JPH0518333A - デイーゼルエンジンの燃料噴射装置 - Google Patents

デイーゼルエンジンの燃料噴射装置

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JPH0518333A
JPH0518333A JP17106091A JP17106091A JPH0518333A JP H0518333 A JPH0518333 A JP H0518333A JP 17106091 A JP17106091 A JP 17106091A JP 17106091 A JP17106091 A JP 17106091A JP H0518333 A JPH0518333 A JP H0518333A
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fuel
pressure
fuel injection
valve
valve body
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JP17106091A
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Inventor
Mitsunori Kondo
光徳 近藤
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Mazda Motor Corp
Original Assignee
Mazda Motor Corp
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    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02BINTERNAL-COMBUSTION PISTON ENGINES; COMBUSTION ENGINES IN GENERAL
    • F02B3/00Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition
    • F02B3/06Engines characterised by air compression and subsequent fuel addition with compression ignition

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  • Fuel-Injection Apparatus (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 燃料噴射期間の間延び等の不具合を招くこと
なく、燃料噴射開始直後の燃料噴射率の立ち上がりを緩
慢化することができ、予混合燃焼の割合を低減してNO
x発生量を低減することができるディーゼルエンジンの
燃料噴射装置を提供する。 【構成】 第1弁体17を備えた三方電磁弁3が設けら
れたディーゼルエンジンの蓄圧式高圧燃料噴射弁1にお
いて、第1弁体17の外周部に、第1弁体17の着座時
に燃圧排出ポート26と連通しかつ所定量リフトされた
ときには燃圧排出ポート26と遮断される凹部30,3
7と、第1弁体17が所定量リフトされたときに凹部3
7及びフューエルパイプ6(油だまり7)と連通する副圧
力通路28,35とが設けられていることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ディーゼルエンジンの
燃料噴射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、ディーゼルエンジンにおいて
は、スモーク、NOx等の排気エミッションの低減が求
められているが、かかる排気エミッション低減の有力な
手法の1つとして、燃料の微粒化があげられる。そし
て、一般に燃料を微粒化するには、燃料噴射弁の燃料噴
射圧ないし燃圧を高めることが必要であるので、高圧噴
射が可能な燃料噴射弁が求められている。ここで、ディ
ーゼルエンジンにおいては、噴射圧制御、噴射時期制御
等の各種燃料噴射制御が行なわれるので、ディーゼルエ
ンジン用の燃料噴射弁においては、高圧噴射が可能であ
ることのほか、上記各燃料噴射制御に対する自由度ない
し柔軟性が十分であることも要求される。
【0003】このような高圧噴射が可能であり、かつ燃
料噴射制御に対する自由度の高い燃料噴射弁として、蓄
圧式高圧燃料噴射弁が従来より知られている(例えば、
特開平2−112665号公報参照)。かかる蓄圧式高
圧燃料噴射弁においては、通常、ハウジング内にニード
ル弁が配置され、該ニードル弁の先端側と後端側とに夫
々高い燃圧が供給される圧力室(油だまり)が設けられ、
ニードル弁には先端側圧力室内の燃圧による開弁方向の
付勢力と、後端側圧力室内の燃圧による閉弁方向の付勢
力とが作用するようになっている。ここで、燃圧導入時
には閉弁方向の付勢力が開弁方向の付勢力より大きくな
るように設定されているので、基本的にはニードル弁は
閉じられている。そして、後端側圧力室に対して、その
燃圧を自在にリリースさせることができる電磁弁が設け
られ、電磁弁によって後端側圧力室内の燃圧がリリース
されたときには、先端側圧力室内の高い燃圧によってニ
ードル弁が開弁され、燃料が噴射されるようになってい
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、例えば
特開平2−112665号公報に記載されたような従来
の蓄圧式高圧燃料噴射弁においては、燃料噴射特性が図
7中のH1のごとく矩形状となり、燃料噴射開始直後の
立ち上がりが極めて急激となり、ほぼステップ状に立ち
上がってしまう。これは、前記したとおり、先端側圧力
室内の高い燃圧によってニードル弁が急激に開弁される
からであるが、ディーゼルエンジンにおいてかかる噴射
特性で燃料噴射が行なわれると、予混合燃焼の割合が高
くなり、燃焼ガスが高温化してNOx発生量が増加する
といった問題がある。なお、かかる予混合燃焼の割合を
十分に低下させ、NOx発生量を有効に低減するには、
燃料噴射開始時の立ち上がりを、図7中のH2程度まで
緩慢化するのが好ましい。
【0005】そこで、噴射開始時に噴孔面積を絞ること
によって立ち上がりを緩慢化するようにした蓄圧式高圧
燃料噴射弁が提案されている(実開昭59−39771
号公報参照)。この従来の燃料噴射弁においては、図8
中のH4で示すように燃料噴射開始時の立ち上がりが緩
慢化されている。なお、H3は噴孔面積を絞らない場合
の噴射特性である。しかしながら、このように噴孔面積
を絞るようにした従来の蓄圧式高圧燃料噴射弁では、図
8からもあきらかなように、燃料噴射期間が延び、とく
に低噴射圧時には極端に延びてしまうといった問題があ
る。。また、後端側圧力室の燃圧のリリース速度を調整
するためのワンウェイオリフィスの孔径を絞るといった
対応も考えられるが、この場合も立ち上がりは緩慢化さ
れるものの燃料噴射期間が延びるといった問題がある。
【0006】本発明は、上記従来の問題点を解決するた
めになされたものであって、燃料噴射期間の間延び等の
不具合を招くことなく、燃料噴射開始時の立ち上がりを
緩慢化することができ、予混合燃焼の割合を低減して、
NOx発生量を低減することができるディーゼルエンジ
ンの燃料噴射装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達するた
め、第1の発明は、ハウジング内に、ニードル弁と、該
ニードル弁の先端側にニードル弁をリフト方向に付勢す
るように燃圧を作用させる先端側圧力通路と、上記ニー
ドル弁の後端側にニードル弁を反リフト方向に付勢する
ように燃圧を作用させる後端側圧力通路と、燃圧排出ポ
ートとが設けられる一方、着座時には後端側圧力通路と
燃圧排出ポートとを遮断する一方リフトされたときには
後端側圧力通路と燃圧排出ポートとを連通させる弁体
と、該弁体をリフトさせる電磁駆動手段とが設けられ、
電磁駆動手段によって弁体がリフトされたときに、先端
側圧力通路内の燃圧によってニードル弁がリフトされる
ようになったディーゼルエンジンの蓄圧式高圧燃料噴射
装置において、上記弁体にその外周面に開口するように
形成され、弁体着座時に燃圧排出ポートと連通し、弁体
が所定の遮断領域までリフトされたときに燃圧排出ポー
トとは遮断される凹部と、弁体が所定の連通領域までリ
フトされたときに、上記凹部と先端側圧力通路とに連通
する副圧力通路とが設けられていることを特徴とするデ
ィーゼルエンジンの燃料噴射装置を提供する。
【0008】第2の発明は、第1の発明にかかるディー
ゼルエンジンの燃料噴射装置において、凹部と副圧力通
路との連通領域が、凹部と燃圧排出ポートとの連通領域
と、弁体の初期リフト期間で重複するように設定されて
いることを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装
置を提供する。
【0009】第3の発明は、第1の発明にかかるディー
ゼルエンジンの燃料噴射装置において、凹部と副圧力通
路との連通領域が、凹部と燃圧排出ポートとの連通領域
とは重複しないように設定されており、かつ凹部が所定
の容積を有するように形成されていることを特徴とする
ディーゼルエンジンの燃料噴射装置を提供する。
【0010】
【実施例】以下、本発明の実施例を具体的に説明する。 <第1実施例>以下、請求項1,2の発明に対応する第
1実施例を説明する。図1に示すように、ディーゼルエ
ンジンの蓄圧式高圧燃料噴射弁1は、燃料を噴射する燃
料噴射部2と、該燃料噴射部2の噴射時期、噴射量等を
制御する三方電磁弁3とで構成されている。そして、燃
料噴射部2においては、噴射部ハウジング4内の空間部
にニードル弁5が配置され、このニードル弁5は所定の
範囲内で燃料噴射弁1の軸線方向(長手方向)に往復移動
できるようになっている。なお、以下では、便宜上、燃
料噴射弁1の軸線方向にみて、三方電磁弁3側を「上」と
いい、燃料噴射部2側を「下」という。
【0011】噴射部ハウジング4内には、燃料ポンプ
(図示せず)から高い燃圧を伴った燃料が供給されるフィ
ードパイプ6が設けられ、このフィードパイプ6の上流
端は噴射部ハウジング4の側方に開口し、下流端は油だ
まり7に接続されている。ここで油だまり7内の燃圧
は、上下方向の受圧面積の差によって常時ニードル弁5
に上向き(リフト方向)の力を加えるようになっている。
なお、フィードパイプ6と油だまり7とは、請求項1に
記載された先端側圧力通路に相当する。
【0012】そして、油だまり7からさらに下方に伸び
る燃料噴射通路8が設けられ、この燃料噴射通路8の先
端部近傍には、複数の噴射孔10が設けられている。こ
こで、ニードル弁5が下降しているときすなわち着座し
ているときには、燃料噴射通路8がニードル弁5によっ
て閉止され、このとき燃料噴射が行なわれない。他方、
ニードル弁5が上昇したときすなわちリフトされたとき
には、燃料噴射通路8が開かれ、噴射孔10から燃料が
噴射されるようになっている。
【0013】噴射部ハウジング4の上部には、後で説明
するように、燃圧が導入される圧力制御室14が設けら
れ、この圧力制御室14内の燃圧はニードル弁5の上端
面に下向き(反リフト方向)の力を加えるようになってい
る。圧力室制御室14の上端には燃圧のリリース特性を
調整するワンウェイオリフィス15が設けられている。
また、ニードル弁5を常時下向きに付勢する第1,第2
コイルスプリング12,13が設けられている。
【0014】このように、ニードル弁5には、油だまり
7内の燃圧による上向きの力と、圧力制御室14内の燃
圧及び第1,第2コイルスプリング12,13による下向
きの力とが作用する。ここで、圧力制御室14内に燃圧
が導入されているときには、下向きの力の方が上向きの
力より強いので、ニードル弁5が下降して着座する。他
方、圧力制御室14内の燃圧がリリースされたときに
は、上向きの力が下向きの力より圧倒的に強くなり、ニ
ードル弁5がリフトされ、燃料噴射が行なわれる。つま
り、基本的には、圧力制御室14に燃圧をかけてニード
ル弁5を閉じておき、圧力制御室14内の燃圧をリリー
スする期間だけニードル弁5がリフトされて燃料噴射が
行なわれる。
【0015】そして、三方電磁弁3は、圧力制御室14
にかける燃圧を制御することによって、噴射部2を制御
するようになっている。三方電磁弁3には、電磁弁ハウ
ジング20内でこれに摺接して上下方向に摺動できるよ
うになった第1弁体17が設けられ、この第1弁体17
は付勢ばね18によって常時下向きに付勢されている。
そして、電磁弁ハウジング20の天井部にはソレノイド
19が配置され、このソレノイド19が励磁(オン)され
ると、第1弁体17がソレノイド19に引き付けられリ
フトされるようになっている。他方、ソレノイド19が
消磁(オフ)されると、第1弁体17は付勢ばね18によ
って押し下げられ、所定の位置に着座するようになって
いる。
【0016】第1弁体17には、これを上下方向に貫通
する中空部が形成され、この中空部の上部内周面は、上
端が電磁弁ハウジング20に固定されたバー21に摺接
している。ここで、第1弁体17内の中空部の中央部は
油室22ををなし、下部は下端に開口する制御ポート2
3をなす。なお、油室22には側方に開口する連通穴3
2が設けられている。そして、この第1弁体17の下側
には、油路24が設けられ、この油路24の下端はワン
ウェイオリフィス15を介して圧力制御室14と連通し
ている。また、油路24の上側に隣接して燃圧排出ポー
ト26が設けられ、この燃圧排出ポート26は燃圧排出
通路27に接続されている。
【0017】また、噴射部ハウジング4内ないし電磁弁
ハウジング20内には、フィードパイプ6から分岐する
燃圧供給ポート25が設けられ、この燃圧供給ポート2
5は、電磁弁ハウジング20と第1弁体17の摺接部に
開口している。ここで、ソレノイド9がオフされ、第1
弁体17が着座しているときには、燃圧供給ポート25
内の燃料ないし燃圧が、順に、連通穴32と、油室22
と、制御ポート23と、油路24とワンウェイオリフィ
ス15とを介して圧力制御室14に供給される。このと
き油路24と燃圧排出ポート26とは第1弁体17によ
って遮断されている。なお、図1はこの状態を示してい
る。
【0018】他方、ソレノイド19がオンされ、第1弁
体17がリフトされると、燃圧供給ポート25と連通穴
32とが連通しなくなり、油室22〜圧力制御室14へ
の燃圧の供給が停止される。これと同時に、油路24と
燃圧排出ポート26とが連通し、圧力制御室14内の燃
料ないし燃圧が、順に、ワンウェイオリフィス15と油
路24とを介して燃圧排出ポート26にリリースされ
る。このとき燃料が噴射されるのは前記したとおりであ
る。なお、燃圧供給ポート25〜圧力制御室14に至る
一連の通路は、請求項1に記載された後端側圧力通路に
相当する。
【0019】さらに、第1実施例では、燃料噴射開始直
後に、若干の期間だけ燃料噴射圧を低下させて、燃料噴
射率の立ち上がりを緩慢化させるようにしている。以
下、これを説明する。噴射部ハウジング4内ないし電磁
弁ハウジング20内には、フィードパイプ6から分岐す
る副圧力通路28が設けられ、この副圧力通路28のポ
ート部29は、燃圧供給ポート25の開口部より下側
で、電磁弁ハウジング20の第1弁体17との摺接部に
開口している。そして、第1弁体17の下部外周部に
は、これを一周する凹部30(切り込み部)が形成されて
いる。
【0020】ここで、凹部30は、第1弁体17が着座
しているときには、燃圧排出ポート26と連通し、かつ
第1弁体17のリフト量が所定値(仮に、これをL1とす
る)以上となったときには、電磁弁ハウジング20の内
周面によって燃圧排出ポート26との連通が遮断される
ような位置に配置されている。他方、ポート部29は、
第1弁体17が着座しているときには凹部30とは連通
せず、かつ第1弁体17のリフト量が所定値(仮に、こ
れをL2とする)以上となったときには凹部30と連通す
るような位置に配置されている。ここで、L2はL1より
小さい値に設定されている。したがって、第1弁体17
がリフトされるときには、リフト量がL2以上L1未満と
なる領域では、副圧力通路28(ポート部29)が凹部3
0を介して燃圧排出ポート26と連通することになる。
【0021】以下、図2(a)〜(c)を参照しつつ、第1弁
体17のリフト時すなわち燃料噴射時における、副圧力
通路28(ポート部29)と凹部30の作用を説明する。 (1)燃料噴射信号を受けてソレノイド19がオンされる
と、第1弁体17のリフトが開始され、第1弁体17の
リフト量がL2に達するまでは(第1弁体着座時を含
む)、図2(a)に状態を示すように、凹部30は燃圧排出
ポート26と連通するが、副圧力通路28とは連通しな
い。したがって、この段階では、副圧力通路28内の燃
圧がリリースされず、したがってフィードパイプ6内の
燃圧はとくには変化しない。もちろん、燃料噴射が行な
われていないときに、フィードパイプ6内の燃圧がリリ
ースされることはない。
【0022】(2)そして、第1弁体17のリフト量がL
2以上となったときには(L1未満)、図2(b)に状態を示
すように、凹部30は、燃圧排出ポート26との連通を
保持したまま、副圧力通路28(ポート部29)と連通す
る。このとき、副圧力通路28は凹部30を介して燃圧
排出ポート26と連通し、副圧力通路28内の燃料ない
し燃圧が燃圧排出ポート26にリリースされる。このた
め、フィードパイプ6内の燃圧が低下し、燃料噴射圧が
低下し、燃料噴射率の上昇が抑制される。 (3)さらに、第1弁体17のリフト量がL1以上となっ
たときには、図2(c)に状態を示すように、凹部30と
燃圧排出ポート26の連通が遮断される。したがって、
副圧力通路28と燃圧排出通路26との連通も遮断さ
れ、副圧力通路28からの燃料ないし燃圧のリリースが
停止される。このため、フィードパイプ6内の燃圧が回
復し、燃料噴射が、普通の蓄圧式高圧燃料噴射弁と同様
のパターンで行なわれる。したがって、高い噴射圧で十
分な量の燃料噴射が行なわれ、燃料が微粒化されるとと
もに、燃料噴射期間の間延びが生じない。
【0023】したがって、第1弁体17のリフト量がL
2〜L1の期間は、燃料噴射率の上昇が抑制され、例え
ば、図3中の折れ線G1あるいは図4中の折れ線G3で示
すように、噴射開始直後の燃料噴射率の立ち上がりが緩
慢化される。なお、図3,図4において、G2,G4は、従
来の普通の蓄圧式燃料噴射弁の噴射特性である。ここ
で、L1及びL2を変えることによって、燃料噴射開始時
の立ち上がり特性を種々設定することができる。例えば
2をほぼ0に設定した場合は、G1のように、噴射開始
後、所定の期間だけ燃料噴射率の上昇が緩やかとなり、
この後急速に上昇するといった特性が得られる。また、
2をやや大きく設定すれば、G3のように、噴射弁開始
後、若干の期間だけ燃料噴射率が急速に上昇し、次に所
定の期間だけ燃料噴射率の上昇が緩やかとなり、この後
急速に上昇するといった特性が得られる。
【0024】ここで、燃料噴射弁1の燃圧ないし燃料噴
射圧は、低負荷・低回転時には低く設定されるようにな
っている。すなわち、ディーゼルエンジンでは、低負荷
・低回転時には相対的にエアが多くなるので、それほど
燃料を微粒化しなくても排気エミッションを良好に保持
できるからである。これによって、燃料ポンプを駆動す
るための仕事が低減され、エンジンのエネルギロスが低
減され、燃費性能が高められる。以上、第1実施例によ
れば、燃料噴射開始直後においては、燃料噴射率の立ち
上がりが緩慢化され、予混合燃焼の割合が下げられ、N
Ox発生量が低減される。また、この後は、高い噴射圧
で燃料が噴射され、十分に燃料が微粒化され、かつ燃料
噴射期間の間延びが生じない。
【0025】<第2実施例>以下、請求項1,3の発明
に対応する第2実施例を説明するが、説明の重複を避け
るため、第1実施例と共通の部分については、その説明
を省略する。図5に示すように、第2実施例では、副圧
力通路35は、油だまり7から分岐している。また、第
1実施例の場合と同様に、凹部37と燃圧排出ポート2
6の連通が遮断される第1弁体17のリフト量をL1
し、凹部37と副圧力通路35(ポート部36)とが連通
する第1弁体17のリフト量をL2とすれば、第2実施
例では、L2はL1より大きい値に設定される。すなわ
ち、第1弁体17がリフトされるときには、凹部37と
燃圧排出ポート26とが遮断された後で、凹部37と副
圧力通路35とが連通する。したがって、副圧力通路3
5が凹部37を介して燃圧排出ポート26と連通するこ
とはない。
【0026】また、凹部37が、所定の比較的大きな容
量をもつように形成される。つまり、第2実施例では、
燃料噴射開始直後に、副圧力通路35内の燃料ないし燃
圧を凹部37内に流入させ、ここに保持することによっ
て、油だまり7内の燃圧を低下させ、燃料噴射圧を低下
させて、燃料噴射開始直後の燃料噴射率の立ち上がりを
緩慢化するようにしている。このため、L1,L2のほ
か、凹部37の容量も、所定の立ち上がり特性が得られ
るように好ましく設定されるわけである。
【0027】以下、図6(a)〜(c)を参照しつつ、第1弁
体17のリフト時すなわち燃料噴射時における、副圧力
通路35(ポート部36)と凹部37の作用を説明する。 (1)ソレノイド19がオンされると、第1弁体17のリ
フトが開始されるが、第1弁体17のリフト量がL1
達するまでは、図6(a)に状態を示すように、凹部37
は燃圧排出ポート26と連通している。したがって、凹
部37内には燃料が入っていない。このとき、凹部37
はもちろん副圧力通路35とは連通しない。この段階で
は、副圧力通路35内の燃圧がリリースされず、油だま
り7内の燃圧はとくには変化しない。
【0028】(2)次に、第1弁体17のリフト量がL1
以上となったときには(L2未満)、図6(b)に状態を示す
ように、凹部37は、燃圧排出ポート26との連通が遮
断される。このとき、凹部37は副圧力通路35とは連
通していない。したがって、このときはまだ副圧力通路
35内の燃圧はリリースされない。さらに、リフト量が
2以上となったときに、図5(c)に状態を示すように、
凹部37と副圧力通路35(ポート部36)とが連通す
る。このとき、副圧力通路35内の燃料が凹部37内に
流入し、この分だけ副圧力通路35内の燃料ないし燃圧
がリリースされ、油だまり7内の燃圧が低下し、燃料噴
射率の上昇が抑制される。ここで、凹部37が燃料で満
たされると、副圧力通路35の燃料ないし燃圧のリリー
スが停止される。このため、油だまり7内の燃圧が回復
し、燃料噴射が、普通の蓄圧式高圧燃料噴射弁と同様の
パターンで行なわれる。この場合も、基本的には、第1
実施例の場合と同様の効果が得られる。しかしながら、
第1弁体17のリフト量が少なくともL1に達するま
で、すなわち凹部37と燃圧排出ポート26とが遮断さ
れるまでは、副圧力通路35内の燃料ないし燃圧をリリ
ースすることができないので、燃料噴射開始直後の燃料
噴射率の立ち上がり特性は、必然的に図4中のG3のよ
うになる。なお、第2実施例によれば、副圧力通路35
内の燃料ないし燃圧が燃圧排出ポート26にリリースさ
れないので、過剰なリリースが生じない。このため、エ
ネルギロスが最小限に抑えられる。
【0029】
【発明の作用・効果】第1の発明によれば、燃料噴射開
始直後に、先端側圧力通路が、副圧力通路を介して、凹
部と連通する。そこで、例えば、凹部を燃圧排出ポート
と連通させ、あるいは凹部に所定の容量をもたせること
により、燃料噴射開始直後に、先端側圧力通路の燃圧を
下げることができる。このようにすれば、燃料噴射圧を
下げることができ、燃料噴射開始直後の燃料噴射率の立
ち上がりを緩慢化することができる。このため、予混合
燃焼の割合を低減することができ、NOx発生量を低減
することができる。また、この後、燃料噴射圧が十分に
高められるので、燃料が十分に微粒化され、燃焼性が高
められ、排気エミッションが良好となる。また、燃料噴
射期間の間延びが生じない。
【0030】第2の発明によれば、基本的には、第1の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、副圧力通
路を燃圧排出ポートと連通させることによって、先端側
圧力通路の燃圧をリリースするようにしているので、燃
料噴射開始直後に燃料噴射圧が十分に下げられ、燃料噴
射率の立ち上がりが十分に緩慢化される。
【0031】第3の発明によれば、基本的には、第1の
発明と同様の作用・効果が得られる。さらに、副圧力通
路内の燃料を凹部内に保持することによって、先端側圧
力通路の燃圧をリリースするようにしているので、燃圧
が過剰にリリースされず、エネルギロスが最小限とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す、ディーゼルエンジ
ンの蓄圧式高圧燃料噴射弁の立面断面説明図である。
【図2】(a),(b),(c)は、図1に示す燃料噴射弁の、燃
料噴射初期における第1弁体まわりの立面断面説明図で
ある。
【図3】燃料噴射率の時間に対する特性に一例を示す図
である。
【図4】燃料噴射率の時間に対する特性のもう1つの例
を示す図である。
【図5】本発明の第2実施例を示す、ディーゼルエンジ
ンの蓄圧式高圧燃料噴射弁の立面断面説明図である。
【図6】(a),(b),(c)は、図5に示す燃料噴射弁の、燃
料噴射初期における第1弁体まわりの立面断面説明図で
ある。
【図7】従来の蓄圧式高圧燃料噴射弁の、燃料噴射率の
時間に対する特性を示す図である。
【図8】燃料噴射率の立ち上がりの緩慢化を図った従来
の蓄圧式高圧燃料噴射弁の、燃料噴射率の時間に対する
特性を示す図である。
【符号の説明】
1…燃料噴射弁 2…燃料噴射部 3…三方電磁弁 4…噴射部ハウジング 6…フィードパイプ 7…油だまり 14…圧力制御室 17…第1弁体 26…燃圧排出ポート 28…副圧力通路 30…凹部 35…副圧力通路 37…凹部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジング内に、ニードル弁と、該ニー
    ドル弁の先端側にニードル弁をリフト方向に付勢するよ
    うに燃圧を作用させる先端側圧力通路と、上記ニードル
    弁の後端側にニードル弁を反リフト方向に付勢するよう
    に燃圧を作用させる後端側圧力通路と、燃圧排出ポート
    とが設けられる一方、着座時には後端側圧力通路と燃圧
    排出ポートとを遮断する一方リフトされたときには後端
    側圧力通路と燃圧排出ポートとを連通させる弁体と、該
    弁体をリフトさせる電磁駆動手段とが設けられ、電磁駆
    動手段によって弁体がリフトされたときに、先端側圧力
    通路内の燃圧によってニードル弁がリフトされるように
    なったディーゼルエンジンの蓄圧式高圧燃料噴射装置に
    おいて、 上記弁体にその外周面に開口するように形成され、弁体
    着座時に燃圧排出ポートと連通し、弁体が所定の遮断領
    域までリフトされたときに燃圧排出ポートとは遮断され
    る凹部と、弁体が所定の連通領域までリフトされたとき
    に、上記凹部と先端側圧力通路とに連通する副圧力通路
    とが設けられていることを特徴とするディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載されたディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射装置において、 凹部と副圧力通路との連通領域が、凹部と燃圧排出ポー
    トとの連通領域と、弁体の初期リフト期間で重複するよ
    うに設定されていることを特徴とするディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載されたディーゼルエンジ
    ンの燃料噴射装置において、 凹部と副圧力通路との連通領域が、凹部と燃圧排出ポー
    トとの連通領域とは重複しないように設定されており、
    かつ凹部が所定の容積を有するように形成されているこ
    とを特徴とするディーゼルエンジンの燃料噴射装置。
JP17106091A 1991-07-11 1991-07-11 デイーゼルエンジンの燃料噴射装置 Pending JPH0518333A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100605478B1 (ko) * 1997-11-18 2006-10-04 로베르트 보쉬 게엠베하 내연기관 연료분사기 제어장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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