JP2000104608A - 火花点火式筒内直噴型内燃機関の制御装置 - Google Patents

火花点火式筒内直噴型内燃機関の制御装置

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JP2000104608A
JP2000104608A JP10271038A JP27103898A JP2000104608A JP 2000104608 A JP2000104608 A JP 2000104608A JP 10271038 A JP10271038 A JP 10271038A JP 27103898 A JP27103898 A JP 27103898A JP 2000104608 A JP2000104608 A JP 2000104608A
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pilot
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Tokio Kohama
時男 小浜
Masahiko Watanabe
聖彦 渡辺
Katsuhiko Hirose
雄彦 広瀬
Takahiro Nishigaki
隆弘 西垣
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 火花点火式筒内直噴型内燃機関において、燃
料噴射と点火の制御によって失火を抑えると共に、未燃
燃料の排出によるエミッション悪化を防止する。 【解決手段】 この場合の筒内直噴型のインジェクタ
は、パイロット噴射と主噴射を独立して実行することが
できる。図示例では、着火確認装置を兼ねる点火栓3の
付勢回路を、点火のための放電に続いてイグナイタ5か
ら火炎イオン電流検出手段7へ切り換えて、低圧電源8
から比較的低い電圧を点火栓3に印加し、まず、パイロ
ット燃焼の着火確認を行う。パイロット燃焼が検知され
ると主噴射が行われる。パイロット燃焼が検知されない
時は主噴射を禁止して、例えばパイロット噴射と点火を
繰り返すことにより着火させる。なお、パイロット燃焼
が検知されなくても主噴射を行う制御モードもあり、こ
の場合は主噴射後に若干の時間を置いてから、点火を繰
り返すことにより着火させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、火花点火方式で、
かつ燃料を筒内へ直接に噴射する形式の内燃機関におけ
る燃料噴射装置および点火装置を作動させる制御装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、火花点火式の内燃機関に属するも
のとして、燃料を筒内へ直接に噴射する所謂「筒内直噴
型内燃機関」が実用化されている。この内燃機関におい
ては、点火栓の近傍にのみ可燃混合気を形成することに
よって、全体としては燃料の希薄な混合気を筒内に形成
し、所謂「リーン燃焼」の状態となる成層燃焼を実現す
ることにより燃費の低減を図っている。しかしながら、
筒内直噴型内燃機関においては成層燃焼のために点火栓
の電極付近に燃料を噴射するので、特に冷間始動時には
点火栓の電極間に燃料が付着して失火するという恐れが
あった。
【0003】そこで、特公平4−37264号公報に示
されているように、まず「パイロット噴射」を行って火
花点火させることにより所謂「パイロット燃焼」を起こ
させると共に、続けて大部分の燃料を噴射する所謂「主
噴射」を行って、パイロット燃焼による火炎によって主
噴射燃料に着火させて「主燃焼」を起こさせると、失火
を確実に防止することができる。また、それによってノ
ック防止の効果も得られる。ただし、この火花点火によ
るパイロット燃焼と、それに続く主燃焼の組合せを実現
することができるのは、吸気弁の閉弁時期から後に燃料
を筒内へ供給することができる筒内直噴型内燃機関に限
られる。
【0004】一方、燃焼室内に一対の電極を設けて、こ
の電極間に数百ボルト程度の比較的低い電圧を印加し、
この電極に火炎が触れたときにプラズマ火炎の導電性に
より電流が流れるという性質を利用した着火確認装置が
知られている。この着火確認装置によれば、筒内におい
て火炎が発生(着火)したか、或いは失火したかという
ことを検知することができる。着火確認装置の電極は内
燃機関の燃焼室に装着されるので、普通は点火栓の電極
と共用される。
【0005】
【発明が解決しようとする問題】筒内直噴型の内燃機関
における失火の原因として考えられるものには、始動時
に未だ温度が低い筒内へ直接に燃料を噴射することによ
って、燃料の液滴が筒内壁や点火栓の電極へ付着するこ
と、フューエルインジェクタの噴射孔が燃焼生成物のデ
ポジットによって部分的に閉塞することによる燃料の霧
化不良等がある。特に、低温始動時においては、燃料が
筒内壁に付着して蒸発しないために点火栓の電極間にあ
る混合気が燃料希薄になる場合や、点火栓の電極間に燃
料の液滴が付着して電極を短絡させる場合がある。
【0006】従来、これらの原因による失火が生じた後
の着火回復措置としては、再度の火花点火を行うこと以
外に方法がなかった。また、再度の火花点火を行うこと
もできない内燃機関では、着火確認装置を設けて失火を
検知しても、失火したときに筒内に残っている混合気を
再度着火させる手段がないので、失火した気筒内に残っ
ている全ての混合気をそのまま排出する操作を行う結
果、エミッションが悪化するという恐れがあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記の課題を
解決するための手段として、特許請求の範囲の各請求項
に記載された火花点火式筒内直噴型内燃機関の制御装置
を提供する。
【0008】請求項1の制御装置においては、パイロッ
ト燃焼と主燃焼とが分けて行われると共に、まず、パイ
ロット燃焼において、着火確認手段による失火の判定が
行われる。着火確認手段は筒内に設けられた電極の間に
流れるイオン電流を検出することによって着火確認操作
を行う。電極の間に全く電流が流れないときは、電極の
近傍の混合気が燃料希薄であるために失火したものと判
断されるし、所定の大きさの電流(イオン電流)が流れ
たことを検知した時は適正なパイロット燃焼が成立した
ものと判定することができ、直ちに主噴射操作を行って
主燃焼に移行することができる。また、所定値以上の大
きな電流が流れた時は、電極間に燃料の液滴が付着して
電気的に短絡したものであるから、パイロット燃焼は失
火したものと判定することができる。
【0009】従って、パイロット燃焼の失火時には主燃
焼分の燃料を噴射しないという制御が可能になり、未燃
の燃料をエミッションとして大気中へ排出することが防
止される。また、パイロット燃焼の失火状態から着火状
態へ回復させようとする着火回復制御をとり入れた場合
には、パイロット噴射操作、パイロット点火操作、パイ
ロット燃焼の着火確認操作を複数回続けて行うことがで
きるため、着火回復制御に大きな自由度があり、内燃機
関の運転状況に応じた制御が可能になる。
【0010】パイロット燃焼は主燃焼の失火を抑えるた
めに行われるが、パイロット燃焼そのものが失火した場
合でも、パイロット燃焼を圧縮行程の初期、すなわちピ
ストンの下死点付近から開始すれば、普通は平均有効圧
が最大になる点を選ぶ主燃焼の燃焼開始時期まで時間的
には十分な余裕がある。また、筒内直噴型内燃機関にお
いては、吸気弁が閉じた後でも火花点火操作、燃料噴射
操作、および着火確認操作を行うことができるので、パ
イロット燃焼の開始時期は固定されることがなく自由度
がある。従って、複数回のパイロット燃焼を行うことに
よって確実に着火させることができる。
【0011】請求項2の制御装置によれば、請求項1に
記載された構成を有する内燃機関において、主燃焼の燃
焼開始が点火手段によらないで、先行するパイロット燃
焼を点火源として自動的に行われる。パイロット燃焼の
火炎の温度が燃料の発火温度よりも高くなると、燃料噴
射手段が主噴射操作を行うと同時に主燃焼が開始され
る。従って、この場合は、点火手段によって主燃焼の燃
焼開始時期を制御する代わりに、燃料噴射手段による主
噴射操作の開始時期を制御することによって主燃焼の燃
焼開始時期を制御することができる。
【0012】請求項3の制御装置においては、点火手段
の電極と着火確認手段の電極を共用すること、具体的に
は、点火手段としての通常の点火栓の付勢回路を切り換
えることによって、点火栓を着火確認手段として流用す
るので、特別に着火確認手段としての電極を筒内に新設
する必要がない。
【0013】請求項4の制御装置においては、パイロッ
ト燃焼が失火と判定された時に直ちに主噴射操作を禁止
して、多量の燃料が燃焼しないまま大気中へ排出される
のを防止する。また、それによって着火回復制御等の善
後策を講じることが可能になる。
【0014】請求項5の制御装置によれば、着火確認手
段の信号によってパイロット燃焼の失火が検知される
と、直ちに主噴射を禁止すると共に、パイロット噴射と
点火を繰り返すことによって着火回復制御が行われる。
パイロット噴射の燃料量は僅かであるから、仮に再び着
火に失敗しても、大気中へ排出されるエミッションの量
は無視することができる程度である。このようにパイロ
ット噴射と点火を複数回繰り返すことによって着火する
と、始めて主噴射が行われて主燃焼が開始される。
【0015】請求項6の制御装置においては、パイロッ
ト燃焼の失火が検知された時でも直ちに主噴射が行わ
れ、所定の時間を置くことによって燃料を蒸発させてか
ら、主噴射燃料に対して火花点火手段によって複数回繰
り返して点火操作が行われる。この点火操作は、点火可
能な期間内において、着火確認手段によって主燃焼の生
じたことが検知される時まで続けられる。
【0016】本発明によれば、火花による点火手段と、
燃料を筒内へ直接に噴射することができる燃料噴射手段
と、筒内に設けられた電極間に電圧を印加することによ
り炎の導電性を利用して火炎を認識する着火確認手段と
を備えている筒内直噴型内燃機関において、制御装置に
よってパイロット燃焼の着火を確認する手順を経たのち
に燃料の噴射制御と点火制御を行うので、失火によるエ
ミッションの悪化を防ぐと共に、自由度の大きい着火回
復制御を行うことができ、失火そのものを防止すること
ができる。
【0017】
【発明の実施の形態】(第1実施例)本発明の第1実施
例の構成と作動について図1から図5を用いて説明す
る。第1実施例における制御は、パイロット燃焼の失火
を検出した時に主燃焼の燃料噴射を停止する点に特徴を
有するもので、着火回復制御のない比較的簡易な制御の
例である。しかし、この第1実施例によれば、失火を検
出した後は余分な燃料を噴射しないので、エミッション
の悪化を確実に防止することができる。
【0018】図1に第1実施例の筒内直噴型内燃機関で
あるガソリンエンジン100の構成を示す。ガソリンエ
ンジン100の構成部品には、クランク軸の付近に設け
られたクランク角センサ1、筒内へ燃料を噴射するフュ
ーエルインジェクタ2、シリンダヘッドに取り付けられ
て筒内における着火の確認装置を兼ねる点火栓3、カム
軸付近に設けられたカム角センサ4、点火栓3に高電圧
を印加するイグナイタ5、マイクロコンピュータを内蔵
している電子式制御装置(ECU)200等が含まれて
いる。
【0019】図2に、着火確認装置を兼ねる点火栓3
と、図1にも示したイグナイタ5に加えて、イグナイタ
5へ点火時期信号を供給するために前述のECU200
内に設けられた点火時期計算手段6と、やはりECU2
00内に設けられて、着火確認装置としての点火栓3に
火炎イオン電流が発生したか否かを検知する火炎イオン
電流検出手段7と、点火栓3へ比較的低電圧の電流を供
給する低電圧電源8とを含む制御ブロックの関連構成を
示す。
【0020】ECU200に含まれている点火時期計算
手段によって点火時期信号が計算されてイグナイタ5に
送られると、この点火時期信号によって指令された時期
に、高電圧(数万ボルト)の電流がイグナイタ5によっ
て点火栓3の電極に印加される。点火電圧は高圧である
から、点火栓3の電極間にある混合気の絶縁層を破って
火花放電が生じ、それによって混合気が着火する。この
後、着火確認のために点火栓3の電極には低圧電源8か
ら火炎イオン電流検出手段7を介して数百ボルト程度の
電圧が印加される。
【0021】火炎の内部ではガスの分子がイオン化して
電離状態となっているので火炎には導電性があり、ガス
の中に挿入された電極に電圧を印加すると電流が流れ
る。この電流は「火炎イオン電流」と呼ばれる。図3に
はパイロット燃焼が着火した場合に点火栓3によって検
出される火炎イオン電流の信号の波形と、失火した場合
に検出される電流の信号の波形がそれぞれ示されてい
る。パイロット燃焼が正常に着火した場合がAで、失火
した場合がBおよびCである。
【0022】なお、点火栓3を利用して火炎イオン電流
を検出する場合でも、点火時期にはイグナイタ5によっ
て点火栓3へ高電圧が印加されるので、点火時期以外の
時期に点火栓3の付勢回路をイグナイタ5から火炎イオ
ン電流検出手段7へ切り換えて、比較的低い電圧を点火
栓3に印加することによってイオン電流を検出すること
になる。従って、図3や後出の線図においては、便宜
上、火炎イオン電流を示す曲線が連続的に描かれている
ものの、実際は点火時期において切断された形になる。
【0023】図3のAの場合は、点火後も点火栓3の電
極の間に火炎イオン電流が流れている。しかしパイロッ
ト燃焼が失火してしまったBの場合は火炎が生じないの
で、数百ボルト程度の低電圧の印加では点火栓3の電極
間に電流は流れていない。また、同じくパイロット燃焼
が失火した例でもCの場合は、点火栓3の電極間に燃料
の液滴が付着して電極間が短絡した場合であって、この
点火栓に着火確認用の低電圧を印加すると、燃料の短絡
経路を通してAの火炎イオン電流よりも大きい電流が流
れる。以上のような火炎イオン電流信号、或いはそれに
代わる電流の波形から、パイロット燃焼の着火或いは失
火を確認することができる。
【0024】図4に第1実施例の制御フローを示す。こ
の場合は、パイロット燃焼が正常に着火したのを確認し
た後に、比較的多量の燃料噴射を行って主燃焼を起こさ
せることになっているので、パイロット燃焼の失火が検
出された時は主燃焼の燃料噴射は停止される。ただし、
第1実施例の場合は、主噴射を停止するだけで、その後
の着火回復制御は行わない。従って、適当な時間を置い
て筒内を乾燥させるというような措置を講じた後に再び
始動操作を行うことになる。
【0025】なお、図4に示す制御フローは、パイロッ
ト燃焼を制御するためのブロック10と、主燃焼を制御
するためのブロック11と、パイロット燃焼の失火判定
ブロック9とに大別される。パイロット燃焼の失火判定
ブロック9により、その後に続く主燃焼のための燃料を
噴射するか否かが決定される。パイロット燃焼が失火し
たときは主燃焼の燃料噴射を停止するので、無用の燃料
を噴射して大気中へ排出する恐れがない。
【0026】またパイロット燃焼が失火し、かつ点火栓
3の電極に燃料による短絡がないと失火判定ブロック9
が判断した場合は、次回のパイロット燃焼において燃料
噴射量を増量させると着火しやすくなる。パイロット燃
料に対する増量は僅かであるから、仮に次回のパイロッ
ト燃焼が失火した場合でも、大気中への未燃焼燃料の排
出量を低く抑えることができる。
【0027】図5と図6に第1実施例の制御信号の波形
と、制御結果としての燃焼波形を示す。図5は燃焼が正
常である場合を示していると共に、図6は失火した場合
を示している。図5や図6の(3)等に示す燃焼波形
は、筒内圧の変化を時間の経過(クランク角)に従って
記録したもので、燃焼が発生すると筒内圧が高い値まで
上昇する。なお、破線によって示したモータリング圧
は、エンジン100が始動用モータによって駆動される
ことによって、圧縮行程において生じる筒内圧の変化を
示すものであるから、筒内に燃焼が生じていなくても比
較的小さな筒内圧の変化が見られる。
【0028】燃焼が正常である場合を示す図5の(1)
において、12はパイロット燃焼のための燃料噴射を表
しているが、この噴射量は内燃機関100の出力とは無
関係に一定の大きさとしてよい。図5の(2)に示すよ
うに、そのパイロット燃焼に対応した火炎イオン電流1
4を検出した時は、内燃機関100に要求される出力に
応じた燃料噴射量13によって主噴射が行われ、パイロ
ット燃焼の火炎によって確実に着火して主燃焼が行われ
る。その結果、図5の(3)に実線によって示すような
燃焼波形が生じる。
【0029】これに対して、失火した場合を示す図6で
は、図5と同じくパイロット燃焼のための燃料噴射15
が行われるが、前述のような理由で着火しない。この場
合はパイロット燃焼に対応する火炎イオン電流17は立
ち上がらないで平坦なままであるから、波形を監視して
いるECU200によって失火したものと判断され、主
燃料の燃料噴射16は停止される。従って、図6の場合
は主燃焼は生じない。従来の制御においては、失火が生
じた場合は内燃機関100の出力に応じた図5の(1)
に示す12の部分と13の部分の燃料噴射の総和量が大
気中へ排出されていたのに対し、本発明の第1実施例に
よれば、パイロット噴射分の15の部分の燃料が排出さ
れるに過ぎないので、エミッションの悪化が防止され
る。なお、第1実施例の制御は内燃機関100が高圧縮
比である時や、ノッキングを生じやすい低回転高負荷の
運転状態にある時に有効である。
【0030】(第2実施例)第2実施例においても、エ
ンジン100を含めたハードウエアのシステム構成は、
第1実施例の図1および図2に示したものと同じであ
る。以下、第2実施例の特徴とする制御の作動について
図7から図8を用いて説明する。図7は第2実施例の制
御フローを示すもので、第2実施例の制御は、パイロッ
ト燃焼の失火を検出した時に、直ちに次のパイロット燃
焼を行って着火させる点に特徴を有するものである。
【0031】図7に示す第2実施例の制御フローはパイ
ロット燃焼を制御するブロック31と、主燃焼を制御す
るブロック32と、パイロット燃焼の失火を判定するブ
ロック33に大別される。パイロット燃焼の失火判定ブ
ロック33により、その後に続く主燃焼の燃料噴射が決
定されることは第1実施例の場合と同様である。しか
し、パイロット燃焼が失火したときは、点火栓の電極間
が燃料によって短絡されていないこと(ブロック3
4)、および、既にパイロット燃焼のために噴射された
燃料量が1気筒分の噴射予定量よりも小さいこと(ブロ
ック35)を確認した後に、直ちに次のパイロット噴射
と点火を行って着火の回復を図る。
【0032】このように、第2実施例においては複数回
のパイロット噴射と点火を繰り返すことによって着火の
回復制御を行い、パイロット燃焼が確認された時に始め
て主噴射が行われて主燃焼に移る。従って、失火の発生
を極力抑えることができる結果、エミッション悪化の防
止および内燃機関の早期暖機が可能となる。
【0033】図8に第2実施例における制御信号の波形
と、制御結果として検出される燃焼波形を例示する。図
8の例では、初めの数回のパイロット燃焼が失火した後
に、着火回復制御によってパイロット燃焼が成立してい
る。すなわち、まずパイロット噴射36と点火が行われ
るが、パイロット噴射36に対応する火炎イオン電流3
7の立ち上がりが検知されないので、第2実施例の制御
の特徴として、直ちに複数回のパイロット噴射38と点
火が繰り返して行われる。そして火炎イオン電流39が
検出された時に主燃焼の燃料噴射40へ制御が移行す
る。従って、第2実施例の制御は内燃機関100の冷間
始動時に有利である。
【0034】(第3実施例)第3実施例も、そのハード
ウェアのシステム構成は第1実施例の図1および図2に
示すものと同じである。第3実施例の特徴とする制御作
動について図9から図10を用いて説明する。図9に第
3実施例の制御フローを示す。第3実施例は、パイロッ
ト燃焼の失火を検出した時でも、第1実施例や第2実施
例の場合と違って、直ちに主燃焼のための燃料噴射を行
う。そして点火栓3の電極間にある混合気の燃料が十分
に蒸発するだけの時間を置いてから、複数回の火花放電
を行うことによって着火を達成するものである。
【0035】この制御フローは、パイロット燃焼を制御
するためのブロック41と、主燃焼を制御するためのブ
ロック42と、パイロット燃焼の失火を判定するための
ブロック43とに大別される。パイロット燃焼の失火判
定ブロック43により、その後に続く主燃焼の燃料噴射
が決定されることは第1実施例や第2実施例の場合と同
じである。しかし、第3実施例の場合は、パイロット燃
焼の失火が検出された時でも、点火栓3の電極が燃料の
液滴によって短絡されていないことを確認(ブロック4
4)した後に直ちに主燃焼のための燃料噴射45を行
う。次に1回目の主燃焼点火46が実行されて、火炎イ
オン電流入力47によって主燃焼の着火確認を行う。主
燃焼の失火判断ブロック48において失火を検知した時
は、着火回復のための点火制御49に移行する。この着
火回復のための点火は、ピストン位置が最終点火時期を
過ぎる時まで複数回繰り返される。この第3実施例によ
れば、主燃焼のための複数回の点火による着火回復制御
によって失火が極力抑えられるので、エミッション悪化
の防止および内燃機関の早期暖機に効果がある。
【0036】図10に第3実施例の制御信号波形と、制
御結果としての燃焼波形を示す。図10においてはパイ
ロット燃焼が失火した後に、主噴射に対する複数回の点
火による着火回復制御を行うことにより燃焼が確立して
いる。すなわち、まずパイロット噴射50と点火が行わ
れるが、パイロット噴射50に対応する火炎イオン電流
51が検知されていない。そこで直ちに主燃焼の燃料噴
射52が行われる。そして点火栓3の電極間に混合気の
蒸発した燃料が行き渡ってから点火が始まることにな
る。複数回の点火が行われている間も火炎イオン電流は
常に監視されており、火炎が発生したことを示す波形5
3が検出された時に、着火回復のための制御が終了す
る。これらの制御によって、失火の発生を極力抑えた燃
焼状態が得られる。第3実施例の制御は、特に内燃機関
100の冷間始動時に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】各実施例に共通のシステム構成を示すための、
内燃機関の断面図と制御装置のブロック図との結合図で
ある。
【図2】各実施例に共通の構成を示すための、点火栓の
概念図と着火確認装置を兼ねる火花点火装置のブロック
図との結合図である。
【図3】パイロット燃焼に対応した火炎イオン電流の波
形を例示する線図である。
【図4】第1実施例における制御作動を示すフローチャ
ートである。
【図5】第1実施例の制御によってパイロット燃焼と主
燃焼が生じた状態を示すタイムチャートである。
【図6】パイロット燃焼が失火した状態を示すタイムチ
ャートである。
【図7】第2実施例における制御作動を示すフローチャ
ートである。
【図8】第2実施例の制御によってパイロット燃焼と主
燃焼が生じた状態を示すタイムチャートである。
【図9】第3実施例における制御作動を示すフローチャ
ートである。
【図10】第3実施例の制御によって主燃焼が生じた状
態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1…クランク角センサ 2…フューエルインジェクタ 3…点火栓(点火確認装置の一部を兼ねる) 4…カム角センサ 5…イグナイタ 6…点火時期計算手段 7…火炎イオン電流検出手段 8…低圧電源 100…火花点火式筒内直噴型内燃機関 200…電子式制御装置(ECU)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) F02P 17/12 F02P 17/00 E (72)発明者 藤城 修 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 小浜 時男 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 渡辺 聖彦 愛知県西尾市下羽角町岩谷14番地 株式会 社日本自動車部品総合研究所内 (72)発明者 広瀬 雄彦 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 西垣 隆弘 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3G019 CA11 CD01 CD03 FA31 LA01 3G084 AA04 BA13 BA15 BA16 CA01 CA04 CA09 DA10 DA28 EB02 EB22 EC02 EC03 FA24 3G301 HA01 HA04 HA16 JA21 JA23 JB09 KA02 KA09 KA24 LA00 LB04 MA11 MA23 MA26 NB00 NB06 NB11 NE23 PC09Z PE01Z PE03Z PE05Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも火花による点火手段と、燃料
    を筒内へ直接に噴射する燃料噴射手段と、前記筒内に設
    けられた電極の間に電圧を印加することにより火炎の導
    電性を利用して火炎の存在を認識することができる着火
    確認手段が組み合わされて設けられている火花点火式の
    筒内直噴型内燃機関において、 前記燃料噴射手段によって行われるパイロット噴射操作
    と、前記パイロット噴射操作によって噴射された燃料に
    前記点火手段によって着火させるパイロット点火操作
    と、前記パイロット点火操作によってパイロット燃焼が
    生じたか否かを前記着火確認手段によって検出するパイ
    ロット燃焼の着火確認操作と、前記パイロット燃焼の着
    火確認操作が行われた後に前記燃料噴射手段によって行
    われる主噴射操作と、前記主噴射操作によって噴射され
    た燃料に主燃焼が生じたか否かを前記着火確認手段によ
    って確認する主燃焼の着火確認操作とが、それぞれ前操
    作に続いて順次に実行されるように構成されていること
    を特徴とする火花点火式筒内直噴型内燃機関の制御装
    置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記着火確認手段に
    よってパイロット燃焼が生じたことが確認された状態に
    おいて、前記主噴射操作によって噴射された燃料に対す
    る点火が、前記パイロット燃焼による火炎を点火源とし
    て、前記主噴射操作が行われた時に自動的に生じるよう
    に設定されていることを特徴とする制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、前記筒内に
    設けられた前記着火確認手段の電極が前記点火手段の電
    極と共用されていることを特徴とする制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項1または3のいずれかにおいて、
    前記着火確認手段の信号によって前記パイロット燃焼を
    検出し、パイロット燃焼が失火と判定された時に前記主
    噴射操作を行うことを禁止するように設定されているこ
    とを特徴とする制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項1ないし3のいずれかにおいて、
    前記着火確認手段の信号によって前記パイロット燃焼を
    検出し、パイロット燃焼が失火と判定された時に前記主
    噴射操作を行うことを禁止すると共に、前記パイロット
    噴射操作と前記パイロット点火操作を繰り返して行うよ
    うに設定されていることを特徴とする制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1または3のいずれかにおいて、
    前記着火確認手段の信号によって前記パイロット燃焼を
    検出し、パイロット燃焼が失火と判定された時に直ちに
    前記主噴射操作を行うと共に、所定の時間の後に前記点
    火手段を作動させて、点火が可能な期間内において前記
    着火確認手段によって主燃焼の着火が確認される時ま
    で、前記点火手段によって主噴射燃料に対する点火操作
    を繰り返して行うように設定されていることを特徴とす
    る制御装置。
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