JP2000110690A - ディーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

ディーゼルエンジンの燃料噴射装置

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JP2000110690A
JP2000110690A JP10285563A JP28556398A JP2000110690A JP 2000110690 A JP2000110690 A JP 2000110690A JP 10285563 A JP10285563 A JP 10285563A JP 28556398 A JP28556398 A JP 28556398A JP 2000110690 A JP2000110690 A JP 2000110690A
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needle valve
pressure
fuel
valve
chamber
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JP10285563A
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Atsushi Aoki
敦 青木
Tetsuya Uehara
哲也 上原
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Nissan Motor Co Ltd
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Nissan Motor Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ジャーク式の機能を有するコモンレール式燃
料噴射装置の提供を図る。 【解決手段】 針弁4を構成する第2針弁8が圧力室1
4の圧力低下に伴ってリフトして蓄圧室の高圧燃料がノ
ズル室11に導かれ、ノズル室11が第1針弁5の開弁
圧に達すると第1針弁5がリターンスプリング15のば
ね力に抗して急激にリフト作動して開弁し、ジャーク式
と同様の噴霧性状を得ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はディーゼルエンジン
の燃料噴射装置に関する。
【0002】
【従来の技術】図9は従来のコモンレール式の燃料噴射
装置の構成を概略的に示すもので、蓄圧室の高圧燃料は
供給通路51からノズル室52に導かれると共に、オリ
フィス53を経由してノズルピストン54の上部の圧力
室55にも導かれる。
【0003】圧力室55を供給通路51とドレーン通路
56とに連通切換えする3方電磁弁57により、該圧力
室55が供給通路51と連通状態にあるとき、針弁58
は着座している。
【0004】この状態から3方電磁弁57により圧力室
55がドレーン通路56と連通切換えされると、オリフ
ィス53を介して圧力室55の圧力が低下し、このため
ノズル室52に作用する燃料圧力で針弁58が上方へリ
フトして開弁し、燃料がノズル先端の噴孔59から噴射
される。
【0005】3方電磁弁57により圧力室55が供給通
路51と連通切換えされると、圧力室55にオリフィス
53を介して高圧燃料が充填され、針弁58よりも受圧
面積を大きく設定したノズルピストン54により針弁5
8が押し下げられて着座し、燃料の噴射が停止する。
【0006】このようなコモンレール式の燃料噴射装置
は、例えば特開平9−158811号公報に開示されて
いる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このようなコモンレー
ル式の燃料噴射装置では、蓄圧室から定圧の高圧燃料が
供給されることから、ジャーク式のものに較べて低速低
回転でも噴射圧を高圧化でき、また、噴射時期を任意に
設定できる等の利点がある。
【0008】一方、前述のように針弁58の開弁時には
圧力室55の圧力がオリフィス53の絞り作用で低下す
ることによって該針弁58がリフト作動するため、針弁
58のリフト速度が遅いという特性がある。
【0009】そこで、このようなコモンレール式の燃料
噴射装置では、噴孔59から噴射される噴霧が実際にど
うなるかを調べたところ、次のような知見を初めて得
た。
【0010】これを説明すると、前述のようにコモンレ
ールタイプの燃料噴射装置では針弁58のリフト速度が
遅いため、噴射初期は針弁リフトが低く、燃料が針弁の
シート部の非常に狭いクリアランスを高速で通過したあ
とにノズル先端の噴孔に流入する。
【0011】図10にノズル先端部の断面を示してお
り、このタイプは針弁58の着座時に針弁58のシート
部58aにより噴孔59が塞がれる形状であることから
VCO(Valve Covered Orifice)タイプといわれてい
る。
【0012】ここで、噴孔59の軸に垂直な断面内での
燃料流速分布をみてみると、理想的なノズルでは図11
に矢印で示すように針弁58の中心軸に対し、左右対称
な弱い流れが生じる。これは、針弁58のシート部58
aからまず噴孔59上部に燃料が流入することに関連す
るためである。
【0013】しかしながら、実際のノズルにおいては、
針弁58に針弁摺動部のガタや製造精度の問題から若干
の偏心が生じてしまう。例えば、図12に示したように
左側への偏心が生じている場合は、針弁58のシート部
58aに矢印で示すように上下対称な右に向かう周方向
流れが発生する。このような場合、流れの速い部位に位
置する噴孔59a,59bでは、その内部に図13の
(a),(b)に矢印で示したように強力な旋回流が発
生する。
【0014】こうした噴孔の軸に垂直な面での旋回流
は、針弁リフトが低いほうが、また、ノズル室圧が高い
ほうが強くなる。これは、針弁58のシート部58aが
狭くその周方向の燃料流速が速くなるため、また、ノズ
ル室52が高圧であるほうが該シート部58aの燃料流
速が速くなるためである。
【0015】このように噴孔59の軸に垂直な面での旋
回流が大きいと、噴霧はその噴射率の割には噴霧円錐角
が広くなってペネトレーションが弱く、また燃料の微粒
化が促進された噴霧、つまり着火性のよい噴霧となる。
このような現象はVCOタイプのノズルで特に顕著であ
る。
【0016】こうした着火性のよい噴霧では、蒸発およ
び周囲空気との混合が促進されるため、従来からあるジ
ャーク式の燃料噴射装置で得られる噴霧に較べて着火遅
れ期間が短くなる。従って、燃焼初期の予混合燃焼量が
減り、燃焼騒音やNOxの排出が抑制されるというメリ
ットがある。
【0017】しかしながらその反面、高負荷域等の空気
過剰率が小さい運転域では、予混合燃焼割合が減ること
に加えて流動の弱い燃焼室中央付近に、初期に噴射され
たペネトレーションの弱い噴霧が残留してしまうため、
スモークの発生が多くなるというデメリットがある。
【0018】以上でコモンレール式燃料噴射装置に関し
て発明者が初めて得た知見の説明を終える。
【0019】一方、ジャーク式燃料噴射装置は、プラン
ジャで燃料を急激に加圧し、発生させた圧力波を燃料噴
射管を通してノズル室に導き、ノズル室の燃料圧力をほ
ぼ山型に推移させ、その圧力によってリターンスプリン
グによる針弁着座方向の力に逆らって針弁をリフトさ
せ、燃料を噴射させるように構成されている。
【0020】このようなジャーク式燃料噴射装置では、
噴射初期のノズル室圧が低いこと、また、針弁が急激に
リフトするため、低針弁リフトで燃料を噴射している期
間が短いことから、高負荷域のスモーク排出が少ない反
面、燃焼騒音やNOx排出が多いというデメリットがあ
る。また、コモンレール式燃料噴射装置で得られる噴霧
に較べて着火性が悪いため、特に冷機時のHC排出が多
いというデメリットもある。
【0021】このように、コモンレール式とジャーク式
の各燃料噴射装置にはそれぞれ一長一短があるので、要
求の異なる噴霧を得るためには、これら2つの燃料噴射
装置を備えさせ、要求に応じて2つの燃料噴射装置のい
ずれかを選択して用いることであるが、2つの燃料噴射
装置を独立に備えさせるのではコストアップとなるばか
りでなく、装置が大型化してしまう。
【0022】そこで、本発明はコモンレール式の燃料噴
射装置でありながら、ジャーク式の燃料噴射装置の機能
が得られて、コモンレール式,ジャーク式の両方の機能
の長所を活かすことができるディーゼルエンジンの燃料
噴射装置を提供するものである。
【0023】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明にあって
は、針弁リフトにより蓄圧室の高圧燃料をノズル先端の
噴孔から噴出させるコモンレール式の燃料噴射装置にお
いて、噴孔を開閉する第1針弁と、第1針弁の後端部に
形成したスライド部に同心的にスライド自在に外嵌配置
した第2針弁とで針弁を構成し、第2針弁のシート部の
周囲には蓄圧室の高圧燃料を導入して該第2針弁の開弁
方向に燃料圧力を作用させる油溜り室を形成すると共
に、第2針弁のシート部と第1針弁のシート部との間に
は、第2針弁の開弁により前記油溜り室を経由して蓄圧
室の高圧燃料を導入して第1針弁の開弁方向に燃料圧力
を作用させるノズル室を形成する一方、第2針弁の後端
部に形成したピストン部と第1針弁のスライド部とにそ
れぞれ閉弁方向に作用する燃料圧力が制御される圧力室
を設け、かつ、第1針弁には該第1針弁を閉弁方向に付
勢して第2針弁の開弁時にノズル室の燃料圧力とバラン
スさせて第1針弁の開弁を規制するリターンスプリング
を配設したことを特徴としている。
【0024】請求項2の発明にあっては、請求項1に記
載の第2針弁のシート部をバイパスして油溜り室とノズ
ル室とを連絡する連通路を設け、該連通路を開閉手段に
より機関運転条件に応じて開閉するようにしたことを特
徴としている。
【0025】請求項3の発明にあっては、請求項2に記
載の開閉手段が、蓄圧室の燃料圧力が所定値以上になる
と閉弁する常開型の感圧弁であることを特徴としてい
る。
【0026】
【発明の効果】請求項1に記載の発明によれば、切換弁
によって圧力室が蓄圧室と連通している状態では、第2
針弁および第1針弁は何れも閉弁状態にあり、該切換弁
により圧力室をドレーン側へ連通させると圧力室の圧力
低下により第2針弁がリフトして開弁し、ノズル室に蓄
圧室の高圧燃料が導かれるが、第1針弁はリターンスプ
リングの付勢力によって所定の開弁圧に至るまでは閉弁
状態を維持し、ノズル室が該開弁圧を越えると該第1針
弁が急激にリフトして開弁する。
【0027】この結果、一般のコモンレール式に較べて
第1針弁のリフト速度が大きく、噴射初期に低リフトで
燃料を噴射する期間が極端に短くなって、ジャーク式と
同様の噴霧形態を得ることができ、従って、コモンレー
ル式の長所である低速低回転でも噴射圧を高圧化でき、
かつ、噴射時期を任意に設定できる利点を活かしなが
ら、ジャーク式の長所である高負荷域でのスモーク排出
抑制効果を得ることができる。
【0028】請求項2に記載の発明によれば、第2針弁
のシート部をバイパスして油溜り室とノズル室とを連絡
する連通路を設け、この連通路を開閉手段により機関運
転条件に応じて開閉するようにしてあるため、例えば低
負荷域で連通路を開放し、高負荷域で遮断することによ
り、低負荷域では予めノズル室を蓄圧室とほぼ同じ高圧
にさせておくことができるため、第1針弁を第2針弁と
同じ遅いリフト速度で開弁させて、通常のコモンレール
式の噴霧性状が得られて、燃焼騒音の低減化とNOx排
出の低減化の効果が得られると共に、機関冷間時のHC
低減効果を得ることができ、また、高負荷域では連通路
が遮断されるため請求項1の発明と同様の効果を得るこ
とができる。
【0029】請求項3に記載の発明によれば、連通路に
設けた開閉手段として、蓄圧室の燃料圧力が所定値以上
になると閉弁する常開型の感圧弁を用いているため、高
負荷域で燃料圧力が高められる蓄圧室の燃料圧力を該感
圧弁で感知して閉弁させることができ、従って、簡単な
構成によって請求項2の発明の効果を実現させることが
できる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面と
共に詳述する。
【0031】図1は本発明の第1実施形態の構成を概略
的に示すもので、1はインジェクタ本体でその一端部に
はテーパ状の先端に噴孔3を有するノズル2を形成して
ある。
【0032】4はインジェクタ本体1内に配設した針弁
を示し、前記ノズル2の噴孔3を開閉する第1針弁5
と、該第1針弁5の後端部(図1では上端部)に形成し
たスライド部6に同心的にスライド自在に外嵌配置した
第2針弁8とで構成している。
【0033】スライド部6は第1針弁5と同じ受圧面積
に形成してあり、前記噴孔3は前記第1針弁5のシート
部7で開閉される位置に設けてある。
【0034】第2針弁8のシート部9の周囲には、通路
16により図外の蓄圧室に連通した油溜り室10を形成
して、該油溜り室10に蓄圧室の高圧燃料を導いて、該
燃料圧力を第2針弁8に開弁方向に作用させるようにし
てある。
【0035】この第2針弁8のシート部9と第1針弁5
のシート部7との間には、第2針弁8が開弁することに
より油溜り室10を経由して蓄圧室の高圧燃料が導入さ
れるノズル室11を形成して、該ノズル室11に導かれ
る燃料圧力を第1針弁5に開弁方向に作用させるように
してある。
【0036】第2針弁8の後端部(図1では上端部)に
は、インジェクタ本体1に設けた圧力室14に摺動自在
に嵌装したピストン部12を形成してある。
【0037】このピストン部12は第2針弁8よりも受
圧面積を大きくしてある。
【0038】圧力室14はオリフィス17を介して前記
蓄圧室に連絡する通路18と、ドレーン通路19とに連
通しており、これらオリフィス17、通路18、ドレー
ン通路19の交差部に、ソレノイド22により作動され
て圧力室14と通路18、又は圧力室14とドレーン通
路19とに連通状態を切換える切換弁としての3方電磁
弁21を配設してある。
【0039】ピストン部12内には小室13を形成して
該小室13に第1針弁5のスライド部6の端部を臨設し
てある。
【0040】前記小室13は通路20を介して圧力室1
4に連通していて、スライド部6に圧力室14の燃料圧
力が作用するようにしてあると共に、該小室13内には
スライド部6の端面に弾接して第1針弁5を閉弁方向に
付勢し、第2針弁8の開弁時にノズル室11の燃料圧力
とバランスさせて第1針弁5の開弁時期を規制するリタ
ーンスプリング15を配設してある。
【0041】次に以上の構成によりなる第1実施形態の
燃料噴射装置の作用について説明する。
【0042】非噴射時は3方電磁弁21によりオリフィ
ス17と通路18とが連通状態にあり、従って、蓄圧室
と連通している圧力室14と油溜り室10とはほぼ同じ
内圧となっている。
【0043】第2針弁8はシート部9より外側で油溜り
室10内の圧力を受ける面積よりも、ピストン部12の
圧力室14内の圧力を受ける面積の方が大きいため、油
溜り室10の燃料圧力と圧力室14内の燃料圧力が等し
くても閉弁方向に押す力が勝って着座している。このた
め、第2針弁8のシート部9は閉じており、ノズル室1
1と蓄圧室とは遮断されて該ノズル室11は低圧になっ
ている(図1の(a)参照)。
【0044】燃料噴射を行う際は3方電磁弁21の切換
え作動によりオリフィス17とドレーン通路19とを連
通状態にすることにより、圧力室14内の燃料がドレー
ン通路19から外部へ放出され、該圧力室14内の燃料
圧力はオリフィス17によって徐々に低下する。
【0045】この圧力室14内の圧力低下により第2針
弁8に働く閉弁方向の力は弱まって該第2針弁8がリフ
トし始め、第2針弁8のシート部9が開いてノズル室1
1が油溜り室10を経由して蓄圧室と連通し、該ノズル
室11に蓄圧室の高圧燃料が導かれる。
【0046】図2の(b)はノズル室11の圧力特性を
示しており、同図のa線に示すようにドレーン通路19
の開放時点から若干時間をおいて圧力室14内の圧力
(同図のb線)がPb点に低下した時点で第2針弁8が
リフトを開始し、ノズル室11の内圧が上昇するように
なる。
【0047】第1針弁5は圧力室14の燃料圧力による
閉弁方向の力が働かなくなっても、リターンスプリング
15の付勢力により閉弁方向に押されているため、図1
の(b)に示すように着座状態を保っている。
【0048】ノズル室11の内圧上昇により、該内圧が
図2の(b)に示すPa点に達し、リターンスプリング
15による第1針弁5に働く閉弁方向の力よりも、ノズ
ル室11内の燃料圧力により第1針弁5に働く開弁方向
の力の方が大きくなると、図2(a)のL1 線で示すよ
うに第1針弁5が急激にリフトしてシート部7を開き、
噴孔3から燃料の噴射が行われる(図1の(C)参
照)。
【0049】燃料噴射を終了するには、3方電磁弁21
の切換作動によりオリフィス17と通路18とを連通状
態にすることにより、圧力室14に蓄圧室の高圧燃料を
導いて圧力室14の内圧を高める。この圧力室14の内
圧上昇によりピストン部12に閉弁方向に働く力が油溜
り室10で第2針弁8に開弁方向に働く力よりも大きく
なると該第2針弁8が閉弁する。また、第1針弁5は前
記リフト状態ではノズル室11側の受圧面積と圧力室1
4側のスライド部6の受圧面積とが等しいために圧力室
14内の圧力での閉弁力はないが、リターンスプリング
15の付勢力が作用しているため該第1針弁5は下降し
て着座し、噴孔3からの燃料噴射が停止する。
【0050】以上の作動説明から明らかなように、この
第1実施形態では燃料噴射に際しては、リターンスプリ
ング15の付勢力で着座している第1針弁5を、ノズル
室11に導入される蓄圧室の高圧燃料の圧力により所定
の開弁圧でジャーク式のものと同様に急激にリフトさせ
るため、図2の(a)に線L2 で併記した従来型コモン
レール式のものに較べて第1針弁5のリフト速度は大き
く、また、噴射初期のノズル室の圧力は図2の(b)に
線cで併記した従来型コモンレール式のものに較べてΔ
P分だけ低くなっており、ジャーク式と同様の噴霧性状
が得られる。
【0051】この結果、図3に示すように着火遅れ期間
はジャーク式のものと略同等に長く、噴射期間は従来型
のコモンレール式のものよりも短くなり、高負荷域での
スモーク排出量はジャーク式のものと略同等まで低下さ
せることができる。
【0052】図4,5は本発明の第2実施形態の構成を
概略的に示すもので、この第2実施形態にあっては前記
第1実施形態における第2針弁8のシート部9をバイパ
スして、油溜り室10とノズル室11とを連絡する連通
路23を設けてあると共に、該連通路23を開閉手段2
4により機関運転条件に応じて開閉するようにしてあ
り、その他の構成については前記第1実施形態と同様で
ある。
【0053】本実施形態では前記開閉手段24として、
蓄圧室の燃料圧力が所定値以上、具体的には機関の高負
荷、高回転時における燃料圧力以上になると閉弁する常
開型の感圧弁を用いている。
【0054】図6はこの感圧弁24の構成を概略的に示
すもので、25は連通路23の途中に設けたバルブハウ
ジング、26はバルブハウジング25内に配設したボー
ルチェック弁で、常態にあってはセットスプリング27
の付勢力によってバルブハウジング25の上流側(蓄圧
室側)のバルブシート28に着座し、蓄圧室の燃料圧力
が前記所定値以上になるとセットスプリング27のばね
力に抗してバルブハウジング25の下流側(ノズル室1
1側)のバルブシート29に着座するようにしてある。
【0055】連通路23の上流側とバルブハウジング2
5とに跨って、上流側バルブシート28をバイパスする
バイパス通路30を設けてあり、ボールチェック弁26
が上流側バルブシート28に着座する通常状態ではこの
バイパス通路30により連通路23の上流側と下流側と
が連通する開弁状態が得られるようにしてある。
【0056】蓄圧室の燃料圧力は機関の負荷により必要
とされる燃料噴射量と、エンジン回転数による噴射期間
の制約とにより、高負荷側ほど、また、高速側ほど高圧
となるように制御されている。従って、前記感圧弁24
は図7に示すように蓄圧室の燃料圧力が所定値以上とな
る高負荷、高回転側のA領域ではボールチェック弁26
が下流側バルブシート29に着座して閉弁し(図6
(b))、該燃料圧力が所定値よりも下まわる低負荷側
のB領域ではボールチェック弁26が上流側バルブシー
ト28に着座して開弁する(図6(a))。
【0057】この第2実施形態の構成によれば、機関の
高負荷、高回転側の運転域では感圧弁24が閉弁して連
通路23が遮断しているため、前記第1実施形態と同様
のジャーク式の噴霧性状、即ち、第2針弁8の開弁によ
りノズル室11に蓄圧室の高圧燃料が導かれ、該ノズル
室11の圧力が所定の開弁圧(図2(b)のPa点)に
至ると図5の(a),(b)の状態から(c)の状態に
第1針弁5が急激にリフトして開弁し、着火遅れ期間の
長い噴霧を噴射させることができてスモークの排出を抑
制することが可能となることから燃料噴射量を増やせる
ことができ、この結果、図8に示すように第1実施形態
と同様に高速側の出力を向上させることができる。
【0058】他方、機関の低負荷域では感圧弁24が開
弁して連通路23が開放され、ノズル室11には蓄圧室
の高圧燃料が導かれて該ノズル室11を油溜り室10と
同様に予め蓄圧室とほぼ同じ高圧にさせておくことがで
きるため、図4の(a)の状態から(b)の状態に第1
針弁5をオリフィス17でリフト速度制御される第2針
弁8と同じ遅いリフト速度で開弁させて、通常のコモノ
ンレール式の噴霧性状、つまり、着火遅れ期間の短い噴
霧を噴射させることができる。この結果、燃焼騒音の低
減化とNOx排出の低減化の効果が得られると共に、図
8に示すように機関冷間時のHC排出はジャーク式や第
1実施形態のものよりも少なく、従来型のコモンレール
式のものとほぼ同程度まで低下させることが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態を示す概略構成図。
【図2】同実施形態のバルブ特性を示し、(a)は従来
型コモンレール式のものと対比して示したリフト特性
図、(b)は従来型コモンレール式のものと対比して示
したノズル室油圧変化線図。
【図3】同実施形態における燃料噴射による着火遅れ期
間、噴射期間、スモーク排出量の状況を従来のジャーク
式,コモンレール式のものと対比して示す説明図。
【図4】本発明の第2実施形態の低負荷時のバルブ作動
状況を示す概略構成図。
【図5】同実施形態の高負荷時のバルブ作動状況を示す
概略構成図。
【図6】同実施形態における感圧弁を示す概略構成図
で、(a)は開弁時、(b)は閉弁時を示す。
【図7】同実施形態における感圧弁の開閉作動領域を示
す説明図。
【図8】同実施形態における燃料噴射による機関冷間時
HC排出量、高速側出力の状況を従来のジャーク式,コ
モンレール式、および第1実施形態のものと対比して示
す説明図。
【図9】従来のコモンレール式燃料噴射装置の概略構成
図。
【図10】VCOタイプのノズル先端部の断面図。
【図11】理想的ノズルの噴孔内における燃料流を示す
図。
【図12】図10のA−A線矢視図。
【図13】図12のB−B線,C−C線矢視図。
【符号の説明】
2 ノズル 3 噴孔 4 針弁 5 第1針弁 6 スライド部 7 第1針弁のシート部 8 第2針弁 9 第2針弁のシート部 10 油溜り室 11 ノズル室 12 ピストン部 14 圧力室 15 リターンスプリング 21 切換弁 23 連通路 24 感圧弁(開閉手段)
フロントページの続き Fターム(参考) 3G066 AA07 AB02 AC09 AD12 BA03 BA05 BA12 BA14 BA16 BA19 BA22 BA24 BA25 BA26 CC06T CC08T CC12 CC14 CC26 CC51 CC61 CC64T CC66 CC67 CC68T CC68U CC70 CE13 CE22 DA04 DA11 DA14 DB04 DB09 DB12 DB13

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 針弁リフトにより蓄圧室の高圧燃料をノ
    ズル先端の噴孔から噴出させるコモンレール式の燃料噴
    射装置において、噴孔を開閉する第1針弁と、第1針弁
    の後端部に形成したスライド部に同心的にスライド自在
    に外嵌配置した第2針弁とで針弁を構成し、第2針弁の
    シート部の周囲には蓄圧室の高圧燃料を導入して該第2
    針弁の開弁方向に燃料圧力を作用させる油溜り室を形成
    すると共に、第2針弁のシート部と第1針弁のシート部
    との間には、第2針弁の開弁により前記油溜り室を経由
    して蓄圧室の高圧燃料を導入して第1針弁の開弁方向に
    燃料圧力を作用させるノズル室を形成する一方、第2針
    弁の後端部に形成したピストン部と第1針弁のスライド
    部とにそれぞれ閉弁方向に作用する燃料圧力が制御され
    る圧力室を設け、かつ、第1針弁には該第1針弁を閉弁
    方向に付勢して第2針弁の開弁時にノズル室の燃料圧力
    とバランスさせて第1針弁の開弁を規制するリターンス
    プリングを配設したことを特徴とするディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 第2針弁のシート部をバイパスして油溜
    り室とノズル室とを連絡する連通路を設け、該連通路を
    開閉手段により機関運転条件に応じて開閉するようにし
    たことを特徴とする請求項1に記載のディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 開閉手段が、蓄圧室の燃料圧力が所定値
    以上になると閉弁する常開型の感圧弁であることを特徴
    とする請求項2に記載のディーゼルエンジンの燃料噴射
    装置。
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