JP2000104910A - 合成樹脂類の炉燃料への加工処理方法及び炉への燃料吹込み方法 - Google Patents

合成樹脂類の炉燃料への加工処理方法及び炉への燃料吹込み方法

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JP2000104910A JP11317104A JP31710499A JP2000104910A JP 2000104910 A JP2000104910 A JP 2000104910A JP 11317104 A JP11317104 A JP 11317104A JP 31710499 A JP31710499 A JP 31710499A JP 2000104910 A JP2000104910 A JP 2000104910A
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  • Solid Fuels And Fuel-Associated Substances (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄物たるプラスチック等の合成樹脂類を、
その形態等に拘りなく高炉等の炉の吹込み燃料に加工処
理すること 【解決手段】 合成樹脂類を加工処理設備において炉燃
料に加工処理するための方法であって、フィルム状合成
樹脂材を主体とする合成樹脂類を、熱により溶融または
半溶融化させた後固化させることにより、減容固化され
且つ嵩密度0.30以上、安息角40°以下の粒状合成
樹脂材に加工することを特徴とし、また、塊状合成樹脂
材を主体とする合成樹脂類を、破砕処理することにより
嵩密度0.30以上、安息角40°以下の粒状合成樹脂
材に加工することを他の特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック等の
合成樹脂類を高炉やスクラップ溶解炉等の炉の吹込み燃
料として使用する際の、合成樹脂類の処理及び供給方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、産業廃棄物や一般廃棄物としてプ
ラスチック等の合成樹脂類が急増しており、その処理が
大きな問題となっている。なかでも高分子系の炭化水素
化合物であるプラスチックは燃焼時に発生する熱量が高
く、焼却処理した場合に焼却炉を傷めるために大量処理
が困難であり、その多くがごみ埋立地等に投棄されてい
るのが現状である。しかし、プラスチック等の投棄は環
境対策上好ましくなく、その大量処理方法の開発が切望
されている。
【0003】このような背景の下、プラスチック等の合
成樹脂類を高炉等の補助燃料として用いる方法が、欧州
特許公開公報第0622465A1号及び特公昭51−
33493号公報に示されている。これらの方法は、合
成樹脂の粉砕物を羽口等から高炉内に燃料として吹き込
むもので、例えば前者においては、炉内に吹き込まれる
合成樹脂粉砕物の実質的な条件として、粒径1〜10m
m、嵩密度0.35以上という条件が示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、本発明
者らが実験と検討を重ねた結果、プラスチック等の合成
樹脂類(以下、「プラスチック」を例に説明する)を高
炉等の吹込み燃料として使用する場合、次のような解決
すべき問題点があることが明らかとなった。
【0005】産業廃棄物や一般廃棄物として廃棄される
プラスチックを形態別に見た場合、概ね板材等の塊状プ
ラスチックとフィルム状プラスチックとに大別され、こ
のうち後者のフィルム状プラスチックも廃棄プラスチッ
ク全体の中で相当量を占めている。しかし、フィルム状
プラスチックの粉砕物は搬送性や流動性が極めて悪く、
燃料として用いる際の取扱い性に大きな問題があること
が判明した。すなわち、プラスチックを燃料として高炉
に吹き込む場合、貯留サイロ等に貯留されたプラスチッ
クを切り出して高炉に気送供給する方法が採られるが、
フィルム状プラスチックは流動性が極めて悪いため、こ
れを相当量含んだプラスチックの粉砕物は貯留サイロで
ブリッジ(棚つり)を生じやすく、このため貯留サイロ
からのプラスチック粉砕物の定量切り出しができなくな
るトラブルが多発し、さらにフィルム状プラスチックが
貯留サイロの切出部や気送管内(特に、曲管部やバルブ
周辺)で詰まりを生じ、高炉への気送供給が不能になる
などのトラブルも多発する、という重大な問題があるこ
とが判明した。
【0006】したがって、このような問題を解決しない
限りフィルム状プラスチックを高炉等の吹込み燃料とし
て使用することは事実上不可能であり、さらにはフィル
ム状プラスチックが廃棄プラスチック全体の中で相当の
割合を占める状況を考慮すると、フィルム状プラスチッ
クの利用を可能としない限り、廃棄物たるプラスチック
の大量処理と有効利用というメリットが失われることは
明らかである。
【0007】また、高炉に燃料としてプラスチックを吹
き込むためには、燃焼性等を確保するため粉砕処理した
プラスチックを用いる必要があるが、処理コストの面か
ら粉砕できる粒径には限度があり、このため従来技術に
示されるように粒径1〜10mm程度が細粒化の限界と
なる。しかし、塊状プラスチックを粉砕処理したものは
不規則で角ばった形状をしているため、1〜10mm程
度の粒径のものでは貯留サイロから切り出す際の排出性
や高炉に気送する際の流動性、搬送性が悪く、サイロの
切出部や気送管系の途中で詰りを生じ易いという問題も
あることが判明した。したがって、従来技術で提案され
ているように単にプラスチックを1〜10mm程度の粒
径に粉砕して崇密度の高い粒状体に加工し、これを高炉
に吹き込むということだけでは、廃棄物たるプラスチッ
クを工業規模で高炉等の吹込み燃料として利用すること
は極めて難しい。
【0008】本発明はこのような従来技術の問題を解決
し、廃棄物たるプラスチック等の合成樹脂類を、その形
態等に拘りなく高炉やスクラップ溶解炉等の炉の吹込み
燃料に加工処理し、さらには炉に吹込み燃料として供給
することができる合成樹脂類の加工処理方法及び燃料吹
込み方法を提供することをその目的とする。また本発明
の他の目的は、炉に供給される合成樹脂類の搬送性や燃
焼性を効果的に高めることができる合成樹脂類の加工処
理方法及び燃料吹込み方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】このような課題を達成す
るための本願発明の構成は以下の通りである。 [1] 合成樹脂類を加工処理設備において炉燃料に加工
処理するための方法であって、フィルム状合成樹脂材を
主体とする合成樹脂類を、熱により溶融または半溶融化
させた後固化させることにより、減容固化され且つ嵩密
度0.30以上、安息角40°以下の粒状合成樹脂材に
加工することを特徴とする合成樹脂類の炉燃料への加工
処理方法。
【0010】[2] 上記[1]の加工処理方法において、フ
ィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒状合成
樹脂材に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類を加
熱して溶融させた後冷却して固化させる工程と、該固化
した合成樹脂材を裁断または粉砕処理することにより粒
状合成樹脂材を得る工程とからなることを特徴とする合
成樹脂類の炉燃料への加工処理方法。
【0011】[3] 上記[1]の加工処理方法において、フ
ィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒状合成
樹脂材に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類を裁
断または破砕する工程と、該裁断または破砕された合成
樹脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱
により半溶融化させる工程と、半溶融化した合成樹脂材
を急冷することにより粒状に収縮固化させて粒状合成樹
脂材を得る工程とからなることを特徴とする合成樹脂類
の炉燃料への加工処理方法。
【0012】[4] 上記[1]の加工処理方法において、フ
ィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒状合成
樹脂材に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類を裁
断または破砕する工程と、該裁断または破砕された合成
樹脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱
により半溶融化させる工程と、半溶融化した合成樹脂材
を急冷することにより収縮固化させる工程と、該収縮固
化した合成樹脂材を粉砕処理して粒状合成樹脂材を得る
工程とからなることを特徴とする合成樹脂類の炉燃料へ
の加工処理方法。
【0013】[5] 上記[1]の加工処理方法において、フ
ィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒状合成
樹脂材に加工する工程では、合成樹脂類を高速回転する
回転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断または破
砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次い
でこの半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより粒
状に収縮固化させて粒状合成樹脂材を得ることを特徴と
する合成樹脂類の炉燃料への加工処理方法。
【0014】[6] 上記[1]の加工処理方法において、フ
ィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒状合成
樹脂材に加工する工程では、合成樹脂類を高速回転する
回転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断または破
砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次い
でこの半溶融化した合成樹脂材を急冷することにより収
縮固化させるとともに、その収縮固化と同時に前記回転
刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂材を得ることを特徴
とする合成樹脂類の炉燃料への加工処理方法。
【0015】[7] 合成樹脂類を加工処理設備において
炉燃料に加工処理するための方法であって、塊状合成樹
脂材を主体とする合成樹脂類を、粉砕処理することによ
り嵩密度0.30以上、安息角40°以下の粒状合成樹
脂材に加工することを特徴とする合成樹脂類の炉燃料へ
の加工処理方法。
【0016】[8] 合成樹脂類を加工処理設備において
加工処理した後、燃料として炉に気送供給し炉内に吹込
むための方法であって、フィルム状合成樹脂材を主体と
する合成樹脂類を、熱により溶融または半溶融化させた
後固化させることにより、減容固化され且つ嵩密度0.
30以上、安息角40°以下の粒状合成樹脂材に加工す
る工程と、該粒状合成樹脂材を炉に気送し、炉内に吹き
込む工程とからなることを特徴とする炉への燃料吹込み
方法。
【0017】[9] 上記[8]の燃料吹込み方法において、
フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒状合
成樹脂材に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂類を
加熱して溶融させた後冷却して固化させる工程と、該固
化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理することにより
粒状合成樹脂材を得る工程とからなることを特徴とする
炉への燃料吹込み方法。
【0018】[10] 上記[8]の燃料吹込み方法におい
て、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒
状合成樹脂材に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂
類を裁断または破砕する工程と、該裁断または破砕され
た合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による
摩擦熱により半溶融化させる工程と、半溶融化した合成
樹脂材を急冷することにより粒状に収縮固化させて粒状
合成樹脂材を得る工程とからなることを特徴とする炉へ
の燃料吹込み方法。
【0019】[11] 上記[8]の燃料吹込み方法におい
て、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒
状合成樹脂材に加工する工程が、少なくとも、合成樹脂
類を裁断または破砕する工程と、該裁断または破砕され
た合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断または破砕による
摩擦熱により半溶融化させる工程と、半溶融化した合成
樹脂材を急冷することにより収縮固化させる工程と、該
収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒状合成樹脂材
を得る工程とからなることを特徴とする炉への燃料吹込
み方法。
【0020】[12] 上記[8]の燃料吹込み方法におい
て、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒
状合成樹脂材に加工する工程では、合成樹脂類を高速回
転する回転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断ま
たは破砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化さ
せ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を急冷すること
により粒状に収縮固化させて粒状合成樹脂材を得ること
を特徴とする炉への燃料吹込み方法。
【0021】[13] 上記[8]の燃料吹込み方法におい
て、フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粒
状合成樹脂材に加工する工程では、合成樹脂類を高速回
転する回転刃で裁断または破砕するとともに、該裁断ま
たは破砕による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化さ
せ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を急冷すること
により収縮固化させるとともに、その収縮固化と同時に
前記回転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂材を得るこ
とを特徴とする炉への燃料吹込み方法。
【0022】[14] 合成樹脂類を加工処理設備において
加工処理した後、燃料として炉に気送供給し炉内に吹込
むための方法であって、塊状合成樹脂材を主体とする合
成樹脂類を粉砕処理することにより嵩密度0.30以
上、安息角40°以下の粒状合成樹脂材に加工する工程
と、該粒状合成樹脂材を炉に気送し、炉内に吹き込む工
程とからなることを特徴とする炉への燃料吹込み方法。
【0023】本発明法は高炉やスクラップ溶解炉に限ら
ず、合成樹脂類を燃料として使用し得るあらゆる種類の
炉に適用することができる。なお、高炉やスクラップ溶
解炉等の溶解炉に合成樹脂材を吹き込んだ場合、合成樹
脂材は鉄源の還元剤としても機能するが、本発明法は合
成樹脂材がこのように機能することを妨げず、また、合
成樹脂材を炉に吹き込む主たる目的が純然たる燃料とし
てであるか、或いは鉄源の還元剤としてであるかを問わ
ない。
【0024】
【発明の実施の形態】本発明は、廃棄合成樹脂類中にお
けるフィルム状合成樹脂材の存在が合成樹脂類の炉燃料
としての利用を事実上不可能にしているという上記知見
に鑑み、特にフィルム状合成樹脂材については、これを
特定の方法で加工した場合に流動性、搬送性及び燃焼性
に極めて優れた粒状合成樹脂材が得られることを知見
し、さらに、特に粒状合成樹脂材の貯留サイロからの排
出性や気送管内での搬送性を高度に確保する観点から
は、粒状合成樹脂材の安息角を特定の数値範囲にするこ
とが不可欠であることを見出し、これら知見に基づき構
成された合成樹脂類の加工処理方法及び燃料吹込み方法
を特徴としている。
【0025】図1は本発明の加工処理方法及び燃料吹込
み方法の一実施形態を示すフローチャートであり、以下
このフローチャートに基づいて本発明を説明する。本実
施形態では燃料に供すべき合成樹脂類を、フィルム状合
成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)とそれ以外(すな
わち、塊状合成樹脂材が主体)の合成樹脂類(B)とに分
別された状態で加工処理設備に受け入れる。ここで、合
成樹脂類(A)には、フィルム状合成樹脂材のほかに流動
性や搬送性に難がある他の形態の合成樹脂材、例えば発
泡プラスチック等を含ませることができる。
【0026】また、フィルム状合成樹脂材に特別な制限
はないが、本発明者らが実験により確認したところによ
れば、厚さが100μm以下の合成樹脂フィルムが特に
流動性や搬送性に劣ることから、分別可能な限度におい
て厚さ100μm以下の合成樹脂フィルムについては合
成樹脂類(A)に分別することが好ましい。但し、必ずし
もこのような分別基準に限定されないことは言うまでも
なく、また、ポリエチレンフィルム等のような極薄材の
他に、所謂ペットボトル等に利用されているような比較
的厚手の合成樹脂類も合成樹脂類(A)に含ませることが
できる。また、合成樹脂類(A)に分別するか否かは、厚
さ以外にも、合成樹脂類の成分組成、材質(例えば、複
合材として合成樹脂類以外のものが含まれている場合
と、そうでない場合等)、形態等の要素に応じて決めら
れる。一方、合成樹脂類(B)としては、板材等の塊状合
成樹脂材が主体となるが、勿論これに限定されるもので
はない。
【0027】要は、収集された合成樹脂類の流動性や搬
送性等を考慮し、少なくともポリエチレンフィルムのよ
うに破砕処理したままでは流動性や搬送性が極端に劣る
ものは合成樹脂類(A)に分別し、それよりも流動性や搬
送性が良好な塊状プラスチックのようなものは合成樹脂
類(B)に分別し、それ以外のものは流動性や搬送性等を
考慮して合成樹脂類(A)、(B)のいずれかに分別すれば
よい。
【0028】なお、燃料化システム全体として見た場
合、燃料として供給すべき合成樹脂類のうちのフィルム
状合成樹脂材の総てを合成樹脂類(A)に、また塊状合成
樹脂材の総てを合成樹脂類(B)にそれぞれ厳密に分別
する必要は必ずしもなく、また、廃棄物という性質を考
慮すればそのような厳密な分別は実際上も困難である。
したがって、合成樹脂類(A)に塊状合成樹脂材等が、ま
た合成樹脂類(B)にフィルム状合成樹脂材等がある程
度含まれることは許容される。
【0029】図1において、Xがフィルム状合成樹脂材
を主体とする合成樹脂類(A)の加工処理ラインを、また
Yが塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(B)の加
工処理ラインをそれぞれ示しており、加工処理ラインX
では合成樹脂類(A)を熱により溶融または半溶融化させ
た後固化させることにより減容固化(減容=容積減少)
された粒状合成樹脂材(a)に加工し、一方、加工処理ラ
インYでは合成樹脂類(B)を粉砕処理して粒状合成樹脂
材(b)に加工する。
【0030】加工処理ラインXでは、合成樹脂類(A)は
必要に応じて破砕機1において破砕(または粗破砕)さ
れた後、コンベア搬送等により粒状固化装置2に装入さ
れ、ここで減容固化された粒状合成樹脂材(a)に加工さ
れる。また、上記コンベア搬送の途中で磁選機4(磁石
により鉄屑等を吸着して、これを除去する装置)により
合成樹脂類に混入している鉄屑の除去が行われる。な
お、合成樹脂類(A)が後述する粒状固化装置2で破砕処
理される場合には、上記破砕機1による破砕処理は必ず
しも必要ではなく、したがってその場合には破砕機1は
設けなくてもよい。
【0031】前記粒状固化装置2では、例えば以下の
〜の何れかの方法で合成樹脂類(A)の減容固化−粒状
化処理が行われ、粒状合成樹脂材(a)が得られる。 合成樹脂類(A)を加熱して溶融させた後冷却して固
化させ、この固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処理
する方法 合成樹脂類(A)を裁断または破砕し(この裁断また
は破砕は、粒状固化装置内ではなく上記破砕機1で行っ
てもよい)、この裁断または破砕された合成樹脂材を加
熱若しくは前記裁断または破砕による摩擦熱により半溶
融化させ、半溶融化した合成樹脂材を急冷することによ
り収縮固化させ、この際粒状に収縮固化させるか若しく
は収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒状合成樹脂
材(a)を得る方法
【0032】 上記の方法の一態様として、合成樹
脂類(A)を高速回転する回転刃で裁断または破砕すると
ともに、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂
材を半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材
を水噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、
この際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時
に前記回転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)を
得る方法
【0033】これらの方法のうち、の方法の典型的な
例は合成樹脂類(A)を完全溶融させ、これを押出し機に
より線状等に押出し成形した後、粒状に裁断することに
より粒状合成樹脂材(a)を得る方法であるが、この他に
も種々の加工方法を採ることができる。
【0034】これに対して、の方法は合成樹脂類
(A)を完全には溶融させず、半溶融化させた状態から水
噴霧等によって急冷することにより収縮固化させ、この
際粒状に収縮固化させるか若しくは収縮固化したものを
粒状に粉砕処理することにより粒状合成樹脂材(a)を得
る方法である。本発明者らは特にこのような,の方
法(とりわけの方法)で得られた粒状合成樹脂材(a)
が、フィルム状合成樹脂材の粉砕物は言うに及ばず、塊
状合成樹脂材の粉砕物に較べてさえ非常に優れた流動性
と搬送性を示し、しかも燃焼性にも非常に優れているこ
とを見出したものであり、したがって、本発明の燃料吹
込み方法においては、粒状固化装置2において上記ま
たはの方法で合成樹脂類(A)の粒状収縮固化若しくは
収縮固化−粒状化処理を行い、粒状合成樹脂材(a)を得
ることが最も好ましい。
【0035】図2は上記の方法で粒状収縮固化若しく
は収縮固化−粒状化の連続処理を行うための一構成例を
示しており、粒状固化装置2に装入された合成樹脂類
(A)は破砕装置12で破砕された後、減容固化装置13
に装入される。この減容固化装置13では、合成樹脂類
(A)は加熱室15及びこれに続く冷却室16を搬送装置
17(搬送ベルト等)で連続搬送され、加熱室15にお
いて加熱(ガス加熱、ガス間接加熱または電気加熱等)
されることで半溶融化した後、冷却室16で水噴霧等に
より急冷され、収縮固化する。この際、合成樹脂類(A)
の破砕形態や加熱室内への装入状態等を適宜選択するこ
とにより合成樹脂材を粒状に収縮固化させることがで
き、したがってこの方法によれば収縮固化ままで粒状合
成樹脂材(a)が得られる。
【0036】一方、合成樹脂材の一部または全部を粒状
に収縮固化させない方法では、収縮固化した合成樹脂材
は減容固化装置13から粉砕装置14に装入され、この
粉砕装置14により粒状に粉砕処理されることで粒状合
成樹脂材(a)が得られる。以上のようにして得られた粒
状合成樹脂材(a)は、破砕されたフィルム状合成樹脂材
を半溶融状態から粒状に収縮固化させ若しくは収縮固化
させた後これを粉砕処理したものであるため、塊状合成
樹脂材の破砕物に較べて比較的ポーラスな性状であって
比表面積が大きく、しかも塊状合成樹脂材の破砕物のよ
うに角ばった形状ではなく、全体的に見て丸みを帯びた
形状を有するため、優れた燃焼性と流動性を示す。
【0037】また、図3は上記の方法で行われる粒状
収縮固化若しくは収縮固化−粒状化処理の原理を模式的
に示すもので、合成樹脂類(A)を高速回転する回転刃1
8で裁断または破砕するとともに、この裁断または破砕
による摩擦熱により合成樹脂材を半溶融化させ、次い
で、この半溶融化した合成樹脂材を水噴霧等により上記
温度から急冷することにより収縮個化させ、この際粒状
に収縮固化させるか若しくは収縮固化と同時に前記回転
刃18により粉砕処理し、粒状合成樹脂材(a)が得られ
る。この方法はバッチ方式により合成樹脂材の破砕(ま
たは裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固化後の粉砕処
理(但し、急冷により粒状に収縮固化させる場合は粉砕
処理は必要ない)の総てを高速回転する回転刃18によ
り行うものであり、「破砕(または裁断)→半溶融化→
急冷による粒状収縮固化」若しくは「破砕(または裁
断)→半溶融化→急冷による収縮固化→粉砕」という一
連の処理工程が短時間に速やかに行われ、しかも合成樹
脂材が回転刃18による破砕(裁断)−高速撹拌中に半
溶融化し、このような状態から速かに急冷処理がなされ
るため、比表面積及び粒形状等の面でより好ましい粒状
合成樹脂材(a)が得られる。また、回転刃18の作用だ
けで破砕(または裁断)処理、半溶融化処理及び収縮固
化後の粉砕処理が行われるため、設備コスト及び運転コ
ストの面でも有利である。
【0038】なお、上記の方法においても、合成樹脂
類(A)の破砕形態や回転刃に対する装入状態等を適宜選
択することにより合成樹脂材を粒状に収縮固化させるこ
とができ、したがってこの方法によれば実質的に収縮固
化後の回転刃による粉砕処理なしに、収縮固化ままで粒
状合成樹脂材(a)が得られる。一方、合成樹脂材の一部
または全部を粒状に収縮固化させない方法では、上記の
ように回転刃による粉砕処理により粒状合成樹脂材(a)
が得られる。
【0039】また、上記、の方法において合成樹脂
類(A)を半溶融化する温度は合成樹脂の種類や形状等に
よってある程度異なり、例えば材質面だけからいうと低
密度ポリエチレンの場合で105〜115℃程度、中低
密度ポリエチレンの場合で128℃前後である。したが
って、合成樹脂類(A)に含まれる合成樹脂材の種類や割
合、形態等に応じて、半溶融化させるための温度が適宜
選択される。
【0040】以上のようにして得られた粒状合成樹脂材
(a)は、篩分装置3により篩い分けされ、所定の粒径以
下(例えば−6mm)のものだけが経路19を通じて貯
留サイロ9に送られる。この構成例では経路19は気送
管(図中、10は送風機)で構成され、粒状合成樹脂材
(a)は貯留サイロ9に気送(空気輸送、以下同様)され
る。一方、所定の粒径を超える粒状合成樹脂材は気送管
たる経路20(図中、10は送風機)を通じて粒状固化
装置2入側の搬送ラインに戻され、合成樹脂類(A)とと
もに粒状固化装置2に再装入される。なお、この粗粒の
粒状合成樹脂材を返送する位置は任意であり、例えば、
粒状固化装置2と磁選機4間、破砕装置1の入側等の各
位置(通常は搬送ライン)に返送することができ、ま
た、場合によっては加工処理ラインYに供給することも
できる。この加工処理ラインYに供給する場合には、例
えば、一次破砕装置5の入側、一次破砕装置5と二次破
砕装置6間、二次破砕装置6と選別機7間、選別機7と
粉砕装置8間等の任意の位置(通常は搬送ライン)に供
給することができる。また、これ以外に、粗粒の粒状合
成樹脂材を系外に取り出し、他工程に直接装入(例え
ば、高炉やスクラップ溶解炉への炉頂装入、コークス炉
や焼結炉への直接装入等)するようにしてもよい。
【0041】一方、加工処理ラインYでは、合成樹脂類
(B)は一次破砕機5において粗破砕(例えば、粒径50
mm程度に破砕)された後、コンベア搬送等により二次
破砕機6に装入されて二次破砕(例えば、粒径20mm
程度に破砕)される。なお、一次破砕された合成樹脂類
(B)は、上記コンベア搬送の途中で磁選機4(磁石によ
り鉄屑等を吸着して、これを除去する装置)により混入
している鉄屑の除去が行われる。
【0042】二次破砕された合成樹脂類(B)はコンベア
搬送等により選別機7に装入され、ここで金属や土砂、
石等の異物が風力選別等の方法により分離除去される。
次いで経路21aを通じて粉砕装置8(三次破砕機)に
送られ、所定の粒径以下(例えば、−6mm)まで粉砕
処理され、粒状合成樹脂材(b)が得られる。この粒状合
成樹脂材(b)は経路21bを通じて貯留サイロ9に送ら
れる。この構成例では経路21a、21bは気送管(図
中、10は送風機)で構成され、粒状合成樹脂材(b)は
貯留サイロ9に気送される。
【0043】貯留サイロ9に貯留された粒状合成樹脂材
(a)及び(b)の混合体は吹込タンク等からなる気送供給
設備11にコンベア搬送または気送され、この気送供給
設備11を通じて高炉等の炉に気送され、炉の羽口部等
から炉内に吹き込まれる。なお、図1に示した構成例で
は磁選機4を各加工処理ラインX,Yでそれぞれ1箇所
ずつに設けているが、各処理ラインの複数箇所に磁選機
5を配置してもよい。
【0044】また、加工処理ラインX,Yに設置される
各種の破砕装置(粉砕装置8も含む)の破砕方式は任意
であり、通常の機械的手段のみによる破砕方式以外に、
例えば被処理体を冷凍した状態で破砕する所謂冷凍破砕
方式のものを適用することもできる。通常、図1に示す
加工処理設備の入側には、搬入合成樹脂類のヤード乾燥
設備等の付帯設備が設けられる。
【0045】なお、フィルム状合成樹脂材を主体とする
合成樹脂類(A)とそれ以外の合成樹脂類(B)の加工処理
設備に対する供給量は、廃棄物という性質上、経時的に
ある程度のバラツキを生じることがあり、比較的短期間
(例えば、数時間〜数十時間程度)に限った場合にはい
ずれか一方の種類の合成樹脂類しか供給されず、したが
って処理され且つ炉に気送される合成樹脂類は一時的に
合成樹脂類(A)−粒状合成樹脂材(a)または合成樹脂類
(B)−粒状合成樹脂材(b)のいずれか一方だけになるこ
ともあり得る。また、これ以外の理由により一時的に粒
状合成樹脂材(a)及び(b)のいずれか一方のみが炉に気
送されることもあり得る。さらには、粒状合成樹脂材
(a)及び(b)を別々のサイロ等に貯蔵し、これを別々の
経路を通じて炉に気送することもできる。
【0046】先に述べたように、上記、の方法によ
り粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して得られた
粒状合成樹脂材(a)は比較的ポーラスな性状で比表面積
が大きく、しかも全体的に見て丸みを帯びた形状を有し
ているために優れた燃焼性と流動性を示し、これらを粒
状合成樹脂材(b)と混合することにより、炉に供給され
る粒状合成樹脂材全体の燃焼性と流動性及び搬送性を効
果的に高めることができる。すなわち、燃焼性に関して
は、炉内に粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)の
混合体が吹き込まれた場合、燃焼性の良好な粒状合成樹
脂材(a)が急速燃焼して粒状合成樹脂材(b)を速かに着
火させ、これによって炉内吹き込まれた粒状合成樹脂材
全体の燃焼性が著しく高められる。
【0047】さらに、流動性及び搬送性に関しても、丸
みを帯びた形状を有する流動性及び搬送性に優れた粒状
合成樹脂材(a)が粒状合成樹脂材中に含まれることによ
り、これが粒状合成樹脂材全体の流動性を向上させる潤
滑的機能を果し、この結果粒状合成樹脂材全体の流動
性、搬送性が大きく改善される。
【0048】上記のような作用を得るためには、粒状合
成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)を重量比で(a)/
[(a)+(b)]:0.10以上の割合で混合することが
好ましい。図5は、フイルム状合成樹脂材を上記の方
法で収縮固化−粒状化処理して得られた粒径6mm以下
の粒状合成樹脂材(a)と塊状合成樹脂材を粉砕処理して
得られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材(b)(いずれ
の粒状合成樹脂材も安息角:40°)とを種々の割合で
混合し、この混合体を高炉の羽口部に気送して炉内吹き
込みを行ない、その際の(a)/[(a)+(b)]の重量比
と混合体の搬送性(供給トラブル発生頻度)及び燃焼性
(吹込み燃料によるコークス置換率)との関係を調べた
ものである。なお、供給トラブル発生頻度とコークス置
換率は以下のように定めた。
【0049】(イ) 供給トラブル発生頻度 塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒径6mm以下
の粒状合成樹脂材(b)(安息角:40°)のみを単独で
炉に供給した場合の供給トラブル発生頻度指数を“1”
とし、この場合と比較した供給トラブル発生頻度を指数
で示した。供給トラブル発生の有無は、貯留サイロ内の
粒状合成樹脂材の重量変動を常時監視し、重量変動:0
の状態が所定時間(例えば10分間程度)続いた場合に
トラブル発生(サイロ切出部や気送管途中での詰り発
生)と判断した。
【0050】(ロ) コークス置換率 コークス置換率=(粒状合成樹脂材の吹込みにより低減
したコークス比)/(粒状合成樹脂材の吹き込み比) 但し、粒状合成樹脂材の吹込みにより低減したコークス
比:kg/t・pig 粒状合成樹脂材の吹き込み比:kg/t・pig 図5によれば(a)/[(a)+(b)]:0.10以上の領
域において優れた燃焼性と搬送性が得られることが判
る。
【0051】上記のように(a)/[(a)+(b)]を所定
の範囲に管理するためには、粒状合成樹脂材(a)及び粒
状合成樹脂材(b)を一旦それぞれの貯留サイロに貯留し
た後に混合するようにすることが好ましい。図4はその
ための貯留サイロの構成例を示しており、粒状合成樹脂
材(a)及び粒状合成樹脂材(b)をそれぞれの一次貯留サ
イロ22、23に貯留し、これら一次貯留サイロ22、
23から二次貯留サイロ24(図1の貯留サイロ9に相
当)に粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹脂材(b)を適宜
切り出し、二次貯留サイロ24に(a)/[(a)+(b)]
が調整された粒状合成樹脂材を貯留する。また、以上の
ような構成の他にも、例えば一次貯留サイロ22、23
にそれぞれ貯留された粒状合成樹脂材(a)と粒状合成樹
脂材(b)を気送配管系内で直接混合するようにしてもよ
い。
【0052】さらに、粒状合成樹脂材(a)及び(b)は嵩
密度0.30以上、安息角40°以下に加工されること
が好ましい。先に述べたように従来技術においては合成
樹脂粉砕物の嵩密度を0.35以上とすることが提案さ
れているが、特に塊状合成樹脂材の粉砕物については嵩
密度を高めるとそれだけ破砕機の負荷が増大する(破砕
刃の寿命が短くなる)という問題があり、破砕機によっ
ては嵩密度0.35未満の粉砕物しか得られないものも
ある。一方、本発明者らの検討によれば、粒状合成樹脂
材の嵩密度が0.30以上であれば圧力損失等の点を含
めて粒状合成樹脂材を気送することに何の問題も生じな
いこと、また、粒状合成樹脂材の貯留サイロでのブリッ
ジ(棚つり)や気送管系内の曲管部やバルブ周辺での詰
まり等のトラブルの発生は粒状合成樹脂材の嵩密度とは
殆ど関係がなく、粒状合成樹脂材の粒形状に大きく左右
されること、そして、この粒形状に基づく上記トラブル
の発生抑制効果は粒状合成樹脂材の安息角で整理できる
ことが判明した。
【0053】図6は、塊状合成樹脂材を粉砕処理して得
られた粒径6mm以下の粒状合成樹脂材について、その
安息角と貯留サイロでのブリッジ(棚つり)や気送管内
での詰まり等の供給トラブル発生頻度との関係を、嵩密
度が異なる粒状合成樹脂材別に示したものである。な
お、供給トラブル発生頻度の評価は図5と同様の方法で
行なった。図6によれば、粒状合成樹脂材の嵩密度に拘
りなく、安息角を40°以下とすることにより上記のよ
うな供給トラブルを適切に防止できることが判る。
【0054】また、粒状合成樹脂材(a)のうち上記、
の方法で粒状収縮固化若しくは収縮固化−粒状化して
得られるものについては、当該方法で粒状収縮固化若し
くは収縮固化−粒状化するだけで安息角40°以下の粒
状合成樹脂材が得られることが判った。一方、上記方
法で減容固化−粒状化して得られる粒状合成樹脂材(a)
または上記〜以外の方法で収縮固化−粒状化して得
られる粒状合成樹脂材(a)や、合成樹脂類(B)を破砕処
理して得られる粒状合成樹脂材(B)については、安息角
40°以下を達成するために破砕方式等が適宜選択され
る。なお、本発明において加工処理して得る粒状合成樹
脂材(a)、(b)の粒径は、燃焼性の観点から10mm以
下、好ましくは4〜8mmとすることが好ましい。本発
明の燃料吹込み方法は、高炉や回転キルン等をはじめと
する各種の炉に適用することができる。
【0055】本発明が処理の対象としている合成樹脂類
は、主として廃棄物(所謂ゴミとしての廃棄物、工場等
での製造・加工時に生じる屑や不良品等を含む)たる合
成樹脂類であり、したがって、その性質上合成樹脂以外
の異物(金属、紙、その他の無機物及び有機物)が付着
若しくは混入している合成樹脂類も対象となる。このよ
うな廃棄合成樹脂類の具体例としては、プラスチックボ
トル、プラスチック袋、プラスチック包み、プラスチッ
クフィルム、プラスチックトレイ、プラスチックカッ
プ、磁気カード、磁気テープ、ICカード、フレキシブ
ルコンテナ、プリント基板、プリントシート、電線被覆
材、事務機器または家電製品用ボディー及びフレーム、
化粧合板、パイプ、ホース、合成繊維及び衣料、プラス
チック成型ペレット、ウレタン材、梱包用シート、梱包
用バンド、梱包用クッション材、電気用部品、玩具、文
房具、トナー、自動車用部品(例えば、内装品、バンパ
ー)、自動車または家電製品等のシュレッダーダスト、
イオン交換樹脂、合成紙、合成樹脂接着剤、合成樹脂塗
料、固形化燃料(廃棄プラスチック減容物)等が挙げら
れる。
【0056】なお、廃棄物として処理設備に搬入されて
くる合成樹脂類のうち、形態が既に粒状であるためその
まま炉に気送供給可能なもの(例えば、粒状であるイオ
ン交換樹脂材、成型加工用合成樹脂ペレット、玩具用合
成樹脂小球等)については、本発明による加工処理を経
ることなく、そのまま貯留サイロに装入するなどして炉
に供給することができることは言うまでもない。
【0057】
【実施例】[実施例1]図1のフローチャートで示す合
成樹脂類の処理・吹込み設備に対して、フィルム状合成
樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を2.5t/hr、
塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(B)を5t/h
rの割合でそれぞれ供給して粒状合成樹脂材(a)及び
(b)に加工処理し、これらを貯留サイロで混合した後、
気送管系を通じて高炉に気送し、微粉炭とともに羽口部
から炉内に吹き込んだ。この際の合成樹脂類の加工及び
供給条件と高炉の操業条件を以下に示す。
【0058】(イ)合成樹脂類の加工条件 (イ-1) 合成樹脂類(A) 図1のフローチャートに従って粗破砕した後、上記の
方法で収縮固化−粒状化処理して粒径6mm以下の粒状
合成樹脂材(a)に加工し、これを貯留サイロに移送し
た。 (イ-2) 合成樹脂類(B) 図1のフローチャートに従って一次破砕、二次破砕及び
粉砕処理を実施して粒径6mm以下の粒状合成樹脂材
(b)に加工し、これを貯留サイロに移送した。
【0059】(ロ)粒状合成樹脂材の気送条件 貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の
混合体をサイロから定量的に切り出し、これを気送供給
設備まで移送し、気送供給設備から下記条件で高炉羽口
部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。 気送ガス:空気 気送ガス吹込み流量:1300Nm/hr 粒状合成樹脂材の吹込み量:7.5t/hr 固気比:4.5kg/kg
【0060】(ハ)高炉操業条件 出銑量:9000t/日 コークス比:447kg/t・pig 羽口 粒状合成樹脂材の吹込み量:20kg/t・pig 微粉炭吹込み量:100kg/t・pig 送風量:7260Nm/分 酸素富化率:4% 送風温度:1000℃ 以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結
果、高炉操業自体には全く支障はなく、また粒状合成樹
脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供給
トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0061】[実施例2]図1のフローチャートで示す
合成樹脂類の処理・吹込み用試験設備に対して、フィル
ム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類(A)を14.6
kg/hr、塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類
(B)を29.2kg/hrの割合でそれぞれ供給して粒
状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを貯留
サイロで混合した後、気送管系を通じてスクラップ溶解
用試験炉(竪型炉)に気送し、微粉炭とともに羽口部か
ら炉内に吹き込んだ。この実施例では図7に示す炉体の
複数の羽口部に図8に示す構造の燃焼バーナを有するス
クラップ溶解用試験炉(内容積:2.5m、銑鉄生産
量:10t/日)を用いた。図7及び図8に示す試験炉
において、25は炉頂部、26は原料装入装置、27は
炉頂部の開閉装置、28は排ガスダクト、29は羽口
部、30は羽口部に設けられた燃焼バーナであり、羽口
部の燃焼バーナ30からは、バーナ径方向中心またはそ
の近傍の固体燃料吹込部aから微粉炭PCと粒状合成樹
脂材SRを、またその周囲の酸素吹込部bから常温の酸
素を炉内に吹き込み、同時に燃焼温度調整用の冷却剤と
して水蒸気を吹き込んだ。
【0062】合成樹脂類の加工及び供給条件とスクラッ
プ溶解用試験炉の操業条件を以下に示す。 (イ)合成樹脂類の加工条件 実施例1と同様 (ロ)粒状合成樹脂材の気送条件 貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の
混合体をサイロから定量的に切り出し、これを気送供給
設備まで移送し、気送供給設備から下記条件で高炉羽口
部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。 気送ガス:空気 気送ガス吹込み流量:7.6Nm/hr 粒状合成樹脂材の吹込み量:43.8kg/hr 固気比:4.5kg/kg
【0063】(ハ)スクラップ溶解用試験炉の操業条件 出銑量:10t/日 コークス比:265kg/t・pig 転炉滓比:121kg/t・pig 硅石比:5kg/t・pig 羽口 粒状合成樹脂材の吹込み量:105kg/t・p
ig 微粉炭吹き込み量:175kg/t・pig 送風酸素量:206Nm/t・pig 蒸気量:7Nm/t・pig 以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結
果、スクラップ溶解用試験炉の操業自体には全く支障は
なく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管
系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生しなかっ
た。
【0064】[実施例3]図1のフローチャートで示す
合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表1、表
3、表5に示す操業例1〜10の条件でフィルム状合成
樹材を主体とする合成樹脂類(A)と塊状合成樹材を主体
とする合成樹脂類(B)をそれぞれ供給し、それぞれを粒
状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理した。加工処理さ
れた合成樹脂材類には、表1、表3及び表5に示すよう
に、ポリエチレン、ポリプロピレン等の熱可塑性樹脂以
外に、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ABS
樹脂、塩化ビニル樹脂(PVC)が含まれ、また他の樹
脂として、ウレタン樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性
樹脂、フタル酸ジエチル等のような可塑剤、トリメチル
フォスフェート、2,3−ジブルモプロピル等のような
難燃剤、ガラス繊維、炭酸カルシウム、アルミナ、粘土
等が添加された樹脂、その他の各種添加剤が含まれてい
た。また、無機物として、合成樹脂類に付着していた土
砂等が含まれていた。合成樹脂類の加工条件は実施例1
と同様である。
【0065】加工処理後の粒状合成樹脂材(a)及び(b)
を貯留サイロで混合した後、気送管系を通じて高炉羽口
部に気送供給し、廃プラスチック吹き込みランス(25
mmφ)を通じて炉内に吹き込んだ。粒状合成樹脂材の
気送条件を以下に示す。また、各操業例1〜10におい
て加工処理及び炉内供給された合成樹脂類の性状等を表
1,表3及び表5に示す。 気送ガス:空気 気送ガス吹込み流量:650〜2600Nm/hr 粒状合成樹脂材の吹込み量:3.75〜15.0t/h
r 固気比:4.5kg/kg
【0066】・操業例1〜4 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表1に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を2.5t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成
樹脂類(B)を5.0t/hrの割合でそれぞれ供給して
粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを貯
留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き込ん
だ(気送ガス吹込み流量:1300Nm/hr)。高
炉の操業条件を表2に示す。このような粒状合成樹脂材
の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には
全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出
部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生
しなかった。
【0067】・操業例5 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表3に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を1.5t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成
樹脂類(B)を6.0t/hrの割合でそれぞれ供給して
粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを貯
留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き込ん
だ(気送ガス吹込み流量:1300Nm/hr)。高
炉の操業条件を表4に示す。このような粒状合成樹脂材
の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には
全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出
部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生
しなかった。
【0068】・操業例6 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表3に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を3.0t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成
樹脂類(B)を4.5t/hrの割合でそれぞれ供給し、
粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを貯
留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き込ん
だ(気送ガス吹込み流量:1300Nm/hr)。高
炉の操業条件を表4に示す。このような粒状合成樹脂材
の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には
全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出
部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生
しなかった。
【0069】・操業例7 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表3に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を5.0t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成
樹脂類(B)を2.5t/hrの割合でそれぞれ供給して
粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを貯
留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き込ん
だ(気送ガス吹込み流量:1300Nm/hr)。高
炉の操業条件を表4に示す。このような粒状合成樹脂材
の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には
全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出
部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生
しなかった。
【0070】・操業例8 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表5に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を1.50t/hr、塊状合成樹材を主体とする合
成樹脂類(B)を2.25t/hrの割合でそれぞれ供給
して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これら
を貯留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き
込んだ(気送ガス吹込み流量:650Nm/hr)。
高炉の操業条件を表6に示す。このような粒状合成樹脂
材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体に
は全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切
出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発
生しなかった。
【0071】・操業例9 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表5に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を4.50t/hr、塊状合成樹材を主体とする合
成樹脂類(B)を6.75t/hrの割合でそれぞれ供給
して粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これら
を貯留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き
込んだ(気送ガス吹込み流量:1930Nm/h
r)。高炉の操業条件を表6に示す。このような粒状合
成樹脂材の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業
自体には全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サ
イロ切出部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も
殆ど発生しなかった。
【0072】・操業例10 合成樹脂類の処理・吹き込み用設備に対して、表5に示
す条件でフィルム状合成樹材を主体とする合成樹脂類
(A)を5.5t/hr、塊状合成樹材を主体とする合成
樹脂類(B)を9.5t/hrの割合でそれぞれ供給して
粒状合成樹脂材(a)及び(b)に加工処理し、これらを貯
留サイロで混合した後、高炉に気送して炉内に吹き込ん
だ(気送ガス吹込み流量:2600Nm/hr)。高
炉の操業条件を表6に示す。このような粒状合成樹脂材
の炉内吹込みを7日間実施した結果、高炉操業自体には
全く支障はなく、また粒状合成樹脂材の貯留サイロ切出
部や気送管系での詰まり等の供給トラブル等も殆ど発生
しなかった。
【0073】
【表1】
【0074】
【表2】
【0075】
【表3】
【0076】
【表4】
【0077】
【表5】
【0078】
【表6】
【0079】[実施例4]不良品や使用済として廃棄さ
れた磁気カード類(合せ材として紙等を用いたカード
類、記憶媒体としてICが組み込まれたカード類等を含
む)を図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・
吹き込み用設備に対して供給し、加工処理した後、高炉
に気送供給して炉内に吹き込んだ。磁気カード類は多種
多様な目的で使用されているが、厚みによって下記の2
種類に大別できる。 (1) 厚さ0.5mm以上:キャッシュカード、各種証明
用カード等 (2) 厚さ0.5mm未満:テレホンカード、チケット、
切符、各種プリペイドカード等
【0080】事前の試験等による調査の結果、上記の磁
気カード類に関しては、厚さ0.5mm未満のカード類
を単に破砕するとウロコ状の小薄片となり、気送管系の
タンク内等で加圧された際に小薄片どうしが密着して空
孔が無くなるため、破砕片間の滑りが無くなり、またエ
アレーションも悪くなり、このため棚吊り等の供給トラ
ブルを起こし易いことが判った。そこで、本実施例では
厚さ0.5mm未満の上記(2)のカード類をフィルム状
合成樹材を主体とする合成樹脂類(A)として、また厚さ
0.5mm以上の上記(1)のカード類を塊状合成樹材を
主体とする合成樹脂類(B)としてそれぞれ分別し、図1
のフローチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用
設備においてそれぞれを粒状合成樹脂材(a)及び(b)に
加工処理した。加工処理後の粒状合成樹脂材(a)及び
(b)を貯留サイロで混合した後、気送管系を通じて高炉
羽口部に気送供給し、廃プラスチック吹き込みランス
(25mmφ)を通じて炉内に吹き込んだ。
【0081】合成樹脂類の加工及び気送条件と高炉の操
業条件を以下に示す。 (イ)合成樹脂類の加工条件 実施例1と同様 (ロ)粒状合成樹脂材の気送条件 貯留サイロに装入された粒状合成樹脂材(a)及び(b)の
混合体をサイロから定量的に切り出し、これを気送供給
設備まで移送し、気送供給設備から下記条件で高炉羽口
部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内に吹き込んだ。 気送ガス:空気 気送ガス吹込み量:1200Nm/hr 粒状合成樹脂材の吹込み量:62.5kg/min 固気比:2.4kg/kg
【0082】(ハ)高炉の操業条件 出銑量:9000t/日 送風量:7260Nm/min 酸素富化率:4% 送風温度:1200℃ コークス比:447kg/t・pig 微粉炭吹込み量:100kg/t・pig 粒状合成樹脂材の吹込み量:10kg/t・pig 以上の粒状合成樹脂材の炉内吹込みを2日間実施した結
果、高炉の操業自体には全く支障はなく、また粒状合成
樹脂材の貯留サイロ切出部や気送管系での詰まり等の供
給トラブル等も殆ど発生しなかった。
【0083】[実施例5]廃棄物として回収されたプラ
スチックボトル容器類からポリエチレンテレフタレート
樹脂(PET)ボトル容器のみを選別し、これを加工処
理して高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。PETボ
トルの選別は市販の材質判別装置(東亜電波工業(株)
製)または手作業により行った。操業例1では、PET
ボトルを図1のフローチャートで示す合成樹脂類の処理
・吹き込み用設備の加工処理ラインYに対してのみ供給
し、キャップやラベルが付いたままで6mm以下の粒径
に全量破砕し(但し、金属キャップは破砕後に磁選機で
除去)、高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。
【0084】操業例2では、PETボトルを図1のフロ
ーチャートで示す合成樹脂類の処理・吹き込み用設備の
加工処理ラインXに対してのみ供給し、キャップやラベ
ルが付いたままで6mm以下の粒径の粒状合成樹脂材に
加工処理し(但し、金属キャップは粗破砕後に磁選機で
除去)、高炉に気送供給して炉内に吹き込んだ。上記操
業例1及び操業例2の合成樹脂類の加工及び気送条件と
高炉の操業条件を以下に示す。 (イ)合成樹脂類の加工条件 操業例1:実施例1の(イ−2)と同様とした。 操業例2:実施例1の(イ−1)と同様とした。
【0085】(ロ)粒状合成樹脂材の気送条件 操業例1、操業例2それぞれにおいて、貯留サイロに装
入された粒状合成樹脂材をサイロから定量的に切り出
し、これを気送供給設備まで移送し、気送供給設備から
下記条件で高炉羽口部に粒状合成樹脂材を気送し、炉内
に吹き込んだ。 気送ガス:空気 気送ガス吹込み量:1200Nm/hr 粒状合成樹脂材の吹込み量:62.5kg/min 固気比:2.4kg/kg (ハ)高炉の操業条件 出銑量:9000t/日 送風量:7260Nm/min 酸素富化率:4% 送風温度:1200℃ コークス比:447kg/t・pig 微粉炭吹込み量:100kg/t・pig 粒状合成樹脂材の吹込み量:10kg/t・pig
【0086】以上の操業を2日間実施した結果、操業例
1では粒状合成樹脂材の高炉への吹込み量が安定化せず
(吹込み量に脈動がある)、炉内への粒状合成樹脂材の
吹込み停止時間が平均で4.6hr/dayにも達し
た。調査の結果、この吹込み量の不安定化は、粒状合成
樹脂材の気送管系におけるタンク内からの切り出し不良
が原因であること、具体的には、気送管系のタンク内で
加圧された際に粒状合成樹脂材の破砕片(ウロコ状の小
薄片)どうしが密着して空孔が無くなるため、破砕片間
の滑りが無くなり、またエアレーションも悪くなり、こ
のため棚吊り等の供給トラブルを起こしていることが判
明した。一方、操業例2では、操業例1のような粒状合
成樹脂材の供給トラブルは全く発生せず、高炉の操業自
体にも全く支障は生じなかった。
【0087】
【発明の効果】以上述べた本発明による合成樹脂類の炉
燃料への加工処理方法及び炉への燃料吹込み方法によれ
ば、プラスチック等の合成樹脂類をその形態に拘りなく
高炉やスクラップ溶解炉等の炉の吹込み燃料に加工処理
し、さらには炉に吹込み燃料として供給することがで
き、このため廃棄物たる合成樹脂類の大量処理と有効利
用を図ることができ、また、高炉等の炉の燃料コストを
大幅に低減させることができる。さらに、炉に供給され
る合成樹脂類の流動性や搬送性及び燃焼性を効果的に高
めることができ、高炉やスクラップ溶解炉等において炉
の操業に支障を来すことなく合成樹脂材を燃料として炉
内に適切に供給することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の燃料吹込み方法の一例を示すフローチ
ャート
【図2】合成樹脂類(A)を収縮固化−粒状化するための
方法の一構成例を示す説明図
【図3】合成樹脂類(A)を収縮固化−粒状化するための
他の方法の原理を模式的に示す説明図
【図4】図1のフローチャートにおいて、粒状合成樹脂
材の貯留方式の他の構成例を示す説明図
【図5】フイルム状合成樹脂材を特定の方法で収縮固化
−粒状化して得られた粒状合成樹脂材(a)と塊状合成樹
脂材を粉砕処理して得られた粒状合成樹脂材(b)との混
合割合とコークス置換率及び供給トラブル発生頻度との
関係を示すグラフ
【図6】塊状合成樹脂材を粉砕処理して得られた粒状合
成樹脂材について、その安息角と供給トラブル発生頻度
との関係を、嵩密度が異なる粒状合成樹脂材別に示した
グラフ
【図7】実施例で用いたスクラップ溶解用試験炉の構造
を示す説明図
【図8】図7のスクラップ溶解用試験炉の羽口部に設け
られた燃焼バーナの構造を示す説明図
【符号の説明】
1…破砕機、2…粒状固化装置、3…篩分装置、4…磁
選機、5…一次破砕機、6…二次破砕機、7…選別機、
8…粉砕装置、9…貯留サイロ、10…送風機、11…
気送供給設備、12…破砕装置、13…減容固化装置、
14…粉砕装置、15…加熱室、16…冷却室、17…
搬送装置、18…回転刃、19,20,21a,21b
…経路、22,23,24…貯留サイロ、25…炉頂
部、26…原料装入装置、27…開閉装置、28…排ガ
スダクト、29…羽口部、30…燃焼バーナ、X,Y…
加工処理ライン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤井 益弘 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 山口 篤 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 浅沼 稔 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 合成樹脂類を加工処理設備において炉燃
    料に加工処理するための方法であって、 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を、熱に
    より溶融または半溶融化させた後固化させることによ
    り、減容固化され且つ嵩密度0.30以上、安息角40
    °以下の粒状合成樹脂材に加工することを特徴とする合
    成樹脂類の炉燃料への加工処理方法。
  2. 【請求項2】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程が、少なくと
    も、合成樹脂類を加熱して溶融させた後冷却して固化さ
    せる工程と、該固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処
    理することにより粒状合成樹脂材を得る工程とからなる
    ことを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂類の炉燃料
    への加工処理方法。
  3. 【請求項3】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程が、少なくと
    も、合成樹脂類を裁断または破砕する工程と、該裁断ま
    たは破砕された合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断また
    は破砕による摩擦熱により半溶融化させる工程と、半溶
    融化した合成樹脂材を急冷することにより粒状に収縮固
    化させて粒状合成樹脂材を得る工程とからなることを特
    徴とする請求項1に記載の合成樹脂類の炉燃料への加工
    処理方法。
  4. 【請求項4】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程が、少なくと
    も、合成樹脂類を裁断または破砕する工程と、該裁断ま
    たは破砕された合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断また
    は破砕による摩擦熱により半溶融化させる工程と、半溶
    融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させ
    る工程と、該収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒
    状合成樹脂材を得る工程とからなることを特徴とする請
    求項1に記載の合成樹脂類の炉燃料への加工処理方法。
  5. 【請求項5】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程では、合成樹脂
    類を高速回転する回転刃で裁断または破砕するととも
    に、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂材を
    半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を急
    冷することにより粒状に収縮固化させて粒状合成樹脂材
    を得ることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂類の
    炉燃料への加工処理方法。
  6. 【請求項6】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程では、合成樹脂
    類を高速回転する回転刃で裁断または破砕するととも
    に、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂材を
    半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を急
    冷することにより収縮固化させるとともに、その収縮固
    化と同時に前記回転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂
    材を得ることを特徴とする請求項1に記載の合成樹脂類
    の炉燃料への加工処理方法。
  7. 【請求項7】 合成樹脂類を加工処理設備において炉燃
    料に加工処理するための方法であって、 塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を、粉砕処理す
    ることにより嵩密度0.30以上、安息角40°以下の
    粒状合成樹脂材に加工することを特徴とする合成樹脂類
    の炉燃料への加工処理方法。
  8. 【請求項8】 合成樹脂類を加工処理設備において加工
    処理した後、燃料として炉に気送供給し炉内に吹込むた
    めの方法であって、 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を、熱に
    より溶融または半溶融化させた後固化させることによ
    り、減容固化され且つ嵩密度0.30以上、安息角40
    °以下の粒状合成樹脂材に加工する工程と、該粒状合成
    樹脂材を炉に気送し、炉内に吹き込む工程とからなるこ
    とを特徴とする炉への燃料吹込み方法。
  9. 【請求項9】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合成
    樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程が、少なくと
    も、合成樹脂類を加熱して溶融させた後冷却して固化さ
    せる工程と、該固化した合成樹脂材を裁断または粉砕処
    理することにより粒状合成樹脂材を得る工程とからなる
    ことを特徴とする請求項8に記載の炉への燃料吹込み方
    法。
  10. 【請求項10】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合
    成樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程が、少なくと
    も、合成樹脂類を裁断または破砕する工程と、該裁断ま
    たは破砕された合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断また
    は破砕による摩擦熱により半溶融化させる工程と、半溶
    融化した合成樹脂材を急冷することにより粒状に収縮固
    化させて粒状合成樹脂材を得る工程とからなることを特
    徴とする請求項8に記載の炉への燃料吹込み方法。
  11. 【請求項11】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合
    成樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程が、少なくと
    も、合成樹脂類を裁断または破砕する工程と、該裁断ま
    たは破砕された合成樹脂材を加熱若しくは前記裁断また
    は破砕による摩擦熱により半溶融化させる工程と、半溶
    融化した合成樹脂材を急冷することにより収縮固化させ
    る工程と、該収縮固化した合成樹脂材を粉砕処理して粒
    状合成樹脂材を得る工程とからなることを特徴とする請
    求項8に記載の炉への燃料吹込み方法。
  12. 【請求項12】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合
    成樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程では、合成樹
    脂類を高速回転する回転刃で裁断または破砕するととも
    に、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂材を
    半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を急
    冷することにより粒状に収縮固化させて粒状合成樹脂材
    を得ることを特徴とする請求項8に記載の炉への燃料吹
    込み方法。
  13. 【請求項13】 フィルム状合成樹脂材を主体とする合
    成樹脂類を粒状合成樹脂材に加工する工程では、合成樹
    脂類を高速回転する回転刃で裁断または破砕するととも
    に、該裁断または破砕による摩擦熱により合成樹脂材を
    半溶融化させ、次いでこの半溶融化した合成樹脂材を急
    冷することにより収縮固化させるとともに、その収縮固
    化と同時に前記回転刃により粉砕処理し、粒状合成樹脂
    材を得ることを特徴とする請求項8に記載の炉への燃料
    吹込み方法。
  14. 【請求項14】 合成樹脂類を加工処理設備において加
    工処理した後、燃料として炉に気送供給し炉内に吹込む
    ための方法であって、 塊状合成樹脂材を主体とする合成樹脂類を粉砕処理する
    ことにより嵩密度0.30以上、安息角40°以下の粒
    状合成樹脂材に加工する工程と、該粒状合成樹脂材を炉
    に気送し、炉内に吹き込む工程とからなることを特徴と
    する炉への燃料吹込み方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2002038172A (ja) * 2000-07-24 2002-02-06 Hideyo Kano 廃プラスチック燃料
JP2008209081A (ja) * 2007-02-28 2008-09-11 Jfe Steel Kk バーナーの燃焼方法

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