JP2000107192A - 喉頭手術装置 - Google Patents

喉頭手術装置

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JP2000107192A
JP2000107192A JP10314196A JP31419698A JP2000107192A JP 2000107192 A JP2000107192 A JP 2000107192A JP 10314196 A JP10314196 A JP 10314196A JP 31419698 A JP31419698 A JP 31419698A JP 2000107192 A JP2000107192 A JP 2000107192A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】内視鏡と二本の喉頭鉗子を術者が一人で把持、
操作して容易に手術を行うことができる喉頭手術装置を
提供すること。 【解決手段】先側の半部が円弧状に90°程度湾曲して
形成された細長い硬性のロッド11の先端に先端作動部
12が設けられ、ロッド11の手元側端部に設けられた
操作部13からの遠隔操作により先端作動部12が動作
するようにした喉頭鉗子10のロッド11に沿って、先
端に観察窓と照明窓とが並設された内視鏡30の挿入部
31を取り付け、先端作動部12を臨む位置に観察窓と
照明窓を配置した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、内視鏡で観察し
ながら喉頭手術を行うことができるようにした喉頭手術
装置に関する。
【0002】
【従来の技術】人の喉頭部分に刺さった魚骨等の異物を
取り除く手術や、声帯ポリープの切除手術等を行う際に
喉頭鉗子類が広く用いられており、そのような手術は鉗
子とは別に挿入された内視鏡観察下に行われている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】例えば声帯ポリープの
切除手術を行う場合には、術者が右手に持った鉗子で声
帯の上部を押しながら、翻転したポリープを左手に持っ
た鉗子で掴んで切除を行う。したがって、手術の状態を
観察するための内視鏡の把持及び操作は助手が行ってい
る。異物除去手術の場合にもそのようなケースが少なく
ない。
【0004】しかし、助手がいない開業医等が手術を行
う場合には、鉗子操作と内視鏡の把持、操作を一人で行
うため、一回に一本の鉗子しか用いることができず、手
術に時間がかかって患者に苦痛を与えていた。
【0005】そこで本発明は、内視鏡と二本の喉頭鉗子
を術者が一人で把持、操作して容易に手術を行うことが
できる喉頭手術装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の喉頭手術装置は、先側の半部が円弧状に9
0°程度湾曲して形成された細長い硬性のロッドの先端
に先端作動部が設けられ、上記ロッドの手元側端部に設
けられた操作部からの遠隔操作により上記先端作動部が
動作するようにした喉頭鉗子の上記ロッドに沿って、先
端に観察窓と照明窓とが並設された内視鏡の挿入部を取
り付け、上記先端作動部を臨む位置に上記観察窓と照明
窓を配置したことを特徴とする。
【0007】なお、上記観察窓を通して得られた内視鏡
観察像が、イメージガイドファイバによって上記内視鏡
の手元側に伝達されてもよく、上記イメージガイドファ
イバにより伝達された内視鏡観察像を観察するための内
視鏡接眼部が、上記喉頭鉗子の操作部に斜め上方に向け
て取り付けられていてもよい。その場合、上記喉頭鉗子
の操作部に対する上記内視鏡接眼部の向きが可変に設け
られていてもよい。
【0008】また、上記観察窓を通して得られた内視鏡
観察像が、上記内視鏡挿入部の先端に内蔵された固体撮
像素子で電気信号に変換されて上記内視鏡の手元側に伝
達されるものであってもよい。
【0009】また、上記照明窓から被写体に照射される
照明光が、上記内視鏡挿入部内に挿通配置されたライト
ガイドファイバによって手元側から伝達されてもよく、
上記内視鏡が上記喉頭鉗子に対して着脱自在であっても
よい。
【0010】そして、上記内視鏡挿入部が挿通保持され
る挿入部保持環が、上記ロッドに突設されていてもよ
く、その場合、上記挿入部保持環の内視鏡挿入部が通る
部分がリング状に形成されていてもよい。
【0011】そして、上記挿入部保持環が上記内視鏡挿
入部と上記ロッドの双方に対して着脱自在であってもよ
く、その場合、上記挿入部保持環がバネ性のある材料で
形成されていて、自己の弾性によって上記ロッドに係止
されてもよい。
【0012】また、上記挿入部保持環が、上記内視鏡挿
入部と上記ロッドとを弾力的に締め付ける開放端を有す
る二つのリング状部が一体化された形状に形成されてい
てもよい。
【0013】また、上記ロッドに、長手方向に上記挿入
部保持環が移動するのを規制するための位置決め溝が形
成されていてもよく、上記内視鏡挿入部と上記ロッドの
少なくとも一方と上記挿入部保持環との係合部に回転止
めが形成されていてもよい。
【0014】なお、上記内視鏡挿入部が上記挿入部保持
環に固着されていてもよく、上記内視鏡挿入部が硬性で
あってもよい。また、上記内視鏡挿入部が可撓性を有し
ていてもよい。
【0015】そして、上記内視鏡挿入部の上記挿入部保
持環と係合する部分が金属によって外装されていてもよ
く、その場合、上記内視鏡挿入部の上記金属外装部が隣
接部分に対して凹凸なく設けられているとよい。また、
上記内視鏡挿入部が上記挿入部保持環に対して軸線方向
に進退可能に取り付けられていてもよい。
【0016】また、上記挿入部保持環が、上記喉頭鉗子
と上記内視鏡挿入部の双方の軸線周りに回転できるよう
に設けられていてもよく、その場合、上記挿入部保持環
が、上記喉頭鉗子と上記内視鏡挿入部の双方の軸線周り
に各々360°回転できるように設けられていてもよ
い。
【0017】その場合、上記喉頭鉗子の先端作動部が、
一対の鉗子片のうちの一方だけが開閉動作する片開き鉗
子であってもよく、さらに、上記喉頭鉗子の先端作動部
付近が上記ロッドに対して軸線周りに回転及び固定自在
に連結されていて、その部分に上記挿入部保持環が回転
できるように配置されていてもよい。
【0018】そして、軸線周りに回転不能な上記喉頭鉗
子のロッドにも上記挿入部保持環が回転可能に設けられ
ていてもよい。
【0019】
【発明の実施の形態】図面を参照して本発明の実施の形
態を説明する。図1は本発明の第1の実施の形態の喉頭
手術装置を示しており、患者の口から喉に挿入して喉頭
部分の手術を行うための喉頭鉗子10に、喉頭手術の状
態を観察するための内視鏡30が取り付けられて両者が
一体化されている。
【0020】図2と図3は、喉頭鉗子10の側面図と平
面図である。喉頭鉗子10のロッド11は剛体であり、
患者の口から挿入して先端を喉頭に位置させ易いよう
に、先側の半部が円弧状に90°程度湾曲して形成され
ている。
【0021】ロッド11の先端には、例えば側方に開閉
自在な一対の鋭匙状の鉗子片を有する先端作動部12が
設けられている。この先端作動部12は一対の鉗子片が
共に開閉動作する両開き式のものであるが、片開き式の
鉗子や回転式の鉗子或いは鉗子状メス等であってもよ
い。
【0022】ロッド11の手元側端部には、グリップ1
3aとピストルの引き金状の操作レバー13bとからな
る操作部13が形成されている。13cは、操作レバー
13bを待機位置に戻すための戻しバネである。
【0023】ロッド11は、半月状の断面の二つのロッ
ド(固定ロッド11aと可動ロッド11b)を重ね合わ
せて双方で円形断面になるように配置されており、固定
ロッド11aはグリップ13aと一体に形成され、可動
ロッド11bは操作レバー13bに連結されている。
【0024】このような構成により、待機状態において
は図3に示されるように先端作動部12の一対の鉗子片
が開いており、操作レバー13bをグリップ13a側に
引く操作を行うと、固定ロッド11aに対して可動ロッ
ド11bがスライドして先端作動部12の一対の鉗子片
が閉じられる。
【0025】ロッド11の中間部分と先端近傍部分に
は、内視鏡30の挿入部31を挿通保持するための挿入
部保持環20が取り付けられている。挿入部保持環20
は、図1におけるVI−VI断面を示す図6に示されるよう
に、8の字の中央部分が抜けた形状の閉じた環状体であ
る。
【0026】挿入部保持環20は、固定ロッド11aに
対して例えば銀ロー付け等によって固着されているが、
可動ロッド11bに対しては固着されておらず、可動ロ
ッド11bは挿入部保持環20内で軸線方向に自由にス
ライドすることができる。
【0027】図4と図5は、内視鏡30の側面図と平面
図である。内視鏡30の挿入部31は公知の可撓管によ
って外装されていて、あらゆる方向に自由に撓むことが
できる。挿入部31の外皮は、例えばポリウレタン樹脂
製チューブである。
【0028】挿入部31の先端に連結された先端部本体
32の先端面には、観察窓と照明窓が並んで配置されて
いて、先端部本体32の前方(軸線の延長線方向)の被
写体を照明して観察することができる。
【0029】先端部本体32内には、対物光学系が内蔵
されており、そこで結像された被写体の像は、挿入部3
1内に挿通されたイメージガイドファイババンドルによ
って挿入部31の手元側に伝達され、接眼部33を通し
て拡大して観察される。
【0030】挿入部31の手元側端部と接眼部33との
間に設けられた支持部34からは、ライトガイドケーブ
ル36が側方に突出している。照明用ライトガイドファ
イババンドルは、挿入部31内からライトガイドケーブ
ル36内の全長にわたって挿通配置されていて、その射
出端部は先端部本体32の照明窓部分にあり、入射端部
は、ライトガイドケーブル36の先端に取り付けられた
ライトガイドコネクタ37に位置している。
【0031】したがって、図示されていない外部光源装
置にライトガイドコネクタ37を接続することにより、
先端部本体32前方の被写体を照明することができる。
なお、ライトガイドファイババンドルの入射端部を支持
部34に配置して、そこに着脱自在に設けた豆電球等か
ら照明光を供給してもよい。その場合には、ライトガイ
ドケーブル36とライトガイドコネクタ37は不要であ
る。
【0032】支持部34には、喉頭鉗子10の操作部1
3に固定するネジを通すための長孔39が、挿入部31
の軸線の延長線上に、支持部34を横方向に貫通して穿
設されている。
【0033】図1に戻って、内視鏡30の挿入部31
は、喉頭鉗子10のロッド11に沿う状態に曲げて配置
されて二つの挿入部保持環20内に通されており、先端
部本体32は、挿入部保持環20に対して接着剤などに
よって固着されている。したがって、図6に示される部
材の中では、可動ロッド11bだけがスライド自在であ
って、固定ロッド11aと挿入部31とは挿入部保持環
20に対して固定されている。
【0034】先端部本体32は喉頭鉗子10の先端作動
部12のすぐ後方に位置していて、観察窓と照明窓が先
端作動部12を臨む位置にある。したがって、接眼部3
3においては、図7に示されるように、喉頭鉗子10の
先端作動部12が観察画面Aの中央付近にはっきりと観
察される。
【0035】内視鏡30の支持部34は、喉頭鉗子10
の操作部13にネジ止め固定された支持金具50に固定
されている。図8はその部分の平面図であり、長孔39
に通された二本の固定ネジ51によって支持部34が支
持金具50に固定されている。
【0036】このように構成された実施の形態の喉頭手
術装置によれば、喉頭鉗子10と内視鏡30とを一体的
に右手で保持し、その喉頭鉗子10で声帯上部を押しな
がら、翻転した声帯ポリープを左手に持った第二の喉頭
鉗子で掴んで切除する等、喉頭手術を内視鏡観察下に一
人で容易に行うことができる。なお、内視鏡30として
は、挿入部31を喉頭鉗子10のロッド11に沿う形状
に曲げて構成した硬性鏡を用いてもよい。
【0037】図9は、本発明の第2の実施の形態の喉頭
手術装置を示しており、内視鏡30として電子内視鏡を
用いたものである。即ち、先端部本体32内には対物光
学系による被写体の結像位置に固体撮像素子が配置され
ており、内視鏡観察像がそこで撮像されて電気信号に変
換される。
【0038】そして、挿入部31内に挿通配置された信
号ケーブルによって手元側に伝送された撮像信号が、ビ
デオプロセッサ41で処理されてテレビモニタ42に送
られ、内視鏡観察像がテレビモニタ42に表示される。
【0039】したがって、第2の実施の形態の喉頭手術
装置には、イメージガイドファイババンドルと接眼部は
設けられておらず、その他の構成は第1の実施の形態と
同様である。
【0040】図10は、本発明の第3の実施の形態の喉
頭手術装置を示しており、内視鏡30の挿入部31が挿
入部保持環20に固着されておらず、挿入部31が挿入
部保持環20内に緩く挿通された状態になっている。
【0041】したがって、VI−VI断面を示す図6におい
ては、挿入部保持環20は固定ロッド11aに対しての
み固着されていて、可動ロッド11bと挿入部31は各
々独立してスライドできる状態になっている。
【0042】支持金具50は、図11にXI−XI断面が示
されるように、喉頭鉗子10の操作部13にネジ止め固
定された支持腕52に対して、内視鏡30の支持部34
を保持する内視鏡保持枠54が、摘まみ付きネジ53に
よって締め付け固定されている。
【0043】内視鏡保持枠54は支持腕52をサンドイ
ッチ状に挟んだ状態になっており、摘まみ付きネジ53
がその両部材を貫通して裏側でナット55と螺合してい
る。したがって、摘まみ付きネジ53を緩めれば、支持
腕52と内視鏡保持枠54とを、摘まみ付きネジ53を
中心にして相対的に回転させることができる。
【0044】その結果、図12に示されるように、喉頭
鉗子10に対する接眼部33の取り付け角度を、喉頭鉗
子10の操作部13から遠ざかる斜め上向きの例えば5
°〜45°の範囲の任意の角度にセットすることがで
き、摘まみ付きネジ53を締め付けてその状態を固定す
ることができる。したがって、術者は、自分が行う手術
の状態に合わせて、接眼部33を最も覗きやすい向きで
使用することができる。
【0045】図10と図11に戻って、内視鏡保持枠5
4には内視鏡30の支持部34が緩く挿通されていて、
固定摘まみ58によって締め付け固定された状態になっ
ている。
【0046】固定摘まみ58は、内視鏡保持枠54にね
じ込み固着されたネジ環56に螺合している。57は、
固定摘まみ58がネジ環56から抜け出さないように、
ネジ環56に螺合させて取り付けられた抜け止め用ピン
である。
【0047】支持部34の側面には、挿入部31の軸線
の延長線方向に細長くて底の浅い長溝38が形成されて
いて、固定摘まみ58の先端側にねじ込み固着された係
止ピン59の先端がその長溝38に係合している。
【0048】したがって、固定摘まみ58を締め付けた
状態では、係止ピン59が長溝38の底面に押し付けら
れて支持部34が内視鏡保持枠54に固定された状態に
なるが、固定摘まみ58を緩めれば、係止ピン59が長
溝38内で移動できる範囲において、支持部34を内視
鏡保持枠54に対してスライドさせることができる。
【0049】このような構成により、固定摘まみ58を
緩めて支持部34を内視鏡保持枠54に対してスライド
させれば、それと共に挿入部31とその先端の先端部本
体32が矢印Bのごとく軸線方向に進退する。したがっ
て、先端部本体32の観察窓の位置を先端作動部12に
対して最も適切な距離になるように調整することがで
き、手術を症例の状態に合わせて楽に行うことができ
る。
【0050】また、この実施の形態の喉頭手術装置で
は、摘まみ付きネジ53を緩めて抜き取ることにより、
支持腕52と内視鏡保持枠54とを切り離して、内視鏡
30を喉頭鉗子10から取り外すことができる。
【0051】したがって、手術後には喉頭鉗子10と内
視鏡30とを各々適切に洗浄、消毒することができ、ま
た、いずれか一方が壊れたときはそれだけを交換するこ
とができると共に、一本の内視鏡30を各種の喉頭鉗子
10に対して任意に取り付けて使用することができる。
【0052】図13は、本発明の第4の実施の形態の喉
頭手術装置を示しており、喉頭鉗子10のロッド11に
内視鏡30の挿入部31が係止されている部分の構造だ
けが前述の第3の実施の形態と相違する。
【0053】この実施の形態の挿入部保持環120は、
バネ性を有する素材によって、図14に示されるよう
に、外方に開放端を有するC字状の断面形状の二つのリ
ングを背中合わせに一体化した断面形状に形成されてい
る。
【0054】挿入部保持環120の素材としては、例え
ばステンレス鋼等の金属材又は例えば四フッ化エチレン
樹脂やポリサルホン樹脂等のような耐熱性のあるプラス
チック材を用いることができる。121は、ロッド11
との回転止めとなる平面部である。
【0055】図15は、図13におけるXV−XV断面を示
している。挿入部保持環120の二つのC字状のリング
部分内にロッド11と挿入部31が嵌め込まれており、
挿入部保持環120側は内側から少し押し広げられた状
態になっている。
【0056】したがって、挿入部保持環120の二つの
C字状部分は自己の弾性によってロッド11と挿入部3
1とを締め付けた状態になっており、それによって挿入
部保持環120が挿入部31とロッド11の双方に対し
て固定されて、挿入部31がロッド11に係止されてい
る。
【0057】このような構成なので、挿入部保持環12
0は弾性変形させることによって挿入部31とロッド1
1の双方に対して着脱自在である。先端部本体32をロ
ッド11の先端近傍に取り付けているもう一つの挿入部
保持環120の部分も同様の構造になっている。
【0058】したがって、内視鏡30及び喉頭鉗子10
共に、単体で使用したい場合には、挿入部保持環120
が途中に突出していない状態で各々を安全に使用するこ
とができ、高い汎用性を有する。
【0059】可動ロッド11bには、挿入部保持環12
0がロッド11に取り付けられた時に挿入部保持環12
0の平面部121とぴったりと接触する平面溝15が、
図13のXV−XVにおけるロッド11だけの断面図である
図16に示されるように形成されており、その平面どう
しの接触によって、挿入部保持環120がロッド11の
軸線周りに回転しない回転止め規制がなされている。
【0060】図17は喉頭鉗子10を単体で示してお
り、平面溝15は、ロッド11の長手方向において挿入
部保持環120の長さに合わせて形成されている。した
がって、挿入部保持環120は平面溝15に嵌め込まれ
ることによってロッド11の長手方向への移動が規制さ
れ、平面溝15は、挿入部保持環120の回転止めだけ
でなく位置決めにもなっている。
【0061】図13及び図15に戻って、挿入部31の
中間部分の挿入部保持環120と係合する部分は、ステ
ンレス鋼等の金属製カラー35によって外装されてい
る。先端部本体32もステンレス鋼等の金属製である。
図18はその内視鏡30単体の状態を示しており、挿入
部31の金属表面部分には斜線を付してある。
【0062】その結果、挿入部31と挿入部保持環12
0との係脱を繰り返しても、挿入部31の表面が挿入部
保持環120によって傷つけられたり磨耗したりせず、
優れた耐久性を有することができる。
【0063】先端部本体32と金属製カラー35は、内
視鏡30を単体で使用する際に粘膜面等に引っ掛からな
いように、隣接する挿入部31の表面に対して大きな凹
凸のない寸法形状に形成されている。
【0064】なお、挿入部31とロッド11とに対して
係脱自在な挿入部保持環120は、必ずしもC字状のリ
ングを背中合わせに一体化した形状に形成する必要はな
く、例えば図19に示されるように、一端側と中間部分
が開放された8の字状等に形成してもよく、回転止め1
21,15を挿入部保持環120と金属製カラー35と
の間に設けてもよい。
【0065】また、第4の実施の形態においても、内視
鏡30を電子内視鏡にしてもよく、先端作動部12は両
開き式、片開き式、回転式の鉗子或いは鉗子状メス等ど
のような鉗子であってもよい。
【0066】図20は、本発明の第5の実施の形態の喉
頭手術装置を示しており、喉頭鉗子10として、ロッド
11の先端に連結された先端作動部12付近(先端取付
軸112)を軸線周りに回転させることができるいわゆ
る万能型喉頭鉗子が用いられている。
【0067】111は、手動の締め付けナットであり、
これを緩めれば先端取付軸112が360°自由に回転
し、締め付けナット111を締め付ければ先端取付軸1
12がロッド11に固定された状態になる。
【0068】万能型喉頭鉗子は、広く一般に用いられて
いるが、先端作動部12が、一対の鉗子片のうちの一方
だけ開閉動作する片開き鉗子である。そこで、先端取付
軸112に取り付けられた第1の挿入部保持環220
が、喉頭鉗子10の先端取付軸112及び内視鏡30の
先端部本体32の、双方の軸線周りに各々360°以上
回転できるように設けられている。
【0069】その他の部分は、操作レバー13の形状等
が相違するものの、前述の第4の実施の形態と同様であ
る。そこで、実質的に変わりのない部分には同じ符号を
付してその説明は省略し、二つの挿入部保持環220,
320の部分について以下に説明をする。
【0070】内視鏡30は図18に示されるものと同様
に、第2の挿入部保持環320が係合する挿入部31の
中間部分が金属製のカラー35によって外装され、第1
の挿入部保持環220が係合する先端部本体32も金属
製である。
【0071】第1の挿入部保持環220と第2の挿入部
保持環320は、ステンレス鋼又は四フッ化エチレン樹
脂やポリサルホン等のような耐熱性のよいプラスチック
材を材料として、A−A断面とB−B断面を示す図21
及び図22に示されるように、各々略U字状に形成され
ている。ただし他の形状でも差し支えない。
【0072】第1の挿入部保持環220及び第2の挿入
部保持環320共に、内面には内視鏡30の挿入部31
と喉頭鉗子10のロッド11とに係合する円弧状の二つ
の溝が並列に形成されている。
【0073】そして、第1の挿入部保持環220ではU
字状の開口部寄りの位置に喉頭鉗子10の先端取付軸1
12が嵌め込まれ、奥の位置に内視鏡30の先端部本体
32が嵌め込まれている。
【0074】また、第2の挿入部保持環320では、U
字状の開口部寄りの位置に内視鏡30のカラー35が嵌
め込まれ、奥の位置に喉頭鉗子10のロッド11が嵌め
込まれている。したがって、第1及び第2の挿入部保持
環220,320は共に、弾性変形させることにより喉
頭鉗子10と内視鏡30の双方に対して着脱自在であ
る。
【0075】なお、喉頭鉗子10を分離して示す図23
に示されるように、第1の挿入部保持環220と第2の
挿入部保持環320が係合する喉頭鉗子10側の部分Z
はその前後の部分より細い径の円周溝状に形成されてい
て、挿入部保持環220,320が軸線方向に移動でき
ないようになっている。また、挿入部保持環220,3
20の外表面は、先端取付軸112及びロッド11の外
表面とほぼ同面になっている。
【0076】第1の挿入部保持環220は、喉頭鉗子1
0の先端取付軸112と内視鏡30の先端部本体32を
各々弾力的に(バネ状に)押さえ付ける状態に取り付け
られている。したがって、第1の挿入部保持環220の
部分で内視鏡30と喉頭鉗子10との連結方向等が勝手
に変化することはない。
【0077】しかし、第1の挿入部保持環220は、手
で力を加えれば喉頭鉗子10の先端取付軸112及び内
視鏡30の先端部本体32の双方に対して回転可能なの
で、必要に応じて第1の挿入部保持環220を回転させ
ることにより、図24及び図25に示されるように、喉
頭鉗子10の先端取付軸112と内視鏡30の先端部本
体32との連結状態の位置関係を調整することができ、
第1の挿入部保持環220にさらに力を加えなければそ
の状態が維持される。
【0078】その結果、本実施の形態のように、喉頭鉗
子10として、片開きの先端作動部12が軸線周りに回
転自在な万能型喉頭鉗子が用いられる場合には、先端取
付軸112と先端部本体32との連結状態の位置関係を
調整することにより、図26ないし図29に示されるよ
うに、先端作動部12を内視鏡30の観察視野に任意の
方向から突出させて、その症例に最も適した状態にする
ことができる。
【0079】また、第2の挿入部保持環320も第1の
挿入部保持環220と同様に、喉頭鉗子10のロッド1
1と内視鏡30のカラー35を各々弾力的に押さえ付け
る状態で双方に対して回転可能に取り付けられており、
必要に応じて第2の挿入部保持環320を回転させるこ
とにより、喉頭鉗子10のロッド11と内視鏡30の挿
入部31との連結状態の位置関係を変えることができ
る。
【0080】したがって、例えば図30に示されるよう
に、喉頭鉗子10のロッド11と内視鏡30のカラー3
5との連結状態の向きを変えることにより、口腔内への
挿入が最も楽になる状態にセットすることができる。た
だし、第2の挿入部保持環320は喉頭鉗子10のロッ
ド11に対して回転不能に固定しても差し支えない。
【0081】
【発明の効果】本発明によれば、喉頭鉗子のロッドに沿
って、先端に観察窓と照明窓とが並設された内視鏡の挿
入部を取り付け、喉頭鉗子の先端作動部を臨む位置に内
視鏡の観察窓と照明窓を配置したことにより、術者が、
喉頭鉗子と内視鏡を片手で持つと同時に、もう一方の手
で第二の喉頭鉗子を持って、一人で内視鏡観察下に喉頭
手術を容易に行うことができる。
【0082】そして、内視鏡の挿入部を喉頭鉗子のロッ
ドに対して軸線方向に進退可能に取り付け、或いは喉頭
鉗子の操作部に対する内視鏡接眼部の向きを可変に設け
ることにより、術者は、自分が行う手術の状態に合わせ
た最も使用し易い状態に装置をセットして安全且つ短時
間で喉頭手術を行うことができる。
【0083】また、内視鏡を喉頭鉗子に対して着脱自在
に構成することにより、使用後には内視鏡と喉頭鉗子を
各々適切に洗浄、消毒することができ、いずれか一方が
壊れたときはそれだけを交換することができると共に、
一本の内視鏡を各種の喉頭鉗子に対して任意に取り付け
て使用することができて、非常に高い経済性を得ること
ができる。
【0084】また、内視鏡挿入部が挿通される挿入部保
持環を内視鏡挿入部とロッドの双方に対して着脱自在に
することにより、内視鏡及び喉頭鉗子共に、単体で使用
したい場合には挿入部保持環が途中に突出していない状
態で各々を安全に使用することができ、高い汎用性を有
する。
【0085】そして、内視鏡挿入部の挿入部保持環と係
合する部分を金属によって外装することにより、内視鏡
挿入部と挿入部保持環との係脱を繰り返しても、内視鏡
挿入部の表面が挿入部保持環によって傷つけられたり磨
耗したりせず、優れた耐久性を有することができる。
【0086】また、挿入部保持環を、喉頭鉗子と内視鏡
挿入部の双方の軸線周りに回転できるようにすることに
より、喉頭鉗子と内視鏡挿入部との連結状態の位置関係
を調整することができ、最も使い易い状態に容易にセッ
トすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の喉頭手術装置の側
面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態の喉頭鉗子の側面図
である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の喉頭鉗子の平面図
である。
【図4】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の側面図で
ある。
【図5】本発明の第1の実施の形態の内視鏡の平面図で
ある。
【図6】本発明の第1の実施の形態の図1(及び第2の
実施の形態の図10)におけるVI−VI断面図である。
【図7】本発明の第1の実施の形態の内視鏡観察像の略
示図である。
【図8】本発明の第1の実施の形態の喉頭手術装置の部
分平面図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態の喉頭手術装置の側
面図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態の喉頭手術装置の
側面図である。
【図11】本発明の第3の実施の形態の図10における
XI−XI断面図である。
【図12】本発明の第3の実施の形態の喉頭手術装置の
接眼部の向きを変えた状態の側面図である。
【図13】本発明の第4の実施の形態の喉頭手術装置の
側面図である。
【図14】本発明の第4の実施の形態の挿入部保持環の
正面断面図である。
【図15】本発明の第4の実施の形態の喉頭手術装置の
図13におけるXV−XV断面図である。
【図16】本発明の第4の実施の形態のロッドの図13
におけるXV−XV断面図である。
【図17】本発明の第4の実施の形態の喉頭鉗子の側面
図である。
【図18】本発明の第4の実施の形態の内視鏡の平面図
である。
【図19】本発明の第4の実施の形態の喉頭手術装置の
図13におけるXV−XV断面の変形例を示す断面図であ
る。
【図20】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
側面図である。
【図21】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
図20におけるA−A断面図である。
【図22】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
図20におけるB−B断面図である。
【図23】本発明の第5の実施の形態の喉頭鉗子の側面
図である。
【図24】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
異なる状態の側面図である。
【図25】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
さらに異なる状態の側面図である。
【図26】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
観察視野内に喉頭鉗子の先端作動部が観察される状態の
略示図である。
【図27】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
観察視野内に喉頭鉗子の先端作動部が観察される状態の
略示図である。
【図28】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
観察視野内に喉頭鉗子の先端作動部が観察される状態の
略示図である。
【図29】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
観察視野内に喉頭鉗子の先端作動部が観察される状態の
略示図である。
【図30】本発明の第5の実施の形態の喉頭手術装置の
異なる状態の側面図である。
【符号の説明】
10 喉頭鉗子 11 ロッド 12 先端作動部 13 操作部 15 平面溝(回転止め) 20,120,220,320 挿入部保持環 30 内視鏡 31 挿入部 32 先端部本体 33 接眼部 34 支持部 35 金属製カラー 50 支持金具 112 先端取付軸 121 平面部(回転止め)

Claims (25)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】先側の半部が円弧状に90°程度湾曲して
    形成された細長い硬性のロッドの先端に先端作動部が設
    けられ、上記ロッドの手元側端部に設けられた操作部か
    らの遠隔操作により上記先端作動部が動作するようにし
    た喉頭鉗子の上記ロッドに沿って、先端に観察窓と照明
    窓とが並設された内視鏡の挿入部を取り付け、上記先端
    作動部を臨む位置に上記観察窓と照明窓を配置したこと
    を特徴とする喉頭手術装置。
  2. 【請求項2】上記観察窓を通して得られた内視鏡観察像
    が、イメージガイドファイバによって上記内視鏡の手元
    側に伝達される請求項1記載の喉頭手術装置。
  3. 【請求項3】上記イメージガイドファイバにより伝達さ
    れた内視鏡観察像を観察するための内視鏡接眼部が、上
    記喉頭鉗子の操作部に斜め上方に向けて取り付けられて
    いる請求項2記載の喉頭手術装置。
  4. 【請求項4】上記喉頭鉗子の操作部に対する上記内視鏡
    接眼部の向きが可変に設けられている請求項3記載の喉
    頭手術装置。
  5. 【請求項5】上記観察窓を通して得られた内視鏡観察像
    が、上記内視鏡挿入部の先端に内蔵された固体撮像素子
    で電気信号に変換されて上記内視鏡の手元側に伝達され
    る請求項1記載の喉頭手術装置。
  6. 【請求項6】上記照明窓から被写体に照射される照明光
    が、上記内視鏡挿入部内に挿通配置されたライトガイド
    ファイバによって手元側から伝達される請求項1、2、
    3、4又は5記載の喉頭手術装置。
  7. 【請求項7】上記内視鏡が上記喉頭鉗子に対して着脱自
    在である請求項1、2、3、4、5又は6記載の喉頭手
    術装置。
  8. 【請求項8】上記内視鏡挿入部が挿通保持される挿入部
    保持環が、上記ロッドに突設されている請求項1ないし
    7のいずれかの項に記載の喉頭手術装置。
  9. 【請求項9】上記挿入部保持環の内視鏡挿入部が通る部
    分がリング状に形成されている請求項8記載の喉頭手術
    装置。
  10. 【請求項10】上記挿入部保持環が上記内視鏡挿入部と
    上記ロッドの双方に対して着脱自在である請求項8又は
    9記載の喉頭手術装置。
  11. 【請求項11】上記挿入部保持環がバネ性のある材料で
    形成されていて、自己の弾性によって上記ロッドに係止
    される請求項10記載の喉頭手術装置。
  12. 【請求項12】上記挿入部保持環が、上記内視鏡挿入部
    と上記ロッドとを弾力的に締め付ける開放端を有する二
    つのリング状部が一体化された形状に形成されている請
    求項11記載の喉頭手術装置。
  13. 【請求項13】上記ロッドに、長手方向に上記挿入部保
    持環が移動するのを規制するための位置決め溝が形成さ
    れている請求項10、11又は12記載の喉頭手術装
    置。
  14. 【請求項14】上記内視鏡挿入部と上記ロッドの少なく
    とも一方と上記挿入部保持環との係合部に回転止めが形
    成されている請求項10、11、12又は13記載の喉
    頭手術装置。
  15. 【請求項15】上記内視鏡挿入部が上記挿入部保持環に
    固着されている請求項8又は9記載の喉頭手術装置。
  16. 【請求項16】上記内視鏡挿入部が硬性である請求項1
    ないし15のいずれかの項に記載の喉頭手術装置。
  17. 【請求項17】上記内視鏡挿入部が可撓性を有している
    請求項1ないし15のいずれかの項に記載の喉頭手術装
    置。
  18. 【請求項18】上記内視鏡挿入部の上記挿入部保持環と
    係合する部分が金属によって外装されている請求項17
    記載の喉頭手術装置。
  19. 【請求項19】上記内視鏡挿入部の上記金属外装部が隣
    接部分に対して凹凸なく設けられている請求項17又は
    18記載の喉頭手術装置。
  20. 【請求項20】上記内視鏡挿入部が上記挿入部保持環に
    対して軸線方向に進退可能に取り付けられている請求項
    17、18又は19記載の喉頭手術装置。
  21. 【請求項21】上記挿入部保持環が、上記喉頭鉗子と上
    記内視鏡挿入部の双方の軸線周りに回転できるように設
    けられている請求項1ないし13のいずれかの項又は請
    求項17ないし19のいずれかの項に記載の喉頭手術装
    置。
  22. 【請求項22】上記挿入部保持環が、上記喉頭鉗子と上
    記内視鏡挿入部の双方の軸線周りに各々360°回転で
    きるように設けられている請求項21記載の喉頭手術装
    置。
  23. 【請求項23】上記喉頭鉗子の先端作動部が、一対の鉗
    子片のうちの一方だけが開閉動作する片開き鉗子である
    請求項21又は22記載の喉頭手術装置。
  24. 【請求項24】上記喉頭鉗子の先端作動部付近が上記ロ
    ッドに対して軸線周りに回転及び固定自在に連結されて
    いて、その部分に上記挿入部保持環が回転できるように
    配置されている請求項21、22又は23記載の喉頭手
    術装置。
  25. 【請求項25】軸線周りに回転不能な上記喉頭鉗子のロ
    ッドにも上記挿入部保持環が回転可能に設けられている
    請求項24記載の喉頭手術装置。
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