JP2004331554A - フタラジンの製造方法 - Google Patents

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phthalazine
xylene
hydrazine
tetrahalogeno
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Manabu Shimoda
学 下田
Masahito Sekiguchi
将人 関口
Taku Kamikawa
卓 神川
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Sumika Fine Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】フタラジンの工業的に有利な製造方法を提供すること。
【解決手段】式(I)
Figure 2004331554

(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンとヒドラジンまたはその塩とを有機溶媒の存在下に反応させることを特徴とするフタラジンの製造方法であり、本発明により、α, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンからフタラジンが効率良く、安価に得られ、工業的に有利である。また、フタラジンと無機,有機塩とを効率良く分離することができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はフタラジンの製造方法に関する。フタラジンは、医薬品または農薬製造中間体として有用な化合物である。
【0002】
【従来の技術】
フタラジンの製造方法としては、例えば、非特許文献1にα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンから合成する方法が記載されているが、この方法はα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンを一旦水酸化アルカリ水溶液で加水分解した後にヒドラジンと反応させており、工程が煩雑である。
o−フタルアルデヒドをヒドラジンの存在下に環化させる方法も知られているが(非特許文献2参照。)、この方法は原料であるo−フタルアルデヒドをα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンから合成する必要があり、工程が煩雑である。
1,2−フタロニトリルとヒドラジンよりフタラジンを合成している(非特許文献3参照。)が、この方法は、一旦中間体として1,4−ジヒドラジノフタラジンを合成した後に酸化によりフタラジンを合成するため工程が煩雑であり、工業的とは言えない。
アリールアルダジン誘導体を、塩化アルミニウムもしくは臭化アルミニウムの存在下でフタラジンを得る方法(例えば、特許文献1参照。)が記載されている。しかしこの方法は、過剰に用いた塩化アルミニウムもしくは臭化アルミニウムの後処理が危険かつ困難である。
メチレンヒドラゾン化合物からフタラジンを得る方法(例えば、特許文献2参照。)が記載されているが、この方法も多量の塩化アルミニウムを使用しており、後処理工程が危険かつ困難である。
また、1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン類からフタラジン類を合成する方法(例えば、特許文献3参照。)が記載されているが、この方法は、1,2,3,4−テトラヒドロフタラジン化合物を一旦ハロゲン化した後、更に脱ハロゲン化を行っており工程が非常に煩雑となっているとともにその収率も充分なものではない。
【0003】
【非特許文献1】
Chem.Ber.1895. 1830
【非特許文献2】
J.Heterocyclic Chem.17,315 1980
【非特許文献3】
Journal of Medical Chemistry, 1986 Vol29, 1329
【特許文献1】
特開昭61−37706号公報
【特許文献2】
特開2001−19679
【特許文献3】
特開平1−207279号公報、
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、工程数が短く汎用性があり、取扱い難い試剤を用いずに、工業的スケールでの製造が可能なフタラジンの製造方法を開発することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記課題を解決するべく鋭意検討した結果、本発明に至った。すなわち、本発明は、式(I)
Figure 2004331554
(式中、Xはハロゲン原子を示す。)
で示されるα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンとヒドラジンまたはその塩とを有機溶媒の存在下に反応させることを特徴とするフタラジンの製造方法を提供するものである。
【0006】
【発明の実施の形態】
以下に本発明を詳細に説明する。
式(I)で示されるα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンにおいて、Xで表されるハロゲン原子としては塩素,臭素またはヨウ素原子が挙げられ、好ましくは塩素原子が挙げられる。
【0007】
本発明に用いられるα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンは、公知化合物であり通常の方法で合成することができる。例えばα, α, α’, α’−テトラクロロ−o−キシレンはo−キシレンを紫外線照射下で塩素化するにより得ることができる。得られたα, α, α’, α’−テトラクロロ−o−キシレンはそのまま使用してもよいが、通常はトルエン、キシレン等の溶媒により再結晶したものが使用される。
【0008】
本発明で使用される有機溶媒は、アルコール類、芳香族炭化水素類、脂肪族ハロゲン化物類、芳香族ハロゲン化物類、エーテル類、エステル類またはこれらの混合溶媒が挙げられるが、好ましくは脂肪族アルコール類、より好ましくはn−ブタノール(n−BuOH)が挙げられる。
【0009】
本発明で使用されるヒドラジンまたはその塩の使用量はα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンに対して通常、1モル倍〜20モル倍であり、好ましくは1モル倍〜10モル倍である。
ヒドラジンまたはその塩の使用量を増やすと反応完結に要する時間は短くなるが、後処理での排水負荷が大きくなる。
【0010】
本発明に使用されるヒドラジンまたはその塩は特に限定されないが、通常ヒドラジン一水和物が使用され、その他、ヒドラジンの塩酸塩、硫酸塩等も使用可能である。
ヒドラジンの塩を用いる場合には、通常、ヒドラジンをフリーにするために無機塩基を添加することが好ましい。 その使用量は、ヒドラジンの塩をフリーにするのに必要な量が用いられる。
【0011】
本発明には通常、塩基が用いられ、例えば、ヒドラジン、トリエチルアミン等の有機塩基、炭酸ナトリウム,炭酸カリウム,水酸化ナトリウム,水酸化カリウム等の無機塩基およびこれらの混合物等が挙げられる。不純物抑制のためには、塩基として、ヒドラジンを使用することが好ましい。
【0012】
塩基の使用量はα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンに対して通常2〜10モル倍程度、好ましくは2〜6モル倍程度である。
【0013】
仕込み方法は特に限定されないが、不純物の抑制のためには、α, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレン、有機溶媒および塩基を仕込み、これにヒドラジンを添加する方法が好ましい。
【0014】
反応温度は通常50〜150℃であり、好ましくは80〜120℃である。
反応時間は通常1〜20時間程度である。
【0015】
反応終了後、反応マスは通常2層に分液しており、そのまま分液してもよいが、必要に応じ、反応マスに水を添加して生成塩,塩基を溶解して水層を分離する。
【0016】
分液温度は通常0〜100℃程度であり、好ましくはフタラジンの有機層への分配率を高めるために、50〜100℃程度である。
【0017】
フタラジンの単離は、分液終了後に得られた有機層を常法、例えば蒸留法や結晶化させることにより行うことができる。こうして得られた目的物は必要に応じ再結晶等により更に精製することもできる。
【0018】
【発明の効果】
本発明により、α, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンからフタラジンが効率良く、安価に得られ、工業的に有利である。また、フタラジンと無機,有機塩とを効率良く分離することができる。
【0019】
【実施例】
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0020】
[実施例1]
n−BuOH(15mL)中にα, α, α’, α’−テトラクロロ−o−キシレン(10g,0.041mol)を加え、これに98%ヒドラジン一水和物(12.3g,0.246mol)を約100℃で3時間かけて滴下した。さらに還流下(98〜100℃)で4時間攪拌した。冷却後に分液により有機層と水層を分離した。
液体クロマトグラフィー(LC)で分析した結果、フタラジンが収率92.3%(有機層に91.7%,水層に0.6%)で生成していることを確認した。
【0021】
[実施例2]
実験例1と同様の方法で反応溶媒にトルエンを用いて反応を実施した。反応時間10時間でフタラジンが収率81.0%(有機層に80.3%,水層に0.7%)で生成していることを確認した。
【0022】
[実施例3]
n−BuOH(40g)中にα, α, α’, α’−テトラクロロ−o−キシレン(10g,0.041mol)を加え、これにヒドラジン・一塩酸塩(16.7g,0.246mol)を仕込み、これに炭酸カリウム(17.0g、0.123mol)を加え、加熱し、105℃で20時間攪拌した。冷却後に分液により有機層と水層を分離した。
液体クロマトグラフィー(LC)で分析した結果、フタラジンが収率70%で生成していることを確認した。
【0023】
[実施例4]
下記の反応溶媒をそれぞれ用い実験例1と同様の方法で反応させることにより、フタラジンが効率よく得られる。
反応溶媒:
2−エチルヘキサノール、2−エチル−4−ペンタノール、2−エチル−2−プロパノール、2−ブタノン、酢酸エチル、メチルイソブチルケトン。
【0024】
[実施例5]
実験例3において、ヒドラジン・一塩酸塩をヒドラジン硫酸塩に代える以外は実施例3と同様の方法で反応させることにより、フタラジンが効率よく得られる。

Claims (4)

  1. 式(I)
    Figure 2004331554
    (式中、Xはハロゲン原子を示す。)
    で示されるα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンとヒドラジンまたはその塩とを有機溶媒の存在下に反応させることを特徴とするフタラジンの製造方法。
  2. 有機溶媒がアルコール類である請求項1記載のフタラジンの製造方法。
  3. 式(I)で示されるα, α, α’, α’−テトラハロゲノ−o−キシレンとヒドラジンまたはその塩とを有機溶媒の存在下に反応させた後、水を添加または添加せず、分液することを特徴とするフタラジンの製造方法。
  4. 有機溶媒がアルコール類である請求項3記載のフタラジンの製造方法。
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