JP2002107543A

JP2002107543A - ホログラム反射板およびその反射板を用いた液晶表示装置

Info

Publication number: JP2002107543A
Application number: JP2000303231A
Authority: JP
Inventors: Takashi Mizobuchi; 隆溝渕
Original assignee: Toppan Printing Co Ltd
Current assignee: Toppan Inc
Priority date: 2000-10-03
Filing date: 2000-10-03
Publication date: 2002-04-10

Abstract

(57)【要約】【課題】周辺光による観察の際、周辺光を表示に一層有
効に利用し、明るい表示を可能とするホログラム反射板
とそれを用いた液晶表示装置を提供する。【解決手段】透過回折および反射回折の双方の機能機能
を有するホログラム層の背面に反射層を配置した構成の
ホログラム反射板を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明が属する技術分野】本発明は、液晶表示装置およ
びそれに用いられるホログラム反射板に関する。特に、
装置に内蔵された照明光源（バックライトやエッジライ
ト）を必要とせず、周辺光（室内灯や太陽光など）を照
明光として用いる反射型液晶表示装置にも、前記光源を
用いる液晶表示装置にも、双方のタイプに適用され、観
察条件に制約を受けず、従来よりも明るい表示が可能な
ホログラム反射板とそれを用いた液晶表示装置に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】反射型液晶表示装置は、液晶パネルの背
面（観察者と反対側）に周辺光を反射するための反射層
を有する構成であり、その反射層として、特表平８−５
０５７１６号公報に記載されるように、既存の金属反射
層の代わりに反射型ホログラムを使用することや、特許
第２８５４９８６号や特開平１０−１４２４２４号公報
に記載されるように、透過型ホログラムと金属反射層と
を組み合わせて反射層として使用することが提案されて
いる。また、金属反射層を半透過型とし、照明光源を補
助的に使用することにより、周辺光が全くない場合で
も、表示光を視覚できるようにする提案も公知である。

【０００３】反射層としてホログラムを使用することに
より、視域や反射方向を特定することができ、金属反射
層に比較して、特定方向への明るい表示を図ることが可
能となる。

【０００４】体積位相反射型ホログラムが使用される場
合には、その波長選択性により反射回折する波長幅が狭
いことから、着色（白色や銀色ではない特定の色）した
反射光が視覚されたり、可視波長域に渡っての明るい表
示を実現することが困難である。体積位相透過型ホログ
ラムが使用される場合には、ホログラムは波長選択性を
殆ど持たず、白色に近い表示光を実現できる。

【０００５】また、何れの場合でも、周辺光が少ない環
境（暗い場所・時間）で表示を観察しようとしても、ホ
ログラムへの入射光が少ないため、必然的に観察者に達
する表示光が低減する。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明は、ホログラム
反射板を使用する液晶表示装置において、周辺光による
観察の際、周辺光を表示に有効に利用する反射型液晶表
示装置として、明るい表示を可能とするホログラム反射
板とそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的と
する。また、周辺光が少ない環境でも、装置内からの照
明光を表示に有効に利用する液晶表示装置として、何れ
の場合でも、明るい表示を可能とするホログラム反射板
とそれを用いた液晶表示装置を提供することを目的とす
る。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明では、透過回折機
能および反射回折機能を有するホログラム層の背面に反
射層を配置した構成のホログラム反射板を採用する。

【０００８】＜作用＞ホログラムを用いることにより、
回折光の出射方向や範囲についての指向性と入射角度選
択性を持たせることが可能であるため、入射光（また
は、反射層からの反射光）は、ホログラムによる透過回
折および反射回折を受け、結果として、入射光の正反射
方向とは異なる方向に表示光を出射することになり、ホ
ログラム表面での照り返しによる入射光の光源の像を意
識せずに済み、視域や反射方向を特定することができ
る。

【０００９】透過回折機能および反射回折機能を有する
ホログラムの背面に反射層を配置した構成のホログラム
反射板では、何れか一方の回折機能を有するホログラム
だけの場合よりも、回折効率が高く明るい表示が可能で
ある。（請求項１）

【００１０】前記反射層として、半透過型の反射層を用
いると、装置内からの照明光をホログラム反射板に入射
させることができ、一層有効である。（請求項２）

【００１１】異なる複数種類のホログラムが、同一感光
材料に多重記録されるか、重ね合わせることにより一体
化した構成とすることにより、反射に寄与する入射光
（周辺光）の方向に制約を受けることが少なくなった
り、または、観察者が視点を移動しても反射光を十分に
視覚できるなど、明るい表示光を視覚できる観察条件が
増えることになる。（請求項３，４）

【００１２】ホログラム層を、エンボス成型によるレリ
ーフ型ホログラムにすることにより、経済的に大量生産
可能なホログラム反射板を提供できる。（請求項６）

【００１３】ホログラム層を構成するホログラムを「異
なる複数種類のホログラム」とすることにより、用途に
応じた光学特性の設計変更が可能である。（請求項７，
８）異なる複数種類のホログラムとしては、以下に例示
される。 (1) 同一の再生照明光に対して、異なる複数種類の回折
光を発する。 (2) 異なる再生照明光に対して、同一の方向や位置に回
折光を発する。 (3) 異なる再生照明光に対して、異なる複数種類の回折
光を発する。

【００１４】全体をフィルム状の形態にすることによ
り、ホログラム反射板を液晶表示装置に組み込む作業が
容易となる。（請求項９）

【００１５】反射層を配置していない側の前記ホログラ
ム層の表面に、偏光層を設けた構成とすることにより、
偏光層がホログラムの保護層として機能すると共に、液
晶表示装置に組み込んだ場合、液晶パネルに必要な偏光
層として機能する。（請求項１０）

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明を
詳細に説明する。＜実施形態１＞図１は、本発明の一実施例を示す説明図
であり、ホログラム反射板１を液晶パネルの背面に配置
した液晶表示装置の構成を概略的に示す説明図である。

【００１７】ホログラム反射板１は、液晶パネル３の背
面側から順に、偏光フィルム２、ホログラム層５、金属
反射層６が積層されて構成される。ここで、偏光フィル
ム２、ホログラム層５、金属反射層６を一体化するた
め、また、液晶パネルに一体化したホログラム反射層を
貼り合わせるため、各層の間には、粘着層（あるいは接
着層）を介して設けられ、密着一体化されている。

【００１８】図２は、ホログラム反射板を液晶パネルの
背面に配置してなる液晶表示装置に係る光学特性（入・
反射光の光路）に関する説明図である。ホログラム反射
板３０を構成する各層の間を、説明の便宜上、それぞれ
離間させた状態で示している。

【００１９】照明光３１（周辺光）は、図示の方向から
液晶表示装置に入射すると、まず１枚目の偏光フィルム
３２により、１方向の偏光成分の光だけが液晶パネル３
３に到達し、この液晶パネル３３で、表示パターンに応
じて旋光された後、２枚目の偏光フィルム３４に達す
る。

【００２０】２枚目の偏光フィルム３４を透過した光
は、ホログラム層３５に入射する。ホログラム層３５
は、同一材料からなるホログラム内に、透過回折機能お
よび反射回折機能を有しており、入射光は、反射回折機
能を有するホログラムの持つ入射角度選択性と合致する
（図示の入射角度で反射回折が生じるように設計されて
いる）ように設計されており、まず、ホログラムの持つ
波長選択性に合致した波長成分の反射回折光３６のみを
出射する。

【００２１】反射回折されなかった波長成分の光は、そ
のまま透過する。（同図の３７）ホログラム層を透過し
た光３７は、その背面にある金属反射層３８で反射さ
れ、再びホログラム層に入射する。再入射する光３９
は、最初の入射光とは正負逆の入射角度でホログラム層
３５に入射する。再入射する光３９は、透過回折機能を
有するホログラムの持つ入射角度選択性と合致する（図
示の入射角度で透過回折が生じるように設計されてい
る）ように設計されており、透過回折光４０として出射
する。

【００２２】反射回折光３６および透過回折光４０は、
予め液晶パネルで表示されるパターンの観察域と定めら
れた方向・範囲に回折光を出射し、再び偏光フィルタ、
液晶パネル、偏光フィルムを透過して、観察者４２の目
にパターン表示光４１として到達する。

【００２３】金属反射層３８に散乱反射面を持たせるこ
とにより、パターン表示光が拡がりを持つことになり、
パターン表示光を明るく視覚できる範囲を拡げることが
できるが、拡がりを持たせない場合には、金属反射層に
散乱反射面を持たせる必要はなく、鏡面であっても良
い。

【００２４】図３は、任意の方向からの周辺光に対し、
透過および反射の両方の回折機能を持つホログラム層を
作製する光学系の一例を示す説明図である。レーザー光
源１０から出射されたレーザービームをビームスプリッ
タ１１により２つに分ける。その一方のビームを別のビ
ームスプリッタ１３により、さらに２つに分ける。

【００２５】ビームスプリッタ１３により分けられた一
方を、入射角度選択性を持たせたい角度（同図のθ１
４）で入射する球面波や平面波である参照光１５とし
て、他方を、表示パターンの観察角度（同図のθ’１
６。回折光が出射する方向に相当する）で入射する球面
波や平面波である物体光１７として、その２つの光波の
干渉縞を感光材料２０に記録する。この工程で記録され
た干渉縞からなるホログラムは、透過回折機能を有する
ことになる。

【００２６】また、ビームスプリッタ１１により分けら
れたもう一方を、感光材料２０を介して、参照光１５
（同図のθ１４）に対して線対称となる方向の角度（同
図のθ１８）で入射する球面波や平面波である参照光１
９として、他方を、表示パターンの観察角度（同図の
θ’１６）に相当して入射する球面波や平面波である物
体光１７として、その２つの光波の干渉縞を感光材料２
０に記録する。この工程で記録された干渉縞からなるホ
ログラムは、反射回折機能を有することになる。

【００２７】露光記録された感光材料に現像漂白処理お
よび加熱処理を施すことで、入射角度選択性を持ち、か
つ、透過回折機能および回折機能を持つ体積位相型ホロ
グラムが作製される。

【００２８】体積位相型ホログラムを作製後、ラミネー
ト処理により図１に示した構成順に、粘着層、偏光板、
粘着層、ホログラム層、粘着層、金属反射層を積層する
ことにより、ホログラム反射体が作製される。

【００２９】多重記録の他例として、単独の物体光を、
複数方向からの参照光とホログラム用感光材料で干渉さ
せることで、異なる複数種類のホログラムが、異なる複
数種類の干渉縞からなる体積位相型ホログラムとして記
録されたホログラム層を作製することも可能である。

【００３０】上記の何れの露光記録によっても、ホログ
ラム反射板としては、明るい反射光を視覚できる観察条
件が増えることになる。

【００３１】＜具体例＞図３を用いて説明したホログラ
ムの露光記録方法により、入射角度選択性および透過回
折機能・反射回折機能を持つホログラムを露光記録し
た。感光材料としては、重クロム酸ゼラチンや銀塩感光
材料、フォトポリマーなどが使用でき、具体的には、ホ
ログラム用銀塩感光材料（商品名；８Ｅ５６ＡＧＦＡ
社製）を用いた。光源であるレーザーには、アルゴンイ
オンレーザー（波長；514.5 ｎｍ）を用いた。

【００３２】ホログラムの撮影記録に用いる２光束のう
ち、点光源から拡がる発散光を物体光とし、平行光を参
照光として、双方の入射角度を所望にずらして透過型ホ
ログラムと反射型ホログラムを多重露光記録することで
体積位相型ホログラムを得た。このホログラムの裏面ベ
ース側に、反射層としてアルミニウムを蒸着し、ホログ
ラム反射板とした。

【００３３】上記の説明は、２光束干渉によりホログラ
ムを多重露光記録する場合についてであるが、本発明は
それに限られるものではなく、種々の変更も可能であ
る。例えば、所望とするホログラムのみを２光束干渉に
より（１重）露光記録することで作製された別々のホロ
グラムを後工程で組み合わせることや、光学的干渉では
なく、機械的な描画やＥＢ描画装置などにより描画した
パターンを用いることや、作製された上記のパターンを
マスターとして、金属反射層と感光材料が塗布などによ
り密着された感光フィルムに、コンタクトコピー法によ
り複製する手法を併用するなど、その変更は、本発明の
主旨を逸脱しない範囲で自在である。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明により、金
属反射層に代えてホログラムを反射層として使用する反
射型液晶表示装置において、透過回折機能および反射回
折機能を持つホログラムを用いることにより、入射する
周辺光の利用効率を一層向上させ、明るい表示が可能な
方向や範囲を制御することが容易となる。

【００３５】

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明のホログラム反射板を液晶パネルの背面
に配置した液晶表示装置の構成を示す説明図。

【図２】本発明のホログラム反射板を液晶パネルの背面
に配置してなる液晶表示装置の一例に係る光学特性（入
・反射光の光路）に関する説明図。

【図３】図２におけるホログラム層３５を作製（多重露
光記録）する光学系の一例を示す説明図。

【符号の説明】

１…ホログラム反射板２…偏光板３…液晶パネル４…粘着層５…ホログラム層６…金属（半透過）反射層１０…レーザー光源１１、１３…ビームスプリッター１２…ミラー１４…ホログラム撮影時の参照光の角度１５…参照光１６…ホログラム撮影時の物体光の角度１７…物体光１８…ホログラム撮影時の参照光の角度１９…参照光２０…感光材料２１…スペイシャルフィルター２２…レンズ３０…ホログラム反射板３１…照明光３２，３４…偏光フィルム３３…液晶パネル３５…ホログラム層３６…反射回折光３７…ホログラム層からの透過光３８…金属反射層３９…金属反射層からの反射光４０…透過回折光４１…パターン表示光４２…観察者の目

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】透過回折機能および反射回折機能を有する
ホログラム層の背面に反射層を配置した構成であること
を特徴とするホログラム反射板。
【請求項２】前記反射層が、半透過型の反射層である請
求項１記載のホログラム反射板。
【請求項３】前記ホログラム層が、異なる複数種類のホ
ログラムを同一の感光材料中に多重記録してなることを
特徴とする請求項１または２に記載のホログラム反射
板。
【請求項４】前記ホログラム層が、それぞれ異なる複数
種類のホログラムが記録された別々のホログラムを重ね
合わせてなる構成であることを特徴とする請求項１また
は２に記載のホログラム反射板。
【請求項５】ホログラム層を構成するホログラムが、体
積位相型ホログラムである請求項１〜４の何れかに記載
のホログラム反射板。
【請求項６】ホログラム層を構成するホログラムが、レ
リーフ型ホログラムである請求項１〜４の何れかに記載
のホログラム反射板。
【請求項７】ホログラム層を構成する異なる種類のホロ
グラムが、体積位相透過型ホログラムと体積位相反射型
ホログラムであることを特徴とする請求項３または４に
記載のホログラム反射板。
【請求項８】ホログラム層を構成する異なる種類のホロ
グラムが、同一の照明光に対して、異なる回折光を再生
することを特徴とする請求項３または４に記載のホログ
ラム反射板。
【請求項９】ホログラム層と反射層とが一体化されたフ
ィルム状の構成であることを特徴とする請求項１〜８の
何れかに記載のホログラム反射板。
【請求項１０】反射層を配置していない側の前記ホログ
ラム層の表面に、偏光層を設けた構成であることを特徴
とする請求項１〜９の何れかに記載のホログラム反射
板。
【請求項１１】請求項１〜１０の何れかに記載のホログ
ラム反射板を、液晶パネルの背面に配置した構成である
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項１２】ホログラム反射板の背面側から、表示用
の照明光が照射される構成であることを特徴とする請求
項１１記載の液晶表示装置。