JP2000105317A

JP2000105317A - 反射体とそれを用いた反射型液晶表示装置

Info

Publication number: JP2000105317A
Application number: JP10277521A
Authority: JP
Inventors: Atsushi Sato; 敦佐藤; Manuel Murijomora Luis; ルイス・マヌエル・ムリジョ−モラ; Masaru Miyashita; 勝宮下
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 1998-09-30
Filing date: 1998-09-30
Publication date: 2000-04-11

Abstract

(57)【要約】【課題】ホログラムを反射層として使用する反射型液晶
表示装置において、反射回折する波長幅が広く回折効率
の高い光を、予め定められた方向（範囲）へ明るい表示
をするように制御が容易な構成とする。【解決手段】レリーフ型スペックル・パターンのレリー
フ面に反射性金属層を形成し、前記金属層上に角度選択
性を有する体積位相透過型ホログラムを配置した構成の
反射体を採用する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は反射型液晶表示装置
に関し、特に、観察条件に制約を受けず、従来より明る
い表示が可能な反射型液晶表示装置とそれに用いられる
ホログラム反射板に関する。

【０００２】

【従来の技術】液晶パネルの背面に反射層を有する構成
で、バックライトを要さず観察者側からの光（室内照明
や日光などの外光）によるパターン状の反射光を視覚す
るタイプの反射型液晶表示装置が公知であり、近年で
は、前記表示装置において、既存の金属反射層の代わり
に反射型ホログラムを反射層として使用することが試み
られている。反射型ホログラムを使用することにより、
視域や反射方向を特定することができ、金属反射層に比
べて、特定方向への明るい表示を図ることが可能とな
る。

【０００３】しかし、使用する反射型ホログラムが表面
レリーフ型ホログラムである場合には、回折効率を高く
することが難しく、さらには、ホログラムの色分散によ
り、観察する方向に応じて表示される色が変化して視覚
されるという問題がある。

【０００４】また、体積位相反射型ホログラムである場
合には、その波長選択性により反射回折する波長幅が狭
いことから、着色（白色や銀色ではない特定の色）した
反射光が視覚されたり、可視波長域に渡っての明るい表
示を実現することが難しいという問題がある。

【０００５】既存の散乱反射板に代えて、反射角度など
を制御できるように、ホログラムを採用することが試み
られている。

【０００６】ホログラムを反射板として用いた反射型液
晶表示装置に係る提案として、以下に例示されるものが
公知である。 (1) 特開昭５６−５１７７２号公報 (2) 特表平８−５０５７１６号公報 (3) 特開平９−１５２５８６号公報 (4) 特開平９−２２２５１２号公報 (5) 国際公開公報９６／３７８０５

【０００７】ホログラムには各種のタイプがあり、それ
に応じてホログラム反射板の特性も変化する。表面レリ
ーフ型ホログラムの場合には、回折効率を高くすること
が難しいため、明るい表示パターンを視覚することが難
しいと共に、ホログラムが持つ色分散のために、観察す
る方向に応じて視覚される色が変化してしまう。これ
は、上記の(1) が該当する。

【０００８】体積位相反射型ホログラムの場合には、そ
の波長選択性により反射回折される波長幅が狭く限定
（特定の色になる）され、可視波長域に渡っての明るい
表示パターンを視覚することが難しい。これは、上記の
(2)(3)が該当する。体積位相透過型ホログラムの場合に
は、可視波長域に渡っての明るい表示パターンを視覚す
ることが可能（当該技術分野における公知事項であり、
詳細な説明は省略する）であり、これは、上記の(4)(5)
が該当する。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、金属反射層
に代えてホログラムを反射層として使用する反射型液晶
表示装置において、反射回折する波長幅が広く回折効率
の高い光を、予め定められた方向（範囲）へ明るい表示
をするように制御が可能なホログラム反射板とそれを用
いた反射型液晶表示装置を提供することを目的とする。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明では、レリーフ型
スペックル・パターンのレリーフ面に反射性金属層を形
成してなる反射体（以後、スペックル反射体と称する）
前記金属層上に角度選択性を有する体積位相透過型ホロ
グラムを配置した構成の反射体を使用する。

【００１１】＜作用＞体積位相透過型ホログラムの背面
に反射層を配置した構成とすることにより、回折効率
（外光の反射率）が高く、回折する波長幅も広くするこ
とが可能であり（請求項１）、ホログラムレンズの集光
機能に応じた一定範囲内での明るい表示を可能とするこ
とも可能である。（請求項３）前記反射層として、スペックル反射体を採用することに
より、単純な反射層とは異なり、スペックル・パターン
の特性（スペックル形状）に応じて、拡散反射する方向
・範囲などの反射特性を任意に制御することができ（請
求項２）、反射体全体としては、スペックル反射体とホ
ログラムの光学特性（拡散反射特性・集光特性）に応じ
て、所定範囲内での明るい表示が可能となる。

【００１２】ここで、ホログラムが角度選択性を有する
体積位相透過型ホログラムであるため、入射光（または
反射層からの反射光）は、ホログラムによって透過回折
を受け、結果として入射光の正反射方向とは異なる方向
に反射光を出射することになり、ホログラム表面での照
り返しによる入射光の光源の像を意識せずに済み、視域
や反射方向を特定することができる。

【００１３】角度選択性とは、特定角度（方向）からの
入射光に対してのみ、特定角度（方向）への回折光を出
射するようなホログラムの光学特性であり、ホログラム
の撮影記録時の条件に応じて、上記の特定角度（方向）
は決定される。

【００１４】異なる複数種類のホログラムレンズが、
同一感光材料に多重記録されるか、重ね合わせにより
一体化されるか、同一感光材料にパターン状に領域分
割して記録されるか、とした構成とすることにより、反
射に寄与する入射光（外光）の方向に制約を受けること
が少なくなったり、または、観察者が視点を移動しても
反射光を十分に視覚できるなど、明るい反射光を視覚で
きる観察条件が増えることになる。（請求項５，６，
７）

【００１５】この場合、「異なる複数種類のホログラム
レンズ」としては、以下の２通りの意味が考えられる。 (1) 同一の再生照明光に対して、焦点位置が異なる複数
種類の回折光を発する。 (2) 異なる再生照明光に対して、同一の焦点位置に回折
光を発する。

【００１６】また、反射層とは反対側のホログラム表面
に偏光層を形成することで、偏光層がホログラムの保護
層として機能すると共に、液晶表示装置に組み込む場合
に、液晶パネルに必要な偏光層を兼ねることもできる。
（請求項８）

【００１７】

【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面を
用いて説明する。＜実施形態１＞図１は、本発明の反射体を用いた反射型
液晶表示装置を示す概略図である。反射体１は液晶パネ
ル２の背面に配置されており、同図に示すように、角度
選択性を有する体積位相透過型ホログラム６とレリーフ
型スペックル・パターンのレリーフ面に反射層８を形成
してなるスペックル反射体９とから構成される。同図で
は、光学特性（入・反射光の光路）を模式的に表すため
に、ホログラム６とスペックル反射体９とは離間させて
示しているが、両者が積層され一体化されていても構わ
なく、以降の説明においても同様である。

【００１８】液晶パネル２の前後には偏光フィルム３，
４がそれぞれ配置されている。照明光５が外部より液晶
表示装置に入射すると、まず１枚目の偏光フィルム３で
１方向の偏光成分の光だけが液晶パネル２に到達し、液
晶パネル２で表示パターンに応じて旋光された後、２枚
目の偏光フィルム４に達する。

【００１９】２枚目の偏光フィルム４を透過した光は反
射体１に入射するが、反射体１の液晶パネル２側は、角
度選択性を有する体積位相透過型ホログラム６であり、
その角度選択性（本実施形態では、入射時には回折しな
いように設計されている）により入射光はホログラム６
で回折せずにそのまま透過する。ホログラム６を透過し
た光７はホログラム６の背面にあるスペックル反射体９
で散乱反射する。このスペックル反射体９における散乱
反射は、スペックル反射体９がレリーフ型スペックル・
パターンのレリーフ面に反射層８を形成してなる構成で
あるため、そこに記録されているスペックルパターンに
応じて、反射光を所望の範囲に所望の形で散乱させる。
この散乱反射光は再びホログラム６に入射する入射光１
０となるが、最初の入射光７とは正負逆の入射角度でホ
ログラム６に入射するため、今度はホログラム６の持つ
角度選択性と合致して透過回折される。

【００２０】透過回折光は、偏光フィルム４，液晶パネ
ル２，偏光フィルム３を透過して、観察者の目１２にパ
ターン表示光１１として到達する。

【００２１】同図では、紙面に平行な方向での光の挙動
しか表現していないが、スペックル反射体９がレリーフ
型スペックル・パターンを記録したものであるため、パ
ターン表示光が所望の拡がりを持って散乱することにな
り、請求項２のように、スペックル・パターンの特性
（スペックル形状・サイズ）に応じて、拡散反射する方
向・範囲などの反射特性を任意に制御して、縦方向と横
方向で異なる散乱性を持たせた場合、紙面に平行な方向
のみならず紙面に垂直な方向でも、パターン表示光が明
るく視覚できる方向・範囲を制御できる。

【００２２】また、請求項３のように、ホログラム６が
ホログラムレンズである場合には、ホログラムレンズの
焦点位置Ｆを観察者の目１２近傍と設定することで、パ
ターン表示光を観察者の目１２中心にその周辺の所定範
囲に集める事が出来、さらに明るい表示を可能とする。

【００２３】＜実施形態２＞図２は、異なる２種類のホ
ログラムが、異なる２種類の干渉縞１３，１４からなる
体積位相透過型ホログラムとして、同一感光材料中に多
重記録された場合に係るホログラム６の一例を模式的に
示す説明図である。

【００２４】各ホログラム１３，１４は、撮影記録時の
物体光１５，１６が、図示しない同一の参照光と感光材
料で干渉することで記録される。

【００２５】ホログラム６を再生すると、記録時の参照
光と共役な入射光（外光）に対して、撮影記録時の物体
光の光路に相当する異なる２つの回折光が透過回折し、
上記したように、反射体からは異なる２方向へ反射光が
出射する。

【００２６】多重記録の他の例として、単独の物体光
を、複数方向からの参照光と感光材料で干渉させること
で、異なる２種類のホログラムが、異なる２種類の干渉
縞からなる体積位相透過型ホログラム１３，１４として
記録されたホログラム６を作製することも可能である。
（図示せず）

【００２７】上記ホログラム６を再生すると、記録時の
参照光と共役な複数方向からの入射光（外光）に対し
て、１つの回折光が透過回折し、上記したように、反射
体からは１つの方向に反射光が出射する。

【００２８】上記の何れの多重記録によっても、反射体
としては、明るい反射光を視覚できる観察条件が増える
ことになる。

【００２９】なお、異なる複数種類のホログラムの作製
方法として、多重記録に限らず、ホログラムの重ね合わ
せや、パターン状に領域分割した多重記録でも同様のこ
とが実現できる。

【００３０】本発明において採用される体積位相透過型
ホログラムは、図３に示す通常の２光束ホログラム撮影
光学系により、体積位相型ホログラム用感光材料２０を
用いて記録することができる。

【００３１】前記感光材料２０としては、重クロム酸ゼ
ラチンや銀塩感光材料、フォトポリマーなどが使用で
き、本発明では、ＡＧＦＡ社製ホログラム用銀塩感光材
料８Ｅ５６フィルムを用いた。

【００３２】光源であるレーザー１７は、アルゴンイオ
ンレーザー（波長；514.5 ｎｍ）を採用した。ホログラ
ムの撮影記録に用いる２光束のうち、点光源から拡がる
発散光１８を物体光とし、平行光１９を参照光として、
双方の入射角度を所望にずらして撮影記録することで体
積位相透過型ホログラムを得た。

【００３３】上記説明は、点光源の物体光によりホログ
ラムレンズを撮影・記録するものについてであるが、物
体光１８として所望サイズの散乱板等からの散乱光を用
いることで、散乱性を制御したホログラム散乱板とする
ことも可能である。

【００３４】本発明において採用される表面レリーフ型
スペックル・パターンのレリーフ面に反射層を形成して
なる反射体は図４に示す撮影光学系により、表面レリー
フ型ホログラム用感光材料（フォトレジスト）３０を用
いて記録することができる。光源であるレーザー１７
は、アルゴンイオンレーザー（波長；457.9 ｎｍ）を採
用した。

【００３５】図４において、すりガラス２７の前面にマ
スク板２６を貼り付けた散乱板２８にレーザー光２５を
照射し、そこから出射されるスペックルパターン２９を
記録した。このとき、マスク板２６の穴の大きさと形、
及び散乱板２８から感光材料３０までの距離を制御する
ことで、記録するスペックルの平均サイズと形を制御
し、これにより所望の散乱性を持たせることが可能とな
る。

【００３６】得られた表面レリーフ型のスペックルパタ
ーンから、その凸凹を金属金型に転写し、それを樹脂フ
ィルムに熱エンボスすることで所望の表面レリーフ型の
スペックルパターンを記録したフィルムを得た。このエ
ンボスしたフィルムにアルミニウムを蒸着し、所望の散
乱性を持つ反射体９を得た。尚、上記説明において蒸着
する金属はアルミニウムに限定するものではなく、銀，
ニッケル，金，銅，白金，高屈折率の誘電体（例えば酸
化チタン、酸化シリコン等）など高反射率を得られる物
質であれば効果作用は同じである。また、蒸着膜厚を変
化させることで半透明性を持たせることも可能である。
反射層の付与方法も、スパッタリングやコーティングな
ど反射薄膜をレリーフ面に形成できれば真空蒸着技術に
限定するものではない。

【００３７】

【発明の効果】反射型液晶表示装置において、金属反射
層に代えて表面レリーフ型のスペックルパターンを記録
した散乱反射体と体積透過型ホログラムとを用いること
により、明るい表示が可能な反射方向や集光範囲を制御
することが容易となる。

【００３８】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の反射体を用いた反射型液晶表示装置の
一実施形態について概略を示す説明図。

【図２】異なる複数種類のホログラムレンズが多重記録
されたホログラムの一例を示す説明図。

【図３】本発明の反射体に用いるホログラムの記録光学
系を示す説明図。

【図４】本発明の反射体に用いるスペックル・パターン
の記録光学系を示す説明図。

【符号の説明】

１…反射体２…液晶パネル３，４…偏光フィルム５…照明光６…体積透過型ホログラム７…ホログラムからの透過光８…反射層９…スペックル反射体 10…散乱反射光 11…パターン表示光 12…観察者の目 13，14…それぞれ異なるホログラム 15，16…ホログラムレンズの撮影記録時の物体光 17…アルゴンレーザー 18…物体光 19…参照光 20…体積型ホログラム用感光材料 21…ビームエキスパンダー 22…コリメーターレンズ 23…ビームスプリッター 24…ミラー 25…照明光 26…マスク板 27…すりガラス 28…散乱板 29…散乱光（スペックルパターン） 30…フォトレジスト

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続きＦターム(参考） 2H049 CA01 CA08 CA22 CA28 2H091 FA07Z FA14Z FA19Z FA31Z FB08 FD04 FD06 LA16

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】レリーフ型スペックル・パターンのレリー
フ面に反射性金属層を形成し、前記金属層上に角度選択
性を有する体積位相透過型ホログラムを配置した構成で
あることを特徴とする反射体。
【請求項２】レリーフ型スペックル・パターンとして、
記録されるスペックルの平均サイズが上下方向と左右方
向とで異なることを特徴とする請求項１記載の反射体。
【請求項３】体積位相透過型ホログラムが集光機能を持
つことを特徴とする請求項１または２に記載の反射体。
【請求項４】体積位相透過型ホログラムが拡散機能を持
つことを特徴とする請求項１または２に記載の反射体。
【請求項５】体積位相透過型ホログラムとして、異なる
複数種類の回折特性を持つホログラムが同一感光材料内
に多重記録されてなる構成であることを特徴とする請求
項１〜４の何れかに記載の反射体。
【請求項６】体積位相透過型ホログラムとして、異なる
複数種類の回折特性を持つホログラムが重ね合わされて
なる構成であることを特徴とする請求項１〜４の何れか
に記載の反射体。
【請求項７】体積位相透過型ホログラムとして、異なる
複数種類の回折特性を持つホログラムが同一感光材料内
にパターン状に領域分割されて記録された構成であるこ
とを特徴とする請求項１〜４の何れかに記載の反射体。
【請求項８】反射層と反対側の前記ホログラムの表面
に、偏光層を形成した構成であることを特徴とする請求
項１〜請求項７の何れかに記載の反射体。
【請求項９】請求項１〜請求項８の何れかに記載の反射
体を、液晶パネルの背面に配置してなる構成の反射型液
晶表示装置。