JP2000104833A - エアゾール噴霧器用ゴム製シール材 - Google Patents
エアゾール噴霧器用ゴム製シール材Info
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- JP2000104833A JP2000104833A JP10291415A JP29141598A JP2000104833A JP 2000104833 A JP2000104833 A JP 2000104833A JP 10291415 A JP10291415 A JP 10291415A JP 29141598 A JP29141598 A JP 29141598A JP 2000104833 A JP2000104833 A JP 2000104833A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 過酸化水素を内容物に含み、LPGを
充填ガスに用いた毛染め用ヘアースプレーのステム首部
およびマウンテンキャップ部等のシール用として好適な
ゴム製シール材を提供する。 【解決手段】 ゴムにカーボンブラック、可塑剤、架
橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を配合し、架橋して
なるエアゾール噴霧器用ゴム製シール材において、上記
ゴムの50〜100重量%を水素化NBR、0〜50重
量%をNBR、0〜10重量%を任意のゴムとする。
充填ガスに用いた毛染め用ヘアースプレーのステム首部
およびマウンテンキャップ部等のシール用として好適な
ゴム製シール材を提供する。 【解決手段】 ゴムにカーボンブラック、可塑剤、架
橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を配合し、架橋して
なるエアゾール噴霧器用ゴム製シール材において、上記
ゴムの50〜100重量%を水素化NBR、0〜50重
量%をNBR、0〜10重量%を任意のゴムとする。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、エアゾール噴霧
器において、その内容液に過酸化水素を含み、充填ガス
としてLPGを使用したもののステム首部およびマウン
テンキャップ部等のシール用として好適なゴム製シール
材に関するものである。
器において、その内容液に過酸化水素を含み、充填ガス
としてLPGを使用したもののステム首部およびマウン
テンキャップ部等のシール用として好適なゴム製シール
材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】缶体の継ぎ目のシールを目的とするゴム
製シール材は、天然ゴム、合成ゴム等のゴムにカーボン
ブラック、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合
剤を配合して混練りし、薄い板状に圧延し、加硫した
後、所望の大きさのリング状に打ち抜いたり、ゴム組成
物でチューブを成形し、輪切りにしたりして製造される
が、エアゾール噴霧器のステム首部およびマウンテンキ
ャップ部に取付けるためのシール材としては、NBR、
ブチルゴム、フッ素ゴム等のゴム製シール材が使用され
ていた。
製シール材は、天然ゴム、合成ゴム等のゴムにカーボン
ブラック、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合
剤を配合して混練りし、薄い板状に圧延し、加硫した
後、所望の大きさのリング状に打ち抜いたり、ゴム組成
物でチューブを成形し、輪切りにしたりして製造される
が、エアゾール噴霧器のステム首部およびマウンテンキ
ャップ部に取付けるためのシール材としては、NBR、
ブチルゴム、フッ素ゴム等のゴム製シール材が使用され
ていた。
【0003】しかしながら、毛染め用ヘアースプレーの
ように内容液に過酸化水素を含み、充填ガスとしてLP
Gを使用した場合、NBRは過酸化水素に対して大きく
膨潤し、ブチルゴムはLPGに対して大きく膨潤し、フ
ッ素ゴムは過酸化水素およびLPGのいずれに対しても
極めて僅かしか膨潤しない反面、価格が高いという問題
があった。
ように内容液に過酸化水素を含み、充填ガスとしてLP
Gを使用した場合、NBRは過酸化水素に対して大きく
膨潤し、ブチルゴムはLPGに対して大きく膨潤し、フ
ッ素ゴムは過酸化水素およびLPGのいずれに対しても
極めて僅かしか膨潤しない反面、価格が高いという問題
があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】この発明は、過酸化水
素およびLPGのいずれに対しても低い膨潤率を示し、
かつ良好な圧縮永久歪みを有し、しかも安価に製造する
ことができ、上記の過酸化水素を内容物に含み、上記の
LPGを充填ガスに用いた毛染め用ヘアースプレーのス
テム首部およびマウンテンキャップ部等のシール用とし
て好適なゴム製シール材を提供するものである。
素およびLPGのいずれに対しても低い膨潤率を示し、
かつ良好な圧縮永久歪みを有し、しかも安価に製造する
ことができ、上記の過酸化水素を内容物に含み、上記の
LPGを充填ガスに用いた毛染め用ヘアースプレーのス
テム首部およびマウンテンキャップ部等のシール用とし
て好適なゴム製シール材を提供するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】この発明に係るエアゾー
ル噴霧器用ゴム製シール材は、ゴムにカーボンブラッ
ク、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を配
合し、架橋してなるエアゾール噴霧器用ゴム製シール材
において、上記ゴムの50〜100重量%が水素化NB
R、0〜50重量%がNBR、0〜10重量%が任意の
ゴムであることを特徴とする。
ル噴霧器用ゴム製シール材は、ゴムにカーボンブラッ
ク、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を配
合し、架橋してなるエアゾール噴霧器用ゴム製シール材
において、上記ゴムの50〜100重量%が水素化NB
R、0〜50重量%がNBR、0〜10重量%が任意の
ゴムであることを特徴とする。
【0006】この発明のエアゾール噴霧器用ゴム製シー
ル材は、水素化NBRの単体ゴム、水素化NBRおよび
通常のNBRの混合ゴム、または水素化NBR、通常の
NBRおよび任意のゴムの混合ゴムにカーボンブラッ
ク、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を常
法にしたがって配合し、混練りし、用途に応じて薄板状
に圧延して加硫したり、チューブに成形して加硫したり
して製造され、しかるのち薄板状のものはリング状に打
抜いて毛染め用ヘアスプレーのステム首部に、またチュ
ーブ状のものは輪切りにして上記ヘアスプレーのマウン
テンキャップにそれぞれ取付け、各取付け部のシールと
して使用される。
ル材は、水素化NBRの単体ゴム、水素化NBRおよび
通常のNBRの混合ゴム、または水素化NBR、通常の
NBRおよび任意のゴムの混合ゴムにカーボンブラッ
ク、可塑剤、架橋剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を常
法にしたがって配合し、混練りし、用途に応じて薄板状
に圧延して加硫したり、チューブに成形して加硫したり
して製造され、しかるのち薄板状のものはリング状に打
抜いて毛染め用ヘアスプレーのステム首部に、またチュ
ーブ状のものは輪切りにして上記ヘアスプレーのマウン
テンキャップにそれぞれ取付け、各取付け部のシールと
して使用される。
【0007】上記の水素化NBRは、通常のNBRより
も耐薬品性に優れているので、水素化NBRを単独で用
いた場合はもちろん、通常のNBRや任意のゴムと混用
した場合でも、水素化NBRの混用率が合計量の50%
以上であれば、残り全部が通常のNBRでも、またNB
Rと任意のゴムの混合物でも、この任意のゴムの混用率
が10%以下であれば、過酸化水素に対する膨潤率が低
下し、過酸化水素を含む内容液およびLPGからなる充
填ガスのいずれに対しても膨潤率が低くなり、しかも圧
縮永久歪みも小さくなるため、内容液および充填ガスの
漏洩が防止され、噴霧器としての機能が長期にわたって
維持される。特に、水素化NBRの種類を選択したり、
混用率を高くしたりすることにより、圧縮永久歪み(圧
縮率25%、室温、72時間)、過酸化水素水に対する
厚み変化率(濃度6%、温度45℃、浸漬日数30日)
およびLPGに対する厚み変化率(温度45℃、浸漬時
間2時間)をそれぞれ10%以下に設定することがで
き、この場合は市場の要求を完全に満たすことができ
る。ただし、水素化NBRの使用量が50重量%未満の
場合は過酸化水素に対する膨潤率が過大になり、またN
BR以外のゴムの使用量が10重量%を超えるとLPG
に対する膨潤率が過大になり、いずれも使用に耐えな
い。
も耐薬品性に優れているので、水素化NBRを単独で用
いた場合はもちろん、通常のNBRや任意のゴムと混用
した場合でも、水素化NBRの混用率が合計量の50%
以上であれば、残り全部が通常のNBRでも、またNB
Rと任意のゴムの混合物でも、この任意のゴムの混用率
が10%以下であれば、過酸化水素に対する膨潤率が低
下し、過酸化水素を含む内容液およびLPGからなる充
填ガスのいずれに対しても膨潤率が低くなり、しかも圧
縮永久歪みも小さくなるため、内容液および充填ガスの
漏洩が防止され、噴霧器としての機能が長期にわたって
維持される。特に、水素化NBRの種類を選択したり、
混用率を高くしたりすることにより、圧縮永久歪み(圧
縮率25%、室温、72時間)、過酸化水素水に対する
厚み変化率(濃度6%、温度45℃、浸漬日数30日)
およびLPGに対する厚み変化率(温度45℃、浸漬時
間2時間)をそれぞれ10%以下に設定することがで
き、この場合は市場の要求を完全に満たすことができ
る。ただし、水素化NBRの使用量が50重量%未満の
場合は過酸化水素に対する膨潤率が過大になり、またN
BR以外のゴムの使用量が10重量%を超えるとLPG
に対する膨潤率が過大になり、いずれも使用に耐えな
い。
【0008】なお、上記のNBRおよび水素化NBR
は、アクリルニトリル含有量が16%の低いものから5
0%の高いものまで、任意のものが使用可能である。ま
た、これら以外の任意のゴムとしては、天然ゴム、EP
DM、CR、BR、SBR等が例示される。
は、アクリルニトリル含有量が16%の低いものから5
0%の高いものまで、任意のものが使用可能である。ま
た、これら以外の任意のゴムとしては、天然ゴム、EP
DM、CR、BR、SBR等が例示される。
【0009】上記のゴムには、常法にしたがってMAF
カーボン、FTカーボンおよびMTカーボン等の任意の
カーボンブラックが配合される。また、ゴム用配合剤と
して一般に亜鉛華その他の亜鉛化合物が加硫促進剤や促
進助剤、老化防止剤等に使用されているが、この発明で
は、その使用量をゴム100重量部に付き0.5重量部
以下に止め、加硫促進剤や促進助剤、老化防止剤には他
の薬剤を用いるのが好ましく、上記亜鉛化合物の使用量
が0.5重量部を超えると加硫時にブリスター現象が発
生して好ましくない。
カーボン、FTカーボンおよびMTカーボン等の任意の
カーボンブラックが配合される。また、ゴム用配合剤と
して一般に亜鉛華その他の亜鉛化合物が加硫促進剤や促
進助剤、老化防止剤等に使用されているが、この発明で
は、その使用量をゴム100重量部に付き0.5重量部
以下に止め、加硫促進剤や促進助剤、老化防止剤には他
の薬剤を用いるのが好ましく、上記亜鉛化合物の使用量
が0.5重量部を超えると加硫時にブリスター現象が発
生して好ましくない。
【0010】
【発明の実施の形態】実施形態1 水素化NBR100重量部、MAFカーボン20〜60
重量部、MAFカーボン以外のカーボンブラック20〜
60重量部、過酸化物架橋剤2〜10重量部に可塑剤、
老化防止剤などその他の薬品を適量添加し、混練する。
ただし、亜鉛華その他の亜鉛化合物は配合しない。得ら
れたゴム組成物の一部を厚さ1.00〜1.20mmのシ
ートに成形し、架橋する。この架橋後のゴムシートを内
径1.8〜2.8mm、外径8.2〜12.0mmのリング
状に打抜き、毛染め用ヘアスプレーのステム首部に取付
けるためのステムラバーとする。一方、上記ゴム組成物
の残りを内径24.2〜24.4mm、外径30.5〜3
0.7mmの円筒形に成形し、架橋した後、厚み0.9〜
1.1mmに輪切りし、これを上記ヘアスプレーのマウン
テンキャップに取付けるためのマウンテンラバーとす
る。
重量部、MAFカーボン以外のカーボンブラック20〜
60重量部、過酸化物架橋剤2〜10重量部に可塑剤、
老化防止剤などその他の薬品を適量添加し、混練する。
ただし、亜鉛華その他の亜鉛化合物は配合しない。得ら
れたゴム組成物の一部を厚さ1.00〜1.20mmのシ
ートに成形し、架橋する。この架橋後のゴムシートを内
径1.8〜2.8mm、外径8.2〜12.0mmのリング
状に打抜き、毛染め用ヘアスプレーのステム首部に取付
けるためのステムラバーとする。一方、上記ゴム組成物
の残りを内径24.2〜24.4mm、外径30.5〜3
0.7mmの円筒形に成形し、架橋した後、厚み0.9〜
1.1mmに輪切りし、これを上記ヘアスプレーのマウン
テンキャップに取付けるためのマウンテンラバーとす
る。
【0011】実施形態2 実施形態1の水素化NBRの50%以下を通常のNBR
に置換し、その他は実施形態1と同様にしてステムラバ
ーおよびマウンテンラバーを製造する。
に置換し、その他は実施形態1と同様にしてステムラバ
ーおよびマウンテンラバーを製造する。
【0012】
【実施例】種々のゴム、カーボンブラックおよび配合薬
品を用いて実施例1〜7および比較例1〜7のエアゾー
ル噴霧器用ゴム製シール材を製造した。すなわち、後記
の表1〜3に記載した配合の組成物を混練りし、厚さ1
mmに分出しし、得られたシートをプレス機で160℃×
20分間のプレス架橋を行った。
品を用いて実施例1〜7および比較例1〜7のエアゾー
ル噴霧器用ゴム製シール材を製造した。すなわち、後記
の表1〜3に記載した配合の組成物を混練りし、厚さ1
mmに分出しし、得られたシートをプレス機で160℃×
20分間のプレス架橋を行った。
【0013】ゴムとして下記のものを用いた。 水素化NBR−A:高ニトリル水素化NBR(日本ゼオ
ン株式会社製「Zポール1020」) 水素化NBR−B:極高ニトリル水素化NBR(日本ゼ
オン株式会社製「Zポール0020」) 水素化NBR−C:中高ニトリル水素化NBR(日本ゼ
オン株式会社製「Zポール2020」) 高NBR:高ニトリルNBR(日本ゼオン株式会社製
「ニポール1041」) 極高NBR:極高ニトリルNBR(日本ゼオン株式会社
製「ニポールDN003」) SBR:日本合成ゴム株式会社製「JSR1502」 ブチルゴム:日本合成ゴム株式会社製「JSRブチル2
68」 フッ素ゴム:アウジモント社製「テクノフロンP75
7」
ン株式会社製「Zポール1020」) 水素化NBR−B:極高ニトリル水素化NBR(日本ゼ
オン株式会社製「Zポール0020」) 水素化NBR−C:中高ニトリル水素化NBR(日本ゼ
オン株式会社製「Zポール2020」) 高NBR:高ニトリルNBR(日本ゼオン株式会社製
「ニポール1041」) 極高NBR:極高ニトリルNBR(日本ゼオン株式会社
製「ニポールDN003」) SBR:日本合成ゴム株式会社製「JSR1502」 ブチルゴム:日本合成ゴム株式会社製「JSRブチル2
68」 フッ素ゴム:アウジモント社製「テクノフロンP75
7」
【0014】カーボンブラックとして下記のものを用い
た。 MAFカーボン:東海カーボン株式会社製「シースト#
116」 FTカーボン:旭カーボン株式会社製「旭サーマル」 MTカーボン:Cancarb社製「サーマックスN−
990」
た。 MAFカーボン:東海カーボン株式会社製「シースト#
116」 FTカーボン:旭カーボン株式会社製「旭サーマル」 MTカーボン:Cancarb社製「サーマックスN−
990」
【0015】亜鉛華以外の亜鉛化合物として下記のもの
を用いた。 亜鉛含有老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製「ノ
クラックMBZ」
を用いた。 亜鉛含有老化防止剤:大内新興化学工業株式会社製「ノ
クラックMBZ」
【0016】硫黄以外の架橋剤として下記の有機過酸化
物を用いた。 架橋剤A:化薬アクゾ株式会社製「パーカドックス14
/40」 架橋剤B:日本油脂株式会社製「パーヘキサ25B−4
0」
物を用いた。 架橋剤A:化薬アクゾ株式会社製「パーカドックス14
/40」 架橋剤B:日本油脂株式会社製「パーヘキサ25B−4
0」
【0017】加硫促進剤として下記のものを用いた。 加硫促進剤A:スルフエンアミド系加硫促進剤 加硫促進剤B:チウラム系加硫促進剤 加硫促進剤C:チアゾール系加硫促進剤
【0018】上記のゴムおよび配合薬品を用いて混練、
分出し、プレス加硫して得られた厚み1mmのシートを幅
10mm、長さ30mmの長方形に切断して試料とし、この
試料を用いて圧縮永久歪み、過酸化水素水およびLPG
に浸漬した際の厚み変化率および重量変化率を測定し
た。この測定は以下の方法にしたがった。
分出し、プレス加硫して得られた厚み1mmのシートを幅
10mm、長さ30mmの長方形に切断して試料とし、この
試料を用いて圧縮永久歪み、過酸化水素水およびLPG
に浸漬した際の厚み変化率および重量変化率を測定し
た。この測定は以下の方法にしたがった。
【0019】圧縮永久歪み 上記のプレス加硫して得られた厚み1mmのゴムシートを
直径29mmの円形に打抜き、その12枚を積層し、高さ
を約12mmとし、これを25%圧縮し、23℃の温度下
に72時間静置し、次いで開放し、30分後の厚みを測
定して歪み率を算出する。
直径29mmの円形に打抜き、その12枚を積層し、高さ
を約12mmとし、これを25%圧縮し、23℃の温度下
に72時間静置し、次いで開放し、30分後の厚みを測
定して歪み率を算出する。
【0020】厚み変化率および重量変化率 試料の厚みおよび重量を測定し、この試料を耐圧ビンに
入れ、過酸化水素水(濃度6%)またはLPGの試験液
を注入または充填し、45℃の恒温槽に入れ、2時間
(2H)後、1日(1D)後、5日(5D)後、30日
(30D)後に試料を取出して厚みおよび重量を測定
し、その変化率を算出し、試料数3について平均値を求
めた。なお、LPGについては2時間(2H)後のみと
した。
入れ、過酸化水素水(濃度6%)またはLPGの試験液
を注入または充填し、45℃の恒温槽に入れ、2時間
(2H)後、1日(1D)後、5日(5D)後、30日
(30D)後に試料を取出して厚みおよび重量を測定
し、その変化率を算出し、試料数3について平均値を求
めた。なお、LPGについては2時間(2H)後のみと
した。
【0021】 表 1 実施例1 実施例2 実施例3 比較例1 比較例2 水素化NBR−A 100 70 50 30 − 中高NBR − 30 50 70 100 MAFカーボン 30 30 30 30 30 FTカーボン 30 30 30 30 30 DOP(可塑剤) 10 10 10 10 10 DBP(可塑剤) 10 10 10 10 10 TAIC(CO-AGENT) 1 1 1 1 1 圧縮永久歪み(%) 6 7 8 10 11 過酸化水素水浸漬結果 厚み変化率2H(%) 0 0 0.2 0.2 0.2 重量変化率2H(%) 0.4 0.5 0.7 0.8 0.6 厚み変化率1D(%) 0.2 0.2 1.1 1.2 1.7 重量変化率1D(%) 0.9 1.3 1.7 1.7 2.5 厚み変化率5D(%) 0.8 0.9 1.3 1.5 3.5 重量変化率5D(%) 1.8 2.3 3.1 3.2 6.2 厚み変化率30D (%) 3.2 4.4 7.2 11.5 16.2 重量変化率30D (%) 8.4 10.1 15.1 28.3 43.2 LPG浸漬結果 厚み変化率2H(%) 0.7 0.9 1.1 0.8 1.0 重量変化率2H(%) 0.4 0.5 0.4 0.4 0.4
【0022】 表 2 実施例4 実施例5 比較例3 実施例6 実施例7 水素化NBR−A − − 100 90 70 水素化NBR−B 100 − − − − 水素化NBR−C − 100 − − − 極高NBR − − − − 20 SBR − − − 10 10 亜鉛含有老化防止剤 − − 1.5 − − MAFカーボン 30 30 30 30 30 FTカーボン 30 30 30 30 30 DOP(可塑剤) 10 10 10 10 10 DBP(可塑剤) 10 10 10 10 10 TAIC(CO-AGENT) 1 1 1 1 1 加硫剤A 8 8 8 8 8 圧縮永久歪み(%) 6 8 8 7 8 過酸化水素水浸漬結果 厚み変化率2H(%) 0 0 0 0.1 0.2 重量変化率2H(%) 0.6 0.4 0.7 0.4 0.6 厚み変化率1D(%) 1.0 0.3 1.0 0.6 1.0 重量変化率1D(%) 1.4 0.5 2.8 1.4 1.7 厚み変化率5D(%) 1.1 0.4 1.3 1.1 1.4 重量変化率5D(%) 1.5 0.6 3.1 2.6 3.3 厚み変化率30D (%) 4.6 2.5 3.8 5.2 7.6 重量変化率30D (%) 10.7 7.4 9.6 11.3 15.7 LPG浸漬結果 厚み変化率2H(%) 0.9 3.2 1.0 7.2 7.6 重量変化率2H(%) 0.2 2.2 1.1 5.1 5.3
【0023】 表 3 比較例4 比較例5 比較例6 比較例7 高NBR − 100 − − 極高NBR 100 − − − ブチルゴム − − 100 − フッ素ゴム − − − 100 酸化亜鉛 3 5 5 − ステアリン酸 1.0 1.2 1.5 − パラフィンワックス − 0.5 1.0 − カルナバワックス − − − 0.5 MAFカーボン − 25 30 − FTカーボン 60 35 57 − MTカーボン − − − 40 DOP(可塑剤) − 12 − − DBP(可塑剤) 25 10 − − 硫黄 3.0 5.0 2.0 − TAIC(CO-AGENT) − − − 4.0 加硫促進剤A − 0.8 0.5 − 加硫促進剤B 0.2 0.1 1.0 − 加硫促進剤C 1.2 − − − 加硫剤B − − − 3.0 圧縮永久歪み(%) 9 13 8 10 過酸化水素水浸漬結果 厚み変化率2H(%) 0.2 0.5 0 0 重量変化率2H(%) 0.9 1.3 0.1 0.1 厚み変化率1D(%) 1.2 1.9 0 0 重量変化率1D(%) 3.8 5.4 0.5 0.3 厚み変化率5D(%) 3.5 6.0 1.2 0.4 重量変化率5D(%) 9.9 15.8 1.6 0.6 厚み変化率30D (%) 12.2 18.5 2.2 1.5 重量変化率30D (%) 35.8 47.9 3.1 2.3 LPG浸漬結果 厚み変化率2H(%) 0 2.3 19.4 0 重量変化率2H(%) 0.1 1.6 28.8 0.3
【0024】上記の表1ないし表3に示すように、実施
例1〜7は、いずれも圧縮永久歪みおよび過酸化水素水
およびLPGに浸漬した際の厚み変化率、重量変化率が
すべて小さく、市場の要求を満たしていた。特に、通常
のNBRを用いず、水素化NBRのみを用いた実施例
1、4、5は、過酸化水素水に対する膨潤率が特に低く
なった。これに対し、比較例1は、水素化NBRよりも
通常のNBRを多く配合したため、また比較例2は通常
のNBRのみを用いたため、他の配合は実施例1、2お
よび3と同じであっても、過酸化水素水での膨潤率が過
大になった。また、比較例3は、実施例1の配合に亜鉛
含有老化防止剤を加えたため、過酸化水素水でブリスタ
ーが発生し、不適格品となった。また、比較例4は極高
NBRのみを、比較例5は高NBRのみをそれぞれ用
い、かつ酸化亜鉛を配合したため、過酸化水素水での膨
潤率が大きく、かつ軟化し、表面がぼろぼろになった。
また、比較例6は、ブチルゴムを使用したため、LPG
での膨潤率が過大になった。また、比較例7は、フッ素
ゴムを使用したため、過酸化水素水およびLPGの両者
に対して低い膨潤率を示したが、価格が高く、実用的で
ない。
例1〜7は、いずれも圧縮永久歪みおよび過酸化水素水
およびLPGに浸漬した際の厚み変化率、重量変化率が
すべて小さく、市場の要求を満たしていた。特に、通常
のNBRを用いず、水素化NBRのみを用いた実施例
1、4、5は、過酸化水素水に対する膨潤率が特に低く
なった。これに対し、比較例1は、水素化NBRよりも
通常のNBRを多く配合したため、また比較例2は通常
のNBRのみを用いたため、他の配合は実施例1、2お
よび3と同じであっても、過酸化水素水での膨潤率が過
大になった。また、比較例3は、実施例1の配合に亜鉛
含有老化防止剤を加えたため、過酸化水素水でブリスタ
ーが発生し、不適格品となった。また、比較例4は極高
NBRのみを、比較例5は高NBRのみをそれぞれ用
い、かつ酸化亜鉛を配合したため、過酸化水素水での膨
潤率が大きく、かつ軟化し、表面がぼろぼろになった。
また、比較例6は、ブチルゴムを使用したため、LPG
での膨潤率が過大になった。また、比較例7は、フッ素
ゴムを使用したため、過酸化水素水およびLPGの両者
に対して低い膨潤率を示したが、価格が高く、実用的で
ない。
【0025】
【発明の効果】以上に説明したように、この発明のエア
ゾール噴霧器用ゴム製シール材は、ゴムとしてNBR、
水素化NBRおよび任意のゴムを混用し、その合計量の
50%以上を水素化NBRとしたものであるから、過酸
化水素およびLPGのいずれに対しても膨潤率が低くな
り、しかも圧縮永久歪みが小さい。したがって、毛染め
用エアゾール噴霧器のように、内容物に過酸化水素を含
み、充填ガスにLPGを用いたエアゾール噴霧器のステ
ムラバーやマウンテンラバーとして使用するのに好適で
あり、上記毛染め用エアゾール噴霧器の内容液および充
填ガスの漏洩を防止し、噴霧器としての機能を長期にわ
たって維持することができる。特に請求項2に記載の発
明は、亜鉛化合物の配合を制限したものであるから、ブ
リスターの発生がなく、また請求項3記載の発明は、市
場の要求性能を完全に満たすことができる。
ゾール噴霧器用ゴム製シール材は、ゴムとしてNBR、
水素化NBRおよび任意のゴムを混用し、その合計量の
50%以上を水素化NBRとしたものであるから、過酸
化水素およびLPGのいずれに対しても膨潤率が低くな
り、しかも圧縮永久歪みが小さい。したがって、毛染め
用エアゾール噴霧器のように、内容物に過酸化水素を含
み、充填ガスにLPGを用いたエアゾール噴霧器のステ
ムラバーやマウンテンラバーとして使用するのに好適で
あり、上記毛染め用エアゾール噴霧器の内容液および充
填ガスの漏洩を防止し、噴霧器としての機能を長期にわ
たって維持することができる。特に請求項2に記載の発
明は、亜鉛化合物の配合を制限したものであるから、ブ
リスターの発生がなく、また請求項3記載の発明は、市
場の要求性能を完全に満たすことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】 ゴムにカーボンブラック、可塑剤、架橋
剤、架橋促進剤等のゴム用配合剤を配合し、架橋してな
るエアゾール噴霧器用ゴム製シール材において、上記ゴ
ムの50〜100重量%が水素化NBR、0〜50重量
%がNBR、0〜10重量%が任意のゴムであることを
特徴とするエアゾール噴霧器用ゴム製シール材。 - 【請求項2】 亜鉛華その他の亜鉛化合物の配合量がゴ
ム100重量部当たり0.5重量部以下である請求項1
に記載のエアゾール噴霧器用ゴム製シール材。 - 【請求項3】 圧縮率25%で室温下に72時間置いた
際の圧縮永久歪みが10%以下、濃度6%、温度45℃
の過酸化水素水に30日浸漬した際の厚み変化率が10
%以下、温度45℃のLPGに2時間浸漬した際の厚み
変化率が10%以下である請求項1または2に記載のエ
アゾール噴霧器用ゴム製シール材。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10291415A JP2000104833A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | エアゾール噴霧器用ゴム製シール材 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10291415A JP2000104833A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | エアゾール噴霧器用ゴム製シール材 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000104833A true JP2000104833A (ja) | 2000-04-11 |
Family
ID=17768598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10291415A Pending JP2000104833A (ja) | 1998-09-29 | 1998-09-29 | エアゾール噴霧器用ゴム製シール材 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000104833A (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2006022862A1 (en) * | 2004-08-05 | 2006-03-02 | Gkn Driveline North America, Inc. | Automotive driveline sealing components manufactured of hydrodenated nitrile butadiene rubber material |
WO2007094447A1 (ja) * | 2006-02-17 | 2007-08-23 | Nok Corporation | 水素化nbr組成物 |
JP2008232275A (ja) * | 2007-03-20 | 2008-10-02 | Tokai Rubber Ind Ltd | 燃料系ホース |
JP2010197424A (ja) * | 2009-02-23 | 2010-09-09 | Canon Inc | 電子写真用トナー容器及び画像形成方法 |
JP2010197420A (ja) * | 2009-02-23 | 2010-09-09 | Canon Inc | 電子写真用トナー容器及び画像形成方法 |
WO2018181373A1 (ja) * | 2017-03-31 | 2018-10-04 | 福岡県 | 高圧ガス用シール部材に用いられるためのゴム組成物、高圧ガス用シール部材、高圧ガス用機器および高圧ガスシール方法 |
-
1998
- 1998-09-29 JP JP10291415A patent/JP2000104833A/ja active Pending
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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CN110099981A (zh) * | 2017-03-31 | 2019-08-06 | 福冈县 | 高压气体用密封部件中使用的橡胶组合物、高压气体用密封部件、高压气体用机器和高压气体密封方法 |
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