JP2000104598A - エンジンの燃料噴射制御装置 - Google Patents

エンジンの燃料噴射制御装置

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JP2000104598A
JP2000104598A JP10276349A JP27634998A JP2000104598A JP 2000104598 A JP2000104598 A JP 2000104598A JP 10276349 A JP10276349 A JP 10276349A JP 27634998 A JP27634998 A JP 27634998A JP 2000104598 A JP2000104598 A JP 2000104598A
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  • Electrical Control Of Air Or Fuel Supplied To Internal-Combustion Engine (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各気筒毎にインジェクタ5が設けられている
4気筒ディーゼルエンジン1において、排ガス中の有害
成分の一層の低減を図るとともに、特にアイドル運転時
に騒音を低減しかつエンジン1の燃焼安定性を高める。 【解決手段】 各気筒毎に、クランク角信号に基づいて
燃焼初期に対応する第1クランク角区間の経過に要する
第1所要時間ITTMF#と、燃焼後期に対応する第2クラン
ク角区間の経過に要する第2所要時間ITTMR#とを検出す
る(T5,T6)。第1所要時間ITTMF#の第2所要時間
ITTMR#に対する時間比率を検出し、検出される時間比率
が、排ガス中のNOx低減及びスモーク低減を両立でき
る理想的な燃焼状態に対応づけて設定されたアイドル基
準値ITDEVに近づくように、燃料噴射時期ITを補正する
(T7,T8)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多気筒エンジンの
各気筒毎に設けた燃料噴射弁の作動制御を行う燃料噴射
制御装置に関し、特にその燃料噴射時期の制御の技術分
野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来より、この種のエンジンの燃料噴射
制御装置として、例えば特開平6−264776号公報
に開示されるように、ディーゼルエンジンにおいて燃料
噴射ポンプから噴射ノズル(燃料噴射弁)への燃料供給
のタイミングをエンジン回転数等に応じて機械的に制御
することにより、各気筒毎の燃料噴射時期を一律に変更
するようにしたものは既に知られている。
【0003】前記従来のものでは、多気筒ディーゼルエ
ンジンの各気筒毎に噴射ノズルが配設されており、その
各噴射ノズルが燃料噴射ポンプからの高圧燃料の供給を
受けて開かれ、各気筒内の燃焼室にそれぞれ燃料を噴射
するようになっている。また、前記燃料噴射ポンプに
は、エンジン回転数が高いほど燃料の供給時期を進角さ
せる機械式のオートマチックタイマと、エンジンの負荷
状態に応じて燃料供給時期を遅角側に補正するロードセ
ンシングタイマとが設けられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年、社会
環境保護の観点からエンジンの排ガス清浄化や騒音低減
といった低公害化のニーズが高まっており、特にディー
ゼルエンジンにおいては、HCやCOに比べて排出量の
多いNOxを抑えることや特有のスモークを低減させる
ことが強く求められている。そして、そのような観点か
ら燃料噴射の時期について考察すると、一般に、燃料噴
射時期を進めれば、燃料噴霧の気化霧化や空気とのミキ
シング状態が改善され、スモークを減らすことができる
が、その反面、着火直後の予混合燃焼が激しくなり、図
6に一点鎖線で示すように燃焼圧力や燃焼温度が急峻に
立ち上がってトルク変動が大きくなるとともに、燃焼温
度の上昇によりNOx生成量が増大する難がある。
【0005】一方、燃料噴射時期を遅らせれば、同図に
二点鎖線で示すように着火直後の燃焼圧力や燃焼温度の
立ち上がりは緩やかになり、NOxの生成を抑えること
ができるものの、今度は燃焼が緩慢になって長引くこと
から、スモークの増大を招くことになる。
【0006】加えて、前記のように燃料噴射時期の進角
によって混合気の着火直後に燃焼圧力が急激に高まるよ
うな燃焼状態では、その燃焼圧の上昇に伴い耳障りな燃
焼音が大きくなるので、特にアイドル運転時の騒音低減
という点で好ましくない。
【0007】このように、ディーゼルエンジンにおいて
は、燃料を早すぎも遅すぎもしない適切な時期に噴射し
て、初期の予混合燃焼及びその後の拡散燃焼における混
合気の燃焼状態を最適化することが、排ガス清浄化や騒
音低減といった観点から極めて重要である。
【0008】しかしながら、前記従来例のような燃料噴
射制御装置では、燃料噴射ポンプからの燃料の供給タイ
ミングを制御することにより、各気筒毎の燃料噴射時期
を一律に変更するようにしても、高圧で燃料噴射を行わ
なければならない個々の噴射ノズルの噴射特性にばらつ
きがあるので、結局、燃料噴射時期は各気筒毎にそれぞ
れ異なるものとなり、上述の如き適切な時期に均一に揃
えることはできなかった。また、各気筒毎に製作誤差に
起因して筒内圧力や筒内温度の上昇度合がばらつくの
で、仮に燃料噴射時期を均一に揃えることができたとし
ても、燃焼噴霧の着火時期は各気筒毎に異なり、燃焼状
態に差が生じるので、前記の排ガス清浄化や騒音低減と
いった課題を十分には満足できないのが実状である。
【0009】さらに、排ガスの一部を吸気系に還流させ
ることで、予混合燃焼時の燃焼温度を低下させてNOx
の生成を抑えるわゆるEGR装置を備えたエンジンの場
合、各気筒への排ガスの還流量が均一にならないため、
そのことによっても各気筒毎の燃焼状態に差を生じてし
まう。
【0010】そして、そのような種々の要因によって各
気筒間に燃焼較差が生じる結果、前記の排ガス清浄化や
騒音低減を十分に図れないばかりか、エンジンがアイド
ル運転状態等の低回転域にあるときに回転変動が大きく
なって、運転者が不快な振動を感じる虞れもある。
【0011】本発明は斯かる諸点に鑑みてなされたもの
であり、その目的とするところは、各気筒毎に燃料噴射
弁が設けられている多気筒エンジンにおいて、その各気
筒毎の燃料噴射時期の制御に工夫を凝らして、排ガス中
の有害成分の一層の低減を図るとともに、特にアイドル
運転時に騒音を低減しかつエンジンの燃焼安定性を高め
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記の目的を達成すべ
く、本発明の解決手段では、多気筒エンジンの各気筒毎
にその気筒内燃焼室における燃焼状態を検出するととも
に、その検出結果に応じて各気筒毎に燃料噴射時期を補
正するようにした。
【0013】具体的に、請求項1の発明では、図1に示
すように、多気筒エンジン1の各気筒毎に燃料噴射弁5
が設けられ、エンジン1の運転状態に応じて前記燃料噴
射弁5による燃料の噴射時期を気筒毎に制御するように
したエンジンの燃料噴射制御装置Aを前提とする。そし
て、少なくとも2つの気筒2についてそれぞれ燃焼状態
に対応する燃焼状態量を検出する燃焼状態検出手段35
bと、該燃焼状態検出手段35bにより検出される前記
各検出気筒毎の燃焼状態量が略同じになるように、該各
検出気筒2の燃料噴射時期を補正する噴射時期補正手段
35cとを設ける構成とする。
【0014】ここで、前記燃焼状態としては、例えばデ
ィーゼルエンジンの着火直後の予混合燃焼における燃焼
圧力及び燃焼温度の立ち上がりの程度や、その後の拡散
燃焼における燃焼速度、或いは1回の燃焼サイクルにお
ける燃焼圧力の全体的な変化状態等が考えられるが、具
体的には、各気筒毎に圧縮行程から膨張行程にかけての
出力トルクの変動状態や筒内圧力の変動状態を検出する
ようにすればよい。
【0015】そして、前記の構成により、エンジン1の
運転中に少なくとも2つの気筒2についてそれぞれ燃焼
状態検出手段35bにより燃焼状態量が検出され、その
燃焼状態量に基づいて、噴射時期補正手段35cにより
前記各検出気筒2の燃料噴射時期が補正される。このこ
とで、多気筒エンジン1の複数の気筒のうちの少なくと
も2つの気筒について、その気筒の燃焼状態を均一にか
つ適切な状態に揃えることができる。
【0016】その際、燃料噴射時期の補正が各検出気筒
2の実際の燃焼状態に基づいてなされるので、燃料噴射
弁5の個体差に起因する噴射ばらつきや筒内温度のばら
つき、或いは各気筒毎の吸入空気量や排ガス還流量のば
らつき等があっても、それらに拘わらず前記各気筒2の
燃焼状態を均一に揃えることができる。よって、該各検
出気筒2における燃焼状態を改善して、排ガスの清浄化
及び騒音低減を図ることができ、しかも、気筒間の燃焼
状態の差を低減させて、エンジン1のアイドル安定性を
高めることができる。
【0017】請求項2の発明では、請求項1の発明にお
ける噴射時期補正手段は、各気筒の燃料噴射時期を該気
筒の燃焼状態量が所定の設定量になるように補正するも
のとする。ここで、所定の設定量とは、例えばディーゼ
ルエンジンにおいて、初期の予混合燃焼における燃焼圧
の立ち上がりやその後の拡散燃焼における燃焼速度等
が、NOx及びスモークの生成を抑える上で最適な状態
になるような理想的な燃焼状態に対応するように、予め
実験的に設定したものである。
【0018】そして、各気筒の燃料噴射時期を該気筒の
燃焼状態量が前記の設定量になるように補正すること
で、それらの各気筒の燃焼状態を均一かつ最適な状態と
することができるので、排ガス中のNOxやスモーク等
の有害成分を極めて少なくすることができ、かつエンジ
ンの運転騒音を十分に低減することができる。
【0019】請求項3の発明では、請求項1又は2のい
ずれかの発明における噴射時期補正手段は、エンジンが
定常運転状態になっているときに燃料噴射時期の補正を
行うように構成する。このことで、エンジンが定常運転
状態になっているときには、車両の運転者がエンジンの
回転変動による振動を不快に感じやすいので、このよう
なときに、各気筒間の燃焼状態の較差を低減することに
よって、エンジンの燃焼安定性を高めるという作用効果
が特に有効になる。
【0020】請求項4の発明では、請求項3の発明にお
ける燃焼状態検出手段は、各気筒の圧縮行程でエンジン
のクランク軸の回転角速度が略減少状態から増加状態に
変化した時点から該クランク軸が所定角度回転するまで
の第1所要時間を少なくとも検出し、その検出結果に基
づいて燃焼状態量を検出する構成とする。
【0021】この構成では、エンジンのクランク軸が所
定角度回転するのに要する所要時間を検出し、クランク
軸の回転変動状態に基づいて、各気筒毎の燃焼状態を検
出することができる。その場合、一般に多気筒エンジン
では、膨張行程にある気筒で燃焼圧がトルクとして取り
出される一方、そのときに圧縮行程にある他の気筒では
吸気を圧縮するためにトルクが消費されるので、各気筒
毎にクランク軸の回転変動状態に基づいて燃焼状態を検
出するためには、当該気筒の影響が最も強くて、しかも
他の気筒の影響が弱いクランク角区間で回転変動状態を
検出することが望ましい。
【0022】そこで、この発明では、各気筒の圧縮行程
でクランク軸の回転角速度が略減少状態から増加状態に
変化したときから該クランク軸が所定角度回転するまで
の第1所要時間、即ち当該気筒の燃焼初期におけるクラ
ンク軸の平均の回転角速度を少なくとも検出するように
したので、その検出結果に基づいて、他の気筒の影響を
排除しつつ各気筒毎の燃焼状態を正確に検出することが
できる。
【0023】請求項5の発明では、請求項4の発明にお
ける燃焼状態検出手段は、第1所要時間と、該第1所要
時間の経過後にクランク軸がさらに所定角度回転するま
での第2所要時間とを検出し、その検出結果に基づいて
燃焼状態量を検出する構成とする。このことで、各気筒
毎の燃焼初期の燃焼状態を反映する第1所要時間に加え
て、その後の燃焼状態を反映する第2所要時間が検出さ
れ、その検出結果に基づいて、各気筒毎の燃焼状態を極
めて正確に検出できる。
【0024】請求項6の発明では、請求項4の発明にお
いて、クランク軸の回転角速度が略減少状態から増加状
態に変化する時点とは、該クランク軸が各気筒の圧縮上
死点近傍に対応する設定クランク角位置にある時とす
る。
【0025】このことで、クランク軸の回転角速度は、
気筒の圧縮上死点近傍で燃焼が開始されのに伴い略減少
状態から増加状態に変化するので、この変化のときに対
応するように予めクランク角位置を設定しておけば、第
1所要時間の計測をクランク軸の角度位置のみに対応づ
けて行うことができる。よって、燃焼状態検出手段を簡
単な構成とすることができる。
【0026】請求項7の発明では、請求項3の発明にお
ける燃焼状態検出手段は、各気筒の圧縮行程でクランク
軸の回転角速度が略減少状態から増加状態に変化した時
点から、該クランク軸の回転角速度が次に略減少状態に
変化するまでの第1所要時間を少なくとも検出し、その
検出結果に基づいて燃焼状態量を検出する構成とする。
【0027】この構成では、請求項4記載の発明と同様
にクランク軸の回転変動状態に基づいて各気筒毎の燃焼
状態を検出できる。すなわち、一般に、多気筒エンジン
のクランク軸の回転速度は、ある気筒の圧縮行程終期に
その気筒の燃焼開始とともに略減少状態から増加状態に
変化し、その気筒の膨張行程初期には単調に増加して、
その後、そのとき圧縮行程にある他の気筒の圧縮圧力の
増大に伴い略減少状態に変化するようになる。そこで、
クランク軸の回転角速度が気筒の圧縮行程で略減少状態
から増加状態に変化したときから次に略減少状態に変化
するまでに要する時間を第1所要時間とすれば、第1所
要時間はその気筒の燃焼初期の状態を極めて強く反映す
るようになる。よって、その第1所要時間に基づいて、
他の気筒の影響を排除しつつ各気筒毎の燃焼状態を極め
て正確に検出することができる。
【0028】請求項8の発明では、請求項7の発明にお
ける燃焼状態検出手段は、第1所要時間と、該第1所要
時間の経過後にクランク軸の回転角速度が再び略減少状
態から増加状態に変化するまでの第2所要時間とを検出
する構成とする。
【0029】すなわち、一般に、多気筒エンジンのクラ
ンク軸の回転速度は、ある気筒の圧縮行程終期でその気
筒の燃焼開始とともに略減少状態から増加状態に変化
し、その後、第1所要時間の経過時に略減少状態に変化
した後、他の気筒の燃焼開始に伴い再び増加状態に変化
する。つまり、第1所要時間の経過後にクランク軸の回
転角速度が再び略減少状態から増加状態になるまでの時
間を第2所要時間とすれば、その第2所要時間は前記気
筒の燃焼後期の燃焼状態を反映するものになる。従っ
て、この第2所要時間及び前記第1所要時間の両方に基
づいて、各気筒毎の燃焼状態を一層、正確に検出でき
る。
【0030】請求項9の発明では、請求項7又は請求項
8のいずれかの発明における燃焼状態検出手段は、第1
所要時間の第2所要時間に対する比率を燃焼状態量とし
て検出するものとする。このことで、燃焼状態量が具体
化され、燃焼初期のクランク軸の回転角速度と燃焼後期
の回転角速度との比率に基づいて、燃焼初期の混合気の
燃焼割合と燃焼後期の燃焼割合との燃焼比率、つまり、
混合気の燃焼圧波形の特徴を表す値を容易に検出するこ
とができる。
【0031】請求項10の発明では、請求項3の発明に
おいて、エンジンがアイドル運転状態になっているとき
に、燃焼状態検出手段により検出された各気筒毎の燃焼
状態量に基づいて、各気筒毎の燃料噴射量を気筒間のト
ルク差が減少するように補正する噴射量補正手段を設け
る構成とする。このことで、噴射量補正手段による燃料
噴射量の補正によって気筒間のトルク差を減少させるこ
とができるので、エンジンのアイドル安定性を一層、高
めることができる。
【0032】請求項11の発明では、請求項1又は2の
発明におけるエンジンをディーゼルエンジンとする。こ
のことで、ディーゼルエンジンでは、燃焼室に噴射され
た燃料噴霧の自己着火により燃焼が開始するので、その
燃料噴射時期の変更による燃焼状態の変化が極めて大き
い。従って、請求項1又は2の発明の如く各気筒毎の燃
料噴射時期の制御により燃焼状態を改善するという作用
効果が極めて有効になる
【0033】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施形態に係るエ
ンジンの燃料噴射制御装置Aの全体構成を示し、1は車
両に搭載された多気筒ディーゼルエンジンである。この
エンジン1は第1〜第4の4つの気筒2,2,…(1つ
のみ図示する)が直列に並ぶ直列4気筒エンジンであ
り、その各気筒2内に往復動可能にピストン3が嵌挿さ
れていて、このピストン3によって各気筒2内に燃焼室
4が区画されている。また、各燃焼室4の上面の略中央
部には、インジェクタ(燃料噴射弁)5が先端部の噴孔
を燃焼室4に臨ませて配設されており、例えば、第1気
筒、第3気筒、第4気筒、第2気筒の順番にそれぞれ所
定の噴射タイミングで開作動されて、燃焼室4に燃料を
直接噴射するようになっている。
【0034】前記各インジェクタ5は高圧の燃料を蓄え
る共通のコモンレール(蓄圧室)6に接続されていて、
そのコモンレール6には、内部の燃圧(コモンレール
圧)を検出する圧力センサ6aが配設されているととも
に、クランク軸7により駆動される高圧供給ポンプ8が
接続されている。この高圧供給ポンプ8は、圧力センサ
6aにより検出されるコモンレール6内の燃圧が所定値
以上(例えば、アイドル運転時に40MPa、それ以外
の運転状態では80MPa以上)に保持されるように作
動する。また、クランク軸7の回転角度を検出するクラ
ンク角センサ9が設けられている。このクランク角セン
サ9は例えば電磁ピックアップからなり、図示しない
が、クランク軸7の端部に設けられた被検出用プレート
の外周に相対向するように配置されていて、その被検出
用プレートの外周部全周に亘って所定角度(例えば10
°)おきに形成された突起部の通過に対応して、パルス
信号を出力するようになっている。
【0035】また、10はエンジン1の燃焼室4に対し
図外のエアクリーナで濾過した吸気(空気)を供給する
吸気通路であり、この吸気通路10の下流端部は、図示
しないがサージタンクを介して気筒毎に分岐して、それ
ぞれ吸気ポートにより各気筒2の燃焼室4に接続されて
いる。また、そのサージタンク内の過給圧力を検出する
過給圧センサ10aが設けられている。前記吸気通路1
0には上流側から下流側に向かって順に、エンジン1に
吸入される吸気流量を検出するホットフィルム式エアフ
ローセンサ11と、後述のタービン21により駆動され
て吸気を圧縮するブロワ12と、このブロワ12により
圧縮した吸気を冷却するインタークーラ13と、吸気通
路10の断面積を絞る吸気絞り弁14とがそれぞれ設け
られている。この吸気絞り弁14は、全閉状態でも吸気
が流通可能なように切り欠きが設けられたバタフライバ
ルブからなり、後述のEGR弁24と同様、ダイヤフラ
ム15の負圧が負圧制御用の電磁弁16により調節され
ることで、弁の開度が制御されるようになっている。
【0036】また、20は各気筒2の燃焼室4から排ガ
スを排出する排気通路で、この排気通路20の上流端部
は分岐してそれぞれ図示しない排気ポートにより各気筒
2の燃焼室4に接続されている。この排気通路20に
は、上流側から下流側に向かって順に、排ガス流により
回転されるタービン21と、排ガス中のHC、CO及び
NOx並びにパティキュレートを浄化可能な触媒コンバ
ータ22とが配設されている。前記タービン21及びブ
ロワ12からなるターボ過給機25は、図示しないが、
タービン21を収容するタービン室に設けられた複数の
フラップが、排気流路のノズル断面積を変化させるよう
に回動するVGT(バリアブルジオメトリーターボ)で
あり、そのフラップを回動させてノズル断面積を小さく
させることで、排気流量の少ないエンジン1の低回転域
でも過給効率を高めることができるようになっている。
【0037】前記排気通路20は、タービン21よりも
上流側の部位で、排ガスの一部を吸気側に還流させる排
気還流通路(以下EGR通路という)23の上流端に分
岐接続されている。このEGR通路23の下流端は吸気
絞り弁14よりも下流側の吸気通路10に接続されてお
り、そのEGR通路23の途中の下流端寄りには、開度
調節可能な負圧作動式の排気還流量調節弁(以下EGR
弁という)24が配置されていて、排気通路20の排ガ
スの一部を前記EGR弁24により流量調節しながら吸
気通路10に還流させるようになっている。
【0038】前記EGR弁24は、図示しない弁本体が
スプリングによって閉方向に付勢されている一方、ダイ
ヤフラム24aにより開方向に作動されて、EGR通路
23の開度をリニアに調節するものである。すなわち、
前記ダイヤフラム24aには負圧通路27が接続され、
この負圧通路27が負圧制御用の電磁弁28を介してバ
キュームポンプ(負圧源)29に接続されていて、その
電磁弁28が後述のECU35からの制御信号によって
負圧通路27を連通・遮断することにより、EGR弁駆
動負圧が調節されて、EGR弁24が開閉作動されるよ
うになっている。また、EGR弁24の弁本体の位置を
検出するリフトセンサ26が設けられている。
【0039】尚、前記ターボ過給機25のフラップにも
EGR弁24と同様にダイヤフラム30が取り付けられ
ており、負圧制御用の電磁弁31によりダイヤフラム3
0に作用する負圧が調節されて、前記フラップが回動さ
れるようになっている。
【0040】前記各インジェクタ5、高圧供給ポンプ
8、吸気絞り弁14、EGR弁24、ターボ過給機25
のフラップ等はコントロールユニット(Engine Contoro
l Unit:以下ECUという)35からの制御信号によっ
て作動するように構成されている。一方、このECU3
5には、前記圧力センサ6aからの出力信号と、クラン
ク角センサ9からの出力信号と、エアフローセンサ11
からの出力信号と、車両の運転者による図示しないアク
セルペダルの操作量(アクセル開度)を検出するアクセ
ル開度センサ32からの出力信号とが少なくとも入力さ
れている。
【0041】そして、インジェクタ5の作動による燃料
噴射制御が行われて、燃料噴射量及び燃料噴射時期がエ
ンジン1の運転状態に応じて制御されるとともに、高圧
供給ポンプ8の作動によるコモンレール圧力、即ち燃量
噴射圧の制御が行われる。また、吸気絞り弁14の作動
による吸入空気量の制御と、EGR弁24の作動による
排ガス還流量の制御と、ターボ過給機25のフラップの
作動制御とが行われるようになっている。
【0042】具体的に、前記ECU35には、アクセル
開度及びエンジン回転数の変化に応じて実験的に決定し
た最適な燃料噴射量Qを記録した燃料噴射量マップが、
メモリ上に電子的に格納して備えられている。そして、
通常は、エンジン1の運転状態、即ちアクセル開度セン
サ32からの出力信号とクランク角センサ9からの出力
信号に基づいて求めたエンジン回転数とに基づいて、燃
料噴射制御部35aにおいて、各気筒毎に前記燃料噴射
量マップから基本燃料噴射量Qbaseが読み込まれ、この
基本燃料噴射量Qbaseと圧力センサ6aにより検出され
たコモンレール圧力とに基づいて、各インジェクタ5の
励磁時間(開弁時間)が決定されるようになっている。
【0043】また、エンジン1がアイドル運転状態にな
っているときには、前記燃料噴射制御部35aにおい
て、各気筒毎の燃料噴射量Qが気筒間のトルク差が減少
するように補正されるようになっている。
【0044】さらに、本発明の特徴部分として、エンジ
ン1の各気筒2について、それぞれクランク軸7の回転
変動状態量(燃焼状態量)を検出する燃焼状態検出手段
35bと、エンジン1がアイドル運転状態になっている
ときに、前記燃焼状態検出手段35bにより検出される
前記各気筒毎の回転変動状態量が所定の設定量になるよ
うに、その各気筒2の燃料噴射時期を補正する噴射時期
補正手段35cとが設けられており、各気筒毎に実際の
回転変動状態に基づいて燃料噴射時期を補正するように
している。
【0045】(燃料噴射量制御)次に、前記ECU35
による燃料噴射制御の手順について、具体的に図2に示
すフローチャート図に沿って説明する。尚、この制御フ
ローはメモリ上に電子的に格納されたプログラムに従
い、各気筒毎に独立して所定クランク角で実行される。
【0046】まず、スタート後のステップS1におい
て、クランク角信号に基づいて求められたエンジン回転
数と、アクセル開度センサ32からの信号(アクセル開
度)と、その他の各種センサ信号とを読み込み、続くス
テップS2において、前記アクセル開度とエンジン回転
数とに基づいて、燃料噴射量マップから基本燃料噴射量
Qbaseを読み込む。続いて、ステップS3では、前記ア
クセル開度とエンジン回転数とに基づいて、エンジン1
がアイドル運転状態になっているか否かを判定する。す
なわち、アクセル開度が零であって、かつエンジン回転
数がアイドル目標回転数よりもやや高めに設定されてい
るアイドル判定回転数以下であれば、アイドル運転状態
になっているyesと判定してステップS4に進む一
方、アクセル開度が零でないか、又はエンジン回転数が
前記アイドル判定回転数よりも高いnoであれば、ステ
ップS12に進む。
【0047】ステップS4では、今度は、エンジン回転
数とアイドル目標回転数とのズレが所定以上であるか否
かを判定し、回転数のズレ量が予め設定されている基準
ズレ量よりも小さいnoであれば、ステップS9に進む
一方、ズレ量が基準ズレ量以上でyesならば、ステッ
プS5に進む。このステップS5では、エンジン回転数
がアイドル目標回転数に近づくように燃料噴射量を増量
又は減量するためのアイドルスピードコントロール補正
量(以下ISC補正量という)を演算して、ステップS
6に進む。
【0048】ステップS6では、基本燃料噴射量Qbase
とISC補正量QISCとを足し合わせて燃料噴射量Qを演
算し(Q#=0)、続くステップS7において各気筒毎に
燃料噴射時期になったか否かを判定する。そして、燃料
噴射時期になるまで待って(ステップS7でno)、燃
料噴射時期になれば(ステップS7でyes)、ステッ
プS8に進んで、各気筒毎にインジェクタ5により燃料
を噴射して、しかる後にリターンする。
【0049】つまり、エンジン1がアイドル運転状態に
なっていて、かつエンジン回転数とアイドル目標回転数
とのズレが所定以上であるときは、各気筒毎の燃料噴射
量の補正は行わずに、全気筒の燃料噴射量を一律に増量
又は減量することで、エンジン回転数を速やかにアイド
ル目標回転数に近づけるようにしている。
【0050】これに対し、前記ステップS4においてエ
ンジン回転数とアイドル目標回転数とのズレ量が基準ズ
レ量よりも小さいnoと判定されて進んだステップS9
では、各気筒毎にその気筒(当該気筒)の燃焼力が最も
影響するクランク角区間について、その区間をクランク
軸7が回転するのに要する所要時間QTIMEを求める。こ
の所要時間QTIMEは、例えば図3に示すように、各気筒
毎にその圧縮行程終期に燃焼が開始してからクランク軸
7が180度回転するまでの期間とすればよく、第1〜
第4の各気筒の所要時間QTIMEはそれぞれ同図に斜線を
入れて示す領域(ア)〜(エ)の面積に対応している。
【0051】すなわち、前記所要時間QTIMEは、各気筒
毎にその気筒の1回の燃焼サイクルにおいて燃焼力が最
も強く反映されるクランク各区間で、クランク軸7の平
均の回転角速度ωの逆数を求めるものであり、それゆえ
にこの所要時間QTIMEに基づいて、当該気筒の燃焼力を
他の気筒の影響を排除して検出することができるのであ
る。より具体的に、前記所要時間QTIMEが相対的に短い
気筒では、その区間のクランク軸7の回転角速度ωが相
対的に高いので、燃焼力が相対的に大きいと言うことが
でき、反対に、前記所要時間QTIMEが相対的に長い気筒
では、燃焼力が相対的に小さいと言える。この各気筒毎
の所要時間QTIMEは、詳しくは後述するが、各気筒毎に
その燃焼サイクル毎に計測されてECU35のメモリに
記憶更新されるようになっていて、前記ステップS9で
は、前回の燃焼サイクルで記憶更新された値を読み込む
ようにしている。
【0052】前記ステップS9に続いて、ステップS1
0では、第1〜第4気筒の各所要時間QTIMEの平均値で
ある全気筒平均所要時間QTAVEを更新し、続くステップ
S11において、各気筒毎にその気筒の所要時間QTIME
と前記全気筒平均所要時間QTAVEとのズレ量に応じて、
燃料噴射量の気筒毎の補正量Q#を算出する。この補正量
Q#は、図4に例示するように所要時間のズレ量QTIME−Q
TAVEに対応する値を実験的に決定して記録したマップが
ECU35のメモリ上に電子的に格納されており、当該
マップから読み込まれるようになっている。このマップ
によれば、前記所要時間のズレ量QTIME−QTAVEの絶対値
が大きいほど、そのズレを減少させる向きに補正量Q#が
大きくなるように設定されている。
【0053】そして、前記ステップS10に続いて前記
ステップS6に進んで、各気筒毎に基本燃料噴射量Qbas
e、ISC補正量QISC、及び補正量Q#を足し合わせて燃
料噴射量Qを演算し、その後。ステップS7、S8で各
気筒毎に燃料噴射を実行して、しかる後にリターンす
る。
【0054】つまり、エンジン1がアイドル運転状態に
なっていて、かつエンジン回転数がアイドル目標回転数
に近ければ、各気筒毎にその気筒の燃焼力を強く反映す
る所要時間QTIMEを求め、その各気筒毎の所要時間QTIME
が全気筒の平均値に一致するように、各気筒毎の燃料噴
射量を個別に増量又は減量補正するようにしている。こ
のことで、各気筒間のトルク差を減少させて、エンジン
のアイドル安定性を高めることができる。
【0055】また、前記ステップS3において、エンジ
ン1がアイドル運転状態になっていないnoと判定され
て進んだステップS12では、ISC補正量QISCの値を
零として(QISC=0)、前記ステップS6〜S8に進ん
で、燃料噴射を実行した後にリターンする。つまり、エ
ンジンがアイドル運転状態になっていなければ、上述の
燃料噴射量の補正制御は実行しない。
【0056】前記図2に示す燃料噴射制御のフローが全
体として、燃料噴射制御部35aに対応しており、特に
ステップS6、S9〜S11の各ステップにより、エン
ジン1がアイドル運転状態になっているときに、燃焼状
態検出手段35bにより検出された各気筒毎の回転変動
状態量(燃焼状態量)に基づいて、各気筒毎の燃料噴射
量Qを気筒間のトルク差が減少するように補正する噴射
量補正手段35dが構成されている。
【0057】(燃料噴射時期の設定手順)次に、前記E
CU35による燃料噴射時期の設定の具体的な手順につ
いて、図5に示すフローチャート図に沿って説明する。
尚、この制御フローもメモリ上に電子的に格納されたプ
ログラムに従い、各気筒毎に独立して所定クランク角で
実行されるものである。
【0058】まず、スタート後のステップT1におい
て、クランク角信号に基づいて求められたエンジン回転
数と、アクセル開度センサ32からの信号(アクセル開
度)と、その他の各種センサ信号とを読み込み、続くス
テップT2において、前記アクセル開度とエンジン回転
数とに基づいて、燃料噴射時期マップから基本燃料噴射
時期ITbaseを算出する。この燃料噴射時期マップはEC
U35のメモリ上に電子的に格納されており、アクセル
開度及びエンジン回転数の変化に応じて実験的に決定し
た最適な燃料噴射時期を記録したものである。
【0059】続いて、ステップT3では、前記アクセル
開度とエンジン回転数とに基づいて、エンジン1がアイ
ドル運転状態になっているか否かを判定する。すなわ
ち、アクセル開度が零であって、かつエンジン回転数が
アイドル目標回転数よりも高めに設定されているアイド
ル判定回転数以下であれば、アイドル運転状態になって
いるyesと判定してステップT4に進む一方、アクセ
ル開度が零でないか、又はエンジン回転数が前記アイド
ル判定回転数よりも高いnoであれば、ステップT9に
進む。
【0060】ステップT4では、今度は、エンジン回転
数とアイドル目標回転数とのズレが所定以上であるか否
かを判定し、回転数のズレ量が予め設定されている基準
ズレ量以上でyesあれば、ステップT9に進む一方、
ズレ量が基準ズレ量よりも小さいnoならば、ステップ
T5に進む。このステップT5では、各気筒毎にその気
筒(当該気筒)の燃焼初期に相当する第1クランク角区
間について、その区間をクランク軸7が回転するのに要
する第1所要時間ITTMF#を求める。
【0061】ここで、前記第1クランク角区間は、図6
に例示するように、各気筒毎に圧縮行程終期に燃料が噴
射された後の所定角度(図例では90°CA)区間とす
ればよく、この区間の回転に要する第1所要時間ITTMF#
とは、各気筒2の圧縮行程でクランク軸7の平均的な回
転角速度ωが略減少状態から増加状態に変化したときか
ら該クランク軸7が前記所定角度回転するまでの所要時
間、即ち、各気筒2の燃焼初期におけるクランク軸7の
回転角速度ωの逆数になる。従って、この第1所要時間
ITTMF#に基づいて、当該気筒の燃焼初期の燃焼力を検出
することができる。
【0062】尚、第1所要時間ITTMF#として、クランク
軸7が各気筒2の圧縮上死点近傍に対応する設定クラン
ク角位置(例えば圧縮上死点前10°CA)から所定角
度(例えば90°CA)回転するまでに要する時間とし
てもよい。そのようにすれば、第1所要時間ITTMF#の計
測をクランク角信号のみに基づいて行うことができるの
で、燃焼状態検出手段35bを簡単な構成とすることが
できる。
【0063】また、第1所要時間ITTMF#は、各気筒2の
圧縮行程でクランク軸7の回転角速度ωが略減少状態か
ら増加状態に変化したときから次に略減少状態に変化す
るまでに要する時間としてもよく、そのようにしてもこ
の実施形態と同様の作用効果が得られる。
【0064】前記ステップT5に続くステップT6で
は、今度は各気筒毎に燃焼後期に相当する第2クランク
角区間について同様に第2所要時間ITTMR#を求める。す
なわち、この第2クランク角区間は、各気筒毎に前記第
1クランク角区間の後の所定角度(例えば90°CA:
図6参照)区間とすればよく、この区間の回転に要する
第2所要時間ITTMR#とは、前記第1所要時間ITTMF#の経
過後にクランク軸7がさらに前記所定角度だけ回転する
のに要する時間、即ち、各気筒2の燃焼後期におけるク
ランク軸7の平均的な回転角速度ωの逆数になる。従っ
て、この第2所要時間ITTMR#に基づいて、当該気筒の燃
焼後期の燃焼力を検出することができる。
【0065】尚、前記第2所要時間ITTMR#として、第1
所要時間ITTMF#の経過後にクランク軸7の回転角速度ω
が再び略減少状態から増加状態に変化するまでの時間と
してもよく、そのようにしてもこの実施形態と同様の作
用効果が得られる。
【0066】また、詳しくは後述するが、前記第1及び
第2所要時間ITTMF#,ITTMR#はいずれも燃料噴射制御と
平行して各気筒毎に計測され、ECU35のメモリに記
憶更新されるようになっていて、前記ステップT5,T
6では、前回の燃焼サイクルで更新された値を読み込む
ようにしている。
【0067】そして、前記ステップT6に続いて、ステ
ップT7では、各気筒毎に前記第1所要時間ITTMF#及び
第2所要時間ITTMR#に基づいて、燃料噴射時期のタイミ
ング補正値IT#を算出する。すなわち、上述の如く第1
及び第2所要時間ITTMF#,ITTMR#は各気筒毎に燃焼初期
及び燃焼後期の燃焼力をそれぞれ反映するものなので、
前記第1所要時間ITTMF#と第2所要時間ITTMR#との時間
比率は、即ち混合気の燃焼初期及び後期における燃焼割
合の比率(燃焼比率)を表しており、換言すれば燃焼圧
波形の形状に対応するものである。
【0068】詳しくは、前記図6に実線で示す目標とす
る燃焼圧波形に対して、それよりも燃料噴射時期が進角
側にずれていると、燃料噴霧の気化霧化や空気とのミキ
シングが促進されて、着火直後の予混合燃焼が激しくな
り、同図に一点鎖線で示すように燃焼圧力や燃焼温度が
急峻に立ち上がるようになる。その結果、燃焼初期の燃
焼割合が大きくなり、第1クランク角区間でのクランク
軸7の回転角速度ωが高まって、第1所要期間ITTMF#が
短くなる。
【0069】反対に、同図に二点鎖線で示すように燃料
噴射時期が遅角側にずれていると、着火直後の燃焼圧力
や燃焼温度の立ち上がりが緩やかになり、全体として燃
焼が緩慢になって燃焼後期まで燃焼圧の高い状態が続く
ようになる結果、燃焼後期の燃焼割合が大きくなって、
第2クランク角区間でのクランク軸7の回転角速度ωが
高まり、第2所要期間ITTMR#が短くなる。
【0070】従って、まず、ディーゼルエンジンがアイ
ドル運転状態にある場合について、排気中のNOx及び
スモークを両方共に少なくさせ、かつ燃焼音も低減でき
る理想的な燃焼状態の燃焼圧波形を実験的に求め、第1
所要期間ITTMF#の第2所要期間ITTMR#に対する時間比率
の前記目標とする燃焼圧波形に対応する所定値(以下ア
イドル基準値という)ITDEVをECU35のメモリに設
定しておく。そして、このステップT7では、ステップ
T5及びT6で読み込んだ第1及び第2所要時間ITTMF
#,ITTMR#に基づく時間比率ITTMF#/ITTMR#と前記アイド
ル基準値ITDEVとの偏差を算出し、その偏差が小さくな
るように燃料噴射時期を補正するタイミング補正値IT#
を予め設定した噴射時期補正マップから読み込むように
している。
【0071】すなわち、前記噴射時期補正マップはEC
U35のメモリ上に電子的に格納されており、図7に例
示するように、時間比率のアイドル基準値との偏差(ITT
MF#/ITTMR#)−ITDEVに対応するタイミング補正値IT#が
実験的に決定して記録されている。この噴射時期補正マ
ップによれば、偏差(ITTMF#/ITTMR#)−ITDEVの絶対値が
小さい間は、タイミング補正値IT#が零の不感帯とされ
ている一方、偏差(ITTMF#/ITTMR#)−ITDEVの絶対値が大
きいほど、その偏差を減少させる向きにタイミング補正
値IT#が大きくなるように設定されている。
【0072】そして、前記ステップT7に続いて、ステ
ップT8において、各気筒毎に基本噴射時期ITbaseにタ
イミング補正値IT#を足し合わせて燃料噴射時期ITを算
出し、この燃料噴射時期ITを各気筒毎にECU35のメ
モリに記憶更新して、しかる後にリターンする。
【0073】つまり、エンジン1がアイドル運転状態に
なっていて、かつエンジン回転数がアイドル目標回転数
に近くなっていれば、各気筒毎に燃焼初期及び後期の燃
焼比率に対応する時間比率ITTMF#/ITTMR#を求め、その
値がアイドル基準値ITDEVになるように各気筒毎の燃料
噴射時期ITを個別に進角又は遅角補正することで、各気
筒毎に燃焼初期及び後期の燃焼割合の比率を目標値に近
づけるようにしている。
【0074】一方、前記ステップT3においてエンジン
1がアイドル運転状態になっていないnoと判定された
か、或いは前記ステップT4においてエンジン回転数と
アイドル目標回転数とのズレが所定以上であるyesと
判定されて進んだステップT9では、タイミング補正量
IT#の値を零にして(IT#=0)、前記ステップT8に進
む。つまり、アイドル運転状態以外では上述の燃料噴射
時期の補正は行わない。また、アイドル運転状態になっ
ていても、そのときのエンジン回転数とアイドル目標回
転数とのズレが所定以上のときには、燃料噴射時期の補
正は行わない。これは、エンジン回転数の目標回転数か
らのズレが大きいときには、そのズレに対応するタイミ
ング補正量IT#の値が過度に大きくなってしまい、燃料
噴射時期の制御が不安定化する虞れがあるからである。
【0075】前記図5に示す燃料噴射時期の設定のフロ
ーにおいて、ステップT5〜T7は、エンジン1の各気
筒2について、それぞれ燃焼状態に対応するクランク軸
7の回転変動状態量(燃焼状態量)を検出する燃焼状態
検出手段35bに対応している。また、ステップT7及
びステップT8は、エンジン1がアイドル運転状態にな
っているときに、前記燃焼状態検出手段35bにより検
出される前記各気筒毎の回転変動状態量が設定量になる
ように、その各気筒2の燃料噴射時期を補正する噴射時
期補正手段35cに対応している。
【0076】そして、前記燃焼状態検出手段35bは、
各気筒2にインジェクタ5から噴射された燃料が着火し
て、クランク軸7の回転角速度ωが略減少状態から増加
状態に変化したときから、該クランク軸7が所定角度回
転するまでの第1所要時間ITTMF#と、その第1所要時間
ITTMF#の経過後にクランク軸7がさらに所定角度回転す
るまでの第2所要時間ITTMR#とを検出し、その第1所要
時間の第2所要時間に対する時間比率ITTMF#/ITTMR#に
基づいて、各気筒2の回転変動状態(燃焼状態)を検出
するようになっている。
【0077】(所要時間の計測手順)次に、前記燃料噴
射制御における所要時間QTIME、及び燃料噴射時期の設
定における第1及び第2所要時間ITTMF#,ITTMR#の計測
手順について、図8に示すフローチャート図に沿って詳
細に説明する。尚、このフローも各気筒毎に独立して、
所定間隔(例えば数マイクロ秒間隔)で実行される。
【0078】まず、スタート後のステップU1において
クランク角信号を入力し、続くステップU2で、各気筒
毎に燃料噴射の開始時期になったか否かを判定する。こ
の判定が噴射開始でyesであれば、ステップU3に進
んで、第1クランク角区間であることを示す第1フラグ
F1の値を1にし(F1=1)、続くステップU4でタ
イマ値Tをインクリメントして、ステップU5に進む。
一方、前記ステップU3で噴射開始でないnoと判定さ
れれば、ステップU6に進んで第1フラグF1の値を判
別し、F1=1でyesならば、前記ステップU4に進
む一方、F1=0でnoならばリターンする。
【0079】ステップU5では、前記ステップU2で判
定した噴射開始から、クランク軸7が前記第1クランク
角区間に対応する第1設定角度(例えば90°CA)だ
け回転したか否かを判定する。この判定が回転していな
いnoであればリターンする一方、回転したyesであ
ればステップU7に進み、今度は、第2クランク角区間
であることを示す第2フラグF2の値を判別する。そし
て、F2=1でnoならば後述のステップU10に進む
一方、F2=0でyesならばステップU8に進む。こ
のステップU8では、そのときのタイマ値Tを第1タイ
マ値T1としてECU35のメモリに記憶し、続くステ
ップU9で、第2フラグF2の値を1にして(F2=
1)、ステップU10に進む。
【0080】つまり、各気筒毎にインジェクタ5による
燃料噴射からクランク軸7が第1設定角度回転するまで
の間、タイマ値Tをインクリメントしていって、クラン
ク軸7が前記第1設定角度だけ回転すれば、そのときの
タイマ値を第1タイマ値T1として、メモリに記憶す
る。この第1タイマ値T1が第1所要時間ITTMF#に相当
している。
【0081】続いて、ステップU10では、クランク軸
7が前記ステップU2で判定した噴射開始から第2設定
角度(例えば180°CA)回転したか否かを判定す
る。この第2設定角度は、第1クランク角区間及び第2
クランク角区間を合わせた区間に対応する。そして、未
だ回転していないnoと判定すればリターンする一方、
回転したyesと判定すればステップU11に進んで、
そのときのタイマ値Tを第2タイマ値T2としてECU
35のメモリに記憶する。
【0082】つまり、各気筒毎にインジェクタ5による
燃料噴射からクランク軸7が前記第2設定角度だけ回転
するまでの間、タイマ値Tをインクリメントしていっ
て、クランク軸7が第2設定角度だけ回転すれば、その
ときのタイマ値を第2タイマ値T2としてメモリに記憶
する。この第2タイマ値T2が所要時間QTIMEに相当し
ている。
【0083】続いて、ステップU12では、メモリに記
憶されている第2タイマ値T2から同じくメモリに記憶
されている第1タイマ値T1を減算して、第3タイマ値
T3を算出し、この第3タイマ値T3をメモリに記憶す
る。この第3タイマ値T3が第2所要時間ITTMR#に相当
している。そして、上述の如く各気筒毎に第1所要時間
ITTMF#と、第2所要時間ITTMR#と、所要時間QTIMEとを
計測した後、ステップU13において第1及び第2フラ
グを共にクリアし(F1=F2=0)、タイマ値Tをリ
セットして(T=0)、しかる後にリターンする。
【0084】したがって、この実施形態に係る燃料噴射
制御装置Aによれば、エンジン1がアイドル運転状態に
なっているとき、エンジン回転数とアイドル目標回転数
とのズレが大きければ、まず、全気筒の燃料噴射量Qを
一律に増量又は減量させて、エンジン回転数をアイドル
目標回転数に近づける。そして、エンジン回転数とアイ
ドル目標回転数とのズレが大きくなくなれば、各気筒毎
の燃焼力に対応するクランク軸7の回転角速度ωを検出
し、その検出値に基づいて各気筒毎の燃焼力が略同じに
なるように燃料噴射量Qを気筒毎に補正する。このこと
で、気筒間の燃焼力のばらつきを減らしてトルク差を減
少させ、エンジンのアイドル安定性を高めることができ
る。
【0085】同時に、エンジン回転数とアイドル目標回
転数とのズレが大きくなくなれば、燃焼状態検出手段3
5bにより前記各気筒毎にその気筒2の燃焼状態を反映
する回転変動状態量、具体的には、燃焼初期及び後期の
それぞれの燃焼割合の比率に対応する時間比率ITTMF#/I
TTMR#を検出し、その検出結果に基づいて、時間比率ITT
MF#/ITTMR#が予め設定されているアイドル基準値ITDEV
になるように各気筒毎に燃料噴射時期ITを補正する。こ
のことで、エンジン1の各気筒2における燃焼状態を改
善して、排ガス中のNOx及びスモークの生成を抑える
とともに、騒音低減を図ることができる。また、そのこ
とによっても気筒間の燃焼較差が減少するので、エンジ
ン1のアイドル安定性を一層、高めることができる。
【0086】しかも、燃料噴射時期ITの補正を各気筒2
における実際の燃焼状態に基づいて行うことで、インジ
ェクタ5の個体差に起因する噴射ばらつきや筒内温度の
ばらつき、或いは各気筒毎の吸入空気量や排ガス還流量
のばらつき等があっても、それらに拘わらず各気筒2の
燃焼状態を均一に前記の最適な状態に揃えることができ
る。
【0087】また、この実施形態に係る燃料噴射制御装
置Aによれば、各気筒2の燃焼初期の燃焼力を、その気
筒2において燃料が噴射されて燃焼が開始したときか
ら、クランク軸7が90°CA回転するまでの第1所要
時間ITTMF#に基づいて検出するとともに、燃焼後期の燃
焼力を前記第1所要時間ITTMF#の経過後にクランク軸7
がさらに90°CA回転するまでの第2所要時間ITTMR#
に基づいて検出するようにしているので、前記燃焼初期
及び後期のそれぞれの燃焼力を各気筒毎に他の気筒の影
響を排除しつつ極めて正確に検出することができる。
【0088】さらに、エンジン1がアイドル運転状態に
なっているときには、車両の運転者がエンジン1の回転
変動による振動を特に不快に感じやすいので、このよう
なときに、気筒間の燃焼較差の低減によってエンジン1
の燃焼安定性を高めることの作用効果が特に有効なもの
になる。尚、上述の燃料噴射時期の補正制御をアイドル
運転時に限らず、より広くエンジン1の定常運転時に行
うようにすることも可能である。
【0089】また、この実施形態では、上述の如き燃料
噴射時期の補正制御をディーゼルエンジン1に適用して
いる。このディーゼルエンジンでは、燃焼室4に噴射さ
れた燃料噴霧の自己着火により燃焼が開始するという特
性上、燃料噴射時期ITの変更による燃焼状態の変化が極
めて大きいので、各気筒毎の燃料噴射時期の補正制御に
よって燃焼状態を改善するという作用効果が極めて有効
になる。尚、燃料噴射時期の補正制御をいわゆる直噴式
のガソリンエンジンに適用することもできる。
【0090】(他の実施形態)本発明は前記実施形態に
限定されるものではなく、その他の種々の実施形態を包
含するものである。すなわち、前期実施形態では、各気
筒2の燃焼状態をそれぞれクランク軸7の回転変動状態
に基づいて検出するようにしているが、これに限らず、
各気筒2に燃焼室4の圧力状態を検出する燃焼圧センサ
を設けて、燃焼圧力の変化を直接検出するようににして
もよい。
【0091】また、前期実施形態では、各気筒毎の燃焼
初期の燃焼力を検出するために、その気筒2における燃
料の噴射からクランク軸7が90°CA回転するまでの
第1クランク角区間で、第1所要時間ITTMF#を検出する
ようにしているが、これに限らず、前記第1クランク角
区間は、混合気の予混合燃焼時に対応するように、例え
ば30°〜90°CAの任意の大きさのクランク角区間
としてもよく、また、クランク軸7の回転角速度ωが極
小値から極大値に変化するまでのクランク角区間として
もよい。同様に、第2クランク角区間の大きさも90°
CAに限るものではない。
【0092】すなわち、ディーゼルエンジンにおいて排
ガス中のNOx及びスモークを両方共に低減しかつ燃焼
音の増大を抑えることもできるような理想的な燃焼状態
に対応する燃焼圧波形を実験的に決定しておいて、その
目標とする燃焼圧波形と現在の燃焼圧波形とのずれを検
出できるように燃焼圧波形の特徴を表す状態量を検出す
ればよい。
【0093】
【発明の効果】以上説明した如く、請求項1の発明によ
ると、エンジンの運転中に少なくとも2つの気筒につい
て、実際の燃焼状態に基づいて燃料噴射時期を補正する
ことで、燃料噴射弁5の個体差に起因する噴射ばらつき
や筒内温度のばらつき、或いは該各検出気筒毎の吸入空
気量や排ガス還流量のばらつき等があっても、それらに
拘わらず前記各検出気筒2の燃焼状態を均一に揃えるこ
とができ、よって、該各検出気筒2における燃焼状態を
改善して、排ガスの清浄化及び騒音低減を図ることがで
きる。また、気筒間の燃焼較差を低減させて、エンジン
1のアイドル安定性を高めることができる。
【0094】請求項2の発明によると、各気筒の燃料噴
射時期を、該気筒の燃焼状態量がそれぞれNOx及びス
モークの生成を抑える上で最適な状態になるように予め
実験的に設定した設定量になるように補正することで、
排ガス中のNOxやスモーク等の有害成分を極めて少な
くすることができ、かつエンジンの運転騒音を十分に低
減することができる。
【0095】請求項3の発明によると、車両の運転者が
エンジンの回転変動による振動を不快に感じやすい定常
運転状態において、各気筒間の燃焼較差の低減によりエ
ンジンの燃焼安定性を高めるという効果が特に有効にな
る。
【0096】請求項4の発明によると、各気筒の燃焼初
期におけるクランク軸の平均的な回転角速度を検出する
ことができるので、他の気筒の影響を排除しつつ各気筒
毎の燃焼状態を正確に検出できる。
【0097】請求項5の発明によると、各気筒毎の燃焼
初期の燃焼状態を反映する第1所要時間に加えて、その
後の燃焼状態を反映する第2所要時間を検出すること
で、各気筒毎の燃焼状態を極めて正確に検出できる。
【0098】請求項6の発明によると、第1所要時間の
計測をクランク軸の角度位置のみに対応づけて行うこと
ができるので、燃焼状態検出手段を簡単な構成にでき
る。
【0099】請求項7の発明によると、気筒の燃焼初期
の状態を極めて強く反映する第1所要時間を検出するこ
とで、燃焼状態検出手段による検出精度を極めて高くす
ることができる。また、請求項8の発明によると、前記
第1所要時移に加えて、燃焼後期の燃焼状態を反映する
第2所要時間を検出することで、各気筒毎の燃焼状態を
一層、正確に検出できる。
【0100】請求項9の発明によると、燃焼初期及び後
期のクランク軸の回転角速度の比率に基づいて、混合気
の燃焼圧波形の特徴を表す値を容易に検出することがで
きる。
【0101】請求項10の発明によると、各気筒毎の燃
料噴射量の補正によって気筒間のトルク差を減少させる
ことができるので、エンジンのアイドル安定性を一層、
高めることができる。
【0102】請求項11の発明によると、ディーゼルエ
ンジンでは燃料噴射時期の変更による燃焼状態の変化が
極めて大きいので、各気筒毎の燃料噴射時期の補正制御
による燃焼改善効果が極めて有効なものになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係るエンジンの燃料噴射制
御装置の全体構成を示す図である。
【図2】燃料噴射制御の処理手順を示すフローチャート
図である。
【図3】第1〜第4の各気筒における筒内圧、クランク
軸の回転角速度及びその逆数の変化を、各気筒における
行程の変化に対応づけて示した説明図である。
【図4】燃料噴射量の補正量が、全気筒平均所要時間と
各気筒毎の所要時間との偏差に対応づけて設定されてい
るマップを例示する説明図である。
【図5】燃料噴射時期の設定手順を示すフローチャート
図である。
【図6】燃料噴射時期の変化に対する燃焼圧波形の変化
の様子と、燃焼初期及び後期にそれぞれ対応する第1及
び第2クランク角区間とを例示する説明図である。
【図7】燃料噴射時期のタイミング補正量が、時間比率
のアイドル基準値との偏差に対応づけて設定されている
マップを例示する説明図である。
【図8】所要時間の計測手順を示すタイムチャート図で
ある。
【符号の説明】
A 燃料噴射制御装置 1 ディーゼルエンジン 2 気筒 5 インジェクタ(燃料噴射弁) 7 クランク軸 35 ECU(コントロールユニット) 35b 変動状態判定手段 35c 噴射時期補正手段 35d 噴射量補正手段 ITTMF# 第1所要時間 ITTMR# 第2所要時間 ITDEV アイドル基準値(設定量)
フロントページの続き Fターム(参考) 3G084 AA01 AA03 BA02 BA13 BA15 CA03 CA05 DA10 DA23 DA39 EA07 EB02 EB12 EB13 EC02 EC03 FA33 FA34 FA38 FA39 3G301 HA02 HA06 HA11 HA13 JA25 JA26 JA37 KA07 KA21 LB11 MA11 MA19 NA01 NA03 NA06 NA08 NB02 NB03 NB06 NC01 NC02 ND01 NE01 NE06 PA04Z PB08A PB08Z PC00Z PC01Z PE01A PE01Z PE02Z PE03Z PE04Z PE05Z PF03Z

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 多気筒エンジンの各気筒毎に燃料噴射弁
    が設けられ、該エンジンの運転状態に応じて前記燃料噴
    射弁による燃料の噴射時期を気筒毎に制御するようにし
    たエンジンの燃料噴射制御装置において、 少なくとも2つの気筒についてそれぞれ燃焼状態に対応
    する燃焼状態量を検出する燃焼状態検出手段と、 前記燃焼状態検出手段により検出される前記各検出気筒
    毎の燃焼状態量が略同じになるように、該各検出気筒の
    燃料噴射時期を補正する噴射時期補正手段とが設けられ
    ていることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  2. 【請求項2】 請求項1のエンジンの燃料噴射制御装置
    において、 噴射時期補正手段は、各気筒の燃料噴射時期を該気筒の
    燃焼状態量が所定の設定量になるように補正するもので
    あることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2のいずれかのエンジンの
    燃料噴射制御装置において、 噴射時期補正手段は、エンジンが定常運転状態になって
    いるときに燃料噴射時期の補正を行うように構成されて
    いることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  4. 【請求項4】 請求項3のエンジンの燃料噴射制御装置
    において、 燃焼状態検出手段は、各気筒の圧縮行程でエンジンのク
    ランク軸の回転角速度が略減少状態から増加状態に変化
    した時点から該クランク軸が所定角度回転するまでの第
    1所要時間を少なくとも検出し、その検出結果に基づい
    て燃焼状態量を検出するように構成されていることを特
    徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  5. 【請求項5】 請求項4のエンジンの燃料噴射制御装置
    において、 燃焼状態検出手段は、第1所要時間と、該第1所要時間
    の経過後にクランク軸がさらに所定角度回転するまでの
    第2所要時間とを検出し、その検出結果に基づいて燃焼
    状態量を検出するように構成されていることを特徴とす
    るエンジンの燃料噴射制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項4のエンジンの燃料噴射制御装置
    において、 クランク軸の回転角速度が略減少状態から増加状態に変
    化する時点とは、該クランク軸が各気筒の圧縮上死点近
    傍に対応する設定クランク角位置にある時であることを
    特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  7. 【請求項7】 請求項3のエンジンの燃料噴射制御装置
    において、 燃焼状態検出手段は、各気筒の圧縮行程でクランク軸の
    回転角速度が略減少状態から増加状態に変化した時点か
    ら、該クランク軸の回転角速度が次に略減少状態に変化
    するまでの第1所要時間を少なくとも検出し、その検出
    結果に基づいて燃焼状態量を検出するように構成されて
    いることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  8. 【請求項8】 請求項7のエンジンの燃料噴射制御装置
    において、 燃焼状態検出手段は、第1所要時間と、該第1所要時間
    の経過後にクランク軸の回転角速度が再び略減少状態か
    ら増加状態に変化するまでの第2所要時間とを少なくと
    も検出するように構成されていることを特徴とするエン
    ジンの燃料噴射制御装置。
  9. 【請求項9】 請求項7又は8のいずれかのエンジンの
    燃料噴射制御装置において、 燃焼状態検出手段は、第1所要時間の第2所要時間に対
    する比率を燃焼状態量として検出するように構成されて
    いることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  10. 【請求項10】 請求項3のエンジンの燃料噴射制御装
    置において、 エンジンがアイドル運転状態になっているときに、燃焼
    状態検出手段により検出された各気筒毎の燃焼状態量に
    基づいて、各気筒毎の燃料噴射量を気筒間のトルク差が
    減少するように補正する噴射量補正手段が設けられてい
    ることを特徴とするエンジンの燃料噴射制御装置。
  11. 【請求項11】 請求項1又は2のいずれかのエンジン
    の燃料噴射制御装置において、 エンジンはディーゼルエンジンであることを特徴とする
    エンジンの燃料噴射制御装置。
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