体、シアニン誘導体、メロシアニン誘導体、オキソノ−ル誘導体等のポリメチン色素、アクリジン誘導体、アジン誘導体、チアジン誘導体、オキサジン誘導体、インドリン誘導体、アズレン誘導体、アズレニウム誘導体、スクアリリウム誘導体、ポルフィリン誘導体、テトラフェニルポルフィリン誘導体、トリアリールメタン誘導体、テトラベンゾポルフィリン誘導体、テトラピラジノポルフィラジン誘導体、フタロシアニン誘導体、テトラアザポルフィラジン誘導体、テトラキノキサリロポルフィラジン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、サブフタロシアニン誘導体、ピリリウム誘導体、チオピリリウム誘導体、テトラフィリン誘導体、アヌレン誘導体、スピロピラン誘導体、スピロオキサジン誘導体、チオスピロピラン誘導体、金属アレーン錯体、有機ルテニウム錯体、又はミヒラーケトン誘導体、α−アシロキシエステル、アシルフォスフィンオキサイド、メチルフェニルグリオキシレート、ベンジル、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、エチルアンスラキノン、4,4'−ジエチルイソフタロフェノン、3,3',又は4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、4,4'−ジエチルアミノベンゾフェノン等が挙げられる。これらの増感剤は、1種を単独で、または必要に応じて任意の比率で2種以上混合して用いることができる。
さらに具体的には、大河原信ら編、「色素ハンドブック」(1986年、講談社)、大河原信ら編、「機能性色素の化学」(1981年、シーエムシー)、池森忠三朗ら編、及び「特殊機能材料」(1986年、シーエムシー)に記載の増感剤が挙げられるがこれらに限定されるものではない。また、その他、紫外から近赤外域にかけての光に対して吸収を示す増感剤を含有させることもできる。
増感剤の含有量は、着色組成物中に含まれる光重合開始剤100質量部に対し、3〜60質量部であることが好ましく、光硬化性、現像性の観点から5〜50質量部であることがより好ましい。
<硬化剤、硬化促進剤>
また本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、熱硬化性樹脂の硬化を補助するため、必要に応じて、硬化剤、硬化促進剤などを含んでいてもよい。硬化剤としては、フェノール系樹脂、アミン系化合物、酸無水物、活性エステル、カルボン酸系化合物、スルホン酸系化合物などが有効であるが、特にこれらに限定されるものではなく、熱硬化性樹脂と反応し得るものであれば、いずれの硬化剤を使用してもよい。また、これらの中でも、1分子内に2個以上のフェノール性水酸基を有する化合物、アミン系硬化剤が好ましく挙げられる。前記硬化促進剤としては、例えば、アミン化合物(例えば、ジシアンジアミド、ベンジルジメチルアミン、4−(ジメチルアミノ)−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メトキシ−N,N−ジメチルベンジルアミン、4−メチル−N,N−ジメチルベンジルアミン等)、4級アンモニウム塩化合物(例えば、トリエチルベンジルアンモニウムクロリド等)、ブロックイソシアネート化合物(例えば、ジメチルアミン等)、イミダゾール誘導体二環式アミジン化合物及びその塩(例えば、イミダゾール、2−メチルイミダゾール、2−エチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、4−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、1−(2−シアノエチル)−2−エチル−4−メチルイミダゾール等)、リン化合物(例えば、トリフェニルホスフィン等)、グアナミン化合物(例えば、メラミン、グアナミン、アセトグアナミン、ベンゾグアナミン等)、S−トリアジン誘導体(例えば、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン、2−ビニル−2,4−ジアミノ−S−トリアジン、2−ビニル−4,6−ジアミノ−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物、2,4−ジアミノ−6−メタクリロイルオキシエチル−S−トリアジン・イソシアヌル酸付加物等)などを用いることができる。これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記硬化促進剤の含有量としては、熱硬化性樹脂の全質量を基準(100質量部)として、0.01〜15質量部が好ましい。
<その他の添加剤成分>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物には、組成物の経時粘度を安定化させるために貯蔵安定剤を含有させることができる。また、透明基板との密着性を高めるためにシランカップリング剤等の密着向上剤を含有させることもできる。
貯蔵安定剤としては、例えば、ベンジルトリメチルクロライド、ジエチルヒドロキシアミンなどの4級アンモニウムクロライド、乳酸、シュウ酸などの有機酸及びそのメチルエーテル、t−ブチルピロカテコール、テトラエチルホスフィン、テトラフェニルフォスフィンなどの有機ホスフィン、亜リン酸塩等が挙げられる。貯蔵安定剤は、着色剤(A)の全質量100質量部に対し、0.1〜10質量部の量で用いることができる。
密着向上剤としては、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン等のビニルシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等の(メタ)アクリルシラン類、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等のエポキシシラン類、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジエトキシシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン等のチオシラン類等のシランカップリング剤が挙げられる。密着向上剤は、着色剤(A)の全質量100質量部に対し、0.01〜10質量部、好ましくは0.05〜5質量部の量で用いることができる。
<着色組成物の製造方法>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、着色剤(A)と、色素誘導体(B)と、樹脂(C)と、溶剤(D)を混合したものを、三本ロールミル、二本ロールミル、サンドミル、ニーダー、又はアトライター等の各種分散手段を用いて微細に分散して製造することができる。また、本発明の着色組成物は、着色剤等を別々にバインダー樹脂及び有機溶剤中に微細に分散したものを混合して製造することもできる。
このようにして平均一次粒子径が100nm以下に微細化された着色剤をサンドミル等の分散機を用いて透明樹脂に分散すると、一次粒子が複数個集まった二次粒子からなる分散粒子の状態で分散され、分散状態の進行によりこの分散粒子は徐々に小さくなり、最終的には一次粒子の状態で分散されているようになるものであるが、分散状態を分散粒子の大きさで制御し、分散粒子の平均径が50nmから150nmの範囲内となるように分散させたものである。
分散が進むにつれ分散粒径は小さくなり、透明性が増すため、分散粒径は小さくなるほどよい。一方、分散が進行し、分散粒径が小さくなると分散体の粘度が上昇し、かつチキソトロピック性が大きくなる傾向がみられる。カラーフィルタ用着色組成物として用いる場合には、薄膜塗布されかつ塗膜表面が平滑であることが要求されるため、低粘度でかつニュートニアンフローであることが要求される。このため、通常の使用に好ましい粘度やチキソトロピック性を考慮すると、分散粒径を100nm程度に抑えることが好ましい。このように、平均一次粒子径が100nm以下の着色剤を用い、分散粒子の平均粒径を50nmから150nmの範囲内となるように分散度合いを制御することにより、粘度上昇及びチキソトロピック性が最小限に抑えられ、透明性が高い顔料分散体を得ることができる。
<粗大粒子の除去>
本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物は、その製造工程において酸化ジルコニウムや無機ガラスによるビーズ分散を行うことが好ましく、その際に径の異なるビーズを使用してもよい。また、上記ビーズ分散を実施した後に、重力加速度3000〜25000Gの遠心分離、焼結フィルタ、メンブレンフィルタ等の手段にて、5μm以上の粗大粒子、好ましくは1μm以上の粗大粒子、さらに好ましくは0.5μm以上の粗大粒子および混入した塵の除去を行うことが好ましい。
<カラーフィルタ>
次に、本発明のカラーフィルタについて説明する。
本発明のカラーフィルタは、基板上に本発明の着色組成物から形成されるフィルタセグメントを備えるものであり、一般的なカラーフィルタは、少なくとも1つの赤色フィルタセグメント、少なくとも1つの緑色フィルタセグメント、及び少なくとも1つの青色フィルタセグメントを具備、又は少なくとも1つのマゼンタ色フィルタセグメント、少なくとも1つのシアン色フィルタセグメント、及び少なくとも1つのイエロー色フィルタセグメントを具備する。
上記各フィルタセグメントは、赤色着色組成物、緑色着色組成物、青色着色組成物、黄色着色組成物、マゼンタ色着色組成物、シアン色着色組成物等を用いて形成することができる。本願の着色組成物は、赤色フィルタセグメント又は緑色フィルタセグメントに使用することが好ましい。また、各色フィルタセグメントを形成する着色組成物は、各色顔料、前記バインダー樹脂、前記光重合性組成物等を含有する各着色組成物を用いて形成することができる。
<赤色フィルタセグメントを形成する顔料>
赤色フィルタセグメントを形成する赤色着色組成物用の赤色顔料としては、C.I.ピグメントレッド7、14、41、48:1、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、81:2、81:3、81:4、149、166、168、176、178、179、184、185、187、200、202、208、210、221、224、242、246、254、255、264、268、269、270、272、273、274、276、277、278、279、280、281、282、283、284、285、286、287、特表2011−523433号公報に記載のジケトピロロピロール顔料、又は特開2013−161025号公報に記載のナフトールアゾ顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
また赤色着色組成物には、C.I.ピグメント オレンジ 43、71、又は73等の橙色顔料及び/又はC.I.ピグメント イエロー 1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、又は214等の黄色顔料を併用することができる。
<青色フィルタセグメントを形成する顔料>
青色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物用の青色顔料としては、
C.I.ピグメントブルー1、1:2、9、14、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、特開2004−333817号公報、又は特許第4893859号公報等に記載のアルミニウムフタロシアニン顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。紫色顔料としては、C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、27、29、30、32、37、40、42、又は50等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
<緑色フィルタセグメントを形成する顔料>
緑色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物用の緑色顔料としては、例えばC.I.ピグメントグリーン7、10、36、37、58等の緑色顔料を用いることができる。また緑色着色組成物には、C.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を併用することができる。
<黄色フィルタセグメントを形成する顔料>
黄色フィルタセグメントを形成する青色着色組成物用の黄色顔料には、例えばC.I.ピグメントイエロー1、2、3、4、5、6、10、12、13、14、15、16、17、18、24、31、32、34、35、35:1、36、36:1、37、37:1、40、42、43、53、55、60、61、62、63、65、73、74、77、81、83、93、94、95、97、98、100、101、104、106、108、109、110、113、114、115、116、117、118、119、120、123、126、127、128、129、138、139、147、150、151、152、153、154、155、156、161、162、164、166、167、168、169、170、171、172、173、174、175、176、177、179、180、181、182、185、187、188、193、194、198、199、213、214、218、219、220、又は221等の黄色顔料を単独でまたは混合して用いることができる。
<マゼンタ色フィルタセグメントを形成する顔料>
マゼンタ色フィルタセグメントを形成する場合には、例えばC.I.Pigment Violet 1、19、C.I.Pigment Red 81、122、144、146、169、177、207等の紫色顔料および赤色顔料等が挙げられるが、特にこれらに限定されない。
<シアン色フィルタセグメントを形成する顔料>
シアン色フィルタセグメントを形成するためのシアン色着色組成物には、例えばC.I.ピグメントブルー15:1、15:2、15:4、15:3、15:6、16、81等の青色顔料を単独で又は混合して用いることができる。
基板としては、ソーダ石灰ガラス、低アルカリ硼珪酸ガラス、無アルカリアルミノ硼珪酸ガラスなどのガラス板や、ポリカーボネート、ポリメタクリル酸メチル、ポリエチレンテレフタレートなどの樹脂板が用いられる。ガラス板や樹脂板の表面には、パネル化後の液晶駆動のために、酸化インジウム、酸化錫などからなる透明電極が形成されていてもよい。固体撮像素子に用いる場合には、シリコンウエハーなどが用いられ、シリコンウエハーは下地材が塗布されていてもよい。
フィルタセグメントの乾燥膜厚は、0.2〜10μmであることが好ましく、より好ましくは0.2〜5μmである。塗布膜を乾燥させる際には、減圧乾燥機、コンベクションオーブン、IRオーブン、ホットプレート等を使用してもよい。
フォトリソグラフィー法による各色フィルタセグメントの形成は、下記の方法で行う。すなわち、溶剤現像型あるいはアルカリ現像型着色レジスト材として調製した感光性着色組成物を、透明基板上に、スプレーコートやスピンコート、スリットコート、ロールコート等の塗布方法により、乾燥膜厚が0.2〜10μmとなるように塗布する。必要により乾燥された膜には、この膜と接触あるいは非接触状態で設けられた所定のパターンを有するマスクを通して紫外線露光を行う。その後、溶剤又はアルカリ現像液に浸漬するか、もしくはスプレーなどにより現像液を噴霧して未硬化部を除去し所望のパターンを形成してフィルタセグメントを形成することができる。さらに、現像により形成されたフィルタセグメントの重合を促進するため、必要に応じて加熱を施すこともできる。フォトリソグラフィー法によれば、印刷法より精度の高いフィルタセグメントが形成できる。
現像に際しては、アルカリ現像液として炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、水酸化テトラメチルアンモニウム等の水溶液が使用され、ジメチルベンジルアミン、トリエタノールアミン等の有機アルカリを用いることもできる。また、現像液には、消泡剤や界面活性剤を添加することもできる。現像処理方法としては、シャワー現像法、スプレー現像法、ディップ(浸漬)現像法、パドル(液盛り)現像法等を適用することができる。
なお、紫外線露光感度を上げるために、上記感光性着色組成物を塗布乾燥後、水溶性あるいはアルカリ可溶性樹脂、例えばポリビニルアルコールや水溶性アクリル樹脂等を塗布乾燥し、酸素による重合阻害を防止する膜を形成した後、紫外線露光を行うこともできる。
以下に、実施例により本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、実施例及び比較例中、「部」及び「%」とは「質量部」及び「質量%」をそれぞれ意味する。
また、ジケトピロロピロール顔料の同定方法、樹脂の重量平均分子量(Mw)、顔料の平均一次粒子径と、顔料の比表面積との測定方法は以下の通りである。
<ジケトピロロピロール顔料の同定方法>
本発明のナフトールアゾ顔料およびジケトピロロピロール顔料の同定は、ブルカー・ダルトニクス社製MALDI質量分析装置autoflexIII(以下、TOF−MSと称す)を用い、得られたマススペクトラムの分子イオンピークと、計算によって得られる質量数との一致をもって同定した。
<樹脂の重量平均分子量(Mw)>
樹脂の重量平均分子量(Mw)は、TSKgelカラム(東ソー社製)を用い、RI検出器を装備したGPC(東ソー社製、HLC−8120GPC)で、展開溶媒にTHFを用いて測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)である。
<顔料の平均一次粒子径>
顔料の平均一次粒子径は、透過型(TEM)電子顕微鏡を使用して、電子顕微鏡写真から一次粒子の大きさを直接計測する方法で測定した。具体的には、個々の顔料の一次粒子の短軸径と長軸径を計測し、平均をその顔料一次粒子の粒径とした。次に、100個以上の顔料粒子について、それぞれの粒子の体積(重量)を、求めた粒径の立方体と近似して求め、体積平均粒径を平均一次粒子径とした。
<顔料の比表面積>
顔料の比表面積の測定は、窒素吸着のBET法による自動蒸気吸着量測定装置(日本ベル社製「BELSORP18」)により行なった。
続いて、実施例および比較例に用いたアクリル樹脂溶液の製造方法と、樹脂型分散剤溶液の調整方法と、ジケトピロロピロール顔料(a)、黄色顔料(b)およびその他の微細化顔料の製造方法と、顔料分散体の製造方法と、緑色感光性着色組成物、および青色感光性着色組成物の製造方法とについて説明する。
<樹脂溶液(C)の製造方法>
(バインダー樹脂溶液C1−1)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン480.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メパラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)19.0部、メタクリル酸28.0部、メチルメタクリレート22.4部、グリセロールモノメタクリレート11.5部、ベンジルメタクリレート29.0部、n−ブチルメタクリレート16.0部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)12.5部、ラウリン酸ジブチル錫0.1部、シクロヘキサノン26.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、酸価が131mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C1−1を得た。
(バインダー樹脂溶液C1−2)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン700.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成社製アロニックスM110)50.0部、メタクリル酸50.0部、メチルメタクリレート40部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート55.2部、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)59.9部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン100.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂溶液を得た。
室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、酸価が104mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C1−2を得た。
(バインダー樹脂溶液C1−3)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン207部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸37.5部、メチルメタクリレート27.5部、n−ブチルメタクリレート5.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート18.7部および2,2'−アゾビスイソブチロニトリル1.33部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)16.3部、ラウリン酸ジブチル錫0.08部、シクロヘキサノン26部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、酸価が233mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C1−3を得た。
(バインダー樹脂溶液C1−4)
(段階1:樹脂主鎖の重合)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、撹拌装置を取り付けた反応容器にプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)100部を入れ、容器に窒素ガスを注入しながら120℃に加熱して、同温度で滴下管よりスチレン14部、ジシクロペンタニルメタクリレート29部、グリシジルメタクリレート57部、およびこの段階における前駆体の反応に要する触媒としてアゾビスイソブチロニトリル1.0部の混合物を2.5時間かけて滴下し重合反応を行った。
(段階2:エポキシ基への反応)
次にフラスコ内を空気置換し、アクリル酸29部およびこの段階における前駆体の反応に要する触媒としてトリスジメチルアミノメチルフェノール0.3部、及びハイドロキノン0.3部を投入し、120℃で5時間反応を行い、重量平均分子量(Mw)が約10500の樹脂溶液を得た。投入したアクリル酸はグリシジルメタクリレート構成単位のエポキシ基末端にエステル結合するので樹脂構造中にカルボキシル基を生じない。
(段階3:水酸基への反応)
さらにテトラヒドロ無水フタル酸46部およびこの段階における前駆体の反応に要する触媒として、トリエチルアミン0.5部を加え120℃で4時間反応させた。加えたテトラヒドロ無水フタル酸は無水カルボン酸部位が開裂して生じた2個のカルボキシル基の一方が樹脂構造中の水酸基にエステル結合し、他方がカルボキシル基末端を生じさせる。
(段階4:不揮発分の調整)
不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液C1−4を得た。重量平均分子量(Mw)が11500、酸価は103mgKOH/gであった。
攪拌装置、滴下ロート、コンデンサー、温度計、ガス導入管を備えたフラスコにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC)145gを取り、窒素置換しながら攪拌し120℃に昇温した。次にジシクロペンタジエン骨格を有するモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−512M)20.0g(0.1モル)、メタクリル酸108.0g(1.5モル)、ベンジルメタクリレート31.0g(0.2モル)からなるモノマー混合物にアゾビスイソブチロニトリルをモノマー混合物100部に対し10.1g(6.0部)を添加した。このものを滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、更に120℃で2時間攪拌し続けエージングを行った。次に、フラスコ内を空気置換に替え、グリシジルメタクリレート122.3g(0.9モル、メタクリル酸の60モル%)にトリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gを、上記エージングした中に投入し、120℃で6時間反応を続け固形分酸価=1.0となったところで反応を終了し、不揮発分が20重量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加してバインダー樹脂溶液C1−5を得た。重量平均分子量(Mw)が18100、酸価は117mgKOH/gであった。
(バインダー樹脂溶液C2−1)
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート333gを導入し、フラスコ内雰囲気を空気から窒素にした後、100℃に昇温後、ベンジルメタクリレート70.5g(0.40モル)、グリシジルメタクリレート71.1g(0.50モル)、トリシクロデカン骨格のモノメタクリレート(日立化成(株)製FA−513M)22.0g(0.10モル)および、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート164gからなる混合物にアゾビスイソブチロニトリル3.6gを添加した溶液を滴下ロートから2時間かけてフラスコに滴下し、さらに100℃で5時間撹拌し続けた。次に、フラスコ内雰囲気を窒素から空気にし、メタクリル酸43.0g[0.5モル、(本反応に用いたグリシジルメタクリレートのグリシジル基に対して100モル%)]、トリスジメチルアミノメチルフェノール0.9gおよびハイドロキノン0.145gをフラスコ内に投入し、110℃で6時間反応を続け固形分酸価が1mgKOH/gとなったところで反応を終了した。次に、テトラヒドロフタル無水フタル酸60.9g(0.40モル)、トリエチルアミン0.8gを加え、120℃で3.5時間反応させ、感光性透明樹脂溶液を得た。感光性透明樹脂溶液約2gをサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した感光性透明樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートを添加して感光性樹脂溶液を調製し、酸価80mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C2−1を得た。
(バインダー樹脂溶液C2−2)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン196部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、ベンジルメタクリレート20.0部、n−ブチルメタクリレート17.2部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート12.9部、メタクリル酸12.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亞合成株式会社製「アロニックスM110」)20.7部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル1.1部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、アクリル樹脂の溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにPGMACを添加し、酸価が94mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C2−2を得た。
(バインダー樹脂溶液C2−3)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン560.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸26.0部、メチルメタクリレート23.0部、n−ブチルメタクリレート、23.0部、パラクミルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート(東亜合成株式会社製「アロニックスM110」)22.0部、グリセロールモノメタクリレート31.9部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)52.2部、ラウリン
酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン100.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂溶液を得た。室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、酸価が95mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C2−3を得た。
(バインダー樹脂溶液C2−4)
セパラブル4口フラスコに温度計、冷却管、窒素ガス導入管、滴下管および撹拌装置を取り付けた反応容器にシクロヘキサノン520.0部を仕込み、80℃に昇温し、反応容器内を窒素置換した後、滴下管より、メタクリル酸7.0部、メチルメタクリレート7.0部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート54.3部、グリセロールモノメタクリレート66.0部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル4.0部の混合物を2時間かけて滴下した。滴下終了後、更に3時間反応を継続し、共重合体樹脂溶液を得た。次に得られた共重合体溶液全量に対して、窒素ガスを停止し乾燥空気を1時間注入しながら攪拌したのちに、室温まで冷却した後、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート(昭和電工社製カレンズMOI)64.8部、ラウリン酸ジブチル錫0.4部、シクロヘキサノン100.0部の混合物を70℃で3時間かけて滴下した。滴下終了後、更に1時間反応を継続し、アクリル樹脂溶液を得た。 室温まで冷却した後、樹脂溶液約2部をサンプリングして180℃、20分加熱乾燥して不揮発分を測定し、先に合成した樹脂溶液に不揮発分が20質量%になるようにシクロヘキサノンを添加し、酸価が23mgKOH/gのバインダー樹脂溶液C2−4を得た。
<色素誘導体(B)の構造>
以下表1、表2に、実施例で使用した色素誘導体について示す。
<分散剤の製造>
(分散剤1)
ガス導入管、温度計、コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器に、メチルメタクリレート5.0部、メタクリル酸55.0部、エチルアクリレート40.0部を仕込み、窒素ガスで置換した。反応容器内を80℃に加熱して、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール6.0部に、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル0.1部をシクロヘキサノン45.3部に溶解した溶液を添加して、10時間反応した。固形分測定により95%が反応したことを確認した。このとき、重量平均分子量が4,000であった。次に、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸二無水物を8.8部、シクロヘキサノン69.2部、触媒として1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン0.2部を追加し、120℃で7時間反応させた。酸価の測定で98%以上の酸無水物がハーフエステル化していることを確認し反応を終了した。反応終了後、不揮発分が50質量%になるようにプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAcと表記)を添加して調製し、芳香族カルボキシル基を持つ分散剤1の溶液を得た。
(分散剤2)
表2−2に記載した原料と仕込み量を用いた以外は分散剤1と同様にして、芳香族カルボキシル基を持つ分散剤2のPGMAc溶液(不揮発分が50質量%)を得た。
以下に、表2−2中の略称を示す。
〔エチレン性不飽和単量体〕
・MAA:メタクリル酸
・MMA:メチルメタクリレート
・EA:エチルアクリレート
・t−BMA:tert―ブチルアクリレート
〔ラジカル重合開始剤〕
・AIBN:2,2’−アゾビスイソブチロニトリル
〔有機溶剤〕
・PGMAc:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
〔テトラカルボン酸二無水物〕
理化株式会社製)
・PMA:ピロメリット酸二無水物(ダイセル化学工業株式会社製)
・DBU:1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセン(サンアプロ株式会社製)
<ジケトピロロピロール顔料(a)の製造方法>
[一般式(1)で示されるジケトピロロピロール顔料(a1)]
(ジケトピロロピロール顔料(a1−1))
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(13)の化合物85.0部、および4−シアノビフェニル60.9部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料88.1部を得た。
続いて、ソルトミリング処理を行った。式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部のジケトピロロピロール顔料(a1−1)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−2))
4−シアノビフェニル60.9部を4−tert−ブチルベンゾニトリル54.1部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−2a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料83.9部を得た。
得られた式(1−2a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−2)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−3))
4−シアノビフェニル60.9部をN−ブチル−4−シアノベンズアミド68.7部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−7a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料87.0部を得た。
得られた式(1−7a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−3)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−4))
4−シアノビフェニル60.9部をN−フェニル−4−シアノベンズアミド75.5部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−7b)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料86.9部を得た。
得られた式(1−7b)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−4)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−5))
4−シアノビフェニル60.9部をN,N−ジブチル−4−シアノベンズアミド87.8部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−4a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料87.1部を得た。
得られた式(1−4a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−5)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−6))
4−シアノビフェニル60.9部をN,N−ジブチル−3−シアノベンズアミド87.8部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−4b)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料83.8部を得た。
得られた式(1−4b)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−6)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−7))
4−シアノビフェニル60.9部を4−(オクチルチオ)ベンゾニトリル84.1部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−9a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料85.5部を得た。
得られた式(1−9a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−7)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−8))
4−シアノビフェニル60.9部を4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル58.1部に変更した以外は、式(1−1a)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−8)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料85.8部を得た。
得られた式(1−8)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−8)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−9))
反応容器1にtert−アミルアルコール220部を入れて水浴冷却させながら、60%NaH32部を加えて、90℃にて加熱攪拌させた。次いで、反応容器2にtert−アミルアルコール100部、Tetrahedron, 58(2002)5547−5565の方法により合成した下記式(14)の化合物99.2部、および4−シアノビフェニル60.9部を加熱溶解させ、これを反応容器1に2時間かけて滴下した。120℃で10時間反応させた後、60℃まで冷却させ、メタノール400部、および酢酸50部を加えてから、濾別およびメタノール洗浄を行い、式(1−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料87.8部を得た。
得られた式(1−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a2−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−9)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−10))
4−シアノビフェニル60.9部を4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル58.1部に変更した以外は、式(1−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−20)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料86.2部を得た。
得られた式(1−20)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−10)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−11))
4−シアノビフェニル60.9部を4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル58.1部に変更した以外は、式(1−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造方法と同様にして、式(1−21)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料85.5部を得た。
得られた式(1−21)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−11)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(a1−12))
4−シアノビフェニル60.9部を4−(トリフルオロメチル)ベンゾニトリル58.1部に変更した以外は、式(1−19)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料の製造と同様に行い、式(1−22)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料81.9部を得た。
得られた式(1−22)で示される特定ヘテロジケトピロロピロール顔料を、ジケトピロロピロール顔料(a1−1)と同様のソルトミリング処理法で、ジケトピロロピロール顔料(a1−12)を得た。
[式(2)で示されるジケトピロロピロール顔料(a2)]
(ジケトピロロピロール顔料(a2−1))
還流管を付けたステンレス製反応容器に、窒素雰囲気下、モレキュラシーブで脱水したtert−アミルアルコール200部、およびナトリウム−tert−アミルアルコキシド140部を加え、攪拌しながら100℃に加熱し、アルコラート溶液を調製した。一方で、ガラス製フラスコに、コハク酸ジイソプロピル88部、4−ブロモベンゾニトリル153.6部を加え、攪拌しながら90℃に加熱して溶解させ、これらの混合物の溶液を調製した。この混合物の加熱溶液を、100℃に加熱した上記アルコラート溶液中に、激しく攪拌しながら、2時間かけて一定の速度でゆっくり滴下した。滴下終了後、90℃にて2時間、加熱攪拌を継続し、ジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩を得た。さらに、ガラス製ジャケット付き反応容器に、メタノール600部、水600部、及び酢酸304部を加え、−10℃に冷却した。この冷却した混合物を、高速攪拌ディスパーサーを用いて、直径8cmのシェアディスクを4000rpmで回転させながら、この中に、75℃まで冷却した先に得られたジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩溶液を、少量ずつ添加した。この際、メタノール、酢酸、および水からなる混合物の温度が常に−5℃以下の温度を保つように、冷却しながら、かつ、75℃のジケトピロロピロール系化合物のアルカリ金属塩の添加する速度を調整しながら、およそ120分にわたって少量ずつ添加した。アルカリ金属塩添加後、赤色の結晶が析出し、赤色の懸濁液が生成した。続いて、得られた赤色の懸濁液を5℃にて限外濾過装置で洗浄後、濾別し赤色ペーストを得た。このペーストを0℃に冷却したメタノール3500部にて再分散し、メタノール濃度約90%の懸濁液とし、5℃にて3時間攪拌し、結晶転移を伴う粒子整粒および洗浄を行った。続いて、限外濾過機で濾別し、得られたジケトピロロピロール系化合物の水ペーストを、80℃にて24時間乾燥させ、粉砕することにより式(2)で示される臭素化ジケトピロロピロール顔料150.8部を得た。
続いて、ソルトミリング処理を行った。式(2)で表わされる臭素化ジケトピロロピロール顔料を100部、塩化ナトリウム1200部、およびジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所社製)に仕込み、60℃で6時間混練し、ソルトミリング処理した。得られた混練物を3リットルの温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、97部のジケトピロロピロール顔料(a2−1)を得た。
[その他のジケトピロロピロール顔料]
(ジケトピロロピロール顔料(PR254−1))
ジケトピロロピロール顔料C.I.ピグメント レッド 254(BASF社製「B−CF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、190部の微細化ジケトピロロピロール顔料(PR254−1)を得た。
(ジケトピロロピロール顔料(PO71−1))
C.I.ピグメントオレンジ71(BASF社製「Irgazin Orange D 2905」)を使用した。
<黄色顔料(b)の製造方法>
(微細化黄色顔料(PY139−1))
C.I.ピグメントエロー139(PY139)(BASF社製「イルガフォアイエロー 2R−CF」)を100部、塩化ナトリウム1200部、及びジエチレングリコール120部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、70℃で6時間混練した。この混練物を3000部の温水に投入し、70℃に加熱しながら1時間撹拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウム及びジエチレングリコールを除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY139−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY150−1))
ニッケル錯体系黄色顔料C.I.ピグメント イエロー 150(ランクセス社製「E−4GN」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8リットルの温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY150−1)を得た。
(微細化黄色顔料(PY185−1))
C.I.ピグメントエロー185(PY185)(BASF(株)社製「PALIOTOL YELLOW D1155」)100部、塩化ナトリウム700部、及びジエチレングリコール180部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。この混合物を温水2000部に投入し、80℃に加熱しながら1時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗をくりかえして食塩及び溶剤を除いた後、80℃で一昼夜乾燥し、微細化黄色顔料(PY185−1)を得た。
<その他の微細化顔料の製造方法>
(微細化赤色顔料(PR177−1))
アントラキノン系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 177(チバ・ジャパン社製「クロモフタルレッド A2B」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥し、アントラキノン系の微細化赤色顔料(PR177−1)を得た。
(微細化赤色顔料(PR242−1))
ジスアゾ系赤色顔料C.I.ピグメント レッド 242(Clariant 社製の「SandorinScarlet4RF」)200部、塩化ナトリウム1400部、およびジエチレングリコール360部をステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、80℃で6時間混練した。次にこの混練物を8000部の温水に投入し、80℃に加熱しながら2時間攪拌してスラリー状とし、濾過、水洗を繰り返して塩化ナトリウムおよびジエチレングリコールを除いた後、85℃で一昼夜乾燥しジスアゾ系の微細化赤色顔料(PR242−1)を得た。
なお、微細化顔料の化学構造、および顔料の平均一次粒子径を、表3に記す。
<顔料分散体の製造方法>
(顔料分散体(P−1)
下記の混合物を均一になるように攪拌混合した後、直径0.5mmのジルコニアビーズを用いて、アイガーミル(アイガージャパン社製「ミニモデルM−250 MKII」)で3時間分散した後、5.0μmのフィルタで濾過し、不揮発成分が20質量%の顔料分散体(P−1)を作製した。
ジケトピロロピロール顔料(a1−1) :13.5部
顔料誘導体(B1−2) :1.5部
樹脂型分散剤1溶液 : 10.0部
プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMAC) :75.0部
(顔料分散体(P−2〜35))
顔料の種類を表3〜5記載のように変更した以外は、顔料分散体(P−1)と同様の方法で顔料分散体(P−2〜35)を作製した。
PY138−1:C.I.ピグメントエロー138(BASF社製「Paliotol Yellow K 0961 HD」)
[実施例1]
(赤色感光性着色組成物(R−1))
下記の混合物(合計100部)を均一になるように攪拌混合した後、1.0μmのフィルタで濾過して、カラーフィルタ用赤色着色組成物(R−1)を得た。
顔料分散体(P−1) : 6.1部
顔料分散体(P−21) :34.8部
顔料分散体(P−23) :11.6部
樹脂溶液(C1−5) :12.8部
樹脂溶液(C2−2) : 8.5部
光重合性単量体 (東亞合成社製「アロニックスM−402」) : 2.3部
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート
光重合開始剤(チバ・ジャパン社製「OXE−02」) : 0.4部
エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(0−アセチルオキシム)
PGMAc :23.4部
[実施例2〜59、比較例1〜4]
(赤色感光性着色組成物(R−2〜63))
顔料分散体を表6〜10に示す顔料分散体の種類および配合量に変えた以外はカラーフィルタ用赤色着色組成物(R−1)と同様にして赤色感光性着色組成物(R−2〜63)を得た。
表6〜10中の略語について以下に示す。
<光重合開始剤>
OXE−02 : エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(O−アセチルオキシム)(BASF社製「IRGACURE OXE 02」)
OXE−01 : 1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](BASF社製「IRGACURE OXE 01」)
F−1:化学式(11b−1)で表される光重合開始剤
F−2:化学式(11b−2)で表される光重合開始剤
F−3:化学式(11b−3)で表される光重合開始剤
F−4:化学式(11b−4)で表される光重合開始剤
Irg379:2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(BASF社製「イルガキュア379」)
<赤色感光性着色組成物の評価>
実施例および比較例で得られたカラーフィルタ用赤色着色組成物(R−1〜61)特性、および塗膜の耐熱性評価を下記の方法で行った。表11に評価結果を示す。
(粗大粒子、異物、欠陥の確認)
得られたカラーフィルタ用赤色着色組成物を、スピンコ一ターを用いて、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板に、均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像し、オーブンにて230℃で焼成して評価用塗布基板を得た。スピンコーターの塗布回転数については、前記焼成処理後の塗布膜の厚さが1.0μmとなるように調整した。得られた評価用塗布基板に直径10mmのマーキングを行い、その内部を光学顕微鏡(Nikon社製「ECLIPSE LV100」)を用いて、200倍の視野にて観察し、マーキング部内の粗大粒子、異物、欠陥の数をカウントした。
◎ :異物個数なしであり実用範囲に十分である
〇 : 異物個数1個以上5個未満で実用範囲に申し分ないレベルである
△:異物個数5個以上10個未満で実用範囲内である
×:異物個数10個以上で実用できない
(塗膜耐熱性評価)
得られたカラーフィルタ用赤色着色組成物を、スピンコ一ターを用いて、100mm×100mm、1.1mm厚のガラス基板に、均一に塗布して塗布膜を形成し、形成された塗布膜を、50mJ/cm2の露光量で紫外線により露光した後、23℃の0.2%の炭酸ナトリウム水溶液にて30秒間スプレー現像して未硬化部を除去して所望のパターンを形成した。その後、作成塗膜基板を230℃で60分間の加熱処理行った後、さらに240℃で60分間の加熱処理を2回繰り返した。加熱処理後の基板の塗膜表面を光学顕微鏡にて観察し、結晶析出有無を下記基準に従って判定した。

◎ :230℃60分間加熱処理後、さらなる240℃60分間加熱処理後、およびさらなる240℃60分間加熱処理でも結晶析出なし
○ :230℃60分間加熱処理後、およびさらなる240℃60分間加熱処理でも結晶析出なし(2回目の240℃60分間加熱処理で結晶析出あり)
△ :230℃60分間加熱処理後では結晶析出ないが、さらなる240℃60分加熱処理で結晶析出あり
× :230℃60分間加熱処理後で結晶析出あり
[残渣評価]
得られたカラーフィルタ用赤色着色組成物を、100mm×100mm、0.7mm厚のガラス基板上に、スピンコーターを用いて加熱乾燥後の膜厚が2μmになる回転数で塗布した。減圧乾燥後、超高圧水銀ランプを用い、直径3〜30μmの正六角形ホールと25μmの細線を含むフォトマスクを介して積算光量50mJ/cm2、照度30mW/cm2で紫外線露光を行った。その後、0.2質量%炭酸ナトリウム水溶液を現像液として用い、塗膜の未露光部分がなくなった所からさらに15秒間現像し、パターンを形成させた。その後、40分加熱乾燥し評価基板を作成した。上記方法で形成されたフィルタセグメントの25μmフォトマスク部分でのパターンについて、未露光部の残渣について電子顕微鏡を用いて観察し、以下の基準で評価を行った。
○:残渣付着無し
△:残渣付着あるが実用可
×:残渣多く実用不可
表11より、ジケトピロロピロール顔料(a1)を用いたカラーフィルタ用赤色着色組成物は、比較例の着色組成物と比較して、異物などの個数および耐熱性が良好であった。
ジケトピロロピロール顔料(a1)を用いることで、C.I.ピグメントレッド254のみを使用する時の課題であった、加熱時の結晶発生が改善されていた。耐熱性に関して、ジケトピロロピロール顔料(a1)を用いた方が、C.I.ピグメントレッド254より優れていた。これは、ジケトピロロピロール顔料(a1)は、炭素数4以上のアルキル基を有するカルボアミド基、フェニル基、t−ブチル基等のかさ高い置換基を持っており、その立体障害効果によって、顔料の凝集が抑制されるためと考えられる。以上、本発明ジケトピロロピロール顔料(a1)を使用することで、凝集が少なく異物個数も良好となり、耐熱性も両立することが可能であった。
これに対し、比較例において、ジケトピロロピロール顔料(a1)もしくはジケトピロロピロール顔料(a2)を用いない場合は、耐熱性、異物の個数および残渣などに課題を有していた。
以上の結果より、本発明のカラーフィルタ用赤色着色組成物を使用することによって、耐熱性に優れ、高精細かつ薄膜で欠陥(異物)のなく、残渣の少ないカラーフィルタを提供することができた。

Claims (11)

  1. 着色剤(A)と、色素誘導体(B)と、樹脂(C)と、溶剤(D)とを含み、前記着色剤(A)が、C.I.ピグメントレッド254と、下記式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)とを含むジケトピロロピロール顔料(a)、および、黄色顔料(b)を含有することを特徴とするカラーフィルタ用赤色着色組成物。
    [一般式(1)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、BおよびDは、それぞれ独立して、水素原子、フッ素原子、ヨウ素原子、シアノ基、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、−CF3、−OR13、−SR14、−N(R15)R16、−COOR17、−CONH2、−CONHR18、−CON(R19)R20、−SO2NH2、−SO2NHR21、または、−SO2N(R22)R23であり、R13〜R23は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基、または、置換基を有してもよいアラルキル基である。ただし、BおよびDが同時に水素原子になることはない。]
  2. 一般式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)が、下記一般式(1−1)で示す化合物、下記一般式(1−2)で示す化合物、下記一般式(1−3)で示す化合物、および下記一般式(1−4)で示す化合物のいずれか1種である、請求項1記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
    [一般式(1−1〜4)中、Xは塩素原子、または臭素原子を表し、R24〜R26は、それぞれ独立して、置換基を有してもよい炭素数1〜12のアルキル基、または置換基を有してもよいフェニル基である。]
  3. 色素誘導体(B)が、キノフタロン系色素誘導体(B1)および/またはアゾ系色素誘導体(B2)を含有することを特徴とする請求項1または2に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  4. 着色剤(A)が、下記一般式(2)で示すジケトピロロピロール顔料(a2)を含有することを特徴とする請求項1〜3いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  5. 一般式(1)で示すジケトピロロピロール顔料(a1)の含有量が、ジケトピロロピロール顔料(a)100質量%中、1〜15質量%である、請求項4項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  6. 黄色顔料(b)が、C.I.ピグメントエロー139、C.I.ピグメントエロー150およびC.I.ピグメントエロー185からなる群より選ばれる1種以上である、請求項1〜5いずれか一項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  7. 黄色顔料(b)の含有量が、着色剤(A)100質量%中、1〜40質量%であることを特徴とする請求項1〜6いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  8. 樹脂(C)が、酸価100mgKOH/g以上の樹脂(C1)と100mgKOH/g未満の樹脂(C2)とを含み且つ、樹脂(C1)の固形分含有量が樹脂(C1)と樹脂(C2)との固形分総量に対し40〜100質量%以下であることを特徴とする請求項1〜7に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  9. さらに光重合性単量体(E)および光重合開始剤(F)を含有する、請求項1〜8いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  10. 光重合開始剤(F)が、オキシムエステル系開始剤であることを特徴とする請求項9に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物。
  11. 基材上に、請求項1〜10いずれか1項に記載のカラーフィルタ用赤色着色組成物から形成されてなる赤色フィルタセグメントを備える、カラーフィルタ。
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