JP2000103768A - p−N−置換アミノベンズアルデヒドの製造方法 - Google Patents
p−N−置換アミノベンズアルデヒドの製造方法Info
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- JP2000103768A JP2000103768A JP10278801A JP27880198A JP2000103768A JP 2000103768 A JP2000103768 A JP 2000103768A JP 10278801 A JP10278801 A JP 10278801A JP 27880198 A JP27880198 A JP 27880198A JP 2000103768 A JP2000103768 A JP 2000103768A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】N−置換アニリンをホルミル化してp−N−置
換アミノベンズアルデヒドを製造するに際し、高純度、
高収率で工業的にも有用な製造方法を提供する。 【解決手段】有機溶媒中、Vilsmeier錯体とN
−置換アニリンを反応させて加水分解するp−N−置換
アミノベンズアルデヒドを製造する方法において、生成
するo−位の異性体を酸性水により抽出除去する。
換アミノベンズアルデヒドを製造するに際し、高純度、
高収率で工業的にも有用な製造方法を提供する。 【解決手段】有機溶媒中、Vilsmeier錯体とN
−置換アニリンを反応させて加水分解するp−N−置換
アミノベンズアルデヒドを製造する方法において、生成
するo−位の異性体を酸性水により抽出除去する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬、香料、染料
などの中間体として有用なp−N−置換アミノベンズア
ルデヒドの製造方法に関するものである。
などの中間体として有用なp−N−置換アミノベンズア
ルデヒドの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】芳香族アルデヒドの製法については数多
く知られており、中でもN−置換アニリンをVilsm
eier錯体と反応させてp−N−置換アミノベンズア
ルデヒドを得る製法についてはいくつかの提案がなされ
ている。その例としてOrg.Synth.,a,33
1(1963)、特開昭52−125138号公報、特
開平10−17520号公報に記載の方法などが挙げら
れる。これら記載の方法は酸アミドにオキシ塩化燐、塩
化チオニル、炭酸ビス(トリクロロメチル)などのハロ
ゲン化試剤を反応させて生成した錯体(Vilsmei
er錯体)を芳香族化合物と反応させることにより、ホ
ルミル化を行なうものである。N−置換アニリンの場
合、ホルミル基はp−位に導入されるが、少量o−位の
異性体が生成する。この異性体はp−位との分離が困難
であり、取り出したp−N−置換アミノベンズアルデヒ
ドの純度を低下させる原因となる。しかしながら上記記
載の方法には副生する異性体の分離及び除去法について
の詳細な記載はなく、工業的にも有用な方法で高純度且
つ高収率でp−N−置換アミノベンズアルデヒドを製造
する方法は知られていなかった。
く知られており、中でもN−置換アニリンをVilsm
eier錯体と反応させてp−N−置換アミノベンズア
ルデヒドを得る製法についてはいくつかの提案がなされ
ている。その例としてOrg.Synth.,a,33
1(1963)、特開昭52−125138号公報、特
開平10−17520号公報に記載の方法などが挙げら
れる。これら記載の方法は酸アミドにオキシ塩化燐、塩
化チオニル、炭酸ビス(トリクロロメチル)などのハロ
ゲン化試剤を反応させて生成した錯体(Vilsmei
er錯体)を芳香族化合物と反応させることにより、ホ
ルミル化を行なうものである。N−置換アニリンの場
合、ホルミル基はp−位に導入されるが、少量o−位の
異性体が生成する。この異性体はp−位との分離が困難
であり、取り出したp−N−置換アミノベンズアルデヒ
ドの純度を低下させる原因となる。しかしながら上記記
載の方法には副生する異性体の分離及び除去法について
の詳細な記載はなく、工業的にも有用な方法で高純度且
つ高収率でp−N−置換アミノベンズアルデヒドを製造
する方法は知られていなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、N−
置換アニリンをホルミル化することにより、p−N−置
換アミノベンズアルデヒドを製造する際に、生成する異
性体を選択的に分離除去し、高純度且つ高収率で目的物
を得る工業的にも有用な製造方法を提供することであ
る。
置換アニリンをホルミル化することにより、p−N−置
換アミノベンズアルデヒドを製造する際に、生成する異
性体を選択的に分離除去し、高純度且つ高収率で目的物
を得る工業的にも有用な製造方法を提供することであ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者等は上記した課
題を解決するために鋭意検討した結果、p−N−置換ア
ミノベンズアルデヒド及びo−N−置換アミノベンズア
ルデヒドの混在する有機溶媒中から、酸性水によって異
性体であるo−N−置換アミノベンズアルデヒド選択的
に抽出除去できることを見出し、本発明を完成するに到
った。
題を解決するために鋭意検討した結果、p−N−置換ア
ミノベンズアルデヒド及びo−N−置換アミノベンズア
ルデヒドの混在する有機溶媒中から、酸性水によって異
性体であるo−N−置換アミノベンズアルデヒド選択的
に抽出除去できることを見出し、本発明を完成するに到
った。
【0005】即ち、本発明は以下のものである。 (1)有機溶媒中、Vilsmeier錯体とN−置換
アニリンとを反応させて加水分解するp−N−置換アミ
ノベンズアルデヒド化合物を製造する方法において、生
成するo−位の異性体を酸性水により抽出除去すること
を特徴とする製造方法、(2)有機溶媒が炭化水素系溶
媒、またはハロゲン化炭化水素溶媒である(1)記載の
製造方法、(3)Vilsmeier錯体が、ホスゲン
と第2級酸アミドを反応させた錯体である(1)記載の
製造方法、(4)第2級酸アミドがジメチルホルムアミ
ドである(3)記載の製造方法、(5)N−置換アニリ
ンがN,N−ジメチルアニリンである(1)記載の製造
方法、(6)p−N−置換アミノベンズアルデヒド化合
物がp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドであ
る(1)記載の製造方法に関する。
アニリンとを反応させて加水分解するp−N−置換アミ
ノベンズアルデヒド化合物を製造する方法において、生
成するo−位の異性体を酸性水により抽出除去すること
を特徴とする製造方法、(2)有機溶媒が炭化水素系溶
媒、またはハロゲン化炭化水素溶媒である(1)記載の
製造方法、(3)Vilsmeier錯体が、ホスゲン
と第2級酸アミドを反応させた錯体である(1)記載の
製造方法、(4)第2級酸アミドがジメチルホルムアミ
ドである(3)記載の製造方法、(5)N−置換アニリ
ンがN,N−ジメチルアニリンである(1)記載の製造
方法、(6)p−N−置換アミノベンズアルデヒド化合
物がp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドであ
る(1)記載の製造方法に関する。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、具体的に本発明の製造方
法を説明する。本発明において実施される反応の形態と
しては、例えば、第2級酸アミドを有機溶媒に溶解さ
せ、ハロゲン化試剤が液体の場合は滴下、気体の場合は
液中に吹き込むなどしてVlsmeir錯体を生成させ
たのちにN−置換アニリンを装入し反応させる方法、有
機溶媒に第2級酸アミドとN−置換アニリンを溶解さ
せ、ハロゲン化試剤を滴下あるいは液中に吹き込むなど
して装入し反応させる方法などがある。反応後、水を装
入して加水分解を行ない、次いで酸性水を装入して抽出
を行ない、有機層と水層に分液し、得られた有機層をそ
のまま濃縮乾固させるか、再結晶するなどして異性体が
除去されたp−N−置換アミノベンズアルデヒドを得る
方法などが挙げられる。
法を説明する。本発明において実施される反応の形態と
しては、例えば、第2級酸アミドを有機溶媒に溶解さ
せ、ハロゲン化試剤が液体の場合は滴下、気体の場合は
液中に吹き込むなどしてVlsmeir錯体を生成させ
たのちにN−置換アニリンを装入し反応させる方法、有
機溶媒に第2級酸アミドとN−置換アニリンを溶解さ
せ、ハロゲン化試剤を滴下あるいは液中に吹き込むなど
して装入し反応させる方法などがある。反応後、水を装
入して加水分解を行ない、次いで酸性水を装入して抽出
を行ない、有機層と水層に分液し、得られた有機層をそ
のまま濃縮乾固させるか、再結晶するなどして異性体が
除去されたp−N−置換アミノベンズアルデヒドを得る
方法などが挙げられる。
【0007】本発明で使用される有機溶媒としては、ヘ
キサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタ
ン、1,1−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロ
エタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼ
ン、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−ク
ロルトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙
げられる。その中でも錯体と芳香族アミンが反応して生
成する中間体の溶解度が大きい1,2−ジクロロエタン
が特に好ましい。有機溶媒の使用量は、特に限定される
ものではないが、第2級酸アミドのに対して1〜20倍
量、好ましくは5〜10倍量である。
キサン、オクタン、デカン、シクロヘキサン、ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の炭化水素系溶媒、ジクロロ
メタン、1,2−ジクロロエタン、テトラクロロメタ
ン、1,1−ジクロロエタン、1,1,1−トリクロロ
エタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼ
ン、o−ジクロロベンゼン、m−ジクロロベンゼン、p
−ジクロロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼ
ン、o−クロロトルエン、m−クロロトルエン、p−ク
ロルトルエンなどのハロゲン化炭化水素系溶媒などが挙
げられる。その中でも錯体と芳香族アミンが反応して生
成する中間体の溶解度が大きい1,2−ジクロロエタン
が特に好ましい。有機溶媒の使用量は、特に限定される
ものではないが、第2級酸アミドのに対して1〜20倍
量、好ましくは5〜10倍量である。
【0008】本発明においてVilsmeir錯体は、
第2級酸アミドとハロゲン化試剤を反応させることによ
り合成できる。この際に使用される第2級酸アミドとし
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミドなどが挙げられる。使用されるハロゲン化
試剤としては、オキシ塩化燐、ホスゲン、塩化チオニ
ル、トリフェニルホスフィン・臭素、炭酸ビス(トリク
ロロメチル)などが挙げられるが、反応収率及び排水処
理などの問題を考慮すると、近年ウレタン工業の発展と
共に多量に生産され、安価で入手可能なホスゲンが好ま
しい。ハロゲン化試剤の使用量としては、第2級酸アミ
ドに対して等モル以上であれば特に限定されるものでは
ないが、1〜1.5倍モル、好ましくは1〜1.1倍モ
ル量が好ましい。
第2級酸アミドとハロゲン化試剤を反応させることによ
り合成できる。この際に使用される第2級酸アミドとし
ては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジエチ
ルホルムアミド、N,N−ジイソプロピルホルムアミ
ド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジエチル
アセトアミドなどが挙げられる。使用されるハロゲン化
試剤としては、オキシ塩化燐、ホスゲン、塩化チオニ
ル、トリフェニルホスフィン・臭素、炭酸ビス(トリク
ロロメチル)などが挙げられるが、反応収率及び排水処
理などの問題を考慮すると、近年ウレタン工業の発展と
共に多量に生産され、安価で入手可能なホスゲンが好ま
しい。ハロゲン化試剤の使用量としては、第2級酸アミ
ドに対して等モル以上であれば特に限定されるものでは
ないが、1〜1.5倍モル、好ましくは1〜1.1倍モ
ル量が好ましい。
【0009】本発明に使用されるN−置換アニリンとし
ては、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなど
が挙げられる。本発明におけるN−置換アニリンは、V
lsmeir錯体と反応する際に、副生してくる塩酸ガ
スの受容体としての効果も持っている。副生してくる塩
酸ガスの受容体としては、N−置換アニリン以外の3級
アミン、例えばピリジン、ピコリン等も用いることがで
きる。N−置換アニリンの使用量は、第2級酸アミドに
対して2〜10倍モル量が好ましく、より好ましくは経
済的な点から考慮すると2〜2.2倍モル量である。
ては、N−メチルアニリン、N−エチルアニリン、N,
N−ジメチルアニリン、N,N−ジエチルアニリンなど
が挙げられる。本発明におけるN−置換アニリンは、V
lsmeir錯体と反応する際に、副生してくる塩酸ガ
スの受容体としての効果も持っている。副生してくる塩
酸ガスの受容体としては、N−置換アニリン以外の3級
アミン、例えばピリジン、ピコリン等も用いることがで
きる。N−置換アニリンの使用量は、第2級酸アミドに
対して2〜10倍モル量が好ましく、より好ましくは経
済的な点から考慮すると2〜2.2倍モル量である。
【0010】本発明におけるVilsmeir錯体を合
成する際の反応温度は、−10〜50℃、好ましくは1
0〜30℃である。この範囲内では反応は良好に進行す
る。本発明におけるVilsmeir錯体とN−置換ア
ニリンとの反応温度は0〜100℃、好ましくは0〜5
0℃の温度範囲で実施される。0℃以下では反応速度が
低下し、100℃以上ではVilsmeir錯体及び中
間体の安定性がなくなるため好ましくない。反応は速や
かに進行するため、N−置換アニリンとVilsmei
r錯体を反応させたのち、1時間程度熟成するとほとん
ど反応を完結させることができる。
成する際の反応温度は、−10〜50℃、好ましくは1
0〜30℃である。この範囲内では反応は良好に進行す
る。本発明におけるVilsmeir錯体とN−置換ア
ニリンとの反応温度は0〜100℃、好ましくは0〜5
0℃の温度範囲で実施される。0℃以下では反応速度が
低下し、100℃以上ではVilsmeir錯体及び中
間体の安定性がなくなるため好ましくない。反応は速や
かに進行するため、N−置換アニリンとVilsmei
r錯体を反応させたのち、1時間程度熟成するとほとん
ど反応を完結させることができる。
【0011】反応終了後は水を装入し、反応中間体を加
水分解するが、その際使用する水の量は加水分解に要す
る理論量以上であれば問題はなく、使用する第2級酸ア
ミドに対して2〜10倍モルで十分である。この範囲内
では加水分解は良好に進行する。
水分解するが、その際使用する水の量は加水分解に要す
る理論量以上であれば問題はなく、使用する第2級酸ア
ミドに対して2〜10倍モルで十分である。この範囲内
では加水分解は良好に進行する。
【0012】本発明において有機溶媒層を抽出するに装
入される酸性水は、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、蟻酸な
どの有機酸などの希薄水溶液である。使用する酸性水中
に含まれる酸の量としては、有機溶媒層中に含有するo
−位の異性体に対し、1〜3倍モル、好ましくは1〜2
倍モルである。1倍モルより少ない場合は水層への抽出
効果が減少し、3倍モルより多くなると目的物であるp
−N−置換アミノベンズアルデヒドが水層へ抽出され、
収率の低下を招くため好ましくない。酸性水の使用量は
使用する有機溶媒に対して0.1〜3.0倍重量、好ま
しくは0.3〜1.0倍重量である。0.1倍重量以下
では異性体の抽出効果が低下し、3.0倍重量以上では
容積効率の悪化、排水量の増加などの点から好ましくな
い。
入される酸性水は、塩酸、硫酸、硝酸などの鉱酸、p−
トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、酢酸、蟻酸な
どの有機酸などの希薄水溶液である。使用する酸性水中
に含まれる酸の量としては、有機溶媒層中に含有するo
−位の異性体に対し、1〜3倍モル、好ましくは1〜2
倍モルである。1倍モルより少ない場合は水層への抽出
効果が減少し、3倍モルより多くなると目的物であるp
−N−置換アミノベンズアルデヒドが水層へ抽出され、
収率の低下を招くため好ましくない。酸性水の使用量は
使用する有機溶媒に対して0.1〜3.0倍重量、好ま
しくは0.3〜1.0倍重量である。0.1倍重量以下
では異性体の抽出効果が低下し、3.0倍重量以上では
容積効率の悪化、排水量の増加などの点から好ましくな
い。
【0013】本発明は作業効率の向上及び製造プロセス
の簡素化などの点から、Vilsmeir錯体とN−置
換アニリンを反応させたのち、酸性水を装入して加水分
解及び抽出を行なっても何ら問題はない。その際の酸性
水の使用量は使用する有機溶媒に対して0.1〜3.4
倍重量、好ましくは0.3〜1.0倍重量である。この
範囲であれば良好に加水分解が進行し、抽出効果も問題
なく得られる。
の簡素化などの点から、Vilsmeir錯体とN−置
換アニリンを反応させたのち、酸性水を装入して加水分
解及び抽出を行なっても何ら問題はない。その際の酸性
水の使用量は使用する有機溶媒に対して0.1〜3.4
倍重量、好ましくは0.3〜1.0倍重量である。この
範囲であれば良好に加水分解が進行し、抽出効果も問題
なく得られる。
【0014】抽出後の反応マスは静置、分液して有機溶
媒層と水層の2層に分液される。得られた有機溶媒層に
は目的物であるp−N−置換アミノベンズアルデヒド
が、水層には異性体であるo−N−置換アミノベンズア
ルデヒドがそれぞれ抽出される。
媒層と水層の2層に分液される。得られた有機溶媒層に
は目的物であるp−N−置換アミノベンズアルデヒド
が、水層には異性体であるo−N−置換アミノベンズア
ルデヒドがそれぞれ抽出される。
【0015】分液した有機溶媒層はそのまま濃縮乾固さ
せるか、再結晶するなどして目的のp−N−置換アミノ
ベンズアルデヒドを得ることができる。又、この時濃縮
回収される有機溶媒は再度反応溶媒としてリサイクル使
用することができる。
せるか、再結晶するなどして目的のp−N−置換アミノ
ベンズアルデヒドを得ることができる。又、この時濃縮
回収される有機溶媒は再度反応溶媒としてリサイクル使
用することができる。
【0016】
【実施例】以下、実施例により本発明をさらに具体的に
説明する。 (実施例1)1,2−ジクロロエタン(EDC)100
gにN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)14.6
gを溶解し、20℃でホスゲンガス22.0gを1時間
で吹き込み、Vilsmeir錯体を合成した。その後
30℃に昇温してN,N−ジメチルアニリン48.9g
を1時間で装入し同温度で1時間熟成を行なった。反応
終了後、水20gを装入し加水分解したのち、2.9%
塩酸水溶液50gを装入し室温で1時間攪拌した。反応
液をEDC層と水層に分液し、それぞれの層をHPLC
分析を行なった。分析の結果、原料DMFに対して、E
DC層にはp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ドが85.1%、o−N,N−ジメチルアミノベンズア
ルデヒドが0.1%みられ、水層にはp−N,N−ジメ
チルアミノベンズアルデヒドが4.5%、o−N,N−
ジメチルアミノベンズアルデヒドが8.9%で存在して
いた。分液したEDC層を80℃減圧下で濃縮し、ED
Cを留去した。その後溶融物をフレ−ク化(溶融物を冷
却し薄い膜状に結晶化させ、フレ−ク状に粉砕)して取
り出したところ、26.3gのp−N,N−ジメチルア
ミノベンズアルデヒドが得られた。純度96.4wt
%、収率は85.1%であった。
説明する。 (実施例1)1,2−ジクロロエタン(EDC)100
gにN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)14.6
gを溶解し、20℃でホスゲンガス22.0gを1時間
で吹き込み、Vilsmeir錯体を合成した。その後
30℃に昇温してN,N−ジメチルアニリン48.9g
を1時間で装入し同温度で1時間熟成を行なった。反応
終了後、水20gを装入し加水分解したのち、2.9%
塩酸水溶液50gを装入し室温で1時間攪拌した。反応
液をEDC層と水層に分液し、それぞれの層をHPLC
分析を行なった。分析の結果、原料DMFに対して、E
DC層にはp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ドが85.1%、o−N,N−ジメチルアミノベンズア
ルデヒドが0.1%みられ、水層にはp−N,N−ジメ
チルアミノベンズアルデヒドが4.5%、o−N,N−
ジメチルアミノベンズアルデヒドが8.9%で存在して
いた。分液したEDC層を80℃減圧下で濃縮し、ED
Cを留去した。その後溶融物をフレ−ク化(溶融物を冷
却し薄い膜状に結晶化させ、フレ−ク状に粉砕)して取
り出したところ、26.3gのp−N,N−ジメチルア
ミノベンズアルデヒドが得られた。純度96.4wt
%、収率は85.1%であった。
【0017】(実施例2)実施例1と同様の反応を行な
い、反応終了後2.1%塩酸水溶液70gを装入後室温
で1時間攪拌し、加水分解と抽出操作を同時に行なっ
た。反応液をEDC層と水層に分液し、それぞれの層を
HPLC分析を行なった。分析の結果、原料DMFに対
して、EDC層にはp−N,N−ジメチルアミノベンズ
アルデヒドが85.0%、o−N,N−ジメチルアミノ
ベンズアルデヒドが0.3%みられ、水層にはp−N,
N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが5.1%、o−
N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが8.7%存
在していた。分液したEDC層を80℃減圧下で濃縮
し、EDCを留去した。その後溶融物をフレ−ク化して
取り出したところ、25.9gのp−N,N−ジメチル
アミノベンズアルデヒドが得られた。純度98.0wt
%、収率は85.0%であった。
い、反応終了後2.1%塩酸水溶液70gを装入後室温
で1時間攪拌し、加水分解と抽出操作を同時に行なっ
た。反応液をEDC層と水層に分液し、それぞれの層を
HPLC分析を行なった。分析の結果、原料DMFに対
して、EDC層にはp−N,N−ジメチルアミノベンズ
アルデヒドが85.0%、o−N,N−ジメチルアミノ
ベンズアルデヒドが0.3%みられ、水層にはp−N,
N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが5.1%、o−
N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが8.7%存
在していた。分液したEDC層を80℃減圧下で濃縮
し、EDCを留去した。その後溶融物をフレ−ク化して
取り出したところ、25.9gのp−N,N−ジメチル
アミノベンズアルデヒドが得られた。純度98.0wt
%、収率は85.0%であった。
【0018】(比較例1)実施例1と同様の反応を行な
い、反応終了後、水20gを装入し加水分解したのち、
次いで50gの水を装入して室温で1時間攪拌し、抽出
操作を行なった。反応液をEDC層と水層に分液し、そ
れぞれの層をHPLC分析を行なった。分析の結果、原
料DMFに対して、EDC層にはp−N,N−ジメチル
アミノベンズアルデヒドが89.6%、o−N,N−ジ
メチルアミノベンズアルデヒドが8.8%みられ、水層
にはp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが
0.5%、o−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ドが0.7%で存在していた。分液したEDC層を80
℃減圧下で濃縮し、EDCを留去した。その後溶融物を
フレ−ク化して取り出したところ、30.0gのp−
N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが得られた。
純度は89.1wt%で異性体であるo−N,N−ジメ
チルアミノベンズアルデヒドが8.8%含まれていた。
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドの純換収
率は89.6%であった。
い、反応終了後、水20gを装入し加水分解したのち、
次いで50gの水を装入して室温で1時間攪拌し、抽出
操作を行なった。反応液をEDC層と水層に分液し、そ
れぞれの層をHPLC分析を行なった。分析の結果、原
料DMFに対して、EDC層にはp−N,N−ジメチル
アミノベンズアルデヒドが89.6%、o−N,N−ジ
メチルアミノベンズアルデヒドが8.8%みられ、水層
にはp−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが
0.5%、o−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒ
ドが0.7%で存在していた。分液したEDC層を80
℃減圧下で濃縮し、EDCを留去した。その後溶融物を
フレ−ク化して取り出したところ、30.0gのp−
N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドが得られた。
純度は89.1wt%で異性体であるo−N,N−ジメ
チルアミノベンズアルデヒドが8.8%含まれていた。
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドの純換収
率は89.6%であった。
【0019】
【発明の効果】本発明の方法により、N−置換アニリン
をホルミル化してp−N−置換アミノベンズアルデヒド
を製造する際に、生成する異性体を選択的に分離するこ
とで、高純度及び高収率で目的物が得られ、なお且つ工
業的にも有用な製造方法を提供することができた。
をホルミル化してp−N−置換アミノベンズアルデヒド
を製造する際に、生成する異性体を選択的に分離するこ
とで、高純度及び高収率で目的物が得られ、なお且つ工
業的にも有用な製造方法を提供することができた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 金村 芳信 福岡県大牟田市浅牟田町30番地 三井化学 株式会社内 Fターム(参考) 4H006 AA02 AC45 AD15 AD16 BB11 BB12 BE51 BE52 BE54 BJ50 BQ30 BU46
Claims (6)
- 【請求項1】 有機溶媒中、Vilsmeier錯体と
N−置換アニリンを反応させて加水分解するp−N−置
換アミノベンズアルデヒドを製造する方法において、生
成するo−位の異性体を酸性水により抽出除去すること
を特徴とする製造方法。 - 【請求項2】 有機溶媒が炭化水素系溶媒、またはハロ
ゲン化炭化水素溶媒である請求項1記載の製造方法。 - 【請求項3】 Vilsmeier錯体が、ホスゲンと
第2級酸アミドを反応させた錯体である請求項1記載の
製造方法。 - 【請求項4】 第2級酸アミドがジメチルホルムアミド
である請求項3記載の製造方法。 - 【請求項5】 N−置換アニリンがN,N−ジメチルア
ニリンである請求項1記載の製造方法。 - 【請求項6】 p−N−置換アミノベンズアルデヒドが
p−N,N−ジメチルアミノベンズアルデヒドである請
求項1記載の製造方法。
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JP27880198A JP3871448B2 (ja) | 1998-09-30 | 1998-09-30 | p−N−置換アミノベンズアルデヒドの製造方法 |
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---|---|
JP2000103768A true JP2000103768A (ja) | 2000-04-11 |
JP3871448B2 JP3871448B2 (ja) | 2007-01-24 |
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Citations (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS52125138A (en) * | 1976-04-09 | 1977-10-20 | Seitetsu Kagaku Co Ltd | Preparation of aromatice aldehydes |
JPS56133220A (en) * | 1980-03-21 | 1981-10-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | Preparation of aldehyde |
JPH1017520A (ja) * | 1996-06-26 | 1998-01-20 | Nippon Kayaku Co Ltd | 芳香族化合物のホルミル化法 |
-
1998
- 1998-09-30 JP JP27880198A patent/JP3871448B2/ja not_active Expired - Fee Related
Patent Citations (3)
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JPS52125138A (en) * | 1976-04-09 | 1977-10-20 | Seitetsu Kagaku Co Ltd | Preparation of aromatice aldehydes |
JPS56133220A (en) * | 1980-03-21 | 1981-10-19 | Sumitomo Chem Co Ltd | Preparation of aldehyde |
JPH1017520A (ja) * | 1996-06-26 | 1998-01-20 | Nippon Kayaku Co Ltd | 芳香族化合物のホルミル化法 |
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---|---|
JP3871448B2 (ja) | 2007-01-24 |
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