JP2000108164A - ホットランナー・バルブゲート金型並びに該金型の使用におけるバリ発生防止方法 - Google Patents
ホットランナー・バルブゲート金型並びに該金型の使用におけるバリ発生防止方法Info
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-
- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C45/00—Injection moulding, i.e. forcing the required volume of moulding material through a nozzle into a closed mould; Apparatus therefor
- B29C45/17—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
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- B29C45/27—Sprue channels ; Runner channels or runner nozzles
- B29C45/28—Closure devices therefor
- B29C45/2806—Closure devices therefor consisting of needle valve systems
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Manufacturing & Machinery (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】バルブピンとゲート孔との間のクリアランスを
調整することを必要とせずに、クリアランス部分に残留
する樹脂が製品側に残らないようにしてバリの発生を防
止できるホットランナー・バルブゲート金型並びにその
ようなバリの発生防止方法を提供すること 【解決手段】バルブピン13の表面の少なくとも一部で
あって、製品成形部10の直上部に、ゲート孔9を規定
する面とバルブピン13の表面との間のクリアランス寸
法より実質的に大きな深さを有する溝部21を形成す
る。ゲート孔9を規定する面の少なくとも一部であっ
て、バルブピン13の表面に形成された溝部21と対応
する位置に、ゲート孔9を規定する面とバルブピン13
の表面との間のクリアランス寸法より実質的に大きな深
さを有する他の溝部25を形成しても良い。
調整することを必要とせずに、クリアランス部分に残留
する樹脂が製品側に残らないようにしてバリの発生を防
止できるホットランナー・バルブゲート金型並びにその
ようなバリの発生防止方法を提供すること 【解決手段】バルブピン13の表面の少なくとも一部で
あって、製品成形部10の直上部に、ゲート孔9を規定
する面とバルブピン13の表面との間のクリアランス寸
法より実質的に大きな深さを有する溝部21を形成す
る。ゲート孔9を規定する面の少なくとも一部であっ
て、バルブピン13の表面に形成された溝部21と対応
する位置に、ゲート孔9を規定する面とバルブピン13
の表面との間のクリアランス寸法より実質的に大きな深
さを有する他の溝部25を形成しても良い。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、製品成形部に開口
するノズル側金型のゲート孔を軸方向への移動により開
閉するバルブピンを備え、油圧又は空気圧を駆動源とし
てバルブピンの開閉動作をコントロールして、溶融され
た樹脂を製品成形部へ射出充填するホットランナー・バ
ルブゲート金型並びに該ホットランナー・バルブゲート
金型の使用におけるバリ発生防止方法に関するものであ
る。
するノズル側金型のゲート孔を軸方向への移動により開
閉するバルブピンを備え、油圧又は空気圧を駆動源とし
てバルブピンの開閉動作をコントロールして、溶融され
た樹脂を製品成形部へ射出充填するホットランナー・バ
ルブゲート金型並びに該ホットランナー・バルブゲート
金型の使用におけるバリ発生防止方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】ホットランナー・バルブゲート金型は、
ノズル本体内及びこれに連通する金型のゲート孔内でバ
ルブピンが軸方向に移動することにより、ゲート孔を開
閉する機構を備えている。バルブピンが下死点まで移動
しているときには、バルブピンがゲート孔を塞いで溶融
された樹脂が製品成形部へ供給されないようになってい
るが、バルブピンがノズル本体内で軸方向に滑らかに駆
動できるようにするため、バルブピンとゲート孔の内面
との間には、必要なクリアランス(数ミクロン〜数十ミ
クロン)が形成されている。
ノズル本体内及びこれに連通する金型のゲート孔内でバ
ルブピンが軸方向に移動することにより、ゲート孔を開
閉する機構を備えている。バルブピンが下死点まで移動
しているときには、バルブピンがゲート孔を塞いで溶融
された樹脂が製品成形部へ供給されないようになってい
るが、バルブピンがノズル本体内で軸方向に滑らかに駆
動できるようにするため、バルブピンとゲート孔の内面
との間には、必要なクリアランス(数ミクロン〜数十ミ
クロン)が形成されている。
【0003】しかしこのクリアランスの存在により、射
出成形時にクリアランス部分に残留した樹脂が冷却固化
し、例えば図9,図10に示すように、このクリアラン
ス部分の樹脂が製品側に残り、バリ50が発生してしま
うことがある。近年の樹脂成形品は、極めて精密なもの
が多く、僅かなバリが製品に発生しただけでも、他の部
品と組み合わせたときに噛み合わせ不良や寸法誤差不良
の原因となることがある。また製品に発生したバリがち
ぎれて、これが駆動部分にゴミとして入り込み、動作不
良の原因となることもある。従って従来より、製品に発
生するバリを極力少なくすることが求められている。
出成形時にクリアランス部分に残留した樹脂が冷却固化
し、例えば図9,図10に示すように、このクリアラン
ス部分の樹脂が製品側に残り、バリ50が発生してしま
うことがある。近年の樹脂成形品は、極めて精密なもの
が多く、僅かなバリが製品に発生しただけでも、他の部
品と組み合わせたときに噛み合わせ不良や寸法誤差不良
の原因となることがある。また製品に発生したバリがち
ぎれて、これが駆動部分にゴミとして入り込み、動作不
良の原因となることもある。従って従来より、製品に発
生するバリを極力少なくすることが求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】バリを少なくする1つ
の方法として、バルブピンとゲート孔との間のクリアラ
ンスをなるべく小さくすることが考えられる。しかしこ
の方法では、バルブピンとゲート孔の内面とが、互いに
金属接触して摩耗してしまうという問題点がある。
の方法として、バルブピンとゲート孔との間のクリアラ
ンスをなるべく小さくすることが考えられる。しかしこ
の方法では、バルブピンとゲート孔の内面とが、互いに
金属接触して摩耗してしまうという問題点がある。
【0005】またバリを少なくするために、バルブピン
とゲート孔との間のクリアランスを設計段階において精
密に寸法調整することも考えられる。しかしバルブピン
とゲート孔の加工精度にも一定の限界がある。また成形
する樹脂に応じて金型を昇温するため、両部材が熱膨張
で変形し、設計段階でのクリアランスが必ずしも維持で
きないという問題点がある。このようにクリアランスを
調整することは、非常に困難である。
とゲート孔との間のクリアランスを設計段階において精
密に寸法調整することも考えられる。しかしバルブピン
とゲート孔の加工精度にも一定の限界がある。また成形
する樹脂に応じて金型を昇温するため、両部材が熱膨張
で変形し、設計段階でのクリアランスが必ずしも維持で
きないという問題点がある。このようにクリアランスを
調整することは、非常に困難である。
【0006】本発明の課題は、バルブピンとゲート孔と
の間のクリアランスを調整することを必要とせず、クリ
アランス部分に残留する樹脂が製品側に残らないように
してバリの発生を防止できるホットランナー・バルブゲ
ート金型並びに該金型の使用におけるバリの発生防止方
法を提供することにある。
の間のクリアランスを調整することを必要とせず、クリ
アランス部分に残留する樹脂が製品側に残らないように
してバリの発生を防止できるホットランナー・バルブゲ
ート金型並びに該金型の使用におけるバリの発生防止方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を達成するた
め、本願請求項1に記載の発明は、製品成形部に開口す
るゲート孔を有するノズル側金型と、軸方向に移動して
前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備えるノズル本体
とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート孔を介して前記
製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成するホットラン
ナー・バルブゲート金型において、前記バルブピンの表
面の少なくとも一部には、前記製品成形部の直上部に、
前記ゲート孔を規定する面と前記バルブピンの表面との
間のクリアランス寸法より実質的に大きな深さを有する
溝部が形成されていることを特徴とするものである。
め、本願請求項1に記載の発明は、製品成形部に開口す
るゲート孔を有するノズル側金型と、軸方向に移動して
前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備えるノズル本体
とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート孔を介して前記
製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成するホットラン
ナー・バルブゲート金型において、前記バルブピンの表
面の少なくとも一部には、前記製品成形部の直上部に、
前記ゲート孔を規定する面と前記バルブピンの表面との
間のクリアランス寸法より実質的に大きな深さを有する
溝部が形成されていることを特徴とするものである。
【0008】本発明によれば、溶融樹脂を射出しバルブ
ピンでゲート孔を閉鎖した後に、樹脂を冷却固化するこ
とにより、バルブピンの溝部に存在する樹脂が固化す
る。溝部で固化した樹脂部分はクリアランス部分で固化
した樹脂部分より肉厚であるために、製品を金型から取
り出すときに溝部で固化した樹脂部分の直下で樹脂が切
断しやすくなる。従ってバリのない製品を得ることがで
きる。
ピンでゲート孔を閉鎖した後に、樹脂を冷却固化するこ
とにより、バルブピンの溝部に存在する樹脂が固化す
る。溝部で固化した樹脂部分はクリアランス部分で固化
した樹脂部分より肉厚であるために、製品を金型から取
り出すときに溝部で固化した樹脂部分の直下で樹脂が切
断しやすくなる。従ってバリのない製品を得ることがで
きる。
【0009】また、本願請求項2に記載の発明は、請求
項1において、前記ゲート孔を規定する面の少なくとも
一部には、前記バルブピンが下死点にあるときに前記バ
ルブピンの表面に形成された溝部と対応する位置に、前
記ゲート孔を規定する面と前記バルブピンの表面との間
のクリアランス寸法より実質的に大きな深さを有する溝
部が形成されていることを特徴とするものである。本発
明によれば、バルブピンの溝部とゲート孔を規定する
面、即ちノズル側金型のゲート孔の内面に形成された溝
部とが一緒になって、樹脂が溜まる大きなスペースを形
成することができる。これによりここに溜まった樹脂が
冷却固化したときに、その部分の樹脂の肉厚がクリアラ
ンス部分で固化した樹脂の肉厚より更に大きくなる。従
って、請求項1の発明よりも溝部直下で更に切断しやす
くなり、バリの発生をより確実に防止できる。
項1において、前記ゲート孔を規定する面の少なくとも
一部には、前記バルブピンが下死点にあるときに前記バ
ルブピンの表面に形成された溝部と対応する位置に、前
記ゲート孔を規定する面と前記バルブピンの表面との間
のクリアランス寸法より実質的に大きな深さを有する溝
部が形成されていることを特徴とするものである。本発
明によれば、バルブピンの溝部とゲート孔を規定する
面、即ちノズル側金型のゲート孔の内面に形成された溝
部とが一緒になって、樹脂が溜まる大きなスペースを形
成することができる。これによりここに溜まった樹脂が
冷却固化したときに、その部分の樹脂の肉厚がクリアラ
ンス部分で固化した樹脂の肉厚より更に大きくなる。従
って、請求項1の発明よりも溝部直下で更に切断しやす
くなり、バリの発生をより確実に防止できる。
【0010】また、本願請求項3に記載の発明は、製品
成形部に開口するゲート孔を有するノズル側金型と、軸
方向に移動して前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備
えるノズル本体とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート
孔を介して前記製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成
するホットランナー・バルブゲート金型において、前記
ゲート孔を規定する面の少なくとも一部には、前記製品
成形部の直上部に、前記ゲート孔を規定する面と前記バ
ルブピンの表面との間のクリアランス寸法より実質的に
大きな深さを有する溝部が形成されていることを特徴と
するものである。
成形部に開口するゲート孔を有するノズル側金型と、軸
方向に移動して前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備
えるノズル本体とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート
孔を介して前記製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成
するホットランナー・バルブゲート金型において、前記
ゲート孔を規定する面の少なくとも一部には、前記製品
成形部の直上部に、前記ゲート孔を規定する面と前記バ
ルブピンの表面との間のクリアランス寸法より実質的に
大きな深さを有する溝部が形成されていることを特徴と
するものである。
【0011】本発明によれば、溶融樹脂を射出しバルブ
ピンでゲート孔を閉鎖した後に、樹脂を冷却固化するこ
とにより、ゲート孔を規定する面、即ちノズル側金型の
ゲート孔の内面に形成された溝部に存在する樹脂が固化
する。該溝部で固化した樹脂部分はクリアランス部分で
固化した樹脂部分より肉厚であるために、製品を金型か
ら取り出すときに溝部で固化した樹脂部分の直下で樹脂
が切断しやすくなる。従ってバリのない製品を得ること
ができる。
ピンでゲート孔を閉鎖した後に、樹脂を冷却固化するこ
とにより、ゲート孔を規定する面、即ちノズル側金型の
ゲート孔の内面に形成された溝部に存在する樹脂が固化
する。該溝部で固化した樹脂部分はクリアランス部分で
固化した樹脂部分より肉厚であるために、製品を金型か
ら取り出すときに溝部で固化した樹脂部分の直下で樹脂
が切断しやすくなる。従ってバリのない製品を得ること
ができる。
【0012】また、本願請求項4に記載の発明は、請求
項1〜3のいずれかにおいて、前記ホットランナー・バ
ルブゲート金型がセンターピンを更に備え、該センター
ピンの一部の周囲に環状のゲート孔が形成されるように
前記センターピンが配置されており、前記センターピン
の表面のうち前記ゲート孔を規定する面の少なくとも一
部には、前記製品成形部の直上部に、前記センターピン
の表面と前記バルブピンの表面との間のクリアランス寸
法より実質的に大きな深さを有する溝部が形成されてい
ることを特徴とするものである。
項1〜3のいずれかにおいて、前記ホットランナー・バ
ルブゲート金型がセンターピンを更に備え、該センター
ピンの一部の周囲に環状のゲート孔が形成されるように
前記センターピンが配置されており、前記センターピン
の表面のうち前記ゲート孔を規定する面の少なくとも一
部には、前記製品成形部の直上部に、前記センターピン
の表面と前記バルブピンの表面との間のクリアランス寸
法より実質的に大きな深さを有する溝部が形成されてい
ることを特徴とするものである。
【0013】本発明によれば、ゲート孔を規定するセン
ターピンの表面に形成された溝部に樹脂が入り込み、冷
却固化される。上記同様に製品を金型から取り出すとき
に該溝部で固化した樹脂部分の直下で樹脂が切断しやす
くなる。従ってセンターピンとバルブピンとの間のクリ
アランスの存在により従来発生していたバリの形成を解
消することができる。
ターピンの表面に形成された溝部に樹脂が入り込み、冷
却固化される。上記同様に製品を金型から取り出すとき
に該溝部で固化した樹脂部分の直下で樹脂が切断しやす
くなる。従ってセンターピンとバルブピンとの間のクリ
アランスの存在により従来発生していたバリの形成を解
消することができる。
【0014】また、本願請求項5に記載の発明は、請求
項4において、前記バルブピンの内面の少なくとも一部
には、前記バルブピンが下死点にあるときに前記センタ
ーピンに形成された溝部と対応する位置に、前記センタ
ーピンの表面と前記バルブピンの表面との間のクリアラ
ンス寸法より実質的に大きな深さを有する溝部が形成さ
れていることを特徴とするものである。本発明によれ
ば、バルブピンの溝部とセンターピンの溝部とが一緒に
なって、樹脂が溜まる大きなスペースを形成することが
できる。これにより請求項2記載の発明同様に、これら
溝部内で固化する樹脂部分とクリアランス部分で固化し
た樹脂との肉厚の差が更に大きくなり、請求項4の発明
よりもこれら溝部の直下で更に切断しやすくなる。従っ
て、バリの発生をより確実に防止できる。
項4において、前記バルブピンの内面の少なくとも一部
には、前記バルブピンが下死点にあるときに前記センタ
ーピンに形成された溝部と対応する位置に、前記センタ
ーピンの表面と前記バルブピンの表面との間のクリアラ
ンス寸法より実質的に大きな深さを有する溝部が形成さ
れていることを特徴とするものである。本発明によれ
ば、バルブピンの溝部とセンターピンの溝部とが一緒に
なって、樹脂が溜まる大きなスペースを形成することが
できる。これにより請求項2記載の発明同様に、これら
溝部内で固化する樹脂部分とクリアランス部分で固化し
た樹脂との肉厚の差が更に大きくなり、請求項4の発明
よりもこれら溝部の直下で更に切断しやすくなる。従っ
て、バリの発生をより確実に防止できる。
【0015】また、請求項6に記載の発明は、請求項1
〜3及び請求項5のいずれかにおいて、前記バルブピン
に形成された溝部は、前記バルブピンの周面に沿って連
続的に形成されていることを特徴とするものである。更
に、請求項7に記載の発明は、請求項4または5のいず
れかにおいて、前記センターピンの表面に形成された溝
部は、前記センターピンの周面に沿って連続的に形成さ
れていることを特徴とするものである。これらの発明で
は、バルブピンに形成された溝部内またはセンターピン
に形成された溝部内の樹脂が冷却固化することにより、
クリアランス部分内で固化した樹脂との肉厚の差が、溝
部内の樹脂の全周囲に亘り形成される。従って離型時
に、ゲート孔の全周囲で確実にバリの発生を防止するこ
とができる。
〜3及び請求項5のいずれかにおいて、前記バルブピン
に形成された溝部は、前記バルブピンの周面に沿って連
続的に形成されていることを特徴とするものである。更
に、請求項7に記載の発明は、請求項4または5のいず
れかにおいて、前記センターピンの表面に形成された溝
部は、前記センターピンの周面に沿って連続的に形成さ
れていることを特徴とするものである。これらの発明で
は、バルブピンに形成された溝部内またはセンターピン
に形成された溝部内の樹脂が冷却固化することにより、
クリアランス部分内で固化した樹脂との肉厚の差が、溝
部内の樹脂の全周囲に亘り形成される。従って離型時
に、ゲート孔の全周囲で確実にバリの発生を防止するこ
とができる。
【0016】また請求項8に記載の発明は、製品成形部
に開口するゲート孔を有するノズル側金型と、軸方向に
移動して前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備えるノ
ズル本体とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート孔を介
して前記製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成するホ
ットランナー・バルブゲート金型の使用におけるバリ発
生防止方法であって、溶融した樹脂を前記ゲート孔を介
して製品成形部へ射出する工程と、前記バルブピンを移
動して前記ゲート孔を閉鎖する工程と、前記溶融した樹
脂を冷却固化させる工程とを備え、前記樹脂の冷却固化
工程において、前記バルブピンの表面の少なくとも一部
であって前記製品成形部の直上部に、前記ゲート孔を規
定する面と前記バルブピンの表面との間のクリアランス
寸法より実質的に大きな樹脂固化部分を形成することに
より、製品が該樹脂固化部分の直下で切り離れ易いよう
にすることを特徴とするものである。
に開口するゲート孔を有するノズル側金型と、軸方向に
移動して前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備えるノ
ズル本体とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート孔を介
して前記製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成するホ
ットランナー・バルブゲート金型の使用におけるバリ発
生防止方法であって、溶融した樹脂を前記ゲート孔を介
して製品成形部へ射出する工程と、前記バルブピンを移
動して前記ゲート孔を閉鎖する工程と、前記溶融した樹
脂を冷却固化させる工程とを備え、前記樹脂の冷却固化
工程において、前記バルブピンの表面の少なくとも一部
であって前記製品成形部の直上部に、前記ゲート孔を規
定する面と前記バルブピンの表面との間のクリアランス
寸法より実質的に大きな樹脂固化部分を形成することに
より、製品が該樹脂固化部分の直下で切り離れ易いよう
にすることを特徴とするものである。
【0017】本発明によれば、冷却固化工程において製
品成形部の直上部に大きな樹脂固化部分が形成されるた
め、離型の際にこの大きな樹脂固化部分とクリアランス
部分内で固化した樹脂部分での肉厚の差により、該樹脂
固化部分の直下で製品が切り離れ易くなる。従って、製
品にバリが発生しにくくなる。
品成形部の直上部に大きな樹脂固化部分が形成されるた
め、離型の際にこの大きな樹脂固化部分とクリアランス
部分内で固化した樹脂部分での肉厚の差により、該樹脂
固化部分の直下で製品が切り離れ易くなる。従って、製
品にバリが発生しにくくなる。
【0018】また請求項9に記載の発明は、製品成形部
に開口するゲート孔を有するノズル側金型と、軸方向に
移動して前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備えるノ
ズル本体とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート孔を介
して前記製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成するホ
ットランナー・バルブゲート金型の使用におけるバリ発
生防止方法であって、溶融した樹脂を前記ゲート孔を介
して製品成形部へ射出する工程と、前記バルブピンを移
動して前記ゲート孔を閉鎖する工程と、前記溶融した樹
脂を冷却固化させる工程とを備え、前記樹脂の冷却固化
工程において、前記ゲート孔を規定する面の少なくとも
一部であって前記製品成形部の直上部に、前記ゲート孔
を規定する面と前記バルブピンの表面との間のクリアラ
ンス寸法より実質的に大きな樹脂固化部分を形成するこ
とにより、製品が該樹脂固化部分の直下で切り離れ易い
ようにすることを特徴とするものである。
に開口するゲート孔を有するノズル側金型と、軸方向に
移動して前記ゲート孔を開閉するバルブピンを備えるノ
ズル本体とを備え、溶融された樹脂を前記ゲート孔を介
して前記製品成形部へ射出して樹脂成形品を形成するホ
ットランナー・バルブゲート金型の使用におけるバリ発
生防止方法であって、溶融した樹脂を前記ゲート孔を介
して製品成形部へ射出する工程と、前記バルブピンを移
動して前記ゲート孔を閉鎖する工程と、前記溶融した樹
脂を冷却固化させる工程とを備え、前記樹脂の冷却固化
工程において、前記ゲート孔を規定する面の少なくとも
一部であって前記製品成形部の直上部に、前記ゲート孔
を規定する面と前記バルブピンの表面との間のクリアラ
ンス寸法より実質的に大きな樹脂固化部分を形成するこ
とにより、製品が該樹脂固化部分の直下で切り離れ易い
ようにすることを特徴とするものである。
【0019】本発明によれば、冷却固化工程において製
品成形部の直上部に大きな樹脂固化部分が形成されるた
め、離型の際にこの大きな樹脂固化部分とクリアランス
部分内で固化した樹脂部分での肉厚の差により、該樹脂
固化部分の直下で製品が切り離れ易くなる。従って、製
品にバリが発生しにくくなる。
品成形部の直上部に大きな樹脂固化部分が形成されるた
め、離型の際にこの大きな樹脂固化部分とクリアランス
部分内で固化した樹脂部分での肉厚の差により、該樹脂
固化部分の直下で製品が切り離れ易くなる。従って、製
品にバリが発生しにくくなる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本願発明の実施の形態を図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係るホットラン
ナー・バルブゲート金型の主要構成部分の一実施の形態
を示す。図1に示すホットランナー・バルブゲート金型
1は、図9に示すように、樹脂注入部分がほぼ平坦な形
状を有する製品を成形するためのものである。
面に基づいて説明する。図1は本発明に係るホットラン
ナー・バルブゲート金型の主要構成部分の一実施の形態
を示す。図1に示すホットランナー・バルブゲート金型
1は、図9に示すように、樹脂注入部分がほぼ平坦な形
状を有する製品を成形するためのものである。
【0021】図1に示すように、本実施の形態のホット
ランナー・バルブゲート金型1は、樹脂射出用のノズル
を設置する側の上側の金型3(以下、ノズル側金型3と
いう)とノズル本体5とを備えている。なお実際には樹
脂成形品の下側の形状を規定する下側の金型も使用する
が、本発明の性質上、下側の金型について特に記述する
必要がないので、図面および本説明中での記載を省略し
ている。
ランナー・バルブゲート金型1は、樹脂射出用のノズル
を設置する側の上側の金型3(以下、ノズル側金型3と
いう)とノズル本体5とを備えている。なお実際には樹
脂成形品の下側の形状を規定する下側の金型も使用する
が、本発明の性質上、下側の金型について特に記述する
必要がないので、図面および本説明中での記載を省略し
ている。
【0022】ノズル側金型3の下面側は樹脂成形品の上
部の形状を規定するような形状を備えており、またノズ
ル側金型3の上面側はノズル本体5を支持するような形
状を有する。ノズル側金型3にはゲート孔9が形成され
ており、このゲート孔9は製品成形部10に連通してい
る。
部の形状を規定するような形状を備えており、またノズ
ル側金型3の上面側はノズル本体5を支持するような形
状を有する。ノズル側金型3にはゲート孔9が形成され
ており、このゲート孔9は製品成形部10に連通してい
る。
【0023】ノズル本体5は、ノズル側金型3の上面の
形状にぴったりと嵌まり込むようにして固定されてい
る。ノズル本体5の中央には樹脂供給路11が形成され
ており、該樹脂供給路11内には該樹脂供給路11と同
軸的にバルブピン13が設けられている。該バルブピン
13は、その基端側に取り付けられたピストン(図示せ
ず)が油圧または空気圧駆動源から駆動力を受けること
により、軸方向に往復動できるようになっている。
形状にぴったりと嵌まり込むようにして固定されてい
る。ノズル本体5の中央には樹脂供給路11が形成され
ており、該樹脂供給路11内には該樹脂供給路11と同
軸的にバルブピン13が設けられている。該バルブピン
13は、その基端側に取り付けられたピストン(図示せ
ず)が油圧または空気圧駆動源から駆動力を受けること
により、軸方向に往復動できるようになっている。
【0024】バルブピン13の先端15は、バルブピン
13が下死点まで移動したときにゲート孔9を塞いで、
製品成形部10内への溶融樹脂の供給をストップするよ
うな形状を備えている。従って、バルブピン13の往復
動によりゲート孔9は開閉し、溶融した樹脂17の製品
成形部10への射出充填が制御されるようになってい
る。
13が下死点まで移動したときにゲート孔9を塞いで、
製品成形部10内への溶融樹脂の供給をストップするよ
うな形状を備えている。従って、バルブピン13の往復
動によりゲート孔9は開閉し、溶融した樹脂17の製品
成形部10への射出充填が制御されるようになってい
る。
【0025】図2に示す如く、バルブピン13が下死点
に位置するとき、バルブピン13とゲート孔9の内面と
の間には、バルブピン13の往復動を円滑にするために
一定のクリアランスが形成されている。このクリアラン
スが形成された部分を、以下、クリアランス部19と称
する。なお射出成形時、このクリアランス部19には溶
融した樹脂が流れ込むため、クリアランス部19は溶融
した樹脂で満たされるようになる。
に位置するとき、バルブピン13とゲート孔9の内面と
の間には、バルブピン13の往復動を円滑にするために
一定のクリアランスが形成されている。このクリアラン
スが形成された部分を、以下、クリアランス部19と称
する。なお射出成形時、このクリアランス部19には溶
融した樹脂が流れ込むため、クリアランス部19は溶融
した樹脂で満たされるようになる。
【0026】バルブピン13の最先端部分には、本発明
の特徴的な構成である溝部21がバルブピン13の全円
周に亘って形成されている。なお、該溝部21と製品成
形部10との境界部分23におけるバルブピン13とゲ
ート孔9の内面との間にも上記同様のクリアランス部1
9が形成されている。該溝部21はクリアランス部19
の寸法Lに対して、寸法Lの約2倍の寸法の深さDを有
する。本実施の形態における溝部21の断面形状は円弧
状であるが、台形や三角形などその他の断面形状を備え
ていても良い。すなわち、溝部21はクリアランス部1
9に比較して相対的に多くの溶融樹脂が溜まることがで
きるものであれば、大きさおよび形状は問わない。
の特徴的な構成である溝部21がバルブピン13の全円
周に亘って形成されている。なお、該溝部21と製品成
形部10との境界部分23におけるバルブピン13とゲ
ート孔9の内面との間にも上記同様のクリアランス部1
9が形成されている。該溝部21はクリアランス部19
の寸法Lに対して、寸法Lの約2倍の寸法の深さDを有
する。本実施の形態における溝部21の断面形状は円弧
状であるが、台形や三角形などその他の断面形状を備え
ていても良い。すなわち、溝部21はクリアランス部1
9に比較して相対的に多くの溶融樹脂が溜まることがで
きるものであれば、大きさおよび形状は問わない。
【0027】次に上記実施の形態に係る本願発明の作用
について説明する。射出成形時、バルブピン13の先端
15はゲート孔9よりも上方に位置しており、ゲート孔
9は開放している。この状態で溶融した樹脂17に圧力
が加えられ、ゲート孔9を介して製品成形部10内に射
出される。必要量の溶融樹脂が射出されたところで、バ
ルブピン13が図1に示す如く下死点まで下降して、そ
の先端15がゲート孔9を塞ぎ、溶融樹脂の製品成形部
10への供給をストップする。
について説明する。射出成形時、バルブピン13の先端
15はゲート孔9よりも上方に位置しており、ゲート孔
9は開放している。この状態で溶融した樹脂17に圧力
が加えられ、ゲート孔9を介して製品成形部10内に射
出される。必要量の溶融樹脂が射出されたところで、バ
ルブピン13が図1に示す如く下死点まで下降して、そ
の先端15がゲート孔9を塞ぎ、溶融樹脂の製品成形部
10への供給をストップする。
【0028】ノズル側金型3内に設けられている図示し
ない冷却機構により製品成形部10内の樹脂が冷却され
て固化し、このとき同時にクリアランス部19および溝
部21内に存在する樹脂も冷却されて固化する。固化し
た製品を金型から取り出すとき、図2に示す如く溝部2
1内で固化した樹脂と製品成形部10への境界部分23
で固化した樹脂との間には樹脂の肉厚に大きな差がある
ため、溝部21と製品成形部10との境界部分23から
製品が切り離されるようになる。従って、クリアランス
部19に残存する樹脂が製品側にバリとして付着するこ
とがない。
ない冷却機構により製品成形部10内の樹脂が冷却され
て固化し、このとき同時にクリアランス部19および溝
部21内に存在する樹脂も冷却されて固化する。固化し
た製品を金型から取り出すとき、図2に示す如く溝部2
1内で固化した樹脂と製品成形部10への境界部分23
で固化した樹脂との間には樹脂の肉厚に大きな差がある
ため、溝部21と製品成形部10との境界部分23から
製品が切り離されるようになる。従って、クリアランス
部19に残存する樹脂が製品側にバリとして付着するこ
とがない。
【0029】次に上記実施の形態の変形例に相当する他
の実施の形態について説明する。本実施の形態では図3
に示す如く、上記実施の形態の構造に加えて、バルブピ
ン13が下死点に位置するときに上記溝部21と対向す
る位置のゲート孔9の内面にも溝部25が形成されてい
る。本実施の形態では、該溝部25の形状および大きさ
はバルブピン13に形成された溝部21の形状および大
きさと同じであるが、両者の溝部21,25の形状およ
び大きさを変えることも可能である。但し、両溝部2
1,25の下端側の位置を揃えて、製品成形部10との
境界部分23に、両溝部21,25の深さより十分小さ
な寸法のクリアランスが形成されるようにする。
の実施の形態について説明する。本実施の形態では図3
に示す如く、上記実施の形態の構造に加えて、バルブピ
ン13が下死点に位置するときに上記溝部21と対向す
る位置のゲート孔9の内面にも溝部25が形成されてい
る。本実施の形態では、該溝部25の形状および大きさ
はバルブピン13に形成された溝部21の形状および大
きさと同じであるが、両者の溝部21,25の形状およ
び大きさを変えることも可能である。但し、両溝部2
1,25の下端側の位置を揃えて、製品成形部10との
境界部分23に、両溝部21,25の深さより十分小さ
な寸法のクリアランスが形成されるようにする。
【0030】このような実施の形態に係る発明では、溝
部21と溝部25とが合わさって溶融樹脂が溜まるため
の大きな空間を形成することができる。従って、溝部2
1と溝部25内の樹脂が冷却され固化したときには、溝
部21,25内で固化した樹脂と製品成形部10への境
界部分23で固化した樹脂との間に、更に大きな樹脂の
厚みの差が生じて、該境界部分23で製品が一層切り離
れやすくなる。
部21と溝部25とが合わさって溶融樹脂が溜まるため
の大きな空間を形成することができる。従って、溝部2
1と溝部25内の樹脂が冷却され固化したときには、溝
部21,25内で固化した樹脂と製品成形部10への境
界部分23で固化した樹脂との間に、更に大きな樹脂の
厚みの差が生じて、該境界部分23で製品が一層切り離
れやすくなる。
【0031】次に上記2つの実施の形態とは異なる形状
の製品を射出成形するための本発明の他のホットランナ
ー・バルブゲート金型の実施の形態について、図4〜図
6を参照しながら説明する。本実施の形態は、図10に
示すような形態の製品を射出成形するために、リング状
のゲート孔を備えるホットランナー・バルブゲート金型
31に関するものである。
の製品を射出成形するための本発明の他のホットランナ
ー・バルブゲート金型の実施の形態について、図4〜図
6を参照しながら説明する。本実施の形態は、図10に
示すような形態の製品を射出成形するために、リング状
のゲート孔を備えるホットランナー・バルブゲート金型
31に関するものである。
【0032】本実施の形態でもノズル側金型33がノズ
ル本体35を支持する構造を備えており、ノズル側金型
33にはゲート孔37が形成されている。ノズル本体3
5の中央には軸方向に延びる樹脂供給路39が形成さ
れ、その中心には同軸的にセンターピン41が固定して
設けられるとともに、該センターピン41の周囲に円筒
状のバルブピン43が設けられている。このバルブピン
43は前述した実施の形態同様、上下に往復動すること
ができる。
ル本体35を支持する構造を備えており、ノズル側金型
33にはゲート孔37が形成されている。ノズル本体3
5の中央には軸方向に延びる樹脂供給路39が形成さ
れ、その中心には同軸的にセンターピン41が固定して
設けられるとともに、該センターピン41の周囲に円筒
状のバルブピン43が設けられている。このバルブピン
43は前述した実施の形態同様、上下に往復動すること
ができる。
【0033】図4に示す如く、センターピン41の先端
45は環状のゲート孔37の中心へ該ゲート孔と同軸的
に延びており、該ゲート孔37は、該センターピン41
の先端45の外周面とノズル側金型33の内周面の下端
部分とによって規定されている。バルブピン43は往復
動することにより、このゲート孔37を開閉し、溶融し
た樹脂17の製品成形部47への射出充填を制御するこ
とができるようになっている。
45は環状のゲート孔37の中心へ該ゲート孔と同軸的
に延びており、該ゲート孔37は、該センターピン41
の先端45の外周面とノズル側金型33の内周面の下端
部分とによって規定されている。バルブピン43は往復
動することにより、このゲート孔37を開閉し、溶融し
た樹脂17の製品成形部47への射出充填を制御するこ
とができるようになっている。
【0034】図5に示す如く、バルブピン43が下死点
に位置するとき、バルブピン43とセンターピン41と
の間およびバルブピン43とノズル側金型33の内面と
の間には、それぞれバルブピン43の往復動を円滑にす
るためにクリアランス部51、52が形成されている。
このクリアランス部51,52は、図6に示されてい
る。
に位置するとき、バルブピン43とセンターピン41と
の間およびバルブピン43とノズル側金型33の内面と
の間には、それぞれバルブピン43の往復動を円滑にす
るためにクリアランス部51、52が形成されている。
このクリアランス部51,52は、図6に示されてい
る。
【0035】またセンターピン41の先端部分であって
製品成形部47の直上部には、本発明の特徴的な構成で
ある溝部53がセンターピン41の全円周に亘って形成
されている。更にバルブピン43の先端部分であって、
該バルブピン43が下死点に位置するときに製品成形部
47の直上部に位置する部分にも、溝部55が形成され
ている。これらの溝部53,55の深さはクリアランス
部51の寸法のほぼ2倍あり、また溝部53,55の断
面形状はいずれも三角形であるが、上述の実施形態の場
合同様、溝部53,55の大きさや形状は限定されな
い。
製品成形部47の直上部には、本発明の特徴的な構成で
ある溝部53がセンターピン41の全円周に亘って形成
されている。更にバルブピン43の先端部分であって、
該バルブピン43が下死点に位置するときに製品成形部
47の直上部に位置する部分にも、溝部55が形成され
ている。これらの溝部53,55の深さはクリアランス
部51の寸法のほぼ2倍あり、また溝部53,55の断
面形状はいずれも三角形であるが、上述の実施形態の場
合同様、溝部53,55の大きさや形状は限定されな
い。
【0036】次に本実施の形態に係る本願発明の作用に
ついて説明する。上述の実施の形態同様、射出成形時、
図4に示す状態で必要量の溶融樹脂が製品成形部47内
に射出されたところで、図5に示す如くバルブピン43
が下死点まで下降して、その先端45がゲート孔37を
塞ぎ、溶融樹脂の製品成形部47への供給がストップさ
れる。
ついて説明する。上述の実施の形態同様、射出成形時、
図4に示す状態で必要量の溶融樹脂が製品成形部47内
に射出されたところで、図5に示す如くバルブピン43
が下死点まで下降して、その先端45がゲート孔37を
塞ぎ、溶融樹脂の製品成形部47への供給がストップさ
れる。
【0037】その後、製品成形部47内の樹脂が冷却さ
れて固化し、同時にクリアランス部51、52および溝
部53、55内に存在する樹脂も冷却されて固化する。
固化した製品を金型から取り出すとき、図6に示す如く
センターピン41の溝部53内で固化した樹脂と製品成
形部47への境界部分57で固化した樹脂との間には樹
脂の厚みに大きな差ができる。同様にバルブピン43の
溝部55内で固化した樹脂と製品成形部47への境界部
分で固化した樹脂との間にも樹脂の厚みに大きな差がで
きる。従って、センターピン41の溝部53と製品成形
部47との境界部分57および、バルブピン43の溝部
55と製品成形部47との境界部分59において、製品
が切り離されるようになる。従って、クリアランス部5
1,52に残存する樹脂が製品側にバリとして付着して
くることがない。
れて固化し、同時にクリアランス部51、52および溝
部53、55内に存在する樹脂も冷却されて固化する。
固化した製品を金型から取り出すとき、図6に示す如く
センターピン41の溝部53内で固化した樹脂と製品成
形部47への境界部分57で固化した樹脂との間には樹
脂の厚みに大きな差ができる。同様にバルブピン43の
溝部55内で固化した樹脂と製品成形部47への境界部
分で固化した樹脂との間にも樹脂の厚みに大きな差がで
きる。従って、センターピン41の溝部53と製品成形
部47との境界部分57および、バルブピン43の溝部
55と製品成形部47との境界部分59において、製品
が切り離されるようになる。従って、クリアランス部5
1,52に残存する樹脂が製品側にバリとして付着して
くることがない。
【0038】次に上述した図4,図5に示す実施形態の
変形例に相当する実施形態について説明する。本実施の
形態では図7に示す如く、上記実施の形態の構造に加え
て、バルブピン43が下死点に位置するときに上記セン
ターピン41の溝部53と対向するバルブピン43の内
面および上記バルブピン43の溝部55と対向するノズ
ル側金型33の内面にも、それぞれ溝部61、63が形
成されている。このような変形例では、図3に示す実施
の形態の場合と同様に、溝部53と溝部61,および溝
部55と溝部63とがそれぞれ合わさって溶融樹脂が溜
まる大きな空間を形成することができる。従って、この
部分に溜まった樹脂が冷却され固化したときには、それ
ぞれ境界部分57,59で固化した樹脂との間に更に大
きな樹脂の肉厚の差が生じて、該境界部分57,59で
製品が一層切り離れやすくなる。
変形例に相当する実施形態について説明する。本実施の
形態では図7に示す如く、上記実施の形態の構造に加え
て、バルブピン43が下死点に位置するときに上記セン
ターピン41の溝部53と対向するバルブピン43の内
面および上記バルブピン43の溝部55と対向するノズ
ル側金型33の内面にも、それぞれ溝部61、63が形
成されている。このような変形例では、図3に示す実施
の形態の場合と同様に、溝部53と溝部61,および溝
部55と溝部63とがそれぞれ合わさって溶融樹脂が溜
まる大きな空間を形成することができる。従って、この
部分に溜まった樹脂が冷却され固化したときには、それ
ぞれ境界部分57,59で固化した樹脂との間に更に大
きな樹脂の肉厚の差が生じて、該境界部分57,59で
製品が一層切り離れやすくなる。
【0039】以上本発明の実施の形態について説明した
が、上記実施の形態における溝部はいずれもバルブピン
やセンターピンの全周囲に亘って溝部が連続的に形成さ
れている。しかし本発明では、溝部が部材の全周囲に亘
って連続的に形成されていることは必須の要件ではな
い。
が、上記実施の形態における溝部はいずれもバルブピン
やセンターピンの全周囲に亘って溝部が連続的に形成さ
れている。しかし本発明では、溝部が部材の全周囲に亘
って連続的に形成されていることは必須の要件ではな
い。
【0040】図8は、図4の実施の形態の変形例を示
し、この図は図4の実施の形態と基本的に同様な構造を
備えるホットランナー・バルブゲート金型において、セ
ンターピン41の軸方向に垂直な平面で、センターピン
41に形成された変形した溝部65を切断したときの断
面図を示す。本形態の溝部65はセンターピン41の円
周面に沿って断続的に形成されており、溝部65同士の
間は比較的狭くなっている。このように本発明では溝部
をセンターピン41やバルブピン13,43の全周囲に
形成する必要はなく、その一部にのみ溝部が形成されて
いる構成であっても、溝部が形成されていない場合に比
較して製品成形部との境界部分で切断されやすくなり、
バリの発生を防止するのに貢献することができる。
し、この図は図4の実施の形態と基本的に同様な構造を
備えるホットランナー・バルブゲート金型において、セ
ンターピン41の軸方向に垂直な平面で、センターピン
41に形成された変形した溝部65を切断したときの断
面図を示す。本形態の溝部65はセンターピン41の円
周面に沿って断続的に形成されており、溝部65同士の
間は比較的狭くなっている。このように本発明では溝部
をセンターピン41やバルブピン13,43の全周囲に
形成する必要はなく、その一部にのみ溝部が形成されて
いる構成であっても、溝部が形成されていない場合に比
較して製品成形部との境界部分で切断されやすくなり、
バリの発生を防止するのに貢献することができる。
【0041】
【発明の効果】本発明によれば、溶融樹脂を射出しバル
ブピンでゲート孔を閉鎖した後に、樹脂を冷却固化する
ことにより、バルブピンやセンターピンあるいはゲート
孔内面に形成された溝部に存在する樹脂が固化する。溝
部で固化した樹脂部分はクリアランス部分で固化した樹
脂部分より肉厚であるために、製品の離型時に、製品成
形部との境界部分、即ち溝部で固化した樹脂部分の直下
で樹脂が切断しやすくなる。従ってバリのない製品を得
ることができる。
ブピンでゲート孔を閉鎖した後に、樹脂を冷却固化する
ことにより、バルブピンやセンターピンあるいはゲート
孔内面に形成された溝部に存在する樹脂が固化する。溝
部で固化した樹脂部分はクリアランス部分で固化した樹
脂部分より肉厚であるために、製品の離型時に、製品成
形部との境界部分、即ち溝部で固化した樹脂部分の直下
で樹脂が切断しやすくなる。従ってバリのない製品を得
ることができる。
【図1】本発明のホットランナー・バルブゲート金型の
主要部分の一実施の形態を示す縦断面図である。
主要部分の一実施の形態を示す縦断面図である。
【図2】上記金型の構成部分であるノズル側金型とバル
ブピンとの位置関係を示す拡大断面図で、バルブピンに
溝部が形成された様子を示す。
ブピンとの位置関係を示す拡大断面図で、バルブピンに
溝部が形成された様子を示す。
【図3】上記金型の構成部分であるノズル側金型とバル
ブピンとの位置関係を示す拡大断面図で、バルブピンと
ノズル側金型の内面の両方に溝部が形成された様子を示
す。
ブピンとの位置関係を示す拡大断面図で、バルブピンと
ノズル側金型の内面の両方に溝部が形成された様子を示
す。
【図4】本発明のホットランナー・バルブゲート金型の
主要部分の他の実施の形態を示す縦断面図であり、バル
ブピンがゲート孔を閉鎖していない状態を示す。
主要部分の他の実施の形態を示す縦断面図であり、バル
ブピンがゲート孔を閉鎖していない状態を示す。
【図5】図4と同様の実施の形態を示す縦断面図であ
り、バルブピンがゲート孔を閉鎖している状態を示す。
り、バルブピンがゲート孔を閉鎖している状態を示す。
【図6】図4の実施の形態において、ノズル側金型とバ
ルブピンとセンターピンとの位置関係を示す拡大断面図
で、バルブピンの外面とセンターピンの表面に溝部が形
成された様子を示す。
ルブピンとセンターピンとの位置関係を示す拡大断面図
で、バルブピンの外面とセンターピンの表面に溝部が形
成された様子を示す。
【図7】図4の実施の形態の変形例において、ノズル側
金型とバルブピンとセンターピンとの位置関係を示す拡
大断面図で、バルブピンの外面及び内面とセンターピン
の表面とノズル側金型の内面にそれぞれ溝部が形成され
た様子を示す。
金型とバルブピンとセンターピンとの位置関係を示す拡
大断面図で、バルブピンの外面及び内面とセンターピン
の表面とノズル側金型の内面にそれぞれ溝部が形成され
た様子を示す。
【図8】図4の実施の形態の変形例において、センター
ピンの軸方向と垂直な方向でセンターピンの溝部を切断
した断面図であり、溝部がセンターピンの周囲に断続的
に形成されている様子を示す。
ピンの軸方向と垂直な方向でセンターピンの溝部を切断
した断面図であり、溝部がセンターピンの周囲に断続的
に形成されている様子を示す。
【図9】ゲート孔に隣接する部分がほぼ平坦な構成であ
る射出成形品を示し、併せて従来問題とされたバリの発
生状態を示す断面図である。
る射出成形品を示し、併せて従来問題とされたバリの発
生状態を示す断面図である。
【図10】ゲート孔に隣接する部分が環状の構成である
射出成形品を示し、併せて従来問題とされたバリの発生
状態を示す断面図である。
射出成形品を示し、併せて従来問題とされたバリの発生
状態を示す断面図である。
1、31 ホットランナー・バルブゲート金型 3、33 ノズル側金型 5、35 ノズル本体 7、11、39 樹脂供給路 9、37 ゲート孔 10、47 製品成形部 13、43 バルブピン 15 バルブピンの先端 17 溶融した樹脂 19、51,52 クリアランス部 21、25、53、55、61、63 溝部 23、57、59 境界部分 41 センターピン 45 センターピンの先端
Claims (9)
- 【請求項1】 製品成形部に開口するゲート孔を有する
ノズル側金型と、軸方向に移動して前記ゲート孔を開閉
するバルブピンを備えるノズル本体とを備え、溶融され
た樹脂を前記ゲート孔を介して前記製品成形部へ射出し
て樹脂成形品を形成するホットランナー・バルブゲート
金型において、 前記バルブピンの表面の少なくとも一部には、前記製品
成形部の直上部に、前記ゲート孔を規定する面と前記バ
ルブピンの表面との間のクリアランス寸法より実質的に
大きな深さを有する溝部が形成されていることを特徴と
するホットランナー・バルブゲート金型。 - 【請求項2】 請求項1において、前記ゲート孔を規定
する面の少なくとも一部には、前記バルブピンが下死点
にあるときに前記バルブピンの表面に形成された溝部と
対応する位置に、前記ゲート孔を規定する面と前記バル
ブピンの表面との間のクリアランス寸法より実質的に大
きな深さを有する溝部が形成されていることを特徴とす
るホットランナー・バルブゲート金型。 - 【請求項3】 製品成形部に開口するゲート孔を有する
ノズル側金型と、軸方向に移動して前記ゲート孔を開閉
するバルブピンを備えるノズル本体とを備え、溶融され
た樹脂を加圧して前記ゲート孔を介して前記製品成形部
へ射出して樹脂成形品を形成するホットランナー・バル
ブゲート金型において、 前記ゲート孔を規定する面の少なくとも一部には、前記
製品成形部の直上部に、前記ゲート孔を規定する面と前
記バルブピンの表面との間のクリアランス寸法より実質
的に大きな深さを有する溝部が形成されていることを特
徴とするホットランナー・バルブゲート金型。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、前記
ホットランナー・バルブゲート金型がセンターピンを更
に備え、該センターピンの一部の周囲に環状のゲート孔
が形成されるように前記センターピンが配置されてお
り、前記センターピンの表面のうち前記ゲート孔を規定
する面の少なくとも一部には、前記製品成形部の直上部
に、前記センターピンの表面と前記バルブピンの表面と
の間のクリアランス寸法より実質的に大きな深さを有す
る溝部が形成されていることを特徴とするホットランナ
ー・バルブゲート金型。 - 【請求項5】 請求項4において、前記バルブピンの内
面の少なくとも一部には、前記バルブピンが下死点にあ
るときに前記センターピンに形成された溝部と対応する
位置に、前記センターピンの表面と前記バルブピンの表
面との間のクリアランス寸法より実質的に大きな深さを
有する溝部が形成されていることを特徴とするホットラ
ンナー・バルブゲート金型。 - 【請求項6】 請求項1〜3および請求項5のいずれか
において、前記バルブピンに形成された溝部は、前記バ
ルブピンの周面に沿って連続的に形成されていることを
特徴とするホットランナー・バルブゲート金型。 - 【請求項7】 請求項4または5のいずれかにおいて、
前記センターピンの表面に形成された溝部は、前記セン
ターピンの周面に沿って連続的に形成されていることを
特徴とするホットランナー・バルブゲート金型。 - 【請求項8】 製品成形部に開口するゲート孔を有する
ノズル側金型と、軸方向に移動して前記ゲート孔を開閉
するバルブピンを備えるノズル本体とを備え、溶融され
た樹脂を前記ゲート孔を介して前記製品成形部へ射出し
て樹脂成形品を形成するホットランナー・バルブゲート
金型の使用におけるバリ発生防止方法であって、 溶融した樹脂を前記ゲート孔を介して製品成形部へ射出
する工程と、 前記バルブピンを移動して前記ゲート孔を閉鎖する工程
と、 前記溶融した樹脂を冷却固化させる工程とを備え、 前記樹脂の冷却固化工程において、前記バルブピンの表
面の少なくとも一部であって前記製品成形部の直上部
に、前記ゲート孔を規定する面と前記バルブピンの表面
との間のクリアランス寸法より実質的に大きな樹脂固化
部分を形成することにより、製品が該樹脂固化部分の直
下で切り離れ易いようにすることを特徴とするホットラ
ンナー・バルブゲート金型の使用におけるバリ発生防止
方法。 - 【請求項9】 製品成形部に開口するゲート孔を有する
ノズル側金型と、軸方向に移動して前記ゲート孔を開閉
するバルブピンを備えるノズル本体とを備え、溶融され
た樹脂を前記ゲート孔を介して前記製品成形部へ射出し
て樹脂成形品を形成するホットランナー・バルブゲート
金型の使用におけるバリ発生防止方法であって、 溶融した樹脂を前記ゲート孔を介して製品成形部へ射出
する工程と、 前記バルブピンを移動して前記ゲート孔を閉鎖する工程
と、 前記溶融した樹脂を冷却固化させる工程とを備え、 前記樹脂の冷却固化工程において、前記ゲート孔を規定
する面の少なくとも一部であって前記製品成形部の直上
部に、前記ゲート孔を規定する面と前記バルブピンの表
面との間のクリアランス寸法より実質的に大きな樹脂固
化部分を形成することにより、製品が該樹脂固化部分の
直下で切り離れ易いようにすることを特徴とするホット
ランナー・バルブゲート金型の使用におけるバリ発生防
止方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10297569A JP2000108164A (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | ホットランナー・バルブゲート金型並びに該金型の使用におけるバリ発生防止方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10297569A JP2000108164A (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | ホットランナー・バルブゲート金型並びに該金型の使用におけるバリ発生防止方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000108164A true JP2000108164A (ja) | 2000-04-18 |
Family
ID=17848258
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10297569A Pending JP2000108164A (ja) | 1998-10-06 | 1998-10-06 | ホットランナー・バルブゲート金型並びに該金型の使用におけるバリ発生防止方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000108164A (ja) |
-
1998
- 1998-10-06 JP JP10297569A patent/JP2000108164A/ja active Pending
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